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Can

Can

──〈ミュート〉がカンのシングル・コレクションをリリース

Apr 10,2017 UP

 先日、スロッビング・グリッスルの再発を発表したばかりの〈ミュート〉が、先週、突然CANのシングル・コレクション、シングル23曲を集めたコンピレーション『ザ・シングルス』を6月16日に発売するとアナウンスした。これまでもCANは、『カニバリズム』シリーズのような編集盤を出してきているが、シングルをすべて網羅するのは、今回が初めて。また、日本盤のみHQCD(高音質CD)仕様にて発売されるというから嬉しい。
 CANは、クラフトワークと並んでクラウトロックの最重要バンドであり、このバンドのアルバムは、少なくとも1977年まではすべてコレクションする価値がある。CANは子供ではなく大人(それも現代音楽を学んだ大人)がロックをやるとどうなるのかという点においてたぶん最高のバンドで、ゆえにつねに先走っていたバンドだった。初期のミニマルとジャズのミクスチャーは言うにおよばず、たとえばダモ鈴木が脱退してからの『スーン・オーヴァー・ババルマ』(1974)、『フロウ・モーション』(1976)、『シー・ソー』(1977)のようなアルバムにおけるワールド・ミュージック的要素の取り入れ方も、いまでもぜんぜん新鮮に聴こえる。“ピンチ”(1972)はいまだに最高のドラムンベース・ファンクであり、“マザー・スカイ”(1970)はオウガ・ユー・アスホールの偉大な父であり──。
 と同時にCANは、当時TVドラマにも使われた“スプーン”のヒットでも知られるバンドで、彼らが活動していた1970年代には10枚以上のシングルを出しており、しかも一連のシングルにはアルバム未収録の曲も少なくなく、とくに『フロウ・モーション』時代の「サイレント・ナイト」はいままで再発/再収録されることはなかった。今回の『ザ・シングルス』は、そうしたものすべてが収録されている。CANのファンにとっては嬉しい編集盤で、これから聴いてみたいという人にもオススメ。
 〈ミュート〉は最近YouTubeに「タートルズ・ハヴ・ショート・レッグス(亀には短い足がある)」をあげた。『タゴ・マゴ』時代の曲だが、CANらしいユーモアがあり、チャーミングな曲なので、息抜きにどうぞ。

カン (CAN)
ザ・シングルス (The Singles)

6月16日 (金)
2,300円(税抜)
HQCD(高音質CD)仕様


[Tracklist]
1. Soul Desert
2. She Brings The Rain
3. Spoon
4. Shikako Maru Ten
5. Turtles Have Short Legs
6. Halleluwah (Edit)
7. Vitamin C
8. I’m So Green
9. Mushroom
10. Moonshake
11. Future Days (Edit)
12. Dizzy Dizzy (Edit)
13. Splash (Edit)
14. Hunters And Collectors (Edit)
15. Vernal Equinox (Edit)
16. I Want More
17. ...And More
18. Silent Night
19. Cascade Waltz
20. Don’t Say No (Edit)
21. Return
22. Can Can
23. Hoolah Hoolah (Edit)

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