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interview with Sigur Ros

interview with Sigur Ros

黒いマグマの行くさき

――シガー・ロス、インタヴュー

   通訳:Nomura Yoshiko   Jun 13,2013 UP

ミキシングの部屋には大きな窓があって、そこから池や川が見えるんだ。馬も走っているし、森もひろがっているよ。川にはアヒルもいてね(笑)。とてもリラックスできる環境なんだ。

活動休止の期間、ヨンシー以外のおふたりは「育休」ということでしたが、ご家族とのつかの間の休息は現在の音楽制作にどのような影響を与えましたか?

オーリー:家族と過ごすことができてよかったよ。健康的な時間だった。でも、ツアーはオフだったんだけど、つねに何かをしていたよ。曲作りをしたり、ちょこちょことね。でもすごい忙しかったってわけではないなあ、仕事量が減った感じかな。

ゲオルグ:バンドにといっても、休息時間は必要だったよ。ツアーして、アルバム作って、ツアーして、アルバム作ってを繰り返してたら、日本には来れてなかったかもね。

今作の制作はシントロイジン・スタジオ(Soundlaugin Studio、通称Pool Studio)で行われたのですか? プールを改造して作られたことからその名がついたそうですね。スタジオの建物の周りにはどんな景色が広がっているのでしょうか?

ゲオルグ:全部そのスタジオで録ってはいないんだ。ベースとドラムなど基本の骨格となる部分だけで。ヨンシーのヴォーカルは、彼のスタジオで録ったんだよ。リハーサル・スタジオは、コンピュータとマイクだけ。
 このスタジオはとってもナイスな場所にあるよ。最初は自分たちのために作ったスタジオだったんだけど、いまは売ってしまって自分たちのものではないんだ。使う場合は、電話して予約するんだよ(笑)。
 それで、ミキシングの部屋には大きな窓があって、そこから池や川が見えるんだ。馬も走っているし、森もひろがっているよ。川にはアヒルもいてね(笑)。とてもリラックスできる環境なんだ。

オーリー:僕は、スタジオのとなりに5年間住んでいたんだ。でも、スタジオに通うようになってしまうと、オフィス通いのようになってしまうので、その感覚が自分たちにはよくないと思ったから、環境を変えたかったという理由もあるね。

みなさんは何度も来日されていますね。アイスランドと日本は島国であり、火山があったり温泉があったりと共通する部分もあって個人的には親近感を持っているのですが、日本の文化、映画、アニメ、風景などで気になるものや好きなもの、または、印象に残っている場所などはありますか? インスピレーションを受けるものというか。

オーリー:まず、お寿司がおいしいね(笑)。お昼にお寿司をたべたんだ。もう最高だったよ。だけど、とてもひとつは選べないな。全体的にインスピレーションをうけているよ。
 確実に言えることは、僕たちは日本が大好きで、日本での公演が決まると毎回楽しみだってことだね。本当にうれしいよ。

ゲオルグ:武道館は10代の頃から憧れていて、そこで演奏するのが夢だったんだ。昔の僕だったらそんな場所で演奏できることを夢にも思わないだろう。17歳の僕が知ったら、すごく喜ぶだろうな。

アイスランド・シーンと括るのはいまや意味がないほど、多くの素晴らしいアーティストが世界へ出てきています。とくにポスト・クラシカルのシーンはここ数年アイスランド出身のアーティストを中心に盛り上がってきています。大御所ヨハン・ヨハンソン(Johann Johannsson)、ヴァルゲイル・シグルソン(Valgeir Sigurdsson)、若手ではオーラヴル・アルナルズ(Olafur Arnalds)、アメリカ人ですが、ヨンシーの作品でもおなじみで、アイスランドのレーベルからもリリースしているニコ・ミューリー(Nico Muhly)などです。
 アイスランド・コミュニティーというのは、つながりを大切にしているなと感じるのですが、最近気になるアーティスト、バンドはいますか?

オーリー:オーラヴル・アルナルズは、映画やTV音楽でも活躍しているよ。

ゲオルグ:ベッドルーム・コミュニティー〉というレーベルが素晴らしいよ。とくにそのなかでも、ダニエル・ビャルナソン(Daniel Bjarnason)とベン・フロスト(Ben Frost)が好きだね。アメイジングなアーティストだよ。オリジナリティがあって最高なんだ。

※〈ベッドルーム・コミュニティ〉は、ヴァルゲイル・シグルソンが2006年に設立したアイスランドのレーベル。

ありがとうございます! チェックしておきます!

取材:秋山さゆり(2013年6月13日)

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