ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. SAULT - Nine (review)
  2. Primal Scream ——90年代初頭のまばゆさ、その青写真としてのプライマル・スクリーム『デモデリカ』 (news)
  3. Gucci Prince - HEROES (review)
  4. Columns 「ブリティッシュ・シー・パワー」というバンド名の意味の変化 (columns)
  5. SUPER DOMMUNE Presents「DJ IN THE MIRROR WORLD 3」 ──石野卓球が仮想のスクランブル交差点でDJ (news)
  6. Squid ——UKインディ・バンドのスクイッドが憎いリミックス・シングルを発表 (news)
  7. Grouper - Shade (review)
  8. Damon and Naomi ——USインディの宝、デイモン&ナオミが6年ぶりのアルバム(しかも対訳付きの国内発売) (news)
  9. BJ Nilsen - Irreal (review)
  10. interview with Parquet Courts (Andrew Savage) 都市の喧騒が聞こえる (interviews)
  11. Local World x Foodman ──延期されていた食品まつりのリリース・パーティが開催 (news)
  12. Interview with Phew 音が導く、まだ誰もみたことのない世界 (interviews)
  13. DEADKEBAB & PSYCHIC$ ——デッドケバブ&サイキックス、話題のラップ・ユニットが7インチをリリース (news)
  14. interview with Young Marble Giants たった1枚の静かな傑作 (interviews)
  15. Columns 進化するクァンティックの“ラテン” ──雑食的な魅力たっぷりの新作をめぐって (columns)
  16. Lucrecia Dalt & Aaron Dilloway - Lucy & Aaron (review)
  17. Primal Scream - 〈Screamadelica Live〉 (review)
  18. interview with Lucy Railton 〈モダーン・ラヴ〉からデビューした革新的チェリストの現在 (interviews)
  19. Little Simz - Sometimes I Might Be Introvert (review)
  20. Moritz Von Oswald Trio - Dissent (review)

Home >  Reviews >  Album Reviews > Dum Dum Girls- Too True

Dum Dum Girls

GarageIndie Rock

Dum Dum Girls

Too True

Sub Pop / Traffic

Tower HMV iTunes

久保憲司   Feb 13,2014 UP
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ダム・ダムという言葉を聞くと僕はINUの「ダムダム弾」を思い出してしまいますが、ダム・ダム・ガールズはイギー・ポップの“ダム・ダム・ボーイズ”よりもヴァセリンズの“ダム・ダム”ですよね。
 2010年リリースのダム・ダム・ガールズの『アイ・ウィル・ビー』を初めて聴いたときはびっくりしました。こんなにもイギリスのあの音をやれるアメリカのバンドが出てくるとは。「あの音」とはプライマル・スクリームの“ヴェロシティ・ガール”のことです。もう何十年もぼくたちの胸をジーンとさせてくれる謎の音は、すべてここからはじまったと言っていいでしょう。ダム・ダム・ガールズの原点もこれですよ。
 もともとはアメリカの音なんですけどね。ヴェルヴェッド・アンダーグラウンドの音、デヴィッド・ボウイが“ジーン・ジニー”とかでパクった方じゃなく、捨てられた部分、いなたい部分、でも切ない部分。それをイギリスの公団住宅に住んでいるニキビ面の少年たち、ドラッグも買えず、シンナーしかできないような子どもたちが拾って、新しいポップの歴史を作っていったのです。

 この永遠の音は、永遠ですけど、永遠すぎて、前進できないんです。みんな成長していかなければ──プライマルはガレージになったり、アシッドハウスになったり、ビッグなドラム・サウンドを入れたりしないとダメなんです。そして、青春はどこかに消えていくのです。ストロヴェリー・スイッチブレイドがそうであったように。それでなければ、ヴァセリンズのように清くありつづけて、どこにも行かないと宣言するかです。

 ダム・ダム・ガールズのセカンド『オンリー・イン・ドリームス』(2011年)は中途半端でした。行きたくないのか、行きたいのか、どっちやねんという感じです。でも、この3作め『トゥー・トルー』はふっきれてますね。この手のバンドのふっきれるときの常套手段、ビッグなドラム・サウンドが入ってます。でも、セル・アウトしてないんですよね。ビッグなドラム・サウンドも、ゴスっぽい展開もどこか冗談ぽいんです。彼女たちはちゃんとわかっているという感じです。こういうところ、アメリカ人はイギリス人よりも強いのかもしれません。クランプスが一度もセル・アウトせずに生き延びることができたように。
『トゥー・トルー』はビッグなドラム・サウンドになってますが、あの青春的なイナタさは失っていません。どっちつかずだったセカンドより輝いています。
 僕はダム・ダム・ガールズを応援します。

久保憲司