ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. Against All Logic - 2012-2017 (review)
  2. IDM definitive 1958 - 2018 ──IDM/エレクトロニカの大カタログ刊行のお知らせ (news)
  3. SILENT POETS ──サイレント・ポエツ、奇跡的メンツの「スペシャル・ダブ・バンド・ライヴ・ショー」決定 (news)
  4. Lolina - The Smoke (review)
  5. 078 KOBE 2018 ──神戸のフリーフェスにてURがライヴ出演 (news)
  6. Tom Misch - Geography (review)
  7. Gonno & Masumura ──ゴンノ&マスムラ、テクノとアフロビートで宇宙を目指す (news)
  8. 国府達矢 - ロックブッダ (review)
  9. R.I.P. Cecil Taylor すべての棺桶をこじ開けろ (news)
  10. interview with Kaoru Inoue 人はいかにして、このハードな人生を生きながらゆるさを保てるか? (interviews)
  11. Chance The Rapper - Acid Rap (review)
  12. Nicolas Jaar - Sirens (review)
  13. interview with Subarashika この素晴らしか世界 (interviews)
  14. Moodymann ──ムーディマンがニュー・アルバムをリリース (news)
  15. interview with Unknown Mortal Orchestra 暗闇の先のメロウネス (interviews)
  16. Terekke - Improvisational Loops (review)
  17. KANDYTOWN - ──キャンディタウンがついにメジャー・デビュー (news)
  18. interview with Nicolas Jaarポリティカルかつパーソナル (interviews)
  19. コーネリアス - (review)
  20. Columns くるりから布袋寅泰、ボアダムスからキャンディーズ、 ヒカシューからミッシェル・ガン・エレファントetc ──2月5日下北沢THREE、『バンドやめようぜ!』リリース・パーティ時におけるイアン氏のDJプレイリストを公開! (columns)

Home >  Reviews >  Album Reviews > JAMES WELBURN- HOLD

Album Reviews

JAMES WELBURN

DoomDroneNoise

JAMES WELBURN

HOLD

Miasmah

Tower HMV Amazon iTunes

倉本諒   May 15,2015 UP
このエントリーをはてなブックマークに追加

 夏の訪れをバシバシに感じるこの頃、みなさまはいかがお過ごしでしょうか。久々の大連休ゲットで有り得ないほどスパーク、怒濤のパーティー三昧で酩酊、失禁など、やらかしまくったゴールデンウィークも終わり、五月病のズンドコで連続無断欠勤から解雇、発狂、逮捕などといった話はよくありますが、そんな真性五月病のあなたに社会復帰を徹底的に打ち砕くオススメのレコードでも紹介しましょうか。

 〈ミアズマー(Miasmah)〉をご存知だろうか? ベルリン在住のノルウェジャン、エリックによって運営される〈ミアズマー〉は、レコード・レーベルとグラフィックデザイン・スタジオの両軸から洗練された耽美主義的、退廃芸術的な世界を展開する、根暗系音楽愛好家にはお馴染み(?)の「会社」(レーベルではなく、カンパニーと呼ぶことにこだわりがあるらしい……)である。発足は、90年代のデモ音源カルチャーへの返答として、エリック自身のソロ音楽活動であるSvarte Greinerの63ものフリー音源を公開したことに由来する。Svarte Greinerは〈タイプ・レコーズ(Type)〉発足初期から定期的に音源をリリースしているのでご存知の方も多いのでは? 〈ブラッケスト・エヴァー・ブラック〉以降、ちまたに氾濫するようなノワール・ファイ・サウンドの源流にあるものを、ポスト・クラシカル的バックグラウンドから発信したレーベルだと言っても過言ではないだろう。

 2006年、〈タイプ〉に感化されたのかどうかは定かではないが、同時期より〈ミアズマ〉はレーベル運営を本格化させ、サウンドスケープを主としたエリックの美意識と共鳴するアーティストのフィジカル・リリースを開始している。レーベルの良質なリリース群から浮かび上がる、アンビエントであり、ブラックメタル/ドゥームメタルであり、ノイズであり、ポスト・クラシカルであり、しかしそのどれにも寄り添うことがなく、激情とも絶望とも狂気とも言えない、その真の意味でグレーな暗黒世界観は、完全なる異端といえる。

 〈ミアズマ〉からの最新リリースであるドローン・ノイズ作家のジェームズ・ウェルバーンのこのアルバムもしかり。本作はベテランであるザ・ネックス(The Necks)のドラマーであるトニー・バック(Tony Buck)との見事なコラボレーションであり、タイトかつヘヴィ極まるドラミングとドゥームゲイズ的なドローンが色即是空、空即是色の関係性を創りあげている。近年の再結成スワンズファンからエンドン、カズマ・クボタなどのポスト・メタル/ノイズファン、インダストリアル・テクノ経由でドローンにうつつを抜かしているファンからシューゲイザー野郎までさまざまなリスナーにアピールできそうだ。

倉本諒