「Agraph」と一致するもの

 『トレインスポッティング』や『スラム・ドッグ・ミリオネア』のダニー・ボイルが監督した新作映画『スティーヴ・ジョブズ』をロンドンで観た。脚本は、『ソーシャル・ネットワーク』『マネーボール』のアーロン・ソーキン。ソーキンお得意の、しゃべりまくる個性的な登場人物たちの言葉の応酬でドラマを展開する奇妙なセリフ劇である。ダニー・ボイルだし、iTunesやiPodを発明したジョブズを主人公にした映画なのだから、音楽的なのかと思ったら、まったくそんなことはない。皆が知ってるジョブズの功績、iPhoneやiTunes、iPadなどは影も形もないし、U2のボノみたいなミュージシャンが彼の素晴らしさを讃えるわけでもない。ただ、ジョブズのカリスマ性を炙りだすのに、彼にとってのステージ、“発表会”という場とその舞台裏にフォーカスしたという意味では、十分にライヴ的な映画とは言えるかも。

 批評家のウケは極上だったこの映画、あまりにコアなところを狙いすぎたのか、すでに公開された海外各国での興行成績はふるわなかったようだ。さて、電気グルーヴの映画のレヴューをするのに、なぜこんなに長々と別の映画のことを書いたかというと、異端の存在でありながら26年も続いてきた“電気グルーヴの歴史”を総括する映画なんてものこそが、こういう罠に簡単にはまりそうだからだ。だってあの卓球と瀧が、ストレートな回顧ものを撮らせるわけがないと思うじゃない。監督もテレビ/映像業界でサブカルのご意見番的に有名で、なおかつかなりの電気ファンを自認する大根仁だというし。それこそ、ファンのオタク度を測るようなレア映像や特殊なシーンばかりをつなげたり、主だったできごとはすでに皆当然知っているものとして省いてしまったりネタとして処理するというような作りだってありえたと思う。もしくは、ダニー・ボイルのジョブズ映画に倣うなら、野村ツアー以前(つまり、『Vitamin』以前)のライヴ3回のバックステージでの様子や会話を捉えた楽屋裏映像だけで構成しちゃう、みたいなことも。
 いや、そういう“マニアの皆さん大歓喜”な映像がまったく入ってないというわけではないんだけど、この映画がすげーまっとうに作られていることに最初はちょっと面食らって、でもどんどん自分もその映像の一部になっていくような感覚を得て、最後には「うわ〜、電気グルーヴってやっぱりものすごい存在だわ。この人たちとこんなに長い歴史の時間を共有できてホント良かった」みたいな感慨を抱いた。仕事で電気に関わったようなひとたちはもちろん、劇場にこの作品を見に行こうと思っちゃうようなひとも皆、それぞれの思い出のフラッシュバックとともに、そういう感覚に包まれるんじゃないかと思う。

 初めて世に出るという89年8月の大阪でのデビュー・ライヴの映像から、ほぼ時系列にそって電気グルーヴの歴史をなぞりつつ、国内外の17人の関係者の証言を随所に折り込むことで、内と外から電気グルーヴとは何か? をすげーまっとうに炙りだす。昨年の〈Fuji Rock Festival ‘14〉グリーンステージでのライヴは、今回の映画で主要なステージのフッテージとしてたくさん使われているんだけど、WOWOWで放送された同時期のソロ・ライヴの様子を収録した番組を見た人だったら、類似性と大きな違いに気付くはず。〈塗糞祭〉のライヴでは、CMJKや砂原良徳、DJ TASAKA、スチャダラパーといったゲスト陣にインタヴューして、やはり電気グルーヴのことを語らせていた。今回も同じようなメンツが話している。でも、やっぱり今回の方が取材に時間をかけているだろうし、楽屋コメントよりもずっと冷静に、いきなり内臓に切り込んでくるみたいな鋭さが見られる。もっと重要なのは、(僕らはよく知ってるけど)普段はほとんど表にでてこない、マネージャーの道下さん、元所属レーベル社長の中山さん、リキッドルームの山根さん、ROCKIN’ON JAPANの山崎さんといったひとたちが喋っていることだ。油断しているとすぐ足下をすくわれ毒を盛られるという、いたずら好きで辛辣で、斜に構えたイメージの電気グルーヴではなく、ある意味ものすごい愛されキャラとしての電気の本質が彼らの証言によってだんだんと見えてくるのが、いい。
 歴史的な映像の大半は、VHSテープに残っていたようなざらざらのローレゾ映像なわけで、新撮のインタヴューや最新のライヴのきれいな映像は、否応なく目立ってしまう。そんな風に暗闇のでかいスクリーンに旧知の連中の顔が大写しになって次々出てくると、「うわぁみんな老けたなぁ」と思うのは当たり前だ。でも、不思議なことに映画が進むにしたがって、どんどんその老けたおっさんたちが、卓球と瀧だけじゃなくて、彼らと一緒に歴史を作ったきたCMJKやまりんやTASAKAたちみんなが、超かっこいいじゃんという印象に変わってくる。いやいや、ほんと、マジだって。そういう効果をしっかりだすために、今現在リアルにかっこいいしルックスだけでモテそうな関係者一番の若手、agraphこと牛尾くんを出さなかったじゃないかなとか勘ぐりたくなるくらい。

 もっとディテールのこと(特にKAGAMIへの言及のことなんか)を本当は話したいんだけど、まだ公開前だし、それはこれから観る皆さんの楽しみをスポイルしちゃうと思うので、やめておきます。どっかのパーティーのバー・カウンターとかで、誰かと語りあいたいわ。
 でも、実はこの映画の一番のターゲットって、電気グルーヴのことをあまりよく知らない人じゃないかなとも思うんだよね。テレビや映画に瀧が出てるの見て「へぇ、この人ミュージシャンなんだ」って興味持ったり、偶然フェスでライヴを体験してとか、そういう入り口でいきなりこの映画観たら、最高だろうなぁ。僕も、自分の子供がもう少し大きくなったら絶対これ見せようと思ったし!

霜月、楕円の音体験を - ele-king

 福岡で地道にして実験的なリリース活動を続けるカセット(だけでもないけれども)・レーベル、〈Duenn(ダエン)〉。そのカタログにはMerzbowからNyantoraまで、chihei hatakeyamaやHakobuneといったエレクトロニカの前線や、食品まつりにMadeggやあらべぇ、shotahiramaなど、2010年代のエレクトロニック・ミュージックの俊英も細やかに名を連ねる。

 さてその〈Duenn〉によるレーベル・ショーケースとも言うべきイヴェントが、11月、東京にて開催されるようだ。新譜が本当に心待ちにされるPhewにIkue Moriという見逃せない掛け算を筆頭に、なんとも豪華な面々が「×」で登場する。

 このイヴェント〈extokyo〉では前売予約者に貴重な音源特典もある。〈Duenn〉へのフレンドシップの下、テイラー・デュプリー(〈12K〉)が撮り下ろした写真に1分の音を付けるというルールで、Markusu popp a.k.a Oval、Taylor Deupree、Merzbow、Nyantora、勝井祐二(ROVO)など計31組のアーティストが楽曲を提供、「V.A one plus pne」と題されたコンピレーション・アルバムである。先着順で一定数に達したら終了とのこと、ご予約を急がれたい。

 そして、前日にはこれまたスペシャルな6組による前夜祭ライヴが〈vacant〉で開催。先日Open Reel Ensembleを“卒業”したてのMother Terecoの名も見える。日にまたがりアーティストを交差し、楕円の音楽体験を。

■2015.11.24(Tue.)


Duenn presents
ex tokyo at WWW

福岡のカセットテープレーベル「Duenn」が「ちょっと実験的な音楽会」というコンセプトで不定期開催しているレーベル自主イヴェント。

これまでに浅野忠信、中原昌也、イクエモリ、Ovalら国内外のアーティストを招聘し2015年5月にはくるり岸田繁のドローンライブセットの企画が話題になった。

今回レーベルショーケースとして初の東京公演を11月24日に渋谷WWWで開催する。

イベントテーマは「trial and error 」。

OPEN / START:
18:30 / 19:00

ADV./DOOR:
¥4,500 / ¥5,500 (税込 / ドリンク代別 / オールスタンディング)

LINE UP:

【area01】
Ikue Mori+Phew
Taylor Deupree+FourColor+MARCUS FISCHER
mito+agraph
NYANTORA+Duenn
Hair Stylistics+空間現代
Photodisco+中山晃子

【area02】
akiko kiyama
shotahirama
chihei hatakeyama
YPY
SHE TALKS SILENCE

TICKET:
プレイガイド発売:8/2(日) チケットぴあ[272-776] / ローソンチケット[70762] / e+

詳細 https://www-shibuya.jp/schedule/1511/006322.html

■2015.11.23(Mon)

Duenn presents
echo(エコー) at vacant

福岡のカセットレーベルduennが「少し実験的な音楽会」というコンセプトで、毎回国内外の先鋭的なアーティストを招聘し開催しているレーベル自主イベントexperimental program ex。今回はレーベルショーケースとして初の東京公演が決定し、前夜祭をVACANTにて開催。

OPEN / START:
14:00 / 14:00

ADV. / DOOR:
¥2,500 / ¥3,000(+ 1drink)

LINE UP:
Ikue Mori
フルカワミキ
Akiko Kiyama
ハチスノイト
Mother Tereco
Duenn

TICKET:
https://duenn.thebase.in/

■レーベル公式サイト
https://duenn.thebase.in/


スローイング・スノーの時間を贈ります - ele-king

 スローイング・スノーことロス・トーンズ。90年代のブリストル・サウンドを今日的に蘇生させ、マッシヴ・アタックとジェイムス・ブレイクをつなぐUKの超大型ルーキーとして多くのメディアから注目されてきたその男が、来週末ついに秋冷の東京に降り立つ。
 ele-kingでは3名の方を会場にご招待。以下の応募方法に沿ってご連絡をいただき、ぜひその姿と音を目のあたりにしてほしい。

■応募方法
下記要領でメールにてご応募ください
ご当選の方にのみご連絡を差し上げました(9月25日16:00現在)。
たくさんのご応募ありがとうございました。

締切を9月24日(水)とさせていただきます

件名:Throwing Snowライヴ招待係
本文:お名前、電話番号(緊急ご連絡用)をお書きください
※メッセージ等はご不要です
アドレス:info●ele-king.net 宛て(●を@に変えてお送りください)


■UNIT / root & branch presents
- Special Showcase in Tokyo -
THROWING SNOW (Houndstooth)

Pitchfork, Guardian, Dazed, Fact, Resident Advisor, XLR8Rなど大手メディアが早くからその動きを追いかけ、マッシヴ・アタック~ビヨーク~ジェイムス・ブレイクといったイギリス音楽の系譜に続く超大型ルーキー、全世界が注目する逸材スローイング・スノーの初来日公演決定! これぞ新世代のトリップホップ!

Live: THROWING SNOW (Houndstooth)
Guest Live: agraph, mergrim (moph records, PROGRESSIVE FOrM, liquidnote), submerse (Project: Mooncircle)
DJ: Ametsub

2014.09.26 (FRI) @ 代官山 UNIT
Open/ Start 24:00 ¥3,000 (Advance), ¥3,500 (Door)

Information: 03-5459-8630 (UNIT) www.unit-tokyo.com
Supported by P-VINE RECORDS
You must be 20 and over with photo ID.

Ticket Outlets: ぴあ(P: 242-392), ローソン (L: 72714), e+ (eplus.jp), Clubberia (www.clubberia.com/ja/store/), diskunion Club Music Shop (渋谷, 新宿, 下北沢), diskunion 吉祥寺, TECHNIQUE, DISC SHOP ZERO, JET SET TOKYO and UNIT
*ローソン/e+(8.30 発売)、ぴあ(9.3 発売)

■THROWING SNOW (Houndstooth)
ロンドンを拠点にスローイング・スノーの名前で活動するロス・トーンズ。彼はダブステップ、UKガラージ、ハウスからフォーク、パンク、ハードコア、メタル、そしてレゲエなど様々な音楽を聞いて影響を受けてきた。彼の音楽には心地の良い温かさと、光沢感のある冷たさが共存している。2010年にHo Tepレーベルからデヴュー・シングルをリリースし、その後はゴールド・パンダなどのリミックスを手がけてきた。ジャイルス・ピーターソンやベンジBの強力なサポートもあり、多くのラジオ番組にも出演してきた。 2011年にはDominoやNinja Tuneのような大手レーベルからリミックスの依頼が来るようになった。リリースもSuperやSneaker Social Club、Local Actionなどから続けてきた。2012年には大手音楽サイトのXLR8Rにポッドキャスト用のDJミックスを提供。2013年にはニューヨークで開催されたRed Bull Music Academyへの参加も好評だった。インターネット上でDJのプレイを生中継する人気サイトBoiler Roomにも何度も出演を果たし、ボノボ、アトモス・フォー・ピース、ジョン・ホプキンスなどの前座を務めてきた。またレーベル・オーナーとしても他のアーティストのリリースに協力している。Left Blank(レフト・ブランク)とA Future Without(ア・フューチャー・ウィズアウト)の共同オーナーでもあり、Vessel, Wife, Visionist, Lorca, Memotone, Young Echoなどが駆け出しの頃のリリースを手掛けていた。ヴォーカリストAugustus Ghostとの別プロジェクト、Snow Ghostsもここからリリースもしている。2014年には待望のアルバム『モザイク』に先駆けて『Pathfinder EP』を先にリリース。イギリスの現代のミュージシャンの中で最もユニークなアーティストとの一人としてデヴュー・アルバム『モザイク』は数多くの大手メディアから大絶賛された。
www.facebook.com/throwingsnow www.throwingsnow.co.uk

■agraph
牛尾憲輔のソロ・ユニット。2003年からテクニカル・エンジニア、プロダクション・アシスタントとして電気グルーヴ、石野卓球をはじめ、様々なアーティストの制作、ライブをサポート。ソロ・アーティストとして、2007年に石野卓球のレーベル "PLATIK" よりリリースしたコンビレーション・アルバム『GATHERING TRAXX VOL.1』に参加。2008年12月にソロユニット "agraph" としてデビュー・アルバム『a day, phases』をリリース。石野卓球をして「デビュー作にしてマスターピース」と言わしめたほどクオリティの高いチルアウト・ミュージックとして各方面に評価を得る。2010年11月3日、前作で高く評価された静謐な響きそのままに、より深く緻密に進化したセカンド・アルバム『equal』をリリース。同年のUNDERWORLDの来日公演(10/7 Zepp Tokyo)でオープニング・アクトに抜擢され、翌2011年には国内最大の屋内テクノ・フェスティバル「WIRE11」、2013年には「SonarSound Tokyo 2013」にライブ・アクトとして出演を果たした。一方、2011年以降は "agraph" と並行して、ナカコー(iLL / ex. supercar)、フルカワミキ(ex. supercar)、田渕ひさ子(bloodthirsty butchers / toddle)との新バンド、LAMAのメンバーとしても活動。2014年4月よりスタートしたTVアニメ「ピンポン」では、劇伴を担当。その他、REMIX、アレンジワークをはじめ、CM音楽も多数手掛けるなど多岐にわたる活動を行っている。
www.agraph.jp

■Ametsub
東京を拠点に活動。昨年は山口の野田神社で、霧のインスタレーションを交えながら坂本龍一と即興セッション。TAICOCLUBの渋谷路上イベントにてパフォーマンス。Tim HeckerやBvdubといったアーティストの来日ツアーをサポート。夏にはFLUSSI(イタリア)、STROM(デンマーク)、MIND CAMP(オランダ)といった大型フェスへ招聘される。アルバム『The Nothings of The North』が世界中の幅広いリスナーから大きな評価を獲得し、坂本龍一「2009年のベストディスク」にも選出されるなど、現在のシーンに揺るぎない地位を決定付ける。スペインのL.E.V. Festivalに招かれ、Apparat, Johann Johannson, Jon Hopkinsらと共演し大きな話題を呼ぶ。最新作『All is Silence』は、新宿タワーレコードでSigur Rosやマイブラなどと並び、洋楽チャート5位に入り込むなど、大きなセールスを記録。FujiRock Festival '12への出演も果たし、ウクライナやベトナム、 バルセロナのMiRA FestivalへActressやLoneと共に出演。今年はTychoの新作をリミックス、Plaidと共にスペイン発、Lapsusのコンピに参加。秋にはArovaneやLoscilらの日本ツアーをサポート予定。北極圏など、極地への探究に尽きることのない愛情を注ぐバックパッカーでもある。

■mergrim (moph records, PROGRESSIVE FOrM, liquidnote)
兵庫県出身の音楽家、光森貴久によるソロ・プロジェクト。電子音楽レーベルmoph records主宰。これまでにアルバムをソロ/ユニット/ライブ・リミックス盤などで4枚リリース。downy、川本真琴、miaou、smoug等のリミックスの他、YMOのカバー集「YMOREWAKE」、またXperia™アプリ "Movie Creator" やGRAN TURISMO 6に楽曲提供。また、Sound & Recording MagazineにてCubase記事を短期連載やムック本への執筆なども行う。ライブも都内を中心に精力的に活動。SonarSound Tokyo, DOMMUNE, EMAF TOKYOなどにも出演。打楽器奏者Kazuya Matsumotoとのパフォーマンスは電子音楽の域を越えていると評判。海外ツアーも2011上海、北京、2012ベルリン、ロッテルダム、ミュンヘンなどを敢行。最新作はPROGRESSIVE FOrM x mophより ”Hyper Fleeting Vision” をリリース。7月にはそのリリース・パーティを13人の演奏家を迎え行い、成功を収めた。そこで出会った仲間とともに ”THE MERGRIM GROUP” を結成。更なる躍進へ望む。
www.mergrim.net www.mophrec.net

■submerse (Project: Mooncircle)
イギリス出身のsubmerseは超個人的な影響を独自のセンスで消化し、ビートミュージック、ヒップホップ、エレクトロニカを縦横無尽に横断するユニークなスタイルを持つDJ/ビートメーカーとして知られている。これまでにベルリンの老舗レーベルProject: Mooncircleなどから作品をリリースしSonarSound Tokyo 2013、Boiler Room、Low End Theoryなどに出演。また、英Tru Thoughtsや仏Cascade Recordsなどのヒップホップ・レーベルのリミックス・ワークも手がける。2014年には待望のデビュー・アルバム "Slow Waves" がProject: Mooncircleとflauよりリリースされる。また、Pitchfork, FACT Magazine, XLR8R, BBCといった影響力のあるメディアから高い評価を受ける。
twitter.com/submerse soundcloud.com/submerse facebook.com/submerse submerse.bandcamp.com YouTube.com/djsubmerse

https://www.unit-tokyo.com/schedule/2014/09/26/140926_throwing_snow.php

 スローイング・スノーがついに初来日公演を行う。

 スローイング・スノーことロス・トーンズ。90年代のブリストル・サウンドを今日的に蘇生させるにとどまらず、自らもレーベル運営を行ってその新しい価値観を提示し、他のフックアップにも余念ないこの男は、まさにいまUKのクラブ・カルチャーの突端を走ろうとしている才能のひとつだ。
 Pitchfork、Guardian、Dazed、Fact、Resident Advisor、XLR8Rなど大手メディアが早くからその動きを追いかけ、マッシヴ・アタックとジェイムス・ブレイクをつなぐUKの超大型ルーキーとして注目してきたその姿を、われわれはついに初来日公演でうかがうことができる。新世代のトリップホップが列島に木霊する瞬間を見逃すことなかれ!

■UNIT / root & branch presents
- Special Showcase in Tokyo -
THROWING SNOW (Houndstooth)

Pitchfork, Guardian, Dazed, Fact, Resident Advisor, XLR8Rなど大手メディアが早くからその動きを追いかけ、マッシヴ・アタック~ビヨーク~ジェイムス・ブレイクといったイギリス音楽の系譜に続く超大型ルーキー、全世界が注目する逸材スローイング・スノーの初来日公演決定! これぞ新世代のトリップホップ!

Live: THROWING SNOW (Houndstooth)
Guest Live: agraph, mergrim (moph records, PROGRESSIVE FOrM, liquidnote), submerse (Project: Mooncircle)
DJ: Ametsub

2014.09.26 (FRI) @ 代官山 UNIT
Open/ Start 24:00 ¥3,000 (Advance), ¥3,500 (Door)
Information: 03-5459-8630 (UNIT) www.unit-tokyo.com
Supported by P-VINE RECORDS
You must be 20 and over with photo ID.

Ticket Outlets: ぴあ(P: 242-392), ローソン (L: 72714), e+ (eplus.jp), Clubberia (www.clubberia.com/ja/store/), diskunion Club Music Shop (渋谷, 新宿, 下北沢), diskunion 吉祥寺, TECHNIQUE, DISC SHOP ZERO, JET SET TOKYO and UNIT
*ローソン/e+(8.30 発売)、ぴあ(9.3 発売)

■THROWING SNOW (Houndstooth)
ロンドンを拠点にスローイング・スノーの名前で活動するロス・トーンズ。彼はダブステップ、UKガラージ、ハウスからフォーク、パンク、ハードコア、メタル、そしてレゲエなど様々な音楽を聞いて影響を受けてきた。彼の音楽には心地の良い温かさと、光沢感のある冷たさが共存している。2010年にHo Tepレーベルからデヴュー・シングルをリリースし、その後はゴールド・パンダなどのリミックスを手がけてきた。ジャイルス・ピーターソンやベンジBの強力なサポートもあり、多くのラジオ番組にも出演してきた。 2011年にはDominoやNinja Tuneのような大手レーベルからリミックスの依頼が来るようになった。リリースもSuperやSneaker Social Club、Local Actionなどから続けてきた。2012年には大手音楽サイトのXLR8Rにポッドキャスト用のDJミックスを提供。2013年にはニューヨークで開催されたRed Bull Music Academyへの参加も好評だった。インターネット上でDJのプレイを生中継する人気サイトBoiler Roomにも何度も出演を果たし、ボノボ、アトモス・フォー・ピース、ジョン・ホプキンスなどの前座を務めてきた。またレーベル・オーナーとしても他のアーティストのリリースに協力している。Left Blank(レフト・ブランク)とA Future Without(ア・フューチャー・ウィズアウト)の共同オーナーでもあり、Vessel, Wife, Visionist, Lorca, Memotone, Young Echoなどが駆け出しの頃のリリースを手掛けていた。ヴォーカリストAugustus Ghostとの別プロジェクト、Snow Ghostsもここか
らリリースもしている。2014年には待望のアルバム『モザイク』に先駆けて『Pathfinder EP』を先にリリース。イギリスの現代のミュージシャンの中で最もユニークなアーティストとの一人としてデヴュー・アルバム『モザイク』は数多くの大手メディアから大絶賛された。
www.facebook.com/throwingsnow www.throwingsnow.co.uk

■agraph
牛尾憲輔のソロ・ユニット。2003年からテクニカル・エンジニア、プロダクション・アシスタントとして電気グルーヴ、石野卓球をはじめ、様々なアーティストの制作、ライブをサポート。ソロ・アーティストとして、2007年に石野卓球のレーベル "PLATIK" よりリリースしたコンビレーション・アルバム『GATHERING TRAXX VOL.1』に参加。2008年12月にソロユニット "agraph" としてデビュー・アルバム『a day, phases』をリリース。石野卓球をして「デビュー作にしてマスターピース」と言わしめたほどクオリティの高いチルアウト・ミュージックとして各方面に評価を得る。2010年11月3日、前作で高く評価された静謐な響きそのままに、より深く緻密に進化したセカンド・アルバム『equal』をリリース。同年のUNDERWORLDの来日公演(10/7 Zepp Tokyo)でオープニング・アクトに抜擢され、翌2011年には国内最大の屋内テクノ・フェスティバル「WIRE11」、2013年には「SonarSound Tokyo 2013」にライブ・アクトとして出演を果たした。一方、2011年以降は "agraph" と並行して、ナカコー(iLL / ex. supercar)、フルカワミキ(ex. supercar)、田渕ひさ子(bloodthirsty butchers / toddle)との新バンド、LAMAのメンバーとしても活動。2014年4月よりスタートしたTVアニメ「ピンポン」では、劇伴を担当。その他、REMIX、アレンジワークをはじめ、CM音楽も多数手掛けるなど多岐にわたる活動を行っている。
www.agraph.jp

■Ametsub
東京を拠点に活動。昨年は山口の野田神社で、霧のインスタレーションを交えながら坂本龍一と即興セッション。TAICOCLUBの渋谷路上イベントにてパフォーマンス。Tim HeckerやBvdubといったアーティストの来日ツアーをサポート。夏にはFLUSSI(イタリア)、STROM(デンマーク)、MIND CAMP(オランダ)といった大型フェスへ招聘される。アルバム『The Nothings of The North』が世界中の幅広いリスナーから大きな評価を獲得し、坂本龍一「2009年のベストディスク」にも選出されるなど、現在のシーンに揺るぎない地位を決定付ける。スペインのL.E.V. Festivalに招かれ、Apparat, Johann Johannson, Jon Hopkinsらと共演し大きな話題を呼ぶ。最新作『All is Silence』は、新宿タワーレコードでSigur Rosやマイブラなどと並び、洋楽チャート5位に入り込むなど、大きなセールスを記録。FujiRock Festival '12への出演も果たし、ウクライナやベトナム、 バルセロナのMiRA FestivalへActressやLoneと共に出演。今年はTychoの新作をリミックス、Plaidと共にスペイン発、Lapsusのコンピに参加。秋にはArovaneやLoscilらの日本ツアーをサポート予定。北極圏など、極地への探究に尽きることのない愛情を注ぐバックパッカーでもある。

■mergrim (moph records, PROGRESSIVE FOrM, liquidnote)
兵庫県出身の音楽家、光森貴久によるソロ・プロジェクト。電子音楽レーベルmoph records主宰。これまでにアルバムをソロ/ユニット/ライブ・リミックス盤などで4枚リリース。downy、川本真琴、miaou、smoug等のリミックスの他、YMOのカバー集「YMOREWAKE」、またXperia™アプリ "Movie Creator" やGRAN TURISMO 6に楽曲提供。また、Sound & Recording MagazineにてCubase記事を短期連載やムック本への執筆なども行う。ライブも都内を中心に精力的に活動。SonarSound Tokyo, DOMMUNE, EMAF TOKYOなどにも出演。打楽器奏者Kazuya Matsumotoとのパフォーマンスは電子音楽の域を越えていると評判。海外ツアーも2011上海、北京、2012ベルリン、ロッテルダム、ミュンヘンなどを敢行。最新作はPROGRESSIVE FOrM x mophより ”Hyper Fleeting Vision” をリリース。7月にはそのリリース・パーティを13人の演奏家を迎え行い、成功を収めた。そこで出会った仲間とともに ”THE MERGRIM GROUP” を結成。更なる躍進へ望む。
www.mergrim.net www.mophrec.net

■submerse (Project: Mooncircle)
イギリス出身のsubmerseは超個人的な影響を独自のセンスで消化し、ビートミュージック、ヒップホップ、エレクトロニカを縦横無尽に横断するユニークなスタイルを持つDJ/ビートメーカーとして知られている。これまでにベルリンの老舗レーベルProject: Mooncircleなどから作品をリリースしSonarSound Tokyo 2013、Boiler Room、Low End Theoryなどに出演。また、英Tru Thoughtsや仏Cascade Recordsなどのヒップホップ・レーベルのリミックス・ワークも手がける。2014年には待望のデビュー・アルバム "Slow Waves" がProject: Mooncircleとflauよりリリースされる。また、Pitchfork, FACT Magazine, XLR8R, BBCといった影響力のあるメディアから高い評価を受ける。
twitter.com/submerse soundcloud.com/submerse facebook.com/submerse submerse.bandcamp.com YouTube.com/djsubmerse

https://www.unit-tokyo.com/schedule/2014/09/26/140926_throwing_snow.php




ele-king Vol.5 - ele-king

 特集は「インディ・ミュージックのネクスト」です! エレクトロニック・ミュージックにおける最先端、ジェームス・フェラーロやデムダイク・ステア、そして新種のヒッピー・ヒップホップ、トッグ・レザー、ベッドルーム時代におけるゲイ・ポップの新星、パフューム・ジーニアスなどなど、そして最高に笑えるのが、〈ノット・ノット・ファン〉周辺とブロー・ステップ・シーン潜入体験というふたつのロサンジェルス・レポート。今年のゆくえをうらなう必読の特集です。また、中原昌也がマイク・ケリーへの追悼を話して、戸川純ちゃんのエッセイは町田町蔵、連載陣に粉川哲夫が加わり、磯部涼の「No Ele-King」は青葉市子。橋元優歩と三田格が性懲りもなくチルウェイヴで喧嘩していれば、誌面から唾が飛んできそうな宇川直宏とデリック・メイとの白熱対談もあります。もちろん、お馴染みの執筆陣も好調......でしょう!
 お願いします、買ってください! 

ele-king Vol.5 DOMMUNE BOOKS 0009

contents

●Special Issue on The Next Indie Music

マイク・ケリー/中原昌也

〈EKジャーナル〉
「僕と革3」セイジとセイギ◎shing02

ピーター・フック『ハシエンダ』/ele-king presents マーク・マグワイヤ ジャパン・ツアー/湯浅学『アナログ・ミステリー・ツアー』/中原昌也『悲惨すぎる家なき子の死』+個展

〈特集〉インディ・ミュージックのネクスト

Interview
トッグ・レザー(倉本諒)/デムダイク・ステア(野田努)/パフューム・ジーニアス(木津毅)/コズ・ミー・ペイン(野田努)/ギャング・カラーズ(野田努)/コウヘイ・マツナガ(クライヴ・ベル)/ジェームス・フェラーロ(野田努)/宇波拓_ホース(松村正人)/下山(松村正人)

Column
ゴシック&ホラー(三田格/水越真紀)/LAアンダーグラウンド(倉本諒)/ベッドルーム・ポップ(竹内正太郎)/ダブステップ2012(重康有策)/LAブローステップ体験記(カピパラNat39)/東京の現場(近藤チマメ)/90年代リターンズ(三田格)

Talk
ウォッシュト・アウトをイジめないで~対談:橋元優歩×三田格
インターネットとヒップホップ~対談:小林雅明×微熱王子◎磯部涼/西村ツチカ

〈新連載〉粉川哲夫「ネオ・ニヒリズム」

〈Eコラム〉二階堂和美について◎一色こうき

〈No Ele-King〉
青葉市子◎磯部涼/小原泰広

〈連載コラム〉
tomad「キャッチ&リリース」/牛尾憲輔(agraph)「私の好きな」/二木信「二木ジャーナル」/T・美川「編年体ノイズ正史」/戸川純/フェミニャン「ピーポー&メー」/こだま和文×水越真紀「水玉対談」

〈カルチャーコラム〉
EKかっとあっぷあっぷ◎松村正人/五所純子/小濱亮介/岡澤浩太郎/プルサーマル・フジコ

〈Tal-King〉
藤田貴大_マームとジプシー(九龍ジョー/菊池良助)/
ブラッドフォード・コックス(橋元優歩/小原泰広)/クラーク(木津毅)

〈Eコラム〉都市郊外のチカーノ・スタイル◎宮田信

〈連載〉
ミタイタルトライアングル(テーマ=公共圏)赤塚りえ子×平井玄×三田格

〈特別企画〉
「第四の波を超えて~今世紀的・テクノ・レベルズ・降臨」
~対談:宇川直宏×デリック・メイ◎野田努/小原泰広

表紙オモテ◎宇川直宏
表紙ウラ◎榎本浩子

ele-king vol.4 - ele-king

 僕はこう見えてもせっかちなほうなのですが、松村正人さんがとてものんびり屋さんなので、いつもハラハラしています。「なんで君はそんなにのんびり屋なんだ?」「いや、私は南の生まれなんで」「南の生まれならみんなそうなのか」......。
 以下、目次です。どうぞ、みなさん、よろしくお願いします!

ele-king Vol.4 DOMMUNE BOOKS 0007

Flashback 2011◎野田努

Camera Eye 2011 大森克己/吉野英理香/山本精一/塩田正幸/小原泰広

〈EKジャーナル〉
磯部涼『プロジェクトFUKUSHIMA!』◎水越真紀
僕と革2~NY編◎Shing02
ラース・フォン・トリアー『メランコリア』◎三田格
大阪のクラブシーン◎DJ TUTTLE

〈特集〉2011パート1
2011◎松村正人/菊池良助
座談会:木津毅×田中宗一郎×野田努×橋元優歩×松村正人×三田格
2011エレキング-ランキング100◎飯島直樹/磯部涼/加藤綾一/木津毅/九龍ジョー/竹内正太郎/田中宗一郎/南波一海/野田努/野中モモ/橋元優歩/二木信/松村正人/水越真紀/三田格

オウガ・ユー・アスホール インタヴュー◎水越真紀/菊池良助

〈コラム〉頭でわかる2011◎三田格

コード9 インタヴュー◎野田努/小原泰広

続・坂本慎太郎◎松村正人/小原泰広

〈音楽の論点〉
岡村詩野/橋元優歩/竹内正太郎/新田啓子/鮎川ぱて/吉本秀純/塚本謙 

往復書簡:実験一旦停止!◎松村正人×三田格

ラップ・ミュージック鼎談◎磯部涼×上神彰子×二木信

〈フラッシュバック・ザ・ワールド〉
LA編◎バルーチャ・ハシム
NY女子会◎沢井陽子+ニコ ・ザ・スーザン+マリコ・ニップス+ナッシー+ハルミ
ロンドン編◎ジョー・マグス
パリ編◎山田蓉子
ベルリン編◎浅沼優子

〈no ele-king〉
平賀さち枝◎磯部涼/小原泰広

〈論考〉
刀根康尚 メールインタヴュー◎粉川哲夫

〈TAL-KING1〉
渋谷慶一郎◎松村正人/鈴木心

〈連載コラム〉
キャッチ&リリース◎tomad
私の好きな◎牛尾憲輔(agraph)
二木ジャーナル◎二木信
編年体ノイズ正史◎T・美川
ピーポー&メー◎戸川純/フェミニャン
水玉対談◎こだま和史×水越真紀

〈カルチャーコラム〉
EKかっとあっぷあっぷ◎五所純子/三田格/樋口泰人/岡澤浩太郎/小濱亮介/プルサーマル・フジコ/佐々木彩

〈TAL-KING2〉
アルヴァ・ノト◎松村正人/小原泰広

〈TAL-KING3〉
KILLER-BONG◎二木信/小原泰広

〈特集〉2011パート2
マイプライベートチャート2011◎
EY∃/飯島直樹/ECD/石原洋/小山田圭吾/加藤綾一/木津毅/九龍ジョー/CUZ ME PAIN/1945 a.k.a. KURANAKA/GOTH-TRAD/Yusaku Shigeyasu/CE$/竹内正太郎/野田努/田中宗一郎/DJ TUTTLE/tofubeats/ナカコー/野中モモ/DJ NOBU/橋元優歩/浜崎(TRASMUNDO)/PUNPEE/二木信/Makkotron/三田格/mochilon/YO!HEY!!/DJ YOGURT

表紙オモテ◎宇川直宏
表紙ウラ◎高橋恭司

New Years Eve Party - ele-king

 年末年始といえばパーティ。都内のいろんな会場では気合いのはいりまくったイヴェントがあるようです。みなさんは2012年をどこで迎えますか? ハシゴする強者もいますよね。リキッドルーム→恵比寿ガーデンホール→明治神宮で初詣というタフな年末年始は若さの特権ですよ。ぜひ、挑戦しましょう。
 以下、恵比寿リキッドルーム、リキッドロフト、そして恵比寿ガーデンホールの年末年始パーティを紹介します。ほかにも渋谷のヴィジョンではデリック・メイ+ジェフ・ミルズなんていう贅沢なパーティもあります。
 迷う必要はありません。自分がいまもっとも好きな音楽が聴けそうな場所に行くべきです。それが最高の年明けです。


■liquidroom presents 2012LIQUID

 東京のカウントダウン・パーティは数あれど、ここまで徹底的に日常から遠く離れたところまで続いて行くパーティはない。そう断言してしまおう。これはカウントダウンにかこつけて開催される"ショーケース・コンサート"ではない。100%混じりっけなしの、1年で特別な日を遊び尽くすための"パーティ"だ。
 大晦日の夜から、その年の初めての太陽が完全にその姿を消す頃までテクノの重いキックがリキッドルームのメインフロアには降り下ろされ続ける。巨大モニターには、宇川直宏をはじめとするVJたちによる映像がスパイスのように明滅する。カウントダウンは前後はもちろん、その年はじめての太陽がしっかりと顔を出す時間になっても、他のダンスフロアを閉め出された遊び足らない人々、もしくはこれから参戦する人々が、初詣へ行く人々をすり抜けてゾンビのように集まってくる。気合いの入ったパーティ・ピープルたちは自分の限界を試すかのように終着地として遊び続ける。試しに通常のパーティが終わるぐらいの明け方に家に帰り、少々の睡眠を取って午後にもう一度来てみるとイイ。おそらく、まだまだパーティは終わることなど微塵も感じさせずに続いているはずだ。もう、新年を祝うのか、どこでなにをしているのかよくわからない、そこまでくると、年をまたいだ狂乱のカウントダウンもはるか昔のことのように思える。もはやそこに日常はない。フロアには、どん欲にその場を楽しもうとする膨大なエネルギーが渦巻いている。それを作り出すテクノのビート。そして2FのLIQUID LOFTでは、今年も宇川直宏のdommuneが仕切る、東京のクラブ・シーンのオールスターたちのプレイも聴くことできるはずだ。もう、どうしようもない。クレイジーにも程がある。
 ほぼまる1日にわたる祝祭のメインフロアを司るのは、石野卓球、田中フミヤ、DJ NOBUのたった3人。さまざまな豪華ゲストが1時間前後で入れ替わり出演するカウントダウン・パーティが主流のなかで、ロングプレイを中心とするこのスタイルは、昨年からDJ NOBUが加わった以外は、新宿歌舞伎町時代の後半から10年以上も続けられている。彼らのプレイは1ヶ月か2ヶ月、東京で過ごせばいつでも聴けるDJたちだ。しかし、ひとびとその場所で鳴らされる彼らのDJを求めて集まってくる。それだけこのパーティは特別で、ある意味で儀式めいた魅力を放っているとも言える。そこに行けば、毎年のように、なぜここまで人を吸い寄せる、ここまでの狂った宴が繰り返されるのかわかるはずだ。(河村祐介)

featuring Artists
Takkyu Ishino
Fumiya Tanaka
DJ NOBU (FUTURE TERROR)

VJ:
DOMMUNE VIDEO SYNDICATE
[宇川直宏+KRAK+DVIDEGIRLS+AKIYOSHI MISHIMA+HEART BOMB]

■LIQUID LOFT x DOMMUNE presents
「HOUSE OF LIQUIDOMMUNE 2012!!!!!!!20HOURS!!!!!!!」
C:O:U:N:T:D:O:W:N & C:O:U:N:T:U:P Special !!!!!!!!!!!!
(※配信はありません)

featuring Artists:
MOODMAN (GODFATHER)
砂原良徳
DJ WADA (Co-Fusion)
NORI (GALLERY)
川辺ヒロシ (TOKYO No.1 SOUL SET)
DJ TASAKA
A.Mochi (Figure)
瀧見憲司 (CRUE-L)
KURUSU (FUTURE TERROR)
HARUKA (FUTURE TERROR)
DJ YAZI (THINKTANK)
TWIN PEAKS
KURI (BLACKFOREST)
RYOSUKE
KABUTO
Shhhhh (NRBKJ / SUNHOUSE)
KEIHIN (ALMADELLA)
COS/MES
根本敬
agraph[※LIVE]
LUVRAW & BTB[※LIVE]
サイプレス上野とロベルト吉野[※LIVE]

SOUND SYSTEM:
DOMMUNE天変地異ZOUNDSYSTEM!!!!!

HOST:
宇川直宏 & DOMMUNE Crew

2011.12.31 - 2012.1.1
at LIQUIDROOM
access→https://www.liquidroom.net/access/
open/start 21:00 *2F LIQUID LOFT start 23:00
door only 4,000yen *2012.1.1 AM5:00~→2,000yen!!

LIQUIDROOM 03-5464-0800
https://www.liquidroom.net/
https://www.liquidroom.net/schedule/liquidloft/
Twitter @LIQUIDROOM
DOMMUNE
https://www.dommune.com/
twitter @DOMMUNE


■ELECTRONIC TRIBE YEBISU NEW YEAR'S PARTY 2012
supported by MONSTER

fearuring
FRANCOIS K. (WAVE MUSIC/DEEP SPACE/USA)
DJ KENTARO (Ninja Tune/JPN)
Y.SUNAHARA (JPN)
RSD a.k.a. ROB SMITH (Smith & Mighty/UK)
ATAK Dance Hall (Keiichiro Shibuya + evala/JPN)
NICK THE RECORD (Life Force/UK)
GOTH-TRAD (DEEP MEDi MUSIK/Back To Chill/JPN)
RIGHTEOUS (Yabe Tadashi & DJ Quietstorm/JPN)
aus (flau/JPN)
TOWA TEI (JPN)
VJ: SO IN THE CLOUD (JPN)、100LDK (JPN)、LIKI (JPN,HKG)

2011.12.31(Sat) - 2012.01.01(Sun) ALL NIGHT
OPEN 20:30 / START 21:00

YEBISU THE GARDEN HALL/ROOM
東京都目黒区三田1-13-2

¥5,800 (前売券)
¥7,000 (当日券)
¥26,500 (グループ券5枚組セット/枚数限定)※
¥48,000 (グループ券10枚組セット/枚数限定)※
※グループ券はclubberia Online Store限定取扱

https://www.electronic-tribe.com

紙ele-king vol.03、発売! - ele-king

 数々の困難――free dommuneの中止、メタモルフォーゼの中止、二木信の暴走などなど――を乗り越えて完成しました! 10月1日には宇川直宏による怪しげなアートワークが店頭に並ぶ予定です。
 特集のひとつは「シンセ・ポップ」です。これは前回のチルウェイヴ特集の延長でもあり、また、80年代リヴァイヴァルの現状報告でもあります。ネオン・インディアンのロング・インタヴュー、シンセ・ポップの古典30枚/新世代シンセ・ポップ40枚、湯山玲子と三浦康嗣(□□□)の対談、三田格のニュー・マッチョをめぐる論考などなど盛りだくさんの内容です。
 もうひとつの特集は「日本の音楽」です。これはあまりにも広いテーマですが、いまいろんな局面で面白い変化が起きて、国際化も進んでいます。そして3.11以降、さらに変わっていくでしょう。今後も少しずつでもele-kingなりに考えてみたいと思っています。
 まあ、そんなわけで、今回もかなり濃い内容になったと思います! どうぞよろしくお願いします!


ele-king vol.03

contents

〈EKジャーナル〉
僕と革(Shing02/ヨルグ・ブルーゲマン)
SIGNAL(野中モモ)
速報!文化庁メディア芸術祭(瀧坂亮)

〈巻頭特集〉
シンセ・ポップふたたび(野田努/菱沼彩子)
対談:湯山玲子×三浦康嗣(□□□)(松村正人/小原泰広)
ユーモアでマッチョを。(三田格)
ネオン・インディアン
80Sチャート Part1(瀧見憲司)
シンセ・ポップ トップ30?1+ショート・コラム〈古典篇〉(國枝志郎/水越真紀/野田努/三田格/松村正人/渡辺健吾)
NDWの生煮えの起爆性(明石政紀)
ラスティ インタヴュー(野田努)
シンセ・ポップ・ノート2007〜2011(橋元優歩)
シンセ・ポット  トップ40〈現代篇〉(小田祐司/佐久間信行/塚野目圭輔/土田陽介/野田努/橋元優歩/三田格/木津毅)
80Sチャート Part2◎Cuz Me Pain/Photodisco
〈書き下ろし〉高価ではないのですか?(山崎春美)

〈TAL-KING1〉
コールター・オブ・ザ・ディーパーズ ナラサキ(大久保潤)

〈no ele-king〉
寺尾紗穂(磯部涼/小原泰広)

〈Eコラム1〉
不信連鎖の津波(粉川哲夫)

〈論考�T〉
モードとコード、ビートとコード(mochilon)

〈TAL-KING2〉
高橋悠治×Phew(松村正人)

〈連載コラム〉
キャッチ&リリース(tomad)
私の好きな(牛尾憲輔(agraph))
二木ジャーナル(二木信)
編年体ノイズ正史(T・美川)
新連載・ピーポー
水玉対談(こだま和史×水越真紀)

〈カルチャーコラム〉
EKかっとあっぷあっぷ(水越真紀/五所純子/石田潤/南部真里/プルサーマル・フジコ)

〈TAL-KING3〉
ダーティ・ビーチズ(松村正人)

〈シリーズ企画〉
エレキング食肉族 鼎談:卯城竜太×五所純子×三田格

〈Eコラム2〉
Osakafrica Grooves(野間易通)

〈TAL-KING4〉
K-The-I???(三田格)

〈巻末特集〉
〈日本〉の音楽(湯浅学)
坂本慎太郎 インタヴュー(磯部涼/塩田正幸)
東京フリンジ ミュージック(岡村詩野)
鴨田潤 インタヴュー(野田努)
ワールズ・エンド・ガールフレンド インタヴュー(野田努)
ブラックスモーカー(二木信)
往復書簡:日本村の音楽(松村正人×三田格)

〈ルポルタージュ〉
フェスティバルFukushima!+FREEDOMMUNE 0(磯部涼/小原泰広)

ele-king vol.2 完成のお知らせ - ele-king

 いやー、できました、
 現実逃避したくてもいよいよできなくなってきた震災後の言葉が詰まった『現実逃避』号。
 6/24発売予定です!
 以下、目次です。買ってください、
 お願いします!

 なお、掲載されるアイテムの一部を対象にしたキャンペーンをタワーレコードの一部店舗で実施します。6月24日(金) ~ 8月14日(日)のあいだにキャンペーン開催店舗で対象商品お買い上げのお客様に先着でele-kingバッジかステッカーのどちらかをプレゼントいたします。開催店舗、対象商品などキャンペーンの詳細はタワーレコードや本サイトにて後日発表いたします!


ele-king Vol.2

■contents

1 巻頭フォトストーリー 鈴木親

〈EKジャーナル〉
10 タイラー・ザ・クリエイター 
12 ブルックリン●松村正人 
15 バンクシー●水越真紀 
18 シック・チーム二木信

〈特別企画〉
20 ルポルタージュ311●磯部涼/久保憲司/小原泰広

〈Eコラム1〉
32 浜岡、80年のアトミック・カフェ、そして現在へ●河原崎禎/大久保青志

〈TAL-KING1〉
36 ハドソン・モホーク●木津毅

〈巻頭特集〉
42 現実逃避
46 feel good societyにおける憂鬱●野田努
48 ウォッシュトアウト インタヴュー●野田努/小原泰広
59 往復書簡:震災後のアンビエント●松村正人×三田格 
64 エスケープ・ミュージック100 part1
●加藤綾一/木津毅/野田努/橋元優歩/松村正人/三田格
78 〈コズ・ミー・ペイン〉●野田努/小原泰広
82 USヒップホップの変貌●高橋圭太 
86 エスケープ・ミュージック100 part2

〈no ele-king〉
100 テニスコーツ●磯部涼/小原泰広

〈論考・〉
106 Kポップの共振圏●南波一海

〈小特集〉
UKベース・ミュージック
110 ベースを越えて●ウィル・ソウル
114 ダブステップが消えるとき+レヴュー10●飯島直樹 
116 トドラ・T インタヴュー●野田努 

〈特別企画〉
123 灰野敬二伝●松村正人 

〈連載コラム〉
132 キャッチ&リリース●tomad 
134 私の好きな●牛尾憲輔(agraph) 
136 編年体ノイズ正史●T・美川 
140 新連載・水玉対談●こだま和史×水越真紀 

〈カルチャーコラム〉
146 EKかっとあっぷあっぷ
●樋口泰人/五所純子/小濱亮介/プルサーマル・フジコ/東谷隆司

〈TAL-KING2〉
156 大野松雄●松村正人/菊池良助 

〈Eコラム2〉
162 リーマン・ショック以後のUSインディ●木津毅 

〈特別企画〉
エレキン・アニメ
166 さやわか×三田格×mochiron(三毛猫ホームレス)/春日正信 

〈Eコラム3〉
174 激自然農法●湯浅学 

〈巻末特集〉
「いま聴きたくない音楽」 
176 ピチカート・ワン/田中宗一郎/対談:大川卓也×橋元優歩/菊地成孔 

表1~4●宇川直宏
表2●鈴木親 表3●菊池良助

復刊! ele-king - ele-king

 というわけで、紙版が蘇りました。
以下、目次です。せっかくの紙版なので、店頭で、ぜひ実物を手にとってください。
宇川デザインのラメ入り表紙が怪しく光っています。

ele-king Vol.1

4 巻頭グラビア 「風景 抽象」 鵜飼悠

10 EKジャーナル
〝世界〟を席巻したチップチューンのセカイ 三田格
 デイヴィッド・リンチのストレート・テクノ 松村正人

12 ユタカワサキバンド改めucnvバンド インタヴュー ばるぼら

20 TAL-KING 1
巻頭対談:戸川純×の子(神聖かまってちゃん) 水越真紀/三田格/小林エリカ

36 特集 最期の実験 松村正人/塩田正幸
 拡張するusアンダーグラウンド 野田努
 マーク・マッガイア(エメラルズ) インタヴュー 野田努
 エクスペリメンタル・ナウ&ゼン 往復書簡:松村正人×三田格
 〈解析・〉実験の伝統/伝統の実験 畠中実
 〈解析・〉アニコレ的サイケデリアの拡散 橋元優歩
 ワンオウトリックス・ポイント・ネヴァー インタヴュー 三田格
 ジェイムズ・プロトキン インタヴュー 三田格
 最後の最後の実験~40の実験ディスク 松村正人/三田格

74 no ele-king
 豊田道倫 磯部涼/菊池良助

82 小特集
 ポスト・ダブステップ・カタログ
 ダブステップの現在 野田努
 ダブステップ以降の加速的な広がりに関するレヴュー 飯島直樹/野田努

91 論考
 ヘテロフォニック・グルーヴ・ミュージック 山口元輝

96 TAL-KING 2
 PSG インタヴュー 磯部涼/小原泰広

104 連載コラム
 20禁のおもひで Shitaraba
 キャッチ&リリース tomad
 私の好きな 牛尾憲輔(agraph)
 編年体ノイズ正史 T・美川/グレート・ザ・歌舞伎町
カルチャーコラム
 EKかっとあっぷあっぷ
 文芸/思想 五所純子
 漫画 三田格
 映画 粉川哲夫
 アート 結城加代子
 写真 小原真史
 演劇 プルサーマル・フジコ

128 TAL-KING 3
 シーフィール インタヴュー 野田努

134 再録
 ウェブ・エレキング・より、2010年ジャンル別レヴュー集

174 特別対談
 宇川直宏×三田格 DOMMUNEが可視化したテン年代の音との戯れ

巻末特集
 2010年、私の選ぶ10枚
  agraph、E-JIMA、今里、Eccy、加藤綾一、Shitaraba、渋谷慶一郎、
  DJ NOBU、テツジ・タナカ、チン中村、tomad、永井聖一、ナカコー、
  野田努、二木信、Phew、やくしまるえつこ、world's end girlfriend

表1、4 宇川直宏
表2、3 高橋恭司

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