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Home >  News > 8月最初の週末を、電子音楽とともに - ――中原昌也、浅野忠信らを迎える電子音楽フェス〈ex〉

8月最初の週末を、電子音楽とともに

8月最初の週末を、電子音楽とともに

――中原昌也、浅野忠信らを迎える電子音楽フェス〈ex〉

Jul 09,2013 UP

 中原昌也、浅野忠信、FourColor、ダエン、そしてDJにMichitoki KTを迎える福岡の電子音楽フェス〈ex〉が8月2日に開催される。

 主催するのは、福岡を拠点に「アンビエントの自己解釈」というコセンプトでカセット主体のリリースを展開している〈ダエン〉。これまでに白石隆之、RIOWARAI、NYANTORA、MERZBOW、YOSHIMI(ボアダムズ)ら電子音楽家のカセット音源を手掛けてきた一方で、USB対応のポータブルのカセット・プレーヤー「CHILL OUT」をリリースするなど、オンライン時代のアナログ・メディアの楽しみ方を包括的にサポートしてくれるレーベルだ。

 電子音楽というジャンルに良質な音楽が存在することをひとりでも多くの人に知ってもらいたい――このイヴェントをはじめるきっかけは? との問いに、主宰のダエン氏が答えてくれた。

「ジャンルは違うんですが、〈山形国際ドキュメンタリー映画祭〉のような。ドキュメンタリー映画の聖地といえば"YAMAGATA"と認知されているように、電子音楽の聖地といえば"FUKUOKA"と認知されるように取り組んで行きたいです」

 なかなか大きく、そして夢のある目標だ。そしてこの目標とは一見矛盾するようだが、彼らは「大きくなる」ことを望んでいない。次に掲げるのは彼らのイヴェント運営理念だが、じつにいまらしく、クリティカルなポイントを突いている。

「ご来場いただいたお客様に対して、痒いところに手が届くようなきめ細かいサービスを目指しています......と書くと少し堅苦しいですが、ひとりでも多くのお客様に楽しんでいただくために次の事項を遂行します。

1. 出演アーティストは4組前後。今回は限定150人とかなり小規模なフェスです(出演者を厳選することで22:00過ぎにはイヴェントを終了させる予定です。終電前には帰宅できるので明日の学校や仕事に備えてください)

2. 1フロアで行うのでお客様がステージ間を移動することもありません。もちろんトイレ休憩有です(快適な状態で鑑賞なさってください)。

3. すべての時間を圧縮することで、短時間に濃縮された各アーティストのパフォーマンスを堪能できます(皆さまの大事な時間をいただき、拘束する以上、量より質を追求していきたいです)。」

 ここには、規模の拡大によって失われてしまうものへの、細かな配慮が働いている。かたちはまるで異なれど、〈月刊ウォンブ!〉とも通じる、現在形のイヴェント運営をめぐるリアリティと挑戦が見えてこないだろうか(http://www.ele-king.net/interviews/003001/)。

「このイヴェントに関して、少人数のスタッフで運営していくというスタンスは変えないつもりです。毎年動員数を右肩上がりに増やす方向ではなく動員数が常時200~300人の規模で、できるだけ長く続けていきたいと考えております」

 小規模で、質を守り、長く続ける。かくも明確に打ち出されたコンセプトには、先の10年を牽引してきた大規模イヴェントへの2013年からの回答とも呼ぶべき視点が感じられる。「帰宅」を保証することで、非日常ではなく日常と折り合うスタイルを模索するかのような姿勢にも、いまでこその批評性が働いていると言えるだろう。

「今回開催する〈アクロス福岡円形ホール〉という場所は、福岡市の公共施設で、"天神"という九州有数の繁華街のなかに位置します。会場の目の前には天神中央公園という市民の憩いの場があり、ちょっと歩くと遅くまで営業している屋台やラーメン屋なども見つかります。昼間でしたらアート系のギャラリーや、こだわりを持ったセレクト・ショップなども多数開いていますので、県外から来られた方は、これを機会にぜひ福岡の街も散策されてみてはいかがでしょうか」

 東京から気軽に参加というわけにはいかないが、未来の電子音楽の街"FUKUOKA"に期待したい。

「招聘したいアーティストが数多くいるので、来年以降は2日間にわたっての開催を検討しております。それには今回のイヴェントに皆さまご来場いただかないことには計画が計画で終わってしまいますので(笑)、ご来場を心よりお待ちしております! 今後このイヴェントが皆さまにとっての大事な行事になりますよう祈りつつ」


■日時 
2013.8.2 (fri) OPEN 18:30 START 19:00

■場所 
アクロス福岡円形ホール(福岡市中央区天神1-1-1)

■料金 ADV/3800 DAY/4300

■TICKET
e+

enduenn@gmail.com

*チケット購入希望の方は件名にex-fesと書いて住所・氏名・枚数をお教えください。

■公式サイト
http://exfes.tumblr.com/

■アーティスト情報

ASANO TADANOBU
73年生まれ、横浜出身。映画を中心に国内外問わず数多くの作品に出演し日本を代表する国際的俳優。同時に、溢れるイマジネーションを形にするアーティストでもある。監督作品に、DVD「TORI(トーリー)」の他、ドローイング・ペインティングの展示から作品集の出版等、ハードコアバンドsafariやPEACE PILLの活動、Tシャツ・デザイン、ソロアルバム"CRY&LAUGH"では10年以上前から書きためてきた曲から、21曲をアコースティックギターとマイク1本で収録する等、溢れるイマジネーションを自由に表現している。ここ数年はダンストラックを制作。コンパクトなシーケンサーをリアルタイムで操作し極限まで研ぎ澄まされたミニマルなテクノをフロアに響かせる。その唯一無二なパフォーマンスはクラブ、野外イベント、レセプションなど幅広い分野から絶賛・注目を集めている。

中原昌也
小説、映画評論など文筆活動の傍らで前世紀末より継続されている中原昌也による音楽プロジェクト。テーブル上にぎっしり並べられた夥しい量の機材(発振器、エフェクター、サンプラー、リズムマシン、アナログシンセetc)を同時にあやつる剛胆さと聴衆の前に提示されるその音の複雑さ/繊細さにより、行為としての即興演奏を更新し続けるヘア・スタイリスティックスのありかたは、ノイズ・ミュージックの文脈のみならず多分野からの注目を集め、熱心なリスナーを獲得している。boidからの月刊ヘアスタや自主制作100枚シリーズなど、Hair Stylisticsとしてのリリース作品はきわめて多数。

FourColor
FilFla、Vegpher、Minamoの名義でも活動するサウンドアーティスト/コンポーザー杉本佳一によるソロプロジェクト。調和不調和、曖昧と明瞭、デジタルとアナログ、必然と偶然、これら相反する物を同次元で扱う事でユニークな音楽を生み出す事を目指している。杉本の作品はニューヨークの「12k」をはじめ、ドイツ「TOMLAB」、日本の「HEADZ」など国内外の音楽レーベルから発表されており、英「THE WIRE」誌ベ スト・エレクトロニカ・アルバムに選出されるなど、海外での評価も非常に高い。また、数多くの映画/映像、演劇、エキシビジョンへの楽曲提供・制作や、CMをはじめとする広告音楽を手掛け、担当作品がカンヌ映画祭・監督週間「若い視点賞」、フランス・エクスアンプロヴァンス映画祭「オリジナル映画音楽部門賞」を受賞するなどの実績も残している。
最新作は2011年12kレーベルより発表した「As Pleat」。
http://www.frolicfon.com/
http://vimeo.com/27304187

ダエン
福岡を拠点に「アンビエントの自己解釈」というコセンプトでカセット主体のリリースを展開している「ダエンレーベル」主宰。これまでに白石隆之、RIOWARAI、koji nakamura a.k.a NYANTORA、MERZBOW、YOSHIMI(ボアダムズ)らのカセット音源のリリースを手掛ける。自身の制作及びLIVE演奏ではROLAND SP-404一台というミニマムな環境でどこまで表現できるかを追及している。エキソニモ主宰IDPW正会員。

Michitoki KT
道斎(みちとき)KT。実験ターンテーブリスト。数台のターンテーブルを楽器として用い、「音と空間のコラージュ」という自身の奏法を追究し続ける。2013年6月duenn labelよりリリースのsuzukiiiiiiiiii×youpy/dnn012にリミキサーとして参加(Canooooopy・NH-Trio+・Yaporigami)。

■主宰・問い合わせ
duennlabel (enduenn@gmail.com)

PS. exではイベントの趣旨に賛同頂き文化的な活動に関心及び既に取り組まれてる企業様や団体(個人でも可)様の協賛を常時募集しております。詳しくはenduenn@gmail.comまでご連絡下さい。宜しくお願い致します。

duennlabel



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enduenn(((electoronics music fes ex02))) 去年の模様です⇒http://t.co/BxdzdANqhK非常にアンダーグラウンドなフェスでお客様1人1人がスポンサーです。来年開催出来るかは今年の集客にかかってますのでご支援4649お願いします!@enduenn 08.30 01:31

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