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interview with JINTANA & EMERALDS

interview with JINTANA & EMERALDS

6人のエメラルドたち

──ジンタナ&エメラルズ、インタヴュー

矢野利裕    May 15,2014 UP

昔のジャケットを見ていると、他のメンバーと顔がくっついちゃうようなキャッキャした写真があって、それが僕のドゥーワップのイメージです。  (JINTANA)

なるほど、そういうところなんですね(笑)。たしかに、そういう楽しい感じがよく出ているので、リスナーも仲間に入りたくなりますね。イニシアチブを取っていたのは、やはりJINTANAさんですか?

JINTANA:イニシアチブというか、JINTANA&EMERALDSという世界のきっかけをつくったのは僕ですが、その後はみんなで自由に遊んでいる感じですね。

一十三十一:歌詞の世界は「EMERLDS CITY」での物語なんです。デトロイト・ベイビーちゃんという歌詞専門の帰国子女の女性がいて、その子がメンバーの実話をもとに歌詞を書いているんです。だいぶエメラルド・エフェクトがかかっていますけど(笑)。

その世界観はすぐ共有されたんですか。

JINTANA:「いまの音響で気持ちいいドゥーワップがやりたい」という想いが最初にあって。その後、〈PPP?の脳くんが、ドゥーワップには宝石の名前からとったバンド名が多いからという理由で、JINTANA & EMERALDSという名前を付けてくれたんです。

一十三十一さんは、そのような立ち上げの経緯をどう見ていましたか。

一十三十一:その頃、わたしは出産して音楽活動から少し離れていて、5年ぶりに『CITY DIVE』を作っていました。JINTANA & EMERALDSは、そのあいだくらいのタイミングだったんです。子育ても落ち着いてきたし、新しい活動もしたいと思ったときだったので、「あたしやる!」と思って、すぐ参加しました。バンド活動は地味に2年くらいやっていて、今回ついにリリースということになったのですが、ずっと遊んでいるうちにここまで来た感じです。

〈PPP〉の脳くんが、ドゥーワップには宝石の名前からとったバンド名が多いからという理由で、JINTANA & EMERALDSという名前を付けてくれたんです。

ジャケット・デザインやPVなどを見ても、みんなイメージが共有できている感じがしますよね。“18 Karat Days”という曲名も、オールディーズのセンスが最高です。

JINTANA:50年代のスラングとか言い回しを深堀りしてみようと思って、いろいろ調べていたんです。そしたら「すげーヤバい」みたいな意味で「18 Karat」という言葉が使われていた例を知って、曲名はそこから付けています。この曲は、50年代の言葉使いをかなり使っています。

“Runaway”は出だしがプラターズの“オンリー・ユー”みたいですが、そこから外していく感じがおもしろいです。本作はとてもポップなので、誰が聴いてもいい曲だと思えると思いますが、一方でコアなリスナーが聴いたら、いろいろな先行する音楽を思い浮かべて楽しむかもしれませんね。制作にあたっては、「誰々っぽくしよう」とか話したりするんですか?

JINTANA:そういうのはあまりないですね。それよりも、メンバーの誰に向かって作るかということのほうを意識していました。「この曲はカミカオルちゃんの世界観で作ろう」とか。あとはライヴをしていくなかで細かく調整することもありましたね。

活動していくうちに洗練していったんですね。アルバムでは“アイ・ヒア・ア・ニュー・ワールド”と“レット・イット・ビー・ミー”をカヴァーしていましたが、今後カヴァーしてみたい曲とかありますか。

一十三十一:本当はもっと入れようと思って、候補曲もたくさんあったんですよ。でも、今回は2曲だけ。日本語でやろうという話も出ていました。

JINTANA:ビージーズもやりたいと言っていたんですよ。

みんなで力を合わせてやっていく感じに、「バンドっていいな」と思いました(笑)。  (一十三十一)

やっぱり男女一緒にやっていることですかね。ライヴするときも着替えがあるから、控室が女子部屋と男子部屋に分かれていて、修学旅行みたいだと思いましたね(笑)。  (JINTANA)

まだまだ、いろんな方向に広がっていきそうですよね。一十三十一さんは、どのように音楽制作に関わっていたんですか?

一十三十一:JINTANA & EMERALDSのなかで、わたしの担当は歌だけなので、それが自分のソロ活動とは全然ちがうんです。曲ができていく様子を客観的に見れたのが、楽しかったですね。みんなで力を合わせてやっていく感じに、「バンドっていいな」と思いました(笑)。
 ソロのときは守備範囲が広くて緊張感も高かったりするのですが、バンドではみんながサポートしながら作るので心強いです。JINTANA本人も地元の仲のいい友だちとして出会っているし、KASIFくんも一十三十一でもいっしょに曲を作ったりして仲がよくて、カミカオルちゃんもデビューのときから仲良し。そんななかで撮影なども進んでいくので、本当に楽しい活動ですね。このジャケットの笑顔のとおりです(笑)。

JINTANAさんは、いままでの音楽活動と今回で違ったこととかありましたか。

JINTANA:やっぱり男女一緒にやっていることですかね(笑)。ライヴするときも着替えがあるから、控室が女子部屋と男子部屋に分かれていて、修学旅行みたいだと思いましたね(笑)。

それは大きなちがいですね(笑)。LUBRAW&BTBさんが参加していたり、おなじみのメンバーで楽しくやっている感じがあります。

JINTANA:“Destiny”は、「いま、このめんつメンツでこの瞬間にいっしょに音楽やパーティをしているのは、とても幸せな運命の導きで、その幸福な瞬間を心から味わいたい」という気持ちで作った曲なので、ふたりは入れたいなと思いました。

なるほど。ドゥーワップ~オールディーズということですが、お気に入りのミュージシャンなどいますか。

JINTANA:モーリス・ウィリアムス&ザ・ゾディアックス“ステイ”とかは、すごく好きです。普通に歌がはじまったのに、次の瞬間にめちゃくちゃ高い声になるのが──ほとばしっている感じがヤバいんです(笑)。この曲は『僕の彼女を紹介します』っていう韓国映画での甘すぎるシーンのBGMにもなってます。

モーリス・ウィリアムス&ザ・ゾディアックス“ステイ”とかは、すごく好きです。普通に歌がはじまったのに、次の瞬間にめちゃくちゃ高い声になるのが──ほとばしっている感じがヤバいんです(笑)。  (JINTANA)

コーラスに凝っている曲って、最近は意外と少ないかもしれませんね。

JINTANA:少ないですよね。ただ、声で気持ちよくするような曲はある気はします。全部機械ではなく最終的に声で聴かせる曲というのはやっぱりいいし、そういうものが好きな人は多いと思います。

最近はエレクトロ・サウンドが流行っていますが、JINTANA & EMERALDSのように、BPMが遅めでしっかり歌を聴かせられるようなバンドは貴重です。対バンしてみたい相手とかいますか。

JINTANA:対バンというのはあまりに恐れ多いのですが、夢としていつかご一緒したいのは、横山剣さんですね。

今後はどのような予定になっていますか。

JINTANA:7月19日に京都メトロ、21日に代官山〈UNIT〉でレコ発ライヴをします。そこでエメラルドの世界に連れていくような非日常的な体験を楽しんでもらいたいですね。観ただけでトリップするような。

クリスタルさんに音響的な部分をまかせて、どうでしたか。

JINTANA:ミックスが終わってファイルが戻ってくるといつも見違えるように鮮やかになっているのですが、個人的に、いちばん気持ちよかったのは“Moon”ですね。聴いた瞬間、別の世界に誘われましたね。

個人的に思い入れがある曲とかはありますか。

一十三十一:最初の出会いが“Honey”だったので、それは思い入れがありますね。でも、全部びっくりするほど名曲ですけどね(笑)。毎回デモのクオリティがすごく低いんですよ(笑)。どの曲も、全然音程とかわからないところからはじまっているという物語があるので、それぞれおもしろかったです。

JINTANA:僕の声で歌っているデモは、解釈の余地がかなり多いという(笑)。

一十三十一:そうそう。自分なりの解釈で楽しめるところがありました。だから、だんだんデモのクオリティの低さも安心して受け入れられるようになってくるんです(笑)。とんでもないデモが送られてきても、「これもきっとあのレベルまで行くんだな」ということがわかるようになる。そういう、ゴールに向けての成長のストーリーがありました。

一十三十一さんの立ち位置がいいですよね。「わたしは歌を歌うだけなんだ」と。

一十三十一:すごく客観的に見ていました。でも、みんなそれぞれのセンスが光っているので、とんでもないものが送られてきても安心感がありました。いろんな人の手が加わっていくことによって、着地点はいつもdestinyなんですよ(笑)。毎回そのストーリーを追いつつ完成に向かうのが楽しいです。だから、どの曲もいろんな物語があるんです。


取材:矢野利裕(2014年5月15日)

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Profile

矢野利裕 矢野利裕(やの・としひろ)
1983年生まれ。ライター、DJ、イラスト。共著に、大谷能生・速水健朗・矢野利裕『ジャニ研!』(原書房)、宇佐美毅・千田洋幸編『村上春樹と一九九〇年代』(おうふう)などがある。

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