Home > Interviews > intervew with Eccy - ――エクシーのUKダブステップ体験談
じゃあ、順をおってお願いします。
まずモスクワに泊まったんすけど。アエロフロートのせいで(笑)。
空飛ぶロシアンルーレットね(笑)。
いまぜんぜんいいっすよ。ぜんぜん機体が綺麗。
そうだよね。ロシアは好景気だもんね。オレ、93年にイビサ行ったときにアエロフロートだったな。その頃、冗談で"空飛ぶロシアンルーレット"って言ってたの。モスクワの空港も酷かったしね。何もない。
あ、そこは変わらない(笑)。とにかく出発が6時間遅れたから、ロンドンに6時間遅れで着くのかなと思ったら、出る便がないって言われて。で、成田で、ロシアに着いたらホテルを用意しているからそこに泊まれと、ただし、そこは自分で交渉してくれと。で、初めての海外で、英語も喋れないのに交渉できるわけないだろうと(笑)。で、飛行機のなかでずっと英会話の本を読んでいて(笑)。で、行ったら行ったで、ちゃんとホテルが用意されていて、大丈夫だったんですけど。すげー、良いホテルだったし。
ロシアでクラブに行ったわけじゃないんだ?
行かなかったすね。それで、次の日にロンドンに着いて、すぐアムスに行かなきゃならなくて。
なんで(笑)?
そういう日程組んであったから。ちょうどアムステルダム・ダンス・イヴェント(ADE)やっていて。で、オレらより先に、ヨーロッパひとり旅しているヤツと合流して。1日目はそれで、スティーヴ・ローラーのパーティ行って。
誰それ?
Y氏:プログレッシヴ・ハウスのDJ。
Y氏の専門分野じゃないですか(笑)。
〈ワープ〉のクラークのパーティに行きたかったんだけど、すげーデカイところなんですけど、ぜんぜん入れなくて。それでクラブ探し回って。そしたらそこだけ入れた。で、次の日もアムスにいて。〈ワープ〉のラスティっているじゃないですか。あいつと〈ストーンズ・スロー〉のデイム・ファンクのDJに行って。
いいな~。
音はまあ、良かったんですけど、でも「日本とそんな変わんねーじゃん」と思って。で、次の日にオレとケイタはロンドンに戻って。で、〈ファブリック〉に行って。気合いを入れて前売りまで買ってたんですけど、疲れていて朝の3時まで寝ちゃって。で、「やべー、いまから行かないと終わっちゃうぞ」って。朝の4時に〈ファブリック〉に着いて。まあ、空気を楽しむぐらいだったんですけど。で、思っていたよりも子供向けのクラブみたいなイメージがあって。
観光客向けだよね。
そういう感じで。
やっぱ地元の連中が行くクラブがいちばんだよね。
そう。で、翌日は電車乗ってマンチェスター行って。マンチェのパーティが今回のベストでしたね。まあ、うちらそのパーティのために行ったようなものなんですけど。eBayでチケット買ってね。ウェアハウス・プロジェクトといって倉庫を使ってある期間やっているイヴェントなんですけど、毎週大物が来るみたいな。2フロアあって。まずメンツが凄くて。モードセレクター、ベンガ、スクリーム、キャスパ、ジョーカー、ラスコ、で、セカンド・フロアでメアリー・アン・ホブス、デイム・ファンク、ラスティ、ガスランプ・キラー、ノサッジ・シング......。
オールスターだね。
超オールスター。それで2000人ぐらい入っていたのかな。で、若い女の子が、上は下着だけみたいな。ガン踊りしてて。
モードセレクターはちょっと毛色が違わない?
違うんですけど、良かった(笑)。
いちばん良かったのは?
ラスコ。超パーティ野郎みたいな感じで。ガスランプ・キラーも良かったな。
ジョーカーは? まさにヒップホップ出身じゃん。
ケイタとジョーカーちょっと見て、ケイタが「ジョーカー、ダサくないっすか」って言うから、「ダセーなぁ」って(笑)。ほとんど聴かなかった。で、帰ってきていろいろ聴いていたらジョーカーがいちばん格好良くて(笑)。いまではオレ、ジョーカーがいちばん好きなんです(笑)。
ハハハハ。もっとも期待されているブリストルの新世代だからね。てか、もうすでにスターらしいよ。それこそG・ファンクから来てるんだよね。
へぇー。ダブステップって、出身がいろいろあって面白いっすよね。トランスっぽいヤツもいるじゃないですか。
テクノ出身者、ヒップホップ出身、レゲエもいるし、ハウスもいるし、ジャングルもいるよね。
でもやっぱ、いちばんは客の熱気だよね。同じこと日本でやっても絶対にこんな盛りあがらないなっていうのがあるから、「あー、こんなに反応してくれて、こんなに盛りあがってくれたら楽しいだろうな」と、やってる側の目線で思って。日本人のDJがあの場にいって、そこまで盛り上げることはできるだろうけど、向こうのDJがこっちに来て、あそこまで盛りあがるのは無理だろうなと。この先、何年後にはできるかもしれないけど。それをけっこう思って。
で、マンチェスターのパーティで、普通に煙草吸っていたら、地元の奴らと仲良くなって。で、「うち来ない?」みたいな話になって。
ハハハハ。オレもまったく同じ経験ある。それでみんなでレコード聴くんだよね(笑)。
ベンってヤツのカップルとアンって女の子3人に声かけられて。だから「3人で行くのかなー?」と思って、」で、タクシーに乗って行ったら、すでに部屋には15人ぐらいいて(笑)。
ハハハハ。20年前と何も変わってねーじゃん(笑)!
ハハハハ、ホント、みんなグダグダで(笑)。
よくあれでポンドを保ってられるよね。
ハハハハ。で、ケイタのミックスをかけたらみんな上がって(笑)。「どこでDJやってんの?」とか訊いてきて。
何歳ぐらい?
若いっすね。オレより2個下ぐらいかな。20歳から大学生ぐらい。で、ベンの彼女のアンナってヤツだけしっかりしてて、定期的に紅茶入れてくるんすよ(笑)。
ミルクティーでしょ!
いや、それはちゃんと何が良いか訊いてくれて(笑)。
それで、帰りに紅茶買ったでしょ(笑)?
買った(笑)。
変わってないじゃん(笑)!
ハハハハ、楽しかったすね。
文:野田 努(2010年2月02日)