ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. Columns なぜスコット・ウォーカーはリスペクトされているのか (columns)
  2. Four Tet ──フォー・テットがニュー・アルバムをリリース (news)
  3. JME - Grime MC (review)
  4. Yaporigami ──山梨出身ベルリン在住の電子音楽家が〈Virgin Babylon〉より新作を発表 (news)
  5. Carl Michael Von Hausswolff - Addressing The Fallen Angel (review)
  6. Oli XL - Rogue Intruder, Soul Enhancer (review)
  7. 漢 a.k.a. GAMI監修『MCバトル全書』 ――名バトルからあの事件の裏側まで、現行ジャパニーズ・ヒップホップシーンのリアルがわかる『MCバトル全書』が発売中 (news)
  8. Jagatara2020 ──復活目前のじゃがたら、ライヴ会場先行販売ほか店舗限定特典&パネル展の開催が決定 (news)
  9. interview with Jeff Paker 話題作『The New Breed』のメンバーとの来日ライヴ直前スペシャル (interviews)
  10. Vladislav Delay ──ヴラディスラフ・ディレイがニュー・アルバムをリリース (news)
  11. Jeff Parker ──ジャズ・ギタリストのジェフ・パーカーが新作をリリース (news)
  12. Columns NYクラブ・ミュージックの新たな波動 後編:進化する現代のレイヴ・カルチャー (columns)
  13. Columns TINY POPというあらたな可能性 (columns)
  14. Sefi Zisling - Expanse (review)
  15. パラサイト 半地下の家族 - (review)
  16. Columns tiny pop sound cloudガイド (columns)
  17. Ovall - Ovall (review)
  18. Politics 音によるグラフィティ──高円寺の再開発反対デモから見えてきたもの (columns)
  19. Thundercat ──サンダーキャットがニュー・アルバムをリリース (news)
  20. Nick Cave and The Bad Seeds - Ghosteen (review)

Home >  Reviews >  Album Reviews > Sewn Leather- Ροαξη Φινγερζζ ΒΣ. Ροψκ Σλινγερζ…

Sewn Leather

Sewn Leather

Ροαξη Φινγερζζ ΒΣ. Ροψκ Σλινγερζζ

Phase! Records

IndustrialNoisePost-Punk

Wolf Eyes

Wolf Eyes

No Answer: Lower Floors

De stijl

Amazon

倉本諒   Jul 26,2013 UP

このエントリーをはてなブックマークに追加

 だいぶ前に僕が三田格の後ろ盾のもと、野田編集長以下を騙しつつもソーン・レザー(Sewn Leather)ことグリフィン・ピンとDJドッグ・ディック(DJ Dogdick)(犬チン)ことマックス・エイゼンバーグの合体ユニット、ドッグ・レザー(Dog Leather)を紙エレキング巻頭インタヴューにフィーチャーするという暴挙に出たにも関わらず、それ以降の布教活動をおろそかしている自分に憤りを感じる。

 三田格から「マーク・スチュワートの再来」とのお言葉を頂いたソーン・レザーではあるが、先日いつも〈ヴィンセント・レディオ〉にてお世話になっている阿部さんが我が家に訪れた際にヴィデオを観せたところ、まったく同じリアクションを取っていたのでなるほど、確かに。エレキング読者諸氏は果たしてどのようなリアクションを取ったのだろうか。真相は闇のままである。

 ここで紙エレキングを未読の方々にソーン・レザーの何たるかを知っていただくためにまずはこれを見てほしい。

 はい。いまのはグリフィンがシカゴでのショウへの道中、対バンのウルフ・アイズに向けてリスペクトを送るため車内で撮影されたものですね(もちろん自画撮り)。

 これがグリフィンなんです。ソーン・レザーなんです。

 僕は個人のパーソナリティをしっかりと体現している音楽に何よりもエキサイトするのだが、そういった意味で彼は最高である。

 まず80'sホラー・ムービーから飛び出してきたような風貌。終わることのないドリフト生活のなか、何度も繕い直されたサバスやヴェノム、バーニングウィッチにコラプテッド、ギズムのシャツが強烈なリアル・クラスト・スタイル。最高のDIYタトゥー(個人的にタトゥーってやっちまってる感があればあるほどイケてると思う)。

 まさかウルフ・アイズもウータンのWの頭文字でバンド名彫られるフォロワーが現れることを予想できたであろうか?

 近年のグリフィンの活動は、本国よりもヨーロッパの手厚いサポートを受けているようだ。それはおもにドラキュラ・ルイス(Dracula Lewis)として知られるシモーネ・トラブッチによるレーベル〈ハンデビス〉(Hundebiss)の、イタリアからの壮絶なラブ・コールによって企まれているのだろう。〈ハンデビス〉の美しいダイカット/変型カヴァーに包まれた特異なリリースには毎度感動させられてはいるが、ドラキュラ・ルイスのほうは個人的にちょっと......。

 と言うのも、昨今の猫も杓子もインダストリアル化現象を待っていたかのように復活したウルフ・アイズの新作を聴いたときの感覚に近い、この手のスタイルに必要不可欠である衝動の是非。グリフィンの前には、ベテランもイタリアはミランのヒップスターも霞んでしまうのは仕方あるまい。そういう意味ではウルフ・アイズを脱けたアーロン・ディロウェイはいまも変わらぬ衝動を昇華しているようにみえる。いい歳こいて。

 そしてグリフィンは繊細な男だ。昨年僕がLAに滞在していた際、たまたま郊外のクラスト・ハウス「ウーマン」に転がり込んでいた彼からのパーティーお誘いという名目の車での送り迎えのなかで触れた彼のグラス・ハート。その儚い輝きに魅せられて誰もがこの男を愛するのであろう。ゆえに彼は世界中をドリフトしつづけられるのだ。

倉本諒