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Actress × Stockhausen

Actress × Stockhausen

──アクトレスがシュトックハウゼンのオペラを再構築

May 02,2019 UP

 昨年ロンドン・コンテンポラリー・オーケストラとの素晴らしいコラボ作をリリースしたアクトレスことダレン・カニンガム、その次なる野望が明らかとなった。このたび彼が取り組むのはなんと、シュトックハウゼン。かの巨匠については松村正人による『前衛音楽入門』をご一読いただきたいが、どうやらダレンにとってシュトックハウゼンはとびきり特別な作曲家だったらしく、現在かなり気合いの入ったプロジェクトが進行中のようだ。
 “Actress x Stockhausen Sin {x} II”と題された新たな作品は、合唱とピアノとエレクトロニクス、それにカーリーンのアルバムでも使用されていた A.I. のヤング・ペイントのために書き下ろされたもので、シュトックハウゼンが1995年に手がけた“世界議会 (Welt-Parlament)”の「リ・ヴァージョン」となる(“世界議会”は、1977年から2003年にかけて作曲された全7部構成の長大なオペラ『光 (Licht)』のなかの1部、「光からの水曜日 (Mittwoch aus Licht)」の第一場で、ちなみに第三場はかの名高き“ヘリコプター弦楽四重奏曲 (Helikopter-Streichquartett)”である)。同曲には、ロンドン・コンテンポラリー・オーケストラの指揮者ロバート・エイムズやオランダ室内合唱団に加え、晩年のシュトックハウゼンのもとで学んだイタリアのピアニスト、ヴァネッサ・ベネッリ・モーゼル(Vanessa Benelli Mosell)も参加しているとのこと。
 ダレン自身の弁によれば今回のプロジェクトの動機はふたつあり、ひとつはシュトックハウゼンに馴染みのない人びとに彼の音楽を知ってもらうこと、そしてもうひとつは彼の音楽を最近の政治情勢に結びつけることだという。労働党や保守党の現職議員たちによるディベート──テーマは“世界議会”と同じく「愛」──までフィーチャーされているそうだから、熱のこもったハーバートの新作同様、EU離脱問題で揺れるイギリスの現状が念頭に置かれていることはほぼ間違いないだろう。
 “Actress x Stockhausen Sin {x} II”は5月14日、ロンドンのサウスバンク・センター内にあるロイヤル・フェスティヴァル・ホールにて初演される。もし渡英のご予定のある方はこちらをば。

● the Royal Festival Hall
https://www.southbankcentre.co.uk/venues/royal-festival-hall
● Actress x Stockhausen Sin (x) II
https://www.southbankcentre.co.uk/whats-on/136892-creating-actress-x-stockhausen-sin-x-ii-2019

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