Home > Interviews > intervew with Eccy - ――エクシーのUKダブステップ体験談
エクシー君のイメージって、やっぱキース・ジャレットのジャケの写真を自分のCDのアートワークに使っているように、すごくシリアスなさ、ある意味求道者的なさ(笑)。
この前もVJの人と飲んでて、「エクシー、おめーぜんぜん知性派じゃねーじゃん。下品だおめーは」って言われて(笑)。
ハハハハ。
やっぱ向こうの現場見ちゃうと、とくに。
それ、日本でもやって欲しいな~。
渋谷の〈プラグ〉で〈Coldsteel〉ってパーティやってます。2月5日に渋谷の〈プラグ〉でリリース・パーティかねてやりますよ。
行こうかな。
野田さんはクラブ行かないんですか?
ここ数年、子供ができてからはめっきり行かなくなったけど、嫌いになったわけじゃないからね。昔は毎週末行っていたし、ある時期はロンドンに隔月で行っていたよ。クラブとレコードを目当てに(笑)。だから今日の話はすごーくわかる(笑)。オレの世代はブリクストンと言えば、〈ロスト〉っていうテクノのパーティだね。上半身裸で壁によじ登るようなヤツがひと晩に20人ぐらいいるような(笑)。ロンドンはどこに泊まったの?
キングスクロスのあたりとか。
えー、そうなの! キングスクロスって、オレも昔よく泊まってたけど、娼婦や売人が立っているようなところだったんだよ(笑)。駅の反対側に倉庫街あって、あっちでもパーティがあったりして。
あー、あったあった。
で、いきなり『ルーヴィア・ミトス』の話に戻すと、過去2枚って、シンゴ02とか、マイク・ジャック・プロダクションとか、あるぱちかぶととか、文学肌のラッパーを入れているじゃん。それが、『ルーヴィア・ミトス』ではいっさいラッパーなしでやってるじゃん。そこはオレ、ラッパーの力を借りずに勝負してるなって思ったんだけど。
もともとインスト作品を出したくて。あとこれ、インストのシリーズなんですよ。ラッパーいないとさくさく曲作れるし。このアルバム、昨年の12月に出ているんですけど、ほぼ全曲9月に作っているんですよ。
すごいね。
すぐ出せるのがいいなーと。自分でミックスもしているし。
ロンドンに持っていかなかったの?
ミックス前だったんですけど、持っていきました。けっこう気に入ってもらえましたよ。
音を聴いてくれるのっていいよね。
そうっすね。
オレ、こないだタナソーとのトークショーでも言ったんだけど、音を面白がる文化って良いと思うんだよ。
オレ、ホント、意味とかどーでもいいと思っていて。
えー、意味あるラッパーばかり揃えているじゃん(笑)。
テーマとかどうでも良いと思ってて(笑)。
銀杏ボーイズが好きなくせに。
銀杏ボーイズは歌詞カード見ないでも言葉が入ってくるから好きなんですよ。うちのラッパーだとオロカモノポテチっていうのがいて、そいつがオレはいちばん入ってくるんですけど、正直、あるぱちかぶととか難しくて。
ハハハハ! 自分の作品でラップしてもらってるのに(笑)!
いや、もちろん良いんですけど! そこまでグッと来ない(笑)。
マジ(笑)? あるぱちかぶと、グッとくるじゃない。言葉でトランスさせるような感じでしょ。
ま、そうっすね。シンゴさんは、ライヴが好きっすね。ライヴが素晴らしい。あるぱちかぶとも、そろそろシンゴさんぐらいいってるのかなと思ってたんだけど、ライヴを観たらまだまだだった(笑)。
オレ、あるぱちかぶとのアルバムの1曲目、すごいと思ったけど。東京をラップしている"トーキョー難民"という曲。びっくりした。
はいはい。
あの風景の描き方はすごいよ。まあ、踊らせるってタイプじゃないけどね。で、ああいう優れたラッパーが身近にいながら今回はインストで勝負しているところにエクシー君のソウルを感じたんだよね。気が早いけど、次のアルバムが楽しみだね。
オレ自身も楽しみっすよ。なんか、〈テクトニック〉が気に入ってくれたみたいで。
えー、最高じゃない!
ピンチが気に入ってくれたみたいで。それで実は昨日、ぶちあがっていて。
それはオレでさえあがるよ(笑)。
このまま食らいついて、「シングル出そうよ」って言われるぐらいになりたいっすね。〈テクトニック〉、最高っすよね。
最高のレーベルのひとつだよね。昨年のコンピレーションも良かったし、ピンチのシングルあったじゃん。歌モノのヤツ。
「ゲット・アップ」っすよね。
そうそう。
あれで、グイードがリミックスしてるじゃないっすか。オレ、グイードがヤバくて。
ブリストルのジョーカーの仲間だよね。みんなまだ若いんだよね。
オレ、コンプリートしたんですけど。写真とかも、みんなかっこつけるんですけど、グイードだけがリーボックのジャージ着て突っ立ているだけで、リーボックってところがいい、イギリスっぽいな~って(笑)。
ハハハハ。ジョーカー、グイード、ジェーミー、あいつら、まだみんな20歳そこそこなんだよね。ジョーカーがいちばん若くて、たしか昨年の時点で20歳だったと思ったよ。
え、あいつがいちばん老けた顔しているのに(笑)。
ベンガやスクリームもみんな若いじゃん。13歳からDJやったり作っているわけでしょ。
あいつら若いっすよね。そういえば、〈プラスティック・ピープル〉の外で煙草吸っていたら、BMがやって来て、ゴミ袋を何度も轢いてて、頭おかしいヤツ乗ってるなーと思ってたら、車からベンガが出てきて、「おー、ベンガだ!」って(笑)。
いいな~、そんなことやっててレベル・ミュージックになっているところがいいよな~(笑)。
そうっすよね。しかもベンガとスクリーム、ヨーロッパのどこにもいますからね。ヨーロッパのいたるところのフライヤーに書いてある(笑)。
グラストンベリー・フェスティヴァルでもやって話題になってるもんね。ということで、エクシー君、がんばれ!
ハハハハ。
※以下のサイトもチェック。
https://eccy.cc
https://www.slyerecords.com
また、昨年の12月から〈NYTEBUG〉という無料ダウンロードのレーベルを実験的にスタートしているで、そちらも是非。
https://nytebug.blogspot.com/
2010/02/05(Fri)
COLDSTEEL vol.5 @Shibuya PLUG
"あるぱちかぶと - ◎≠" and "Eccy - Loovia Myhots"
Double Release Party!!!!!!
-starring-
あるぱちかぶと
Eccy
Matt.B(Bass Science / Made In Glitch)
Quarta330(Hyperdub)
broken haze
haiiro de rossi
DJ KEITA
Notuv
Emufucka
小宮守
文:野田 努(2010年2月02日)