「Hot Release」と一致するもの

interview with Alexis Taylor (Hot Chip) - ele-king

 ホット・チップは、UKポップ音楽のお家芸と言える、ソウルやダンス・ミュージックを折衷するエレクトロ・ポップなロック・バンドで、そのサウンドには多幸感とメランコリーが交錯している。20年という彼らの長いキャリアにおいてバンドは着実に成長し、UKシンセ・ポップとしては、いわばニュー・オーダーの後継者というか、いまや今世紀における代表的な存在と言えるのかも。じっさい2019年の前作『A Bath Full of Ecstasy』は批評家から絶賛され、今作『Freakout/Release』も注目のアルバムとなった。
 以下、日本のファンを代表して斎藤辰也──ホット・チップ以外は、ほとんどクラシック・ロックばかり聴いているようだが──その彼にまずはファン目線の解説を書いてもらった。その後に続くインタヴューともどもお楽しみください。

 ミュージシャンがつまらない作品が出すと僕は追いかけるのをさっさとやめて悪態をつきがちなのですが、ホット・チップのことは14年近く追いかけています。僕がホット・チップをこんなにも好きでいるのは、彼らの音楽はつねに歌心を大事にしているからです。メロディとハーモニーを大事にしたやわらかい歌声でもって、ダンスビートの上で、人としての弱さや苦悩を明かしているからです。そうした歌を聴かせてくれるバンドは貴重です。LCDとかジンジャールートなんかでは、とてもじゃないけどダメなのです。この歌とハーモニーを実現できるバンドは、ホット・チップ以外にいないでしょう。
 新型コロナに罹患して部屋にこもることになって思いついたのは、好きなミュージシャンのレコードを、キャリアの初めから最後まで、1日中ぶっ通しで聴くことでした。ボブ・ディラン。ニーナ・シモーン。ヴェルヴェッツ。大好きなビートルズとビーチ・ボーイズも聴きました。しかし、僕のすべてだと思い込んでいたその2組は、決していまの僕のすべてではないことに気づくことになりました。
 部屋を侵食するレコードの山の中から10枚しか残せないとしたら、僕はまずホット・チップの作品から『ワン・ライフ・スタンド』を選ぶでしょう。5枚でもそうします。3枚でも、そうしましょう。1枚なら………シド・バレットのセカンドだと心に決めているので、大変な拮抗が生じます。だけど、いまな、ら、『ワン・ライ、フ・スタ、ンド』を、選、ぶ。かもし、れま、せん(大変な拮抗が生じています)。ホット・チップをこれから知る人にもこのアルバムを薦めます。タイトルどおり、彼らの音楽は一生の付き合いができそうな包容力があります。無理をしないで、いつでもありのままで向き合える、そんな気持ちにさせてくれます。弱いことは恥ずかしいことではないんだよと、そう言ってくれる気がするのです。ここでもし、そんなの要らないとあなたが言うのであれば、そもそも音楽なんて聴かなくていいと思います。
 2008年の『ワン・ピュア・ソウト』の可愛いけどなんか変なMVを観たとき、シンセ主体の音楽を忌避してロックとヒップホップだけを聴いてきた僕の中で、とんでもないレベルで、なにかが弾けました。折衷という言葉では説明できません。その音楽の中に、僕が好きなもの以外にも、なにかわからないけど色んなものがトロトロになって煮込まれているのを感じたのです。いま食べてるので喩えますが、未知の具材たっぷりのカレーの鍋を覗き込んだと思ったら、画面の向こうから鍋の中身が飛び出して、全身にぶっかけられた。そんな衝撃でした。それ以降、彼らの作品や足跡を追いかけて、それまで知らなかった数々の音楽の扉を叩くことになりました。ニューウェイヴ。テクノ。ハウス。ノイズ。エレクトロ。音楽の広さを音楽を通じて教えてくれるバンドなんて、他にはビートルズくらいしか思いつきませんが、ホット・チップが教えてくれたのは、僕の大好きなビートルズやビーチ・ボーイズが教えてくれなかったものでした。ホット・チップが現代のバンドで、それをリアルタイムで聴くことができるのは、とてもラッキーなことだと思います。
 ホット・チップは結成から20年以上が経ちました。ダンスフロアの流行り廃りに流されることもなく、メンバーの入れ替わりもないまま自分たちの地盤を固めることができたのは、アレクシス・テイラー&ジョー・ゴダードのふたりを核としたソングライティング、そして、それを彩るためのサウンド作りにメンバーが力を注いできた結果であると思います。まずもって馴染みやすいメロディと真摯な歌詞を大切にしながら、男性的な“強さ”を回避するアレクシスとジョーの優しい歌声が響いて、メンバーのハーモニーが重なり、それらをダンスのリズムとシンセサウンドが讃える。アレクシスとジョーのマイクリレーやハーモニーは、まるでブライアン・ウィルソンとマイク・ラヴの掛け合いが現代に生まれ変わって、同じバンドにいるかのようです。こうしたヴォーカルワークの美しいバンドは、他に類を見たくても、なかなか見れないと思います(メンバーのアレクシスと初めて会ったとき、僕はビーチ・ボーイズの未発表アルバム『スマイル』のブートの箱を渡しました。「なんでこれを僕にくれようと思ったの?」と言いつつニヤついた彼の笑顔は最高に面白かった。それに、彼とジョーなら『スマイル』は没にしないでしょう)。
 今作、『フリークアウト/リリース』では、前作で強固になったダンスビートを引き継いでいますが、これまでのアルバムよりもシリアスなムードが通底しており、一聴すると重々しい印象が残るかもしれません。だけど、僕から述べておきたいのは、前述したようなバンドのあり方は変わっていないということです。明るい音楽で哀しいことを歌うように、人としての弱さや苦悩を隠しませんでした。そういったシンパシーを音楽の上で感じさせてくれます。ただただアッパーなダンスナンバーにもできたはずの“ブロークン”で「時々思う/僕は壊れている/もう壊れようがないほど」と歌うのを聴いて、僕は駅のホームで涙を流しながら歩いていました。いい大人が道端で目を赤くしているのは、通りがかった人にしてみれば不気味だったと思います。でも、不意にそういうことをさせてくる音楽なんです。(斎藤辰也)


右にいるのが質問に答えてくれたアレクシス・テイラー、その隣にいるのがジョー・ゴダード。

僕個人としては、大仰な政治的声明を打ち出そうとすることを楽しいとは思わないね。政治ってものは、自分の音楽にはほとんど入り込んでこない物事だ、そう感じる。ジョーの方なんじゃないかな、音楽にもうちょっと政治が入ってくるのは?

4月からツアーが続いていますが、いまUKのライヴ状況は、いかがでしょうか? コロナ前の感じに戻ってきていますか?

アレクシス:そうだね、ライヴ/コンサートの状況について言えば、ほんとなにもかもが戻ってきている。会場も再開し規制もなくなったし。けれどもフェスティヴァル、たとえば何万もの人間が集うグラストンベリーのようなイヴェントは、結局数多くの感染者を出すことになった。だから、ある面では物事は「ノーマル」に戻ったけれども、やはりウィルスは依然消え去ってはいない。単に、人びとは感染しても以前ほど具合が悪くならなくなっただけであって、それはたぶんワクチン接種に少し守られているからだろう。
というわけで……たとえば自分たちがフェスでプレイして観客を眺めていても、以前みたいにCOVIDについて考えることはなくなった、そう言っていいと思う。というのも、みんなマスクを着けなくなったから。だから、カルチャーという意味では非常に変化したし、前より少し良くなったっていうのかな、規制が緩まったおかげで。けれどもそれと同時に、COVIDに感染するたび——僕自身、1ヶ月前くらいだったっけ? ウィルスに感染したし、その都度あれがどれだけ不快な体験かを思い出させられるっていう。

前作『A Bath Full of Ecstasy』に引き続き、今作『Freakout/Release』もじつにパワフルなアルバムになったと思います。まずはサウンドについてお訊ねしますが、先行発表された “Down”は、力強いファンクのリズムが強調されていますよね。LCDサウンドシステムなんかともリンクするファンク・パンクを彷彿させます。

アレクシス:うん。

それに表題曲の“Freakout/Release”や“Hard To Be Funky”にも強力なリズムがありますが、こうしたビート感、躍動感は、自然に生まれたものなのでしょうか? それともこれは今作において意図したことだったのですか?

アレクシス:リズム・トラック群やグルーヴ、あるいはファンキィな要素に関して言えば、自分たちはとくに「今回はこれまで作ってきた作品とは違う」とは考えていないと思う。過去の作品以上にそれらの要素が強調されていると人びとが感じるだろう、僕たちにそういう意識はなかった、と。けれども、うん、いま言われたように、僕たちは踊るのにすごくピッタリなものを作ろうとしていたね。そうやって人びとにエンジョイしてもらえるなにかを、音楽と人生と踊ることとを祝福できるなにかを人びとに与えたいと思っていた。ただ、思うに、いまの質問にあった印象/感想は――良い感想だけれども、僕たち自身はべつにこれといって、より「パンク・ファンク調」な方向を目指してはいなかったんだ。あれはとにかく、そうだなぁ、たぶん“Down”で使ったサンプリングに導かれたものだったんじゃないかな? あの曲で僕たちはファンク・チューンをサンプリングしたし、それが僕たちを音楽的にあの方向性に引っ張っていった、と。それもあるし、おそらく今回は、アル(・ドイル)があの曲やそれ以外のいくつかのトラックでも生演奏でベース・ギターをもうちょっと弾いているし、彼はLCDサウンドシステムでもプレイしているから、それもあったのかもしれない。彼がふたつのバンドでプレイするベースの奏法はやはり似通ってくる、と。

通訳:いま話に出た“Down”のサンプル、あれはUniversal Togetherness Bandのトラックですが——

アレクシス:そう。

斉藤:たぶん2015年あたりから、ソウルのレコードをサンプリングすることが新曲において増えてきている印象を受けます。これは意図的にそうしているのでしょうか? たとえば、70〜80年代のソウル/ディスコ/ファンク音楽の、そのルーツにお返ししよう、みたいな思いは大事でしょうか?

アレクシス:んー……もしかしたら、僕たちにもそうした思いはあるのかも? だけど、僕たちはずっとソウル/ファンク・ミュージックが好きだったからね。ファースト・アルバムを作ったときですら——あれはサンプリングではなかったけれども、たとえば“Keep Fallin’”のような曲をプレイしていたわけだし、あれはかなりこう、ファンク・ミュージックを作るためのプリミティヴかつ安上がりでローファイな試み、そういう風に聞こえる曲だと思う。とはいえまあ、ソウル・ミュージックからの影響はあるよね、僕たちのもっとも大きな影響源のひとつだと思う。おそらく……まあ、サンプル音源にソウル寄りな変化が起きているとしたら、それは要は、ジョー(・ゴダード)が買っているレコード次第なんじゃないかと思う。というのも、僕自身はレコードからサンプリングはしないし、ネタとして使えそうなセクションを探そうとしてレコードを聴くこともないから。
 でも、そうは言いつつ、この同じアルバムで僕は「ファンキィであることについて」の歌(=“Hard To Be Funky”)を書いたわけだし、ということは、うん、たぶんその同じスレッドがこのアルバムの曲の多くにも流れているってことなのかもしれない。でも、いま言われたように、2015年以来、僕たちが「ダンス/ソウル音楽のルーツに敬意を表して」みたいにサンプル音源を選んでいるとか、べつにそういう意図的な決定ではなかったんだ。ただ単に、僕たち自身がああいうスタイルの音楽をずっと好きだからああなった、そういうことだと僕は思う。でまあ、要は、ジョーがレコード屋でなにか発見して、「お、これはグレイトな曲! ぜひサンプリングしたい」と思いついたってだけのことじゃないかと。

斉藤:今回、マイク・ホーナーと、ソウルワックスと、Superorganismのメンバーであるトゥーカンをアルバム制作に抜擢した意図やきっかけはなんですか?

アレクシス:まあ、前作『A Bath Full Of Ecstasy』をやったときも、マイク・ホーナーと一緒に作ったからね。マイクはすごく、すごく優秀だし、とにかく一緒にスタジオで過ごしていても本当に気持ちの良い人で。僕たちが彼と一緒にやることにした理由はそれだったし、彼は僕たちの求めていたサウンドを掴むのを助けてくれた。
 ソウルワックスについては、……ジョーの思いつきだったはずだけど、彼が「ソウルワックスにこの2曲を送ってみないか」と言い出して。彼らに聴いてもらい、何を持ち込んでくれるか試しに見てみよう、と。そのうちの1曲は“Down”で、あれは結局彼らにプロダクションを手伝ってもらわずに済んで、ミックスだけやってもらった。もう1曲が“Freakout/Release”で、あれはこう、僕たちからすれば半分くらいまで出来上がっていた感じで――曲は書いたものの、サウンドがどうもいまひとつジャストに収まらない、と。それであの曲をソウルワックスに送り、共同プロデュースおよび追加プロダクションをお願いしたんだ、純粋に、あの曲をフィニッシュさせるためにね。
 ホット・チップではコラボに関してはかなりカジュアルに物事が進むんだよ。今作でプレイしてくれたほかのコラボレーター、たとえばドラマーのIgor Cavalera(イゴー・カヴァレラ)、彼はセパルトゥラ(※メタル・バンド)のメンバーだったことで知られる人で——彼は“Eleanor”でドラムをプレイしてくれたけど、あれはメタルっぽい曲ではないよね。それからCadence Weapon(ケイデンス・ウェポンaka ローランド・ペンバートン)については、僕たちはあの“The Evil That Men Do”でラップを入れたいと考えていて、ジョーが彼のことを思いついた。彼とは昔、一緒にツアーをやったこともあった仲だし、運良くタイミングも合って、彼はグレイトなヴァースをあの歌のために書いてくれた。それからシンガーのLou Hayter(ルー・ヘイター)、彼女は僕たちのスタジオの近所に住んでいて、知り合いだし僕たちと一緒にDJをやったこともあるんだけど、まだコラボはやったことながくてね。で、ある日、彼女に「この“Hard To Be Funky”という曲で女性ヴォーカルが必要なんだけど、トライしてみる気はある?」と訊ねてみて、それで彼女がスタジオまで来てくれて、2、3時間で録ったんじゃないかな。そんな感じで、なにもかも……そうだなぁ、かなりこう、フレンドリーな、集団型な音楽の作り方だね。
 トゥーカンに関しては、彼は以前、僕のシングルをミックスしてくれたことがあって。トゥーカンは良い要素を持ち込んでくれた。彼がミックスを担当してくれたトラックの多くは、シングルになっていったね。

“Down”は、曲はパワフルなディスコ・ファンクですが、その歌詞は、質者には「労働」について書かれているように思いました。

アレクシス:うんうん。

じっさいのところ、これは、どんなところから生まれた言葉なのでしょうか? 

アレクシス:COVIDのせいで、僕たちは長いこと集まって一緒に作業することができなかった。だからあの曲はほんと、「遂に僕たちも、スタジオで一堂に会することができた」ってことについて語っているというか……僕にとってはこの自分の「仕事」、僕にとっての仕事であるミュージシャンをやること、歌をクリエイトすることは大事なんだ、と再確認してるっていうのかな。いや、ある意味、僕の周囲にいる人びとやホット・チップの面々、プロデューサーとしてのジョーはそういう風に見ていないのかもしれないよ。ただ、僕たちは努力しなくちゃらないんだ、自らにムチをぴしゃっと叩いてがんばり、この音楽をできる限り良いものにしなければならない、と。
 というわけであの曲は、この曲を上手く機能させるために自分は自らを捧げるというか、自分はこの曲をできる限り良いものにするために努力したい、と言っている、そういう感じの曲で。うん、だからあれは一種の……「仕事」、そして「一所懸命働くこと」というテーマ、そしていかにしてこのとある恋愛関係に意味を見出すことができるかについて掘り下げたもの、というかな。ある面では音楽についての歌だし、ある面では誰かとのロマンチックな関係の意図的なメタファーにもなっていて、うん、そのふたつの異なる意味合いのある歌だね。だから、その意味ではかなり曖昧な曲と言えるけれども、一種こう、働くこと/なにかに取り組むことは楽しい行為になり得るってことを歌ってもいて……そうだね、がんばって働くことの肉体性という概念を、リズミックな働きぶりを祝福しているというのかな。だから1曲のなかにいろんなことが込められている。

[[SplitPage]]

自分たちにはそんなに多くの規範/ルールみたいなものはないと思う。ただ、今作に関して言えば、たぶん1曲を除いて、作った曲のすべてはまずまずダンサブル、あるいはファンキィと呼べるものだったんじゃないかな。

あなたは、おそらく前作『A Bath Full of Ecstasy』から、意識的に政治や経済といったトピックを歌のなかに盛り込んでいるように思いますが、しかし音楽面においては、それがポップ・ミュージックであることにことだわっていますよね?

アレクシス:そうだな、意見や批判はダイレクトに表現していると思う。ただし、それらは多くの場合、政治的に声高ではない、という。そうは言いつつ、今作の“The Evil That Men Do”では、かなり政治的にはっきり意見を述べているけれども……。僕たちの歌の歌詞のいくつかは、聴き手が読み取り理解するのにちょっと手間のかかるものもあるとはいえ、逆にもっとダイレクトなものもあるし、その両方のケースがあるんじゃないかな。とにかく曲次第で違うね。でもたしかに、僕個人としては、大仰な政治的声明を打ち出そうとすることを楽しいとは思わないね。政治ってものは、自分の音楽にはほとんど入り込んでこない物事だ、そう感じる。ジョーの方なんじゃないかな、音楽にもうちょっと政治が入ってくるのは? 僕はお説教めいた、人びとに教えを垂れるような表現の仕方をやるよりも、もっと、あくまでパーソナルな視点から話をしようとしている。

そもそも今作『Freakout/Release』を制作する上でのいちばんモチベーションはなんだったのでしょうか?

アレクシス:まあ、僕たちはかなり長いこと、全員でそろって一緒になにかに取り組むことができなかったわけだよね。僕はその間もソロ・レコード(『Silence』/2021)を作ったとはいえ、あの作品では本当に、リアルタイムでのコラボレーション、他のプレイヤーに来てもらい自分と一緒に音を出すという作業を含めることができなかった。ロックダウン中に作った作品だったからね。
 だからたぶん、ホット・チップのレコードを作る段になった頃までには、僕たち5人が同じ空間に一緒に集まるのが可能になったし、とにかくなにかエキサイティングなものを作りたい、全員で一緒にジャムり、僕たちが音楽を演るのを楽しんでいる、聴き手にもそれが伝わるようなものを作りたいと思ったんだろうね。
 それ以外の点で言えば、僕たちはある種の生々しい、パンキーなエネルギーを音楽に持ち込むことにも興味を抱いていたと思うけれども、結果的に、それほどパンクっぽい要素は残らなかったね。ごく一部、たとえば“Freakuout/Release”には、いわゆる「ロック」っぽい感触があるとはいえ……。僕たちはディストーションにも関心があったとはいえ、レコードが完成する頃までには、制作当初に考えていたそうした事柄のいくつかは抜け落ちていった、というのかな。だから、とてもディストーションの効いたピアノ・パートを用いたトラックがひとつあって、“Freakout/Release”もあり、また“Down”でもディストーションは使ったし、それらの楽曲を繋げてまとめる要素はあったものの、最終的にそのディストーションのかかったピアノを使った曲はアルバムから落とすことになった。ゆえにその面、ディストーションの哲学というか、ディストーションに対して僕たちの抱いていた関心、という面は伝わりにくくなったね。
 うん……だから、僕たちには「これ」といったしっかりした計画はなかったんだ。とにかく、再び全員で一緒に音楽を作れることになってワクワクしていただけだし、それ以外で言えば、ビースティ・ボーイズのあの曲、“Sabotage”だけど、僕たちはあれをライヴでよくプレイしているし、どうすればあのエネルギーの一部を自分たちの音楽のなかにも取り込めるだろう、ということを考えていた。

通訳:あなたたちがライヴで“Sabotage”をカヴァーするのを聴くのは、ほんと楽しいです。すごく楽しそうに演奏しているのがありありと分かるので。

アレクシス:うん、そうだよね。

多くの人間にとって本当にきつい時期だったし、いまだにそれは続いている。そのせいで職を失った者もいるし、久しぶりに対人関係にさらされ、社交面でどう振る舞えばいいかの自信を無くした人だっていると思う。

斉藤:ホット・チップのアルバムを完成とするにあたって、最低限守っている規範意識、あるいは自分たちなりの基準のようなものはありますか?

アレクシス:フム、自分たちにはそんなに多くの規範/ルールみたいなものはないと思う。ただ、今作に関して言えば、たぶん1曲を除いて、作った曲のすべてはまずまずダンサブル、あるいはファンキィと呼べるものだったんじゃないかな。スローで静かな、全体のノリから浮いている曲は1曲だけだったってことだし、それはこのレコードに収録しないことになったんだ、バンドの他の面々はあの曲は今作の楽曲群にそぐわないと感じていたから。
 ただ、僕たちはとにかく、自分たちにとって「ベストな曲だ」と感じられるものを選んでいこうとしているだけだ。僕たちの作る音楽は相当に折衷的だし。最近の僕は、昔よく聴いていたバンドに立ち返っていてね。たぶん自分は20 年以上聴いていなかったバンドだと思うけど、ウィーンを。

通訳:おお、ウィーンですか(笑)! 

アレクシス:(苦笑)うん、彼らの作品を聴き返していたんだけど——

通訳:笑ってしまってすみません、意外だったので、つい。でも私もウィーンは好きです。

アレクシス:僕もだよ! でまあ、いまの自分がああしてウィーンの音楽を聴き返しているうちに、彼らのレコードってどれだけ折衷的で混ぜこぜかを思い出したんだ。彼らって、サウンド面で言えば、1枚のレコードのなかで別のバンドが20組くらいプレイしてるって感じじゃない?

通訳:(笑)ええ。

アレクシス:で、彼らはホット・チップの初期にかなり影響が大きかった存在だったことを思うと、ってことは僕たちも常にこの、幅広いスタイルの選択肢をもつことが許される地点にいたんじゃないか? と。だから、ひとつの曲から次の曲へ、そこでガラっと変わっても構わないわけ。

今回は自分たちで設計したスタジオでの録音で、あなた自身も完成度には満足していると思います。アルバム全体には、ある種の暗さが通底しているように思えるのですが。“The Evil That Men Do”やポップ・ソングである“Guilty”のような曲にも、もちろん最後のじつに印象的な“Out Of My Depth”にも。

アレクシス:そうだな……アルバム曲のなかでも、たぶんもっともシリアスに響くんじゃないかと僕が思う歌詞――っていうか、コーラスと曲名がいちばん重そうに聞こえるのは“The Evil That Men Do”だと思うけど、あれはジョーが書いた言葉なんだ。だから、それは僕には説明できないとはいえ、彼がああいう声明を打ち出す必要性を感じていたのは、僕にも見えた。だから、この社会における男たちの振る舞いについて、彼らは自分たちの行動にどんな責任を負っているか、そして僕たち誰もが自らの振る舞いにどう責任を負っているか、その点についてジョーは何か言わずにいられなかった、と。彼があの曲で述べている声明はそれ、我々はみんな、なんらかの償いをしなくてはいけないってことだろうし……これまでずっと続いてきたひどい振る舞いの数々、そしてそれらが他の人びとにどんな影響をもたらしてきたか、そこに対する一種の「気づき」が必要なんじゃないかな。

通訳:なるほど。

アレクシス:そうは言っても、これはなにも、「男性的な振る舞い」だけがネガティヴなものだ、そう言っているわけではないんだよ。ただ、多くの破壊的な行為やネガな振る舞いの数々、それらはなるほどたしかに男性的なもののように思える、そう、かなり主張はしやすいよね? というわけで、あの曲はその点について歌っているし、この時点で——だから、イギリス内ではいろんな物事が植民地主義を基盤に築かれてきたわけで、その事実が社会全体から疑問を浴びはじめている、そういういまの時期を認識している曲なんだと思う。要するにブリテンの土台は、この「植民地主義」ってものの上に成り立っているわけだし、そこでジョーは、「その点を我々は認識しなくちゃいけない」って言っているっていう。そうやって、思うに彼は、一からやり直そう、これまで続いてきた実にネガで、破壊的で、人種差別で、暴力的な振る舞いの数々から教訓を学ぼうじゃないか、そう言っているんじゃないかな。
 で、君の挙げた曲のなかで、僕が歌詞面でもっと多く貢献したもので言えば、あれらはとにかく……今回のアルバムを作っていた間に僕が感じていたあれこれに関して、もしくは自分の周辺にいる人びとが困難な時期を潜っていた姿を観察し描いたもの、そのどちらかじゃないかと思う。だから、彼らが体験し感じていたことを表現しようとした、というか……いや、どちらかではなくて、その両方だな、僕自身が感じていたパーソナルなこと、そして僕の周りの愛する、大事な人びとが状況に悪戦苦闘していた、その両方について歌っている。というのも多くの人間にとって本当にきつい時期だったし、いまだにそれは続いている。いやだから、なにもかもをいったん一時停止せざるを得なかったわけで、その余波/反動はやっぱり大きいよ。そのせいで職を失った者もいるし、それだけじゃなく、たとえばここしばらく隠遁者めいた暮らしを送ってきたせいで、久しぶりに対人関係にさらされ、社交面でどう振る舞えばいいかの自信を無くした人だっていると思う。そうした多くのもろもろが合わさって、物事は2年前以来困難なものになっている、と。だからだと思う、今回のアルバムでは君が言ったような、やや暗いテーマがあるのは。
 だけど、そうは言いつつ“Out Of My Depth”のような曲は、とくにいまに限らず、僕のこれまでの人生のどの時点で生まれてもおかしくないものだと思う。あの曲は……物事が自分の思うようにいかないと感じる、あるいは自分にはコントロールできないと思うときのことを、「深みからなんとか泳いで水面に出る(swimming out of your depth)」というメタファーを使って表現している。要するに、ネガティヴな側面にこだわってグズついているのではなく、その状況から自分を引っ張り出す手段をなんとかして見つけていかなくちゃならないんだよ、と。そういう、一種のモチベーション高揚っぽい感情があるし、その感覚はいまに限らず、どの時期でも通用するものだと思う。

UKには、OMDやウルトラヴォックス、ABCやヒューマン・リーグ、ニュー・オーダーやペット・ショップ・ボーイズなど、素晴らしい楽曲と言葉をもったシンセポップ・バンドが、ホット・チップ以前にいくつも出てきています。こうした歴代のUKバンドのなかで、あなたがとくに共感しているバンドがあったらぜひ教えてください。

アレクシス:ニュー・オーダー、ヒューマン・リーグ、それにデペッシュ・モードだね。

通訳:ああ、デペッシュもですよね、なるほど。

アレクシス:うん。でも……(軽くため息をつきつつ)いま名前の挙がった連中以外にも、グレイトな音楽を作ったシンセポップ・バンドはほかにもいると思うんだ、たとえばユーリズミックスとかは僕も大好きだし。ただ……いま言われたようなバンドは、まあ、これはちょっとおかしな話に聞こえるかもしれないけど、彼らの作ったレコードは——もちろんそれぞれファンタスティックな作品だとはいえ——僕自身にとっては、そのほかにもっと大切なレコードがある、という存在なんだよね。だからまあ、彼ら(英シンセポップ勢)の作品はホット・チップというバンドの基盤を成す作品群ではない、っていうのかな。僕たちが目指しているサウンドは必ずしもそれらではない、と。おそらく、僕たちがその手のバンドの音楽をいくつか聴くようになったのは、もっと最近の話じゃないかと思う。
いや、もちろんメンバーによって差はあるし、たぶんオーウェン(・クラーク)は、そういったバンド、OMDの音楽なんかには長く親しんできただろうね。でも、僕からすれば、いま名前の出たバンドのなかでよく知っていると言えるのはニュー・オーダーだけで、彼らの音楽は若い頃から本当によく聴いてきた。で、ヒューマン・リーグに関しては、そうだなぁ、15年くらい前に初めて少し聴き始めたし、アルバムまでは細かく知らないんだ。シングルをいくつか知っているくらいで、それらのシングルは素晴らしいとはいえ、自分にヒューマン・リーグについて詳しい知識があるとは、お世辞にも言えない。ABCはほんと、ラジオでかかる有名な曲以外は知らないし……ああ、それにスクリッティ・ポリッティ、彼らも僕にとってかなり重要な存在だと思う。でも、それらUKのシンセポップ系バンド以上に、僕にとって大事なのは——ソウル・ミュージックだと思う。たとえばスティーヴィー・ワンダーやカーティス・メイフィールド、マーヴィン・ゲイ。それにヒップホップ、プリンスのレコード、そしてUSのインディペンデントなローファイ系の音楽、それらの方がおそらく、僕個人の音楽の趣味という意味では、もっと大事だろうね。

Dry Cleaning - ele-king

 昨年の『New Long Leg』が高い評価を得たロンドンのバンド、ドライ・クリーニング。エレキングでも年間ベストの4位に選出しましたが、先日セカンド・アルバムのリリースがアナウンスされています。発売はCD・ヴァイナルともに10月21日、現在 “Don't Press Me” が公開中です。

Dry Cleaning
大注目の新世代バンド、ドライ・クリーニング
最新アルバム『Stumpwork』を10月21日に発売!

ロンドンを拠点に活動するバンド、ドライ・クリーニングが、10月21日にセカンド・アルバム『Stumpwork』を発売することを発表した。合わせてリード・シングル「Don't Press Me」のMVを公開した。デビュー・アルバム『New Long Leg』は、全英アルバム・チャートで4位を獲得、2021年のベスト・アルバムの一つとしても選定され高い評価を得ている。(The New York Times、Pitchfork、SPIN、The Atlantic、The Ringerが、その年のトップ10アルバムに選出)ここ日本でも音楽専門誌からファション誌まで幅広いメディアに取り上げられ、絶賛された。

公開された「Don't Press Me」は、ゲームをする快感と、強烈だが短命な、罪悪感のない体験の楽しさについて歌っている。ヴォーカルのフローレンス・ショウは、次のように語っている。「コーラスの言葉は、自分の脳みそに向かって歌う曲を書こうとして生まれたの。『あなたはいつも私と敵対している/あなたはいつも私にストレスを与えている』ってね。」アニメーションによるオフィシャル・ビデオは、ピーター・ミラードが手がけたもので、ナイーブに描かれたバンドの姿が、曲のフックとリフに完璧にマッチしている。

Dry Cleaning - Don't Press Me
https://www.youtube.com/watch?v=gjVc8lYIaUM

アルバム『Stumpwork』は、2021年末にウェールズの田園地帯に戻り、再びジョン・パリッシュとエンジニアのジョー・ジョーンズとタッグを組み製作された。同じスタジオで、同じチームと信頼関係を築いたことで、インポスター症候群(*自分の能力や実績を認められない状態)と不安感は、自由へと変換され、すでに豊かだった彼らの音のパレットをさらに探求し、自分たちのクリエイティブなビジョンにさらなる自信をつけることができた。新作は様々な出来事や概念、政治的混乱からインスピレーションを受けている。今回もシュールな歌詞が前面に押し出されているが、家族や、金、政治、自虐、官能といったテーマに対する感受性も新作では高まっている。作品全体に渡り、激しいオルタナ・ロックのアンセムがジャングル・ポップやアンビエント・ノイズと融合し、バンドが受けてきた影響の豊かさと彼らの音楽に対する深い造詣として表れている。

アルバムとシングルのアートワークは、他分野で活躍するアーティスト・デュオであるロッティングディーン・バザール(Rottingdean Bazaar)と写真家のアニー・コリンジ(Annie Collinge)によって考案・制作された。本作の日本盤CDには解説および歌詞対訳が封入され、ボーナス・トラックを追加収録される。なお、限定ブラック・ヴァイナルには購入者先着特典としてシングル「Don't Press Me」とアルバム未収録曲をカップリングした特典7インチ(レッド・ヴァイナル)をプレゼント。通常アナログ盤はホワイト・ヴァイナル仕様でのリリースとなる。6月15日より各店にて随時予約がスタートする。

label: 4AD / Beat Records
artist: Dry Cleaning
title: Stumpwork
release: 2022.10.21 FRI ON SALE

国内盤CD:4AD0504CDJP ¥2,200+税
解説+歌詞対訳冊子/ボーナストラック追加収録

CD 輸入盤:4AD0504CD
¥1,850+税

LP 限定盤:4AD0504LPE(限定ブラック/先着特典7インチ)
¥3,850+税

LP 輸入盤:4AD0504LP(通常ホワイト)
¥3,850+税

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=12859

TRACKLISTING
01. Anna Calls From The Arctic
02. Kwenchy Kups
03. Gary Ashby
04. Driver's Story
05. Hot Penny Day
06. Stumpwork
07. No Decent Shoes For Rain
08. Don't Press Me
09. Conservative Hell
10. Liberty Log
11. Icebergs
12. Sombre Two *Bonus Track for Japan
13. Swampy *Bonus Track for Japan

Sam Prekop and John McEntire - ele-king

 ポストロック巨頭同士のコラボだ。ザ・シー・アンド・ケイクサム・プレコップと、トータスの(そしてザ・シー・アンド・ケイクのメンバーでもある)ジョン・マッケンタイアによる共作『Sons Of』が7月22日にリリースされる。先行公開済みの “A Ghost At Noon” を聴くかぎり……なんと、4つ打ち!? ふたりの新たな展開を確認しておきたい。

Sam Prekop and John McEntire(サム・プレコップ・アンド・ジョン・マッケンタイア)
『Sons Of』(サンズ・オブ)

THRILL-JP 54 / HEADZ 254 (原盤番号:THRILL 578)
価格(CD):2,200円+税(定価:2,420円)
発売日:2022年7月22日(金) ※海外発売:2022年7月22日
フォーマット:CD / Digital
バーコード:4582561397851

1. A Ghost At Noon 7:52
 ア・ゴースト・アット・ヌーン
2. Crossing At The Shallow 10:58
 クロッシング・アット・ザ・シャロウ
3. A Yellow Robe 23:41
 ア・イエロー・ローブ
4. Ascending By Night 13:41
 アセンディング・バイ・ナイト
5. Gathering At The Gate 7:58
 ギャザリング・アット・ザ・ゲイト
Total Time:64:19
※Track 5:日本盤のみのボーナス・トラック

Music by Sam Prekop and John McEntire
Recorded in Chicago and Portland 2021/2022
Mastered by John McEntire

Photo by Heather Cantrell
Artwork/design by Sam Prekop
Layout by Daniel Castrejón

ザ・シー・アンド・ケイク(The Sea and Cake)のフロント・マン、サム・プレコップ(Sam Prekop)と、トータス(Tortoise)の頭脳(実質的リーダー)で、サムとはバンドメイトでもあるジョン・マッケンタイア(John McEntire)による、デュオとしての初のコラボレーション・アルバムが完成。
海外では100本限定のカセットと超限定のCDでのみリリースされるそのアルバム『Sons Of』を、日本では超限定にはせず、ボーナス・トラックを追加してリリース。
マスタリングはジョン・マッケンタイアが担当し、アートワーク/デザインはサム・プレコップが担当。

二人のデュオ作品としては、2019年にMapstationとのスプリットでリリースされた「Kreuzung」以来となりますが、この様な単独でのフィジカル作品としてのリリースは初。
サムの2015年のインスト・ソロ・アルバムの2作目(通算4作目)『The Republic』以来の猫ジャケ(ジャケの猫はジョン・マッケンタイアの愛猫)。

ライブ音源(2019年の秋のヨーロッパ・ツアー、2021年11月のシカゴでのライブ)や、サムはシカゴ、ジョンはポートランドでのリモート(遠隔)コラボレーションをベースに制作されているが、彼らの本質にある類稀なるポップ・センスを生かし、様々な実験を施したポスト・プロダクションによって、より洗練されたサウンドに仕上げ、親しみ(聴き)易くも、非常に刺激的な電子音響作品を創り上げました。

サム・プレコップの近年のソロ作のファンは勿論、トータス・ファンやジョン・マッケンタイアのプロデュース作品のファンも必聴の、煌びやかで、清涼感溢れる、彼らの音楽遍歴が反映された、素晴らしいインストゥルメンタル・アルバムとなっています、

オリジナルのリリース元は今年2022年で設立30周年となる米シカゴの老舗インディー・レーベルThrill Jockey Recordsで、アニヴァーサリー・イヤーに相応しい作品となっています。

ライナーノーツは、現在はラジオDJや(DAOKOやTENDOUJI他の)音楽プロデューサーとしても著名な、GREAT3/Chocolat & Akitoの片寄明人と、日本のアンビエント・ドローンのオリジネーターで、100台ものキーボードで干渉音やモアレ共鳴を扱う『100 Keyboards』のパフォーマンス他で欧米を中心に、近年特に海外で高い評価を得ているサウンドアーティスト、ASUNA(アスナ)が担当しています。
片寄はジョン・マッケンタイアとも親交の深く、今作のタイトル『Sons Of』は、彼がジョン・マッケンタイアと『HAPPY END PARADE ~tribute to はっぴいえんど~』に参加した際のユニット名(氷雨月のスケッチ/Sons Of [片寄明人 from Great3+John McEntire from TORTOISE] )から来ています。
ASUNAは、自身のレーベルaotoaoで長年のツアーで直接共演してきたアーティストからなる『カシオトーン・コンピレーション』のシリーズをリリースしており、サム・プレコップも『Casiotone Compilation 7』(2017年)に参加しています。サムとASUNAの出会いのきっかけは、以下URLのASUNAが2020年に執筆した『Comma』のHEADZのHP用のレビューの中で触れられています。今回の『Sons Of』のリリースに合わせて、ASUNA本人がアップデートした改訂版となっておりますので、この機会にこちらもチェックしてみて下さい。
https://faderbyheadz.com/release/headz247.html

◎ 解説:片寄明人(GREAT3)、ASUNA
◎ 日本盤のみ完全未発表のボーナス・トラック1曲を追加収録決定
◎ 世界同時発売(2022年7月22日)

サム・プレコップは、近年海外でも再評価が進む清水靖晃、尾島由郎、吉村弘、イノヤマランド他の80年代の日本のニューエイジやアンビエントの名作群にインスパイアされ、ジョン・マッケンタイアがミックスを担当した5作目(インスト作品としては3作目)のソロ・アルバム『Comma』を2020年にThrill Jockeyからリリースし、高い評価を得て(ピッチフォークも8点越え)、日本でもロング・セラーとなっています。
2021年にはサムがセルフ・リリースしたEP『In Away』を日本盤のみでCD化し、こちらのCDも国内外で好調なセールスを記録しています。

現在、ポートランド在住のジョン・マッケンタイアは近年、エンジニアやプロデューサーとして、以下のような作品に参加しています。
・Modest Mouse の2021年のアルバム『The Golden Casket』(録音、ミックスで参加)
・Ryley Walker の2021年のアルバム『Course In Fable』(プロデュース、録音、ミックス、シンセ、キーボードを担当)
・June Of 44 の2020年の再結成アルバム『Revisionist: Adaptations And Future Histories In The Time Of Love And Survival』(ミックスとリミックスを担当)
・Yo La Tengo の2018年のアルバム『There's A Riot Going On』(ミックスを担当)

 今年の夏はダンスの夏になる……だろうと、勝手に思ってました。いや、本当になるんじゃないかな。渋谷のContactも夏までは営業しているようだし、どうか、コロナの影響も最小限に、ダンスの夏になりますように。

dip in the pool - ele-king

 近年ヴィジブル・クロークスとのコラボなどを機に再評価の高まっているdip in the pool。木村達司と甲田益也子から成るこのデュオが、なんと、ラリー・ハードをカヴァー。曲はミスター・フィンガーズ名義で89年にリリースされた“What About This Love”。10月20日に発売されるアルバム『8 red noW』に収録されます。
 また10月8日・11月13日・12月5日には東京・京都・札幌での公演も決定している。あわせてチェックしておこう。

Special Interest - ele-king

 もしきみがアナキストなら、スペシャル・リクエストを聴かねばならない。いや、アナキストでなくてもいいが、こんな時代だからこそ彼らのパンク・サウンドに耳をすますべきだろう。
 昨年の『The Passion Of』が高く評価されたニューオーリンズのこの4人組、なんと〈Rough Trade〉と契約を交わしたそうだ。と同時にアルバムのリリース1周年を記念して、同作収録曲 “Street Pulse Beat” のMVも公開されている。監督はバンドのヴォーカルのアリ・ログアウト。短編映画仕立てです。
 ちなみに、2016年にカセットでリリースされたデモテープ「Trust No Wave」も〈Warp〉傘下の〈Disciples〉からヴァイナルでリイシュー中。今後の動向に注目を!

Special Interest
ニューオーリンズ在住の4ピース・バンド
スペシャル・インタレストが名門〈Rough Trade〉と契約!
アルバム『The Passion Of』の1周年を記念してパワフルな
最新ビデオ「Street Pulse Beat」を公開中。

ニューオリンズのノーウェイブ・パンク・グループ、スペシャル・インタレストは、最新アルバム『The Passion Of』のリリース1周年を記念して、アルバム収録曲 “Street Pulse Beat” の超パワフルなMVを公開した。スペシャル・インタレストのボーカルであるアリ・ログアウトが監督を務め、FADERで初公開された。独自の世界観が醸し出す不思議空間とストーリー、さながら映画の中にいるような臨場感を感じられる。

Special Interest- STREET PULSE BEAT (Official Conspiracy)
https://www.youtube.com/watch?v=6sGAN9y-HnQ&feature=youtu.be

スペシャル・インタレストは、ニューオーリンズのDIYシーンから生まれた。デモテープ「Trust No Wave」とデビュー12インチ「Spiraling」を経て、2020年に2枚目のLP『The Passion Of』をリリース、カオティックかつメロディックなアルバムの世界観が各所で注目された。さらに9月にはアルバム『The Passion Of』サポートするツアーを敢行することを明かしている。 Pitchfork Festivalへの出演や、ブルックリンのMarket Hotelでの公演も予定されている。〈Rough Trade〉は、スペシャル・インタレストの次のアルバムに向けて、彼らと契約したことを先日発表した。その詳細は後日発表される。

label: BEAT RECORDS / DISCIPLES
artist: Special Interest
title: Trust No Wave
release date: NOW ON SALE

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=11826

interview with KANDYTOWN (Neetz & KEIJU) - ele-king


KANDYTOWN
LOCAL SERVICE 2

ワーナーミュージック・ジャパン

Hip Hop

Amazon Spotify Apple


KANDYTOWN
LOCAL SERVICE COMPLETE EDITION

ワーナーミュージック・ジャパン

Hip Hop

Amazon Tower HMV

 東京・世田谷を拠点にするヒップホップ・コレクティヴ=KANDYTOWN。グループとしてはメジャーからこれまで2枚のアルバム(2016年『KANDYTOWN』、2019年『ADIVISORY』)をリリースし、さらにほとんどのメンバーがソロ作品をリリースする一方で、音楽のみならずファッションの分野でも様々なブランドとコラボレーションを行なうなど、実に多方面に活躍する彼ら。コロナ禍において、ほぼ全てのアーティストが活動を自粛せざるをえない状況であった2020年、彼らは『Stay Home Edition』と題したシリーズを自らの YouTube チャンネルにて開始して新曲を立て続けに発表し、多くのヒップホップ・ファン、音楽ファンへ勇気と活力を与えた。

 この『Stay Home Edition』で公開された3曲をブラッシュアップし、さらに3つの新曲を加えて2月14日にリリースされたEP「LOCAL SERVICE 2」。タイトルの通り、このEPは2年前の同日にリリースされた「LOCAL SERVICE」の続編であり、この2月14日という日付が KANDYTOWN のメンバーである YUSHI の命日ということを知っているファンも多いだろう。今回のインタヴューでは KANDYTOWN のメイン・プロデューサーである Neetz と昨年、アルバム『T.A.T.O.』にてメジャー・デビューを果たした KEIJU のふたりに参加してもらい、彼らにとって非常に大きな意味を持つ 2nd EP「LOCAL SERVICE 2」がどのような過程で作られていったのかを訊いてみた。

注:これまで配信のみでリリースされていたEP「LOCAL SERVICE」と「LOCAL SERVICE 2」だが、今年4月に初めてCD化され、2枚組のCD『LOCAL SERVICE COMPLETE EDITION』として〈ワーナー〉からリリースされる予定。

スタジオができたタイミングで緊急事態宣言が出て。こういう時期だから音楽を出してステイホームしている人に聴いてもらえたり、少しでも勇気づけられたらっていう感じで。それでみんなで集まって曲を作ったのがまず初めですね。(Neetz)

あの頃は人に全然会っていなかったので。みんなに会って「うわぁ楽しい!」ってなって〔……〕。浮かれちゃう自分に釘を刺すようなリリックをあそこで書いて、自分を引き留めたじゃないけど、いまだけを見て何か言ってもいいことないときもあるし。(KEIJU)

前回インタヴューさせていただいたのがアルバム『ADVISORY』のリリースのタイミングで。その後、コロナで大変なことになってしまったわけですが、やはり KANDYTOWN の活動への影響は大きかったですか?

KEIJU:NIKE AIR MAX 2090 にインスパイアされた楽曲の “PROGRESS” (2020年3月リリース)を作っていたときが、世の中が「やばい、やばい」ってなっていた時期で。自分たちも世間の皆様と同じように困ることもあったんですけど、人数が多いグループなので集まりづらいっていうのがいちばん大きくて。どうしても目立つ集団でもあるので、人目を気にして、外では会えなくなりました。けど、一昨年から、自分たち用のスタジオや事務所を用意するっていう動きをしていたのもあって。ちょうど去年の4月くらいに事務所とスタジオを借りて。それで音楽を作ろうってはじまったのが、今回出た「LOCAL SERVICE 2」にも繋がる『Stay Home Edition』で。

『Stay Home Edition』はどういったアイディアから来たものでしょうか?

Neetz:スタジオができたタイミングで緊急事態宣言が出て。こういう時期だから音楽を出してステイホームしている人に聴いてもらえたり、少しでも勇気づけられたらっていう感じで。それでみんなで集まって曲を作ったのがまず初めですね。

『Stay Home Edition』では結果的に3曲発表しましたが、あの順番で作られたんですか?

Neetz:そうですね。最初が “One More Dance” で、次が “Faithful”、“Dripsoul” という順で。

KEIJU:1ヵ月半とかのうちに全部曲を出し切って、それをEPとして完成させちゃおうって話になっていたところを〈ワーナー〉とも話をして。ちゃんと段取りをして、しっかりやろうっていうふうになったので(『Stay Home Edition』を)一旦止めて。

Neetz:どうせならちゃんとオリジナル・トラックで作って、まとめてEPとしてリリースにしようっていう話になって。

KEIJU:だから、ほんとは8月とかには曲もほぼできている状態だったんですよ。でも、〈ワーナー〉の人にも会えなくて、話し合いができなかったりもして。それにそのタイミングで出してもライヴもできないし。

では、リリースまでのタイミングまでにけっこう温めていた感じなんですね?

Neetz:そうですね。3月から5月にかけてレコーディングを全部終えて、そこから既に出ている3曲のトラックを差し替える作業をやって。ミキシングも自分のなかで時間がかかっちゃって。それで全部が終わったのが9月くらい。それなら「LOCAL SERVICE 2」として2・14に出そうっていうことになって。

いまおっしゃった通り、『Stay Home Edition』と今回のEPでは全く違うトラックになっていますが、『Stay Home Edition』のほうは Neetz くんのトラックだったのですか?

Neetz:ではなかった。だから、どうせなら全部変えてやろうっていう意気込みで俺独自の感じで作ったので、その色が強くなったのかなと思います。

改めて “One More Dance” がどのように作られていったのかを教えてください。

Neetz:IO が最初にオリジナルのトラックを持ってきて、フックを最初に入れて。Gottz と柊平(上杉柊平=Holly Q)がそのとき、スタジオにいたので、IO のフックを聴いて柊平と Gottz がそのフックのコンセプトに当てはめてリリックを書いていった感じですね。

KEIJU:自分が聞いた話では、IO くんと柊平が中目黒に新しい事務所の家具を買いに行った帰りにスタジオに寄って。「このまま曲を作ろうか?」って流れで作ったら Gottz が来て、それで3人で作ってったそうです。

完全にノリで作ったわけですね。

KEIJU:今回の『Stay Home Edition』はいちばん昔のノリに近かったかなってちょっと思ってて。突発的に「会って遊ぼうよ」から、なにかを残そうじゃないけど、ノリで「曲やろう!」ってなってできた感じだった。自分は結構「コロナ大変なことになってるな」と思っていましたし、自分のソロ・アルバムのこともあって、その時期はあんまりみんなに会わないようにしていたんですよ。だから、自分は客観的にみんなの動きを見てたんですけど、さっき LINE が飛び交っていたと思ったら、その5、6時間後には曲ができていたりして。そういうのが、すごく昔の感じだなって思いましたね。

Neetz:そうだね。KEIJU はみんなの動きを客観的に見てた側だったのかもしれない。

そういうこともあって、今回は KEIJU くんの参加曲が1曲なわけですね?

KEIJU:そうですね、参加曲が少ないのはそれが理由っすね。兄に子供ができたりもして、みんなとは会わないほうがいいと思って。

Neetz:KEIJU は KEIJU のスタンスを貫いてましたね。

KEIJU:みんなが新しい事務所に溜まっていて、自分は「いいなぁ、楽しそうだな」って感じで見てて。でもさすがに(EPを)出すっていうから、「参加したいです!」って言って参加させてもらった感じです。

ちなみに最初の3曲には IO くんと Holly Q が3曲とも参加していて、それってなかなか珍しいですよね? 特に IO くんは前回の「LOCAL SERVICE」には1曲も入ってなかったと思いますし。

KEIJU:最初の “One More Dance” を作った流れで自然と、その感じで2、3曲目も動けたんじゃないですかね。コロナのこのタイミングで出そうっていうイメージまでもって。

Neetz:それがみんなにも伝わったのがデカかった。

ちなみに『Stay Home Edition』で “One More Dance” の説明の欄にヘレン・ケラーの言葉が引用されていましたけど、あれは誰が考えたんでしょうか?

Neetz:あれも IO くんのチョイスですね。

曲自体はノリで作られたのかもしれないけど、そういう部分も含めてすごくメッセージ性がある曲だなと思いました。

KEIJU:作る過程で「こういう人に向けて、こういう曲を書いてみよう」みたいな話は若干あったんだと思います。

Neetz:“One More Dance” に関しては統一性がしっかり取れていて。より統一性を出すために、リリックを書き直してもらったりもしました。

たしかに『Stay Home Edition』とEPでは、若干リリックが違いましたよね。

Neetz:曖昧になっている部分を、曖昧にしないで具体的にしようかなって感じで柊平に直してもらって。

KEIJU:Neetz から言ったんだ? 柊平ってけっこう、自分の作ったものに対してのクオリティが保たれているかすごい気にするじゃん。「これで良いのかな?」って訊いてくるもんね。

Neetz:そういう人には言ってあげたほうが良いかなって。

『Stay Home Edition』のコメントを見ると Holly Q 人気が高いというか。あの3曲で改めて彼の評価が上がっていますよね。

KEIJU:“One More Dance” のラップも初めて聴いたとき、1個違うレベルというか、柊平の新しい面が見えたなって。いままでは全部出し切るっていう感じだったけど、ちょっと手前で止めるみたいな歌い方であったり。そういう新しさをすごく感じて。

俳優としてもすごく活躍されていて、テレビドラマとかにも出ていますけど、ちなみにメンバーはどういうふうに見ているんですか?

KEIJU:俺は率直にすごいと思うし、みんなそう思っていると思う。ポッと出ではないですし、19歳とかそのくらいからバイトをしながらモデルをやったり、事務所を変えたりっていう過程を見ているので。ただ、柊平が出ていると客観的に観れなくて、内容が入ってこなくなっちゃう(笑)。だから、あんまりがっつりは観ないんですけど、普通にできないことだなと思います。

Neetz:すごいなと思いますね。

その中で今回みたいにちゃんと曲にも参加しているのが凄いですね。

KEIJU:前回の『ADVISORY』のときも、柊平の撮影が忙しくて1ヵ月間いられなくなるってなって。けど、柊平が「入れないのは嫌だから」って言って、誰もまだリリックを書き出していない頃にひとりで書いて、3、4曲とか録って撮影に行ったんですよ。意欲が本当に凄くて。柊平のあのヴァイブスにみんなも感化されて、負けていられないから、自分もやろうってなったのは感じましたね。

[[SplitPage]]

いつでも俺らは変わらないぜっていうのを示した曲になったと思います。KANDYTOWN のソウルフルで渋い感じの良さとか、昔ながらの感じを受け継いでいる、今回のEPの中でも唯一の曲だと思います。(Neetz)

「こうなりたい」とか「絶対こうあるべき」っていうのが自分たちにはなくて。とにかく自分たちが良いと思ったものとか、それに対する理由とかを、もっと深いところで話し合うことができたらなって思います。(KEIJU)


KANDYTOWN
LOCAL SERVICE 2

ワーナーミュージック・ジャパン

Hip Hop

Amazon Spotify Apple


KANDYTOWN
LOCAL SERVICE COMPLETE EDITION

ワーナーミュージック・ジャパン

Hip Hop

Amazon Tower HMV

EPの後半3曲は完全な新曲となるわけですけど、まず “Sunday Drive” は Ryohu くんがトラックを担当で。以前のインタヴューのときに KANDYTOWN の曲は基本 Neetz くんが作って、さらに Neetz くんが出していない部分を Ryohu くんが埋めるみたいなことは仰ってましたが、今回も同様に?

Neetz:そういう感じで作っていました。このEPの中の俺にはないような曲(“Sunday Drive”)を入れてきてくれたので、すごくバランスが良くなって。結果、Ryohu のビートがスパイスになっていますね。

“Sunday Drive” はおふたりともラップで参加していますが、トラックを聴いてどういう感じでリリックを書いたのでしょうか?

KEIJU:最初はもっとブーンバップというか、ベースが効いてるヒップホップなビートだったけど、最終的には最新っぽさも足されたものが返ってきて。ビートを聴かせてもらったときに、「これだったらいますぐリリックを書こうかな」って。そのとき、一緒にいたっけ?

Neetz:一緒にいたな。

KEIJU:リリックを一緒に書いて、「どうしようか?」ってなって。

Neetz:それで、KEIJU が伝説の2小節を入れて。

KEIJU:伝説の2小節からはじまったけど、タイトルが “Sunday Drive” になって「アレ?」ってなった(笑)。「俺の伝説の2小節は?」って。それでその2小節はやめて、新たにフックを書いて。

Neetz:まとまっていないようでまとまってる。いつもの俺らですね。

(笑)

KEIJU:俺はとにかく、あの頃は人に全然会っていなかったので。みんなに会って「うわぁ楽しい!」ってなって、その思いが全部出ているような恥ずかしい感じのリリックになっちゃって。サビも書いてって言われていたから、メロディーとかも考えながら、「ああじゃない、こうじゃない」を繰り返していて。高揚している自分と地に足付けるバランスの中で、あのリリックとフロウが出てきて。浮かれちゃう自分に釘を刺すようなリリックをあそこで書いて、自分を引き留めたじゃないけど、いまだけを見て何か言ってもいいことないときもあるし。でも、サビはすぐできたよね?

Neetz:そうだね。

KEIJU:4小節自分で書いたものを Dony(Joint)と Neetz、MASATO に歌ってもらって。

Neetz:結果、みんな自分に向かって書くようなリリックになって。

KEIJU:渋い曲になったよね。

ビートへのラップの乗せ方もすごく気持ち良いです。

Neetz:そうですね。EPのなかでいちばんリズミカルな感じになっていて。4曲目でそれが出てくることによって、すごく映えるようになってる。

あと曲の最後のほうに「届けるぜローカルなサービス」ってラインがありますが、この時点でタイトルを「LOCAL SERVICE 2」にするっていうのはあったんですか?

Neetz:まだですね。MASATO がたまたまそのワードを入れて。EPのタイトルは完全に後付けです。

次の “Coming Home” ですけど、これは Gottz&MUD のコンビを指名したんですか?

Neetz:本当は Gottz&MUD のアルバム用に作ったビートで、それに入る感じだったんだけど。コンセプト的にも今回のEPに入れたほうが良いかなってなって。MUD にワンヴァース目をやってもらって、Gottz も書いてくれたけども。(今回のEPに) KEIJU のヴァースが少なすぎるってなって、KEIJU も入れようと思ったけど……。

KEIJU:まあ、そういうことがあったんですけど、良い曲だなって。

あのふたり用に作った曲っていうのは伝わってくるようなトラックですよね。

KEIJU:それに、なんかあのふたりのセットを(ファンが)求めている流れもありますから。そういうこともあって自分は身を引こうと思って。

最後の曲の “Sky” ですが、リリックもトラックも KANDYTOWN そのものを表している感じがしますね。

Neetz:いつでも俺らは変わらないぜっていうのを示した曲になったと思います。KANDYTOWN のソウルフルで渋い感じの良さとか、昔ながらの感じを受け継いでいる、今回のEPの中でも唯一の曲だと思います。

この曲で言っていることがまさにいまの KANDYTOWN のスタンスにも感じますね。

Neetz:そうですね。変わらずあり続けるのもそうだし、この仲間とやっていくことがすごく大事だと思うし。そういうスタンスでこれからもやっていけたらなって思いますね。

ちなみに、客観的に見てどの曲が好きですか?

Neetz:トラック的に上手くできたのは3曲目(“Dripsoul”)。

KEIJU:俺はやっぱ、最初に聴いたときの “One More Dance” のインパクトが強くて。IO くんがああいうメロディーをつけるときのモードがあるじゃない?

Neetz:たしかに、たしかに。

KEIJU:そのメロディーが聴こえたからすごく印象に残っている。

覚悟みたいなものですかね?

KEIJU:そう、覚悟があるなって感じて。あと、好きな曲というと、自分が入っている曲(“Sunday Drive”)は制作現場にいて、みんなの雰囲気とかも含めてすごく良かったと思うし。それに対して自分はスムースで昔っぽさもある感じにできたので、“Sunday Drive” は良いなと思う。サビの掛け合いとかもしばらくはやっていなかったので、「一緒にリリックを書くのも良いよね」って話をしながらやったのも憶えているし、結構楽しかったよね。

Neetz:久々に楽しかった。

久々にみんなが会うというのは、やなり何か違うものがありますか?

KEIJU:それはもう、だいぶ違いましたね。あのときってみんな寂しくてとかじゃないけど、「うわぁ、浮足立つなぁ」って。言わなくてもいいことを言っちゃいそうだなみたいな。しかもそれをリリックに書いちゃいそうなくらい、普段は言わないことを言おうとしちゃう。それが嫌だなって部分もあったんですけど。

Neetz:若干どんよりしたというか。そういう雰囲気だった気もするけど。違う?

KEIJU:それもあったかもね。この先どうなるか分からないし。俺とか本当にコロナを気にしていたので、みんなに「手洗った?」ってすぐ訊くような勢いだったんで。

それだけ人数いれば、人によって考え方も全然違いますしね。

KEIJU:あの活動(『Stay Home Editon』)がはじまったときに、「はじまったそばから、すげぇやってるな?!」とか思いながら。俺は羨ましくもあり、みんなに会いてぇなっていうのもあったし。置いてけぼり感もすごくあった。いま思うとそんなに(以前と)変わりないと思うんだけど、久しぶりに会ったときは違ったね。

KANDYTOWN の次の作品に向けてもすでに始動していると思いますが、現時点でどのような感じになりそうでしょうか?

Neetz:とりあえず、ビート作りははじまっていて。このEPの音作りは俺独自で進めたので、次の作品に関してはもっとみんなの意見を取り入れたものを作れたらいいなと思ってます。あと、「KANDYTOWN に合うサウンドとは?」っていうのをめちゃくちゃ考えていて。「それって何だろう?」って考えてたときに、昔のソウルフルな感じであったり、1枚目(『KANDYTOWN』)の感じの音なのかなって思ったりもするし。まだ答えは分かってないんですけど。

KEIJU:さっきふたりで車の中で話をしていて。もっと幅を広げたり、Neetz の言うように昔のソウルフルなスタイルで続けていくのも良いよねって。やれる範囲で幅を広げていこうって話をしてはいて。ビートのチョイスもいままでやっていなかったこともやってみようって。

Neetz:結果的にそれが KANDYTOWN のサウンドになるので。

KEIJU:そう。自分たちのこれまでの活動の中でも、それまでやらなかったビートをチョイスしてやってきて、それでちょっとずつ進化している。昔、YouTube にもアップした “IT'z REVL” って曲とか、当時は自分たちの中ではすごく新しいチョイスで、新しい感覚だと思ってやってたし。少しずつ、そういう変化を上手く出せていけたらいいなって思う。あと、「こうなりたい」とか「絶対こうあるべき」っていうのが自分たちにはなくて。とにかく自分たちが良いと思ったものとか、それに対する理由とかを、もっと深いところで話し合うことができたらなって思います。そうやって、深い部分で切磋琢磨していけたら、新しいものが生まれるなって思っているので。

メンバー間のコミュニケーションの部分などで何か以前と変化はあったりしますか?

KEIJU:最近はコミュニケーションを高めていて。自分らは最近野球をやっているんですけど。(インタヴューに同行していた)DJの Minnesotah はバスケをやっていて。KANDYTOWN の中でもバスケと野球とサッカーってチームが分かれているんですけど、そういう感じで集まれる時間を増やしていこうよって話をしていて。それが音楽に直結するわけではないですけど、日々の言葉のキャッチボール的なことができればなと思ってて。そうすることで、これからの KANDYTOWN の作品が、もっと密なものになればいいなって思いますね。

KANDYTOWN
2nd EP「LOCAL SERVICE 2」より
“One More Dance” の MUSIC VIDEO 公開

国内屈指のヒップホップクルー KANDYTOWN が本日2月14日配信の 2nd EP「LOCAL SERVICE 2」より、
先行配信トラック “One More Dance” の MUSIC VIDEO を公開。この映像は前作 “PROGRESS” に引き続き盟友:山田健人が手掛ける。楽曲に参加している IO、Gottz、Holly Q、Neetz に加えクルーから Ryohu、Minnesotah、KEIJU、Dony Joint、Weelow がカメオ出演。

2月14日より配信となった 2nd EP は2020年の4月・5月の Stay Home 期間中に公開された楽曲3曲を再度レコーディングしリアレンジしたものに新曲3曲を収録。楽曲のレコーディングやプロデュースをメンバーの Neetz が担当。海外作家との共作やアレンジャー起用して作られたトラックなど意欲作が並ぶ。

そして、4月21日には、配信リリースされていた2019年2月14日発売の 1st EP「LOCAL SERVICE」と2021年2月14日発売の 2nd EP「LOCAL SERVICE 2」の両作品を2000枚限定で初CD化し1枚にコンパイル。
DISC 1 の「LOCAL SERVICE」は過去に限定でレコードのリリースはあったがCD化は初となる。

“One More Dance” MUSIC VIDEO
https://youtu.be/iY340Z3BTdA

2nd EP「LOCAL SERVICE 2」& 限定生産2CD EP『LOCAL SERVICE COMPLETE EDITION』
https://kandytown.lnk.to/localsevice2

[MJSIC VIDEO CREDIT]
KANDYTOWN LIFE PRESENTS
FROM""LOCAL SERVICE 2""
『One More Dance』

Director : Kento Yamada
Director of Photography : Tomoyuki Kawakami
Camera Assistant : Kohei Shimazu
Steadicam Operator : Takuma Iwata

Lighting Director : Takuma Saeki
Light Assistant : Hajime Ogura

Production Design : Chihiro Matsumoto

Animal Production : SHONAN-ANIMAL

Editor & Title Design : Monaco

Colorlist : Masahiro Ishiyama

Producer : Taro Mikami, Keisuke Homan
Production Manager : Miki SaKurai、Rei Sakai、Shosuke Mori
Production Support: Wataru Watanabe, Yohei Fujii

Production: CEKAI / OVERA

STARRING
IO
Gottz
Holly Q

Ryohu
Minnesotah
KEIJU
Dony Joint
Neetz
Weelow
Kaz

[KANDYTOWN 2nd EP「LOCAL SERVICE 2」作品情報]
title:「LOCAL SERVICE 2」
release date:2021.02.14
price:¥1,400 (without tax)

track list
1. Faithful (Lyric:IO, Ryohu, Neetz, Holly Q, DIAN Music : Neetz)
2. One More Dance (Lyric:IO, Gottz, Holly Q Music : Neetz)
3. Dripsoul (Lyric :IO, Ryohu, Gottz, Holly Q Music : Neetz)
4. Sunday Drive (Lyric : Dony Joint, KEIJU, Neetz, MASATO Music : Ryohu)
5. Coming Home (Lyric : MUD, Gottz Music : Neetz)
6. Sky (Lyric: BSC, Ryohu, MUD, DIAN Music : Neetz)

Produced by KANDYTOWN LIFE
Recorded & Mixed by Neetz at Studio 991
Masterd by Joe LaPorta at Sterling Sound 
Sound Produce: Neetz (M-1,2,3,5,6), Ryohu (M-4)
Additional Arrange: Yaffle (M-2)
Art Direction: IO, Takuya Kamioka

[限定生産2CD EP「LOCAL SERVICE COMPLETE EDITION」作品情報]
title:「LOCAL SERVICE COMPLETE EDITION」
release date:2021.04.21
price:¥2,500 (without tax)

track list (DISC1)

「LOCAL SERVICE」
1. Prove (Lyric: Gottz, KEIJU, MUD Music: Neetz)
2. Till I Die (Lyric: Ryohu, MASATO, BSC Music: Neetz)
3. Explore (Lyric: Gottz, MUD, Holly Q Music: Neetz)
4. Regency (Lyric: MASATO, Ryohu, KIKUMARU Music: Neetz)
5. Fluxus (Lyric: Neetz, DIAN, Dony Joint Music: Neetz)
6. Kapital (Lyric: BSC, KIKUMARU, Dony Joint, DIAN, Ryohu Music: Neetz)

Produced by KANDYTOWN LIFE
Recorded & Mixed by The Anticipation Illicit Tsuboi at RDS Toritsudai
Masterd by Rick Essig at REM Sound
Sound Produce: Neetz
Additional Arrange: KEM
Art Direction: IO, Takuya Kamioka

track list (DISC2)
「LOCAL SERVICE 2」
1. Faithful (Lyric:IO, Ryohu, Neetz, Holly Q, DIAN Music : Neetz)
2. One More Dance (Lyric:IO, Gottz, Holly Q Music : Neetz)
3. Dripsoul (Lyric :IO, Ryohu, Gottz, Holly Q Music : Neetz)
4. Sunday Drive (Lyric : Dony Joint, KEIJU, Neetz, MASATO Music : Ryohu)
5. Coming Home (Lyric : MUD, Gottz Music : Neetz)
6. Sky (Lyric: BSC, Ryohu, MUD, DIAN Music : Neetz)

Produced by KANDYTOWN LIFE
Recorded & Mixed by Neetz at Studio 991
Masterd by Joe LaPorta at Stearing Sound
Sound Produce: Neetz (M-1,2,3,5,6), Ryohu (M-4)
Additional Arrange: Yaffle (M-2)
Art Direction: IO, Takuya Kamioka

New Age Steppers - ele-king

 細かく震えるあまりに特異なヴォーカル。久しぶりに彼女の声を聴いてこちらまで打ち震えてしまった。そしてもちろん、信じられないような独創的な発想のミックス。3月19日、ニュー・エイジ・ステッパーズの全キャリアを総括するボックスセットが発売される。
 エイドリアン・シャーウッドがおそらくはもっともキレていた時期、ダブの実験を極めたファースト『The New Age Steppers』(81)や、ダンスホールの時代にルーツ・レゲエを尖ったサウンドでカヴァーしたセカンド『Action Battlefield』(81)~サード『Foundation Steppers』(83)はもちろんのこと、2012年の最終作にして、その2年前に他界してしまったアリ・アップ最後の録音が収められた『Love Forever』、そして今回の目玉だろう、レア音源や未発表音源をコンパイルした『Avant Gardening』から構成される、CD5枚組の仕様だ。
 一家に一箱。問答無用です。

ポストパンク/UKダブの伝説、
ニュー・エイジ・ステッパーズの歩みをここに凝縮!
全アルバムに加え、アウトテイクや未発表レア音源を収めた
コレクション盤を含む5枚組CDボックスセット
『Stepping Into A New Age 1980 - 2012』を3月19日にリリース!
〈On-U Sound〉の数多くの写真を手がけたキシ・ヤマモト撮影の
オリジナル・フォトTシャツ・セットも数量限定で同時発売決定!

ザ・スリッツのアリ・アップとUKダブの最重要プロデューサー、エイドリアン・シャーウッドを中心として、マーク・スチュワート率いるザ・ポップ・グループやザ・レインコーツ、ネナ・チェリー、フライング・リザーズといったポストパンク・シーンを象徴する前衛的シンガーやプレイヤーが参加し、ビム・シャーマン、スタイル・スコット、ジョージ・オーバンといった世界的レゲエ・アーティストを掛け合わせた衝撃のサウンドでその後の音楽シーンに多大なる影響を及ぼした伝説的グループ、ニュー・エイジ・ステッパーズ。彼らの全歴史を凝縮したCDボックスセット『Stepping Into A New Age 1980 - 2012』が3月19日に発売決定!

New Age Steppers - Stepping Into A New Age 1980 - 2012
https://youtu.be/m4WDA7XYuZM

エイドリアン・シャーウッドが〈On-U Sound〉を立ち上げるきっかけともなったニュー・エイジ・ステッパーズのすべてがわかる本作。1981年の1stアルバム『New Age Steppers』は、レゲエ・クラシックに乗って、アリ・アップのヴォーカルが80年代初頭の新しい音楽を創造しようとする熱気に溢れたヴァイブスを見事に表現した真のポストパンク/UKダブの金字塔。アリ・アップがほとんどの曲でリードボーカルを担当し、若き日のネナ・チェリーも参加した2ndアルバム『Action Battlefield』は、混沌とした世界がより洗練され、ポップさを増したサウンドによって、ニューウェイヴ期のUKで生まれた最高傑作。1983年の『Foundation Steppers』は、ジャマイカに移住したアリ・アップが伝説的ドラマー、スタイル・スコットともにレコーディング、カラフルなサウンドとポストパンクなプロダクションのセンスで伝統を壊しながらも、アリ・アップのレゲエ愛に溢れたアルバムとして高く評価されている。そして2012年にリリースされた最終アルバム『Love Forever』には、2010年に亡くなったアリ・アップの最後のレコーディング音源が収められ、自由を貫いたアリの感性でジャマイカ音楽をアップデートしたサウンドがファンに愛されている。レアなダブ・ヴァージョンやアウトテイク、未発表音源などをコンパイルしたコレクション・アルバム『Avant Gardening』では、BBC Radio 1 ジョン・ピール・セッションで収録された “Send For Me” をはじめ、『Foundation Steppers』収録のチャカ・カーンのカバー “Some Love” のダブ・ヴァージョンなど未発表音源を収録。またエイドリアン・シャーウッドやその他のコントリビューターたちとの会話や当時の写真をもとにグループの歴史を辿る32ページにおよぶブックレットが加えられている。国内流通仕様盤には、ブックレットの対訳も封入される。また、〈On-U Sound〉の数多くの写真を手がけたキシ・ヤマモトによる写真を起用したオリジナル・フォトTシャツ・セットも同時発売される。


また今作のリリースに合わせて、初めてLPでリリースされる2012年作品『Love Forever』を含め、それぞれのアルバムがLPでも再発される。

label: BEAT RECORDS / ON-U SOUND
artist: New Age Steppers
title: Stepping Into A New Age 1980-2012
release date: 2021/03/19 FRI ON SALE

国内仕様盤5CD
32ページ・ブックレットの対訳(別冊)封入
BRONU149 ¥4,300+税

国内仕様盤5CD+Tシャツセット
BRONU149S~XL ¥8,000+税

BEATINK.COM
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=11672

Tracklist:

DISC1: NEW AGE STEPPERS (1981)
01. Fade Away
02. Radial Drill
03. State Assembly
04. Crazy Dreams and High Ideals
05. Abderhamane’s Demise
06. Animal Space
07. Love Forever
08. Private Armies

DISC2: ACTION BATTLEFIELD (1981)
01. My Whole World
02. Observe Life
03. Got To Get Away
04. My Love
05. Problems
06. Nuclear Zulu
07. Guiding Star

DISC3: FOUNDATION STEPPERS (1983)
01. Some Love
02. Memories
03. 5 Dog Race
04. Misplaced Love
05. Dreamers
06. Stabilizer
07. Stormy Weather
08. Vice Of My Enemies
09. Mandarin

DISC4: LOVE FOREVER (2012)
01. Conquer
02. My Nerves
03. Love Me Nights
04. The Scheisse Song
05. Musical Terrorist
06. The Fury Of Ari
07. Wounded Animal
08. The Worst Of Me
09. Revelation
10. The Last Times
11. Death Of Trees

DISC5: AVANT GARDENING (2021)
01. Aggro Dub Version
02. Send For Me
03. Izalize
04. Unclear
05. Singing Love
06. I Scream (Rimshot)
07. Avante Gardening
08. Wide World Version
09. Some Dub
10. May I Version

Synchronize - ele-king

 40年ぶりに再発され話題となった、日本のポストパンク・バンドを収録した1980年のコンピレーション『都市通信』、そのなかのひとつシンクロナイズ(後にザ・スカーレッツに改名)が、年明けにスタジオ+ライヴ音源をコンパイルした3枚組を限定リリースする。シングル2枚、カセット2本、未発表ライヴ音源、今回初出となる、ミニコミ「ニュー・ディスク・リポート」の付録ソノシート用に録音された3曲、アルバム「ポーラー・ソング」用に録音された5曲など未発表スタジオ音源を収録。いままでアーカイヴ化されてこなかった時代の貴重な音源であることに間違いない。

Synchronize, The Skarlets
An afterimage- Synchronize to The Skarlets –

仕様:3枚組CD
発売日:2021/1/27
初回限定盤
品番:WC-095~097
定価:¥4545+税
JAN:4571285920957
発売元:いぬん堂

Synchronize ~ The Skarlets
1978年 Synchronize結成。1980年 アルバム「都市通信」に参加。新宿ACBでのイベント「Street Survival宣言」への出演や都内ライヴハウスを中心に活動。1981年にシングル「訪問者」、1983年にシングル「PRIEST」を発表後、The Skarletsに改名。1987年にカセット「Skarlets」、1989年にカセット「Liverpool」を発表した。

CD発売記念ライヴ
2021年2月19日(金)新宿ロフト
AN AFTERIMAGE COLOR
料金:前売り3000円+drink
開場18:00 開演18:50
出演:シンクロナイズ、突然段ボール、モリモトアリオミ、NOISECONCRETE×3CHI5、DJ:肉夜メイジー

Total Info. https://www.synchronize80.xyz/


An afterimage
- Synchronize to The Skarlets -


Disc 1 Synchronize Studio
1. 都市通信
2. 転写
3. Easy Money
4. 訪問者
5. 幼年期
6. 連続線
7. PRIEST
8. MODE
9. Disillusion
10. 愛の見解
11. Please
12. holiday
13. NOBUYA
14. POLAR SONG

Disc 2 Synchronize Live & Demo
1. holiday
2. 都市通信
3. 停止セヨ
4. 時間膜
5. Cool Point
6. Girl’s Campaign
7. 幼年期
8. 連続線
9. Disillusion
10. MODE
11. 紅蓮
12. 愛の見解
13. 失楽園 - the location -
14. Please
15. PRIEST〜Easy Money

Disc 3 The Skarlets Studio & Live
1. Sun Room
2. 告白
3. Clear Screen
4. 反射率
5. Liverpool
6. 精霊代 - Lavender days -
7. 残像
8. 彼方 the far
9. 黄昏まで
10. 精霊代 - Lavender days -
11. 残像
12. 抱擁
13. 少年画報
14. 孔雀

Disc 1
Track 1 to 3 : Unreleased Tape
Recorded at Studio Magnet 12 June 1980.
Track 4,5 from Single「訪問者、幼年期」Plaza Records (7inch:PLAZA-1) 1981
Track 6 : Unreleased Tape 1981
Track 7,8 from Single「PRIEST, MODE」Polar Records (7inch:S-1) 1983
Track 9 : Unreleased Tape 1983
Track 10 to 14 : Unreleased Tape
Recorded at Sound Market 1984

Disc 2
Track 1 : Live Recorded at Shinjuku ACB 14 June 1980
Track 2,3 : Live Recorded at Shinjuku Loft 14 Aug. 1980
Track 4 : Live Recorded at Shinjuku Loft 3 Sep. 1980
Track 5 :Recorded at Rasenkan Feb. 1981
Track 6 :Live Recorded at Hosei University 18 Apr. 1981
Track 7,8 : Live Recorded at Shinjuku ACB 20 June 1981
Track 9 : Live Recorded at Harajuku Crocodile 25 Apr. 1982
Track 10,11 : Live Recorded at Kichijoji Manda-La 20 Feb. 1983
Track 12 : Live Recorded at Yotsuya Fourvalley 6 Apr. 1983
Track 13 : Live Recorded at Yotsuya Fourvalley 18 Nov. 1985
Track 14 : Live Recorded at Yotsuya Fourvalley 27 Jan. 1986
Track 15 : Live Recorded at Shibuya La.mama 7 Jul. 1986

Disc 3
Track 1 to 4 from「Skarlets」(Cassette) 1987
Recorded at ken's home 1987
Track 5 to 8 from「Liverpool」(Cassette) 1989
Recorded at ken's home 1989
Track 9 to 14 : Live Recorded at Fussa Chicken Shack 26 Jan. 1990

Produced by Mikio Shiraishi, Kenji Nomoto
Compiled by Mikio Shiraishi, Kenji Nomoto
Licensed from Sychronize, The Skarlets
Mastered by Kenji Nomoto (2-1 to 2-15, 3-1 to 3-14), Akihiro Shiba (1-1 to 1-14)
Remastered by Akihiro Shiba (2-1 to 2-15, 3-1 to 3-14)
Mastered at ken’s Home, Temas Studio
Remastered at Temas Studio
Photography by Ieki Maekawa
Designed by Shigeo Matsumoto

All Lyrics by Mikio Shiraishi
Music by Mikio Shiraishi (1-1 to 1-3, 1-6, 2-2 to 2-5, 2-8, 2-15 [Easy Money]), Mikio Shiraishi & Kenji Nomoto (1-4, 1-5, 1-7 to 1-14, 2-1, 2-6, 2-7, 2-9 to 2-15 [PRIEST], 3-1 to 3-14)
Vocals [All Songs], Guitar [2-14] : Mikio Shiraishi
Guitars [All Songs] ,Keyboards [3-5, 3-8]: Kenji Nomoto,
Bass : Hitomi Sanekata (1-1 to 1-3, 2-1 to 2-4), Toshiaki Kabe (1-4, 1-5, 2-6 to 2-8), Tetsushi Nishiyama (1-7 to 1-14, 2-9 to 2-15), Toshifumi Sato (3-1 to 3-4), Yukari Hashimoto (3-5 to 3-14)
Drums : Yoshio Kogure (1-1 to 1-6, 2-1 to 2-4, 2-6 to 2-12, 2-15, 3-9 to 3-14)
Programmed by Kentaro Yamaguchi (1-9 to 1-14, 3-1 to 3-8)
Keyboards : Yoko Kawano (1-6, 1-7, 2-12), Kentaro Yamaguchi (1-8 to 1-14, 2-13 to 2-15, 3-1 to 3-14), Hikaru Machida (2-5 to 2-8), Shuichi Ohmomo (2-9 to 2-11)

Thanks to U Inoue, Tadashi Moriya, Syunji Tsutaki

Charles Webster × Burial - ele-king

 90年代後半、UKディープ・ハウス・シーンのキイパースンとして活躍したチャールズ・ウェブスターが、2001年の『Born On The 24th Of July』以来じつに19年ぶりとなる新作『Decision Time』を送り出す。
 アルバムには(マッシヴ・アタック『Blue Lines』への参加で知られる)シャラ・ネルソンを筆頭に、これまでチャールズが関わってきたヴォーカリストたちが多くフィーチャーされている。フォーマットはヴァイナル/CD/配信の3種で、11月20日に発売。それに先がけ10月9日にはシングル「The Spell」もリリースされる。
 注目すべきは、アルバム収録曲 “The Second Spell” のプロダクションにベリアルが参加している点だろう。シングル「The Spell」でも彼はリミックスを手がけており、これはかなり珍しい。なんでも今回のコラボは、かつてベリアルがチャールズのプレゼンス名義による『All Systems Gone』(1999年)を自身の重要な影響源としたことがきっかけになったそうだ。
 驚くべきコラボ、これは大いに期待できそう!

single
Charles Webster
The Spell (feat Ingrid Chavez)

format: 12” vinyl / digital
release: 2020/10/9

A1. The Spell (Burial Mix)
B1. The Spell (Charles Webster Dub)
B2. The Spell (Charles Webster Vocal Mix)

album
Charles Webster
Decision Time

format: double vinyl / CD / digital
release: 2020/11/20

01. Burning (feat Sio)
02. This Is Real (feat Shara Nelson)
03. We Belong Together (feat Thandi Draai)
04. Love Lives (feat Sio)
05. I Wonder Why (feat Sipho Hotstix Mabuse)
06. Music (feat Thandi Draai)
07. Wait And See (feat Terra Deva)
08. Secrets Held (feat Emilie Chick)
09. The Spell (feat Ingrid Chavez)
10. The Second Spell (feat Ingrid Chavez)

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10