なんと、今週金曜日、横浜にて三田格のテクノ講座が開かれます! お題は1992年に〈ワープ〉が発表したコンピレーション『Artificial Intelligence』から20年ということで、1992年のテクノ・シーンについての講義になります。こんな機会、なかなかないので、ぜひ足を運びましょう!
モリィ・バーンズのHARD-BOP-HIGHSCHOOL
第15回: 再考 『Artificial Intelligence Series』
2012 7.27(Fri)黄金町 試聴室その2 http://cafe.taf.co.jp/live/index.html
進行:Morry Burns
ゲスト:三田格
開場 19:00/開演 19:30
※999Yen+order
●マンスリー・トーク・イベント「モリィ・バーンズのHARD-BOP-HIGHSCHOOL」その第15回は「再考 Artificial Intelligence Series」と題し、その画期的なリリースから今年で20周年を迎えるコンピレーション作『Artificial Intelligence』と、その関連シリーズ、並びに世界中でそれに呼応し、また同時多発的に発生したリスニング・テクノの動きについて再考していきます。
1992年、イギリスはシェフィールドのレーベル"WARP"はコンピレーション・アルバムとして「Artificial Intelligence」発表します。それは当時まだ駆け出しだったPolygon Window(Aphex Twin),B12,Black Dog Production,FUSE(Richie Hawtin),Speedy J,Autechre等がコンパイルされた内容で、続いて彼らのオリジナル・アルバム作品がそのシリーズ作として次々とリリースされていきます。シリーズ作に共通する実験的かつリラックスしたトーン、フロアや喧騒からは意識的に距離をとったかのようなチル・アウト的傾向によりそれらは"リスニング・テクノ"と称され、後のエレクトロニック・ミュージックの進化に多大な影響を与えることとなります。
92年当時のテクノ環境においては、The KLFが解散を表明しセカンド・サマー・オブ・ラヴが終焉を迎えるなか、The Orbが「Blue Room」にて全英シングル・チャート1位を獲得。そして『Selected Ambient Works 1985-92』にてAphex Twinがいよいよアルバム・デビューを飾り、新時代を担っていきます。
その当時のヨーロッパのダンス・フロアにおいてすでに一時代を築いていたベルギーの〈R&S Records〉は、突如その傘下にアンビエント・サウンドにフォーカスしたサブ・レーベル〈Apollo〉を設立。
カナダのレーベル〈Plus 8〉はコンピレーション作「From Our Minds To Yours Vol. 2」においてそれまでのハード・テクノ路線からリスニング・テクノ・サウンドに急接近。
アメリカはデトロイトのCarl Craigは自身のレーベル〈Planet E〉からのコンピレーション作『Intergalactic Beats』においてBlack DogやKirk Degiorgio等のヨーロッパのリスニング・テクノ勢とのコンパイルにも成功します。
一方ではドイツのPete Namlookがレーベル〈FAX+49-69/450464〉を立ち上げ、凄まじいペースでチル・アウト作品をリリースしていったのもこの年からのこと。
またベルギーのレーベル〈BUZZ〉がコンピレーション『PANIC IN DETROIT』を発表するほか、これら1992年のシーンの動向を象徴する最重要作品としても『Artificial Intelligence』の存在は位置づけられるのです。
当日はライターの三田格氏をトーク・ゲストとしてお迎えし、上記に羅列したアーティストに関連する音源を可能な限り紹介しながら、『Artificial Intelligence』のその今日に至るまでの影響力やサウンドの魅力についてをたっぷりトークしていく予定です。是非ご期待ください。
(Text by Morry Burns)
※入場料としては徴収致しません。終演時にお支払いください。内容に応じたご判断で結構です。999Yenとあるのはひとつの目安です。飲食物に関しては会場をご利用ください。
@試聴室その2
横浜市中区黄金町2丁目7番地先
045-251-3979
[アクセス]
●京浜急行電鉄「黄金町」駅下車 徒歩3分
●横浜市営地下鉄「阪東橋」駅下車 徒歩8分