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NaBaBaの洋ゲー・レヴュー超教条主義

NaBaBaの洋ゲー・レヴュー超教条主義

Vol.7 『Dishonored』

――なき〈Looking Glass Studios〉の総決算的作品

NaBaBa Apr 03,2013 UP

 

 突然ですがみなさん、いま〈Looking Glass Studios〉が熱いです。と言っても何がなにやらわかりませんね。すみません、NaBaBaです。年度初めの今日このごろ、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

 いきなりで失礼致しましたが、今回の連載は昨年から予告していた『Dishonored』のレヴューをついに行いたいと思います。〈Arkane Studios〉が開発したこのオリジナル新作は昨年遊んだ作品のなかでもとくに素晴らしいもので、ぜひ書こうと思いつつ延びに延びてこの時期になってしまいました。

 しかしいまこの時期となると、ゲーマーの間でいちばんの注目の的となっているのはやはり26日に発売された(国内では4月25日)『BioShock: Infinite』ではないでしょうか。現代のゲーム業界きっての名手、Ken Levine率いる〈Irrational Games〉が開発した同作の評判はすさまじいもので、海外ゲーム・レヴュー・サイト各所でも満点の続出で、「IGN」では「全てのジャンルを前に推し進める革新的な作品」と、異例の絶賛ぶりが披露されています。

 かくいう自分にとっても今年の一、二を争う期待作なのですが、じつはこの『BioShock: Infinite』と『Dishonored』はある種の兄弟関係にあることはご存知でしょうか。これら2作のそれぞれの開発スタジオは、どちらもあるひとつのスタジオから分離した会社なのです。

 その大元でいまや伝説となっているのが、冒頭で述べた〈Looking Glass Studios〉(以下LGS)。90年代に大活躍したこの技巧派のスタジオは、『Thief』や『System Shock 2』等のゲーム史に残る名作を数多く生み出し、後続に多大な影響を与えるとともに、多くの名クリエイターを輩出しました。

 たとえば連載第3回にご紹介した、『Deus Ex』を手掛けたWarren Spectorもそのひとりで、『Deus Ex』自体は〈Ion Storm〉という別スタジオが主導の作品ですが、『System Shock 2』のスタッフも多く出入りして開発されていたようで、〈LGS〉とは非常に深い関係にあったと言えるでしょう。

 しかしながら〈LGS〉は2000年に倒産しています。ではすでになきスタジオが何故いま熱いのか。それは〈LGS〉の遺伝子を受け継いだ人々が、近年各所で目覚ましい活躍を見せているからです。

 その先駆けとなったのが一昨年発売された『Deus Ex: Human Revolution』。開発した〈Eidos Montreal〉は〈LGS〉や初代『Deus Ex』の開発陣とは直接的な繋がりはありませんが、本作で確かな完成度を発揮し、シリーズのリブートを成功させました。

 また今年に入ってからは『BioShock』シリーズの前進である『System Shock 2』が、長きにわたる権利関係のゴタゴタによる販売凍結状態を乗り越え、遂に〈GOG.com〉で再販を果たし、さらに〈Eidos Montreal〉が今度は〈LGS〉のもうひとつの名作、『Thief』シリーズの9年ぶりの最新作を発表しています。

『System Shock 2』はKen Levineの実質デビュー作であり、後の〈LGS〉系作品の独特の自由度はこの作品で確立された。

 そしてもちろん忘れてはならないのが大本命の『BioShock: Infinite』と、今回主役の『Dishonored』です。〈Irrational Games〉と〈Arkane Studios〉はともに〈LGS〉から独立・派生したスタジオであり、比較的近い時期に両スタジオの作品が出揃ったのは、90年代来の洋ゲー・オタク的にはぐっと来るものがあるのです。熱い、これは熱いのですよ。

 こうした背景もあるので、当初は〈LGS〉を振り返りつつ、『Dishonored』と『BioShock: Infinite』の両方を同時にレヴューしようかとも思いましたが、ちょっと長くなりすぎるような気がしたのと、これを執筆している時点で『BioShock: Infinite』を遊ぶまでまだ少しかかりそうだったので、2回に分けて書いていきたいと思います。そういうわけで今回は『Dishonored』のレヴューです。

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Profile

NaBaBaNaBaBa
CGイラストからアナログ絵画、パフォーマンスや文章執筆までマルチにこなす、本業は駆け出しのゲームデザイナー。三度の飯よりゲーム好き。座右の銘は高杉晋作の「おもしろき こともなき世に おもしろく」。