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断言 読むべき本・ダメな本──新教養主義書評集成・経済社会編

山形浩生(著)

2020/1/22   本体 2,720円+税   ISBN:978-4-909483-35-5

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宣伝でも素朴な感想文でもない、本当に “読者の役にたつ書評” とはこれだ!

長年にわたり価値を失わない良書をしっかり紹介し、ベストセラーであろうとダメな本は徹底的に批判する──
辛口書評家が30年ちかくにわたり書き綴った膨大な書評より、経済、ビジネス、経営、政治、歴史、社会などの分野をここに集成!

速度過剰な情報社会で、〈論争〉が成立しがたくなっている中、
これぞパワフルなマジレスだなって感動する……。
最強書評人・山形浩生が、
数多の書籍、数百万の言葉を横断し、複雑世界の案内人となる!(荻上チキ)


目次

はじめに:書評について

第1章 経済
二一世紀の経済を考える十冊強/痛快ってのはこういう本を言うんだよ/経済学における過度の単純化を戒め、倫理学との接続をはかる講演集/一九三〇年代の論争をもとに、現代日本の不景気を見渡す/教育も希少な資源の配分問題なのだ!/近年のおかしな経済状況分析をしっかり批判/経済学も基礎が大事! 高校生の教科書で学ぼう/お金だけが大切じゃないことを、説教としてではなく理論的に解明しようとする経済学の新潮流/マネーロンダリングの手口と、それがぼくたちにとって持つ意義/正しい理論が政策に反映されない理由/政治的配慮一切なし! 快刀乱麻を断つ必読の経済書/アメリカの世界経済介入/不況は需要不足が問題といいつつ対策は供給側の技術革新に増税?/知識人の左翼的な妄想を捨て、経済成長の重要性を理解しよう!/行動経済学の発想をうまく紹介した、開祖の独自論文集/常に混合し合う文化のダイナミズムを経済学的に描く/不勉強な左派と図に乗った右派の両方をくさし、経済学の価値を認めるべきところでは認めろと主張するえらい本/資源自体ではなく資源の価値をどう残すか?/行動経済学や幸福研究などの成果紹介で、数多い類書から傑出はしていないが、よくまとまっている/概説書としてはまあまあ。でも量子ゲーム理論って何のためにあるの?/日本経済の現状を無視した許し難いデフレ本/異様な密度でアンチョコにさせていただきます/人民元をネタにした単なるゴシップ本/技術が人を操り自らを進歩させる、倒錯した議論の魅惑

第2章 ピケティ/格差
ピケティ『21世紀の資本』の翻訳進捗についての弁明/ピケティの前の本、読んだ!(本文だけだけど)読んだぜコノヤロー!/時事コラムで仏欧のローカルネタが中心。入門にはつらいんじゃない?/死んでもなおらないある病気の人に、ウルフが親切に教えてあげる教育的配慮に充ちた本/デジタル産業革命の先にある宿題 その1/デジタル産業革命の先にある宿題 その2/戦争、革命、疫病……数十万人単位で人が死なないと “経済格差” 解消しない問題

第3章 ケインズ
古い本とはいえケインズについてしっかりまとめた好著/著者が脳内ケインズをもとに実物を批判する異様な本/単著ではないうえ、まとまりもバランスも悪いわかりにくい本/マンガとしてはとてもよいできだが、解説の小野理論偏重はどうよ/全体の見通しがないし、ケインズが動学でないというのは批判すべきことか?/変なケインズ理解をもとに小野理論を持ち上げようとする歪んだ本/ケインズを階級対立の先駆者として見ようという昔の変な試み/伝記とケインズの理論や貢献、その後のケインズ経済学をバランスよく描いている/安易な人物像や哲学談義に流れ、経済学者としての評価から逃げた本/ケインズがいかにイヤミなやつかよくわかる/古い、英語知らない、原文勝手に改ざん/まだ続きます。ほんっと、だれか指摘してあげなかったの??

第4章 クルーグマン
世代の沙汰も金次第、ではないのかもしれない/罵倒と茶化しの効用/非効用──おまけに Beavis & Butthead 讃/クルーグマンが教えてくれる経済学の驚き/学問の力と遊び心/クルーグマンのコラムがつきつける現代マスコミの問題など

第5章 ファイナンス
投資でよりよい人生を!/日本の夜明けは遠いかも──投機に堕したゴミ投資家たち/完敗──『ゴミ投資家のための人生設計入門』はすごいです/いまの日本で豊かさを求めるには?/オンライン株式なんかよりも確実なハイリターン本です/企業価値の計測に関する標準的な教科書/数学者の大やけどで学ぶ、株式投資の標準セオリーの正しさ/何か下劣で馬鹿な著者の『思いつきの名にも値しない投資と称するどぶに金を捨てるすすめ』/オイシイ儲け話は教えてくれないけれど。──株価のフラクタル変動を家元自ら語ってくれます/人間の合理性の限界を見きわめるための本/読んでひがもう非モテたちよ!/世界金融危機の顛末記:正しい者が勝つとは限らない

第6章 経営
日本型システムからの自由と解放/おもしろいだけじゃだめなんだ/あまりに常識的な経営者のお題目集/新聞の取材力が十分に発揮されたメガバンク統合ドキュメンタリー/いまや常識となったドラッカーの原点/告発の書か、優れた経営手法の実録か?/驚異のプレゼンでもダメな中身は救えない/労作ながら有名すぎる異才の伝記として新機軸を見いだせず/あまりエピソードがなく、また怪物の怪物たる所以についての洞察が皆無で残念/企業アイデンティティ形成過程を分析した面白い本

第7章 ビジネス
ぼくの秘密を教えよう:コンサルタント業究極の暴露本/本誌の読者たる最高の知識人諸子必読──『パーキンソンの法則』と組織の病理/現場で足で稼げ! 知識は現場から生まれる/具体性に富んだニューヨーク市長の各種施策/みんなが知ってるつもりの財界のすべて/モジュール化による効率性向上/お気楽なリーダーシップなんかありません/無内容きわまる駄本/働くというのはどういうことなのか?/口で言ってることとは裏腹にお金に縛られた不自由な本/堅実なプレゼンテーション手法紹介/マーケティングの基礎の基礎/顧客の顔色をうかがっても売れない!/悪者扱いされがちな看板側からの魅力誘発手法/失敗を前提にシステム設計をするには?/施設経営再生の実録/日本各地にひそむすごい中小企業/理屈とかけ声だけのMBAなんかいらない/起業にあまり幻想を抱いてはいけないことを実証分析/だらしなくてもだいじょうぶ/メッセージぶれてません?/好奇心を引き出し自由に変わり者であることを恐れず……つまらん/経済学のプロにビジネスのセンスがあるとは限らないのだ/現実ばなれした会社論の問題の根っこはどこにあるのか/インチキ外人の無知垂れ流し本。いまだにだまされている人がいるとは!/主張がすべてはずれていた駄本の、柳の下のドジョウを狙ったさらなる駄本

第8章 政治
理念と現実のせめぎあい/だれも考えたことのない「平和」について/「国際」人諸君、これを読んで「リスク」を学びたまえ──およびクレア・デーンズ in 「My So-Called Life」/小さな本にこめられた、現代のイスラム談義への大きな批判/組織内で苦しんだ人なら身につまされる、いろんな意味で絶望の名著/マクナマラの悲しい弁明/アフガン爆撃への道だが、米政府事務手順解説書の趣きすらある/恐怖どころか「バカ殿シリーズ」を思い出させるトランプ政権の内実/軍事力こそすべて! のネオコン思想全貌/原著から第三部を完全改竄した不誠実な本/国際機関は本当に日本や世界のためになっているの?/新しい福祉社会の見取り図を提案する希有な本。ただ監訳者の我田引水解題はないほうがまし/PFIを口実にした刑務所自体の改革/シビリアンコントロールは本当に有効か?/ゾンビ相手の外交理論、人間にも通用するか?/「市場制民主主義──選挙権を売ろう! ―TN君に捧げる、おれの政策提言/反民主主義はおかしく、そして居心地悪い/社会の背後にある細かい仕組みへの無配慮/配慮について

第9章 歴史
よくぞ昭和に生まれけり:裕仁天皇の時代/君主制に未来はあるか?/『マオ』における毛沢東の思想形成史の不在/チアン=ハリデイ VS フィリップ・ショート:二つの毛沢東伝を比べると/専門家による本当に有益な書評のありかた/公式毛沢東伝とも言うべきものながら、プロパガンダにとどまる/支離滅裂で二〇世紀末で大躍進の意味すら理解できていない悲惨な本/文化大革命で日本の左翼知識人のうろたえぶりだけが伝わってくる一冊/文化大革命翼賛文書。フランス現代思想の浅はかさの一端をどうぞ/ソ連強制収容所の凄惨な歴史と教訓について/ムッソリーニについての「修正主義」的な伝記/大英帝国のスーパーおばさんが見た李朝朝鮮の実態/無謀だが壮大な試み:でも堂々巡りになってないか?/身に染みて感じられる宦官たちの実態/マヤ文字解読をめぐるイデオロギーと政治攻防/明解。白川静や藤堂について客観的に評価がわかって嬉しい/巧みで味わい深いが、初出時点で完結してしまっている印象強し

第10章 思想・ノンフィクション
各論賛成、総論反対:宮崎哲弥『正義の見方』の反動的立脚点/知の統合の可能性についての、壮大ながら具体的な見通し/家族に期待しすぎなさんな/かわいそうな星占いと現代人/小国に教わる国の存続理由と愛国心/個人的な恨み節を一般化できると勘違いした、偉大な学者の悲しい本/脱北者たちの実像とその心の歪み/各種思想の持っていた可能性とその実際の影響を具体的に描き出す/突撃ライフルの名機から見えてくる武器とその取引の実態/ダッチワイフのあれこれ/ビールが持つ意外な闘争の歴史/ゲーミフィケーションでつらい仕事も楽しく?/世界各国の、普通の人の家計簿とは? 各国の似て非なるお財布事情/本当の「天職」を見つけた人たち/抜群におもしろい、日本でのミシン史。物販と金融と生産に消費、産業と文化と女性の社会進出、なんでもあり!/せっかくの調査が強引なイデオロギーはめこみで台無し

おわりに

著者
山形浩生(やまがた・ひろお)
1964年、東京生まれ。東京大学大学院工学系研究科都市工学科およびマサチューセッツ工科大学大学院修士課程修了。
大手シンクタンクに勤務の頃から、幅広い分野で執筆、翻訳を行う。
著書に『新教養主義宣言』『たかがバロウズ本。』ほか。訳書にクルーグマン『クルーグマン教授の経済入門』、ピケティ『21世紀の資本』、スノーデン『スノーデン 独白:消せない記録』、ディック『ヴァリス』ほか。

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