「Atak」と一致するもの

butasaku - ele-king

 butajiと荒井優作によるアンビエントR&Bユニット、butasakuが2022年リリースした、1stアルバム『forms』のリミックス盤『forms Remixes & Covers』が本日、bandcamp限定でリリース。tofubeatsによるリミックス楽曲のみ各社ストリーミングでも配信開始。
 Jim O'Rourke、Dove、tamanaramen、SUGAI KEN、Itsuki Doiのほか、韓国からはJoyul、ロシアからはKate NVが参加。かなり面白いメンツではないでしょうか。それにbutajiと荒井優作の2人によるセルフカヴァーおよびセルフリミックスも収録した全12曲。また、tofubeatsによる“silver lining (tofubeats Remix)”のみストリーミング各社でも配信開始。チェックしよう。

butasaku
forms Remixes & Covers
2022年12月23日(金)
Bandcamp限定リリース
https://butasaku.bandcamp.com/album/forms-remixes-covers

1. time (butaji Cover)
2. atatakai (Dove Cover)
3. silver lining (tofubeats Remix)
4. the city (tamanaramen Remix)
5. abstract (Yusaku Arai, this is not grey mix)
6. letyoudown (Joyul Remix)
7. picture (SUGAI KEN Remix)
8. forms (Itsuki Doi Cover)
9. the city (Kate NV Remix)
10. forms (Jim O'Rourke Remix)
11. echo (Itsuki Doi Remix)
12. picture (Yusaku Arai Remix)

butasaku

- butaji(Vocal)
- 荒井優作(Track)

Info:https://lit.link/butasaku
Bandcamp: https://butasaku.bandcamp.com/
Twitter:@butasaku_jp
Instagram:@butasaku.jp

Albert van Abbe & Jochem Paap - ele-king

 アルベルト・ファン・アッベ。現在の電子音響/電子音楽を捉える際、この名を覚えておいて損はない。1982年生まれ、オランダはアイントホーフェンを拠点に活動を展開する彼が生み出すサウンドには、精密かつ大胆な電子音響が渦巻いている。いわばゼロ年代において格段に進化した電子音響の、さらなる深化がここに「ある」のだ。
 ファン・アッベは20年以上にわたってミニマルな作風のインスタレーションからハードコアでアシッドなムードを漂わすテクノ・トラック、新たなテクスチャーを模索する電子音響に至るまで、電子音楽の全領域をカヴァーする活動を展開してきたアーティストだ。
 2016年にセルフ・リリースしたアルバム『Champagne Palestine』を送り出している。2022年に〈raster-noton〉を継承するレーベル〈raster〉からリリースした『Nondual』を発表した。このアルバムはピアノとマシニックな電子音響が硬質に交錯し、透明な美しさと機械的なサウンドが交錯するアルバムである。
 EPのリリースも多いが、なかでも2022年には実験音楽のネット・レーベル〈SUPERPANG〉からマックス・フリムー(Max Frimout)との共作「Morphed Remarks」をリリースしていることを忘れてはならない。
 現在、これほどまでに音響の生成と独創的で刺激的なコンポジションを追求している電子音響作家は稀といえよう。ある意味では00年代から10年代に音響の進化=深化を推し進めてきたベルリンの〈raster-noton〉、日本の〈ATAK〉などの電子音響作品レーベルを継承するような作風なのだ。電子音の生成的コンポジションの追求と実践とでもいうべきか。
 先に書いたようにアルベルト・ファン・アッベは、かつての〈raster-noton〉を継承するレーベル〈raster〉から音源をリリースしているわけだが、レーベル・オーナーであるオラフ・ベンダー=ベイトーンからの手厚いサポートを受けている。
 まず、オラフ・ベンダー=バイトーンと VA x BY という名義で『Dual』をリリースした。さらにソロ名義でのアルバム『Nondual』も発表したのだが、この『Nondual』でもオラフ・ベンダーは、ミックスダウンなどにも関わっている。〈raster〉の力の入れようがわかるというものだ。
 私見だが、アルベルト・ファン・アッベの音にはドイツ的ともいえる強固な建築性もまた根底にあるように思える。その硬質なサウンドはポスト・テクノ、ポスト電子音響にふさわしく、オラフ・ベンダーがアルベルト・ファン・アッベに惹かれるのも確かに納得できよう。バイトーンもまたテクノ的な律動と電子音響的な鋭いテクスチャーの融合でもあるのだから、アルベルト・ファン・アッベのサウンドに共振するのかもしれない。

 しかし今回、紹介する新作『General Audio』は、〈raster〉からのリリースではない。あのシフテッド(Shifted)が主宰するベルリンのエクスペリメンタル・レーベル〈Avian〉から発表されたアルバムである。〈Avian〉はシフテッドや SHXCXCHCXSH など尖った電子音楽を送り出している尖鋭的なレーベルだが、そのカタログにアルベルト・ファン・アッベが加わったことは記念すべきことではないか。
 コラボレーターがスピーディー・Jことヨヘム・パープ(Jochem Paap)である点にも注目しておきたい。ヨヘム・パープは90年代初頭に〈Plus 8〉からのリリースで知られるようになったテクノのベテランだが、その後〈Warp〉のA.I.シリーズに名を連ねたりピート・ナムルックのレーベルから作品を発表したり、早くからアンビエントとの接点を持っていた。そのようなヨヘム・パープと現代最先端の電子音響作家アルベルト・ファン・アッベとのコラボーレーションは、ある意味で「事件」といえるかもしれない。
 じじつ本作『General Audio』はその名のとおり電子音響の広い領域をその音響生成によってカヴァーするかのごときアルバムに仕上がっていた。ノイズ、リズム、ドローンが生成し、リスナーの聴覚を拡張するかのごとくコンポジションされているのだ。
 このアルバムの音響には「ラジオの送信機のメンテナンス用に設計された1950年代のテスト機器と測定器」を使用されているという。その音響を合成することで、ドローンと緻密で抽象的なリズムによるトラックを構成しているのだ。硬質さと柔らかさがミックスされているような独特なサウンドの秘密はこの制作方法にあるのかもしれない。
 アルバム全7曲のオープニングを飾る “220Lock-in” はメタリックな電子音響によるドローンだ。どこか KTL を思わせる硬質な持続音は実にクールであり刺激的である。
 2曲目 “WZ-1Wobbel Zusatz” と4曲目 “Rel 3L 212c LC-pi” は反復と不規則の「あいだ」を往復するような抽象的なリズムとノイズを生成していく曲だ。このトラックのムードはアルバム全般に通じるもので、アルバムを象徴するような曲といえる。
 3曲目 “Pegelmesser” はアルバム中での極北といっていい極限の音響を展開する。シャーッという機械的かつ透明なノイズが高密度で持続する。じっと聴いている恍惚となってくるほど。
 5曲めに収録された16分に及ぶ5長尺 “Wandel” は不規則なリズムに、透明な光のようなドローンが交錯し、そしてどこか日本の能のようなムードだ。
 6曲目 “SR 250 Boxcar Averager” は機械の音のような無機質な持続音が鳴り響き、そこに真夜中の騒めきのようなノイズが交錯する。深夜の工場から発する無人の音のごときインダストリアル・アンビエント・トラックだ。7曲目 “Nim Bin” は素早く鳴らせる規則的な音に、遠くから聴こえる太鼓のような不規則と規則の両方を行き来するような音が重なり、遠い空間を感じさせてくれるような音響を実現している。
 全7曲、独特の「間」をもった電子音響が展開されていた。うねるようなパーカッシヴ音、透明な持続音、細やかで刺激的な電子音などが交錯し、聴き込むほどに深い沈静と聴覚が拡張するような感覚を得ることができた。静謐さを漂わせているウルトラ・ミニマルな電子音響作品として実に秀逸なアルバムといえる。アルベルト・ファン・アッベとJochem Paap。このふたりのサウンドが高密度で融合し溶け合い、美しくも無期的な音響空間が生成されているのだ。

 いずれにせよアルベルト・ファン・アッベは、たとえばフランスのフランク・ヴィグルーとともにゼロ年代の拡張的な電子音響を継承・実践する貴重な電子音楽家だ。彼の作品はこれからも電子音響を深化させ続けるに違いない。まさに現在注目の電子音響アーティストである。

Chihei Hatakeyama - ele-king

 日本のアンビエント界を牽引するひとり、畠山地平が4月7日に新作『Late Spring』をリリースする。レーベルはUKの〈Gearbox〉で、これまでビンカー・ゴールディング&モーゼス・ボイドサラシー・コルワルドゥワイト・トリブルチミニョなど、ジャズ寄りの作品を多く手がけてきたところだ。同レーベルが初めて送り出す日本人アーティストが畠山というのはじつに興味深い。ふだんは仕事の早い畠山が今回はだいぶ時間をかけたそうで、その面でも注目すべき1枚といえよう。来たれ、春。

●日本のアンビエント/ドローン・ミュージック・シーンを牽引する畠山地平、英〈Gearbox Records〉からの第一弾作品をリリース!

●ファースト・シングル「Sound of Air」のアニメーション・ビデオも公開中!

国内外のレーベルから現在にいたるまで多数の作品を発表し、日本を代表するアンビエント/ドローン・ミュージック・シーンを牽引する存在となったChihei Hatakeyamaこと畠山地平。 Spotifyの2017年「海外で最も再生された国内アーティスト」ではトップ10にランクインするなど、これまでも海外での人気が高かった彼が、4月7日(水)にイギリスの〈Gearbox Records〉からの第一弾作品となるアルバム『Late Spring』を日本先行発売する。

〈Gearbox Records〉初の日本人アーティストとなったChihei Hatakeyamaの新作は、一連の豊かで傑出した出会いを通して、共有された旅の経験を穏やかに展開していく。大聖堂のオルガンを思わせる1曲目 “Breaking Dawn” の鳴り響く水中の反響から、アルバムを締めくくる “Twilight Sea” の巧妙なドリフトに至るまで、レコードは緻密で美しいメロディが詰まった傑作に仕上がっている。広がっていくシンセサイザーのサウンド、そして光り輝くスローモーションのギターに引き寄せられ、それが時折現れる音響要素と結びつく。その様は、まるで人工血液のように機械の脈を流れるコンピューター・コードを想起させる。

1949年の映画でタイトルを共有している日本の映画監督小津安二郎の作品に示されている通り、 風景の循環運動の美しさと日常生活の下に横たわる季節の変化に触発されて、『Late Spring』は古い映画の印象を投影している。円運動のコンセプトは、畠山がデイヴィッド・リンチ監督の『ツイン・ピークス The Return』を観ていた時に思いついたという。

通常は仕事が早い方だというが、今回の作品は自身のキャリアの中で最も時間のかかった作品の 一枚だったとか。2018年に始まった制作作業は、作品が完成した2020年まで続いた。彼は、ギターとシンセの再生と録音に新しいアンプとマイクのセットアップを使用して、自身の演奏へのア プローチを再検討した。メロディとトーンを単純化するために、彼はトラックごとに1種類の楽器 のみを使用し、1つはシンセのみ、もう1つはエレキ・ギターのみを使用したという。

早速本日配信開始となったファースト・シングル「Sound of Air」のアニメーション・ビデオが公開された。

「Sound of Air」のアニメーション・ビデオはこちら

畠山いわく、“Sound of Air” は、ストラトキャスターの音色を活かした楽曲で、フェンダーのギター・アンプを使って収録。4月に録音した曲で、ギター演奏のインプロヴィゼーションでループを作り、編集したもの。Mel9という特殊なギター・エフェクトを使ってメインのギターの背後にあるストリングスのような音色を作った。爽やかな春の空気をイメージしているという。

世界に先駆けて日本先行発売されるアルバム 『レイト・スプリング』に期待が高まる。

[リリース情報]
アーティスト名: Chihei Hatakeyama (畠山地平)
タイトル名: Late Spring (レイト・スプリング)
発売日: 2021年4月7日(金)
レーベル: Gearbox Records
品番: GB1565CDOBI (CD) / GB1565OBI (LP)

※特別仕様盤特典:日本先行発売、ライナーノーツ付き

[トラックリスト]
01. Breaking Dawn
02. Rain Funeral
03. Butterfly's Dream
04. Sound of Air
05. Sound of Air II
06. Spica
07. Thunder Ringing in the Distance
08. Memory in the Screen
09. Butterfly's Dream II
10. Long Shadows
11. Twilight Sea

アルバム『Late Spring』予約受付中!
https://orcd.co/latespring

シングル「Sound of Air」配信中!
https://orcd.co/soundofair


【バイオグラフィー】

Chihei Hatakeyamaとして2006年に前衛音楽専門レーベルとして定評のあるアメリカの〈Kranky〉より、ファースト・アルバムをリリース。以後、オーストラリア〈Room40〉、ルクセンブルク〈Own Records〉、イギリス〈Under The Spire〉、〈hibernate〉、日本〈Home Normal〉など、国内外のレーベルから現在にいたるまで多数の作品を発表し、ライヴ・ツアーも行なっている。デジタルとアナログの機材を駆使したサウンドが構築する、美しいアンビエント・ドローン作品を特徴としており、主に海外での人気が高く、Spotifyの2017年「海外で最も再生された国内アーティスト」ではトップ10にランクインした。独自の楽曲制作の他、映画などにも楽曲を提供している。ソロ以外では伊達伯欣とのエレクトロ・アコースティック・デュオOpitope、ヴォーカリスト佐立努とのユニットLuis Nanookでとしてアルバムをリリースしている。加えて、世界的に支持される日本の電子音楽家ASUNAやアンビエント・アーティストHakobune等ともコラボレーション・アルバムを発表している。2021年4月、イギリス〈Gearbox Records〉からの第一弾リリースとなるアルバム『Late Spring』を発売。

Tomas Phillips - ele-king

 アメリカ合衆国ノースカロライナ州出身のサウンド・アーティスト、トーマス・フィリップスの新しい音響作品が、日本・東京を拠点とするサウンド・アート・レーベル〈SAD rec.〉(https://sad-tokyo.com/)からCDリリースされた。 2016年に〈13〉からCDリリース作品『Chuchoter Pas De Mots』と〈LINE〉からデジタルリリース作品『Limit_Fold 』以来なので、約4年ぶりのアルバム・リリースということになる。

 本作リリース元の〈SAD rec.〉は2013年の発足以降、 ケネス・カイアーシェナーとの共作『Five Transpositions‎』、ソロ作品『Two Compositions』のリリースと、この類まれな聴覚/感覚を持っているアーティストの音響作品を送り出してきたが、本作『Pulse Bit Silt』は〈SAD rec.〉/トーマス・フィリップスの協働における最高傑作ではないかと思う。音の質、空間性、コンポジション、ノイズ、音響そのどれもがかつての傑作群よりも一歩も二歩も抜きんでたからである。フランスコ・ロペスのハードコア・フィールドレコーディングに対して、エレガンスなフィールド・レコーディング作品とでも形容すべきか。
 これまでのトーマス・フィリップスのリリース作品で印象に残っているアルバムは、〈SAD rec.〉の2作に加え、2006年に〈LINE〉からリリースされた『Intermission / Six Feuilles』、日本・東京の〈ATAK〉から2009年にリリースされたi8u + Tomas Phillips 『Ligne』(i8uはサウンド・アーティストのフランス・ジョビン変名。彼女もまた本年5月に新作を〈Editions Mego〉からリリースしたばかり)などだったが、本作『Pulse Bit Silt』は、どの作品よりもアルバムを通して見事な「流れ」を形成しているように聴こえた。アルバム作品として、より成熟しているのだ。

 『Pulse Bit Silt』には計6曲(合計収録時間は46分。昨今のアルバム作品としては比較的長い収録時間といえる)の音響作品が収められているが、どのトラックとトラックもシームレスに連結し、ミニマルにして静謐な音響空間が次第に生成変化するような感覚を得ることができた。グリッチな電子ノイズやアトモスフィアな持続音に加えて、女性のヴォイスやインダストリアルなサウンドが要所に適切にレイヤーされていく。音の粒子が空気中に舞い踊り、音の粒が知覚に浸透するような麗しい音響たちを、その音の一粒、一粒を愛でるように聴取していくと、まるでゴダールやタルコフスキーの映画作品のように、カットとシークエンスが独自の持続感で進行していく総合的な芸術作品にすら思えてくるから不思議だ(彼は作家/小説家としても作品を発表しているらしい。音と言葉の両方から自らの芸術を追求しているのだろう)。

 そう、本作はトーマス・フィリップスの新しい代表作にして、いまの時代におけるサウンド・アート作品を象徴するCDではないかと思う。〈SAD rec.〉から同時リリースされたビージェイ・ニルセン(BJ Nilsen)『The Accursed Mountains』、ケン・イケダ、ユキ・アイダ、ケイタ・アサヒ(Ken Ikeda,Yuki Aida,Keita Asahi)『Summer Sessions』を合わせて聴くことで「環境録音、電子音響、ドローンなどのエクスペリンタル・ミュージック」の現在を深いレベル体験/体感できるはず。3作とも高品質/高音質な「CD作品」だ。ぜひとも聴いて頂きたい。

TSUBAKI FM - ele-king

 先日お伝えしたように、いよいよ TSUBAKI FM のアニヴァーサリー・ツアーがはじまる。とくにすごいのはツアー・ファイナルにあたる3月7日~8日で、なんと24時間連続のイヴェントとなっている。30組以上が出演、青山蜂~Red Bar~Tunnel~COMMUNE 表参道にて開催。チケットも安いし、これは行くしかないでしょ!

φonon - ele-king

 この1月で設立2周年を迎える佐藤薫主宰の〈φonon (フォノン)〉。じょじょにタイトル数も増えている同レーベルだけれど、きたる2月、新たに2作品がカタログに加わることとなった。ひとつは、宇川直宏と森田潤によるユニット=グレイヴスタイルやギャルシッドなどを収めたオムニバスの『Mutually Exclusive Music 2』。もうひとつは、ドイツ出身のトランペット奏者=アクセル・ドナーのソロ第2作。どちらもただならぬ匂いがぷんぷんなので、しっかりチェックしておこう。

「φonon(フォノン)」のニュー・リリース2タイトル 2020年2月21日(金)発売

新レーベル〈φonon (フォノン)〉は、EP-4 の佐藤薫が80年代に立ち上げたインディー・レーベル〈SKATING PEARS〉のサブレーベルとして2018年に始動。SKATING PEARS は当初カセットテープ・メディアを中心に多彩な作品をリリースしてきたが、〈φonon〉は佐藤薫のディレクションによって主にエレクトリック/ノイズ系の作品を中心にリリースする尖鋭的なレーベルだ。これまでに13タイトルを発表、2020年2月発売の2タイトルを合わせて15作品にのぼる。

レーベルサイト
https://www.slogan.co.jp/skatingpears/

2020年2月21日(金)
2タイトル同時発売!!

アーティスト:Various Artists
アルバム・タイトル:『Mutually Exclusive Music 2』(ミューチュアリー・エクスクルーシヴ・ミュージック 2)

発売日:2020年2月21日(金)
定価:¥2,000(税別)
品番:SPF-014
発売元:φonon (フォノン) div. of SKATING PEARS

「你墜入騒音地獄──森田潤・法外監修!」
昨年〈φonon〉からリリースし驚愕の注目を集めた70歳を超えるというソプラノ女性歌手、Madam Anonimo (アノニモ夫人)のアルバム『il salone di Anonimo (サロン・アノニモ)』の音楽プロデュースを担当した森田潤。その森田が2018年に発表したオムニバス・アルバム『Mutually Exclusive Music』に続くシリーズ第二弾が登場する。副題の『Cohesion and Coupling of Modules (モジュールの凝集度と結合度について)』とは、電子楽器のプログラミング/パッチングの相互排他的な抽象度による関係反転原理が、操作する者とその音楽作品としての効果/結果に及ぼすある種の仕掛け/ギミックのことだ。それは、前作のシニカルなエレクトロ・ビートの概念から、アンビエントやハーシュ・ノイズなどを包摂していく本作の編纂過程でもある。

参加アーティストは、貪欲騒音機械を操るグレイヴスタイル(宇川直宏+森田潤)、ギャルシッド、フューエルフォニック、デイヴ・スキッパー、ハタケンという5組。これこそモジュラーのダイバーシティだ。


GRAVESTYLE/グレイヴスタイル
DOMMUNE 代表の「宇川直宏」とモジュラー楽士「森田潤」の二人によるユニット。1989年に結成され、VJの概念が未確立の時代に、芝浦 GOLD などで行ったオーディオ・ビジュアル・パフォーマンスが伝説的な評価を得る。30年ぶりの再編で「沖縄電子少女彩」に楽曲を提供。GRAVESTYLE 名義では今回が初の作品リリースとなる。


galcid/ギャルシッド
モジュラーシンセと TB-303 リズムマシーンを駆使した “完全即興ライヴ” が話題の「Lena」によるソロユニット。 2016年の 1st. アルバム『hertz』が賞賛を得た後、18年には坂本龍一による Spotify の『SKMT Picks』にも選ばれ、電子音楽に特化した国内外イベントへの出演を重ねる。19年秋以降、4つのレーベルより作品をリリース予定。


fuelphonic/フューエルフォニック
趣味が高じてバイクのエキゾーストノートだけでプレイするようになったというDJの「坂田律子」と、シンセ/コンピュータ好きが高じた果ての演奏を披露する「野本直輝」による、2018年末結成のデュオユニット。奇妙なエレクトロニクスサウンドと疾走感満点のバイクノイズが織り成す、ドラッグレースのような摩訶不思議音響ワールドが魅力だ。


Dave Skipper/デイヴ・スキッパー
英国出身の現役キリスト教宣教師。2010年より東京で活動を始める。アナログモジュラー機材を中心としたライヴ・パフォーマンスを様々なクラブにて展開。サイケデリック~ノイズ~アブストラクト~日射しで脳が溶解──聖書とノイズの関係性を求め研究に邁進中。“Tokyo Festival of Modular” や “Heavier Than Jupiter” などのイベントを主催。


HATAKEN/ハタケン
発信する新たな音響世界が国内外から注目を集めるモジュラーシンセ・パフォーマー/プロデューサー。“Tokyo Festival of Modular” を主催するほか、欧州から、北米、アジア各地でのフェス出演やワークショップを敢行。また「Greg Hunter」とのプロジェクトやギタリスト「SUGIZO」との共演、「Coppe’」のプロデュースなど、精力的に活動する。


Jun Morita/森田潤
DJとしてワールド・ミュージック、ジャズ、エレクトリック・サウンドに幅広くコミット。同時に、モジュラー・シンセの自動演奏に即興を組み合わせたパフォーマンスでライブ活動中。2018年、ソロ作品『LʼARTE DEI RUMORI DI MORTE』発売。レア・ヴァイナル復刻のマスタリング・エンジニアとしても評価される。

ライナーノーツ・毛利嘉孝
ジャケットデザイン・福永和三郎

トラックリスト:
01. Introduction to Modular Synthesizer with _Kaiwa_
02. GRAVESTYLE - Thee Temple OV Ocarina Youth
03. galcid - Metal Processing
04. galcid - Rubber Snake
05. fuelphonic - sunabokori
06. Dave Skipper - Alienoid
07. Dave Skipper - Lab Panic
08. Dave Skipper - Incursion
09. Dave Skipper - Excision
10. Dave Skipper - Nightfade
11. HATAKEN - expansion phase

アーティスト:Axel Dörner (アクセル・ドナー)
アルバム・タイトル:『inversich』(インファージッヒ)
発売日: 2020年2月21日(金)
定価:¥2,000(税別)
品番:SPF-015
発売元:φonon (フォノン) div. of SKATING PEARS

「トランペットの《零度》もっと深く……」
ヨーロッパや日本をはじめ世界を駆け巡り多彩な演奏活動を続けるドイツ出身のトランペット奏者「アクセル・ドナー」のソロ第2作。2018年に第1作として発表した『unversicht/ウンフェルジヒト (SPF-007)』は、ポストデジタル時代の指標としてその存在の特異点を示した作品となっていたが、本作でも電子的に拡張/メタモルフォーゼさせたトランペット音による孤独な実験の成果を、一連の新世紀音響ガイドとして聴く者に提供する。タイトルの『inversich』とはドナーによる造語で存在しない単語だが、ドイツ語的には、反転/自己/逆の/私の/逆しま/自分自身──などの意味的交わりを想起させながら、前作『unversicht』と共鳴している。多様なプレイヤーとのセッション作品が多いドナーながら、ここでは続編として一貫した圧倒的ソロ・アンサンブルを構成。トランペット音とエレクトロニクスを加工編集した実験的な音像が、前作からの流れを継承しながら新たな展開を迎える!

ライナーノーツ・渡邊未帆
ジャケットデザイン・日下聡

トラックリスト
01. 1
02. 2
03. 3
04. 4
05. 5

FilFla - ele-king

 日常のなかの祝祭。色彩の横溢。ミニマムな悦び。旋律の横溢。リズムの歓喜。杉本佳一によるフィルフラ(FilFla)、9年ぶりのアルバム『micro carnival』は、そんな「音楽」の喜びに満ちていた。まさに「エレクトロニカとポップの饗宴」か。それとも「マイクロ・ポップの宴」か。もしくは知性とプリミティヴの融合か。

 杉本佳一はフォーカラー(FourColor)名義、ベグファー(Vegpher)、フォニカ(Fonica)、ミナモ(Minamo)としても活動している作曲家/日本のエレクトロニカ・コンポーザー、サウンド・デザイナーである。NYのエレクトロニカ/アンビエント・レーベルの〈12k〉からもリリースされるなど海外での評価も高い音楽家だ。
 このフィルフラはポップを追及したプロジェクトで、彼の音楽を愛するリスナーの中でも特別な意味を持つ名である。〈HEADZ〉からリリースされた『Sound Fiction』もエレクトロニカとポップをつなぐ重要なアルバムであった。
 私は『micro carnival』は「エレクトロニカ」の可能性を大きく広げたのではないかと考える。ポップさと高密度なサウンドの融合ゆえである。緻密に作り込まれたトラック。美しいメロディ。ワクワクするようなリズム。リリースは同じく『Sound Fiction』同様に〈HEADZ〉。

 さて、『micro carnival』は杉本のみならず参加アーティストも重要だ。ソロ・アルバムをリリースするアーティスト moskitoo がヴォーカルして全5曲に参加(moskitoo もまた〈12k〉からアルバムをリリースしている)。作詞のみならず杉本と作曲を共作するなど多面的に活躍している。
 また Chihei Hatakeyama とのユニット、ルイス・ナヌーク(Luis Nanook)の活動でも知られるシンガーソングライターの佐立努もヴォーカルとして全2曲に参加。彼もまた作詞のみならず杉本との共作で作曲も担当している。全編にフィーチャーされているドラムは〈SPEKK〉からリリースした名盤『水のかたち』をリリースした松本一哉が担当している点も注目だ。彼らは単なるゲストではなく、アルバムの重要なコラボレーターである。
 もちろんアルバムの要となるのは杉本によるサウンド・デザインだ。90年代末期~00年代以降のエレクトロニカ・サウンドを継承しつつ、ドラムスも含めた楽器とのコンビネーションとエディットも卓抜のひとこと。何より親しみ深いメロディと耳を惹きつけてやまない工夫と創意にトラックは、杉本がCM音楽作曲家として得た技能を存分に投入した結果かもしれない。
 もちろん「音楽」を発見したような新鮮な驚きに満ちている点も重要だ。エレクトロニカ/音響の「仲間たち」によって奏でられる「マイクロ・ポップの宴」である。

 細やかなサウンドと大胆なリズムが光のように祝祭的な1曲め“papa mambo”と moskitoo のヴォーカルと切ないメロディと細やかなアレンジが胸に染み入る“breath”は本アルバムのキーとなる曲だろう。加えてトイ・ファンク・エレクトロニカ“strike zone”、ディズニカルなアレンジと瀟洒なアシッド・フォークと電子音楽の融合とでもいうべき佐立努のヴォーカルによる“mosaic”もアルバムの不思議なムードを決定付けている。ともあれ全曲、日常の光の中で鳴っているような作品ばかり。小さな音楽と大きな祝祭、大きなリズムと小さなノイズ、大きな喜びと小さな悲しみが、音楽の隅々から溢れて出ていた。
 それはエレクトロニカが音響の快楽から音楽の喜びを獲得した瞬間にすら思える。2019年、エレクトロニカ・ポップな電子音楽はこうまで普遍的になった。多くの人の届いてほしいアルバムである。

元ちとせ - ele-king

 私は元ちとせのリミックス・シリーズをはじめて知ったのはいまから数ヶ月前、坂本慎太郎による“朝花節”のリミックスを耳にしたときだった、そのときの衝撃は筆舌に尽くしがたい。というのも、私は奄美のうまれなので元ちとせのすごさは“ワダツミの木”ではじめて彼女を知ったみなさんよりはずっと古い。たしか90年代なかばだったか、シマの母が電話で瀬戸内町から出てきた中学だか高校生だかが奄美民謡大賞の新人賞を獲ったといっていたのである。奄美民謡大賞とは奄美のオピニオン紙「南海日日新聞」主催のシマ唄の大会で、その第一回の大賞を闘牛のアンセム“ワイド節”の作者坪山豊氏が受賞したことからも、その格式と伝統はご理解いただけようが、元ちとせは新人賞の翌々年あたりに大賞も受けたはずである。すなわちポップス歌手デビューをはたしたときは押しも押されもしない群島を代表する唄者だった。もっとも私は80年代末に本土の学校を歩きはじめてから短期の帰省をのぞいてはシマで暮らしたこともないので、彼女が群島全域に与えた衝撃を実感したわけではない。私のころはむしろ中野律紀さんがシマ唄のホープでありポップスとの架け橋だったのであり、電話口で元ちとせの登場に母の興奮した声音を聴いた90年代なかば、私はむしろゆらゆら帝国(まだ4人組でした)とかのライヴに足を運びはじめたころで、シマ唄なんかよりはそっちのがだいぶ大事だった。しかしそのように語るのはいくらか語弊がある。というのも、そもそも私のような1970年代生まれ以降のシマンチュにとってシマ唄はもとからそう身近なものではない。戦後、米軍統治からの本土復帰後、ヤマト並をめざす奄美にとっては文化も言語も標準化すべき対象でしかなく、私はよく憶えているが、私が小学の低学年だったころまでは学校のその週の努力目標にシマグチ(方言)を使わないようにしましょうというものがあり、使うと他の生徒の前で罰せられたのである(80年代のことですぜ)。私はこのことに子ども心ながら理不尽な気持ちを拭えなかったが、なにがおかしいか、なぜおかしいか、またひとはなぜそのような外部の視線を内面化することで恥と劣等感をおぼえるのか、語ることばをもたなかった。もっともその口にのぼらせるべきことばすら本土化されかかっていたのだとしたら、武装に足ることばなどどこにもなかった。とまれ私たちは中国のウイグル自治区への政策をしたり顔でもって他山の石などとみなすことなどできない。南西諸島にせよアイヌにせよ、境界を措定された空間の周縁は中央がおよぼす文化と政治と経済の波がもっとも可視化されやすい場所であり、言語におけるその顕れはおそらくドゥルーズのいうマイナー言語なるものを派生させ、近代性の波と同期すればポール・ギルロイいうところの真正性オーセンテイシテイを励起するはずだが、この点を論究するのは本稿の任ではない。つまるところ私にはともに90年代前半に見知ったおふたりが20年代のときを経てコラボレーションするにいたったことが事件だったのである。
 恥ずかしながら私はここしばらく元ちとせの動向を追っていなかったのでことのなりゆきがにわかにはのみこめなかったが、レーベルのホームページによるとリミックスはこんごもつづくとのこと。また今回のプロジェクトはもとになるアルバムがあるのもわかった。昨年リリースの『元唄(はじめうた)』と題したシマ唄集で、元ちとせはこのアルバムで盟友中孝介を客演に、勝手知ったるシマ唄の数々を招き吹きこみなおしている。坂本慎太郎の“朝花節”のリミックスは『元唄』の幕開けにおさめた楽曲のリミックスで、同様の主旨のリミックスが以後数ヶ月つづくこともレコード会社の資料は述べていた。したがって本作『元ちとせリミックス』の背景にはおよそこのような背景があることをご理解いただいたうえで、今回の坂本龍一のリミックス作のリリースをもって完了したプロジェクトをふりかえりつつ収録曲とリミキサーを簡単にご説明さしあげたい。

 

朝花節 REMIXED BY 坂本慎太郎
2019/6/26 Release

 “朝花節”は唄遊びや祝宴の席で最初に歌うことの多い、座を清めたり喉のウォーミングアップをかねたりする唄。唄者には試運転をかねるとともに、唄の場がひらいたことを宣し声を場にチューニングしていく役割もある。多くの唄者の音盤でも冒頭を飾ることが多く、元ちとせの〈セントラル楽器〉(名瀬のレコード店で唄者のアルバムを数多くリリースしている)時代のセカンド『故郷シマキヨら・ウム』(1996年)の冒頭を飾ったのも“朝花節”だった。1975年の敗戦の日の日比谷野音で竹中労が音頭をとり、嘉手苅林昌、知名定繁と定男父子、登川誠仁など、稀代の唄者が集ったコンサートの実況盤でも奄美生まれの盲目の唄者里国隆の“朝花節”が1曲目に収録されているのもおそらく同じ意味であろう。
坂本慎太郎のリミックスはもっさりしたチープなビートが数年前のクンビアあたりを彷彿する点で、『元唄』のボーナストラックだった民謡クルセイダーズの“豊年節リミックス”に一脈通ずるが、音と音との空間を広くとり、定量的なビートにも機械の悲哀といったものさえ感じさせるソロ期以降の坂本慎太郎の作風を縮約した趣きもある。背後からヘア・スタイリスティックスとも手を結ぶ作風ともいえるのだが、坂本は元や中の声を効果的にもちい、聴き手の感情をたくみに宙吊りにする。うれしくもなければ悲しくもない。笑いたいわけではないが怒っているのでもない、日がな一日砂を噛みながらみずからの鼻を眺めるかのごとき感情の着地を拒む幕開けはアルバム総体の行方も左右しない。

 

くばぬ葉節 REMIXED BY Ras G
2019/7/31 Release

 つづく“くばぬ葉節”のリミックスはラス・Gの手になる。ラス・Gは今年7月29日に逝去したがリミックスの公開はその二日後、はからずもいれかわるように世に出た。LAビート・シーンの立役者のひとりであり、幾多の独特なリズム感覚でビート・ミュージックの形式にとどまらない作風をものしたラス・Gらしく、ここでもパブリック・イメージをいなすノンビート・アレンジで意表を突いている。全体はスペーシーな風合いがつよく、冒頭のSEは極東の島国のさらにその南の島からの唄声に自身のサウンドをチューニングさせるかのよう。表題の「くばぬ葉」はビロウの葉のこと。シマでよくみるヤシ科の常緑の高木でその葉を編んで団扇にしたことなどから身よりのないシマでのひととのえにしの大切さになぞらえている。

 

くるだんど節 REMIXED BY Chihei Hatakeyama
2019/8/28 Release

 ここからアルバムはアンビエント・パートへ。数あるシマ唄でも代表的な“くるだんど節”を本邦アンビエント界の旗手畠山地平がカスミたなびく音響空間に仕上げている。表題の「くるだんど」とは「空が黒ずむ」の意。その点でも幽玄の情景を喚起する畠山のリミックスは唄のあり方を的確にとらえているといえる。もっともシマ唄の歌詞に決定稿は存在しない。歌詞は唄うものが唄い手が独自に唄い変える。じっさい畠山のリミックスの原曲となった『元唄』収録の“くるだんど節”は島の特産物産を自慢する内容だが、この歌詞は親への感謝を唄うオーソドックスなものともちがっている。むろんそれさえも「空が黒ずむ」ことともなんら関係ない。転々とシマからシマ、ひとからひとへ唄い継ぐうちに歌詞も節もグルーヴも変転する世界各地のフォークロアな音楽と通底するこのような口承性こそ、共同体の暮らしの唄としてのシマ歌の真骨頂といえるのだが、畠山地平は唄の古層を探るかのように原曲の音素をひきのばし、幾多の微細な響きに解体した響きが蜿蜿と蛇行する大河のような時間感覚をかたちづくっている。

長雲節 REMIXED BY Tim Hecker
2019/9/25 Release

 声の響きに着目した畠山のリミックスと対照的に、つづくティム・ヘッカーは“長雲節”のリミックスで元ちとせの唄の旋律線の動きに焦点をあてている。ティム・ヘッカーといえば、昨年から今年にかけて『Konoyo』と『Anoyo』の連作での雅楽との共演でリスナーをおどろかせたばかり。雅楽とは、いうまでもなく中国から朝鮮半島を経由に伝来した宮廷音楽だが、楽音と雑音とを問わずあらゆる音に色彩をみいだすこのカナダ人は雅楽という形式特有の持続とゆらぎに、おそらくは此岸(この世)と彼岸(あの世)のシームレスなつながりをみた、そのように考えれば、シマ唄、ことに元ちとせら「ひぎゃ唄」の唄者が自家薬籠中のものとする裏声によるポルタメントな唱法(グィンといいます)はヘッカーをしてシマ唄と雅楽の類似点を想起させなかったとはだれにも断定できない。原曲となる“長雲節”はしのび逢いの唄で、別れ唄とする地域もあれば祝い唄とみなすシマもある。このような背反性までもリミキサーが理解していたはずはないが、かろうじてかたちを保っていた唄が旋律の線形だけをのこし抽象化し、やがてサウンドの合間に姿を消すヘッカーの解釈は唄の物語世界にも同期する、好ミックスである。
ちなみにさきに述べた「ひぎゃ唄」の「ひぎゃ」とは東の意。元ちとせの出身地でもある奄美大島南部の瀬戸内町の旧行政区画名「東方村」に由来する。すなわち南方を東方と呼んでいたころのなごりで、北部を代表する「かさん唄」(「かさん」は現奄美市に合併した笠利町のこと)とシマ唄の傾向を二分する流儀である。武下和平から朝崎郁恵まで、著名な唄者がひぎゃ唄の唄い手に多いのは起伏に富む歌いまわしがテクニックに結びつくからだろうが、地鳴りのような唸りからファルセットまで一気にかけあがる唱法は、北部に比して急峻な南部の地形に由来するとも、信仰や風習や、はたまた薩摩世(薩摩藩支配時代)の過酷な労働に由来するとする説まで、諸説紛々だが真偽のほどはさだかでない。

 

Photo by "Jakob Gsoellpointner".

豊年節 REMIXED BY Dorian Concept
2019/10/30 Release

 フライング・ロータス、サンダーキャットらの〈ブレインフィーダー〉から『The Nature Of Imitation』を昨年リリースし一躍ときのひととなったドリアン・コンセプトは『元唄』では唯一のリミックス作“豊年節”を題材に選んだ。すなわち民謡クルセイダーズのリミックスのリミックスということになるが、ジャズからビート・ミュージックまで手がけるオーストリアの才人は原曲を活かしながら独自色をひそませ、島々を練り歩く放浪芸の一座のようだった原曲にサーカス風の彩りをくわえている。

 

Photo by zakkubalan(C)2017 Kab Inc.

渡しゃ REMIXED BY 坂本龍一
2019/11/27 Release

 『シマ唄REMIX』の参加者でそれまでに唯一元ちとせとの共演歴をもっていたのが“渡しゃ”を担当した坂本龍一である。坂本と元は2005年の8月6日に広島の原爆ドームの前で、トルコの詩人ナジム・ヒクメットが原爆の炎で灰になった少女になりかわり書き綴った詩の訳詞に外山雄三が曲をつけた“死んだ女の子”を演奏し、爾来夏を迎えるたびに限定で配信し収益のいちぶをユニセフに寄付しているという。元ちとせの2015年のアルバム『平和元年』も収める“死んだ女の子”はまぶりのこもった歌声と柔和なメロディに鋭いたちあがりの音が同居した、反戦と平和を希求するスタンダード・ナンバーとして灯りを点すように広がりつつあるが、ここでの坂本は元ちとせのリズミックな演奏に抑制的にアプローチすることで原曲の秘められた側面をひきだしている、その作風は畠山地平やティム・ヘッカーと同じくアンビエントと呼ぶべきだろうが、声の断片、電子音のかさなり、ピアノの打鍵、かぎられた響きで多くを語る方法は坂本龍一の作家性を端的に物語っている。
表題の「渡しゃ」は島と島を渡すもの、すなわち「船頭」の意。船頭が唄のなかで奄美大島、喜界、徳之島、沖永良部、与論からなる奄美群島をめぐっていく。歌詞にみえる「間切り」の文言は琉球と奄美にかつて存在した行政区画で、市町村の町みたいなものだが、島には陸地にはない海の道があり、海が隔てる別々の島のシマ(村)が同じ間切りに入っていたこともしばしばだった。今福龍太が『群島論』で指摘したように、海を道とみなす視点には陸地と海洋が反転した白地図が文字通り浮上するというが、形式を問わない自由な耳でしかあらわれない音もおそらくこの世には存在する。『シマ唄REMIX』が収めるのは純粋なシマ唄でもなければポップスでもない。リミックス集だがダンス・ミュージックでもないし、中身も歌手元ちとせの唄のみをひきたてるものではない。実験的で挑戦的な内容ともいえる一枚だが、エキゾチシズムに淫せず、伝統に拝跪せず、神秘主義に溺れず、反省的な文化人類学の反動性に与せず、ありきたりなポストコロニアルやカルチュラル・スタディーズの思弁にも回収されない、蠢動するものはそのような音楽がもっともよく体現するのである。

特設ウェブサイト:
https://www.office-augusta.com/hajime/remix/

Dorian Concept × Chitose Hajime - ele-king

 昨年ミニ・アルバム『元唄(はじめうた)』を発表した歌手、元ちとせの周囲が騒がしい。同作は彼女の原点たる奄美の島唄を新たに録音したものだが(紙エレ最新号にご登場いただいた民謡クルセイダーズも参加)、その収録曲を次々と気鋭のアーティストたちがリミックスしているのだ。6月には坂本慎太郎、7月にはLAの故ラス・G、8月には畠山地平、先月はティム・ヘッカーによるリミックスがリリースされている。そして今月は……ドリアン・コンセプトである。それぞれスタイルは異なるものの、みな独創的なアーティストであることは疑いない。いったい元ちとせのまわりで何が起こっているのか? 注目のリミックス企画、今後も目が離せそうにない。

元ちとせ
自らの歌の原点ともいえる奄美シマ唄を国内外の鬼才がREMIX

民謡クルセイダーズ参加の“豊年節”をウィーン生まれの超絶技巧アーティスト/プロデューサー Dorian Concept (ドリアン・コンセプト)がリミックス

元唄 幽玄 〜元ちとせ奄美シマ唄REMIX〜

2002年「ワダツミの木」の大ヒットからデビュー16周年を迎え、その歌手活動が充実期を迎える中、自身の歌の原点である「奄美シマ唄」集の新録アルバム『元唄~元ちとせ 奄美シマ唄集~』が昨年11月にリリース。10代の頃から地元・奄美大島でシマ唄の唄者(うたしゃ)として活躍していた元ちとせが「今の声で歌うシマ唄を残したかった」と語るアルバムが多方面から高い評価を受ける中、“奄美シマ唄の再構築”ともよべる新たなフェーズに突入する企画がスタートすることになった。このアルバム楽曲の未知数の可能性と魅力が引き出された気鋭のアーティストによるREMIX配信リリースが決定した。

2019年6月よりサブスクリプション、配信サービスにて各月1曲を配信。後にアナログとしての発売も予定している。

参加アーティストには元ちとせとも親交が深く、日本を代表する音楽家でもある坂本龍一をはじめとして、ゆらゆら帝国解散後、独自のスタンスで国内外へ活動の場を広げている坂本慎太郎、ジャズやヒップホップをベースにしたドープなビートの開拓者 Ras G、異ジャンルとのコラボで新たなアンビエント・ミュージックの世界を構築している鬼才 Tim Hecker、海外からの評価も高い新しい日本の才能 Chihei Hatakeyama、ウィーン生まれの天才演奏家/プロデューサー Dorian Concept など各ジャンルの革新的アーティストがラインナップされている。

またジャケットは『元唄〜元ちとせ奄美シマ唄集〜』と同様に信藤三雄氏がデザインを手がけ、日本画家・田中一村氏の作品が使用されている。

異ジャンルとの融合により生まれた新しい唄 異世界へ誘う幽玄の音楽がここに誕生。

■10月30日(水)配信リリース 
豊年節 REMIXED BY Dorian Concept

2018年11月に発売された、元ちとせ自らの原点である奄美大島の「シマ唄」新録アルバム『元唄(はじめうた)~元ちとせ 奄美シマ唄集~』が、気鋭のアーティストたちのリミックスで新たな表情を見せる配信リリースが決定。
第5弾となる今回は、昨年〈BRAINFEEDER〉からリリースされたアルバムが世界中で絶賛され、ここ日本でも数多くのファンを得ているウィーン生まれの超絶技巧キーボード・アーティスト/作曲家/プロデューサー Dorian Concept (ドリアン・コンセプト)がリミックスを手がけている。
ドリアンが手がけたのは奄美シマ唄ではスタンダード・ナンバーのひとつである“豊年節”。昨年リリースされた『元唄』でも大きな話題となった民謡クルセイダーズとのコラボ・ヴァージョンのリミックスである。クンビアと呼ばれる中南米のリズムを取り入れた民謡クルセイダーズのアレンジをベースにおきながらさらなる斬新な解釈を加え、生演奏とエレクトロ・サウンドで構築された新しいハイブリッド・ミュージックへと昇華させている。


Photo by "Jakob Gsoellpointner".

Dorian Concept (ドリアン・コンセプト)
オーストリアのキーボード・アーティスト兼プロデューサー、エレクトロ、ジャズ、ポップ、ヒップホップ、アンビエントなど、さまざまなジャンルをクロスオーヴァーした独自の音楽スタイルを構築している。
フライング・ロータスやザ・シネマティック・オーケストラのライヴ・メンバーを務めるなど活躍している傍、自らのアルバムを〈Ninja Tune〉、〈Brainfeeder〉などのレーベルからリリースしている今話題のアーティスト。

■恒例の Billboard Live 決定
元ちとせ Billboard Live "歌会元(うたかいはじめ)2019"

【ビルボードライブ大阪】
11/27(水)
1stステージ 開場17:30 開演18:30 / 2ndステージ 開場20:30 開演21:30
サービスエリア¥8,300-
カジュアルエリア¥7,300-(1ドリンク付き)
[ご予約・お問い合せ] ビルボードライブ大阪 06-6342-7722

【ビルボードライブ東京】
11/29(金)
1stステージ 開場17:30 開演18:30 / 2ndステージ 開場20:30 開演21:30
サービスエリア¥8,300-
カジュアルエリア¥7,300-(1ドリンク付き)
[ご予約・お問い合せ] ビルボードライブ東京 03-3405-1133

バンドメンバー決定
Vo・元ちとせ
B・鈴木正人
Pf・ハタヤテツヤ
G・八橋義幸

チケット発売中

元ちとせ (はじめ ちとせ)
鹿児島県奄美大島出身。2002年に「ワダツミの木」でデビュー。ヴォーカリストとしてさまざまなステージでその唯一無二の歌声と存在感を示している。 2012年、2月6日にデビュー10周年を迎え、初のベスト・アルバム『語り継ぐこと』をリリース。戦後70年となる2015年7月、“忘れない、繰り返さない”というコンセプトのもと、平和への思いを込めたニューアルバム『平和元年』をリリース。デビュー15周年を迎え、その歌手活動が充実期を迎える中、自身の歌の原点である「奄美シマ唄」集のアルバム『元唄~元ちとせ 奄美シマ唄集~』が2018年11月に発売になった。
奄美大島に生活の拠点を置きながら、精力的な活動を行っている、日本を代表する女性シンガーのひとりである。

Mini Album
元唄 ~元ちとせ 奄美シマ唄集~
発売日 : 2018年11月14日(水)
CD : ¥2,000(税込)
UMCA-10062

【収録内容】
01. 朝花節 with 中 孝介
02. くるだんど節 with 中 孝介
03. くばぬ葉節
04. 長雲節
05. 渡しゃ with 中 孝介
06. 行きゅんにゃ加那節 with 中 孝介
07. 豊年節 with 民謡クルセイダーズ

ララージ来日直前企画 - ele-king

 どうも最近、現代文明からの離脱の機運が昂まりつつあるように見える。ふだんからよく書店に足を運ぶ方は、年々「縄文」コーナーが充実していっていることにお気づきだろう(たとえば『縄文ZINE』は書評でとりあげようかと思ったくらい、ユーモラスでおもしろい)。日本だけではない。今年の夏は、まさにいま流行の「アントロポセン」というタームを体現するかのように、世界じゅうで酷暑が猛威をふるったけれど、その影響でイギリスでは新石器時代の遺跡の残像が地上に浮かび上がってきてもいる。産業革命以降のハイテクノロジーの時代へと回帰してくる、文明以前的なものの兆し。エイフェックス新作のアートワークに暗示されたコーンウォール由来のぐるぐるモティーフはたぶんもっと近代的なものなんだろうけど、にしても、このとち狂った現代社会からの逃走の回路が次々と発現しているのは興味深い。それは、ロハス的なものだったりマインドフルネス的なものとはまた異なる逃走のあり方である。

 1943年にフィラデルフィアに生まれたララージことエドワード・ラリー・ゴードンは、幼い頃にいくつかの楽器を学び、ワシントンではハワード大学へ通う。その後ニューヨークで役者として活動していたが、70年代に東洋の神秘主義と出会い、改めて音楽の道を目指すことになる。彼の代名詞となるツィターを手に入れたのもその頃で、自ら改造を施しつつNYのストリートでパフォーマンスを重ねていく。1978年には本名名義で『Celestial Vibration』を発表(2010年に〈Soul Jazz〉傘下の〈Universal Sound〉からリイシュー)。そうしてワシントン・スクエア公園で演奏している際に、訪米していたブライアン・イーノと出会い大きな転機を迎えることになるわけだけれど、ゴードンのツィターの奏法は、ちょうど「オブスキュア」から「アンビエント」へとコンセプトを発展させていたイーノにとっても新しい試みに映ったに違いない。ララージ名義の最初のアルバム『Day Of Radiance』は、「アンビエント」シリーズの第3作として1980年に〈Editions EG〉からリリースされることとなった。
 タイトルどおりきらきらと瞬くそのツィターの音の連なりは、たしかにアンビエントの領域を拡張したと言えるだろうが、他方でそれはエキゾティックな趣を携えてもおり、采配次第では同年のジョン・ハッセル『Fourth World』とも接続しうるポテンシャルを秘めていたのではないだろうか。しかしララージはむしろ80年代のニューエイジ・ブームのなかでその評価を高めていくことになる。1984年には100枚限定のカセットテープ『Vision Songs』を発表し、自身の歌まで披露(今年初頭に〈Numero Group〉からリイシュー)。実質的なセカンド・アルバムとなる『Essence / Universe』は1987年に〈Audion〉からリリースされ(こちらは2013年に〈All Saints〉からリイシュー)、ニューエイジ要素が全面化した長尺ドローンが展開されている。

 90年代に入ると、おもにイーノとかかわりの深い〈All Saints〉をとおして、マイケル・ブルックをプロデューサーに迎えたアンビエント作『Flow Goes The Universe』(1992年)や、オーディオ・アクティヴとコラボしたダブ作『The Way Out Is The Way In』(1995年、日本盤はのちに〈ビート〉から)などをリリースする一方、ビル・ネルソン、ロジャー・イーノ、ケイト・ジョンらとともにチャンネル・ライト・ヴェッセルを結成、80年代的な音響を維持しつつポップな要素を取り入れた『Automatic』(1994年)と『Excellent Spirits』(1996年)の2枚のアルバムを残している。そこまではある意味で時代との接点を保っていたとも言えるが、1997年の『Cascade』ではそれを完全に振り切り、リラクセイションの極みへと到達(副題は「Healing Music」。ちなみに、その2年後には日本で坂本龍一の「energy flow」がヒーリング・ミュージックとして大ヒットしているけれど、それは単なる偶然なのか、はたまた世紀末の一現象なのか)。その後00年代にも作品を発表してはいるものの、グライムやダブステップの時代にあって、次第にその影は薄くなっていったのではないだろうか。
 ところが10年代に入ってその風向きが変わる。上述の作品を含め、さまざまなレーベルからララージのリイシューが相次ぎ、新作も発表、コラボレイションも活性化していく。注目すべきはそのコラボ相手とレーベルだろう。2011年には〈RVNG〉からブルーズ・コントロールとの実験的な共作『FRKWYS Vol. 8』がリリースされているが、2015年から16年にかけてはマシューデイヴィッドの〈Leaving〉から、80年代に録音されていた音源を発掘した『Unicorns In Paradise』『Om Namah Shivaya』が発売。2017年の新作『Sun Gong』『Bring On The Sun』や、今年出たそれらのリミックス集『Sun Transformations』ではカルロス・ニーニョやラス・Gなど、明確にLAビート・シーンとのコネクションが堅固になっていく。さらに昨年はブラジルの大御所サンバ歌手、エルザ・ソアーレスをリミックスと、老いてますます現役感が増していっている。

 そのような再起の動きのなかでもとりわけ重要なのは、2016年のサン・アロウとの共作『Professional Sunflow』だろう。当時のニューエイジ・ブームの後押しがありつつも、それとは一線を画した実験的サウンドを響かせる同作は、ララージが他方でマインドフルネス的な文脈と親和的でありながらも、そこには回収されえない実験主義を標榜していることをも示してくれたのだった。

 80年代のニューエイジ・ブームが新自由主義の猛威に対応していたのだとするならば、この10年代にふたたびそれが勃興しているのは、資本主義が当時以上に加速していることのあらわれである、と結論づけることも一応は可能なんだろうけど、でも90年代や00年代だって世の中は相当ひどかったわけで、そんなふうにすっきりと整理できるものではない。しかし、そういった世相の反映はありつつも、〈RVNG〉と接触したりLAビートの文脈で再評価されたりしている彼の姿や、あるいはサン・アロウとの刺戟的なコラボ作を聴いていると、少なくともそれが資本主義のヴァリエイションのひとつでしかないロハス的なものとはかけ離れていることがわかるし、彼の奏でるニューエイジには逃避という一言だけでは片付けられない種々の可能性が孕まれているような気もしてくる。そんなニューエイジの微妙な揺らぎを体現するララージは、きたる来日公演においていったいどんなパフォーマンスを披露してくれるのか。それを目撃するのが楽しみでしかたない。


Laraaji Japan Tour 2018

澄み渡る空、開かれる静域。巨匠 Brian Eno に見出され、近年のニューエイジ/アンビエントの再興により生ける伝説となったNYCのパーカッション奏者/電子音楽家 Laraaji (ララージ)待望の単独初来日ツアー。

9.13 thu WWW X Tokyo
9.15 sat WWW Tokyo
9.16 sun Nanko Sunset Hall Osaka
9.17 mon Metro Kyoto

テン年代初頭よりエレクトロニック・ミュージックの新潮流の一つとして拡張を続けるニューエイジ/アンビエントの権化とも言える、ミュージシャン、パーカッション奏者、“笑い瞑想”の施術者でもある Laraaji (ララージ)の東京は単独公演、全席座りで2回のロング・セットを披露、大阪、京都を巡る待望の単独初来日ツアーが決定。そのキャリアは70年代のストリート・パフォーマンスから始まり、Brian Eno に発見されアンビエント・シリーズへ参加以降、Harold Budd、Bill Laswell、John Cale、細野晴臣、Audio Active などとコラボレーションを果たし、近年のニューエイジの再興から発掘音源含む再発で再び注目を集め、後世に影響を与えたオリジネーターとして新世代の音楽家 Blues Control、Sun Araw、Seahawks とのコラボレーション作品、遂には新譜もリリース、各国でのツアーやフェスティバルに出演し、ワールドワイドに活動の幅を広げている。風のようにそよぎ、水のように流れる瑞々しいアルペジオや朗らかなドローン、土のようにほっこりとしたソウルフルなボーカルや温かなアナログ・シンセ、ドラム・マシーン、テープ・サンプリング、瞑想的なアンビエントから時にボーカルも織り交ぜたパーカッシヴなシンセ・ポップ、ヨガのワークショップまでも展開。風、水、空、土といった自然への回帰と神秘さえも感じさせる圧倒的な心地良さと静的空間、情報渦巻く現代のデジタル社会に“癒し”として呼び起こされる懐かしくも新しいサウンドとヴィジョン、ニューエイジの真髄が遂に本邦初公開を迎える。

ツアー詳細:https://www-shibuya.jp/feature/009311.php

■9/13木 東京 追加公演 at WWW X
Title: Balearic Park - Laraaji - *FLOOR LIVE
OPEN / START 19:00
ADV ¥3,300+1D / DOOR ¥3,800+1D / U23 ¥2,800+1D
Ticket Outlet: e+ / Lawson [L:71297] / PIA [P:127-579] / RA / WWW *8/22(水)一般発売
LIVE: Laraaji / 7FO [EM Records / RVNG Intl.] / UNIT aa (YoshidaDaikiti & KyuRi) / Chihei Hatakeyama [White Paddy Mountain]
DJ: Chee Shimizu [Organic Music / 17853 Records]
more info: https://www-shibuya.jp/schedule/009420.php

■9/15土 東京 単独公演 at Shibuya WWW
Title: Laraaji - Tokyo Premiere Shows -
1st set OPEN 16:00 / START 16:30
2nd set OPEN 19:00 / START 19:30
ADV ¥5,500+1D *各セット150席限定・全席座り / Limited to 150 seats for each set
Ticket Outlet: e+ / Lawson [L:73365] / PIA [P:125-858] / RA / WWW *8/1 (水) 一般発売
LIVE: Laraaji *solo long set
more info: https://www-shibuya.jp/schedule/009310.php

■9/16日 大阪 at Nanko Sunset Hall
Title: brane
OPEN 17:30 / START 18:00
ADV ¥4,800 / DOOR ¥5,500
Ticket Info: TBA
LIVE: Laraaji + more
Visual Installation: COSMIC LAB
info: https://www.newtone-records.com

■9/17月・祝 京都 at Metro
Title: Laraaji Japan Tour in Kyoto supported by 外/Meditations
OPEN 18:30 / START 19:30
ADV ¥4,500 / DOOR ¥5,000
Ticket Info: 公演日・お名前・枚数を(ticket@metro.ne.jp)までお送りください。
LIVE: Laraaji + more
more info: https://www.metro.ne.jp

https://laraaji.blogspot.com

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