ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. Columns 内田裕也さんへ──その功績と悲劇と (columns)
  2. MOMENT JOON - Immigration EP (review)
  3. grooveman Spot - Resynthesis (Purple) (review)
  4. øjeRum - On The Swollen Lips Of The Horizon (review)
  5. Jamie 3:26 ──80年代シカゴを知るDJ、待望のジャパン・ツアー (news)
  6. R.I.P. 遠藤ミチロウ (news)
  7. Angel-Ho - Death Becomes Her (review)
  8. interview with Ralf Hütter(Kraftwerk) マンマシーンの現在 (interviews)
  9. 釣心会例会 ──食品まつり a.k.a foodman がシカゴの RP Boo を迎えパーティを開催 (news)
  10. Anderson .Paak - Ventura (review)
  11. Ruby Rushton - Ironside (review)
  12. Columns なぜスコット・ウォーカーはリスペクトされているのか (columns)
  13. WxAxRxP POP-UP STORE ──〈Warp〉30周年を記念したポップアップ・ショップがオープン (news)
  14. JUST ZINE 3 Book issue ──アンダーグラウンド・シーンが誇る読書家たちをフィーチャーしたZINEが登場 (news)
  15. Ezra Collective - You Can't Steal My Joy (review)
  16. THE STALIN ──ザ・スターリンのもっとも過激なときを捉えた作品が完全復刻 (news)
  17. Kelsey Lu ──デビュー作をリリースするケルシー・ルーが絶好のタイミングで来日 (news)
  18. Logos - Imperial Flood (review)
  19. Norhern Soul ──『ノーザン・ソウル』、この最高な映画を見たらスリムのデニムを履けなくなる (news)
  20. interview with Fat White Family 彼らはインディ・ロックの救世主か? (interviews)

Home >  Reviews >  Album Reviews > The Haxan Cloak- Excavation

The Haxan Cloak

AmbientBlack MetalDrone

The Haxan Cloak

Excavation

Tri Angle

Amazon iTunes

倉本諒   Aug 27,2013 UP
このエントリーをはてなブックマークに追加

 一昨日のイヴェントの際、友人がフロアをガン無視したアヴァンDJっぷりを発揮するなか、殊のほかひどかったのはコレであった。いやしかしまったく気づかなかった。いつの間にハクサン・クロークはここまでヒップな存在になっていたのか。やはりここで改めてUKの暗黒オブスキュア・ミュージック・レーベル、〈オーロラ・ボレアリス(Aurora Borealis)〉の実力を再認識させられている。

 ドゥーム・メタルやワンマン・ブラックメタルが絶賛ドローン化していた2004年頃産声をあげたこのレーベルは同郷の〈ブラッケスト・レインボー(Blackest Rainbow)〉と並び、時代へ一石を投じるサウンドの発掘に貢献してきたのだ。とりわけ文字通り多くのリスナーの耳に極端に響くエクストリーム・ミュージックからの精鋭的なリリースという点においては、なんせ最初のリリースが〈インテグリティ(Integrity)〉であるオーロラ・ボレアリスは常に最速であった。モス(Moss)、KTL、シルヴェスター・アンファン(Silvester Anfang)、ヘヴィ・ウィングド(Heavy Winged)、ラセファル(L'Acephale)、ブリアル・ヘックス(Burial Hex)、どれも僕にとっては感慨深いバンドばかりだ。

 ハクサン・クローク(魔女のマント)ことボビー・ケリックがセルフ・タイトルのファースト・アルバムを最初に聴いたとき、僕は同レーベルのデッド・ライヴン・コイアー(Dead Raven Choir)を洗練させたようなバンドといった程度の認識であったが、つづく即完売したEP、オブサーヴァトリー(Observatory)を一聴して吹き飛ばされた。ヴァイオリンやチェロやパーカッションの生音レコーディングで大切に創りあげたダーク・アンビエントとゴスな旋律が整然とつづく曲構成。そこでダレることなく展開される彼のオリジナリティーは、このEPでの明快なシーケンスの下、完全に昇華されたと言えよう。

『エクスカヴェイション(Excavation)』は、これまで以上に電子音のザラつきをフィーチャーし、ジェイムス・プロトキン(James Plotkin)のソロ・ワークやミック・ハリス(Mick Harris)のスコーン(Scorn)を彷彿させ、彼の音楽的嗜好の背景にあるものを強く感じ取らせる。素晴らしいアルバムだ。脈々と流れる暗黒音響派のDNAと、〈Tri Angle(トライ・アングル)〉からのリリースが意味するウィッチ・ハウス・ムーヴメント、そしてニューエイジ・インダストリアル、それらの納得のゆく着地点。そういった意味でも2013年度の重要な一枚といえる。あえてこのアルバムに対してはインダストリアルを唱えるよりも、松村さんリスペクトでドゥーム・エレクトロニカ(byスタジオボイス)と呼びたい。

倉本諒