Home > News > ジョン・エリオット(エメラルズ)からの便り - ――新作『ジャスト・トゥ・フィール・エニシング』がリリース!
前作『ダズ・イット・ルック・アイム・ヒア?』(2010)で、そのステージをアメリカ中西部のストーンドなノイズ・シーンから世界のインディ・シーンへと広げたエメラルズが、新作をリリースする。いまやメンバーそれぞれのソロ活動もリスナーの大きな関心を集めているが、ジョン・エリオットは、エメラルズが3人にとってもっとも大きなプロジェクトであり、いちばん時間をかけているのだということを述べている。日本盤リリース(今月24日)を前に、そのエリオットのコメントがもらえたので紹介したい。
「2012年6月の始まりからレコーディングをスタートして、3週間かけて終わらせました。最後の週はアルバムのミックスに時間を費やしました。」
今作で大きな特徴をなしているのはローランドTR-808、通称やおやの使用だと言えるだろう。
「『ダズ・イット・ルック・アイム・ヒア?』から2年以上たつので、新しいレコードではもちろん自分たち自身やエメラルズのサウンドの繰り返しはしたくありませんでした。アルバムは線状の流れの上に構成されていて、だから結果的に、録音された順番通りにアルバムのトラックが現れるようになっています。サウンドや方向性は僕らの環境を映し出すものとして生まれてきました。」
こうした新機軸もあくまで彼らの音楽性の自然な発展形である、と。どんな環境だったのだろうか?
「制作中は閉じ込められたような環境でした。なぜなら、スタジオはアクロン北部にあって、ほとんどの時間、室内にはほんの少しの太陽の光しか差し込まないんです。僕らは夜行性になってスケジュールをこなしていました。」
"ザ・ルーザー・キープス・アメリカ・クリーン"などにはかつての暗黒があるが、とくに閉鎖性は感じられない。むしろマッガイアの熱情的なギターがこれまで以上にフィーチャーされている印象だ。
「ジョンと僕はたくさんの様々なアプローチを取りました。だからその結果、とても面白いサウンドとテクスチャーのオーヴァーラップが生まれました。それに、僕らはマークのギターの音色にもこだわり、異なるアンプやマイクに通したりしてたくさんの時間をかけました。今回はたくさんの物がより自由に使える環境だったので、だから今作では前のアルバムよりももっとたくさんの楽器を使っています。」
夏のマッガイアのインタヴューでは「いいスタジオを借りてもらえるんだ!」と話していたことが思い浮かぶ。ちなみに、どんなスタジオでした?
「タンジェリン・スタジオは、アクロン北部にあるスタジオで、シンセサイザーのコレクションやたくさんの録音機材をもっているBen Vehornが主に運営をしています。彼の機材はリストにできないほどたくさんあるのですが、僕たちはそれらを使ってたくさんの作業をしました。」
シンセサイザーのコレクションに喜びながら録音に没頭する彼らの姿が目に浮かぶようだ。さて、あなたはこの新作をどのように聴くだろう?