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PHYGITAL VINYL - ele-king

 Pヴァインが手がけるレコード好きのためのアプリ「VINYLVERSE」。その使い方を学べるイベントが開催されることになった。当日は「VINYLVERSE」のレクチャーに加え、プレス工場「VINYL GOES AROUND PRESSING」の見学や、スマホで再生できるレコード「PHYGITAL VINYL」をじっさいに製造する体験もできるとのこと。さらにはできたてほやほやのレコードはお持ち帰り可能と、おみやげまでついてきます。詳しくは下記をご確認ください。

【2025-06-23 追記】

本イベントの参加募集は定員に達したため、受付を終了いたしました。ありがとうございました。

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『スマホで再生できるレコード「PHYGITAL VINYL」を作りませんか?』

レコード専用アプリ「VINYLVERSE」の使い方を学びながら、実際のレコードプレス工場で製造現場を体験できる特別イベントを開催します!

7月19日(土)、スマホアプリ「VINYLVERSE」の簡単なレクチャーと、その再生メディアである「PHYGITAL VINYL」の製造体験として、VINYL GOES AROUND PRESSINGでの工場見学・制作体験をセットにした90分のプログラムをご用意。
プレスマシンの見学、ドーナツ盤の穴あけやシュリンク包装の体験に加え、PHYGITAL VINYLを使ったアプリ体験もお楽しみいただけます。

さらにこの日、製造するのは話題沸騰中のFNCY+9m88「Saturdays Vibrations」。**この日だけの限定カラー仕様(PHYGITAL VINYL盤)**でプレスされた、できたてホヤホヤのレコードをそのままプレゼントします!

抽選会では、スペシャルな景品が当たるチャンスも。**参加費無料・事前申込制。**レコードファン必見のイベント、ぜひご参加ください!

◾️日程・概要
開催日:7月19日(土)
時間:14:30開始 ~ 16:00終了
(※工場へは15分前よりご来場可能です)
※終了時間は状況により前後する可能性がございます。

場所:VINYL GOES AROUND PRESSING(埼玉県川口市)

料金:無料

◾️内容
【製造見学・体験】
・プレスマシン見学
・ドーナツ盤穴あけ体験
・シュリンク包装体験
※シュリンク包装は工場で用意したレコードを使って体験していただきますが、おひとり様1枚までご自身のレコードをお持ち込みいただくことも可能です。ただし、短時間ながら熱処理を行うため、貴重なレコードのご利用はお控えください。

【VINYLVERSEアプリの体験・説明会】
当日配布されるレコードは、「PHYGITAL VINYL」という特殊仕様となっております。通常のレコードプレーヤーで再生可能ですが、スマートフォンでの再生・利用には専用アプリ「VINYLVERSE」のダウンロードが必要です。

※会場にはご利用可能なWi-Fiはございません。モバイル回線(携帯電話のデータ通信)をご利用いただく場合がありますので、可能であれば事前にアプリをダウンロードしておいてください。
アプリは **「VINYLVERSE MUSIC」**で検索してインストールできます。

【お土産】
FNCY+9m88「Saturdays Vibrations」
限定カラーPHYGITAL VINYL盤(この日だけの特別カラー仕様!)を、当日プレスされた出来たてホヤホヤの状態でプレゼントいたします。

【プレゼントがもらえる抽選会も開催予定!】
参加者のレコードに印字されたナンバーで抽選を実施。
運が良ければ、VGAのTシャツやPヴァインのレコードなど豪華景品が当たるチャンス!

◾️アクセス情報
・埼玉高速鉄道(東京メトロ南北線直通)「川口元郷駅(2番出口)」からバスで約12分:
 2番バス乗り場より、
 国際興業バス [川02]「東領家循環(東領家一丁目方面)」に乗車
 →「花の枝橋」バス停下車 徒歩約3分
https://transfer.navitime.biz/5931bus/pc/diagram/BusDiagram?orvCode=00020881&course=0001000878&stopNo=4

・JR京浜東北線「川口駅」東口からバスで約20分:
 1番バス乗り場より、
 国際興業バス [川02]「東領家循環(東領家一丁目方面)」に乗車
 →「花の枝橋」バス停下車 徒歩約3分
https://transfer.navitime.biz/5931bus/pc/diagram/BusDiagram?orvCode=00020643&course=0001000878&stopNo=1

・日暮里舎人ライナー「舎人公園駅」徒歩20分

※受付完了後に、正確な住所を改めてご案内いたします。
※会場に駐車場はございません。お車でお越しの方は、近隣のコインパーキングをご利用ください。

◾️撮影・SNS投稿OK!
会場では、記録・取材・SNS投稿が行われる場合があります。
写真や映像に写り込む可能性があることをあらかじめご了承ください。

◾️応募方法
以下の応募フォームよりお申し込みください:
https://forms.gle/qXTX4t49uZmhxD277
1回のお申し込みで2名様までご応募可能です。お一人様での参加も歓迎します。
※定員に達し次第、受付を終了させていただきます。

※中学生以下の方は、10歳以上かつ保護者同伴の場合に限り参加可能です。
なお、会場にはプレス機や加熱設備、穴あけ機などの機械が多く、熱や鋭利な部品を伴う作業も含まれるため、幼児〜小学校低学年のお子さまのご参加は、安全確保の観点からご遠慮いただいております。何卒ご了承ください。

※当見学会は、一般の音楽ファン・リスナーの皆様を対象とした内容となっております。業界関係者様(企業・レーベル・同業の皆様)のご参加はご遠慮ください。

その他、事前にご不明な点がございましたら、以下のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。
support@vinylversemusic.io
※内容によってはご返信にお時間をいただく場合がございますが、原則として2営業日以内にご対応いたします。

◾️主催:VINYL GOES AROUND(株式会社Pヴァイン)

dazegxd - ele-king

 在日アメリカ人DJ・migeruが東京を拠点に展開するパーティ・シリーズ〈GOODNIGHT〉が、7月25日(金)にCIRCUS TOKYOにて40回目の開催を迎える。記念すべき本回のゲストには、先日Web ele-kingでも取り上げたハイパーポップ/デジコアの第一人者ジェーン・リムーヴァーのサポートDJとしてツアー全日程に帯同中のdazegxdを招聘。

 dazegxdは、ポスト・ハイパーポップの潮流をリードするアメリカのインディ・レーベル〈DeadAir〉とニューヨーク・ブルックリン拠点に活動するプロデューサー。自身の手がける作品群は、ゼロ年代のVGMやレイヴ・ミュージックに影響を受けたジャングルやドラムン・ベース、(2020年代以降のリヴァイヴァルの潮流を汲む)アトモスフェリックなブレイクコア、そしてガラージなどのベース・ミュージックだそうだ。「NYCガラージ」という、(UK的なそれではない)新たな流れもSwami Sound、gum.mp3といった面々とともに牽引中で、昨年には自身の主催するコレクティヴ〈eldia〉によるパーティの東京編を初開催するなど、日本のポップ・カルチャーへの愛も深い。

 また、本回をサポートするローカル・アクトには、先日〈POP YOURS〉にも出演した国産ハイパーポップの代表的存在であるlilbesh ramkoによるライヴ、discordsquad2k、666、wagahai is neko、Yurushite Nyan、GOODNIGHT CREWによるDJセットがラインナップされている。いずれもコロナ禍以降のクラブ・シーンに出現した、ジャンルレスでエッジの効いたプレイを得意とするプレイヤーたちだ。

 2020年代以降様変わりしたクラブ・シーンの世界的潮流と、日本のローカル・シーンでいま起きていることが交わる興味深い一夜と思われる。昨今の流れに馴染みの薄い人も、ぜひ一度足を運んでみてはいかがだろうか。

7/25 (Fri)
GOODNIGHT vol.40
at CIRCUS TOKYO
23:00 OPEN / 5:00 CLOSE
ADV: ¥2,500+1d / DOOR: ¥3,500+1d

Ticket: https://circus.zaiko.io/e/goodnight40

Special Guest
dazegxd (Brooklyn, NYC)

LIVE
lilbesh ramko

DJ
666 (yuki+maya)
discordsquad2k (fogsettings+ikill)
wagahai is neko
Yurushite Nyan
GOODNIGHT CREW (skydoki+NordOst+migeru)

VJ
emiku
suleiman.jp

対抗文化の本 - ele-king

 長く続いた店が閉まるのは、いつだって悲しい。ましてや、自らが主体的に関わってきた場所であれば、なおさらである。

 下北沢の路地裏にあったブックカフェ「気流舎」は、2007年の開店以来、実に17年間にわたり存在し続けた。オープン当初から掲げられていたのは、当時すでに古風とも言える「対抗文化(カウンター・カルチャー)」という言葉。この理念を軸に、独立系の古書店兼ブックカフェ・バーとして歩みを始めた。

 原発事故を境に、創業店主による個人経営から、常連客たちによる共同運営(有限責任事業組合)に体制を移行し、筆者も「非組合員」ながら運営に関わるようになった。そして2024年末、ついに気流舎は店舗としての役割を終えた。残務処理を担う「組合員」を除けば、メンバーたちはそれぞれの旅路へと散っていった。

 シュタイナー建築を学び、「あけぼの子どもの森公園」のムーミン屋敷の設計でも知られる建築家の故・村山雄一氏による空間は、幸いにも居抜きで残ったが、長年店頭を彩ってきた植物たちはすべて撤去され、庭先の土もコンクリートで覆われてしまった。近隣に住んでいることもあり、跡地の前を通るたび、アスワドが1981年に発表した曲の一節「African Children, Living in a Concrete Situation」が、しばしば頭をよぎった。どうやら下北沢におけるジェントリフィケーションも、いよいよ完成の域に達したようだ。

 そもそも「気流舎」とは何だったのか。どのような役割を果たしていたのか。その答えは共同運営という性格上、関わった人の数だけあったはずだ。書店であり、カフェであり、酒場であり、小規模なイヴェントスペースでもあり——そしてなにより、「対抗文化の本」に関心をもつ人々が集う場所だった。

 そこでは、公の場では語りにくいようなテーマ——ポリティカルな議論やサイケデリックな体験談——が自然に交わされた。本を読むつもりで立ち寄ったのに、いつの間にか話し込んでしまうような、密度の濃い空間だった。

 形式上は店舗でありながら、店長は存在せず、雇われたスタッフもいなかった。メンバーは誰ひとり報酬を受け取らず、店番は希望すれば基本的に誰でもできたし、途中でフェードアウトすることも許された(貴重本の紛失といった課題も生じた)。過去には運営費を確保するために賛助会員を募り、ドネーションを集めたこともあった。

 「気流舎」という名称は、社会学者・見田宗介が「真木悠介」名義で1977年に著した『気流の鳴る音』に由来する。共同運営が始まってしばらくすると、この本を読むことが唯一のメンバー加入条件となった。そういう意味でも、気流舎は本を媒介としたコミュニティだった。

 『気流の鳴る音』は、ペルー生まれのアメリカの作家・人類学者のカルロス・カスタネダの『ドン・ファンの教え』シリーズの解説書としても読めるものであり、人類学、比較社会学、シャーマニズム、マルクスの思想、インディアンの詩、インドやメキシコの旅のエッセイといった諸要素が交錯するユニークな本だ。副題の「交響するコミューン」が示すように、融合を目指す「ニルヴァーナ原理」ではなく、多様な個が響き合う「エロス的原理」がコミューンのあり方として志向された。

 そんな本の影響もあってか、サイケデリック(文化)、アナキズム(思想)、ニューエイジ(運動)といった、一見交わりづらく対立しがちな要素が、あの小さな空間のなかでは、絶妙なバランスで共存していたように思う。ある時期までは、確かにそんな空気があった。

 2000年代中頃から、東京各地にはインフォショップ、オルタナティヴスペースと呼ばれるような自主管理型の空間が点在するようになった。そうした場は、大学キャンパスが自治的な機能を急速に失っていくなかで、代替的な議論と実践の場になり、文化的・政治的運動を支える関係性の温床となっていた。本書に収録された『ストリートの思想 増補新版』刊行記念イヴェントでは、著者の社会学者・毛利嘉孝氏と、アジアの自主管理空間を研究する江上賢一郎氏による対談が行われ、気流舎もまさにその時代の、その界隈の、ピースのひとつだったことを改めて強く実感することになった。

 こうした場がひとつ消えることは、都市における共有財産=文化的拠点がまたひとつ減ることを意味する。再開発によって家賃が高騰した現在の下北沢において、若い世代が新たにスペースを借り、非営利で維持することは極めて困難である。リアルな場所での集まりがむしろ必要とされている今、運営(組合)体制を刷新し、次世代にバトンを渡すという道はなかったのか。閉店が正式に決定した後も、イヴェントの終わりにゲストや来場者と共に、そんな未練を語り合った。皆が口を揃えて言っていたのが、「もったいない」だった。

 ただ、場所が消えても、残るものはあるはずだ。「気流舎」という名のもとに続いた17年間が熟成だったのか、発酵だったのか、あるいは腐敗だったのか—— その答えは風のなかだが、ただひとつ言えるのは、そこには確かに、空間に沈殿したひとつの文化のスタイル、あるいは集合的な表象のようなものが存在していた、ということだ。それを自分なりにすくい取り、記録したかった。

 特に昨年8月の運営会議で年内閉店が正式に決まってからは、まるでダブプレートを切るサウンドマンのような勢いで、自分が考える「対抗文化」のイヴェントを次々と企画し、空間に響かせ、録音し、文字に起こしていった。とりわけ、長年あやかってきた『気流の鳴る音』の思想的影響については、しっかりと文字で残しておきたかった。そうして気流舎を通り過ぎていった77名の「旅人」たち——その名の通り有名無名を問わぬ語り手たち——の言葉のモザイクを一冊に結晶させることにひとり没頭した。完成した書籍『本のコミューン 対抗文化のイヴェント記録と通り過ぎた旅人たちの風』は個人出版というかたちをとり、出版レーベル名を「文借社(あやかりしゃ)」とした(草森紳一『あやかり富士』にあやかった)。

 本書には、60年代に本場アメリカでサイケデリック・レヴォリューションの渦中を体験し、帰国後は「いのちの祭り’88」で実行委員長を務めたおおえまさのり氏、ヒッピー・コミューン運動「部族」の中心メンバーであり、「部族宣言」を書き、トカラ列島の諏訪之瀬島に長らく暮らした詩人・長沢哲夫(ナーガ)氏、そして、60年代に日本各地に存在した土着コミューンを歩き記録した『不可視のコミューン』の著者・野本三吉氏など、いわばヒッピー世代のレジェンドとも呼べる80歳超えの「長老」たちも登場する。

 さらに、西荻窪「ほびっと村」界隈を中心とした70年代ヒッピー・カルチャーにまつわる記録も、本書では重層的に収録されており、貴重な証言集となっている。マジックマッシュルームが合法だった時代にレイヴ・カルチャーに出会った世代としては、こうしたヒッピーの先達たちの軌跡と、自分たちの文化との連なりをしっかりと記録しておきたいという目論見があった。

 とはいえ、「カウンター・カルチャー」という語を使うと、どうしても60年代欧米発祥のヒッピー・ムーヴメントやサイケデリック・カルチャーの系譜に限定されてしまう印象があり、本書では、より広く複雑な文脈を見渡すために、あえて「対抗文化」という表現を選ぶことにした。

 個人的な趣味を言ってしまえば、ぼくにとって「対抗文化」とは、ブルースを源流とするブラック・ミュージック、あるいは世界中の「大衆前衛」のなかに潜む〈抵抗の力〉を感じ取り、引き受けることにある。それはまた、被抑圧者の声に耳を澄ませ、その声に動かされて、自らも行動を起こしていくことを意味する。本書も微力ながら、そうした文化実践の一端を担おうとする試みでもある。

 たとえば、現代的な手法で「ルーツ」を再構築しつづけるジャマイカの新世代ラスタたちによる闘い〈レゲエ・リヴァイヴァル〉運動、英国ラヴァーズロックの甘くやわらかな響きの奥に秘められたポリティカルなメッセージ、貧困や苦悩を歌いながらも、そこに自己解放の希望を託すブルースの表現力、さらにはブルースのしゃがれ声に宿る屈折したエネルギーを、澄んだ音色のアドリブによって昇華するビーバップの革命—— 音楽に宿る感情の複雑さと、その背後に折り重なる歴史や社会の文脈を掘り起こすこと。そこにこそ、ぼくが「対抗文化」として捉える核心がある。

 評論家であり、革命思想家であり、そして何より日本におけるブラック・ミュージック理解の先駆者でもあった平岡正明の没後十五年を記念し、気流舎の終わりにイヴェントを開催できたことは、ぼくにとって大きな意味をもつ出来事だった。

 思い返せば、人生で初めて企画したイヴェントが、平岡正明氏を迎え、音楽や芸能について縦横無尽に語り尽くしてもらうというものだった。そこから20年。原点とも言える人物を再び軸に据えたイヴェントで「対抗文化」の空間を締め括ったのは、ぼくにとっての「ルーツ回帰」だったとも言えよう。

 「変わりゆく同じもの(the changing same)」——アメリカの批評家アミリ・バラカのこの言葉は、ブラックミュージックを貫く特徴としてあまりに有名だが、これからの自分の活動を見定めていくための指標にもなっていくだろう。

 気流舎の終焉は、ある意味でコミューン志向の場の宿命だったかもしれないが、この小さな社会実験(ブック・コミューン!)から得たものは計り知れない。挫折の果てにこそ〈解放〉があり、場所や立場を失うことで初めて〈自由〉になれる—— そのことを実は真木悠介からすでに教わっていたのだ。長らく沈没していた宿舎(サライ)に別れを告げ、あとは自分のやり方で旅を続けていくだけだ。

『本のコミューン 対抗文化のイヴェント記録と通り過ぎた旅人たちの風』刊行の集い

本のコミューンVol.7 
南阿佐ヶ谷編

チャイ・ブック・サロン ——火曜舎でチャイと本に出会う
https://ayacari.base.shop/blog/2025/06/04/155359

火曜舎のマサラチャイの特徴である「ここではない何処か遠くへ飛べる」「脳天に響く」「良薬のような」「ワインのように余韻の長い」本を各自一冊持ち寄って、紹介し合いましょう。

日時:2025年6月28日(土) 16時〜19時  
場所:火曜舎(東京都杉並区成田東5-35-7)
会費:1,500円(マサラチャイ付き)


本のコミューンVol.8 
チェンマイ(タイ)編

Vision of Chiang mai with CCC
チェンマイ・チル・クラブと見るヴィジョン

https://ayacari.base.shop/blog/2025/06/08/120817

チェンマイ旧市街にあるバックパッカーホステルの庭で持ち寄ったチルなモノと時間を分かち合い、チェンマイ・チル・クラブで一緒にヴィジョンを語りましょう。

日時:2025年7月5日(土) 17時〜20時  
場所:Deejai backpackers (ディージャイバックパッカーズ)チェンマイ旧市街
入場:無料(カンパ歓迎)
ゲスト:
CHIE(SuperChill タイ伝統療法・トークセン、CCC)
Grace Okamoto(フォトグラファー、CCC)
Yuki Makino (NEO食堂 Aeeen Japanese Vegan ) 

CCC - Chiangmai Chill Club

「大人の部活」をコンセプトに、Chill好き女子たちが本気で遊ぶ実験的コミュニティ。テクノパーティー主催、森でのピクニック撮影会、オリジナルハーブ試飲会、ボディワーク交換会などジャンルにとらわれず“やってみたい”を形にしていく場。旅人を含む、一期一会のメンバーで遊びをCreateしています。

▼書籍詳細&購入先
https://ayacari.base.shop/items/104200844

本のコミューン
対抗文化のイヴェント記録
と通り過ぎた旅人たちの風

企画・編著 ハーポ部長
デザイン 戸塚泰雄(nu)
発行所 文借社
2025年4月20日発行
四六判334ページ
定価 2,000円(税別)


目次

Ⅰ 浮遊するコミューン

〈レゲエ・リヴァイヴァル〉とアーバンラスタの闘い 
鈴木孝弥 

オーガニックにしときなさい ージャー9との対話 
ハーポ部長(翻訳 竹内嘉次郎) 

都市型コミューンの誕生
ー 砂川共同体・石神井村コミューン・ミルキーウェイキャラバン 
大友映男(やさい村) 

コミューン暮らしとその終わり
ー ポンちゃんと無我利道場の思い出 
蝦名宇摩

無謀なるものたちのコミューン ー下北沢コミューン研究部の記録 
ハーポ部長

ひとつのコミューンがなくなるとき 
中西淳貴(笹塚コミューン)

Ⅱ 路上と抵抗

ストリート以降/都市 
毛利嘉孝 × 江上賢一郎

ラヴァーズロックと抵抗の音楽 
石田昌隆

交流無限大 ーだめ連 ぺぺ長谷川の文化遺産 
神長恒一(だめ連) × いか(ぬけ組) × 原島康晴(編集者)

はみ出す言葉、Fuzzyな存在 
石丸元章(企画・聞き手:銀色夏実 発言:北沢夏音、大田 ステファニー 歓人、『さいばーひっぴー』編集部すずき&うみこ)

Ⅲ ヒッピーやらパンクやら ータンタンに捧ぐ

梵! ヴォヤージュ! 
ハーポ部長

クール・レジスタンスの時代 
北沢夏音 × 青野利光(『スペクテイター』)

チャンマイ薬草ライフ 
ことり薬草えこインタビュー

 
暴力と尊厳の考古学 ー『死なないための暴力論』刊行記念 
森元斎 × 成瀬正憲

生涯一パンク 
中沢新一 

Ⅳ 風に吹かれて ー気流の鳴る音をきく

メキシコの真木悠介 
今福龍太 × 上野俊哉

『気流の鳴る音』を気流舎で 
鶴見済

自分の内に絶えることなく歌があること ー真木悠介輪読部の記録 
椋本湧也 

ぼくの人生と真木悠介 ー気流舎での出会い 
野本三吉 

Ⅴ ブック、マジック、ミュージック

カウンターカルチャーの印刷物はどのように作られたか? 
槇田 きこり 但人(プラサード書店)
(校閲 石塚幸太郎)

わたしの知ってる最近のZINE事情 
野中モモ

没後一五年 平岡正明は「笑う革命思想家」だった 
阿部晴政 × 向井徹(平岡正明著作集委員会)

民俗音楽の彼方へ 湯立て神楽編 
ものいみやなかの会(齋藤真文&宮嶋隆輔&中西レモン&すー&斎藤ぽん&ハズミ)

気流舎と旅 
ハーポ部長

坂部の冬祭りレポート 
アクセル長尾

鬼とパンク 天龍村坂部冬祭りについて 
石倉敏明 

インドネシアの呪術師に弟子入りしたタオイストの話 
中原勇一(やわらぎ気功クリニック)

気流舎から始まった本の旅 
汽水空港モリテツヤ インタビュー 

エッセイ 旅のノートから(38人の旅話&本の紹介&気流舎への一言)

ハーポ部長 ELIJAH-FAR-I  鍵谷開 高橋ペコ 桝田屋昭子 Yusuke Suzuki 高岡謙太郎 ありい 大槻洋治 根岸恵子 すずき 銀色夏実 茂田龍揮 花崎草 くるみ 橋本勝洋(サンガインセンス) 川上幸之介 タンタン(長谷川浩) 翔太郎 内田翼 石崎詩織 川崎光克 さおり 平田博満 おおえまさのり ケロッピー前田 円香(現代魔女) わたなべみお 関口直人 猫村あや 馬場綾(アマゾン屋) リサ 長澤靖浩 宮脇慎太郎(ブックカフェソロー)  諫山三武(未知の駅) 吉澤順正 おぼけん(『新百姓』) 長沢哲夫(ナーガ)

  
虹より高く ーロバート DE ピーコとブルース共同体 
ハーポ部長

ロバート DE ピーコ音源QR「ライヴ・アット・気流舎」

      
編集後記 
僕らには儀式が必要だった
気流舎から寄留者へ

world’s end girlfriend - ele-king

 去る6月13日、world’s end girlfriendの新曲 “Helix of frequency, Phenomenon of Love and Void (feat. Jessica)” がリリースされているのだが、なんとも興味深い試みが為されている。

https://virginbabylonrecords.bandcamp.com/track/helix-of-frequency-phenomenon-of-love-and-void

 作詞・作曲はworld’s end girlfriend。アートワークには山田優アントニの作品を使用。ヴォーカルにJessica、コーラスにMON/KU、ヴァイオリンにkumi takahara、チェロにSeigen Tokuzawaを迎えた同曲は、無料でダウンロードできるかわりに、聴き手はあるルールを遵守しなければならない。そのルールとは――
 曲を聴きながら以下のメッセージに目を通して、world’s end girlfriendがなにを思い今回のリリースを決断したのか、考えてみよう。

この楽曲は無料(または任意の価格)でダウンロードが可能ですが、
聴くものには以下のルールが課されます。

以下、ルール表記とコメント。
―――――――――

この楽曲を聴かれる方は、以下のルールを遵守してください。
If you listen to this song, please follow the rules below.

―――――――――
ルール:
The Rules:
*この楽曲は、無料または任意の価格を設定してダウンロードすることができます。
**This song can be downloaded for free or at an arbitrary price.

*この楽曲を聴いたその日から、「1年間、生きる」というルールがあなたに課されます。
(ルールを拒否し楽曲を聴かないという選択もできます)
**From the day you listen to this song, a rule is imposed upon you: "Live for one year."
(You may also choose to reject these rules and not listen to this song.)

*この楽曲は、個人間で自由に受け渡すことが可能です。
ただし、その場合も同じルールが受け取った方に課されます。
**This song can be freely transferred between individuals. However, the same rule will be imposed on the recipient in that case.

*YouTubeやSNSなど不特定多数が視聴できる場での楽曲の公開・配信は禁止とします。
**Public sharing or distribution of the song on platforms accessible to an unspecified number of people, such as YouTube or SNS, is prohibited.
―――――――――

これは楽曲に約束が付随し、あなたが自分自身とそして私と約束(または優しい呪い)を交わすようなもので、あなたと楽曲との関係性はどうなるのかの実験です。
This is an experiment to see how your relationship with this song evolves, as it comes with a promise(or a gentle curse), like you are making a commitment to yourself and to me.

お楽しみください。
Please enjoy.

world’s end girlfriend

Ches Smith - ele-king

 メアリー・ハルヴォーソン(g)の〈ノンサッチ〉からのソロ作は確かに非の打ちどころのない傑作だった。だが、NY前衛シーンの要人チェス・スミス(ds)率いるカルテットの一員としてギターを弾く彼女の前では、その傑作すらかすんでしまう。彼女をグループの一員としてここまでうまく機能させた例も珍しいのではないだろうか。これは大言でも誇張でもない。チェス・スミス『Clone Row』は2025年を代表するアルバムのひとつである。
 カルテット編成の本作では、メアリーとリバティ・エルマンがギターを弾いているのだが、このふたりの不即不離のつばぜりあいこそが要となっている。エルマンはヴィジェイ・アイヤー、ルドレシュ・マハンサッパらと共演し、ピューリツァー賞を受賞したヘンリー・スレッギル『In for a Penny, In for a Pound』(2015)でも的確なサポートぶりを見せた。知名度こそ低いがハルヴァーソンとしては相手にとって不足なしだっただろう。
 そのふたりのギターを束ねあげるのが、作曲家としても名を馳せるチェス・スミス(ds)。彼はマーク・リーボウ率いるセラミック・ドッグでガレージ・パンクとフリー・ジャズを接ぎ木したようなサウンドの推進力として、苛烈なグルーヴを放っていた。2015年には現代音楽寄りの静謐なサウンドが印象的な『The Bell』を〈ECM〉から発表。またつい先日、〈ツァディック〉からひとりで様々な打楽器を操るソロ・アルバム『Self』をリリースしたばかりで、打楽器奏者として非凡なところを見せつけた。ベースはこれまたNY前衛畑のニック・ダンストン。底辺を確実に支えながら、時折大きくうねるようなグルーヴも聴かせる。
 2本のギターのラインを追うだけでも聴き応えのある作品だ。対位法やユニゾンを駆使するのはもちろん、絡み合い、もつれあい、交差/交錯し、時に調子っぱずれな不協和音も醸し出す。例えば、かつてのソニック・ユースにおけるサーストン・ムーアとリー・ラナルドという両ギタリストの関係を、より複雑精緻に、そして大胆に発展させたような趣きもある。あるいは、テレヴィジョンのファースト『マーキー・ムーン』における、トム・ヴァーラインとリチャード・ロイドのハーモニーを思い出す、という人もいるだろう。
 奇矯なポリリズムに乗せてヴィブラフォンが鳴り渡る“Ready Beat”、グレン・ブランカのギター・アンサンブルの創造的乗り越えを計ったような“Clone Row”、長いリフの繰り返しでリズムが自在に伸縮する“Town Down”、チャーミングでトイ・ポップ然とした“Heart Breakthrough”、彼らなりのミニマル・ミュージックとでも呼ぶべき“Sustain Nightmare”、デレク・ベイリーばりに禁欲的なソロが続く“Play Bell (For Nick)”など、その音楽的な射程は実に長い。全体的にポスト・パンクやノイズの要素も含み、ロック的なダイナミズムも失っていない。むろん、即興の割合が高くジャズの要素もあるのだが、形骸化したジャズの型や形式を内側から喰い破るような獰猛さこそに剋目すべきだろう。
 繰り返すが、2本のギターの重なり合いとすれ違いに耳を澄ませてほしい。メアリー・ハルヴォーソンのギターとバディ・エルマンのギター。このふたつが単なる足し算でも掛け算でもなく、お互いのポテンシャルを引き出すことによって、無限にエントロピーを増大させてゆく。ハルヴォーソンを契機にジャズに興味を覚えたようなリスナーにこそ届く訴求力を宿した逸品だ。当然、ギタリストは全員必聴である。

Mars89 - ele-king

 Mars89が主宰する〈Nocturnal Technology〉が初となるレーベル・ナイト「Nocturnal Technology presents NIGHT-001」を7月5日(土)に渋谷・WWWβにて開催。本年1月に同レーベルから発表された、Albino Soundとの「ボディーホラー」をテーマにしたアルバム『ORGANS』のリリース・ライヴを披露する。

 ワルシャワのレーベル〈Brutaż〉を主宰し自身も名店〈HARDWAX〉の運営に関わるDJ・RRRKRTAによるオール・ヴァイナル・セットを迎え、ローカル・アクトとしてハウスを主軸にレフトフィールドなアプローチを続ける音楽家Yoshinori Hayashi、大塚のアンダーグラウンドなヴェニュー〈地底〉を拠点に活躍する新鋭RE:COが出演。

 直訳すると「夜行性の技術」といった意味合いになるだろうか、〈Nocturnal Technology〉という名を体現した、夜を愛してやまないMars89の哲学を存分に体験できる一夜となることだろう。

Nocturnal Technology presents NIGHT-001

2025/07/05 SAT 23:00 at WWWβ
U23 ¥2,000 / ADV ¥2,500 / DOOR ¥3,000
TICKET https://t.livepocket.jp/e/20250705wwwb

Albino Sound & Mars89 ORGANS Release LIVE
RRRKRTA [Brutaż / Warsaw]
RE:CO
Yoshinori Hayashi

Over 20 only・Photo ID required / 20歳未満入場不可・要顔写真付ID

*当日映像の撮影を予定しています。顔などが鮮明に映らないよう配慮しておりますが、あらかじめご了承ください。
*本プログラムはRRRKRTAの渡航費の一部としてポーランドのAdam Mickiewicz Instituteからサポートをサポートを受けています。

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 Mars89主宰のレーベルNocturnal Technologyが、そのアティチュードを体現する夜会を開催する。同レーベルからボディーホラーをテーマにしたアルバム『ORGANS』をリリースしたAlbino SoundとMars89が、初のセッションライヴパフォーマンスを披露する。そして、レフトフィールドなダンスミュージックをリリースし続けているワルシャワのレーベル「Brutaż」のボスであり、ベルリンの名門レコードストアHARD WAXの裏方も務めるRRRKRTAが大量のレコードと共に初来日を果たす。国内からは、同じくレフトフィールドなダンスミュージックを探求し、ノルウェーの〈SMALLTOWN SUPERSOUND〉からアルバムをリリース、レコード・フリーク達を唸らせてきたDJでもあるカルト電子作家Yoshinori Hayashiと、若手ながらもスキルフルにダブやテクノを横断、大塚地底のCALDERAよりRE:COが登場する。

 Nocturnal Technologyは、東京を拠点に活動するDJ/プロデューサーのMars89による、夜をテーマにしたエレクトロニック・サウンドのレーベルである。レーベル名の「Nocturnal Technology(夜行性の技術)」は、クラブカルチャーの技術が夜間に活気づくことを意味している。レーベルのロゴは、音を使って暗闇で行動する動物であるコウモリへのオマージュである。

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MOODYMANN JAPAN TOUR 2025 - ele-king

 7月に来日のムーディーマン、すでに東京公演はソールドアウトしておりますが、大阪はまだチケットあります。彼のDJを聴かずしてハウスは語れない、そのくらい素晴らしいDJです。しかも毎回そのミックスや選曲には驚きがあります。ブラック・ミュージックの最高のDJで、関西も盛り上がりましょう!

Swans - ele-king

 ロックの歴史において、炎に焼かれ灰となり、そこから甦るというフェニックスの神話をこれほどまでに体現したバンドが他にあるだろうか——スワンズをおいて。1998年、バンドは文字通り「死」を迎える。最終作のタイトルは、まぎれもなく『Swans are Dead』。これ以上ない明快さ。「これで本当に終わり」と公言するバンドは数あれど、実際に姿を消す者は稀だった。そして彼らは、本当に消えた。
 1982年の結成以来バンドを率いてきたマイケル・ジラも、当時の活動を肯定的に語ることはなく、2000年代のアメリカにおける新たなフォーク・ムーヴメントのなかで、Angels of Lightやソロ名義でフォーク・ミュージックへと舵を切っていった。だが、スワンズが『The Great Annihilator』(1995)で踏み出したあの時代は、いま振り返っても尋常ではなかった。『Holy Money』(1986)の時期の金槌のような打楽器による暴力的ミニマリズムと同等の強度をもちながらも、そこにはより物語性に富んだ、儀式的なノイズの瞑想が展開されていた。なかでも『Soundtracks for the Blind』(1996)は、音の探求として驚異的な達成を示す作品であり、もっと多くの人に発見されるべきアルバムである。
 スワンズは死んだ——そうマイケル・ジラが宣言したとき、それを疑う理由はどこにもなかった。だが2010年、誰も予想しえなかった再生の瞬間が訪れる。スワンズは再び目を覚ましたのだ。
 復活後最初の作品『My Father Will Guide Me Up a Rope to the Sky』(冗長なタイトルが物語るように)は、たしかな可能性を感じさせながらもやや肩すかしだった。その音楽的へその緒はまだ、Angels of Lightのフォーク的世界にしっかりと繋がれていたからだ。年齢を重ねれば創造性は失われていく——そんな西洋に根づく通念が、作品の背後にちらついていたのも否めない。
 しかし、すべてが変わったのは2012年。『The Seer』のリリースによって、誰も予測できなかった新たな激烈の時代が幕を開けた。ジラは、初期スワンズの打撃的なサウンドを再び受け入れつつ、それをまったく新たな文脈に落とし込んでいった。その音楽は、過去と現在を弧を描くようにつなぎ、バンドの新たな自己像を浮かび上がらせたのだ。スワンズというバンドは、その歩みを時代ごとに明確に区切っていく存在であり、それを決定し、宣言することをジラ自身もまた好んでいる。

 2025年に発表されたスワンズの第17作『Birthing』は、まさに記念碑的な作品であり、またしても「これが最後の〈ビッグ・サウンド〉作品になる」との宣言とともに世に放たれた。極限までの追求を信条とするマイケル・ジラらしく、本作でもその姿勢は貫かれている。全7曲ながら収録時間は2時間近くにおよび、かつて『Soundtracks for the Blind』が「一線」を画したように、『Birthing』もまたひとつの終わり——どれほど決定的な終止符であるかは定かでないにせよ——を示しているかもしれない。
 『Birthing』を語るうえで不可欠なのは、スワンズというバンドがグレン・ブランカの「使徒たち」であるという事実を理解することだ。今日では徐々に記憶から遠ざけられつつあるが、ブランカはスワンズのみならずSonic Youth、さらには80年代NYアヴァン・シーン全体に多大な影響を与えた存在である。
 巨大なノイズ・ギター交響曲の先駆者であったブランカは、10本以上のエレクトリック・ギターとアンプが一斉に耳をつんざく音量で鳴らされ、アコースティック楽器では決して得られないような〈うなり〉や〈幽霊音〉を呼び起こすという音響実験を通じて、演奏者に「強度」のすべてを教え込んだ。その場にはジラも、ソニック・ユースのサーストン・ムーアも身を置いていたのだ。皮肉なのは、ジラがあの「音」に本格的に再び取り組んだのが、それからおよそ20年を経てのことだったという点だ。時間とは、まさに相対的なものなのだ。
 『Birthing』は、メシア的なドローン——ほぼすべての楽曲に通底する、力の限りに引き伸ばされた音のうねり——と、説教師のような呼びかけ(“I am a Tower”)を行き来しながら、氷河のように冷たい音響の炎をひとつに束ねるような、ミニマル・フォークの哀歌を内包している。アンサンブルによる暴力的な歓迎は、リスナーに険しい音の山を登らせるが、アルバムの多くのパートはむしろ内省的で、どこか悲しげで繊細ですらある。
 冒頭の“The Healers”は、全員男性メンバーによるバンドとは思えないほどフェミニンな楽曲であり、浮遊するような音の抱擁が広がっている。その柔らかさは、ラストにかけて続く記念碑的なエクスタシーと鮮やかな対照をなす。この「静から動への振幅」、あるいは個々の楽曲を超えた巨大な音響構造は、まさにグレン・ブランカの手法を思わせるものであり、2時間という時間のなかで幾度となく繰り返される。そのため、本作は個々の楽曲というよりも、一続きの大作として体験されるべきものとなっている。
 最終的に、この構造から逃れることは難しい。ボアダムスのように、かつて同じ道を選んだバンドたちがそうであったように、この形式に祝福された者たちは、たとえ曲が分かれていても、必然的にマントラ的な「ひとつの音」に回帰していく運命にあるのだ。繰り返すことは、神をより深く知ることに通じる。だが、30年以上にわたるヴィジョンを貫いてきたマイケル・ジラは、決して時代を繰り返さない。ゆえに、『Birthing』が何らかの「別れ」を告げる作品であることは間違いない。しかし、いくつかのことを忘れずにいたい。
 まず第一に、スワンズの啓示は常にツアーとともにもたらされるということ。願わくば、読者であるあなたにも彼らのライヴを体験してほしい。彼らは過去に二度、日本に来ている。願いを込めて指を交差させれば、もしかするともう一度──本当に最後の一度──来日してくれるかもしれない。
 第二に、スワンズのフィジカル・リリースは、単なるアルバムではなく「遺産」として設計されているということ。芸術作品として保存されるべきものとして、クオリティに優れた盤を手に入れた者には、その価値は限りなく高い。
 第三に、マイケル・ジラは現在71歳という、なお鮮烈な生命力をもつ人物であるということ。残された時間は、すでに歩んできた道のりより短いかもしれない。完璧ではないかもしれないが、『Birthing』は、そんな彼が世界に贈った驚くべき贈与であり、妥協なき、そして深い愛に満ちたヴィジョンの結晶である。だからこそ、この作品を単にダウンロードして済ませてはいけない。ぜひフィジカルで手に入れ、一生大切にしてほしい。
 「I am the best fucking Fuck that you never will have.(俺はきみがかつて見たことのない最高のクソ野郎)」


There is no band in rock history whose trajectory has reflected the myth of the Phoenix, one destined to burn in fire and then resurrect itself like SWANS. The band literally died in 1997, their “last” album sincerely entitled SWANS ARE DEAD. It doesn`t get any clearer than that. How many bands jump up and down to say never more? And gone they were. Founder Michael Gira didn`t speak positively of his days fronting the band from 1982 while he moved on to folk music in the midst of the American new folk scene of the 2000`s with new band Angels of Light and solo efforts. Still that era, begun with “The Great Annihilator” was formidable intense cinematic music that mirrored in intensity with the Holy Money era of hammer percussion, instead evolved to narrative based ritualistic noisy meditation.”Soundtracks of the Blind” is an incredible achievement in sound that begs to be discovered more.
When he said SWANS was dead, no one had any reason to disbelieve him but come 2010, a rebirth was witnessed. SWANS reawakened. The keenly promising but somewhat underwhelming first release “My Father Will Guide Me Up a Rope to the Sky” with its unnecessary long title was definitely a suggestion of what could be but didn’t go far enough with its umbilical cord still tightly connected to Angels of Light folkdom. The commonly held western belief that the older one gets the less creative one is could be felt in the background. But all changed in 2012 with “The Seer,” officially starting an intense new era no one could have forecast. Gira had embraced again the pummeling sound of the early songs in a new context that drew an arc from their beginnings to their new found self. SWANS is a band of clearly marked eras which Gira is very found of deciding and announcing.
2025`s monumental release “Birthing,” SWANS` 17th release, is no different, attached to yet another announcement that it would be the last “big sound” release. Gira known for pushing to the extreme has definitely done so here. With just 7 tracks, the album is just a hair under 2 hours and may mark another end (how definitively is anyones guess) in the same way that “Soundtracks of the Blind” was a line in the sand.
To properly talk of “Birthing,” it`s vital to comprehend that SWANS are the disciples of Glenn Branca, a name that is progressively being forgotten in time despite his massive influence on SWANS and Sonic Youth and the NYC avant scene of the 80`s. Branca, the first composer of titanic noise guitar symphonies provided a learning ground for musicians (both Gira and Thurston Moore were participating musicians) to soak in the intensity of 10 or more electric guitars with amps strumming simultaneously at earsplitting volumes summoning humming ghost tones impossible with acoustic instruments. It is incredibly ironic that Gira didn`t embrace “that sound” again til 20 years later. Time is indeed relative.
“Birthing” wades between messianic near-power drones (almost every song), preacher callings (“I am a Tower”), minimalist folk dirges which hold all of the flames of glacier sound together. Though the welcoming violence of the ensemble creates stark mountains to climb for the listener, many parts of the album remain meditative, almost mournful and delicate. The beginning “The Healers” is a very feminine song coming from an all male band. That floating aural embrace is directly contrasted with the continuous monumental euphoria of the end. This Branca pattern occurs often through the 2 hours making parts of the total experience at times feel less like individual songs and more like one long work. Ultimately this can`t be escaped as any band that choses this road like the Boredoms for example before them, often repeats themselves in separate songs because the blessing of their formation is christened by a mantra sound. To repeat is to know God better.
Gira, in his 30 plus year vision does not repeat eras so this is definitely a goodbye of some kind but let us keep some things in mind. One, SWANS revelations always come with a tour and I hope you the reader gets to see them. They have come twice to Japan, and if we cross our fingers, maybe they will come one last time. Two, SWANS physical releases are legacy works designed to be art, to be preserved as art. Highly valuable when bought with commendable quality. Three, Michael Gira is a vibrant 71 year old man. There is less ahead than behind so though “Birthing” is not perfect, it is an amazing gift to the world by a man with a vision uncompromising and loving. Do not just download this. Buy a physical copy and keep it forever.
“I am the best fucking Fuck that you never will have”

Beatie Wolfe and Brian Eno - ele-king

 3月にアルバム『AURUM』をリリースしたばかりのブライアン・イーノ。さらなる新作情報です。これまでもさまざまな音楽かとコラボしてきたコンセプチュアル・アーティスト、ビーティー・ウルフとの共作2枚、『Luminal』と『Lateral』が本日6月6日に2枚同時リリース。あわせて、『Luminal』より収録曲 “Play On” のミュージック・ヴィデオも公開されている。

 また、ブライアン・イーノといえば、観るたびに構成や内容が変化するジェネレイティヴ・ドキュメンタリー映画『Eno』(監督はギャリー・ハストウィット)がいよいよ日本でも公開となる。すでにソールド・アウトとなっている6月21日のプレミア上映を皮切りに、東名阪の109シネマズにて7月11日から期間限定で上演。巨匠の新たな試みを体感できるまたとない機会、ぜひお見逃しなく。予告編、詳細は以下より。

Artist : Beatie Wolfe and Brian Eno
Title: Luminal
Release Date:2025.6.6
Label : Verve / BEAT
Format : CD / Vinyl / Digital
Buy / Stream : https://BeatieWolfe-BrianEno.lnk.to/LUMINAL

Tracklist:

1. Milky Sleep
2. Hopelessly At Ease
3. My Lovely Days
4. Play On
5. Shhh
6. Suddenly
7. A Ceiling and a Lifeboat
8. And Live Again
9. Breath March
10. Never Was It Now
11. What We Are

Artist : Beatie Wolfe and Brian Eno
Title: Lateral
Release Date:2025.6.6
Label : Verve / BEAT
Format : CD / Vinyl / Digital
Buy / Stream : https://brianeno-beatiewolfe.lnk.to/LATERAL

Tracklist:

CD:
1. Big Empty Country

Vinyl:
1. Big Empty Country (Day)
2. Big Empty Country (Night)

Digital:
1. Big Empty Country Pt. I
2. Big Empty Country Pt. II
3. Big Empty Country Pt. III
4. Big Empty Country Pt. IV
5. Big Empty Country Pt. V
6. Big Empty Country Pt. VI
7. Big Empty Country Pt. VII
8. Big Empty Country Pt. VIII

アンビエントの巨匠ブライアン・イーノとコンセプチュアル・アーティストのビーティー・ウルフによる新たなコラボレーション・アルバム『Luminal』と『Lateral』がヴァーヴ・レコーズより本日リリースされた。『Luminal』から「Play On」のミュージック・ビデオが公開となっている。

イーノとウルフの出会いは2022年の音楽祭・映画祭・インタラクティブ・フェスティバルなどを組み合わせた大規模イベント、サウス・バイ・サウス・ウエスト(SXSW)にさかのぼる。二人はSXSWにて「アートと気候(Art and Climate)」と題して特別講演を行い、この公演はSXSWの25年間の歴史の中でベスト・トークの一つに選ばれた。
その後、二人はそれぞれロンドンの別々のギャラリーでビジュアル・アートやコンセプチュアル・アートの作品を展示していたときに再会し、音楽的なコラボレーションが生まれた。

 イーノはニュー・シングル「Play On」について
「この曲は私たちを不思議な場所へ連れて行ってくれました。全く相容れない感情が、落ち着きのない仲間になる場所です。怒りと恍惚、ある種の力と混ざり合った絶望、そしてある種の喜び。この複雑な感情を表す言葉はあるのでしょうか?たとえ言葉がなくても、今やそれを表現する音楽が産まれています」
と語った。

また、イーノとウルフは、2024年まで散発的にレコーディングされたこのプロジェクトでのコラボレーションを振り返って、次のように語っている。

==
音楽は感情を喚起するものです。その感情の中には、馴染みのあるものもあれば、そうでないもの、あるいは複数の異なる感情が複雑に混ざり合ったものもあります。他の言語や文化には、そのような感情を表す美しい言葉がたくさんあります。そう、英語にはない言葉です。感情に名前をつけることで、私たちはその感情をより感じやすく、より具体的にすることができます。アートは、私たちがこれまで感じたことのないような感情や、あるいは感情の混ざり合いを引き起こすことができます。このように、アート作品は、ある種のフィーリングの「母」となり、そのフィーリングを見つけ、再体験するための場所になり得るのです。私たちが取り組んだ感情の中には、次のようなものがありました・・・。

Ailyak (ブルガリア語)・・・ゆっくりと、プロセスを楽しむこと
Commuovere (イタリア語)・・・感動すること
Dor (ルーマニア語)・・・あこがれ、帰属意識
Duende (スペイン語)・・・ゾクゾクすること
Feath (ゲール語)・・・静寂、平和
Gezelligheid (オランダ語)・・・温かい親密さ Ilinx (フランス語) ・・・遊びによる不思議な興奮
Jijivisha (サンスクリット語)・・・人生を全うすること
Liget (フィリピン語)・・・燃えるようなエネルギー、生命の輝き
Merak (セルビア語)・・・宇宙と一体になること
Meraki (ギリシャ語)・・・何かに没頭すること
Mono no aware (日本語)・・・人生のはかなさに感謝すること
Onsra (ボロ語)・・・愛を失うことを予期すること
Pronoia(ギリシャ語)・・・パラノイアの反対の意
Sisu (フィンランド語)・・・決意、気概
Torschlusspanik (ドイツ語)・・・時間がなくなることへの恐怖
Ya'aburnee (アラビア語)・・・誰かがいない世界で生きたくないということ
==

そして、ブライアン・イーノのジェネレイティヴ・ドキュメンタリー映画『Eno』が日本国内での上映が迫っている。ギャリー・ハストウィット監督による『Eno』は、ブライアン・イーノへの長時間のインタビュー、そして500時間を超える貴重なアーカイブ映像を組み合わせ、アーティストのブレンダン・ドーズと共同開発した自動生成システム「Brain One(ブライアン・イーノのアナグラム)」を導入。観るたびに構成や内容が変化する映画の常識を覆す全く新しい体験を実現した。そんな映画『Eno』がついに日本初上陸を果たす。なお、アジア圏での劇場上映はこれが初となる。

監督:ギャリー・ハストウィット
字幕翻訳:坂本麻里子 / 字幕監修:ピーター・バラカン
配給:東急レクリエーション / ビートインク
サイト:https://enofilm.jp/

THEATER
劇場・上映スケジュール・チケット情報

■ 上映スケジュール
特別プレミア上映(トークイベント付き) *SOLD OUT
【会場】109シネマズプレミアム新宿 シアター7
【日時】2025年6月21日(土)
【登壇者】ギャリー・ハストウィット監督 × ピーター・バラカン(トークショーあり)
※特別プレミア上映は1回目と2回目でそれぞれ別のヴァージョンとなります。

一般上映
109シネマズプレミアム新宿 シアター7
【期間】2025年7月11日(金)~ 7月17日(木)

109シネマズ名古屋 シアター4
【上映日】2025年7月12日(土)、7月13日(日) ※土日限定上映

109シネマズ大阪エキスポシティ シアター5
【上映日】2025年7月12日(土)、7月13日(日) ※土日限定上映

【チケット販売URL】 https://eplus.jp/eno/

忌野清志郎さん - ele-king

「ボス、ロックやるのもたいへんですね」と返したら、「おまえ、この国にロックなんかないんだよ」と言って帰って行きました。その姿もよく憶えています。かっこよかったんです。(本文より)

 我々はひじょうに危険な状態にあると指摘する人が後を絶たない現在、何度も何度も耳にする言葉──「いま清志郎がいてくれたらなぁ」。1988年『COVERS』発売直後の混乱期、『コブラの悩み』~ザ・タイマーズ~RCサクセションの解散という激動のなか、清志郎のようなメイクと衣装で働いた名物宣伝マンの語る「清志郎さん」。巻末にはele-king編集長・野田努との「RCサクセションとタイマーズをめぐる」対談も掲載。あまり知られていない逸話もまぜつつ、いまあらためて「清志郎さん」がやり遂げたことについて考えます。
 かつてこの国のロックで、権威を敵にまわし、たくさんの子供たちを(そして大人たちも)喜ばせたミュージシャンがいました。高橋康浩の『忌野清志郎さん』、頭と、そしてハートで読んでください。

[著者]
高橋康浩(たかはし・やすひろ)
80年代後半、レコード会社入社後、RCサクセションの問題作『カバーズ』発売中止事件の渦中に放りこまれ、翌年、タイマーズがメディアをジャックしたFM東京事件に担当者として騒動を経験。また、派手なメイクに衣裳で自らが宣伝塔となり、忌野清志郎のプロモーションを展開。清志郎とともに突然街中でゲリラ・ライヴを敢行し、話題となる。現在もフリーランスとして清志郎のCDの監修やメディアやトークイベントへの出演、原稿執筆等を担っている。ファンのあいだでは清志郎命名による高橋ROCK ME BABYというネームで知られている。

デザイン:鈴木聖
表紙写真:川上尚見/中面写真:有賀幹夫

四六判/248頁

■目次
編者による序文
序章 17歳の「雨あがりの夜空に」
第一部 『COVERS』、ザ・タイマーズ、RCサクセションの解散
第二部 RCサクセション
第三部 ローランド・カークはとっくに死んでいる
終章 「俺は昨日と今日と明日のことしか考えないんだよ」
あとがきに代えて 高橋康浩×野田努
謝辞

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