ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. K A R Y Y N - The Quanta Series (review)
  2. 柴田聡子 - がんばれ!メロディー (review)
  3. 中原昌也 ──作家デビュー20周年を記念し最新小説とトリビュート作品集が2冊同時リリース (news)
  4. Vince Staples - FM! / Earl Sweatshirt - Some Rap Songs (review)
  5. ビール・ストリートの恋人たち - (review)
  6. ポスト・ミューザック考 第二回:俗流アンビエント (columns)
  7. Reeko Squeeze - Child’s Play 2 (review)
  8. Columns What’s the point of indie rock? インディー・ロックの核心とは何か (columns)
  9. Norhern Soul ──『ノーザン・ソウル』、この最高な映画を見たらスリムのデニムを履けなくなる (news)
  10. ポスト・ミューザック考 第一回 (columns)
  11. 闘魂 2019 - 出演:cero、フィッシュマンズ (review)
  12. interview with IO KoolBoyの美学 (interviews)
  13. 《《》》 - Relay (review)
  14. GRADIS NICE & DJ SCRATCH NICE - Twice As Nice (review)
  15. Sharon Van Etten - Remind Me Tomorrow (review)
  16. There are many many alternatives. 道なら腐るほどある 第2回 マグカップは割れ、風呂場のタイルは今日も四角い (columns)
  17. talk with Takkyu Ishino × Stephen Morris 特別対談:石野卓球×スティーヴン・モリス(ニュー・オーダー) (interviews)
  18. NHKラジオ第一の「すっぴん!」、4月3日の宮沢章夫さんの日に戸川純が生出演! (news)
  19. The Comet Is Coming ──UKジャズのキイパーソン、シャバカ・ハッチングスのザ・コメット・イズ・カミングが新作をリリース (news)
  20. 空間現代 ──空間現代が〈Editions Mego〉傘下のレーベルよりアルバムをリリース (news)

Home >  Reviews >  Album Reviews > Wonder Headz- Wonder Wanderer

Wonder Headz

CosmicDanceElectronic

Wonder Headz

Wonder Wanderer

AWDR/LR2

Tower HMV iTunes

久保憲司   Feb 25,2014 UP
このエントリーをはてなブックマークに追加

 アシッド・ジャズというキーワードが京都に新しい空気を持ち込んだのはたしかだと思う。僕はそのときの京都の変化を何となく感じていたが、体験はしていない。大阪は新しいバンドが出てきてもいつも同じような気がする。なんか泥臭く、懐かしの大阪の匂いがする。昔は京都のほうがしっくりきたのになあ……。というわけでその秘密を解き明かそうと京都に住もうと思ったりもした。
 そんな折、ワンダー・ヘッズを聴いてみた。Nabowaのリズム隊ふたり(川上優、堀川達)がやっているこのバンドにはググっときた。生音コズミック・ディスコというか、ジョルジオ・モロダーとクラフトワークのブレンド具合が見事だと思う。
 若い人たちのなかにはジョルジオ・モロダーとクラフトワークは同じものと思っている人もいるかもしれないけど、このふたつは相反するものなのです。ジョルジオ・モロダーはポップの権化、クラフトワークはアートの権化というか。
 ジョルジオ・モロダーを引き継いでいるものといえばダフト・パンクをはじめ何百というアーティストがいるんですが、クラフトワークを引き継いでいるものといえばジョイ・ディヴィジョンくらいしかいないんじゃないか。偶像崇拝禁止。アートのために、いちばん儲かるはずのアーティストTシャツを売らなかった人たち。クラフトワークはポップスでしたが、ポップスを作ろうとしたことは一度もない、彼らは作品を作ってきていたのです。
 ワンダー・ヘッズにはそんなクラフトワークと同じ心意気を感じる。そんな部分が彼らの音楽を素晴らしいものにしている。ドラム、ベースという職人さんだからでしょうか。それとも京都という土地がそうさせるんでしょうか。
 そして、ワンダー・ヘッズは先に書いたようにクラフトワーク/アート的な部分だけじゃなく、ジョルジオ・モロダー的なポップでいなたい部分も持っている。いや、いなたくはないか、ジョルジオ・モロダーのいなたい部分をニュー・オーダーがアートの世界に持っていたのと同じ気品を感じる。このへんも、京都の職人さんの感じがするんだよな。
 すべてが終わった現代では、すべてが終わった都市で、職人さんが新しい文化を作っていっている。そして、それが新しい未来を作っていっている、なんてね。でも、大げさかもしれないけど、ワンダー・ヘッズのファースト・アルバムを聴いているとそんなことを考えてしまうのだ。Kenji Takimi、Prins Thomas、ALTZのリミックスも聴かなきゃね。

久保憲司