「gay」と一致するもの

donald byrd marvin gaye - ele-king

DJ HOLIDAY - ele-king

 今年日本でも公開されて話題になった映画『ルードボーイ』、UKにおいて先駆的かつもっとも影響力のあったレゲエ・レーベルの〈トロージャン〉の物語である。で、この映画のヒットもあってか、このところ日本でも60年代、70年代のスカ、ロックステディ、アーリー・レゲエが静かに注目されているという。そんな折に、DJ HOLIDAYがまたしても〈トロージャン〉音源を使ったミックスCDをリリースする。
 〈トロージャン〉には膨大な量の音源があるわけだが、DJ HOLIDAYはそのなかから、クリスマス〜年末年始という、人恋しいこれからの季節に相応しいラヴリーな20曲を選んでいる。ロックステディの女王、フィリス・ディロンとアルトン・エリスによる甘々のデュエット曲“Love Letters ”からはじまるこの『Our Day Will Come』、有名曲のカヴァーも多く、きっといろんな人が楽しめるはず。ハードコア・バンド、Struggle for Prideのフロントマンとはまた別の表情の、珠玉のレゲエ集をどうぞお楽しみください。

DJ HOLIDAY (a.k.a. 今里 from Struggle for Pride)
Our Day Will Come : Selected Tunes From Trojan Records
TROJAN/OCTAVE-LAB

フォーマット:CD
発売日:2023年12月20日 (水)

TRACK LIST
1. Phyllis Dillon & Alton Ellis / Love Letters
2. B.B Seaton / Lean On Me
3. B.B. Seaton / Thin Line Between Love And Hate
4. Louisa Marks / Keep It Like It Is
5. Lloyd Charmers / Let's Get It On
6. John Holt / When I Fall In Love
7. Merlene Webster / It's You I Love
8. Slim Smith / Sitting In The Park
9. Pat Kelly / Somebody's Baby
10. Alton Ellis & The Flames / All My Tears
11. Derrick Morgan / Tears On My Pillow
12. Judy Mowatt / Emergency Call
13. The Heptones / Our Day Will Come
14. The Paragons / Maybe Someday (Oh How It Hurts)
15. Rudies All Around / Joe White
16. The Gaytones / Target
17. Ken Boothe / Why Baby Why
18. Ken Boothe / Now I Know
19. Owen Gray / I Can't Stop Loving You
20. Derrick & Naomi / Pain In My Heart /


〈TROJAN RECORDS 〉
イギリスに移住したジャマイカ人、リー・ゴプサルが1967年に設立した、イギリス初のレゲエ・レーベル。もともとは彼と同じように、移民としてイギリスで暮らすジャマイカ人たちのためにジャマイカ音楽を発信していたが、その音楽は労働者階級の白人にも浸透し、ある意味、その後のUKベース・ミュージックの下地を作っていく。リー・ペリーをはじめ、ジャマイカの一流アーティストたちによる名盤は数多く、また、アートワークも格好いいので、いまでも人気のレーベルであり続けている。

Ed Motta - ele-king

 80年代から活躍するシンガー・ソングライター、エジ・モッタはブラジリアンAOR~ジャズのヴェテランだ。4ヒーローのマーク・マックとコラボしたり、クラブ・ミュージックとも接点のあるアーティストだが、ここ10年のあいだも、タイトルどおりの内容の『AOR』(13)や、AORとジャズの両方を試みた『Perpetual Gateways』(16)など話題作を送り出しつづけてきた。前作から5年のときを経て放たれる新作『Behind The Tea Chronicles』は、なんともメロウでグルーヴィンな1枚に仕上がっている模様。発売は10月20日。先行シングル “Safely Far” が公開中です。

Loraine James - ele-king

 ロレイン・ジェイムスの新作だが、これはちょっと特別なプロジェクトだ。ジュリアス・イーストマン(Julius Eastman)という、犯罪的なまでに知られていなかったアーティストの音源を素材として作った彼女のアルバムで、それならまあ、昔からよくあるリミックスみたいなものだと早合点されてしまうのだが、本作における骨子は、ジュリアス・イーストマンの人生から授かったインスピレーションにある。ぼく自身も、ジュリアス・イーストマンについて犯罪的なまでに知らなかったひとりなので、彼のことを調べて、彼の音楽を聴いて、ただただ驚嘆するしかなかった。
 
 ジュリアス・イーストマンは、不遇な音楽家だった。いまから32年前、ホームレスとして亡くなったクィアの黒人前衛音楽家は、1940年、ニューヨークに生まれている。14歳からピアノを習ったという彼が、大学で理論を教えながら音楽家として活動をはじめたのは、1963年にフィラデルフィアのカーティス音楽院を卒業してから数年後の、60年代後半ことだった。ピアニストでありヴォーカリストでもあった彼は、最初はピアニストとしてデビューし、1970年代前半にかけては自作も発表する。1973年の“Stay On It”や1974年の“Femenine”といった初期作品を聴けば、イーストマンがミニマル・ミュージックの影響下で創作していたことがわかるが、彼独自のポップな解釈もすでにある。喩えるなら、スティーヴ・ライヒのゴスペル・ヴァージョンだ。のちにアーサー・ラッセルと出会って、ぼくの大好きな“Tower of Meaning”(1983)において指揮を任されるのがイーストマンだったこともぼくはこの機会に認識したわけだが(ティム・ローレンスの評伝では、ただその名前のみが記されている)、イーストマンの作品はクラシック音楽の前衛(ミニマル・ミュージック)にまだ片足を突っ込んでいた初期のラッセル作品ともリンクしている。
 イーストマンの人生において重要な出来事のひとつは、1975年にジョン・ケージの“Song Books”なる作品をイーストマンが所属していたS.E.M.アンサンブルの一員として演奏したことだった。そのときイーストマンは男女をステージに上げ、演劇的にエロチックなパフォーマンスを挿入したというが、こうした彼の同性愛者のアイデンティティの発露に対して実験音楽の大家は激怒し、名指しで批判した。当時禅宗に傾倒していたケージにとって作中に私事を出すことは許しがたかったようで、その出来事のみにフォーカスするなら、60年代的な精神に2010年代的な行為が否定されてしまったといまなら言えるかもしれない。まあ、とにもかくにもその時代、もっとも影響力のあった人物からの公での批判は駆け出しのアーティストにはそうとう堪えたろうし、ましてや勇気を持って臨んだ自己アイデンティティの主張が間違っていると言われた日にはたまったものではない。この出来事はイーストマンがアカデミーの世界から離れるひとつのきっかけになったんじゃないだろうか。
 大学を離れNYに戻った70年代後半からは、イーストマンはさらに精力的に創作活動に勤しんでいる。1979年には、“前衛音楽”シーンにおいては刺激的過ぎた作品名の3つの代表作(“Crazy Nigger”、“Evil Nigger”、“Gay Guerrilla”)を発表、それからアーサー・ラッセルと出会って、ラッセルのディスコ・プロジェクト、Dinosaur Lに参加もしている。
 しかしながら、ラッセルと違って彼個人の作品が商業リリースされたことはなく、生活を支える仕事もなかった。イーストマンは家賃も払えず、80年代初頭にはアパートを追い出され、それから死ぬまでのあいだはほとんどホームレス状態だったという。しかも彼の死は、あたかも彼が存在しなかったかのように、それから8ヶ月後に『ヴィレッジ・ヴォイス』が小さく報じたのみに留まった。イーストマンの楽譜が再発見されてあらたに演奏されたり、イーストマンの作品の数々が商業パッケージとしてリリースされるのは、彼の死から15年も過ぎた、2000年代半ば以降の話である。

 本作『私のために美しきものをつくる(Building Something Beautiful For Me)』は、その題名が主張しているようにロレイン・ジェイムスの作品とみていい。作品への感銘もさることながら、クィア・ブラックとしての深い感情移入もあったことと察する。彼女の音楽の特徴がストリート(グライム/ドリル)とオタク(エレクトロニカ/IDM)との融合にあったとすれば、本作においてはそうした二分法を超越している。時空を超え、さらにいろんなもの(ライヒ的なミニマル・ミュージックを含む)が彼女のなかに吸収され、彼女のいう“美しきもの”となって吐き出されている。強いてジャンル名のタグを付けるとしたらエレクトロニカ(ないしはエレクトロ・アコースティック)となるのだろうけれど、90年代のそれとは別次元の、ほとんどこれは詩学の領域に到達していると言っていい。
 非凡な人には、確実に乗っている時期というものがある。今年は、彼女のアンビエント作品集『Whatever The Weather』も良かったし、本作もまた感動的で、ロレイン・ジェイムスがいまアーティストとして最高の状態にいることがわかる。来日が楽しみでならない。

*タイミングが合えば、年末号の紙エレキングにロレイン・ジェイムスの細心インタヴューを掲載予定です。
 
 

Kendrick Lamar - ele-king

 Kendrick Lamarの新譜、『Mr. Morale & The Big Steppers』を巡って様々な衝撃があった。 発売前に公開したシングル「The Heart Part 5」のディープフェイク演出、収録曲“We Cry Together”の凄まじい隠喩的演技で表現したフェミニズム・メッセージ(*1)、ロー対ウェイド(Roe v. Wade)判例が覆されてまもなく“Savior”の舞台の締めで女性人権伸長を叫んだ事件など。そのなかで、トランスジェンダーの親戚を物語に呼んで彼らの人権を擁護するに当たってこれまでの宗教的スタンスを全面覆す“Auntie Diaries”はニュースボードの一欄を埋めるに値する。

 ただ、実際に話題になったのは曲中のクィア嫌悪的俗語(以下 ‘f-slur’)を繰り返す表現と登場人物に対するミスジェンダーリング、デッドネーミングなどによるものだった。実のところ、曲は意図的に問題領域に入る。例えば、伯母(伯父)について語る際に「伯母はゲイじゃない、女を食ったさ /she wasn’t gay, she ate pussy, and that was the difference」と口ずさむ俗語の爆撃を含め、幼い頃の話者がなんと「誇らしげに」f-slurを言わせたというマッチョイズムは価値判断に混乱を呼ぶ。曲の最後、「Faggot, faggot, faggot みんな言えるさ、その白人の子にniggaと言わせれるなら Faggot, faggot, faggot. We can say together. But only if you let a white girl say “nigga”」の句もまた聴者に判断を任せる場面で、まるでキリスト教聖書の「あなたたちのなかで罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい」(ヨハネによる福音書 8:7 新共 同訳)という節の変容を見せるようだ。前に彼がn-wordの意味を覆そうとしたように、f-slurに 関しても同様に試みる。

 しかし、“i”(2015)にて黒人軽蔑的俗語のn-wordのプライド化を望めたのはその言葉がすでに一種の結束軸として作動するからである。その一方、f-slurはどうだ?  Eli Clareは卑猥な単語には感情的で社会的な歴史を荷に持っており、その悲しみと鬱憤の記憶からどのような欠片がプライドを見出せるか問い詰めることの重要性を強調する(*2)。 そのような限界を考慮した上でも、曲の価値を却下したくはない。まずこれは曲に対して「トラン スジェンダーについて話せるか」(*3)を尋ねるいくつかの意見に同意しがたいし、曲はそれでも有効な転覆と旋回を示している。その結果、倫理と正体化のグレーゾーンに暖かな風を押し寄せる感動を、私は大事にしたい。

 曲のフォーカスはやがて話者と家族の準拠集団、すなわち教会から排除されたもう一人に当てられる。 Kendrickとその家族がクリスチャンであることはアメリカでそんなに特殊な情報ではないはずだ。それでもKendrickにおいて神は「Real」(『good kid, m.A.A.d city』、2012)、 「How Much a Dollar Cost?」(『To Pimp a Butterfly』、2015)、「GOD.」 (『DAMN.』、2017)などのように彼の主なアルバムの結論部にいつも存在していた。つまり、 彼の音楽世界において宗教という要素は無視しがたいのだ。いや、 Kendrickだけではない。近現 代の大衆音楽史の根幹にあるスピリチュアル、ゴスペル、ブルースなどは奴隷制の時期、教会を媒 介にして登場した。教会は聖書の記録・読解権力を用いて奴隷制を内在化する戦略を建てたが、究極的な解放を説破したメシアのメッセージは平等と解放の火種となった。これは教会という空間の特殊性を表すとともに、大衆宗教においてヘゲモニーがどちらに向かうか知れる重要な指標とも考え得る。

 Mary-Annを排除する教会コミュニティと歓待する家族コミュニティの対比からもその構図はよく現れる。「牧師先生、あなたの隣人を愛すべきでしょ?  Mr. Preacher Man, should we love thy neighbor?」この節を境にクァイヤーの声は背景から曲の前景に現れて教壇の権威を覆 し、「宗教の代わりに人類愛を選んだその日、家族は和解し全ては許された /The day I chose humanity over religion, the family got closer. It was all forgiven」と、キリスト教で「許し」 を担う神の権威すらも簒奪する。イエス・キリストが同じ理由で当時の宗教指導者たちから迫害された話を思い浮かべると、Kendrickがカヴァーアートと舞台で荊棘の冠を被っている理由もまた推測できる。

 教会はクィア嫌悪などを通じて脱近代社会へのアンチテーゼ戦略をとって彼らの前近代的想像力を固執するなか、「神が死んだ」時代は教会という空間の存在理由を問い続けている。ただ記憶すべき なのは、教会は本来、権力の圧政に苦しむ弱者のための空間であったことだ。聖書の記録はすなわち長きディアスポラたちの歴史であり、そんななかで「集い」のもたらす価値は想像を超えるものだっ たであろうし、その過程での試行錯誤はそのまま新たな聖書に加わった(*4) 。個人と集団、言語の裏 面にて交差する複雑な脈絡を論じるに、この場は非常に狭いはずだが、足らない議論にもかかわら ずこのように記録を残したい。その脈絡の林をくぐり抜けたのち、個人が歓待されてこそコミュニ ティgが健康に回復することを曲が強弁するように、我らが各現場で書き綴る日記は、歴史になるはずだから。

(*1)  coloringCYAN, “Kendrick Lamar, 「Auntie Diaries」 (부제: 힙합의 노랫말과 여성혐오의 관계에 대한 단상)”, 온음(Tonplein), 2022.08.27, https://www.tonplein.com/?ckattempt=1

(*2)  Eli Clare, Exile and Pride: Disability, Queerness, and Liberation, Duke University Press, 1999.

(*3) Stephen Kearse, “Kendrick Lamar: Mr. Morale & The Big Steppers Album Review”, Pitchfork, 2022.05.16, https://pitchfork.com/reviews/albums/kendrick-lamar-mr-morale-and-the-big-steppers/

(*4)  拙稿, “사탄의 음악을 연주하고 말았습니다만?! : CCM에서 나타나는 대중음악과 예배음악의 경계 혹은 조건
サタンの音楽を奏でちゃったのですが?!:CCMに現る大衆音楽と礼拝音楽の境界もしくは条件”, Various Critics Vol. 3, 2022.01.25, https://posty.pe/l8f69k.

原本(韓国語):https://www.tonplein.com/?p=1875101.

Loraine James - ele-king

 昨年〈Hyperdub〉から『Reflection』というすばらしいアルバムを発表し、高い評価を獲得したプロデューサー、ロレイン・ジェイムズ。今年もワットエヴァー・ザ・ウェザー名義でこれまたハイクオリティなアンビエント作品を送り出しているが、早くも本名名義での新作がアナウンスされている。NYの作曲家ジュリアス・イーストマン(メレディス・モンクやアーサー・ラッセルとのコラボで知られる)にオマージュを捧げたアルバムで、彼の作品を再解釈した楽曲により構成されている。リリースは10月7日。

artist: Loraine James
title: Building Something Beautiful For Me
label: Phantom Limb
release: 7th Oct 2022

tracklist:
01. Maybe If I (Stay On It)
02. The Perception of Me (Crazy Nigger)
03. Choose To Be Gay (Femenine)
04. Building Something Beautiful For Me (Holy Presence of Joan d’Arc)
05. Enfield, Always
06. My Take
07. Black Excellence (Stay On It)
08. What Now? (Prelude To The Holy Presence Of Joan d’Arc)

 NYのヴァイナル熱、これはもう熱と言うよりは普通になっている。NYにレコード屋はたしかにたくさんある。イートレコード、ブルックリン・エクスチェンジ、レコード・グロウチ、キャプチャード・トラックス、アカデミー、マテリアル・ワールド、ヒューマン・ヘッド、スペリア―・エレヴェーション、セカンド・ハンド、ヴァイナル・ファンタジー、フェイス、A 1などなど、これらの店はほとんどがヴァイナルを扱っている。ヴァイナルを買う人が多いので、必然的にこうなるのだろう。CDを置いている所もたまにあるが、セクションは小さいし、カセット、Tシャツ、ジン、ポスターなどのマーチ系の方が多い気がする。DJをやっている人も多いし、ディスコグなどで売買している人も多い(それを生活の糧にしていたり)。
 私はイベントを企画するので、DJを探すが、いまはほとんどがヴァイナルDJだ。「DJ探しているんだけど」と、まわりに言うと、だいたいすぐ見つかる。聞くのが好きでヴァイナルを買い、DJはやらない人も多いが、ヴァイナルを買う人のDJ率は高いと思う。バーに行くとだいたいDJがいて、いい感じのチューンをかけてくれるし、ライヴに行ってもDJがいる。それだけDJをする場所、機会が多いのだ。そうするとよいチューンをかけるために、良いレコードを探すことになる。と言う感じで、熱があるのかはわからないが、ヴァイナルのある生活が普通になっているし、時間ができたらちょっとレコード屋行ってくる、とささーっとレコード屋に寄る人もまわりには多い。いつも何か良いネタはないか探しているんでしょうね。
 以下、いくつかのお店に簡単な質問を投げてみました。

■Academy Records

──開店はいつ?
Mike:お店は2店舗あるんだ。イーストヴィレッジ店は2001年4月1日。ブルックリン店は2004年4月1日。

──在庫のレコード数
Mike:イーストヴィレッジ店には40,000枚ぐらい? ブルックリン店には100,000ぐらいだと思う。

──主に売れているジャンルは?
Mike:2店舗ともにジャズ、ソウル、ロック、ヒップホップ、レゲエ、ブルース、ラテンなど。

──客の年齢層/男女比率は?
Mike:ブルックリン店の年齢層は20代から30代が大半で、イーストヴィレッジ店はもう少し年齢層が上です。男女比率は、女性が30〜40%。いままで以上にレコードを購入する女性が増えているね。

──なぜいまレコードが人気だと思う?
Mike:色んな人が、色んな違う理由でレコードが好きだと思うけれど、何と言ってもレコードは楽しいからでしょう。

──昨年売れたレコードでいちばん高価だった盤は?
Mike:イーストヴィレッジ店ではWorld's Experienceの『As Time Flows On』が$2000。ブルックリン店ではO’Seisの同名シングルが$3000。

──あなた個人の昨年のベスト・アルバム(新旧問わず)
Mike:毎日変わるけど John Coltrane『A Love Supreme Live In Seattle』とMarvin Gaye『What's Going On』。

Academy Records (イーストヴィレッジ店)
415 East 12th St
NY, NY
10009

Academy Record Annex (ブルックリン店)
85 Oak St
Brooklyn, NY
11222

■Second Hand Records NYC

──開店はいつ?
Fatik:2016年10月。

──在庫のレコード数。
Fatik:10,000枚。

──お店が推しているジャンルは?
Fatik:選べる良い音楽はたくさんあります。ファンク、ソウル、ジャズ、エレクトロニック、ヒップホップ、ロック、ラテン、レゲエなどです。

──客の年齢層/男女比率は?
Fatik:20~50歳くらい。40%が女性、60%が男性

──なぜいまレコードが人気だと思うか?
Fatik:ヴァイナルは、それを追いかけている人たちにとっては、いつも人気でした。最近私が関心を寄せているのは、いまのヴァイナル人気は、物理的な経験と繋がる方法を探している人びとから来ているということです。私たちがしている多くのことはインターネットを中心に展開していて、1日の終わりに少し空虚な気持ちを残します。そこへいくと、手に持つことができるものは違いますよね。

──昨年売れたレコードでいちばん高価だった盤は?
Fatik:ヴェルヴェッツの1stのMONO盤が$700で売れたね。

──あなた個人の昨年のベスト・アルバム。
Fatik:1枚を選ぶのは難しいですが、年末にかけて、FBIと言うバンドの同名のセルフタイトル・アルバムが良かったです。

Second Hand Records NYC
23 Lawton St
Brooklyn NY

■Eat Records / Scorpion Records

──開店はいつ?
Casey:2003年9月11日。

──在庫のレコード数は?
Casey:約5,000枚。

──売れているジャンルは?
Casey:ロック、ジャズ、ファンク、ソウル、レゲエ、ヒップホップ。

──なぜいまレコードが人気だと思うか?
Casey:良い音、物理的なメディア・ライブラリーを提供してくれるし、その価値を保持し、あなたにストリートの信用を与えてくれる。

──昨年売れたレコードでいちばん高価だった盤は?
Casey:$800で、Tool『Ænima』。

──あなた個人の昨年のベスト・アルバム。
Casey:Grateful Dead『Fox Theatre, St. Louis, MO』 4 x Vinyl lp box set

Scorpion Records
792 Onderdonk Ave
Queens, NY 11385


■Superior Elevation Records

──開店はいつ?
Tom:お店は、2015年にオープンしましたが、僕は、2000年からレコードを売っています。

──在庫のレコード数は?
Tom:いつも100,000ぐらいが在庫にあります。お店に出ていたり、倉庫に入っていたり、地下にあったりなどです。

──主に売れているジャンル。
Tom:ロック、ソウル、ジャズ、ラテン、ジャマイカンなどですが、ディスコとハウス・ミュージックに力を入れています。

──なぜいまレコードが人気だと思うか?
Tom:理由はたくさんあると思いますし、この質問の背後にはミステリーがあります。個人的には、心理的な問題があると思います。現在多くの人たちは、彼らの好きな音楽に愛着を感じていません。ほとんどが、コンピュータ(のアルゴリズムなど)が、彼らのために選んだものですから。それを人びとはそれほど気にしていませんでしたが、ある時点で、彼ら自身がアイデンティティをもっていないのではと不安になったのでしょう。ヴァイナルは所有できるものです。視覚的な魅力があります。さらに、ストリーミングのプラットフォームで失われてしまう、自分の好きなバンドはどんなヴィジュアルか、何年に発売されたか、自分が何を好きか、なぜ好きになったのかなどを学ぶのに役立つであろう、良き情報源でもあります。

──昨年売れたレコードでいちばん高価だった盤は?
Tom:$1200、Cerebral HemmorhageのレアなシンセLP『Other Worlds』(1981)です。

──あなた個人の昨年のベスト・アルバム。
Tom:難しい質問ですね。1枚がすぐには出てきませんが、ファンとして、最近エキゾチカという音楽ジャンルに惹かれはじめています。

Superion Elevation.com
+1 (415) 624-6905
100 White st.
Brooklyn, NY

Local World x Foodman - ele-king

 夏に新作『Yasuragi Land』を〈Hyperdub〉からリリースした食品まつり。当初は8月・9月に予定されていたものの延期となってしまっていたリリース・パーティが、あらためて開催されることがアナウンスされた。
 11月13日、同日営業再開となる下北沢 SPREAD と HANARE にて開催。計12時間にもおよぶ特大のパーティとなる。前売特典はオリジナルのサウナ・タオル。100枚限定のようなのでお早めに。

Local World x Foodman - Yasuragi Land - Tokyo 2021

世界で最もピースな電子音楽家Foodmanの〈Hyperdub〉からの最新アルバム『Yasuragi Land』を祝し、Local Worldとのデイとナイトを合わせた計12時間に及ぶ特大コラボ・パーティへ変更&開催。
リリース記念品として前売特典にオリジナル・サウナ・タオルが付いてきます!

土着、素朴、憂い(潤い)をテーマに南は長崎、北は北海道、これまでFoodmanにまつわるアーティスト含む全国各地からフレッシュな全20組が集まる、デイのコンサートとサウナと水風呂の2会場のフロアに別れたクラブ・ナイトの2部構成、計12時間に及ぶロングラン・リリース・パーティ。

The world's most peaceful electronic musician Foodman's release party featuring his latest album "Yasuragi Land" from UK's finest label Hyperdub will be held at SPREAD Tokyo as a collaboration with Local World, a club and mode adventure party. With the themes of Indigenous, honesty and melancholy, the event, a total 12 hours long-running release party will consist of two parts: a daytime concert and club night divided into two venue floors, a sauna and a water bath with a total of 20 fresh artists and DJs from all over Japan from Nagasaki in the south to Hokkaido in the north including artists related to Foodman. A limited original sauna towel will be given as a special gift for ADV ticket purchasers.

Local World x Foodman - Yasuragi Land - Tokyo 2021
SAT 13 NOV 18:00 - 06:00 12H at SPREAD + HANARE
ADV ¥2,850+1D@RA w/ special gift: Yasuragi Land sauna towel *LTD100
DOOR ¥3,000+1D / U23 ¥2,000+1D

[前売リンク] https://jp.ra.co/events/1474555

DAY CONCERT@SPREAD 18:00 -

LIVE:
7FO
cotto center
Foodman
NTsKi
Taigen Kawabe - Acoustic set -

DJ:
noripi - Yasuragi Set -

18:00 (60) noripi - Yasuragi set -
19:00 (20) cotto center LIVE
19:20 (20) Taigen Kawabe LIVE
19:40 (15) set change noripi - Yasuragi set -
19:55 (30) NTsKi LIVE
20:25 (30) 7FO LIVE
20:55 (15) set change noripi - Yasuragi set -
21:10 (30) Foodman LIVE
21:40 END

CLUB NIGHT - SAUNA FLOOR@SPREAD 23:00 -

LIVE:
Foodman
JUMADIBA & ykah
NEXTMAN
Power DNA

DJ:
Baby Loci [ether]
D.J.Fulltono
HARETSU
Midori (the hatch)
バイレファンキかけ子

23:00 (60) バイレファンキかけ子
24:00 (60) Midori (the hatch)
01:00 (60) JUMADIBA & ykah LIVE & DJ
02:00 (20) Power DNA LIVE
02:20 (20) NEXTMAN LIVE
02:40 (30) Foodman LIVE
03:10 (50) Baby Loci
04:00 (50) HARETSU
04:50 (70) D.J.Fulltono
06:00 END

CLUB NIGHT - COLD BATH FLOOR@HANARE* 22:00 -

LIVE:
hakobune [tobira records]
Yamaan
徳利

DJ:
Akie
Takao
荒井優作

22:00 (50) Yamaan LIVE
22:50 (30) 徳利 LIVE
23:20 (80) 荒井優作
24:40 (80) Akie
02:00 (50) hakobune LIVE
02:50 (70) Takao
04:00 END

artwork: ssaliva

- 前売特典*100枚限定: やすらぎランド・サウナ・タオル *会場にて受け渡し / ADV special gift *Limited to 100: Yasuragi Land sauna towel *pick up at the venue
- 再入場可 *再入場毎にドリンク代頂きます / A drink ticket fee charged at every re-entry
- HANARE *東京都世田谷区北沢2-18-5 NeビルB1F / B1F Ne BLDG 2-18-5 Kitazawa Setagaya-ku Tokyo

食品まつり a.k.a foodman

名古屋出身の電子音楽家。2012年にNYの〈Orange Milk〉よりリリースしたデビュー作『Shokuhin』を皮切りに、〈Mad decent〉や〈Palto Flats〉など国内外の様々なレーベルからリリースを重ね、2016年の『Ez Minzoku』は、海外はPitchforkのエクスペリメンタル部門、FACT Magazine、Tiny Mix Tapesなどの年間ベスト、国内ではMusic Magazineのダンス部門の年間ベストにも選出された。その後Unsound、Boiler Room、Low End Theoryに出演。2021年7月にUKのレーベル〈Hyperdub〉から最新アルバム『Yasuragi land』をリリース。Bo NingenのTaigen Kawabeとのユニット「KISEKI」、中原昌也とのユニット「食中毒センター」としても活動。独自の土着性を下地にジューク/フットワーク、エレクトロニクス、アンビエント、ノイズ、ハウスにまで及ぶ多様の作品を発表している。

《最新作リリース情報》食品まつり a.k.a foodman - Yasuragi land [Hyperdub / Beatink]
https://open.spotify.com/album/1160ly60lfUV9CpGOKLVhI?si=K2HictdARNuA9tfsvs5hxw&dl_branch=1

Local World

2016年より渋谷WWWをホームに世界各地のコンテンポラリーなエレクトロニック/ダンス・ミュージックのローカルとグローバルな潮流が交わる地点を世界観としながら、多様なリズムとテキスチャやクラブにおける最新のモードにフォーカスし、これまでに25回を開催。

Local 1 World EQUIKNOXX
Local 2 World Chino Amobi
Local 3 World RP Boo
Local 4 World Elysia Crampton
Local 5 World 南蛮渡来 w/ DJ Nigga Fox
Local 6 World Klein
Local 7 World Radd Lounge w/ M.E.S.H.
Local 8 World Pan Daijing
Local 9 World TRAXMAN
Local X World ERRORSMITH & Total Freedom
Local DX World Nídia & Howie Lee
Local X1 World DJ Marfox
Local X2 World 南蛮渡来 w/ coucou chloe & shygirl
Local X3 World Lee Gamble
Local X4 World 南蛮渡来 -外伝- w/ Machine Girl
Local X5 World Tzusing & Nkisi
Local X6 World Lotic - halloween nuts -
Local X7 World Discwoman
Local X8 World Rian Treanor VS TYO GQOM
Local X9 World Hyperdub 15th
Local XX World Neoplasia3 w/ Yves Tumor
Local XX0 World - Reload -
Local XXMAS World - UK Club Cheers -
Local World x ether

https://localworld.tokyo

interview with Parquet Courts (Andrew Savage) - ele-king

ニューヨークのアーティストとは、「生き延びるために創造しないといけない必要性」があるひとたちなんだと思う。競争が激しいし、物価や生活費も高い。だから生き延びるために精力的に活動しないといけない。ニューヨークでアーティストとしてやっていくのは昔から非常に困難なことだった。たくさんの血と汗と涙を流さないとやっていけない。

 都市の喧騒が聞こえる。行き交う人びとの姿が見える。彼らはそのテンポを「ダウンタウンのペース」と呼んでいるが、これは、街から生まれたノイズを使って身体を揺らそうとする者たちの音楽だ。
 ニューヨークのブルックリンからイキのいいガレージ・バンドとして2010年代初頭に登場し、ぶっきらぼうだがオリジナル・パンク~ポスト・パンクへのたしかな敬意を感じさせた3作目『Sunbathing Animal』で世に知られたパーケイ・コーツは、00年代なかばのディスコ・パンク/ポスト・パンク・リヴァイヴァルにも、00年代後半のブルックリン・シーンにも間に合わなかったからこそ、特定のシーンに絡め取られることなくマイペースに自分たちの音楽を拡張してきた。その間ノイズをやったりヴェルヴェット・アンダーグラウンドっぽいことをやったりハードコアのルーツを意識したことをやったりしているのだが、バンドとしてのまとまりとパフォーマンス性を一段引き上げたのが、いくらかダンス寄りになった前作『Wide Awake!』だった。初期から持っていた猥雑な音の感触は残しつつも、パーカッションや電子音を整頓して配置することでデザイン性を高めたのである。
 そして、その路線を推し進めたのが、(変名バンドParkay Quartsやダニエル・ルッピとのコラボレーション作を除いて)通算6作目となる『Sympathy for Life』だ。バンド・メンバーたちはアルバムを作りながら、COVID-19によるロックダウンをまだ知らないニューヨークのインディ・パーティで踊っていたという。ストンプ・ビートとワイルドなベースラインが痛快な “Walking at a Downtown Pace”、ポスト・パンク・バンドがサーフ・ロックをカヴァーしたような “Black Widow Spider”、パルスめいた電子音がユニゾン・コーラスとゆったり絡み合う “Marathon of Anger” と、テンポを変えつつも足腰を動かすロック・チューンが続く。同じくニューヨークのLCDサウンドシステムや!!!のように、ハードコア・パンク育ちのキッズがテクノやハウスに触発されて生み出した音楽の系譜を受け継いでもいるだろう。

 アルバムは本格的なパンデミック以前に完成していたというが、ある意味、ロックダウンによってニューヨークが(一時期)失っていたものを封じこめた作品だと言える。人びとが狭い地下やビルに一室や路上に集まって踊ること、そこで交わした社会的/政治的議論を生かし、ともに声を上げること。パーケイ・コーツは以前から歌詞に都市で生きることのジレンマや苛立ちをミックスしてきたが、パンデミックを経たことでその個性がよりクリアに見えることになった。彼らはこのアルバムで、踊って考え、考えて踊っている。以下のインタヴューでヴォーカル/ギターのアンドリュー・サヴェージはパーティ文化をコミュニティと表現しているが、パーティは都市に生きる人間たちにとって考えや価値観をシェアする場としても機能しているのだ。また、ロックダウンによって人びとの集まる機会が失われた2020年のニューヨークにとって、ブラック・ライヴズ・マターが再集結のきっかけだったという証言も興味深い。パーティに通っていたひとたちが、デモの現場で久しぶりに再会するなんてこともあっただろう。
 パーケイ・コーツによる「ダンサブルなロック」は、ロック・リスナーがただ気持ち良く踊れるように設計されて提供されたものではない。異なるジャンルの音楽を聴いていたはずの人間たちが一堂に会して同じリズムで踊り、そこにこめられた問題提起と向き合うものとして、『Sympathy for Life』は野性的なグルーヴを展開している。

ブラック・ライヴズ・マターの抗議活動は、人びとを再び集結させる上で非常に重要な出来事だったと思う。怒りが昂っていたし、とても感情的な雰囲気ではあったけれど、同時にポジティヴな空気も感じられた。ニューヨーカーたちの間では「みんないっしょに乗り切ろう」という意気込みがあった。このような団結力は、俺がこの街に10年以上住んでいていままで見たことがないようなものだった。

いま、海外のミュージシャンのライヴが観られない状況なのでもはや懐かしい気持ちになるのですが、2018年わたしはフジロックであなたたちのステージを観て、すごく踊って最高の気分になりました。『WIDE AWAKE!』、そして本作『Sympathy for Life』とダンサブルなロック・アルバムが続きますが、これはあなたたちにとって自然な流れだったのでしょうか?

アンドリュー・サヴェージ(以下AS):そう思うね。いままでのバンドの進化というものはすべて、自然な流れだったと思う。変化や進化というものを無理に起こそうとしても、それは見え透いたようになるだろうし、もしかしたら気取っていると思われるかもしれない。でも俺たちはそれには当てはまらないと思う。バンドの11年の活動を見れば、バンドの重要な進化に気づいてもらえると思う。俺たちはいま、サウンドもヴィジュアルもファースト・アルバムのときと違うし、5枚目のアルバムのときとも違う。それはつまり俺たちが人間として進化し、俺たちの志向や音楽に対する考え方が進化し、ニューヨーク・シティという俺たちが住んでいる世界で生活していることの意味や、地政学に対する考え方が進化していることが反映されているからだと思う。そういうものの影響は受けているし、世界も進化しているからね。そういう意味で自然な流れだったと思う。それに、バンドとして同じことを繰り返したくないという思いもある。だから意識的に、バンドとしてのコアなアイデンティティを変えずに、どうやったらいままでとは違うことができるかと考えている部分はあるね。

アルバムはパンデミック前にニューヨークのパーティに通ったことに影響されているとのことですが、どのような音楽がかかるパーティに行っていたのでしょうか?

AS:ロックダウンになる前の話になるけど、俺はレイヴ・カルチャーに興味を持ちはじめた。だからおもにテクノ・ミュージックだ。オースティンは何年も前からディスコ寄りの音楽のDJをしていて、〈ザ・ロフト〉という昔からあるディスコのパーティに行っていたよ。

あなたたちの音楽は、たとえば70年代のニューヨークのアート・ロックからの影響もありますが、もともと自分たちはニューヨークのバンドだというアイデンティティ意識は強い方ですか?

AS:強いほうだと思う。ただ、「ニューヨークのアーティスト」というものが何なのかということが明確ではないから答えにくい質問ではあるね。たとえば、「70年代のニューヨークのアート・ロック・シーン」など人びとが強いこだわりを持つ分野もあるように、ニューヨークは文化的な文脈で定義されることが多いと思う。つまり、あるひとが想像するニューヨークとは、感情的・文化的な経験がもとになって定義されることが多いと思うんだ。だけど、ニューヨークという街を定義するのは難しい。この街はつねに変化しているという性質を持っていて、静止しているということがない。だから「ニューヨークのアーティスト」が何であるのかを定義することが難しい場合もある。俺が思うにニューヨークのアーティストとは、「生き延びるために創造しないといけない必要性」があるひとたちなんだと思う。ニューヨークは競争が激しいし、物価や生活費も高い。だから生き延びるために精力的に活動しないといけない。それはどんな時代でも、どんな文化的要素に紐つけようとしても共通していることで、ニューヨークでアーティストとしてやっていくのは昔から非常に困難なことだった。たくさんの血と汗と涙を流さないとやっていけない。俺たちには昔からそのメンタルが備わっているからニューヨークのアーティストだと言えると思う。

ニューヨークはパンデミックの影響をとくに大きく受けた街だと思うのですが、あなたたちの音楽制作やこのアルバムに対して、パンデミックはどのような影響を与えましたか?

AS:パンデミックがはじまる直前のほんの数日前にアルバムの制作を終えていたから、音楽制作には影響を与えなかった。でもアルバムのリリースには影響を与えた。理想としては2020年9月にアルバムをリリースするはずだったんだけど、それは実現されなかった。その代わり、というかそのおかげで、どうやってアルバムをリリースしていくかという方法について考える時間が増えたから、それについてじっくり考えることができた。たとえば、アルバムのすべての曲でミュージック・ヴィデオを作ることにしたから11のミュージック・ヴィデオが公開されるし、アルバムのプロモーション企画として11のイヴェントが予定されている。それから俺はアルバムのアートワークをすべて担当しているんだけど、今回のアルバム・アートワークには制作に手掛けられる時間に1年間の猶予が生まれた。2020年9月にアルバムをリリースしていたら、これらのことはすべて不可能だった。ツアーができなくなってしまったから、従来の方法でアルバム・プロモーションができなくなってしまったから、こういう流れになったんだけれど、このタイミングでアルバムをリリースできたことは良かったとじつは思っている。パンデミック当時、ニューヨークは俺がいままでに見たことのないような状況だった。最初はものすごく静かだった。
 そして去年の夏にブラック・ライヴズ・マターの抗議活動が起こり、それは、人びとを再び集結させる上で非常に重要な出来事だったと思う。そのときに人びとは再び外に出るようになった。人びとの怒りが昂っていたし、とても感情的な雰囲気ではあったけれど、同時にポジティヴな空気も感じられた。ニューヨーカーたちの間では「みんないっしょに乗り切ろう」という意気込みがあった。このような団結力は、俺がこの街に10年以上住んでいていままで見たことがないようなものだった。だからパンデミックの影響で世界は大きく変わってしまったけれど、そこからポジティヴなものも生まれたと思う。

あなたたちのこれまでの楽曲はよくデザインされたものだったように思います。本作では長時間の即興演奏がもとになったそうですが、それはこれまでの方法論とかなり異なるものだったのでしょうか? そして、その方法はこのアルバムにどんな影響を与えましたか?

AS:まったく異なるものだったよ。アルバムの曲のなかでも、従来の作曲方法で作られたものはいくつかある。“Walking at a Downtown Pace”、“Pulcinella”、“Sympathy for Life” などがそうだ。だけど、今回の新しい方法は40分の音源──おもに俺たちが即興演奏をしているもの──をテープに録音して、ロデイド・マクドナルドの協力を得て、それをひとつの曲にエディットしてまとめていくという方法だった。コラージュを作ることをイメージしてもらえればわかりやすいと思う。

『WIDE AWAKE!』はデンジャー・マウスがプロデュースでしたが、本作でプロデュースに関わったロデイド・マクドナルドとジョン・パリッシュはどのような役割を果たしたのでしょうか?

AS:ロディ(ロデイド)は先ほど話したように、エディットをするというプロセスで重要な役割を担っていた。彼はその方向性にバンドを向かせていってくれた。彼はアルバムの音を操作して様々なテクスチャーを加えてくれた。ギターの音をシンセに通して、アルバムで聴こえるグリッチーでザラザラとしたテクスチャーを表現してくれたんだ。彼は四六時中でも作業したいというひとで、俺たちと作業したときもノンストップでやっていた。そのいっぽうで、ジョンは音の操作や音に介入するということをほとんどしないひとで、とてもクリーンなサウンドを好むんだ。彼はピュアなサウンドを表現する才能に長けていて、マイクを楽器などに近づけて、その音をそっくりそのままテープ・マシーンに直で伝えることが非常に上手い。完璧にそれをやってくれる。素晴らしいよ。非常にプロ意識の強いひとで、ミュージシャンとしても素晴らしい腕の持ち主だ。彼といっしょに録音したものでは、彼はシンセとピアノを弾いてくれている。このふたりの協力がなければ、アルバムはこのような仕上がりにはなっていなかったと思う。

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ニューヨークという街はつねに変化している。だからこそ、現状を表現するということが非常に重要だと思うんだ。アルバムとは、どこでレコーディングされて、どこで制作されて、アーティストがどんなマインドでいたのかという、そのときと場所のスナップショットだと俺は考えている。

本作においてグルーヴが何より重要だったとのことですが、あなたたちの音楽にとって、グルーヴを生み出すためにもっとも重要な要素は何でしょうか?

AS:何だろうな。(考えて)わからない(笑)、良いリズムセクションがあるのに越したことはないね。

Walk at a downtown pace and
Treasure the crowds that once made me act so annoyed
ダウンタウンのペースで歩いて、
イラつかされたこともある群衆を大切にするんだ
(“Walking at a Downtown Pace”)

リード・シングル “Walking at a Downtown Pace” はワイルドなパーティ・チューンで、街の息使いが伝わってくるミュージック・ヴィデオも印象的です。あなたたちにとって、ダウンタウンはどんなものを象徴する場所なのでしょうか?

AS:それは、ニューヨークのダウンタウンのことかい? それとも曲で歌っているダウンタウンのことかい?

曲で歌っているダウンタウンは、ニューヨークのダウンタウンではないのでしょうか?

AS:ああ、確かにそうだよ。その両方について話せばいいか。曲のヴィデオは、ニューヨークの現状を非常にうまく切り取っていると思う。先ほども話したようにニューヨークという街はつねに変化している。だからこそ、現状を表現するということが非常に重要だと思うんだ。ニューヨーク出身のアーティストとして俺たちは、そのときの瞬間を定義しようという狙いがある。アルバムとは、どこでレコーディングされて、どこで制作されて、アーティストがどんなマインドでいたのかという、そのときと場所のスナップショットだと俺は考えている。このヴィデオは、制作された2021年夏のニューヨークがどんな感じだというのを非常にうまく伝えている。ニューヨークがかっこよく描かれていると思うし、曲にすごく合っていると思う。ある意味、ニューヨーク・シティに宛てたラヴ・ソングだと言えるね。

現在のニューヨークのもっとも好きなところと嫌いなところを教えてください。

AS:いまのニューヨークのもっとも嫌いなところは何もかもが高すぎるということ。物価がどんどん上がっているから、ニューヨークで暮らすことが難しくなっていっている。でも(好きなところとして)通常の生活では、ニューヨークでは素晴らしいイヴェントや体験が可能だ。それもじょじょに戻りつつある。音楽イヴェントも再開したし、美術館も再開した。もう少しで通常に戻ると思う。本当にいまの話で答えると、今日はニューヨークでは初めて秋らしい日で、外はすこし肌寒かった。それが良かった。俺は秋が一年で一番好きだから。だから今日のニューヨークにはとても満足している。

『WIDE AWAKE!』ではジェントリフィケーションで変わる街が一部モチーフになっていましたし、パーケイ・コーツは「考えるバンド(thinking band)」だとしばしば言われてきました。本作において、あなたたちがとくに考えてバンド内で話していたことは何でしょう? 政治でも社会でも哲学でも、はたまたバカバカしいことでも何でも教えてください。

AS:資本主義というテーマが引き続き探求されている。このテーマはパーケイ・コーツの歌詞にかなり頻繁に登場する。“Black Widow Spider”、“Homo Sapien”、“Application/Apparatus”、“Just Shadows” といった曲は資本主義がテーマになっている。資本主義を批判する視点で歌詞を書いていると同時に、資本主義に加担している身として書いているんだ。俺たちはプロのミュージシャンとして資本主義制度の一部になっているし、資本主義の恩恵を受けている身でもある。だけどそれに批判的になりたいという欲求もある。世界の大都市や世界の大部分が資本主義の恩恵を受けていると言える。パーケイ・コーツは、資本主義から逃れられないことや、資本主義が俺たちに与える影響について歌っていることが多い。それから、このアルバムの強いメッセージとして「コミュニティ」というものもあって、それはパーティなどに遊びにいってそこにいるひとたちといっしょに踊るというような一体感や、ひととひとの間にある空間やエネルギーという概念を表している。人びとが集まっている一体感というものがアルバムで感じられるから、今作は、楽しくてダンサブルなアルバムになったんだと思う。それに素敵なラヴ・ソングもアルバムには入っているよ。それにしても「考えるバンド(thinking band)」と言われるのは嬉しいね。

Young people enjoying urban habitation
Headlights beaming with western potential
都市での居住を楽しむ若者たち
西洋文化の可能性とともに輝くヘッドライト
(“Application/Apparatus”)

What a time to be alive
A TV set in the fridge
A voice that recites the news and leaves out the gloomy bits
こんな時代に生きられて最高だ
テレビ画面が埋めこまれた冷蔵庫
憂鬱な部分を避けながら、ニュースを読み上げる声
(“Homo Sapien”)

“Application/Apparatus” や “Homo Sapien” ではとくに、テクノロジーに対するアイロニカルな視点が提示されているように思います。このアルバムにおいて、現代の都市のライフスタイルはテーマのひとつだと言えますか?

AS:それはバンドにとってのテーマのひとつだと言えると思うよ。でもアイロニカルな視点と言えるかはわからないな。“Homo Sapien” は辛辣な冗談(サーカスティック)と言えるかもしれないけど、“Application/Apparatus” はアイロニーでも辛辣な冗談でもない。そしてどちらともテクノロジーに対する批判ではないんだ。“Application/Apparatus” はテクノロジーに関与することによって生まれる孤立感について歌っている。それは批判と言うよりはむしろ観察だと思う。“Homo Sapien” は批判ではあるんだけど、多少、からかい半分な感じで批判している。

俺たちはプロのミュージシャンとして資本主義制度の一部になっているし、資本主義の恩恵を受けている身でもある。だけどそれに批判的になりたいという欲求もある。世界の大都市や世界の大部分が資本主義の恩恵を受けていると言える。パーケイ・コーツは、資本主義から逃れられないことや、資本主義が俺たちに与える影響について歌っていることが多い。

“Zoom Out” というタイトルからはどうしてもヴィデオ通話サービスのZoomを連想してしまいますが、歌われていること自体は、かなりぶっ飛んだ無限の可能性が提示されていますよね。これはパーカッションとベースが効いたワイルドなダンス・チューンですが、どういった精神状態を表したものなのでしょうか?

AS:この曲の歌詞を書いたのは俺じゃないんだ。でも俺の予想では、先ほども話した「コミュニティ」という概念に行き着くんだと思う。けど、わからないな、俺たちは自分たちが書いた歌詞の内容についてあまり話さないんだよ。だから俺の予想でしかないんだけどね。いま、歌詞を思い出しているけど、「When you zoom out, the power is now / When you zoom out, together is now」と歌っている。だから一体感(togetherness)についての歌で、ズームアウトするということは、自己という個人のアイデンティティから、コミュニティという、より大きな規模で俯瞰して物事を見るということなんじゃないかなと俺は思う。

先ほども少し話に出ましたが、本作に併せた企画「The Power of Eleven」が面白いですね(アルバム収録曲に合わせて世界各地で開催されるイヴェント。その第1弾として、Gay & Lesbian Big Apple Corpというマーチングバンドが “Walking at a Downtown Pace” をマンハッタンで演奏した)。これはどのような目的意識で生まれたアイデアだったのでしょうか?

AS:(ロックダウンの最中は)この先、コンサートなどのライヴ・ミュージックが可能かどうかがわからないという状況だった。そこでコンサートなどがなくても人びとが集まることのできるイヴェントを企画することにしたんだ。この企画をしたとき、世界が今後どのようになっていくのかは不明だったけれど、世界がどんな状況になっても、拡張や縮小が可能な企画にしたんだ。何かのファンであると言うことは、コミュニティの一部であることを意味する。長い間、コミュニティから外れていたひとたちを、バンドの宣伝になるようなクールな体験を通して、再びコミュニティ内に戻してあげるというのがこの企画の狙いだった。

日本ではまだまだ、パンデミック以前のようにライヴでひとが集まって踊ったり歌ったりするのが難しい状況なのですが、このダンサブルなアルバムをどのようなシチュエーションでリスナーに楽しむことを薦めますか?

AS:自分の家に友人を招いたりすればいいんじゃない(笑)? ひとりで踊ってもいいし。わからないよ、日本の状況がよくわからないからね。自分の家に友人を招いたりしているのなら、自分の家で小規模なダンス・パーティをするのがいいと思う。

最後に遊びの質問です。パーケイ・コーツにとって最高にダンサブルなロック・アルバムを3枚教えてください。

AS:トーキング・ヘッズの『サイコ・キラー'77』。このアルバムを聴いてたくさん踊った覚えがある。ロック・アルバムだよな? それから、ロキシー・ミュージックのファースト・アルバム。セルフ・タイトルだ。あとはなんだろうな……(しばらく考えている)。シルヴァー・アップルズのセルフ・タイトルのアルバム。

interview with 食品まつり a.k.a foodman - ele-king

 早口である。食品まつりはとにかく早口である。同じ副詞を繰り返しながら異なる内容に切り替わっていくしゃべりはさながらジュークにも等しい。ジュークみたいにしゃべるからジュークをつくるようになったのか。それともジュークをやっているうちに話し方もジュークみたいになったのか。副詞を多用せず、主語と述語の結びつきをもう少し明確にすれば黒柳徹子のようなしゃべり方になるのかもしれないけれど、そのようにする必要は感じられない。黒柳徹子のようにしゃべると音楽性が変わってしまう気がするということもあるけれど、慌てたようにしゃべり、人と話をするときに焦りがちな食品まつりが、今回のように「やすらぎ」というコンセプトを掲げることには自然と説得力を感じるからである。ジュークなのに「やすらぎ」。このような矛盾した命題をクリアーしていく、その特異な音楽性。あるいは変革の予感。そして、何よりも食品まつりはいま、日本のアンダーグラウンドから世界に向けて独自の音楽的ヴィジョンを発信し、日本からオリジナルな音楽が生まれるという実績を積み重ねている最中なので、黒柳徹子にかまけているヒマはないのである。サン・アロウのレーベルからリリースされた『ARU OTOKO NO DENSETSU』から2年10ヶ月、〈ハイパーダブ〉から新作をリリースした食品まつりに換気のいい部屋で話を訊いた。

コロナになって、ライヴもあまりできなくなって〔……〕深い意味もなくて、アジフライをSNSにアップしたりして、そういう日常の楽しみの比重が大きくなってきたというかな。身の回りの楽しみというか。

チャレンジャーですよねー。

食品まつり(以下、食まつ):そう言っていただけると。

真価がわかるのは2~3年後かなという気がするぐらい、戸惑いもあります。

食まつ:ああ、そんな。

こんなに変えちゃうものかなという……思い切りが良すぎて。

食まつ:はい。

これは制作期間は? 『ARU OTOKO NO DENSETSU』が終わってから?

食まつ:そうですね。『ARU OTOKO』が終わって、制作をはじめたのが去年の7月ぐらいからなんですけど、だいたい1ヶ月ちょいぐらい。

早いんですね。『EZ MINZOKU』はコンセプトを決めてつくり込んだもので、『ARU OTOKO』は何も決めないで思いつくままにつくったということでしたけど、今回は?

食まつ:今回はコンセプトがあって、まず音的な面は、自分が20代前半にギターとパーカッションで友だちと名古屋の路上で演奏していた時期がけっこうあったんですけど、友だちがギターをじゃかじゃか鳴らして、僕がそれに合わせてパーカッションというか、小さなタイコを合わすみたいな。そんな感じでやっていて、たまに自作の曲もやったりして、あんま考えもナシに路上で遊んでただけなんですけど、お酒を飲みながらやっているとセッションみたいになって、パカパカやってると通りすがりの酔っ払いも入ってきたりして。

(笑)。

食まつ:それが楽しかったという記憶があって。そんな大して上手くもないんですけど、やっているうちにトランス感が産まれる気がして。

トランスということは、人が聞いてるとかじゃなくて……

食まつ:自分たちがただ楽しくなって。上昇していく感じになって。それが面白いなって。で、これを打ち込みでやったら面白いんじゃないかなというアイディアはけっこう前からあったんです。そういうのがボンヤリとあって。それがひとつ。で、コロナになって、ライヴもあまりできなくなって、最初はちょくちょく名古屋のクラブには遊びに行っていたんですけど、そういう機会もなくなって。

うん。

食まつ:で、家の周りとかしか行くところがなくなって、自分は名古屋の外れに住んでるんですけど、その辺をうろうろしてたら、高速道路の入口があって、パーキング・エリアに裏から入れるというのを発見したんですね。「裏から入れるじゃん」と思ってパって入って、で、食堂があったんで、ちょっと入ってみようと思って、なんとなく頼んだのがアジフライで……

あー、ツイッターであげまくってましたね。

食まつ:「アジフライ、美味しい」ってなって、そこからハマっちゃって。週5ぐらいの勢いでパーキング・エリアに行っちゃって。

週5(笑)。

食まつ:そう。で、まあ、深い意味もなくて、アジフライをSNSにアップしたりして、そういう日常の楽しみの比重が大きくなってきたというかな。身の回りの楽しみというか。

今回のアルバムで意識したのは全曲同じように聞こえるということなんですよ。〔……〕自分の好きなアルバムというのは、似た感じの曲が並んでるのが多いなというのがあって。ベーシック・チャンネルとか。

なるほどコロナの影響なんですね。

食まつ:そうですね。そっから入っていって、そんなことやってるうちに、やっぱアルバムをつくんなきゃいけないなってなって。なんとなくボンヤリと自分の中で2~3年に1枚つくんなきゃいけないかなというのがあって。

けっこう空きましたもんね。

食まつ:そうなんですよ。それでパーカッションとギターのアイディアと、今回、いろいろと日常で経験した楽しいことを合わせた感じは面白いかなって。

20代前半に感じたことを振り返るというノスタルジーではなく?

食まつ:そうですね。ギターとパーカッションを使うということだけ決めて。

確かに “Yasuragi” “Shiboritate” “Parking Area” “Minsyuku” といったあたりはギターありきの曲だと思いました。

食まつ:そうですね、ギターのじゃかじゃかした感じやパキパキした感じで。

自分で弾いて?

食まつ:いや、プラグ・インとサンプリングを分解して組み替える、みたいな。自分ではぜんぜん弾けないので(笑)。押尾コータロー、ヤバいなとかも思ってたりしたので。バカテクの。

全部、リズム・ギターですよね。リズム・ギターに対する強い関心が?

食まつ:そうですね。まさにリズム・ギターですね。

『ARU OTOKO』がすごくいいと思っていたので、最初は「え?」と思ったんですけど……

食まつ:(笑)。

一番違うのはなんだろうと思ったら、メロディがなくなってるんですね。シンセが入ってなくて、そのせいなのか、シュールな感じがしないと思ったんですよ。『ARU OTOKO』にあった凄みがなくなって、即物的になってるんだと。音だけが置かれていて、精神的な部分を膨らませる気がないなって(笑)。

食まつ:かもしれないですね。音自体はフィーリングでつくってるだけだったんですけど、今回のアルバムで意識したのは全曲同じように聞こえるということなんですよ。

全部同じ? そうだったかなあ(笑)。

食まつ:そういうイメージだったんですよ(笑)。

自分ではそうなんだ? “Sanbashi” はまったく違うと思うけど。

食まつ:ああ、あれはそうですね(笑)。自分の好きなアルバムというのは、似た感じの曲が並んでるのが多いなというのがあって。ベーシック・チャンネルとか。大体、似た感じじゃないですか。

一堂:(笑)

パラノイアックにやりたいんだ?

食まつ:今回は統一感を持たせたくて。『ARU OTOKO』がいろんな世界に行ってたんで、つくってる期間も今回は短めだったし、夏だったので、汗かきながらいろんな場所に行って集中してつくっていたということもあるのかなって。記憶としては曲をつくってるというより汗だくになって自転車で走ってるという記憶の方が残ってるんですよ。めちゃくちゃ日焼けして。曲つくってるのに、肌が黒いっていう。

一堂:(爆笑)

食まつ:「どういうこと?」っていう。

いいじゃないですか(笑)。

食まつ:体も引き締まってきて(笑)。つくりながら面白いなって思ってて。

コロナっぽくないですねー。

食まつ:そうですね。健康的になって。

僕は、今回はコンセプトがあるとしたら日本の伝統的なリズムをテーマにしたのかなと思ったんですよ。

食まつ:それに関してはなんも考えてなくて。

そうなんだー。“Michi No Eki” がお経を読むときのリズムに聞こえたり、“Numachi” はまた三三七拍子やってるなーとか、“Food Court” は聴くたびに印象が変わるんだけど、チンドン屋っぽく聞こえたりね、〈ハイパーダブ〉からリリースするにあたって日本のリズムを海外のリスナーに意識させてやろうと考えたのかなって。

食まつ:無意識に出たのかもしれないですけど、手癖というか、自分がよく使うパターンというか、あと、けっこう、間(ま)を意識したところはあったかもしれないです。

日本のリスナーよりもイギリスの人にはどう聞こえるのか興味あるというか。

食まつ:ああ、確かに。

コロナで困ってるミュージシャンは多いと思うんですけど、ユーチューブで楽器の弾き方や解説をはじめた人がたくさんいて、そのなかでロサンジェルスに住んでる日本人のジャズ・ドラマーの人が日本のリズムについて解説していた動画あったんですよ。

食まつ:はい。

いろんな国から来てる人たちと演奏する機会が多いから、みんな自分の国のリズムについて話すのに自分だけ日本のリズムがわかっていなかったと。悩んじゃったらしいんですよ、「お前の国のリズムは?」と訊かれて。

食まつ:なるほど。

それで、その人が見つけたのが千葉県のお寺でお経を読んでいる動画で、言われてみるとヘンなリズムなんですね。カカッカッカッ……みたいな。

一堂:(笑)

確かに面白いリズムなんですよ。西洋のリズムではないしね。食品さんもジュークから入って、洋楽のリズムでスタートを切ってるわけだから、日本のリズムを意識すると、今回の作品みたいになるのかなあと思って。

食まつ:ああ。そう言われるとそんな気もして来ますねえ。

でも、意識的ではなかったんですね。

食まつ:そうですね。日本のビートを意識したのは三三七拍子だけでした。つーか、あんまり意識してしまうと、そのままになってしまうというか。

パラパラとか阿波踊り的な。そこが日本的だなって。上半身だけで踊る感じ。

食まつ:そうかもしれないですね。

ベースを入れないせいもあると思うんだけど、そのことにはアンビヴァレンツな感情もあるんですけど(笑)。

食まつ:このアルバムをつくる前にUKの CAFE OTO っていうヴェニューがあって、ロックダウンで困っているミュージシャンを救済する意味もあるんですけど、そこがやってる〈タクロク〉というレーベルから去年、僕も「SHIKAKU」というEPを出していて。それがちょっと今回のアルバムの青写真的な意味もあって、カクカクとしたビートをつくりたいというコンセプトで。全体にカクカクしてて(笑)。それをつくったことがアルバムに影響してるなあと自分でも思うんですけど。

うん。「ODOODO」みたいなEPとはぜんぜん違いますよね。よくこんなにつくり分けられるなって。

食まつ:あれは〈マッド・ディセント〉から出てるし、もうちょい広い層に聞いてもらいたいなというものなので。あんまりやってなかったような曲もやってみたりして。ハウスとか。実験で。

そうでしたね。

食まつ:いままで聞いてなかった人からも「よかったよ」って声かけられたんですよ。

広がりがあったんだ。最後に入ってた “Colosseum” というのは何かのサンプリングなんですか。あのメロディは個人的にツボだったので。

食まつ:あれはサンプルを細かく切って並べる感じです。

ああ。じゃあ、ああいうメロディの曲があるわけじゃないんだ。

食まつ:そうですね。

でも、今回は『YASURAGI LAND』から完全にメロディをなくすと。それは初めから決めてたんですね。

食まつ:あんまり意識してなかったですけど、言われてみると確かにメロディはあんまりないか……

まったくないですよ。意識していないなんてスゴいなー。

食まつ:言われてみるとそうですね。

一堂:(笑)

食まつ:自転車で走ってたのが必死だったという記憶の方が濃くて。

一堂:(笑)

そうかもしれないけど、最後に家でトラック・ダウンとかするわけですよね。そのときに物足りないとは思わなかったと。

食まつ:そうですよね(笑)。

満足してるんですよね(笑)。

食まつ:そうすね(笑)。

一堂:(笑)

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「休んで下さい」という感じですね。座敷とかで寝転んでお茶でも飲んで……みたいな。

タイトルが「やすらぎ」じゃないですか。いま、脳内物質はドーパミンじゃなくてオキシトシン志向だというトレンドというか、傾向がありますけど……

食まつ:いや、なんか、「やすらぎランド」とかありそうじゃないですか。地方には。

東京以外の雰囲気は僕はぜんぜんわからないんだけど、そうなんだ?

食まつ:ありそうなんですよ。「やすらぎランド」って響きもいいし、あとまあ、ゆったりした曲もあるし。だったら『YASURAGI LAND』かなあって。

実際に「やすらぎランド」を建てちゃったらいいんじゃない?

食まつ:そうすね(笑)。

僕の印象だと東京の中心よりも、その周辺の方がシャレた名前を店につける気もするんだけど。「シャトレーゼ」とか。

食まつ:ああ、地方とか田舎の方ががんばっちゃうのかもしれないですね。

東京の方がダサい名前が多いような……名古屋だとなんのイメージもないんだけど。

食まつ:ああ。わけのわかんない名前の店もいっぱいありますよ(笑)。

まあ、でも、そのタイトルにするということは、「ここに来て安らいで下さい」ということなんですよね。

食まつ:「休んで下さい」という感じですね。座敷とかで寝転んでお茶でも飲んで……みたいな。

最初、タイトルだけ見たときに、『ARU OTOKO』からシンセが醸し出す雰囲気が受け継がれてるのかなと予想したんですよ。アンビエントっぽいような。でも、実際にはリズムがチャカポコ来たなっていう(笑)。

食まつ:確かにそうすね(笑)。

まあ、でも、それが和風のリズムに聞こえたところで、まったく違うアルバムだなと思って。それこそYMOが出てきたときに「テクノお神楽」と評されたことがあったんですよ。それに倣うと「ジュークお神楽」みたいだなあというか。実際にはどこもお神楽じゃないんだけど。

食まつ:ああ、なるほどー。

まあ、日本っぽいニュアンスがあるということですよ。でも、それで「ジューク感」があるのがスゴいというか。

食まつ:今回は割にあるかもしれないですね。

意識しなくても「和風が滲み出るのはいい」と、コムアイさんも理想のように言ってたけど。

食まつ:そうですね、意識的に出すんじゃなくて、やっているうちに自然に出るみたいなものはあるのかもしれないですね。そこの部分のコントロールは自分でも意識してるところで、無理に出そうとするとよくないから。

無理に出さないということは、日本の伝統的なリズムの音楽も聞いたりはしてるということ?

食まつ:詳しくはないですけど、割と好きで聴いたりはしてます。津軽三味線とか。

ああ、聞くんですね。“Michi No Eki” でフィーチャーされている Taigen Kawabe(ボー・ニンゲン)のヴォーカルも祝詞っぽく聞こえたりね。あれも偶然?

食まつ:歌い方はこちらから少し指示させてもらったりしたんですけど、メロディとかは自由にやってもらいました。あれは、歌が入ってからトラックはつくりかえたんですよ。

あ、そうなんだ。

食まつ:毎回、そうなんですよ。歌もの系は、歌に合わせてトラックは変えちゃうんです。

へー、そういうもんなんだ。

食まつ:毎回、そうすね。

細かいんですね。ちなみに物足りない面があるとすれば、全体にダイナミズムがもうちょっとあってもよかったかなというのはありますね。

食まつ:あー、海外のレヴューでは「ライト」とか「フュージョン」という風に書かれていたので、そういう風に聞こえるのかなとは思いました。「ジャズ・フュージョン」に聞こえるとか。

YMOに近づきましたね。

食まつ:(笑)確かに。最初にコード9にデモを送った段階で坂本龍一の『エスペラント』の雰囲気があると言われて。

ああ、それは素晴らしい。坂本龍一がやりきったと言ってたアルバムですね。あれはいい。

食まつ:それと、映画のサントラで、なんちゃらスカイ……

『リキッド・スカイ』?

食まつ:あ、そう、そう。そのふたつのフィーリングがあると彼は言っていて。

『リキッド・スカイ』ねー。なるほどね。

食まつ:『エスペラント』も聴いてみたらなるほどと思ったし、『リキッド・スカイ』もめちゃくちゃシンパシーを感じる音でしたね。ヘンな音がずっと鳴っていて。

わかる、わかる。映画は観ました?

食まつ:いや、観てないです。

映画も面白いよー。ロードショーで観たんだけど、監督が音楽もやっていて、これはヘンと思ってサントラを探したんですよ。コード9も面白い聞き方しているなあ。そもそも〈ハイパーダブ〉から出ることになった経緯は?

食まつ:デモを送ったっていう。ジュークをつくりはじめたきっかけが〈ハイパーダブ〉のDJラシャドだったし、ジェシー・ランザのリミックスをやったりして多少の交流もあったので。で、メールで送ったら、これいいじゃんていうことになったという。返事が早かったんですよ。

なるほど。どこにもない音をつくったという感じもあるし。

食まつ:いや、いや。

そういう野心はあるわけでしょ。

食まつ:毎回、それはそのつもりです。「これが自分です」という感じでつくろうと思ってて。

仲間がいない感じって、どんな気分?

食まつ:ほかにないものをつくりたいという気持ちは最初からずっとあるので……ずっと同じことをやっているというか。

アルバムはそうしようということですよね?

食まつ:そうです、そうです。

「ODOODO」や「DOKUTSU」といったEPはそこまでじゃないというか。

食まつ:そうですね。あの辺はライヴでやって反応が良かった曲を録音してる感じですね。ライヴでやる曲はあんまりアルバムに入れなかったりして。リズムがバシバシというか、ライヴとアルバムの印象は変えてるかもしれないです。

それだけアルバムは特別視してるということですよね。

食まつ:めちゃくちゃしてますね。洋服のブランドみたいに、コレクションというか、何年から何年までの方向性をアルバムが決めるという意味で自分のなかではいちばん重要ですね。

やっぱり陽気な要素もありつつ気持ち悪いというのがけっこう好きというか。ユーモアがあって、シリアスになりすぎないのが好きですね。

もう次に考えてることはあるんですか?

食まつ:やっぱりアフリカですかね。〈ニゲ・ニゲ〉の人たちも聴いてくれてるみたいなので。シンゲリのセットをやったこともあるんですよ。やっぱり陽気な要素もありつつ気持ち悪いというのがけっこう好きというか。ユーモアがあって、シリアスになりすぎないのが好きですね。

『YASURAGI LAND』を誰かにリミックスしてもらうとしたらどの辺が?

食まつ:ああー。考えてなかったなあ。誰だろう? 今まで自分の曲をリミックスしてもらうという経験が……

ない?

食まつ:1回だけありますかね。2012年に広島の CRZKNY(クレイジーケニー)さんていうジュークをやっている方が1曲だけやってくれたことがあって。

それだけですか? じゃあ、コード9にやってもらおう!

食まつ:そうですね。踊れる感じにしてもらうとか。

ぜんぜん違う感じの人がいいですよね。昨日の夜、それを考えていてオールタイチとか名前が浮かんじゃって、それじゃ同じになっちゃうなって。

食まつ:(笑)ちょっといま、思ったんですけど、ベースとかキックが入っているのを想像して聴いてもらうのもいいかなって。

頭で音を足す?

食まつ:そういう聞き方もできるかなって。そうすればいくらでも頭のなかでヴァリエーションがつくれるというか。やっぱり想像の余地を残したいなっていうのがあるんですよ。

70年代に、数寄屋橋に日立ローディープラザというライヴハウスというか、音楽教室みたいなハコがあって。

食まつ:ええ。

バンドが目の前で演奏するんですけど、聴いている人には全員、卓があって、自分の好きなミックスでそのライヴを録音してカセットで持って帰れたんですよ。ベースをカットしたい人はベースのメモリはゼロにしてしまうみたいな。

食まつ:へえー。

パンタ&HALの演奏を録音した覚えがあるんだけど、最初にひとりずつ楽器の音を鳴らしてくれるので、ギターとかドラムを自分の好きな音量に調節してね。誰も真剣にバンドを見ないから、演奏している人たちはやりにくかったらしいんだけど。オーディエンスはずっと卓と格闘してて。

食まつ:(笑)。

そういう感じで好きな感じで聴いて欲しいと。ちょっと違うか。

食まつ:すごいですね、それ。自分で揚げれる揚げ物屋さんみたい。

“Aji Fly” に繋げたな。

食まつ:それぐらい自由に聴いて欲しいのはありますね。こんだけスカスカなんで、ベースとキックを入れるだけですべての曲の印象が変わると思うんですよ。

そうですよね。最後に、課外活動が多くてぜんぜん追いきれてないんですけど、課外活動でやった自信作はなんですか?

食まつ:いろいろあるんですけど、アイドルで金子理江さんの、2017年に出た trolleattroll 名義のやつなんですけど、相対性理論の真部(脩一、現・集団行動)さんと一緒にやった “lost”(https://www.youtube.com/watch?v=qcTBIw8ux00 )ですかね。パーカッシヴな曲で、いま聴くと『YASURAGI LAND』に繋がるなって。メロディは真部さんなんですけど。あと、去年、釜山ビエンナーレっていう芸術祭があって、コロナの時期でもなんとか開催されて、10人のミュージシャンが曲を提供したんですけど、僕も参加して、それはけっこう好きですね。

そこでしか聴けない曲?

食まつ:レコードにもなってるんですけど、韓国語なんですよ。

調べてみます(……と言ったものの、さっぱりわからず)。

〈Hyperdub〉からの最新作『Yasuragi Land』発売を記念したリリース・パーティー
“Local World x Foodman - Yasuragi Land - Tokyo 2021”の開催が決定!

昼のコンサート(8月8日開催)とサウナと水風呂の2フロアに別れた夜のクラブ・ナイト(9月11日開催)の2部構成

名古屋在住のエレクトロニック・ミュージック・プロデューサー、食品まつり a.k.a foodman。〈Hyperdub〉より最新作『Yasuragi Land』を発売したことを記念し、リリース・パーティーの開催が決定! 今回のイベントはクラブ&モードなアドベンチャー・パーティ Local World と SPREAD での共同開催となる。土着、素朴、憂いをテーマに南は長崎、北は北海道、Foodman に纏わるアーティスト含む全国各地からフレッシュな全20組が集まる昼のコンサート(8月8日開催)とサウナと水風呂の2フロアに別れた夜のクラブ・ナイト(9月11日開催)の2部構成、2021年の湿度と共に夏のボルテージを上げるサマー・イベント。

Local World x Foodman - Yasuragi Land - Tokyo 2021

SUN 8 AUG Day Concert 16:00 at SPREAD
ADV ¥3,300+1D@RA *LTD70 / Club Night DOOR ¥1,000 OFF

LIVE:

7FO
cotto center
Foodman
machìna
NTsKi
Taigen Kawabe - Acoustic set -

DJ: noripi - Yasuragi set -

SAT 11 SEP Club Night 22:00 at SPREAD + Hanare
ADV ¥2,500+1D@RA *LTD150 / DOOR ¥3,000+1D / U23 ¥2,000+1D

- 70人限定 / Limited to 70 people
- 再入場可 ※再入場毎にドリンク・チケット代として¥600頂きます / 1 drink ticket ¥600 charged at every re-enter

・サウナフロア@SPREAD

LIVE:
Foodman
JUMADIBA & ykah
NEXTMAN
Power DNA
ued

DJ:
Baby Loci [ether]
D.J.Fulltono
HARETSU
Midori (the hatch)

・水風呂フロア@Hanare*

LIVE:
hakobune [Tobira Records]
Yamaan
徳利

DJ:
Akie
Takao
荒井優作

artwork: ssaliva

- Hanare *東京都世田谷区北沢2-18-5 NeビルB1F / B1F Ne BLDG 2-18-5 Kitazawa Setagaya-ku Tokyo
- 150人限定 / Limited to 150 people
- 再入場可 ※再入場毎にドリンク・チケット代として¥600頂きます / 1 drink ticket ¥600 charged at every re-enter

食品まつり a.k.a foodman

名古屋出身の電子音楽家。2012年にNYの〈Orange Milk〉よりリリースしたデビュー作『Shokuhin』を皮切りに、〈Mad decent〉や〈Palto Flats〉など国内外の様々なレーベルからリリースを重ね、2016年の『Ez Minzoku』は、海外は Pitchfork のエクスペリメンタル部門、FACT Magazine、Tiny Mix Tapes などの年間ベスト、国内では Music Magazine のダンス部門の年間ベストにも選出された。その後 Unsound、Boiler Room、Low End Theory に出演。2021年7月にUKのレーベル〈Hyperdub〉から最新アルバム『Yasuragi land』をリリース。Bo Ningen の Taigen Kawabe とのユニット「KISEKI」、中原昌也とのユニット「食中毒センター」としても活動。独自の土着性を下地にジューク/フットワーク、エレクトロニクス、アンビエント、ノイズ、ハウスにまで及ぶ多様の作品を発表している。

Local World

2016年より渋谷WWWをホームに世界各地のコンテンポラリーなエレクトロニック/ダンス・ミュージックのローカルとグローバルな潮流が交わる地点を世界観としながら、多様なリズムとテキスチャやクラブにおける最新のモードにフォーカスし、これまでに25回を開催。

Local 1 World EQUIKNOXX
Local 2 World Chino Amobi
Local 3 World RP Boo
Local 4 World Elysia Crampton
Local 5 World 南蛮渡来 w/ DJ Nigga Fox
Local 6 World Klein
Local 7 World Radd Lounge w/ M.E.S.H.
Local 8 World Pan Daijing
Local 9 World TRAXMAN
Local X World ERRORSMITH & Total Freedom
Local DX World Nídia & Howie Lee
Local X1 World DJ Marfox
Local X2 World 南蛮渡来 w/ coucou chloe & shygirl
Local X3 World Lee Gamble
Local X4 World 南蛮渡来 -外伝- w/ Machine Girl
Local X5 World Tzusing & Nkisi
Local X6 World Lotic - halloween nuts -
Local X7 World Discwoman
Local X8 World Rian Treanor VS TYO GQOM
Local X9 World Hyperdub 15th
Local XX World Neoplasia3 w/ Yves Tumor
Local XX0 World - Reload -
Local XXMAS World - UK Club Cheers -
Local World x ether

https://localworld.tokyo

イベント詳細はこちら
Day Concert: https://jp.ra.co/events/1452674
Club Night: https://jp.ra.co/events/1452675

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