Home > Interviews > interview with STRANGE REITARO TRAVEL SWING ORCHESTRA - 酔っぱらい楽団
「テンプラ、ゲイシャー」って聞こえてきたら、「何やねん、これ!」っていう(笑)。その「何やねん!」みたいなんが多いほうが、面白いね。人生もそんなん一個多いほうがいいわけやし。そういう縁起物みたいな感じですね。
■曲にもあるんですけど、アルバム・タイトルを『桜富士山(sakura fujiyama)』にしたのは何でなんですか?
安田:これ奇妙くんが考えたんやんね。
奇妙:ただ単純にめでたい感じがするから。2000円とか2500円するわけやし――。
■あと歌詞も、「お寿司」とかさ。「天ぷら」とか。
奇妙:なんか、めでたい感じ。せめてめでたい感じ。
■日本のひとが海外のひとに誇れるものが何だろうってときに、寿司とか天ぷらとか、そういうことなのかなと思って(笑)。
奇妙:いや、もっとありますけど(笑)!
■はははは。
手島:ぱっと出てくる日本語ってことですよね。
奇妙:全然桂離宮のほうが凄いけど(笑)。
■じゃあそういう意味じゃないんですね。
奇妙:いやまあ、でもそういう意味です。外国のひとから見た日本の感じが面白いな、と思って。面白いかな。
■そうか、おめでたい感じにしたかった?
奇妙:もし車運転してて、自分がバンドとかしてなくて、それが流れてきたら「何やねん!」て思う歌詞。「愛してるー」みたいなん聞こえてきても、「ああ、そうなんですか」と思うけど、外人の声で「テンプラ、ゲイシャー」って聞こえてきたら、「何やねん、これ!」っていう(笑)。その「何やねん!」みたいなんが多いほうが、面白いね。人生もそんなん一個多いほうがいいわけやし。そういう縁起物みたいな感じですね。
■ああー。
(ここで唐突にケツメイシの話で盛り上がるメンバー)
■仲いいっすね(笑)。結成は2008年って書いてあるでしょ? それはほんとにそうなんですか?
安田:それはね、ほんとです。
■それ以前に何かやってたってことはないですか?
奇妙:やってましたやってました。
手島:それは個々それぞれ。
■同じようなことをやってたんですか?
奇妙:ま、ジョン・レノンとバンドやってましたけど(吹き出す)。
■ほほぉ、練習スタジオ押さえるのも大変ですよね。
安田:そういったリアルな話はまた後ほど。
■後ほど(笑)。でも、芸人道っていうか、エンターテイナーとしての気概を感じますね。こうやって酒飲みながらも、ストイックな部分も俺は感じますよ。ライヴ前は飲んだりするの?
田中:ライヴ前は、飲むひとと飲まないひとと分かれますね。
手島:飲まないっすね、最近はね。
奇妙:ライヴあかんかったときに、辛くなるから。お酒飲まんかったらあかんなるのが自分でめんどくさいから。別にテッシーとかが飲むんは別にええよ。
手島:ははははは(笑)!
奇妙:そのほうが調子が出るんやったら。
■あと新しい音楽とかって聴かないんですか? DJ YOGURTがリミックスしてたじゃないですか? あれは誰のアイディアなんですか?
手島:あれはヨグさんから連絡が来て、ヨグさんに......。
奇妙:ミック・ジャガーがやってるスーパーヘヴィってバンドめっちゃ気になる。それが新しい音楽なんかって聞かれたら違うかもしれんけど。でもめっちゃラップとか入ってるし。あのひとやっぱ、尋常じゃない元気さがめっちゃカッコいい。
■はははは。ヨーグルトさんを仕掛けたのは安田さん?
安田:いや、ヨグさん本人。
■あ、本人がやりたいって言ったんだ!
安田:そこからヨグさんとはよく話してる。
■へえー。何でそこでヨーグルトなんですか?
安田:それはヨグさんのことが好きっていうことですね、僕が。
■クラブ・ミュージックは聴きます?
奇妙:僕は全然知らないですね。
手島:僕は好きですけどね。
奇妙:テッシーは好きやんな。
■じゃあ、ヨーグルトのリミックスの出来はどうでした?
安田:それは予想外でしたけど、それはそれで面白いなと思いました。全然違う形になってて。ひとり入っただけでこんなにちゃうんや? と思って。でもその前にヨグさんが好きっていう。
■なかなかヨーグルトとって想像つかないよね。すごく意外だった。でも最初は意外じゃなかったんですよ、僕。実は。最初のアルバム聴かせていただいたときに、すごくグルーヴィーな音だし、いわゆるノれる音楽だから。
安田:そうなんですね。でも僕めっちゃ聞かれました、いろんなひとに。「どういう接点なん?」みたいなことをめっちゃ言われましたけど、それは僕はヨグさんにも聞いたことありますけどね。「どこで知ったんですか?」みたいなことを。
■ね、すごいよね。
安田:でもやっぱりね、最初は電話だけやけど、「おもろいな、このひとは」っていうとこからはじまって、全部丸投げですよ。
■なるほどね。でも、奇妙さんの反応はどうだったんですか?
安田:奇妙くんの反応は......奇妙くん、どうなんヨグさん?
奇妙:ヨグさん大好きです。
■ははははは。
安田:そういうことですね(笑)。めっちゃ踊ったよな、りんご音楽祭で。
まいこ:ああー、そうだそうだ。
キツネうどん:3日間筋肉痛で死にそうになった。
まいこ:そんなに!? でも楽しかったね。
手島:先週ヨグさん自分のブログで、「なんで安田さんに僕が電話をかけたか」っていうのを。
安田:それは聞きたい!
手島:いや、それすごい長かったから半分ぐらいしか読んでないねんけど。
安田:それはりんご音楽祭のときに、「書いていいですか?」って言われたから「それは全然任せます」と。
■何を書いていいって?
安田:生い立ちです。
■誰の生い立ち?
安田:僕らのバンドとヨグさんの出会いの、です。歴史です
■ああ、歴史をね。いやーしかし、ほんと破天荒なバンドですね、ほんとね。
安田:いやー、でも根はマジメですよ。
■いやわかりますよ。雰囲気で。いや実はさ、担当さんから朝5時から飲んでるって聞いてたんで。
安田:はいはいはい、朝5時から飲んでましたね。
奇妙:ノラ・ジョーンズさんが行ったという築地の店で海鮮丼を食ってましたね。
キツネうどん:ぽっと小さい灯りがともるような。
安田:どういうこと(笑)?
手島:中島らもみたいな表現しますね(笑)。
■ちなみにメンバーは、やっぱりタイガースなんですか? それともガンバ大阪なんですか、セレッソ大阪なんですか?
一同:ああー。
奇妙:僕スポーツ全部なくなれと思ってます。
■はははは!
安田:いやそこまでは思ってないけど、あんまり知らないです。
奇妙:ラグビー以外のスポーツなくなれと思ってます。
手島:僕ら近鉄ライナーズのファンです。
■はははは!
奇妙:ラグビーと将棋以外の真剣勝負はなくなれと思ってます。
■何で!?
奇妙:ひとが飛んできた球を打とうが打てなかろうが、知らん! っていう。ひとがネットに球入れようが入れまいが。俺が球入れたいわ。球を球に(笑)。
手島:ははははは!
安田:どういうこと(笑)?
■大阪人に対するステレオタイプの偏見がありまして。大阪の人間はみんな阪神タイガースが好きで。
手島:まったく興味ないですもんね。
奇妙&安田:いや、全然あるで。
■はははは!!
手島:これなんすよねー。
(一同笑)
キツネうどん:たまに高校野球のほうが面白いときがある。
取材:野田 努(2012年7月13日)