Home > News > 七尾旅人、コーネリアス、トクマルシューゴ、オウガ・ユー・アスホール - ーーあなたはどの新譜に期待しますか?
洋楽聴くと売れなくなるぞ、売れたきゃバンプだけ聴いてろぉと業界では言われているとかいないとか......、そんな話がまとこしやかに囁かれている今日の邦楽で、たとえ無意識であろうとシーンのガラパゴス化に抵抗し、音楽という想像力に意識的なアーティストたちのリリースが相次ぐ。
とはいえ、ほんとうにつまらない音楽ばかりなのかといえばそうでもない。無名の才能たちを拾い上げることができなくなってしまった痩せて力ない音楽業界を、彼ら先達者たちやわれわれリスナーが揺さぶらなければならない。投票だと仮想してみようではないか。あなたはどの票でもって意思を表明するだろう? 全部買ってもいい。しかしどれもそれに値しないかもしれない。あなたの期待の作品を、どうぞコメントしてください!
8月8日の七尾旅人『リトルメロディ』は、前作『ビリオン・ヴォイシズ』発表以降全国を行脚し、とりわけ震災以降の福島へいち早く赴くなかで受けた大きなインスピレーションが止められている。ツイッター上のコミュニケーションを制作に援用したり、多くの個性的な奏者たちを交えるレコーディング・スタイルをとったりと、七尾らしい取り組みも健在だ。また、昨今のSSWブームの火付け役でもある。
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9月5日のコーネリアスは、これまでに手がけたリミックスやミックス作品のコンピレーション「CMシリーズ」の第4弾。1995年から2012年まで、国の内外を問わずオファーを受けた作品を一挙収録している。こちらは残念ながらオリジナル・アルバムではないが、定評ある小山田圭吾のリミックス作品をまとめて聴けるのは嬉しい。MGMT、相対性理論、アート、リンゼイ、小野洋子、布袋寅泰、三波春夫......などなどの曲のコーネリアス・リミックスが収録される。"赤とんぼ"のリミックスは必聴。
同日のトクマルシューゴは約2年半ぶりのリリースとなる。予定されているフル・アルバムに先駆けたシングルだ。タイトルは『デコレート』。CDやデジタル・フォーマットのほかにソノシートも予定されているところにインディ・シーンの時流がとらえられているようにもみえる。ご存知バグルスの名曲"ヴィデオ・キルド・レディオ・スター"カヴァーなどはアルバムへは収録されない注目トラックだ。
詳細 http://blog.shugotokumaru.com/?eid=1030256
9月19日はオウガ・ユー・アスホール。演奏力もさることながら、若いバンドのなかではダントツに多種多様なレコードを買い、探求をつづける志高きバンドでもある。物事が移りかわったり終わったりしていくことは、悪いことではない......『ホームリー』とは真逆のチルな境地を目指しつつ、ポップ・センスも注がれている『100年後』には、そうした意味もこめられているようだ。
詳細 http://www.ogreyouasshole.com/news.html