ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. interview with Keiji Haino 灰野敬二 インタヴュー抜粋シリーズ 第2回
  2. Beyoncé - Cowboy Carter | ビヨンセ
  3. Columns ♯5:いまブルース・スプリングスティーンを聴く
  4. interview with Keiji Haino 灰野敬二 インタヴュー抜粋シリーズ 第1回  | 「エレクトリック・ピュアランドと水谷孝」そして「ダムハウス」について
  5. 壊れかけのテープレコーダーズ - 楽園から遠く離れて | HALF-BROKEN TAPERECORDS
  6. interview with Martin Terefe (London Brew) 『ビッチェズ・ブリュー』50周年を祝福するセッション | シャバカ・ハッチングス、ヌバイア・ガルシアら12名による白熱の再解釈
  7. Brian Eno, Holger Czukay & J. Peter Schwalm ──ブライアン・イーノ、ホルガー・シューカイ、J・ペーター・シュヴァルムによるコラボ音源がCD化
  8. interview with Mount Kimbie ロック・バンドになったマウント・キンビーが踏み出す新たな一歩
  9. Bingo Fury - Bats Feet For A Widow | ビンゴ・フューリー
  10. tofubeats ──ハウスに振り切ったEP「NOBODY」がリリース
  11. 三田 格
  12. Beyoncé - Renaissance
  13. Jlin - Akoma | ジェイリン
  14. HAINO KEIJI & THE HARDY ROCKS - きみはぼくの めの「前」にいるのか すぐ「隣」にいるのか
  15. 『成功したオタク』 -
  16. まだ名前のない、日本のポスト・クラウド・ラップの現在地 -
  17. KRM & KMRU ──ザ・バグことケヴィン・リチャード・マーティンとカマルの共作が登場
  18. Beyoncé - Lemonade
  19. Politics なぜブラック・ライヴズ・マターを批判するのか?
  20. R.I.P. Damo Suzuki 追悼:ダモ鈴木

Home >  News > ジョン・フルシアンテは昨日のアーティストではない - ――9月12日発売の新作は、電子音楽を大胆に取り入れた問題作!

ジョン・フルシアンテは昨日のアーティストではない

ジョン・フルシアンテは昨日のアーティストではない

――9月12日発売の新作は、電子音楽を大胆に取り入れた問題作!

Amazon

Aug 08,2012 UP

 ジョン・フルシアンテは昨日のアーティストではない。先日リリースされた5曲入りEP『レター・レファー』は、多くのファンを驚かせたはずである。しかしもしこの作品が往年のファンの手にしかわたっていないのならば、非常に残念な事態だ。フルシアンテはその外に出るためにあれほどの名声を浴びるバンド、レッド・ホット・チリ・ペッパーズを脱け、彼にただマイ・ギター・ヒーローたることを望む人々を振り切ったのだから......! 

 そこからはシンセが聴こえ、ドラムンベースが聴こえ、ラップがきこえてくる。ウータン・クラン率いるRZAをはじめとして、ほぼ全編をラップに縁どられながら、ボーズ・オブ・カナダなどを思わせるリリカルなエレクトロニカが彼の詩情を延長していき、やがてギターに接続される瞬間は、彼がただ異種配合によって新しいキャリアを構築しようとしたのではなく、自分なりに追いかけてきた音楽性の蓄積をきちんと表出しようとしていることがうかがわれる。
 
 そもそも前作『ザ・エンピリアン』の時期に、すでに彼はアシッド・ハウスやエレクトロニック・ミュージックにしか興味がないという旨の発言をしていたようだ。ブレイクコアの雄、あのヴェネチアン・スネアーズやクリス・マクドナルドとも新たなプロジェクトを立ち上げている。今作までには、デュラン・デュランやウィーヴ、ザ・ライクのメンバーも参加するLAのトライバルなアート・サイケ・プロジェクト、スワヒリ・ブロンドでギターを弾いたり、ガレージ・パンクではなくあくまで王道なロック・フォーマットのなかに繊細で物憂げな叙情や知性をひらめかせる女子バンド、ウォーペイントの作品を再アレンジしたりと、つねにチャンネルを現在のリアルなシーンに合わせてきた。

 さて9月12日にはアルバム本編である『PBXファニキュラー・インタグリオ・ゾーン』がリリースされ、そうしたフルシアンテの取り組みの全貌が明らかになる。ある意味では自分に求められている役割を裏切って制作したエレクトロニック・ミュージック作品であり、アルバムでこれまでのブルージーなギター・ナンバーが戻ってくることはない。おそるべき挑戦がつまったこの意欲作を楽しみに待とう。

ジョン・フルシアンテ - レター・レファー

ジョン・フルシアンテ - レター・レファー
発売中

Amazon
1. In Your Eyes
2. 909 Day
3. GLOWE
4. FM
5. In My Light

ジョン・フルシアンテ - レター・レファー

ジョン・フルシアンテ -
PBXファニキュラー・インタグリオ・ゾーン
2012.09.12発売
Amazon
1. Intro/Sabam
2. Hear Say
3. Bike
4. Ratiug
5. Guitar
6. Mistakes
7. Uprane
8. Sam
9. Sum
10. Ratiug(acapella version) -bonus track-
11. Walls and Doors -bonus track-

TWEET

ttssggrr40ちょっと古いですが。僕はさっき知ったので。 http://t.co/C0G8IjmYxh@ttssggrr40 05.23 00:27

NEWS