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interview with JAPONICA SONG SUN BUNCH

interview with JAPONICA SONG SUN BUNCH

ハートかっさらう“余興”

──ジャポニカソングサンバンチ、ロング・インタヴュー

天野龍太郎    Apr 30,2014 UP

「バンチ」っていうのは、「グループ」「一味」っていう意味で。「sun bunch」と「三番地」でダブル・ミーニングになるのかな(笑)。  (千秋)


JAPONICA SONG SUN BUNCH
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ジャポニカソングサンバンチっていうバンド名はすごくいいなと思う。

千秋:ありがとうございます。

「バンチ」っていうのは英語の「bunch」なわけじゃん?

千秋:そうですね。

日本語の「番地」ともかかってる。「bunch」って「集団」とか「仲間」とかいろいろと訳があって、いちばんおもしろかったのが「一味」っていう訳。

(一同笑)

スガナミ:「一味」いいね。

「一味」っぽさがジャポニカにはあるのかなって。

千秋:手分けしてものを盗んでそうっすね(笑)。

ワイルド・バンチって実在の窃盗団がアメリカにいて、サム・ペキンパー監督の『ワイルドバンチ』っていう映画もあるんですけど。あと、マッシヴ・アタックの前身のグループがワイルド・バンチ。

一同:へー!

そういう不良っぽさがジャポニカにはある。というか、千秋くんにあるなあと(笑)。バンド名はどうやって決めたの?

千秋:(バンド名を)どうしようかな、みんなで決めようってなってて。最初は「デラベッピン」とかすごくいなたい名前になりそうになって、これはマズいと思って(笑)。

スガナミ:「ジャポニカリズム○○」みたいなのもあったよね?

千秋:そうですね。友だちと富士サファリパークへ行った帰りに、「ジャポニカソングサンバンチ」にしよう、と思いついて。

「バンチ」っていうのはもちろんそういう意味で使ってるんだよね?

千秋:うん。「グループ」「一味」っていう意味で。「sun bunch」と「三番地」でダブル・ミーニングになるのかな(笑)。

千秋くんのスター感、アイドル感がジャポニカの魅力になっているかなって、ライヴを観ていて思うんだよね。昔、でぶコーネリアスのライヴを観たとき、千秋くんが光GENJIみたいな格好をしていて……頭に長いピンクの鉢巻を巻いていた。

千秋:ふふふ(笑)。

あれはいまもやってるの?

千秋:いまはもうやっていないですね。いまはTOKIOになりつつあるので(笑)。

そうなんだ(笑)。その千秋くんのパフォーマンスっていうのはそういう昔のアイドルとかにロールモデルがあるのかなと思って。

千秋:パフォーマンスは自分で飽きないように、毎回ちがうことをしておもしろくしよう、というのがつねにあるので。でぶコーネリアスと主軸は変わっていないと思うんですけど。毎回ステージに出てきて同じことをして帰るんじゃなくて、自分でもびっくりするようなことがしたい。

ハプニング?

千秋:ハプニングっすね。それが毎回、起きちゃうっていうか。なんかあるんすよね。自分では意識してないんですけど。〈(CLUB)QUATTRO〉の上、登ったらめっちゃ怒られましたね。

(一同笑)

ジャポニカとでぶコーネリアスで意識的に変えていることはある?

千秋:まず「歌を歌う」っていうのがあるから、そこかなあと思います。でぶコーネリアスは「べつに歌なんて歌わなくてもいいかなあ」っていう感じなので(笑)。

千秋くんの歌はすごく色気があるよね。節回しを工夫しているのを感じる。そこがジャポニカの歌謡曲感につながっていると思う。一聴してラテン歌謡の感じがジャポニカにはあって。アイドル・ソングや、フォーク、歌謡曲のすべてに共通するようなグルーヴや雰囲気があった頃の時代が、ジャポニカのグルーヴからは香ってくるというか。千秋くんはもともとどういうところを目指して曲を書いていたの?

千秋:もともと遊びで歌を作っていたんですよ。ライヴでやらなくてもいいから、作ったものを音源にしてただひとりで楽しむみたいな、それぐらいのレベルだったんです。そういう感じだったんですけど、これは外でやろうということになって。そこからやっていくうちにこうしていこうというのは見えてきたんですけど。もっとキッズたちに聴かせたいとか(笑)。

取材:天野龍太郎(2014年4月30日)

Profile

天野龍太郎天野龍太郎
1989年生まれ。東京都出身。音楽についての編集、ライティング。

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