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Oneohtrix Point Never

Oneohtrix Point Never

──OPNがジャネット・ジャクソンをカヴァー(+その他近況)

Mar 18,2016 UP

 1月23日、ファッションブランドのケンゾーがパリ・コレクションにてメンズの新作を発表した。そこでOPNがジャネット・ジャクソンのヒット曲をカヴァーしている。

https://www.facebook.com/nowfashion/videos/10154566478983289/
http://m.nowfashion.com/video-kenzo-menswear-fall-winter-2016-paris-18139

 原曲は1989年リリースの「リズム・ネイション」。これまでのOPNにも声に対する意識は垣間見られたが、実際に合唱隊まで従えた曲を公表するのは今回が初めてだろう(因みに合唱隊のアレンジを手掛けたのは、ジェフ・ミルズとの仕事でも知られるパリの作曲家トマ・ルーセル)。キャッチーなR&Bだった原曲がまるで別物のような声楽ドローンへと生まれ変わっており、なるほど、『ファクト』誌が「脱構築」という言葉を使いたくなるのも頷ける。


(ジャネット原曲)

 2年前にルトスワフスキの「前奏曲」を独自に解釈してみせたときもそうだったけれど、ここまで大胆に改変してくれるとやはり聴いている方も楽しい。カヴァーたるもの、かくあるべし。今後何らかの形で音源化されることがあるのかどうか、気になるところだ。

 2月19日。フォー・テットはOPNの “Sticky Drama” を1時間のロング・ヴァージョンへと仕立て直し、ボイラー・ルームにてストリーミング配信を行った。そのお返しなのか、3月4日にはOPNによるフォー・テット “Evening Side” のエディットが公開されている。まるで往復書簡のようなやりとりだが、もしかしたら今後この二人が本格的にコラボレイトする可能性もあるのかもしれない。



 2月29日。テックライフの一員であるDJアールは、OPNと一緒にアルバムを制作していることを明らかにした。ローンチされたばかりの同クルーのレーベル〈テックライフ〉からリリースされる予定とのことだが、アールによれば、ダニエル・ロパティンは彼に自身のレーベルである〈ソフトウェア〉に来て欲しいとまで語ったそうで、今回の共同作業はOPNからの熱烈なアプローチによって始まったものなのではないかと想像させられる。
ともあれ、このふたりの出会いに興奮するリスナーも多いだろう。なぜならこの邂逅が示唆しているのは、「上」も「下」もどちらも面白い音楽が生み出される可能性なのだから。昨年行われたリキッドルームでのライヴでも明らかになったように、OPNの弱点は「下」にある。「下」とはつまりベースやドラム、ビートやリズムのことだ。これまで圧倒的な強度の「上」を呈示し続けてきたOPNが、フットワークすなわち「下」の精鋭とコラボレイトする。これは期待せずにはいられないだろう。

 そして、ようやくである。昨年から何度も報じられていたアントニー・ヘガティによる新プロジェクト、アノーニのアルバムが5月6日にリリースされる。この新作でOPNはハドソン・モホークとともにプロダクションを手掛け、全編に渡って参加している。3月9日に公開された “Drone Bomb Me” のMVはナオミ・キャンベルが主演を務めており、アントニーとハドモーとOPNというそもそもなぜ成立したのかよくわからない不思議なトライアングルの緊張感が伝わってくる映像になっている。(小林拓音)

https://itunes.apple.com/us/post/idsa.c9f49974-e62f-11e5-a769-f18b118b72da