「LOW JACK」と一致するもの

CHART by STRADA RECORDS 2010.06.11 - ele-king

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1

ANTONIO & ANTOINETTE OCASIO

ANTONIO & ANTOINETTE OCASIO ONE DREAM,OUR DREAM TRIBAL WINDS (US) »COMMENT GET MUSIC
TRIBAL WINDSから女性ヴォーカルものがリリース!パーカッシヴなビートにギターのカッティングやサックス、ピアノが絡むライヴ・フィーリング溢れるトラック、それにメロディアスなヴォーカルがフィーチャーされた盛り上がる作品!B面にはDJ UCHIKAWA a.k.a. LOFTSOULによるリミックスも収録!

2

JOINT MOVEMENT PROJECT

JOINT MOVEMENT PROJECT FIND A LOVE BALANCE ALLIANCE(FR) »COMMENT GET MUSIC
MOODYMANNのMAHOGANIやTRACKMODE等からのリリース、更には自身のレーベルN.D.ATLの運営で人気のKAI ALCEと、ニューヨークのアンダーグランド・シーンで古くから活動を続けるJOVONNとの強力コラボレーション!JOVONNによる陶酔系ヴォーカルにエレピが絡むグルーヴィーなオリジナルに加え、図太いビートで押しまくるSPENCER KINCY(a.k.a. GEMINI)によるリミックスをカップリング!

3

RON DEACON

RON DEACON SECRET GARDEN EP FARSIDE (GER) »COMMENT GET MUSIC
新鋭アーティストRON DEACONによる12インチが人気レーベルFARSIDEから登場!メランコリックな女性ヴォーカルもので、A面にはLOWTWCによるダブ・ミックスを収録!女性のヴォイス・サンプリングを絡ませた超ディープなハウス・チューンで途中で唐突に水が流れる音が入ったりするのも◎!NAKED MUSICのようなムーディーなB面もグッド!

4

HENRIK SCHWARZ AND KUNIYUKI

HENRIK SCHWARZ AND KUNIYUKI ONCE AGAIN REMIXED-SOULPHICTION REMIXES MULE MUSIQ (GER) »COMMENT GET MUSIC
人気作「ONCE AGAIN」にリミックス盤登場!PhilpotやSonar Kollektivといったレーベルで活躍中のビートダウン系ユニットSoulphictionをリミキサーに起用し、パーカッシヴで渋みを増した仕上がりに・・・!しかしそれ以上に注目なのがKuniyuki自身によるインスト・ヴァージョン!ヴォーカルを省くことにより、研ぎ澄まされたビートやピアノがダイレクトに伝わってきます!

5

ANDRE CROM & MARTIN DAWSON

ANDRE CROM & MARTIN DAWSON GONNA BE ALRIGHT OFF(EU) »COMMENT GET MUSIC
このレーベルではお馴染みのANDRE CROMがTWO ARMADILLOSの片割れMARTIN DAWSONとコラボレート!ディスコ・サンプリングにフィルターを効かせたB1、空間的な鳴りがカッコいいディープなハウス・チューンのB2が特にオススメ!

6

PHONIQUE

PHONIQUE OUR TIME OUR CHANCE-WAHOO REMIX DESSOUS (GER) »COMMENT GET MUSIC
USハウス好きをも反応させる音作りで当店でも人気のPHONIQUEがまたまたやってくれました!渋い男性ヴォーカルをフィーチャーしたテック・ハウスで、クール且つ繊細なトラックにヴォーカルがバッチリはまっています!一押しはオリジナル・ヴァージョンですが、バレアリックな雰囲気も併せ持ったWAHOOによるヴァージョンもグッド!Ben Watt、The Revenge、Brothers' Vibe、Will Saul、Laurent Garnier、Milton Jackson、Funk D'Voidらもプレイ!

7

PHLASH & FRIENDS

PHLASH & FRIENDS JUNGLE ORCHIDZ(feat.ALMA HORTON) DIPIU(ITA) »COMMENT GET MUSIC
Restless Soul名義での活躍で有名なPHIL ASHERによる別名義PHLASH & FRIENDSの12インチ!まるでKENNY DOPEのようなファットなビートが圧巻のA面もさることながら、パーカッシヴなアフロ・トラックのB面がキラー!ブーミーなベースや民族っぽいヴォイス・サンプリング等も入った熱い仕上がり!

8

JEPHTE GUILLAUME

JEPHTE GUILLAUME DEJA VUE(feat.WILTRUD WEBER) TET KALE (US) »COMMENT GET MUSIC
100枚限定のプロモも話題だったこの曲が遂に正規リリース!SPIRITUAL LIFEやIBADANからのリリースで知られるJEPHTE GUILLAUMEが久々に自分のレーベルから放つ強力盤で、彼らしいパーカッシヴなハウス・トラックに伸びやかな女性ヴォーカルがフィーチャーされたシリアス且つカッコイイ作品!

9

MASSIVE ATTACK

MASSIVE ATTACK PARADISE CIRCUS-GUI BORATTO REMIX WHITE (US) »COMMENT GET MUSIC
MASSIVE ATTACKのアルバム「Heligoland」収録曲を、KOMPAKTなどからのリリースでもお馴染みのブラジル生まれのクリエイターGui Borattoがリミックス!メランコリックなディープ・ハウス・リミックスで、繊細なバック・トラックに可憐な女性ヴォーカルがグッとくる最上級の仕上がり!DOMMUNEでDJ AGEISHIさんがプレイしてました!

10

ALEEM

ALEEM RELEASE YOURSELF NIA(UK) »COMMENT GET MUSIC
映画「MAESTRO」でも使われ大人気のこの1枚がオリジナル仕様で復刻!オリジナル盤は中古市場で高騰していたので嬉しい!A面以上に人気のB面ダブ・ミックスはMARLEY MARLが手掛けています!

CHART by JET SET 2010.05.03 - ele-king

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1

DJ NORI

DJ NORI JOURNEY »COMMENT GET MUSIC
Sleeping Bugzのミックス・シリーズ!第一弾のHikaru / Sunset Mile Stoneの余韻に浸る間もなく第二弾が登場!今回は大御所DJ Nori!

2

FLYING LOTUS

FLYING LOTUS COSMOGRAMMA »COMMENT GET MUSIC
US西海岸の怪物Flying Lotusが豪華ゲスト陣を迎えた歴史的傑作を完成!!Thom YorkeやLaura Darlington(Long Lost)、Dorian Conceptらも参加、漆黒の崩壊寸前グルーヴで冒頭から突っ走る脅威の17曲!

3

HEALTH

HEALTH DIE SLOW / BEFORE TIGERS »COMMENT GET MUSIC
な、なんとGold Pandaがリミックス。メランコリック・エレクトロニカ・ダンス・キラー!!当店人気の西海岸ノイズ・コア・バンドHealth。大傑作2nd.アルバム"Get Color"からのリミックス盤が登場!!とにかくGold Panda Remixが最高すぎですー!!

4

PRINS THOMAS

PRINS THOMAS MORFAR »COMMENT GET MUSIC
アルバムも大好評ロングセラー中、Prins Thomas早くも新シングル!!

5

BUDZILLUS

BUDZILLUS SHEMIAN - TAKSI TAKSI »COMMENT GET MUSIC
☆特大推薦☆バルカン・ビーツとキャバレー・ジャズをミニマル・リミックスっ!!モントリオール系スウィンギン・ミニマル絶対要注目レーベルからの第2弾リリースは、即戦力過ぎるスウィンギン&バルカン・ミニマル・リミキシーズ!!

6

GAVIN HERLIHY

GAVIN HERLIHY BACK BUMER EP »COMMENT GET MUSIC
Cadenza新作!!当レーベルからの前作"26 Miles"で注目されたベルリン在住のアイリッシュ・プロデューサー、Gavin Herlihyによる新作が登場!!

7

CARIBOU

CARIBOU SWIM »COMMENT GET MUSIC
話題沸騰中のサード・アルバム、US盤アナログ到着しました。一気にダンス化を果たした特大傑作!!爆裂最高★カナダの天才Dan SnaithことCaribouの4年ぶりのアルバム。Four Tet最新作と同じく、ダブステップやテック・ハウスを大胆に取り入れた2010年型エレクトロニカ・ポップの決定版!!

8

DAM MANTLE

DAM MANTLE GREY EP »COMMENT GET MUSIC
Gold Pandaに続く新世代エレクトロニカ新星!!超限定デビューEP、ちょっとだけ入りました。再入荷はありません。。。今すぐどうぞ!!

9

MISSING LINKX

MISSING LINKX GOT A MINUTE »COMMENT GET MUSIC
Philpot New!!Soulphictionによるニュー・プロジェクト!!限定ホワイト・ヴァイナルでの登場です。

10

BENNY BENASSI PRESENTS THE BIZ

BENNY BENASSI PRESENTS THE BIZ SATISFACTION (AFROJACK REMIX) »COMMENT GET MUSIC
永遠の特大アンセムをダーティ・ダッチ代表格Afrojackがリミックス!!☆特大推薦☆Laidback Luke & Diploの特大ボム"Hey!"直系の、B-MOREビーツが練りこまれたダーティ・ダッチ・キラーの誕生ですっ!!

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1

HENRIK SCHWARZ & KUNIYUKI

HENRIK SCHWARZ & KUNIYUKI Once Again MULE MUSIQ / JPN »COMMENT GET MUSIC
間違いなさすぎ!! HENRIK SCHWARTZとKUNIYUKIによる共作!!! エレクトリックなDEEP HOUSEトラックに、ピアノ、フルート、男性VOCALでSOULを吹き込んだHENRIK VERSION。土着要素UPのキック、パワフルなピアノ、トライバルなリズム・・・。よりフロア向けになったKUNIYUKI VERSION。両面オススメです!!(I)

2

MIDLAKE

MIDLAKE Roscoe IS IT BALEARIC? / UK »COMMENT GET MUSIC
COYOTE率いる「IS IT BALEARIC?」レーベルから。USインディー・フオーク・バンド"MIDLAKE"の名曲をEROL ALKANのユニット"BEYOND THE WIZARD SLEEVE"のREMIXを初アナログ化!! 元の歌がサイッコーにブルージーでオススなのですが、バレアリック要素全開!!のREMIXは「感涙むせび泣きSHIT」です!!!(I)

3

JOY ORBISON

JOY ORBISON Shrew Would Have Cushioned The Blow' EP AUS MUSIC / UK »COMMENT GET MUSIC
SCUBA MIXCD「Sub:Stance」収録!!! 卓越したメロディーセンスはDUBSTEP方面以外からも絶賛!! JOSE JMAESの12inchにもREMIXERとして参加したJOY ORBISON。TECH SOUND 寄りのDUBSTEPですが、キラキラ☆っとした質感はこの人ならでは!! HOUSE DJもチェック!! 今後の期待値NO.1。(I)

4

HIEROGLYPHIC BEING

HIEROGLYPHIC BEING Ancient Echoes EP +++ / US »COMMENT GET MUSIC
JAMAL MOSSのMATHEMATICSレーベルの限定シリーズ"MATHPLUS"の三番。LARRY HEARDの変態HOUSE作成時の変名"GHEKIN JERKS"の名を使ったA面は、LOW-FIで暴力的なリズムに、スペーシーでヒプノティックなリフ使いが印象的。"AM6:00"ノリのピアノと、シンプルなCHICAGO TRAXがバッチリなB面。GOOD HOUSE。(I)

5

RON TRENT

RON TRENT Altered States (2010 Remixes) PRESCRIPTION / US »COMMENT GET MUSIC
RON TRENTの名前を一躍世界に知らしめた「クラシック」ALTERED STATESがNEW VERSIONを伴ってCD化(4/17発売)。その先行12"。自身による、モダンでスピリチュアルな新作REMIX、「DJAX UP BEATS」盤に収録されていたCARL CRAIGのREMIX、TERRY HUNTERによるREMIX(新作)を収録。スルーしたら痛い目見ますよ、旦那。(I)

6

STEVE POINDEXTER

STEVE POINDEXTER Work That Mutha Fucker MUZIQUE RECORDS / US »COMMENT GET MUSIC
JACK系シカゴハウスの中でも、特に人気の高いクラシック"WORK THAT MUTHA FUCKER"が再発・・・と思いきや、タイトル曲のみ別VERSIONに。しかし、変態LOW-FI HOUSE"COMPUTER MADNESS"や、暴力"ACID"大将、"BORN TO FREAK"はオリジナルVERSIONを収録しているのでご安心を。もちろん、リマスタリング済。ゲッツ!(I)

7

CHICAGO SKYWAY

CHICAGO SKYWAY Wolfgang Hair EP UZURI / GER »COMMENT GET MUSIC
次世代CHICAGO HOUSER"CHICAGO SKYWAY"による新作が、独のDEEP HOUSEレーベル"UZURI"より。4曲収録で、古き良きシカゴハウス。デトロイトテクノの伝統を今に引き継ぐスタイル。ARMANDO、PHUTURE、LARRY HEARD、DERRICK MAY・・・。オールドスクールな素材と、シンプルなリズム。要チェックです。(I)

8

LUCIEN-N-LUCIANO

LUCIEN-N-LUCIANO Cuidad De Luz CADENZA / GER »COMMENT GET MUSIC
LUCIANO待望の新作! "LUCIEN-N-LUCIANO"名義では久しぶりのリリースです! 傑作アルバム「TRIBUTE TO THE SUN」で実証された豊かな音楽性がこちらでも遺憾なく発揮され、細かくエディットされたウワモノの有機的な連なりやつぼを押さえたラテン・パーカッションの使い方が抜群の12インチ2枚組! アートワークもクール! LUCIANOの充実ぶりがひしひしと伝わってきます!(S)

9

STEWART WALKER

STEWART WALKER Scratched Notes CURLE / BEL »COMMENT GET MUSIC
自身のレーベル・PERSONAを中心にTRESORやFORCE INC.などを渡り歩いてきた実力者なのに、いまいちスポットが当たらない印象があるSTEWART WALKERのNEW! 不穏なベースライン上に切なげなエレピのメロディーが散りばめられたA-1"Scratched Notes"が深みのあるすばらしい仕上がり! これは新たなファンを獲得すること間違いなし!(S)

10

X-103

X-103 Atlantis TRESOR / JPN »COMMENT GET MUSIC
リリースから20年弱が経過したしたTRESOR発の歴史的名盤が待望の再発。12インチ的解釈しか出来ず当時アルバムとしての深い意味が解らなかった"自分も耳"も肥えたか、聴き直してみてこの1枚がきっちりアルバムとして成立していることに気が付かされる。今年のメタモにはX-102が来日ということで未聴の方は是非この機会にチェックを!(Y)

[Drum & Bass / Dubstep] by Tetsuji Tanaka - ele-king

1.F / Energy Distortion Part 1 ~ 3 | 7even

 フランスと言う国は、「優雅で艶やか、華々しく華麗」などとイメージしてしまう。実際、表面上はそう見える。筆者はフランスという国の思想、国民性、感性がとても好きで、すでに5~6回は訪れたのだが、毎回その裏の顔に驚かせられる。コスモポリタンならではの荒んだ一面が随所にあるからである。貴族階級の華々しさとコスモポリタンが融合した何かそのフランス独特のギャップに魅了されるのかもしれない......ビューティ&ダーティの反面性が違った形で自身を共鳴しているようで。フランスのようにもっとも芸術産業が国民的支持を得ている国柄で創られるダブステップ......まさにエフのサウンドはこの影響下に培われた産物だ。
 
 そのサウンドをひも解くとアンダーグラウンド・ミュージックの神髄である地下音楽さながらの暗黒感が少し漂うアトモスフェリックにフランスの洗練された気品に満ちた感覚を取り入れたサウンドが垣間みれる。このサウンドは、さまざまな要素が入っている。が、一貫した構築、一遍の迷いもないプログラミングは、 ほぼミニマルを注入したダブステップである。聴いてみると......昨年大ヒットした2562のセカンド・アルバム『アンバランス』に酷似した感覚を憶えるが......次第に......"酷似"していると感じた自分の無知さ加減に恥ずかしくなる。ダブステップのアナザーサイドと捉えれるその深くもソフィスティケイトされた独創的創造性、これがフランス産のオリジナル・ダブステップなのだと。
 
 エフのメイン・リリースを担っている〈セブン〉は、グレッグ・G率いるミニマルライクなダブステップ・レーベルである。筆者もDBSにてグレッグ・Gとは何度も共演したこともあって、実際素晴らしい人柄の人物だが、レーベルの方向性に関しては、るぎなく、しかも時折遊び心のあるフランス的感覚を持っている。ダブステップ最重要レーベルのひとつだろう。ちなみにその他に所属しているアーティストは、ヘリクサー(Helixir)、リクハン(Likhan)など。今後の動向にも注目である。

2. Jack Sarrow / Terminal/Tormented | Tectonic

 今日のベース・ミュージックにおけるニューウェイヴ="ダブステップ"の発展に大きく貢献しているのが〈テクトニック〉である。UKにおけるピュア・ダブ・カルチャーの音楽都市であるブリストルを拠点に、レーベル・モットーの「If your chest ain't rattling, it ain't happening」(胸が高ぶらなければ何も起こってない証拠)が示す通りの活動を続け、すでに数々のビック・アンセムを世に送り出している。ダブステップが南ロンドンにてガラージの突然変異的に誕生してから、それを先導したアーティストたち(デジタル・ミスティック、シャックルトン、ホース・パワープロダクションズ、ローファーなど)が、こぞってダークなガラージ・サウンドを土台とするダブステップに傾倒していったなか、ピンチはダブ、ミニマル、グライム、ガラージをシャッフルしたニュー・フォーム・サウンドで大きな支持を集めている。彼の音楽的バック・グラウンドにおいて、ダブと同等に大きな影響を与えたのが"ディープ・ミニマル"だ・ベルリンのベーシック・チャンネルやチェーン・リアクション、そしてリズム&サウンド......。いわゆるミニマル・ダブである。その影響は現在でもレーベルに色濃く反映されている。
 レーベルは今年に入っても勢いが衰える気配はなく、刺激的なリリースを続けている。昨年、筆者ともUNITフロアで共演したピンチがダブでスピンしていたのがジャック・スパロウによる"Terminal"である。そのディープで濃密な一夜に相応しく、それは暗く蠢きながら響きわたる残響感たっぷりのトライバル・テック・ファンキーで、レーベルのテイストを残しつつ、今年最注目のアーバン・ムーヴメント"UKファンキー"を効果的に取り入れたフロアサイド・ステップとなっている。フリップサイドの"Tormented"だが、まるでベルリンとブリストルをミックスしたかのような暗黒地下ダブステップ、シャックルトンの〈スカル・ディスコ〉へのアンサー・バックと捉えたいほどだ。年々活発しているテクノ/ミニマルとの交流は、お互いのジャンルがマンネリズムを打開する起爆剤としても機能しているのである。
 さて、〈テクトニック〉の新たな核になろうとしているジャック・スパローだが、そのデビューは、2007年〈センスレス(Sensless)〉からリリースされた「Spam Purse」であった。その後、2008年テクトニックのサブ・レーベル〈イアーワックス(Yearwax)〉からの「For Me/Lights Off」、マーク・ワンの〈コンタージャス(Contagious)〉からの「I And I」で頭角を現し、彼の名前を決定的にしたのは、2009年ピンチの「Get Up」のジャック・スパロウ・ミックス)である。そして、テクトニックからの前作「The Chase」......。今年も彼の高度かつ深いプロダクションから目が離せそうにない。

3. LV & Untold / Beacon | Hemlock

 いまや奇才として名高いアントールド主宰の〈ヘムロック〉。UKベース・カルチャーを最先端ニュー・ガラージ・サウンドで引っ張る彼だが、レーベルの起源は2008年「Yukon」に遡る。独特の変拍子によるビート・パターンとミニマルが持つ無機質な静寂性、ガラージが持つヒプノティックで柔軟な高揚性、どこかポスト・ロック的アプローチも垣間みれるサウンド・コントロールによって、ダブステップのシーンのみならず他ジャンルからも注目されているプロデューサーである。今作は、〈ハイパーダブ〉からのリリース「CCTV/Dream Cargo」やアントールド自身の「Walk Through Walls」のリミックスを手掛けたダビー・エレクトロの旗、LVとタッグを組んでいる。フリップサイドには〈ホットフラッシュ〉から「Maybes」、「Sketch On Glass」を発表したUK3人組のホープ、マウント・キンビー(Mount Kimbie)がリミキサーとしてセットアップする。遊び心を取り入れつつエレクトロ色の強いダブステップで、まさにたコンテンポラリー・ニュー・ガラージといったところ。リリースされるごとに〈ヘムロック〉の歴史が塗り替えられ、吸収した先に......また生まれる。

4. Donae'o / Riot Music | Diigital Soundboy

E王 これは先日の3月16日のダブステップ会議@DOMMUNEにて、飯島直樹さんが推薦したドネオーの「Riot Music」だ(......ダブステップ会議では、とても有意義な時間を共有できました。野田さん、飯島さん、エクシー君およびdommuneのスタッフの方々全員に深くお礼申し上げます)。さて、アーバンR&BとしてのUKガラージ・シーンにおける至高の存在、ドネオーは、昨年発表したUKファンキーを取り入れた傑作『Party Hard』によってシーンで大きな話題となった。その最新リリースは何とシャイ・エフェックスの〈デジタル・サウンドボーイ〉から発表。〈デジタル・サウンドボーイ〉と言えば、昨年の7月の〈DBS〉にて待望の再来日を果たしたシャイ・エフェックスと最新アルバムによって不動の地位を確立したダブステップ・プロデューサー、ブレイキッジを主軸とするベースライン・トップ・レーベルである。今回の「Riot Music」では、リミキサーにダブステップ界のエース、スクリームを起用。〈デジタル・サウンドボーイ〉からの前作「Burning Up」と同様に、初期ジャングルに回帰するかのように、懐かしのレイヴ・ジャングルを彷彿とさせるアーメン・ブレイクを打ち出している。
 ところで、ジャングル/ドラムンベースではごく一般的なビート・パターンであるが、スクリームがふたたび持ち出して脚光を浴びているブレイクビーツの代名詞"アーメン・ブレイク"を解説しよう。そのオリジナルは、ウィンストンズ(The Winstons)の"Amen, Brother"曲内の8小節のドラムにある。それをさらにサンプリングして、ループして、広く用いられている。それはソフト"ReCycle!"――サンプル・ビートを分解、構築してブレイクビーツを再生成する――よって幅広くシーンで重宝されるのである。
 スクリームのような大物トップ・プロデューサーが自身の影響を明かすような作品をリリースすることによって、ダブステップとドラムンベースは今後も"親戚"のような関係を保ち続けるだろう。インフィニティーと呼ばれるUK名うてのダンス・ミュージック・カルチャーとしてお互い存在し続けているのだから。

5. Headhunter & Djunya / DJG & XI / El Presidente/Putney Says | Surefire Sound

 前回のサウンド・パトロールでも紹介したサンフランシスコ発〈シュアフィイアー〉だが、早くも第二弾がリリースされた。今回は、広くテクノ・シーンでも通用するであろうトラックを要している強力なアーティストで、2組のコラボレーションを実現している。シーンの代表レーベル〈テンパ〉などからカッティング・エッジなリリースを続けるヘッドハンターと元ドラムンベース・プロデューサーであったジュジュ率いる〈ナルコ・ヘルツ(Narco Hz)〉からテッキーでオーガニックなダブステップを発表しているDJアンヤが組んで生まれたテック・ダブステップである。もうひと組は、同じくサンフランシスコを拠点し〈ナルコ・ヘルツ〉、〈アンタイトルド!(Untitled!)〉、〈チューブ10(Tube 10)〉などから傑作を発表しているテッキー・ダブステッパーのDJジーとカナダ・トロント出身でテック・ミニマル・レーベル〈イマーズ(Immers)〉からの「000」が話題となったザイがコンビを組んで、ダークでミニマル・インフルーエンスなテクノ・シンフォニック・サウンドを披露する。フロアの空気感を一瞬のうちに変えうる力を持ったトラックで、使うものの意志とは無関係に作用する攻撃的なシンセ群が......防御反応を無力化させる最先端のリーサル・ウエポンとも言えるだろう。解放のさらにそのまた向こう側へ......。

6. Ben Verse / Flip The Coin | Wheel & Deal

 〈クランチ・レコーズ〉というディープ・アトモスフェリックなドラムンベース・レーベルを率いていたバース(Verse)がペンデュラムの一員としてのビッグ・ヒットを成し遂げて早2年......そのあいだ、ダブステップの末恐ろしい躍進が破竹の勢いで進行......誰も止められない速度で世界中で感染し続けている。その勢いはいろいろなプロデューサーやDJを巻き込んでいるが、彼らも例外でなく、いち早くペンデュラムのアルバムなどで取り入れていた。そしていま、エヌ-タイプ(N-Type)の〈ウィール&ディール〉からベン・バース名義でダブステップ界におけるソロ・デビューを果たす。
 硬質かつマッシブなビートと妖しくも切ないシンセ使いがフロアをより引き立てる"Flip The Coin"。先日の〈dommune〉でも筆者が大変お世話になったフロアライクなアンセムだ。一方の"Inhale"はスライトリーなダビー・リヴァーブ・シンセとシンプルに共鳴するカッティングエッジなフロアダブとなっている。
 それにしても......世界的に有名なロック・ドラムンベースの王者さえも振り向かせ、虜にさせるこのダンス・ミュージック......あらためてダブステップのとんでもない快進撃を感じてしまう。初期のジャングル・シーンのときと同じ現象がいままさにに起こっている。

7. Blokhe4d / Full Circle/Skylines | Hospital

 先日発表したダーク・サイバー/ニューロ・ファンクの集大成的コンピレーションアルバム『Bad Taste Vol.3』でサイバー・シーンをリードする最後の大物伝道師マルディーニ&べガス(Maldini & Vegas)。長らくバッド・カンパニー名義で活躍していた彼らだが、音楽性の違いなどにより、フロントマンであったDJフレッシュとDブリッジが立て続けに離脱し、ソロ・アーティストとして成功を収めるなか、彼らは一貫してバッド・カンパニーの強力サイバー・サウンドを守り続けている。
 そして昨年暮れ頃から、マルディーニ&べガスにユーマン(Uman)も加えた新たなドラムンベース・ユニット、ブロックヘッド(Blokhe4d)を始動。先述のコンピレーションなどで立て続けにサイバー・アンセムを発表し、確実にフロアをロックしている。
 今作はあのリキッド/エレクトロ・ドラムンベースのトップ・レーベル〈ホスピタル〉からニューカラー・ヴァリエーションを携えリリースした。その疾走感溢れるスペイシー・ファンクな空間処理技術を惜し気もなく披露し、エレクトロ感といったトレンドも注入し、絶妙なホスピタル・サウンドとなっている。みんなが待ち望んだ作品がダンスフロアを通して発表される......このサウンドのお陰でフロアは隙間なく満たされるのである。

8. Netsky / Eyes Closed/Smile | Allsports

E王 最近はこんな呼び方をするアーティストは、ほとんど存在しなかった。ドラムンベース・シーンにとって久しぶりに現れたベルジアンの"超新星"と呼ぶべき逸材......と、もはやこう呼ぶべきではないぐらいのスピードで駆け上がったニュー・スター・プロデューサーが、そう、ネットスカイだ。しかもまだ20才前後の幼顔が残る若者だから、これがまた衝撃なのだ。
 ダブステップで例えるならスクリームに近い神童性を感じるネットスカイは〈ホスピタル〉とサインを早々済ませ、「Escape」、「Memory Lane」など現在ダブプレートで席巻しているエレクトロ・ロック・チューンのリリースを控えている。今後さらに期待されるプロデューサーだ。今作「Eyes Closed / Smile」は、ジャンプ・アップ・レーベル〈グリッドUK(Grid UK)〉傘下のリキッド・レーベル〈オール・ソーツ(All Sorts)〉からドロップされた特大エレクトロ・アンセムだ。ドラムンベース・シーンが下降気味な現在において、彼の出現は、今もっともホットな出来事である。数年後にハイ・コントラスト、ブルックス・ブラザーズを凌駕する次代の才能を秘めたアーティストとして、彼のポテンシャルに今後も刮目していかなければならない。どんな時代でも不遇のときこそ、救世主現わる。そう願わずにはいられない存在になるよう願っている。

 さて、最後に、何人かの方からリクエストがあったので、3月16日〈DOMMUNE〉にて筆者のセットのプレイリスト公表します。今後ともどうぞ宜しくお願いします!!

TETSUJI TANAKA - MINIMAL x DUBSTEP set 3/16 DOMMUNE PLAYLIST

1. AL TOURETTES/Sunken〈APPLE PIPS〉
2. SCUBA/Negative〈NAKED LUNCH〉
3. KRYPTIC MINDS/Wondering Why〈OSIRIS〉
4. MONOLAKE/Alaska(SURGEON RMX)〈IMBALANCE COMPUTER〉
5. RESO/Toasted〈PITCH BLACK〉
6. JOSE JAMES/Blackmagic(JOY ORBISON RMX)〈BROWNSWOOD〉
7. PATTERN REPEAT/Pattern Repeat 01a〈PATTERN REPEAT〉
8. BEN VERSE/Flip The Coin〈WHEEL & DEAL〉
9. RAMADANMAN & APPLEBLIM/Justify〈APPLE PIPS〉
10. INSTRA:MENTAL/Futurist〈NAKED LUNCH〉
11. APPLEBLIM & PEVERELIST/Over Here(BRENDON MOELLER RMX)〈APPLE PIPS〉
12.J OY ORBISON/Wet Look〈HOTFLUSH〉
13. F/Energy Distortion〈7EVEN〉
14. VALMAY/Radiated Future〈BLUEPRINT〉
15. MARLOW/Back 4 More〈BOKA〉
16. ROB SPARX/2 Faced Rasta(RESO RMX)〈Z AUDIO〉
17. F & HEADHUNTER/Dedale〈TRANSISTOR〉
18. MARLOW/Druid〈NO COMPANY〉
19. INSTRA:MENTAL/No Future(SKREAMIX)〈NON PLUS〉
20. SCUBA/I Reptured(SURGEON RMX)〈HOTFLUH RMX〉
21. SUBEENA/Circular〈IMMIGRANT〉
22. SCUBA/Aeseunic〈HOTFLUSH〉
23. SILKIE/Head Butt Da Deck〈DEEP MEDI MUSIK〉
24. GUIDO/Chakra〈PUNCH DRUNK〉
25. KOMONAZMUK/Bad Apple〈HENCH〉
26. HARRY CRAZE/Wa6〈DEEP MEDI MUSIK〉
27. KRYPTIC MINDS/The Weeping〈DISFIGURED〉

CHART by JET SET 2010.03.03 - ele-king

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1

COBBLESTONE JAZZ

COBBLESTONE JAZZ CHANCE EP »COMMENT GET MUSIC
最強のフリースタイル・テクノ・ジャムバンド!!Matthew Jonson、Tyger DhulaそしてDanuel Tateトリオに加え、今回よりThe MoleのColin de la Planteも参加しカルテットとなった彼らの最新作!!

2

DIRTY JESUS

DIRTY JESUS DON'T FUCK WITH MY SHIT (BLACK COCK REMIXES) »COMMENT GET MUSIC
問答無用のマスト・バイ・アイテムに仕上げてきたBlack Cockリミクシーズ!!Gerry Rooney & HarveyのBlack Cockコンビが両面を分け合ったゴージャスなリミックス企画。それにしてもHarveyの飛ばしっぷりが危険極まりなし!!

3

 NUMBERNIN6 / STENCHMAN

NUMBERNIN6 / STENCHMAN BREATHE / LIL' SOMTHIN' 4 YA »COMMENT GET MUSIC
☆大推薦☆Ruskoもプレイし話題を集めたProdigyモロ使いボムがヴァイナル化!!ご存知Prodigy'96年リリースの特大アンセム"Breathe"をまんまダブステップ化してしまったウルトラ・ボムA1を搭載!!即完売必至です。急いでお求めください!!

4

 ANDREW CEDERMARK / FAMILY PORTRAIT

ANDREW CEDERMARK / FAMILY PORTRAIT SPRIT »COMMENT GET MUSIC
Real Estate好きは絶対泣きます。Underwater Peoplesからの素晴らしすぎスプリット!!特大スイセン盤★Real EstateをリリースしたUnderwater Peoplesからの4枚目。Real Estate~Ducktails~Julian Lynchなロウファイ・ビーチ・ポップ・スプリット。完璧です!!

5

HOTEL MEXICO

HOTEL MEXICO 3 SONGS E.P. »COMMENT GET MUSIC
Second Royal秘蔵中の秘蔵★ホテル・メキシコが遂にデビューです!!初回入荷分のみオリジナル缶バッヂ付き。今年1月にレーベル・コンピ最新作、2月にTurntable Films、4月にはSatoru Ono、5月にはHalfbyと過去最高のリリースが続き、2010年もっとも勢いづくSecond Royal。遂に噂の新人さんが超限定カセット・シングルでデビュー!!

6

STRONG ARM STEADY

STRONG ARM STEADY BEST OF TIMES »COMMENT GET MUSIC
Madlibとのジョイント作"Stony Jackson"からのシングルがついに!Phonte Colemanとの"Best Of Times"と、U-N-Iとの"Follow Me Now"のナイス・カップリング!特に、前者はMadlibとのジョイントでしか生まれ得なかったであろうソウルフルな仕上がりで、作中でも目立ってました!!

7

PETER VAN HOESEN

PETER VAN HOESEN ENTROPIC MINUS SIX »COMMENT GET MUSIC
相変わらずの攻めっぷりに惚れます。Time To Express新作です!!引き続きハード・テクノな鳴らしの新鋭ペルジャン"Peter Van Hoesen"が控えるアルバム・リリースからの先行カットをドロップ!!コレ聴いたらアルバム非常に楽しみになりますよ~

8

JOHN DALY

JOHN DALY MELTDOWN »COMMENT GET MUSIC
ohn Dalyがニュー・レーベル・ロンチ!!アイルランドの鬼才が自身のレーベルをフロア・ロックのドープ・トラックで始動!!ディープなアシッド攻めの猛攻に正しくメルトダウン必至のマスト盤!!

9

CARDOPUSHER

CARDOPUSHER SCHEMATIC BLOCKS »COMMENT GET MUSIC
Joy OrbisonやIkonikaファンにもお薦めの透明感溢れるアーバン・ステップ傑作!!HyperdubやLo Dubsなどからのリリースでお馴染み、ブレイクコア上がりのドレッド・ダブステッパーCardopusherによる洗練の1枚です~!!

10

COSMIN TRG

COSMIN TRG NOW YOU KNOW EP »COMMENT GET MUSIC
UKファンキー以降のカラフル&キュートな新型UKガラージュ傑作Wパック!!Hotflushなどからのリリースでもお馴染み、リミキサーとしても大人気のルーマニア出身ダブステッパーTRGが、名前をちょっと伸ばして老舗Tempaから初登場リリース!!

Flashback 2009 - ele-king

DJはいまや渡り鳥のように全国をまわっている。吟遊詩人のように旅を続ける。まるでフウテンの寅さんのように列車に揺られている。ベテランDJの高橋透が、1年を回想する!

1976年からDJ活動をはじめ、1980年にNYへ移住、1981年に一時帰国、〈椿ハウス〉、〈玉椿〉、〈CLUB-D〉などの80年代を代表する箱のメインDJを務める。1985年にNYへ戻り、DJとして活動する。1989年に帰国。その後も芝浦〈GOLD〉でのレジデントをはじめ、数多くのクラブ、パーティに関わる。現在は宇川直宏、MOODMANと主催するディープ・ハウスパーティ〈GODFATER〉のひとりとして活躍。ミックスCDとして『GODFATHER 10th ANNIVERSARY SPECIAL MIX VOL.1』、また自身の半生を綴った著書『DJバカ一代』がある。

  有名アナログ店舗の相次ぐ閉店にはじまり、日本のクラブ・シーンを長年牽引してきた老舗クラブ〈YELLOW〉のクローズ、音楽専門誌やカルチャー誌の激減など、2008年から2009年にかけてクラブ・シーンを取り巻く環境が大きく変化し「この先この業は大丈夫なのか?」って考えさせられた年初めではありましたが、終わってみれば「さほど心配する必要がなかったのか」って、例年通り数多くのパーティーが各地で開催されていたし、仲間内でのいつも通りのパーティ談義やイヴェントの評判を直接聞いたりネットで見たりね。今年の後半にはメディアもクラブもアナログ店も来年に向けて活発な動きがあることも知り、例の「サイバーノリピー事件」を除いては少しもネガティヴな状況じゃないのかな、っていうのが実感です。

  2009年を振り返ると、個人的には長年行きたかった沖縄を初体験できたことがまず嬉しかった。呼んでくれた友人ミーパンやリュウジ君クルーに熱く迎えられ、数ヶ月前から仕込んでくれたという特設のダンスフロア、ブースの前に設えられた銀色に光り輝く鳥居には沖縄の熱いエネルギーを感じさせられた。他にも、広大な庄内平野の田んぼのなか、看板もネオンも何も無く営業を続ける知る人ぞ知る山形屈指のアンダーグラウンド・パーティ〈ハーモニー〉"も相変わらずコアなクラウドだった。瀬戸内海の荒波が打ち寄せるファンキーなロケーションで毎年お盆に開催される姫路〈彩音〉も忘れるわけにはいかない。GODFATHERとしては3年連続で出演、年々進化し続けている。そして......DJ WADAくんと行った群馬桐生〈レベル5〉が10周年というのははっきり言って驚かされた。坂田頑張ってるわ! GODFATHERで最多出場を果たしている博多〈デカダン・デラックス〉に至ってはなんと21周年! 凄いのひと言だ。博多のクラウドは今年もタフだったしね(ナベさん、西やんありがとう)。初登場させてもらった神戸〈トゥループカフェ〉も16周年、楽しくプレイさせていただきました。で、青山〈ループ〉が14周年(望っチャン、花チャン、スタッフ全員お疲れ様)。野田さんの実家〈のだや〉を皮切りに〈ラジシャン〉と〈フォー〉でスタートした静岡〈フォー〉の4周年では静岡パワーを見せられた感じ。五十嵐&海野くんお疲れさまでした。文田に行けなかったのは残念だったけれど! 

  とにかく2009年はレギュラー参加しているパーティやイヴェントのほか、初めて呼ばれるクラブやパーティも多くて、たくさんの人たちとの出会いやその地域のダンス・ミュージック・ファンに僕のプレイを体感してもらえたこと、音楽好きが集まる小さなバーからライヴ・ハウス・パーティまで数多くのダンス・ミュージック・ファンと素晴らしい時間を共有できたことが最高に楽しかったし、嬉しかった。もちろんすべてのパーティに全力投球してきたし、それが自分の使命であり、自分にとってもっとも幸せなことだなと今年関わったすべての人に感謝しています。

  ここ数年、新たに生まれた店が多いことや無事に○周年を迎える店も多く、日本のクラブ事情を見る限り、バブル期の派手さは無いけれど着実に新たなアンダーグラウンド領域に入ってきているような気がして、これからまた面白くなりそうな感があります。だいたい僕が虜になったダンス・ミュージックの世界はそんなに簡単に無くなるはずはないだろうし、ヨーロッパでもアメリカでも基本的にはメディア以外何も変わってないと思います。その証拠にダンス・ミュージックのデータ配信ビートポートなどはますます元気だし、それは配信される音楽の多様性を見てもうなずけるでしょう。

  だから僕はダンス・ミュージックの先行きに関して何の心配もしてないし、来年以降がますます楽しみになっているくらいですから。僕らができることはまだまだあるように思うし、チャレンジすることもいっぱいある気がして、ワクワクしていますね。宇川くん野田さんタッグが『エレキング』のネット配信をそろそろスタートする予定もあるし、JEYPEGの修平くんたちはネットラジオで面白いことやっているようだし、マンハッタン・レコードもネットでの動きを活発にすると聞いて、新たな時代に突入しているんじゃないかなって強く感じます。

  ずいぶん長いこと海外に出ていないなーって最近思うのですが、よく考えてみると、とくに行かなくても国内で満足させられているのかな~て、つまり昔ほど海外への憧れが無くなってしまったということです。海外が遠かった当時と比べ、ネットで海外と日本の時差が無くなった今日、当然と言えば当然でしょうが、何年か前から自分の感覚がディスカバージャパンになっていることも作用しているようです。歳かもしれませんが、たぶん70年代に憧れたアメリカや80年代に憧れたニューヨークより、現代は日本のほうが面白いことをやっているんじゃないかってね、もちろんダンス・ミュージックの配信ではヨーロッパものが俄然多く、音楽を通じてヨーロッパの活気を知ることはできますが、それでもそこへ行って滞在したいという気にあまりならないんですね。それよりも日本人として、日本のダンス・ミュージック文化を大事にしようと思うのです。僕にとっていまは日本がピッタリくるというか、居心地よくなっているのかもしれません。

  僕は日本の歴史が大好きで、これまでずいぶんと歴史小説を読みあさってきました。とくに史実に基づいた物語が好きで、なかでもお気に入りの作家は司馬遼太郎です。歴史小説を読んでみて日本の優れた歴史上の人物に出会う度に、日本人として生きるということに魅力を感じて、この二度と来ないいまという時代のなかで日本人のためになるオリジナルな生き方をしたいって考えるようになっているのです。生意気なことを言うようですが、これも歳のせいかも知れません。

  いずれにしてもダンス・ミュージックの世界は経済に関係なく、確実に前を向いているから2010年は2009年よりも必ず面白くなるはずだし、僕らひとりひとりがそうしなくてはいけないって思っています。踊るという行為は、人類が誕生したはるか昔から受け継がれて来た尊い文化で、お祝いごとや悲しい出来事が起こる度に人間は踊ることで喜びを分かち合い、悲しみを発散してきたんです。僕らの時代になって、サブカルチャーとしてディスコが流行し、若者の心を捉えていまに至っていますが、これは世界的な潮流でもあるし、僕らにとって重要な文化なんです。僕はDJという職業に出会えたことは本当に幸せだと思っています。なぜならば皆がハッピーになれる時間を作り出せる側にいるからです。踊らせること、楽しませることが何よりも好きだからなんです。

  真剣にこの文化に取り組んでいる側からすれば、ノリピー事件は怒って当たり前の残念な出来事で、一般社会から見れば同じに見えるかもしれませんが明らかに異なる文化を作り出してきているはずです、それももう何年ものあいだです、でも世界には、黒服とV.I.Pと軟派がセットになったお金の匂いがするキラキラしたディスコ文化というのが僕らの世界と平行してずうっとあるし、そこへ集う人たちも多いという事実もあります。言ってみればそれもひとつのディスコ文化と言えるから比較はできませんが、心情的には一緒にしてほしくないわけです。

  ちょっと横道にそれましたが、2009年全般を考えると、クラブ・シーンにとっては過渡期だったと思います。各地のクラブにとっても厳しい年であった事は否めませんが、それでも僕らと同じようにダンス・ミュージック文化が大好きな人たちがこの日本には多いという事実がこの1年で確認できたし、実感しました。2010年も楽しみましょう。

Top 20 of 2009 by Toru Takahashi

1 Sharam / She Came Along feat Kid Cudi -Sharams Ecstasy Of Ibiza Mix- (DCI)
2 Destination Danger / Du Rififi Au Katanga(Circus Company)
3 Argy / What Time Is It (These Days)
4 Jona / Freefall (Resopal Schallware)
5 Fuse / Dimension Intrusion -Layo Bushwacka Fuze Remix-(Plus 8 Records)
6 Crash Course In Science / Flying Turns(From Jupiter)
7 Danny Fiddo、Affkt / P oints -Mathias Kadens Chalet De Verano Remix-(Barraca Music)
8 Will Saul_Tam Cooper / Where Is It ? feat Ursula Rucker -Lazersonic Remix-(Simple records)
9 Marc Houle / Single Cell -Original Mix- (Minas)
10 Luna City Express / Diamonds Pearls(Moon Harbour Recordings)
11 Guy J / Ballroom Sians Vernacular Mask Remix (Bed Rock Records)
12 dOP / The Dust -dOP Mix-(Enliven Music)
13 Collabs, Chris Liebing, Speedy J / Magnit Express feat Speedy J & Chris Liebing (Electric delaxe)
14 Michel Cleis / La Mezcla feat Toto La Momposina (Strictly Rhythm)
15 EP1 B2 / Hauntologists (Hauntologists )
16 Mirko Loko / Tahktok (Cadenza)
17 Seth Troxler / Panic Stop Repeat ! ( Spaxtral Sound)
18 Alexi Delano / Adjust the Frequency (Clink)
19 LosUpdates,RicardoVillalobos / Driving Nowhere_Audio George Remix(Nise Cat Records)
20 Michael Jackson / Heal The World

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