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interview with Gold Panda

interview with Gold Panda

“ネクスト”を求めて

――いまUKで話題のゴールド・パンダに訊く

野田 努    Oct 14,2010 UP

おばあちゃんは英語を話せなかったし、おじいちゃんはヒンドゥー語を話せなかった。それなのにふたりは恋に落ちて結婚した。それがすごく大きい。もちろんおばあちゃんとおじいちゃんはまだ一緒にいるし、そういう環境で育ってきているから、僕にとっては"結婚"ってすごく良いものに思える。


Gold Panda / Lucky Shiner
E王 Yoshimoto R&C

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今回のアルバムとおばあちゃんの関連性について話してください。

パンダ:おばあちゃんの関係している曲は3曲あるけどね。"ペアレンツ""マリッジ""インディア・レイトリー"ね。

とくに"マリッジ"は良い曲だよね。

パンダ:自分にとって"結婚"はまだ考えられないんだけどね。ただ、おばあちゃんは英語を話せなかったし、おじいちゃんはヒンドゥー語を話せなかった。それなのにふたりは恋に落ちて結婚した。それがすごく大きい。もちろんおばあちゃんとおじいちゃんはまだ一緒にいるし、僕のファミリーで結婚した人たちはいまもずっと一緒にいるんだ。そういう環境で育ってきているから、僕にとっては"結婚"ってすごく良いものに思える。僕はまだ結婚しないけど。

まあ、若いからね。

パンダ:若くない。もう30歳だよ(笑)。

じゃあ、このスリーヴ・デザインは?

パンダ:そこはおばあちゃんは関係ない。それは僕自身でデザインした。古いレコードのカヴァーをつなぎ合わせて作ったんだよ。だから、レコード盤の跡が見えるでしょ。

ああ、ホントだ。

パンダ:音楽も古い音源や古い機材で作っているし。

そういえば、イギリスでの評判もずいぶんと良いみたいだね。新聞(インディペンデント紙)の日曜版の表紙まで飾ったなんてすごいじゃないですか。

パンダ:とても変な気持ちだよね。

しかも「Next Big Thing」という見出しでしょ。

パンダ:うーん、ホント、変な気持ち。お母さんが喜んでくれたのが良かったけど。

しかもこの音楽をいま発表するのって、"賭け"っていうか、まあ、挑戦でだったわけでしょ?

パンダ:そう、なんでこんなに評判になっちゃったのか、自分でもわからないんだけどね。

とくにUKに住んでいたら、あれだけダブステップが盛りあがっているんだから、もっとウォブリーなベースがあるようなさ......。

パンダ:ね、僕の音楽にはベースがないでしょ。

だよね。それを考えると勇気のある挑戦だったと思うんですけどね。

パンダ:僕はただ他の人と同じことをしたくないだけで、勇気があるというのか、もしくはただのバカなのか......。

はははは。ホント、でもチャレンジだったんだよね?

パンダ:うん、そう。だけど、もし評判が悪かったら......ってことを考えると......。

だから"ユー"を最初にシングルにしたのも、すごく意識的にやったんじゃないんですか? 東京でもあのシングルは評判になったんですよ。ただし、"ユー"はいまの流行との接点がある曲だったからね。

パンダ:次のステップというのはすごく意識した。過去の作品で自分で誇りを持っていたのが"バック・ホーム"と"クイッターズ・ラガ"だったし、その2曲を発展させて、しかもインドの感覚をちょっと混ぜてって。

そして、2曲目以降がダーウィンがホントに聴かせたかった音楽が展開されている。とくに2曲目から4曲目の流れが良いよね。3曲目がまたおかしいよね。あれ、ギターのサンプリング?

パンダ:違うよ。あれは僕が弾いているの。自分をサンプルしたんだよ。

チューニングも狂っているし、子供がギターを触っているのかと。

パンダ:ギターのことをぜんぜん知らないからね。

アヴァンギャルドだね(笑)。

パンダ:はははは。才能がないだけ。

でも、すごく好きだよ、"ペアレンツ"っていうそのギターの曲。

パンダ:シャッグスって知ってるでしょ。

はいはい、60年代末の。

パンダ:あれに影響されたんだ。

なるほどね。

パンダ:弾けなくてもやればいいんだと、彼女たちが教えてくれたんだ。

では、最後にダーウィンがもっとも興味のある音楽を訊いて今回の取材は終わりにしましょう。

パンダ:そんなに変わってないよ。レーベルで言えば〈ラスター・ノートン(Raster-Noton)〉。アーティストで言えば坂本龍一も一緒にやっているアルヴァ・ノト(Alva Noto:カールステン・ニコライのプロジェクト)。この人はホントにすごいと思う。どうやって作っているのかまったくわからない。もうひとつはブルックリンのレーベルで〈12K〉。ここから出ているのもすごく良いね。

文:野田 努(2010年10月14日)

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