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Chuck Treece & Mcrad

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Chuck Treece & Mcrad

The Begin

RUSH! × AWDR/LR2

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倉本諒   Oct 03,2013 UP
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 そう、例えばオヤジ・スケーター。僕とタメである某スラッジ・コア・バンドのM氏はティーネイジャー以来のブランクをものともせず三十路スケーターとしてパークで返り咲いている。つまり捻挫で現場の仕事を休んだりもしている。僕らコヤジ(小オヤジ)以降のスケーターの存在はそのシーンの耐性を示す重要な指標だ。

 日頃から世話になっていたオルタナティヴ・ラジオ局、ヴィンセント・レディオも今夏にて一旦お開き。最終回の収録会場となったレスザンTV主催の〈メテオナイト2013〉終盤、汗ダクで到着した僕を迎え入れた圧倒的な熱気はイヴェントの撤収まで一向に冷める気配はなかった。彼等のような頼れる兄貴たちにとっての80'~90'アメリカン・スケート・カルチャー、それはこのチャック・トリース・アンド・マックラッドに客演する豪華な顔ぶれから想起するような鮮やかな時代だ。しかし僕にとってチャック・トリース等は"生ける伝説"ではない。彼等はきっといつだって等身大だ。

 米国におけるカウンター・カルチャーとしてのスケート・ボード、パンク・ロックにハードコア、ヒップホップやグラフィティは彼等にとって完璧なる日常の一部だ。

それはアーティストにとっての自己表現の場というような格式ばったステージではない。齢を重ね、生活は変われど気の合う馴染みと顔を合わせるパークやバンクを滑る彼等の姿はティーネイジャーの頃から変わらないのだ。滑ってはコケ、笑い、語らい、誰かが6パックの缶ビールを買いにゆき、気づけばジャムへと雪崩れ込む。このアルバムに収録されるバラエティ豊かな楽曲からそんな光景が鮮やかに目に浮かぶ。しかしながら個々の完成度の高さはオヤジ・スケーターのいぶし銀のライドのごときベテラン芸だ。

例えばつまはじきにされながらも新たなムーヴメントを模索しながら右往左往する迷走キッズを暖かく迎え入れてくれる場所があるとすれば、それはアメリカン・スケート・カルチャーが育んできたような真にボーダレスなシーンだ。ジャンルはもちろん、世代や人種の垣根を超えて楽しめるオープンマインド、贅沢を言えば僕はこのアルバムからそういった次世代からも触発された現代的な感覚をもっと聴きたかったかも。

 親子スケーターをパークで見かけることがもはや珍しい光景ではなくなったいま、スケート・シーンは真にボーダレスなカルチャーとなり得たと言えよう。デッキの上では誰もが等身大でリアルだ。そう考えれば僕らの時代はあながち悪い方向だけに向かっているわけではないのかもしれない。

 あ、ちなみに僕はもう10年以上滑ってないですけどね。誰かデッキ下さい。

倉本諒