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Home >  Interviews > interview with RITTO - 沖縄RAP!

interview with RITTO

interview with RITTO

沖縄RAP!

──リット、インタヴュー

加藤由紀    Mar 22,2013 UP

田我流との出会いがキーポイントになってますね。山梨にいながらこれだけ作品出してる。東京に染まってないし、むしろ、俺らより田舎モンだし。実際に行ってみても、相当田舎だった。それでもできるんだっていう自信になりましたね。


RITTO
AKEBONO

AKAZUCHI REC.

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"女 -HITO-"は、どうやって作られたんですか?

リット:先にリリックがあって、オリーヴさんにプロデュースをお願いしたら、ああなって帰って来た。1回目聴いたときは「何じゃこりゃー」で、2回目で「あー」ってなった。「何この感じ? 初めて聴いた」って。

沖縄の人からすると特別な思い入れが?

リット:びっくりしました。

トオル:しかも、リットの曲を作るから、沖縄の音楽をディグったわけじゃないんですよ。奄美にいた頃から、聴いてたらしくて。

〈ラヴ・ボール〉のフロアで、オリーヴ・オイルがお酒を飲みながらずっと踊ってる姿が印象的ですよね。

トオル:愛されてますよね。毎回、延泊するし(笑)。

リット:オリーヴさんとは、いままた新しい作品を作ってます。何が起こるのかな?

ゆらゆら揺れる 情熱とフロウ ゆらゆら揺れる 景色とフロウ きらきら 音 お前とフロウ 抱き寄せた唇 お前のフロウ (中略) 吐き出すフロウ お前の色  
"女 -HITO-"

リットさん、女性好きですよね?

リット:好きですね(笑)。沖縄の女性も好きです。力強くて。黒髪も好きですね。

ラストの曲、印象的ですよね。これまでの世界の先にたどり着いた感があります。

トオル:このアルバムの罠だよね。1曲目から聴いていって、最後にあんな世界を見せられて、「こいつ、どうなってくんだろう?」って思ってほしいという思いを込めて、曲順を考えました。

リット:型にはまることなく、自由にやってますね。その分、「生きてきたのかな」って思います。日頃、見たり、考えたりしてることがオリーヴさんとの曲に写せたのかな。でも、「ふと」ですよね、ほんとに。流れっていうか。"G.O.D"は、トラックを作ってるアーロンさんがぶっ飛んでる人で。面識なかったんですけど、「ラップやってるんでしょう? ビート聴きに来ない?」って言うから「何だ?」って思いながら(笑)。人とのつながりでそのまま作っちゃったんですよね。

フィーチャーされているサイファーは誰ですか?

リット:俺の女です。ポエトリーやってるんですよ。

トオル:リットの3倍くらいぶっとんでるから(笑)。突然、〈ラヴ・ボール〉に来たんっすよ。いきなりマイク持ち出してしゃべりはじめて。「何してんの? あの人」って。この時期、いろいろな人に出会って、いろいろな音楽に出合って、そういうことが多かったですね。アルバム制作を通して、いい意味で、ヒップホップってこんなんだったなっていうのを確認できましたね。いる人でやって、ある物で作るっていう。

アルバム前半の多くのトラックを手がけるネクストはどういう方なんですか?

リット:沖縄の先輩ですね。沖縄には、トラックメーカーの歴史があまりないというか。若い連中は、何かあったらネクストみたいな。ネクストのところに行って、「ちゃす! 何かありますか?」(笑)。そんな感じですね。アルバム前半の作品は、けっこう早い段階でできてましたね。

そうなのかなって思いました。

トオル:聴いててわかるっすよね。(アルバム後半にいくにしたがって)オリジナリティが増してく。

"女 -HITO-"はボーナストラック的な意味合いがあるから別として、"ボツ空身"のリリックだけ歌詞カードに載せていないのは、意味があるんですか?

リット:30分くらいでできたんですよ。わりとすぐできちゃったんで、「別に」と思ってたんですよ。だけど、歌っていけばいくほど味があるなって。後から聴いたら、けっこう、自分の心理を歌ってるのかなと思って、好きになりましたね。アルバムに入る予定もなかったんです。

そうなんですか? 

リット:何気に書いたものだから。ちょうど、彼女と出会ったくらいの頃かな。あいつと出会って、いろいろ変わりましたね。面白いもんな(笑)。

いつの時代も困難 王朝からゲットー、今はリゾート 噛めば噛むほど味が消えるの...... 隠し味政府のスパイス オーマイゴッド オジーオバーの姿受け継ぐ気持ち崩さんさ オトーオカーの姿でかい気持ちをありがとな 
"ミライニナイ"

"ミライニナイ"は、「ニライカナイ」に由来するんですか?

リット:初めて気付いてくれた(笑)。

ほんとに?

トオル:逆に、うちなーんちゅ(沖縄県出身の人)は気付かないんだよな。

 "ミライニナイ"は「ニライカナイ」をもじったタイトルだ。「ニライカナイ」とは、沖縄県などに伝わる他界の概念で、いわゆる理想郷のこと。このままいけば「理想郷は未来にない」とうたっている。

リット:本土の人は、沖縄をリゾートだと思ってるから。

トオル:俺たちは真逆だもんね。

リット:そこに疑問を感じないかな? 沖縄の問題っていろいろあるじゃないですか。本土には、「沖縄は国からお金をいっぱいもらってるんだから」っていう考えもあると思うんですよ。それも分かった上で、もう1回確認ですね。沖縄のラッパーは、1曲は必ず沖縄について書くんですよ。何となくそういう流れがあって。沖縄の問題は、俺らにとって生まれつきみたいなもんですからね。

生まれる前からずっと続いてますよね。とくに沖縄は、先祖崇拝だし、代々伝わる思いや考えなど、本土の人間とは違うものがあると思います。

リット:島の文化とか歴史とかありますよね。これからが大事になってくると思うんですよ。基地問題もあるけど、10年後の沖縄はリトル・トーキョーになってるかもしれんし、もっと危ない状況になってるかもしれない。観光地化もさらに進んで、外国人がもっと増えてるかもしれないし。

トオル:いまもうすでにチャイニーズが増えてる。

リット:だから、ナイスなタイミングじゃないですか? この土地はこれからどうなるのかなって。

取材:加藤由紀(2013年3月22日)

Profile

加藤由紀加藤由紀/Yuki Kato
クロックワイズ・レコーディングス主宰。2000年にDJクロックが立ち上げるが、彼の死後、しばらく休止(すみません!)。今年より本格的に再始動(支えて下さった皆さん、本当にありがとうございます!)、DJクロックなど、レーベルの過去作品の全国流通を再開した。つい先日、DJカミカズのミックステープ『abstractions of sounds』をCD化して再発したばかり(是非、聴いてください!)。
https://www.facebook.com/clockwise.recordings
https://twitter.com/clockwise_rec

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