「Man」と一致するもの

Moe and ghosts × 空間現代 - ele-king

 これはコラボレーションの記録である。「誰の?」──空間現代と、Moe and ghostsの。「何の?」──音楽と、言葉の。「どうやって?」──マッシュアップ的な方法論で。

 本当にそうだろうか。この二組の共作と聞いて、極めて個性的で異質な両者が混ざり合う様を、簡単には想像できなかった。Moe and ghosts vs. 空間現代。混ぜるな危険。

 もしあなたがDJなら、予想外のアカペラとインスト・トラックのペアを暴力的に組み合わせることで、その出会いが産み出す化学反応に期待することがあるかもしれない。だがこのアルバムに封じ込められているのは、マッシュアップのようなメタレベルの邂逅ではない。これは、予想外の二者が顔を突き合わせておこなわれた、地に足の着いた(実際Moeの連れたちは宙に浮いているのだが)リアルな作品作り=モノ作りの記録である。

 空間現代とMoe and ghostsの「モノ」作りはもちろん「音」作りである。しかし同時に、演奏を担当する空間現代は「音」を「モノ」として捉えているところがある。空間を埋め尽くす建材としての音たち。いわばこの建材たちがぶつかり合い、擦れ合う「モノ音」作りと言っても良いかもしれない。そしてこの「モノ音」は、幽霊たちの差し金により勝手に其処彼処で鳴りだす「ラップ音」でもある。その記録。ラップ現象。

 空間現代の音作りを支えているのは、数字だ。彼らは音を「モノ」として数えているようなところがある。変拍子の拍数や、繰り返されるキメの数々。僕たちリスナーには、無意識的にカウントしたそばから忘却される、その数字。彼ら自身、特にライヴにおいては演奏の生命線となる、その数字(収録曲の「数字」では文字通り、バンド・メンバーの頭の中と同期して、思わずピッキングの回数を数えてしまう)。複雑な数列が乱打される様は、脱臼させられたフットワークのごとし。DTMのバグで暴走したTraxman、あるいは泥酔したRP Boo。

 そして、ときにその数字は、本来数えられないものも数えなければならない。変拍子といっても、彼らは、変拍子のマエストロたち、つまりラッシュのケディ・リーやM-Baseのスティーヴ・コールマン、メシュガーのフレドリック・トーデンダルが数えなかった、いや、数えることを想像もしなかった数字を数えようとしている。小節や拍のルールからはみ出した長さでループする、数理に従わないリフ。それが数えられない長さになってしまうのは、音が飛び、小節や拍の途中でぶつ切りにされるからだ。アナログやCDの盤面のキズによる針飛びやスキップ。かつてのクリスチャン・マークレーやマーカス・ポップ(空間現代のセカンド・アルバム収録曲のリミックスも手がけている!)のイノヴェーション。その人力による再演。

 そして彼らの演奏に向き合うとき、僕たちは目撃する。「飛ばなければ」後に続いていたはずの音の姿を。いや、正確にはその音の痕跡を。そこにあったはずのゴーストノートたち。しかし実際には意図的な「音飛び」によって演奏されない、それらの音。スキップされる未明の音たちは、ときには野口のギターや古谷野のベースの空ピッキングとして現れ、ときにはドラマーの山田の空を切るスティックが叩く/叩かないゴーストノートとして立ち現れる。そしてこのゴーストノートの空白地帯に寄り添い、それらを埋めることができるのは、Moeの言葉だけだ。


 Moe and ghostsの「ghosts」に空間現代が乱れ打つ「ゴーストノート」たちが代入される。このアルバムは、その際に、僕たちの理解を超えたところで引き起こされる「ラップ現象」の記録だ。1999年にDJプレミアがノトーリアスB.I.G.のゴーストノートを召喚して楽曲に仕立てた“Rap Phenomenon”は、2016年に「混ぜ物一切なし」の「幽霊と現代のsure shot」として再び蘇ったのだ。

 圧巻の「sure shot」は、たとえば7曲目の「少し違う」。8分19秒に渡るこの曲は、空間現代のファースト・アルバム収録の同名曲をベースに、Moeが言うところの「五次元の扉」を開いてしまったクラシックだ。三位一体となった空間現代のシンコペーションに彩られたビートが、無音に連結される。その無音の隙間を縫うように立ち現れるMoeのラップ。その声色と音程の無限の組み合わせが披露される。白塗りの百面相。さらに全く異なるテンポと世界観を持った野口の湿ったアルペジオと歌メロが何の脈絡もなく挿入され、時に山田のドラムさえもそれに寄り添う。並走する二つの時間軸。そして5分の後にやって来る、享楽の8ビート。ヒップホップのカタルシス。ノレるような、ノレないような宙吊り状態で焦らされた僕たちはここぞとばかりヘッドバンギングに興じるだろう。さらに終盤ではそれまでと打って変わった抒情的なMoeの言葉が、野口のアルペジオの意味を明らかにする。互いの音楽の本質を明らかにするコラボレーション。そのドラマに立ち会う至福。

 バスタ・ライムスをフェイバリットに挙げるMoeのラップ。その器用さとヴォイス・コントロールの巧みさにおいて確かにその影響が窺える。一方で、降神のような日本語ラップの例外者たちや、ドーズ・ワンなどのアンチコン周辺からPlague Languageに至るゼロ年代以降のアメリカ西海岸~ハワイで興隆したフロウと通底しているようでもあり、しかし同時にアルバム6曲目の「可笑しい」では山内マリコの『ここは退屈迎えに来て』(2012年)に収録の「私たちがすごかった栄光の話」からの引用をラップに仕立ててしまうのだから、これはもう恐ろしいことなのだ。彼女のスタイルが形成されてきた足跡は、幽霊たちにかき消されている。まさに正体不明。ゴーストたちの面目躍如。

 圧巻の「sure shot」二発目は、2曲目収録の「不通」。これは元々、空間現代の2012年にリリースされたセカンド・アルバム『空間現代2』収録の彼らの代表曲の一つだ。彼らの楽曲はライヴの度に、別の楽曲の別のピースと縫合され、果てなく更新され続ける。だがしかし、このような形でラップが乗るヴァリアントを誰が想像し得ただろう。

 冒頭のリフ。チャーラッ、チャーラッと刻まれるギターの音。一聴すると変拍子。しかしその実、音飛び。聞けば聞くほど拍という概念では捉えがたい、譜面化不能なシーケンス。この脱臼したループを前に、僕たちはどのように踊れば良いのだろうか。1拍目から3拍目までは小気味良い8ビートに首を振りノリながらも、それに連なる極めて絶妙な長さビートの余剰/不足(Moe曰く「現代のずれ/みだれ」)をどう処理すれば良いか途方に暮れて、僕たちの首はピクリとも動けなくなる。あるいは、混乱のあまりこの体から幽体離脱し、迷子になって虚空をさまようかもしれない。

 しかしMoeはどうだろう。「イーストでもウエストでもないゴーストコースト」のMCは、この余剰/不足、つまりゴーストノートの存在/不在に言霊をアジャストすることなど朝飯前だ。彼女は「変拍子ダブルダッチ/このマッチメイク」と歌いながら、モノの見事に脱臼したリズムの上をフロウする。彼女もまた幽霊たちのように浮遊し、空間現代が回すオンビートとオフビートのダブルダッチの縄にも足をすくわれることがない。


 Moe and ghostsの2012年リリースのファースト・アルバム『幽霊たち』でMoeが寄り添ってきた幽霊たちは、ビートメイク担当のユージーン・カイムにより連打されるキックとスネアであり、叙情で彩られたゴーストコーストからのランドスケープを見せてくれるウワモノたちの旋律であった。これらはサンプリングされているがゆえに、オリジナルから引き剥がされた=幽霊化した音たちであり、彼によって結局選択されずに遺棄されたデッド・サンプルの数々もまた、幽霊化してこちら側=此岸を眺めている。今回、Moeとユージーンのパートナーとして選ばれたことで、幽霊たちの羨望と嫉妬に満ちた視線を一身に集める空間現代の三人が放つ一音一音は、サウンド・プロダクションの洗練も相まって、これまでになくヌケが良くコンプが効いた、粒が立っている肉感的なものだ。さらに本作のいくつかのインスト曲では、ユージーンによりサンプリングされた空間現代の過去曲の断片が、幽霊として、メランコリックに再来する。

 幽霊たちの記憶。ポール・オースターの所謂「ニューヨーク三部作」の二作目にあたる『幽霊たち』(1986年)の中で、主人公の探偵は、クライアントから依頼を受けてとある人物を監視し続ける。その人物は何も事件を起こさないのだが、主人公は、その「何も起こらないこと」の背後に過剰な物語を読み取ってしまう。この世界からはみ出す「過剰」が「幽霊」と名指されているのだ。

 Moeのリリックにも、このような意味での「幽霊たち」が憑いてはいないだろうか。とにかく過剰なまでの文字数が詰め込まれたリリックはしかし、聴き辛さを催させるものではない。リリックの言葉自体を一言一句聴き取ろうとするならば、目/耳の前を次々と流れ去ってしまう、音としての言葉たち。聴覚の焦点を曖昧にして、その流れを知覚することの、快楽。どこも意識して聴かずに、ただあるがままに聞くこと。その肌触りが、こちらを触れてくるまで。

 そして、このゴーストコーストで流通する言語は、翻訳の必要もない。かつて吉本隆明は、坂本龍一との対談で、矢野顕子の歌を「言葉を、音に同化させ」「音にしちゃっている」と評価した。同対談で坂本はYMO(「ラップ現象」つながり!)の海外公演では、英語よりも日本語の矢野の歌の方が圧倒的に受けが良く、「聴衆たちは踊っていた」と振り返った。「不通」の曲中で野口が「あー/言葉ない/ない/不通」と歌うように、Moeの「言葉なき不通」こそ、矢野同様に、世界中で通じる「音」なのではないか。

 ということは、「ラップ現象」とは、音の不在が言葉を呼び込み、逆に言葉の不在が音を呼び込むことだったのではないか。ゴーストノートの空白を埋めるMoeの言葉。同時に、そのMoeのフロウは言葉であることを忘れて、音になる。空間現代が積み上げる建材の隙間を縫う、モノ音になる。


 僕たちは、このコラボがもたらした唯一無二の世界を、心行くまで楽しむことを許されている。12センチの円盤に閉じ込められた世界。しかしそこからはみ出す過剰=幽霊たちをもっと近くで目撃できたのは、彼らのライヴの場に居合わせた、幸運な人々。2016年5月30日、渋谷WWW。幽霊たちに鼓膜をくすぐられながら、僕たち聴衆は踊り狂った。

 それはコラボレーションの記録だった。「誰の?」──空間現代×Moe and ghostsと、僕たちの。「何の?」──音楽×言葉と、ヘッドバンギングの。「どうやって?」──マッシュアップ的な方法論で。

 あの夜以来、どうも地に足がつかない心地がするのは、単なる気のせいだろうか。

Thomas Brinkmann - ele-king

 トーマス・ブリンクマンの作りだす音は、はたして「音楽」なのか。ブリンクマンのサウンドは、そのような「問題=意識」をわれわれの感覚にむけて突き出してくる。おなじく〈エディションズ・メゴ〉からリリースされた前作『ホワット・ユー・ヒア(イズ・ホワット・ユー・ヒア)』(2015)もそうだったが、ブリンクマンは音の快楽度数を極限まで削いでいるのだ。
 音を単なる「音」として、即物的な触覚を全面化すること。聴き手に即物的な音を聴取するときに生じる「痛み」のような感覚を意識させること。この傾向はオーレン・アンバーチとの共作『ザ・モーティマー・トラップ』(2012)以降、ますます強くなっている。通常のミニマル(・テクノ)から逸脱し、例外的な存在へと変貌を遂げた、とでもいうべきか。

 2016年の新作『ア・1000キーズ』においては、その「痛み」が、さらに高められていた。「これは音楽なのか?」という問いは、前作以上にクリティカルである。
 なぜか。本作は、ほぼ全曲グランドピアノを加工したサウンドを用いている。しかもピアノによる演奏・旋律がはっきりと残っているトラックがほとんどで(1曲め、7曲め、9曲め、11曲めなど、ノイズ・トラックやリズム・トラックの曲もある)、低音を異様に響かせる「ミニマル・ノイズ・ピアノ・ミュージック」とでも形容したい音楽を展開しているのだ。
 そう、たしかに旋律やリズムらしきものはある。しかしそれがどうにも「音楽」には聴こえない。「音楽」の快楽は、ほぼ皆無に思える。ノイズにせよ電子音響にせよ「音楽の快楽」は聴き手のコンテクストに応じて存在するはずだが、本作の異様なピアノの響きにはそれが(まったく?)ないのだ。剥き出しになったピアノの音がゴロンと横たわっている、そんな感覚である。

 ブリンクマンは、そのような「音楽」と「音楽ならざるもの」の領域を攻めている。前作『ホワット・ユー・ヒア(イズ・ホワット・ユー・ヒア)』も、ノイズやドローン特有の快楽性が希薄であり、相当に異様な音だったわけだが、その「気持ち悪さ」の向こうに、かすかにリズムの残滓を散りばめることで「音楽」と「音楽ならざるもの」の領域を往復するような実験作品でもあった。極限まで「音楽」的な要素を削いだという意味で、音響的ミニマル・アートともいえるだろう。
 本作も同様だ。いや、それ以上だ。極限まで快楽の要素を削いだ新しい音響的ミニマリズムを、ピアノという300年以上の音楽史を背負った楽器で体現させてしまっているのだ。なんという「音楽」への批評性。そして破壊。
 「音楽」の破壊? いや、だからこそ新しい創作でもある。とくに異様な低音とノイズのむこうで、極限まで音を削がれたピアノの打鍵が強烈に鳴り響く12曲め“CGN”や最終18曲め“KIX”には、ただ、ただ、圧倒されるほかはない。「聴いたことがある音」と「聴いたことがない音」の領域を徹底的に揺るがしているのだ。まさに、「音楽」から遠く離れて、である。

 もはやベテランと称してもいいブリンクマンが、このように真に新しいアート/音楽を追求している姿勢に、私は深いリスペクトを感じてしまう。急いで付け加えておくが、ブリンクマンは新概念や方法論を追求することで「新しさ」を実現できるとは考えてはいないはず。彼が批評的な問題を突きつけるのは、受容=聴き手側の固まった感覚のほうではないか。
 ブリンクマンは本作を「ハーシュ・メディテーション」と語っていた。快楽度数が皆無の、剥き出しのピアノの音響に耳と身体を浸すことで得られる「破壊的=瞑想的」領域。それは「21世紀型のミニマル・ミュージック」の響きだ。透明な知性による狂気の構造化、その結晶が本作なのである。

全981枚収録!!
ヨーロッパのジャズと
周辺音楽カタログの決定版!!

『Jazz Next Standard』シリーズ、『CLUB JAZZ definitive』の監修者、小川充の新刊は、ヨーロッパのジャズとその周辺音楽の案内書。アメリカから伝播したジャズを消化し始めた1960年代のモダン・ジャズ(イアン・カー、マイク・ギブス)、独自のスタイルを築き上げる60年代後半のジャズ・ロック(マイク・ウェストブルック、ソフト・マシーン)、70年代のプログレ/アヴァンギャルド(キース・ティペット)、ビッグ・バンド(ケニー・クラーク、ピーター・ヘルボルツハイマー)などを年代やジャンル別に紹介する。さらには、国外音楽家の録音盤(ドン・チェリー『オーガニック・ミュージック・ソサエティ』)やヴォーカルもの(カーリン・クロッグ、ノヴィ・シンガーズ)などを独自の眼線で大胆にセレクト。ヨーロッパ・ジャズとその周辺音楽の入門書として、最適な一冊!!

(目次)
■Part 1 - Modern / Contemporary Jazz
・GREAT BRITAIN
・GERMANY
・FRANCE
・ITALY
・WEST EURO
・NORDIC
・EAST EURO

■Part 2 - Jazz Rock / Progressive Rock / Avantgarde
・GREAT BRITAIN I (JAZZ ROCK / CANTERBURY)
・GREAT BRITAIN II (MOD JAZZ / NEW ROCK / PROGRESSIVE ROCK)
・GERMANY
・FRANDLE
・EURO
・SINGER-SONGWRITER / FOLKY

■Part 3 - Jazz Funk / Fusion
・GREAT BRITAIN
・GERMANY
・WEST EURO
・NORDIC
・EAST EURO

■Part 4 - Big Band
・BIG BAND
・CBBB / RC&B / GERMAN BIG BAND

■Part 5 - Euro Recordings
・ÉTRANGER
・SABA-MPS / HORO / STEEPLECHASE

■Part 6 - Vocal
・VOCAL

■Part 7 - World
・AFRO
・LATIN / BRAZILIAN

■Part 8 - Mood
・CINÉ JAZZ
・EASYLISTENING / LIBRARY

COLUMN 英国ジャズ未発表音源の発掘

 タイコ・スーパー・キックスの樺山太地と、元・森は生きているの岡田拓郎による対談&即興ギターセッションを収めた動画が公開された。
 本動画は9月4日に開催されたタイコ・スーパー・キックスによる自主企画、「オマツリ2」にて配布されたZINE『TBD』に収録された企画、「ソリッド・ギタリスト・セッション」によるもの。ふたりの即興演奏を交えた24分もの対談動画となっている。
 お互いのギター・プレイのルーツから、使用機材や音作りの話まで、ギタリストならではの濃密な内容のトークと、ブルース~ノイズを中心とした即興セッションは、ギタリストでなくても必見だ。
 ふたりのギタリストによるセッション、というのはよくある形式だが、そのスピンオフ感にときめいてしまうのは私だけだろうか。今回のセッション動画はそのときめきを感じさせてくれるものであるし、ふたりのギター・プレイの違いも顕著で、音からも、話からも彼らの背景が見えてくることが印象的であった。この企画の続編を願うばかりである。
 なお今回の企画が収録されたZINE『TBD』は、タイコ・スーパー・キックスのライブ会場で販売中とのこと。こちらも合わせてチェックすべし。

ソリッド・ギタリスト・セッション 樺山太地(タイコ・スーパー・キックス)×岡田拓郎(ex, 森は生きている)

■タイコ・スーパー・キックス(Taiko Super Kicks)
東京都内を中心に活動中。
2014年8月、ミニアルバム『霊感』をダウンロード・フィジカル盤ともにリリース。2015年7月、FUJI ROCK FESTIVAL'15「ROOKIE A GO-GO」に出演。
2015年12月、ファーストアルバム『Many Shapes』をリリース。
https://taikosuperkicks.tumblr.com/

■岡田 拓郎
1991年生まれ。東京都福生市で育つ。ギター、ペダルスティール、マンドリン、エレクトロニクスなどを扱うマルチ楽器奏者/作曲家。
コンテンポラリー・フォーク、インプロヴィゼーション、実験音楽、映画音楽など様々な分野で活動。
2012年にバンド「森は生きている」を結成。P-VINE RECORDSより『森は生きている』、自身がミキシングを手がけた『グッド・ナイト』をリリース。両アルバムとも、ジャケット写真も手がける。2015年に解散。個人活動としては、Daniel Kwon、James Blackshawなどのレコーディング、ライブに参加。2015年には菊地健雄監督作品、映画『ディアーディアー 』の音楽を担当。福岡のカセット・レーベルduennのコンピレーション・アルバム『V.A one plus pne』に楽曲提供。 『Jazz The New Chapter』、『ポストロック・ディスク・ガイド』、『レコード・コレクターズ』などにて執筆も行う。
https://www.outlandfolk.com/

Christ. - ele-king

 きみは『Twoism』を覚えているだろうか?
 1995年に〈Music70〉から100枚限定でリリースされ、一時期は15万円もの値で取引されていたというボーズ・オヴ・カナダの初期作品である(同作は2002年に〈Warp〉よりリイシューされている)。後の『Music Has The Right To Children』にも通じる、スウィートかつサイケデリックな電子音によって構築されたこの名盤が制作されたとき、実はボーズ・オヴ・カナダには3人目のメンバーがいた。Christ. こと Chris Horne である。
 彼はボーズ・オヴ・カナダを離れて以降も着実にリリースを重ねてきたのだが、今回の来日は2002年のメタモルフォーゼ以来、実に14年ぶりとなる。そんな彼を迎えるのは、世界中で活躍する「アンドロイドの歌姫」こと Coppe'(コッペ)の主宰するイベント《21rpm : japan》。Ametsub や KENSEI など、他の出演者も非常に豪華である。
 きみはこの機会を逃すことができるだろうか?

~mango + sweet rice : happy 21st. birthday !~
《21rpm : japan》
開催のお知らせ

アンダーグラウンドなエレクトロニック・ミュージック界ではもはやゴッドマザーのニックネームで活躍し、世界各地で数多き謎のクリエイションを仕掛けている“アンドロイドの歌姫コッペ”と彼女が率いる超非現実的な幻のレコード・レーベル〈mango + sweet rice〉の20周年を記念するパーティーが2015年、イギリスのロンドンにある由緒ある教会 st. giles church にて Plaid など錚々たる顔ぶれを迎え開催された。またその日本公演としてなんと Bola(〈skam records〉)が待望の来日を果たし、西麻布スーパーデラックスにて10年ぶりのスペシャル・ライヴを披露したのが記憶に新しい。
あれから1年、9月10日、同レーベルはさらに進化した《21rpm : japan》として壮大な世界ツアーの初日を日本からスタートする。そしてコッペ姫のために素晴らしい仲間が来日することが決定した。st. giles church での20周年パーティにも参加していた Christ.(ex. Boards Of Canada)が国内1ヶ所のみのエクスクルーシヴ・ライヴを披露する。彼は Boards Of Canada としてあまりにも有名な名盤『Twoism』にも参加していた人物だ。コアなファンにとっては涙ものの来日公演となるだろう。
《21rpm》と銘打った本ツアーはスコットランドのエディンバラやドイツのベルリンを含む世界ツアーの1発目の公演となる。いまのところ正式に発表されているもののみでも Plaid / Massonix(808 State's own Graham Massey, 〈Skam Records〉) / Funkstörung / Luke Vibert / Seefeel / Leila ……とすでにロンドンのコアなミュージック・ファンたちの間でバズり始めている。まさに“進化した”出演者たちにより st. giles church のフェスティヴァルは多くのファンに囲まれ開催される予定だ。
~happy 21st. anniversary sweetrice !~ として国内から華を添えるのは、コッペとも交流が深く先月リリースしたての自身初のビート集『IS PAAR』も好評の DJ KENSEI、日本を代表する音楽評論家として有名な Masaaki Hara(dublab)、そしてニューヨーク・シーン随一の才能と評されるトップ・プロデューサー、FaltyDL 主宰のレーベル〈Blueberry Records〉から新作EPをリリースするなど、 世界から注目を集める Ametsub のDJセットといった個性豊かな出演者たち。《21rpm : japan》の開催場所は前回と同じく西麻布のアート・スポットでもあるスーパーデラックスにて限定人数制でのショウケースでおこなわれることになっている。
2002年のメタモルフォーゼでトリを飾り、神がかったライヴを披露して以来の Christ. の来日に乞うご期待。

OG from Militant B - ele-king

愛すべき日本のレゲエミュージック 2016.8.19

完全に久しぶりぶり~な感じのOGですがバイブス変わらず俺なりのチャートをお届け!
今回のテーマは"愛すべき日本のレゲエミュージック"と題し、終わりたくない夏!
初のオール日本人の楽曲を挙げました。やっぱ言葉の意味も分かるし、それがレゲエのリズムに乗ったら最高なの間違いなし!
You Tubeはほぼ無かったのでCD、レコードをゲットしたり俺のプレイで楽しんでくれ。
そして日本が今とんでもない方向に進もうとしてることは誰もが分かるから、音楽で俺らは繋がろう。
そして広げよう!踊るのは楽しいぞ!と

最後に私事なんですが7月にBrand New Mix TAPE "Hawkeye Dub"をMASTERED HISSNOISEよりリリースしました。

テープという媒体ながら多くの方に手にとってもらって嬉しいです。
俺はいつでも絶好調!だからパーティーにも遊びきてね。
そんなノリをキープしてリリースパーティーのお知らせ!

C.E & HINGE FINGER T - ele-king

 先日お伝えしたように、Joy Orbison と Will Bankhead が主宰するレーベル〈Hinge Finger〉と、Sk8ightTing と Toby Feltwell がディレクターを務めるブランド〈C.E〉が共同でおこなうクラブ・イベント〈C.E & HINGE FINGER〉が9月10日(土)に開催される。〈Hinge Finger〉のショウケース的な意味合いも含む当イベントでは、Joy Orbison と Will Bankhead の2名に加え、スウェーデンから Peder Mannerfelt が、日本から DJ Nobu が参加し、計4名がメインフロアの UNIT に登場する。また、地下フロアの SALOON には〈C.E〉と縁の深い面々が顔を揃える。

 それに先がけ、当イベントのチケット付きTシャツ「C.E & HINGE FINGER T」が、9月3日(土)に発売されることとなった。今回発売されるTシャツのグラフィックは、フライヤー/ポスターのデザインを分解して、フロントとバックにプリントしたもの。付属するチケットは一般発売されているものとは異なり、グラフィックがプリントされたリストバンド型のチケットとなっている。

 なお、当イベント・チケット付きTシャツは、9月3日(土)に南青山にオープンする〈C.E〉の実店舗のみでの発売となる。この絶好の機会に、音楽とファッションを同時に楽しもう!

WIRED CLASH - ele-king

 来る9月3日(土)、日本随一の大型テクノ・パーティ『WIRED CLASH』が今年もageHaで開催される。
いまノりにノっている石野卓球が盟友ウエストバムと共演する──これは見逃すわけにはいかないだろう。ベルリンのテクノ・シーンの礎を築いたこの男、実は相当ラディカルなDJである。11月半ばに刊行予定のウエストバムの自伝『夜の力』(大方の予想を裏切るとんでもない内容です)によると、ベルリンの壁で暴動が起こったとき、彼はその傍らでシカゴ・ハウスをスピンしたのだという。そんなアツい男がこの日本随一のパーティでどんなプレイを見せるのか──それだけでも十分「買い」な『WIRED CLASH』だが、日本からはケン・イシイ、大沢伸一、スギウラムといった大御所が出演するなど、素晴らしいアーティストたちが目白押しである。
 また、同パーティではおなじみの VENUS LASERとLIGHTING MIURAによるライティング&レーザーや、REALROCKDESIGN、HEART BOMB、VJ MANAMIら映像チームによる演出にも注目だ(各アーティストの出演エリアやタイムテーブルは後日発表予定)。
なお、現在『クラベリア』にて発売中の前売チケットは、9月2日の『STERNE』および9月3日の『WIRED CLASH』というふたつのパーティへ入場可能な、とってもお得な共通券となっている。この機会を逃すな!

WIRED CLASH
2016.09.03.Sat. at ageHa
23:00 Open/Start Door 5,000yen/ageHa MEMBER 4,000yen

■LINE UP
TAKKYU ISHINO [Tokyo/JP]
WESTBAM [Berlin/GER]
DER DRITTE RAUM [Berlin/GER]
POPOF [Paris/FRA]
FRANK LORBER [Frankfurt/GER]
DJ COOKIE [Taipei/TW]
DOZEGUISE [ASYLUM/Hawaii/US]
ERIC HSUEH [6AM/Guam/US]
KEN ISHII [Tokyo/JP]
SHINICHI OSAWA [Tokyo/KP]
SUGIURUMN [BWR/Tokyo/JP]
DJ SODEYAMA [Tokyo/JP]
A.MOCHI [Tokyo/JP]
OSAMU M [Tokyo/JP]
DJ PI-GE & KIKIORIX [TRESVIBES/Tokyo/JP]
SEKITOVA [Osaka/JP]
SUNSEAKER [Tokyo/JP]
NAO NOMURA [BWR/Osaka/JP]
SAKIKO OSAWA [Tokyo/JP]
KiTE [SUNNY/Tokyo/JP]
QUE SAKAMOTO [Tokyo/JP]

■VJ
REALROCK DESIGN
HEART BOMB
VJ MANAMI

■LIGHTING
MIURA

■LASER
VENUS LASER

■HOSTED BY
YASUHIRO ARAKI & MANABU HOSAKA


料金:
当日:5,000円 ageHa MEMBER 4,000円
第1弾 : 4000円 8/5(金)~8/9(火) ※受付終了
第2弾 : 4250円 8/10(木)~8/15(月) ※受付終了
第3弾 : 4500円 8/16(火)~8/21(日) ※受付終了
第4弾 : 5000円 8/22(月)~9/2(金)
※前売チケットは『STERNE』、『WIRED CLASH』共通券として両パーティーでご使用いただけます。

■前売チケット販売サイト
クラベリア→https://www.clubberia.com/ja/events/255980-WIRED-CLASH/

・『STERNE』の詳細は下記ウェブサイトからご確認いただけます。
https://www.womb.co.jp/event/2016/09/02/sterne-12/


interview with Gonjasufi - ele-king


Gonjasufi
Callus

Warp / ビート

PsychedelicBluesRapRock

Amazon

いまの日本でこの音楽を聴くと、“汚さ”に違和感を覚えるだろう。すっかりお馴染みのシティポップ・マナー、これをやっておけば誰からも嫌われないだろうというネット時代の倦怠、保守的で、品性が良いだけのkawaii国では、ドレッドヘアーの汚らしいラッパーの歪んだサウンドは、まず似合わない。
 逆に言えば、小綺麗な日本のシーンに居場所がない人にとっては、ゴンジャスフィの『カルス』から広がる荒野は心地良いだろう。汚さ……というものがなくなりつつある世界において、西海岸の(異端児)ラッパーは、4年ぶりの新作で、照りつける太陽と砂漠のような怒りをぶつけている。トム・ウェイツが幻覚剤を通して西海岸のビートを摂取したような、錆びたサンプルで歌うブルース歌手、悪夢と人生を賛歌するような、いろいろな感情が入り混じったなんとも魅惑的なアルバムである。ぜひ、聴いて欲しい。こんなサウンドもありなんだと、ひとりでも多くの人に知ってもらえたら幸いだ。

俺はオバマに投票するね(笑)。トランプになっても、ヒラリーになってもダメだ。いまのアメリカは、解決すべきものがたくさんあると思う。TVやインターネットがなければ、もっと良い世界になるはずなんだよ。

2010年にあなたに取材したとき、あなたは「政治は大嫌いだし、政治にはいっさい関わりたくないと思っている」と話してくれました。11月に大統領選を控えていますが、今回は支持したい候補者がいなくて困っている人が多いと聞きました。

ゴンジャスフィ:たしかに選択肢はないな。俺はオバマに投票するね(笑)。トランプになっても、ヒラリーになってもダメだ。いまのアメリカは、解決すべきものがたくさんあると思う。戦争もそうだし、人種間の緊張感もそうだし、メディアに大きく左右されている部分もあると思うね。TVやインターネットがなければ、もっと良い世界になるはずなんだよ。皆、自分の判断ができる。政治には、いまだに関わりたくないね。ファック・ノーだ(笑)。

この4年、いったい何をされていたのですか?

ゴンジャスフィ:体調をくずしていたから、そのリカバリーに1年くらいかかったんだ。その治療で強い薬を摂ったしていたから、死にそうにもなってさ。で、そこからまた回復しなければならなかったし、手術やいろいろ大変だったんだ。

ヨガのほうはいかがですか?

ゴンジャスフィ:ヨガはもう2年くらい教えていない。引っ越したのもあるけど、いまのヨガ業界にもウンザリしていたんだ。ヨガ講師がインスタグラムをやったり、そこで人気になるのも良いケツをしたヨガ・インストラクターだったり、ヨガは「人からどう思われるか」ではないのに、外見を気にしたり、ステータスでヨガをやっている奴が多いんだよ。ヨガとは何なのかを本当にわかっていない。ヨガを教えてはいなくても、ヨガを好きなことは変ってないけどね。

どこか、他の文化圏への旅行をされた経験などの影響はありますか?

ゴンジャスフィ:ギリシャに行っていくつかショーをやったけど、それ以外はアメリカを出ていない。あまりこれといった影響はないな。これからの予定は、12月にヨーロッパに行くんだ。そのあと、来年もツアーがある。もう1枚、春に出したいと思っているレコードがあるから、その準備もしないといけなくてね。〈ワープ〉からリリースされるんだけど、それもGonjasufiのレコードなんだ。

では、どのようなきっかけがあって本作は制作されていったのでしょうか?

ゴンジャスフィ:制作をはじめたのは2013年、いや、2011年だな。ヴェガスで制作をスタートしたんだ。曲のなかには、2004年にサンディエゴで作りはじめたものもある。ギター・パートが出来ていて、あとから1年くらいかけてセッションで発展させていったんだ。

通訳:音楽制作は2011年からずっと続けていたのですか?

ゴンジャスフィ:前作が出た後から、ずっとレコード制作はしていたんだ。でも、2012年に病気になって、そこから制作のスピードが遅くなっていった。で、2014年にまた作業を再開して、トラックを仕上げはじめて、2015年にアルバムを完成させた。あと、音楽活動は常にやっていたんだけど、音楽業界からは離れていたね。業界がイヤになってね。でも、音楽そのものへの愛が変わったことはない。あのジェイ・Zの一件があってから(2013年、ジェイ・Zがゴンジャスフィの曲をサンプリングした)、早くレコードを出せとまわりりがうるさかったんだ。でも俺自身はその準備が出来ていなかった。金のために音楽はリリースしたくなかったし、そんなことしたら、音の出来の悪さにがっかりするリスナーも出てくるだろうしね。

元キュアーのパール・トンプソンが参加していますが、1980年ぐらいのUKのポストパンク、しかもゴス的な感覚というか、ノイジーでダークな衝動を感じましたが、いかがでしょうか? 

ゴンジャスフィ:そういった音楽からも影響は受けているよ。最近もよく聴いているんだ。最初は、自分でギターとドラムを演奏して作っていたんだけど、ギターの部分が自分ではうまく表現できなくてフラストレーションがたまっていた。指が思うように動かなかったんだ。そこで、彼に依頼することにしたのさ。

通訳:あなたはこのアルバムの方向性をどのように考えていますか?

ゴンジャスフィ:ただただ、俺は正直なアルバムが作りたかった。俺の中身がそのまま表れている作品をね。あと、音的にはダークでディストーションの効いた作品を作りたかったというのはあったな。それと、痛みが表現された作品。俺は、フェイクな内容なものを作ることは避けたかったんだ。ララララ~なんて、エレヴェーターで流れているような音楽は作りたくなかった(笑)。まあ、作ろうと思えば作れるぜ(笑)。めちゃくちゃ良いR&Bレコードを作れる自信はある(笑)。絶対に金になるだろうな(笑)。

いま、痛みを表現したかったとおっしゃいましたが、強いて言うなら、今回は怒りのアルバム? 苦しみのアルバム? 

ゴンジャスフィ:選べないな。どっちもだよ。いまだに怒りはあるし、苦しんでるし(苦笑)。

通訳:どんな怒りや苦しみを未だに抱えているのですか?

ゴンジャスフィ:子供を育てる環境もそうだし、金銭問題もそうだし、自分のまわりのことすべてさ。俺はミリオネア(金持ち)じゃないからな。でも、レコードには愛もつまっている。ネガティヴなエナジーを音楽を作ることによってポジティヴに変えているんだ。

“Afrikan Spaceship”や“Shakin Parasites”のようなインダストリアルなビートからはマーク・スチュワートを思い出したんですが、お好きですか?

ゴンジャスフィ:誰? わからないから答えられない(笑)。ははは。

通訳:ポップ・グループの人ですよ。

ゴンジャスフィ:ホント知らないんだ。

たとえば“Carolyn Shadows”や“The Kill”など、今回のアルバムの重苦しさ、こうしたエモーションの背後に何があったのかを教えてくれますか?

ゴンジャスフィ:難しい質問だな。どの曲にも同じアプローチで望んだし、同じ感情が込められていると思う。俺のソウルが込められているんだ。それがブルースってもんだろ? そのソウルは、“ファック・ユー”でもあるし、“アイ・ラヴ・ユー”でもある。そのふたつは紙一重だからな。
 で、何があったんだっけ……"The Kill"の歌詞を振り返ってみるから、ちょっと待っててくれよ。あれは……正直わかんねえな。歌詞を書いているときって何も考えないんだ。俺って説明出来ないんだよ。そのとき感じている痛みだし、それを振り返ること自体も痛みなんだ。母親と話しているときも説明を求められて、俺、ぶちぎれるんだよ(笑)。ゴッホにだって、何でその絵を描いたのかなんて訊かないだろ(笑)? そこから何を自分が感じるかが大切なんだ。いちいち説明を求められると、気が滅入るんだよ。俺の母ちゃんは、俺の大ファンだけどな。両親とも仲は良いけど、母ちゃんの方が近い。「この曲が好き」とか、毎日メールしてくるしな(笑)。でも、はいはいって感じで流すんだ(笑)。
 母親はサンディエゴに住んでいるから、俺は年に2、3回くらい帰るようにしてる。子供が俺の子供しかないから、彼女を孫に会わせるのは大切だと思って。母親って好きなんだけど、ずっとはいれない。わかるだろ(笑)? 俺の人生初のコンサートは8歳で、衣装も全部母ちゃんががデザインしてくれたんだ。頑張れと楽屋の前で励ましてくれた。観客席からも応援してくれている姿が見えたし、彼女は俺のすべてだな。この話をしていたら、泣きそうになってきたよ(笑)。

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どの曲にも同じアプローチで望んだし、同じ感情が込められていると思う。俺のソウルが込められているんだ。それがブルースってもんだろ? そのソウルは、“ファック・ユー”でもあるし、“アイ・ラヴ・ユー”でもある。そのふたつは紙一重だからな。


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あなたは、スーフィーやトルコなど、中東文化を取り入れるのも早かったと思うのですが、今日の音楽の世界では、わりとそれはひとつのトレンドにもなっています。苛立ちはありますか?

ゴンジャスフィ:いいことだと思うぜ。知られることで音楽も広がるし、受け入れられるのはいいことだと思う。

通訳:トレンドを追うこともありますか?

ゴンジャスフィ:いや、きらいだな。君はどう?

通訳:私はたまにのってしまいますね。

ゴンジャスフィ:いまは何の流行にのってるんだい?

通訳:グリーンスムージーとか(笑)?

ゴンジャスフィ:ははは! 出た! 俺はパープルじゃないと飲まないね(笑)。ベリーが入ってるから美味しいんだ。グリーンは激マズ。ファック・ノーだな。マジで無理(笑)。芝生なんて入れやがってさ。とくに胃が空っぽの時は無理だな(笑)。

政治的に言えば、今日ではイスラムへの偏見はさらに増しています。そうした偏見への怒りは、今回の作品の主題にはありますか?

ゴンジャスフィ:そうだな……もちろんそれがテーマになっているものもあるし、すべての曲に入っている。“Maniac Depressant”は、宗教や人種に関しての怒りが歌っているし、“Krishna Punk”も、人びとの関係について歌っている。アメリカ全体の問題がこのアルバムではテーマになっているんだ。

“Krishna Punk”は曲調も一風変わっててユニークですが、歌詞には、たとえばなにが綴られているのでしょうか?

ゴンジャスフィ:この曲では、“組織”についてが歌われているんだ。歌詞を思い出してみるから待ってくれよ。「共同体を崩し……世界を救え。組織を消して、テレビをなくせ。そうすれば自由になれる」そんな感じだな。俺たちが組み立ててきてしまったものを崩せ、みたいな内容。フリースタイルさ。俺にとっては、フリースタイルで歌う方が簡単なんだ。昔からやってきたからな。サンディエゴやLAのアンダーグラウンドは皆そうなんだよ。

『カルス』というタイトルは、どこから来たのでしょうか? そこにはどんなメッセージが込められていますか?

ゴンジャスフィ:自分の心臓の周りにスペースを作っているんだ。世界からの攻撃から自分を守っているのさ。俺というより、世界が俺の心に“たこ”を作った。でもそれは美しいことでもある。純粋なものをを守ることが出来るからね。俺は、敵を近くに置いたりはしない。近くに置くのは家族だけ。同時に、俺は悪から逃げることもしないんだ。それよりも、向こうが目を背けるまでじっと見ていたい。あと、悪というのは男のエナジーだと最近気づいたんだ。神は女性のエナジー。男は命令して何かをさせようとするけど、女は全体を見てバランスをとろうとする。男にはマッチョなエゴがあるんだ。神は男という考え方は、捨てるべきだね。

“Your Maker”や“Prints Of Sin”のようにヒップホップ・トラックを発展させたような曲もありますが、今回の作品のなかにフライロー周辺からの影響はありますか?

ゴンジャスフィ:ないね。彼と俺の音楽に近いものは何もない。でも、彼自身のことは大好きだけどな。彼は俺の人生を変えたし、借りがたくさんあるんだ。まわりの奴らが俺にビビっていたときも、スティーヴ(フライロー)は温かく接してくれた。サウンドの影響はないけれど、やりたいことをやるという彼の姿勢には確実に影響を受けているね。彼も繊細だし、俺も繊細。人生短いんだから、大胆にいかないと。人間皆繊細だし、自信もない。でも、その氷を崩していかないといけないんだよ。

前回の取材で、「ジミは世界いち最高にクレイジーなマザー・ファッカー野郎さ」とあなたは話してくれましたが、とくに今回はその影響が強いと思いますか?

ゴンジャスフィ:ジミは前ほどは聴いていない。でも、俺は彼の演奏を見てから、演奏と歌をすぐにはじめたんだ。彼はいまだに大きく影響を受けているし、彼のあの特有のリズムとあのリズムと同時に歌うことが出来る才能は、本当に素晴らしいと思う。あれは、やろうと思うとすごく大変なんだ。あの時代にそれをやったのもすごいし、しかも左利きでもある。あれは神だな。彼とマイルズ・デイヴィスとプリンスの3人はそう。デイヴィッド・ボウイもそうだな。

あなたがジミ・ヘンドリックスのアルバムでいちばん好きなのは、『Axis: Bold As Love』ですか?

ゴンジャスフィ:そうだな……『Axis: Bold As Love』だと思う。

通訳:それは何故?

ゴンジャスフィ:わからないけど、俺が聴いてきた経験でそう思うんだ。この質問はいままで聴かれたことがなかったから、すぐにはわからない。ジミ・ソングだったら、“Voodoo Child”だな。

前作のときと違って、現在カリフォルニアでは大麻は合法です。こうした状況の変化は新作にどのように関係していますでしょうか?

ゴンジャスフィ:もちろん制作中は吸ってたさ。体調も崩していたから、薬としても使っていた。でも、いまは吸ってないんだ。半年は吸ってないね。1、2年やめようと思ってる。実は、『A Sufi and a Killer』のときはほぼ吸ってなかったんだ。今回は、スロー・ソングのときはだいたい吸ってた。でも、いまは酒も飲まないし、飲むとしてもビール6缶を3ヶ月で飲み終わる程度。酒を飲むとリカバリーに時間がかかるし、身体が拒否するんだ。サンディエゴに帰ったときに一杯飲んだりはするけど、それも5ヶ月に1回とかだしな。ワインも好きだけど、カミさんが妊娠してるし、いまは飲んでない。俺、長生きしたいんだよ(笑)。いまは子供がいるしな。子供が産まれるまでは、40歳くらいまで生きれればいいと思ってたけど、いまは80歳まで生きないと(笑)。60歳になって腹が出て、シワだらけになったとしても、俺はシャツを脱いで上半身を見せるぜ(笑)。女がどう思うかなんてどうでもいい。じゃなきゃ、いまだってヒゲをはやしてはいないしな。ないほうがハンサムって言われてるんだ(笑)。でも、カミさんはありのままの俺を愛してくれているからそれでいいのさ。

あなたはヨガのインストラクターですが、多くの人はヨガをやるべきだと思いますか?

ゴンジャスフィ:全員やるべきだ。それに、子供や身体障害者、病人たちにはタダで教えるべきだと思うね。学校のカリキュラムやリハビリ、刑務所のプログラムに取り入れるべきだと思う。俺の娘もやってるし、平和な気持ちを得るには必要なものだと思うから。週3~5回はやりたいね。このレコードの売上金で、ジョシュア・ツリーにヨガ・スタジオを作ろうと思って。ただし俺は、ヨガで金もうけしようとは思わない。ただ、ヨガを広げたいだけなんだ。

いま世界は転換期を迎えていますが、このような時代に、「ぼくたちに何ができる」と思いますか?

ゴンジャスフィ:ヨガさ(笑)。インターネットとテレビを消して、自然に注目すること。人に合わせるんじゃなくて、自分自身を持ち、自分が受けた恩恵をまた別の人に送り、親切の輪を広げていくことだね。世界や周りを変えるより、まず自分を変えればいい。皆がそれに集中すれば、世界なんてすぐに変わるさ。

通訳:ありがとうございました!

ゴンジャスフィ:ありがとう。またな。

OG form Militant B - ele-king

 全国のレゲエ・ファンからの信頼も厚い「新宿OPEN」にて奇数月開催されるレギュラー・パーティーをはじめ、西東京を中心に活動の場を広げる「OG form Militant B」。昨年ele-kingでもチャートを頻繁に上げてくれてご存じの方も多いと思うが、現在はベース・ミュージックを中心にプレイし、ともに将来が期待されるDJ CHANGSIEとの「DISCO SHOOTER」、また吉祥寺Cheekyでは長年現場を共にするRapper RHYDAとのレギュラー・パーティなど、その活動はじつに多岐に渡り、アンダーグラウンドでの評価は本当に高い。で、先月リリースされたばかりの素晴らしいミックス・カセットテープ(!)『HAWKEYE DUB』のリリース・パーティが9月9日、東高円寺〈GRASSROOTS〉にて決定したぞ!
 ゲストには沖縄からな、なんと「DJ 光」。群馬県桐生からは同世代の盟友「デニロウ」。そしてGRASSROOTS店主「Q a.k.a INSIDEMAN」という、最高な出演者により祝宴が開催される。
 見逃し厳禁なインフォメーション&リリース情報はOGが主宰する「Bad Man Wagon」公式WEBを是非チェックして下さい !!!

Bad Man Wagon
https://badmanwagon.com/

JUNGLE JUNGLE presents
OG from Militant B "Hawkeye Dub" RELEASE PARTY

9/9(金)OPEN 23:00 at GRASSROOTS (https://www.grassrootstribe.com/

出演

DJ HIKARU

INSIDEMAN a.k.a Q

デニロウ

OG from Militant B


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