「ZE」と一致するもの

New Age Steppers - ele-king

 わりと最近、リアーナの『トーク・ザット・トーク』の1曲目に収録された"ユー・ダ・ワン"のPVが話題になった。映像のなかでリアーナが自慰行為をしているからである。例によって賛否両論を呼んだ。セクシャンな表現をそれなりに理解している人からもマドンナには到底及ばないようなことをするなという厳しい声があがった。ビヨンセと違ってバルバトス島出身のこの女性は、何かと非難の対象になる。リアーナは、アリ・アップがもっとも支持していたR&Bシンガーのひとりである。決して行儀が良いとは言えないけど、私がやりたかったことすべてをやっているとまでアリアップは言った。リアーナやR・ケリーのような大衆的な過剰さを屈託なく楽しみ、愛せるところがアリ・アップらしい。ポスト・パンクにおいてザ・スリッツが抜きん出ていたところも、男女同権主義や多文化主義というよりも、結局のところアンチ・エリートなその包容力、狭量な世間に反する寛容さにあったと言える。彼女は、ロンドンのパンク・ロックにおける男女関係が、フリーセックスでもじめじめした手に負えないものではなく、こざっぱりとした友情関係得にあったことを主張するひとりでもある。

 2007年10月、ザ・スリッツとして来日したとき、アリ・アップはエイドリアン・シャーウッドといっしょにニュー・エイジ・ステッパーズの新作にも着手していることを話してくれたが、周知の通り、2010年10月、彼女は乳ガンによって他界した。ゆえに本作『ラヴ・フォーエヴァー』はプロジェクトにとって28年ぶりのピカピカの新作であり、そして最後の作品でもある。なんにせよ、僕のようなファンにとっては、今月もし1枚だけ選ぶとしたらこれしかない、そう言い切れるほどのアルバムである。
 いくぶん感傷的なタイトルの付けられた本作は、スキップ・マクドナルドやスタイル・スコット(ともにダブ・シンジケート)、ゲットー・プリースト、ニック・コプロウといったシャーウッド率いる〈ON-U〉の仲間たちともに、ダンスホールの多様なリズムからドラムンベースのアーメン・ビート、ヒップホップ、そしてもちろんレゲエと......まあ、アリ・アップらしいと言えばらしいハイブリッドな音楽を展開しているわけだが、予想以上にいろいろやっている。とくに驚いたのはアダムスキーの参加で(彼はレイヴ時代にチャートを賑わせたポップスターで、落ちぶれてからマーク・スチュワートのバックとして来日もしている)、1曲、テクノまでやっている。

 ニュー・エイジ・ステッパーズは最初のアルバムこそダブの実験を――レゲエ純粋主義者が苛つくほど――試みているが、それ以降のセカンドとサードに関して言えばルーツ・レゲエのカヴァー集となっている。当時は僕のように、ジュニア・バイルス、ビム・シャーマン、ホレス・アンディなどといった名前を、それらの作品を介して知ったリスナーは少なくない。
 とはいえ、『ラヴ・フォーエヴァー』は、ファースト・アルバムに立ち返ったような作品である。復帰後のソロ・アルバム『ドレッド・モア・ダン・ドレッド』(2005)、ザ・スリッツの『トラップド・アニマル』(2009)、オーストラリアのダブ・バンド、ダブブレスタンダートとの『リターン・フロム・ダブ・プラネット』(2009)、ヴィック・ルジェーロとの『レア・シングルズ』(2011)などなど、この5年のいずれの作品よりも『ラヴ・フォーエヴァー』には予定調和を揺るがすところがある。新しいことをやってやろうという前向きさがあるし、ポール・クックの娘(復活後のザ・スリッツのメンバーでもあった)のソロ・アルバムが伝統的なレゲエを守っている作品だったのに対して、こちらはレゲエを拡張する作品である。シャーウッドもここぞとばかりにフリーキーなミキシングを楽しんでいる。結局死ぬまでキングストンのサウドシステム文化を深く愛したアリ・アップだが、しかしその音楽がレゲエの型(コピー)に終始することはなかったのである。

 ちなみに"ラヴ・フォーエヴァー"は、ルーツ・シンガーの故ビム・シャーマンの1970年代の曲。ニュー・エイジ・ステッパーズは他にも数曲シャーマンのカヴァーをしているが、この曲はファースト・アルバムのB面の3曲目に収録されている。そのときドラムを叩いたのはブルース・スミス(ポップ・グループ/ザ・スリッツ~リップ・リグ&パニック、PIL、そしてビョークの最初のソロ)、ベースがジョージ・オバン(アズワドほか)、ピアノがスティーヴ・バレスフォード(ザ・49アメリカンズ~フライング・リザーズほか)。その演奏は1980年10月に録音されている。

Chart by Newtone Records 2012.01.24 - ele-king

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1

CHRIS WATSON

CHRIS WATSON El Tren Fantasma-The Signal Man's Mix- TOUCH (UK) / 2012/01/18 »COMMENT GET MUSIC
リズムやビートこそ無いものの、イマジナリー広がる、まるでTRANS EUROPE EXPRESS的な魅惑の鉄道音フィールドレコーディング12インチ・アナログ盤。クリス・ワトソン爺によるメキシコが舞台のロードムーヴィー的ロマンも広がる幽霊鉄道列車サウンドスケープ。元キャバレー・ボルテール、元ハフラー・トリオ、BBCの音響技師であり、フィールドレコーディング作家の第一人者である信頼のクリス・ワトソンの2011年のソロ新作「El Tren Fantasma」からのまさかの12inchアナログ盤がカット。相変わらずのテーマ&セッティングの妙。さすがです。太平洋から大西洋、海岸から海岸へとゴースト・トレインでの国を横断。歴史を感じながらの音の旅。今作もサラウンドな高感度マイクによるダイナミックで繊細で立体的な音像もスバラシスギル。ミュージック・コンクレートの創始者ピエース・シェフェールにインスパイアされて制作された作品というのも納得の圧倒的な迫力の芸術的環境音。Andrew Weatherall絶賛も納得。ソウルまでも感じさせてくれる鉄道音。Ride the rhythm of the rails on board.

2

CHRIS WATSON

CHRIS WATSON El Tren Fantasma TOUCH (UK) / 2012/01/18 »COMMENT GET MUSIC
これはCD。世界の車窓から。クリス・ワトソン爺によるメキシコLos MochisからVeracruzへとわたる幽霊鉄道列車の旅。ロード・ムーヴィー的ロマンを馳せるサウンドスケープ。フィールドレコーディングの逸品。元キャバレー・ボルテール、元ハフラー・トリオ、BBCの音響技師であり、フィールドレコーディング作家の第一人者である信頼のクリス・ワトソンの2011年のソロ新作です。相変わらずのテーマ&セッティングの妙。さすがです。太平洋から大西洋、海岸から海岸へとゴースト・トレインでの国を横断。歴史を感じながらの音の旅。今作もサラウンドな高感度マイクによるダイナミックで繊細で立体的な音像もスバラシスギル。ミュージック・コンクレートの創始者ピエース・シェフェールにインスパイアされて制作された作品というのも納得の芸術的環境音。10トラック65分。Andrew Weatherallも絶賛も納得。ソウルまでも感じさせてくれる。Ride the rhythm of the rails on board.

3

MARK McGUIRE

MARK McGUIRE Solo Acoustic Volume Two VIN DU SELECT QUALITITE (US) / 2012/01/18 »COMMENT GET MUSIC
2009年にアナログのみ少数のリリースだったMARK McGUIREの、オハイオの自宅で録音されたアコースティックなソロ・ギター・バラードな作品集「VDSQ-Solo Acoustic Vol.2」が待望のリプレス。全5トラック。草原を駆け抜けるかのようなフォーキーで爽やかな作品から、ECM的な静謐な世界観から、さらには瞑想的でもある郷愁のアコースティックなギターの味わいをじっくりとお楽しみできます。特に12分間のアコースティック版E2-E4的な「Burning Leaves」のナチュラルなトリップ感覚にはおもわずとけそうになってしまいますのでご注意をくださいませ。

4

ONEOHTRIX POINT NEVER

ONEOHTRIX POINT NEVER Replica SOFTWARE (US) / 2012/01/18 »COMMENT GET MUSIC
傑作。新しい音楽が登場しました。またまた進化したOneohtrix Point Never新作。重量感溢れるホワイト・ヴァイナルのアナログ盤。 Daniel LopatinことOneohtrix Point Neverの新作。ドローン、ミニマルなどエクスペリメンタルでエレクトロニクス・ミュージックながらクラブ・ミュージックを通過したドラマチックかつストーリーテリングな圧倒的センスで光り輝いている。エレクトロニクスとサンプリングのうっとりする音楽が奏でられている。今年の重要作のひとつであり、新時代のメディテーション・ニューエイジのひとつ。そしてサイケデリック。自身のSoftwareからのリリース。アナログ盤は高音質の重量盤で、1000枚限定ナンバリング入り。ホワイト・ヴァイナル。MP3データ・ダウンロードコード・カード付き。

5

HARMONIOUS THELONIOUS

HARMONIOUS THELONIOUS Drums Of Steel EP ASAFA (GER) / 2012/01/18 »COMMENT GET MUSIC
クリック・ハウス以降のシーンで活躍したANTONELLI ELECTRやRHYTHM MAKER名義で知られるSTEFAN SCHWANDERのプロジェクト HARMONIOUS THELONIOUSの新作。アフリカのリズムとライヒらのミニマル・ミュージックに影響を受けているそうで、アフリカの民族楽器の音色を使っただけのアフリカ風のテクノではなく、打ち込みながらポリリズムを取り込んでいて不思議なリズム感覚。

6

SATWA

SATWA Lula E Lailson MR BONGO (UK) / 2012/01/16 »COMMENT GET MUSIC
南米サイケの秘宝!弦楽器が描く、ブラジル70sのカルトな名盤がアナログでリマスター再発。先立って再発されているLULA CORTES & ZE RAMALHO「Perbiru」, MARCONI MOTAROのアルバムと並ぶLULA CORTES関連重要作。LULA CORTESによるシタール、 12弦ギターの Lailsonの二人による夢のような音世界。サイケデリックな桃源郷!

7

MARSHALL MCLUHAN

MARSHALL MCLUHAN The Medium Is The Massage FIVE DAY WEEKEND (US) / 2012/1/6 »COMMENT GET MUSIC
マクラーハンの名著「メディアはメッセージである」を、マクラーハン自身が朗読、JOHN SIMONが音楽を担当しテープ・コラージュ、SOUND FXを駆使して作り上げた、ポップ・カルチャーにおける実験エディット・ミュージックの金字塔として愛され続けてきた名作!EDANやMR.CHOPをリリースしてきたFIVE DAY WEEKENDから再発。実験音楽フィールドで行われていたテープ編集の手法を導入しステレオフォニック・サウンドのトリック、サイケデリックな効果を実験したサウンドは今聴いてもめちゃフレッシュ!DJ SPOOKY(PAUL D. MILLER)とMICHAEL VASQUEZが主要ライナーノーツを手掛け、DJ FOOD,ジェロ・ビアフラ, STEINSKI、MC5の初代マネージャーにして詩人JOHN SINCLAIR、ウッディ・アレン,MATMOS等々が今回の再発にあたってコメントを寄せています。

8

PEAKING LIGHTS

PEAKING LIGHTS Remixes WEIRD WORLD (UK) / 2011/12/21 »COMMENT GET MUSIC
Newtoneでもいまだロングセラーを続けるPEAKING LIGHTS「936」からのリミックス12inchついに入荷しました!収録されている4曲全てがアルバムに収録されている楽曲のリミックスで、オリジナルの持つロウファイダブサウンドをそれぞれに解体&構築!全然古臭くなっていないADRIAN SHERWOODに、シンセディスコとチープなリズムマシンがクールなDAM-FUNK!そして白眉はなななんとクラウドラップ台頭MAIN ATTRAKTIONZリミックス!一瞬参加に目を疑うまさかまさかのトビ!ブチアガってる我々を見て「ヨーヨー、こっちに来て一緒にKUSHどうだ?」な最新アンダーグラウンドコネクションに痺れざるを得ません。この事実は相当素敵だ。

9

JUJU & JORDASH / MORPHOSIS

JUJU & JORDASH / MORPHOSIS Dekmantel Anniversary Series: Part 1 DEKMANTEL (HOL) / 2012/1/18 »COMMENT GET MUSIC
アムステルダムのクラブParadisoで行われているテクノ~アンダーグラウンド・ハウス、エレクトリック・ミュージックの重要パーティーDekmantel主宰のレーベル5周年記念のコンピレーションのシングルカット第1弾。SIDE-Aはレーベルの主要アーチスト、JUJU & JORDASH。B-SIDEはMORPHOSIS。両者ともに中東出身。JUJU & JORDASHの「Afircan Flower (Cosmic Dub)」は、コズミックなトーンのヴィブラフォンやシンセが織り成す美しい世界。極上です。MORPHOSISのオルガンの音色の鍵盤をフィーチャーしたストイックなテクノも注目。

10

DESTO, CLOUDS & JIMI TENOR feat.CHA CHA

DESTO, CLOUDS & JIMI TENOR feat.CHA CHA The Bird ・Eightfold Path 502 (UK) / 2012/01/18 »COMMENT GET MUSIC
さすがJIMI TENOR。チーム参戦での新作登場です。テーマは中国。オリエンタルでエキゾチック&ミステリアス。北欧フィンランドと中国が繋がる秀逸で変態なミステリアスなエキゾチック・ソウルSIDE-A「The Bird」そして上海で録音されたという中国伝統楽器が摩訶不思議に妖しく淫美に導入された、DUBSTEP、BASS以降の新感覚のDEEP HOUSEであるSIDE-B「Eightfold Path」が切れ味鋭くシャープなリズムと圧倒的なオリエンタルな存在感で迫り絡みます。さすが。。。RwinaやRampからのリリースで知られるDESTOと、そしてDeep MediでおなじみCLOUDSとのトリオでのチーム参戦とはいえ、これは強力です。

Chart by STRADA RECORDS 2012.01.24 - ele-king

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1

DAVID GRAY/TRACY CHAPMAN

DAVID GRAY/TRACY CHAPMAN THE OTHER SIDE/CROSSROADS-NK RMX WHITE(JPN) »COMMENT GET MUSIC
【今回も限定プレス!】Dazzle Drumsによるリミックス・シリーズ待望の第2弾が入荷!UKの人気シンガー・ソングライターDavid Grayの大ヒット曲「The Other Side」と世界的フォーク・シンガーTracy Chapman「Crossroads」を見事ハウス・リミックス!どちらも極上なヴォーカルを最大限に生かしたパーカッシヴ&グルーヴィーな仕上がり!既にBody&SOULにてJoe ClaussellやDanny Krivitもプレイ!

2

MENA KEYZ & MARLON D

MENA KEYZ & MARLON D SPARKS EP MK(US) »COMMENT GET MUSIC
MENA KEYS主宰の新レーベル第1弾!A1のジャジーな極上インスト・ハウスを筆頭に、ラテンやアフロ・キューバン等の様々な作品を収録!あらゆるシチュエーションで活躍する1枚で全曲オススメです!

3

JERK HOUSE CONNECTION

JERK HOUSE CONNECTION VELVET TOUCH(feat.NILES THOMAS) STALWART (FR) »COMMENT GET MUSIC
過去にDefectedレーベル等でも仕事をしている3人組ユニットJerk House Connectionによる男性ヴォーカルもの!リミキサーにはナントMaster Kev & Tony LoretoコンビやRoccoらが参加!グルーヴィーに仕上げたMaster Kev & Tony Loreto、クールな質感が気持ち良いRocco、さらにディープなオリジナルもイイ!LOUIEVEGAやOSUNLADEがプレイ!

4

MIGUEL MIGS

MIGUEL MIGS CLOSE YOUR EYES-OSUNLADE REMIX OM (US) »COMMENT GET MUSIC
MusicやNRK等からのリリースでお馴染みのMIGUEL MIGSによる女性ヴォーカルもの!オススメはOSUNLADEによるリミックスで、心地良いパーカッションに柔らかなシンセの上モノ、それに囁くようなヴォーカル(ナントMeshell Ndegeocello!)が加わり最高なディープ・ハウス・チューンとなっています!

5

VA(JOE CLAUSSELL)

VA(JOE CLAUSSELL) UNOFFICIAL EDITS AND OVERDUBS KICK STARTER CD SAMPLER(CD-R) SACRED RHYTHM MUSIC (US) »COMMENT GET MUSIC
2CDでリリース予定なのですが、それに先駆けて収録内容が異なるリミテッド・プロモCD-Rが入荷!

6

ARNOLD JARVIS

ARNOLD JARVIS DANCE-TIMMY REGISFORD & ADAM RIOS MIX TRIPPIN(UK) »COMMENT GET MUSIC
数々の作品にその歌声を残しているベテラン男性ヴォーカリストARNOLD JARVISによる3曲入りEP!3曲ともプロデュースを手掛けたのはTIMMY REGISFORD & ADAM RIOSコンビ(何気にARNOLDとTIMMYの組み合わせは初?)!マッシヴなSHELTER系ハウス・トラックにソウルフルなヴォーカルが渋い1枚です!

7

BUCIE

BUCIE GET OVER IT FOLIAGE(FR) »COMMENT GET MUSIC
Black Coffeeの大ヒット曲「Superman」でヴォーカルを務めていたBucieのソロ作が人気レーベルFolliageから登場!リミキサーにはEzelが参加しており、メロディアスで洗練されたトラックにあの可憐な歌声が乗った極上な仕上がりとなっています!

8

GOMMA ALL STARS

GOMMA ALL STARS CASABLANCA REWORKS(feat.PEACHES) GOMMA(GER) »COMMENT GET MUSIC
7、80年代に数多くの大ヒット作を生み出した名門レーベルCasablancaの名曲をカバーした注目作品登場!映画「フラッシュダンス」に使われたことでもお馴染みの80's大ヒット曲Michael Sembello「Maniac」を筆頭に、Donna Summer「Our Love」、Stephanie Mills「You Can't Run From My Love」、Skatt Bros.「Walk The Night」というセレクト!今っぽいNu Disco的サウンドでバンバンプレイできる仕上がりです!特に「Maniac」はウケるでしょう!

9

ALEX AGORE

ALEX AGORE I GOT SOMETHING EP DEVELOPMENT MUSIC(UK) »COMMENT GET MUSIC
Quintessentialsや4 Luxといったレーベルからコンスタントに作品をリリースしているAlex Agoreによる4曲入りEP!90'sハウス・ブームの立役者でもある彼による極めつけの1枚で、全曲即戦力!というかどれを使うか迷う程の仕上がり!グルーヴィーでバウンシーなベースに踊らされる好盤です!

10

CABIN FEVER

CABIN FEVER TRAX VOL.20 REKIDS (UK) »COMMENT GET MUSIC
Radio Slaveによる変名プロジェクトCabin Feverのシリーズ第20弾!Herbie Hancockによる名クラシック「Stars In Your Eyes」ネタのA面、Herbie Hancockの「You Bet Your Love」を使用したB面ともイイ感じのハウスに仕上がっています!

Chart by JET SET 2012.01.23 - ele-king

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1

POP & EYE

POP & EYE TOIL FOR OLIVE OYL EP »COMMENT GET MUSIC
Tiger & Woods作品で御馴染みの人気ミステリアス・レーベル"Editainment"から待望の新作第8弾が到着。過去作品同様に出音抜群のフロアライクな仕上がりで、ディープハウス~ディスコ・ブギー・ナンバーを4楽曲展開したマストチェック盤です!!

2

BUCIE

BUCIE GET OVER IT »COMMENT GET MUSIC
Blackcoffeeをはじめ、ディープハウス作品への客演で知られるサウス・アフリカ出身のヴォーカリストBucie Nqwilisoによる待望のソロ新作。

3

BEAT PHARMACY

BEAT PHARMACY INSIDE JOB EP »COMMENT GET MUSIC
ダブ・テック重鎮Brendon Moeller a.k.a. Beat Pharmacyによる新作EPがNYアンダーグラウンド・ハウス・レーベル"Throne Of Blood"からリリース!!

4

TODD TERJE / SON OF SAM

TODD TERJE / SON OF SAM DIGITAL DUBPLATES »COMMENT GET MUSIC
Todd Terje「Snooze 4 Love」、Son Of Sam「Nature Makes A Mistake」。昨年"Running Back"からリリースされた人気2タイトルのニュー・テイクを10"リリース!!

5

V.A.

V.A. LEE 'SCRATCH' PERRY PRESENTS NU SOUND & VERSION »COMMENT GET MUSIC
Adrian Sherwood、Dennis Bovel、Bullion、Roots Manuva、Kode 9など、錚々たる面子が参加したLee Perryのリミックス・アルバム!!

6

GONJASUFI

GONJASUFI MU.ZZ.LE »COMMENT GET MUSIC
Flying LotusやGaslamp Killerから援護を受ける形でリリースされた1stが衝撃的でしたが、今回はボーカルを控えめに、更に音像の広がりを追求した驚異の全10曲! ゲートホールド・スリーブ仕様。

7

HINT

HINT CRASH & BURN FEAT NATALIE STORM »COMMENT GET MUSIC
UKブレイクビーツ名門Tru Troughtsの看板クリエイターHintがやってくれました~。両サイドともにフィメール・ディージェイ/MCを迎えた強力盤です!!

8

WOUTER HAMEL

WOUTER HAMEL LOHENGRIN »COMMENT GET MUSIC
ヒット作"Nobody'S Tune"以来、約3年ぶりとなるサード・アルバム。ブルー・アイド・ソウル~フォーキー・グルーヴ~70's・ロックと洒脱で心地よい肌触りの大傑作!!

9

KING KRULE

KING KRULE S.T. »COMMENT GET MUSIC
xxとGirlsとPrefab Sproutが奇跡の出会いを果たした、と断言したい若き天才King Kruleの超号泣傑作盤!!2012年はここから始まります。

10

ROBERTO BOSCO

ROBERTO BOSCO FIGURE SPC L »COMMENT GET MUSIC
Len Faki率いる"Fugure"のリミテッド・ラインからイタリアの気鋭、Roberto Bascoが再び登場!!

ERA(DipAura / 1968 / meki-higon.com) - ele-king


もう何年も飽きることなく、聴き出すと全曲聴いてしまうアルバム・チャート 2012/01/16


1
Gilberto Gil & Caetano Veloso - Tropica´lia 2 - Universal
おそらく人生でいちばん聴いているアルバム。とにかく全曲歌えるくらい(無理だけど)聴いているので、我が家のシステムに手を加えたときの試聴盤としても活躍してる。

2
Henry Kaiser - Eternity Blue - Shanachie
奇人ヘンリー・カイザーが溢れる愛でデッドをカヴァー。トム・コンスタンチンも参加していて、かなりクレイジーな展開をするのについリピート聴きしてしまう...

3
Wunder - Wunder - karaoke Kalk
ぼーっとアフターしてるときに聴いてなくても脳内で鳴っているレベル。一時期、これとMice Paradeがヘビロテだったなぁ。

4
Bob Dylan - No Direction Home: The Soundtrack (The Bootleg Series, Vol. 7) - Columbia/ Legacy
高速道路専門ドライバーの私は、いつもこれでボブ・ディラン運転。たいてい同乗者は全員寝ている...

5
V.A. - Folk, Jazz & Poetry - IRMA
コンピを入れるのは反則だけど、これは選曲も流れもジャケも素晴らしく、一枚のアルバムといっていい。セルメンから4 Hero、Rotary Connectionにマイケルまで!

6
Muleskinner - A Potpourri of Bluegrass Jam - Dbk Works
超絶ブルーグラス、Muleskinnerの一枚きりのスタジオ盤。一瞬が永遠に輝くという証明。

7
The Golden Palominos - Pure - Restless Records
エロい。それに尽きる。なぜかブーチーがギターで参加してる。

8
Moby Grape - Wow - SONY BMG
LSD。それに尽きる。

9
Lewis Furey - Lewis Furey - A&M
淫靡。それに尽きる。二十歳そこそこで初めて聴いて以来、これには取り憑かれているので、我が家にはアナログ2枚、CD2枚あったりする。アホか。

10
ダブマロニクス - Melts Slowly - CIL
これとDub Squadの1st「dub in ambient」は、日本のアンビエント・アルバム最高峰だと思うのです。タイトル通りのとろけ具合。

Chart by Underground Gallery 2012.01.19 - ele-king

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1

TODD TERJE

TODD TERJE It's The Arps (Smalltown Supersound /12inch) »COMMENT GET MUSIC
IDJUT BOYS、INDSTROMらのリリースで御馴染み [Smalltown Supersound]は、北欧の若き天才 TODD TERJE。全4トラック入りのEP形式での1枚となった今作、その中でも特にオススメしたいのが、WEATHER REPORTの78年リリース作「Black Market」のシンセメロをサンプリングした、可愛らしい音色が◎な、極上バレアリックチューン「Inspector Norse」!中盤から後半に向けての展開も素敵すぎて、"昇天" 間違いなし!さらにカップリングには、テルミンの音色を響かせ、ノスタルジックにトリップさせる、コズミック・スローモー・ディスコのA2「Myggsommer」、70年代のクラウトロックやプログレロック作品を彷彿と させるB1「Swing Star」、そのB1のトラックをよりコズミック・ディスコ感 を倍増させ、シネマティックに展開させたB2「Part.2」と、どれもこれもホント最高です!

2

V.A

V.A Dekmantel Anniversary Series: Part 1 (Dekmantel / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
VAKULAやTERRENCE PARKER、SAN PROPERなどの実力者達がリリースしてきたオラン ダ[Dekmante]レーベル、設立5周年を記念したコンピレーション12インチが登場。 当レーベルの顔として、また、[Golf Channel]や[Philpot]など、名だたる名門からリ リースしてきた、イスラエルの実力派デュオJUJU & JORDASHと、[Delsin]や[M>O>S]な どからのリリースで知られ、[Mrphine]レーベルを主催するアムスのMORPHOSISの2アー ティストの楽曲を収録。コズミック・スローモーな4/4グルーヴに、こぼれ落ちるよう に煌びやかな、美しすぎるピアノ・フレーズや、メランコリックなマリンバ演奏など を、大胆に使用したJUJU & JORDASHのトラックが、本当に素晴らしいです!!個人的に、 彼らの最高傑作と断言したい!Terry Riley辺りを彷彿とさせる、怪し気なオルガン・ リフがミニマルに響く、ディープ・テックのMORPHOSISのトラックもかなりカッコイイ です!これは本当にオススメです!

3

HELIUM ROBOTS

HELIUM ROBOTS Jarza Ep (Running Back / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
独の名門[Running Back]新作は、何とTHEO PARRISHによるリミックス! UKのレーベル[Dissident]から、2008年に超限定作品を2枚リリースし、コアな一部のハウス / ディスコ・ファンから、注目を集めたHELIUM ROBOTSの新作を、このところ絶好調で仕事しまくりの、THEO PARRISHが、2ヴァージョンのリミックスを披露した話題作! 初期の[Sound Signature]時代の作品を思わせる、LO-FIなアシッド・ハウス・スタイルへ再構築した「Translation 1」、マッドにうねるドープ・シンセベースが不吉なグルーヴを作り出した 「Translation2」の2ミックスを収録!

4

COSMIC METAL MOTHER

COSMIC METAL MOTHER Italian Cowboys (Internasjonal Spesial / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
自らが主宰する人気レーベル[Panacustica]からの作品同様に、スローモーなダウンビート・ディスコのオリジナルA1、PRINS THOMASによるバレアリック・ディスコ・リミックスのA2、と、コレだけで十分にオススメできる1枚なのですが、もっとオススメしたいのは、[Rong Music]の LEE DOUGLASと [ESP Institute]の LOVEFINGERSによるプロジェクト THE STALLIONによる「フロアーキラー」な激ヤバ・リミックスのB面! 現場を意識したパワフルな音鳴りが素晴らしいです。ディスコ・ファンに方、コレだけは確実に押さえておいて下さい!

5

TODD TERJE

TODD TERJE SON OF SAM / Digital Dubplates (Running Back / 10inch) »COMMENT GET MUSIC
TODD TERJEの昨年夏最大のヒット作「Ragysh」 のカップリングとして収録され、TIM SWENNYの"Beats In Space"年間チャートにもランクインしていた「Snooze 4 Love」を、メランコリックでドリーミーなアンビエンス・ リミックス。トロけそうな程に気持ちがいい、極上のメロディー、ホント最高ですね。B面には、昨年初めに、AMEリミックスを収録しリマスター再発された、CHRIS BISHOP率いる UKの 80'sエレクトロバンド SON OF SAMの84年作「Nature's Made A Mistake」のダブミックスを収録。どちらも最高ですね。是非、お見逃しな く!

6

THE MOLE

THE MOLE Dog River (New Kanada / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
ビートダウンとミニマル・ハウスをミクスチャーしたオリジナルな個性派サウンドで世界中のマニアを虜にしているカナダの天才COLIN DE LA PLANTE aka THE MOLEの新作12インチが[New Kanada]から! THE MOLEらしい、もっさりしたロウ・グルーヴで展開していくA面「Dog River」、ピプノティックなブリープ・シンセをリフレインさせた、彼にしては、かなりテッキーな仕上がりとなったB面「Gameface」の2トラックを収録。

7

MINILOGUE

MINILOGUE Let Life Dance Thru You (Traum / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
昨年は、各自のソロ活動が活発だったMINILOGUEが、独[Traum]から久々の新作12インチをリリース!初期、MINILOGUEのメロウでプログレッシブなサウンドを、ディープに成熟させたかのような、トリップ感満載のメロウ・ドリーミー・テクノのA面は、展開と共に様々な仕掛けがあって、最後まで飽きさせないロングトリップ約束する、11分にも及ぶ長編トラック。DONAT DOZZY辺りにも通じるような地上スレスレの高度感と、気を抜くと持っていかれそうになる、危うい緊迫感を感じるディープ・テクノのB面も、何と15分を遥かに超えるロング・トラック。やはり二人揃った時の破壊力と説得力は流石ですね!

8

FRANK BOOKER

FRANK BOOKER Hope (Fine Art / 10inch) »COMMENT GET MUSIC
現在、RECLOOSEの盟友として共に活動している事でも知られる、FRANCK BOOKERが、HENRIK SCHWARZらのリミックス作品などを残してきた、オランダの人気レーベル[Fine Art]より新作をリリース。 ちょっと篭った感じのある土着的なパーカッシブ・リズムに、ジャズファンク的な鍵盤や、スペーシーなエフェクト/エコーなどを鳴らした、どこかビートダウン的雰囲気も感じる事が出来るブギー・ディスコのA面「Hope」が、とにかく一押し!さらにカップリングには、アトモスフェリックな空気感のシンセ、サンプル類を散りばめた、ディープハウスチューン「No Delay」を収録。

9

EDGAR WINTER

EDGAR WINTER Above And Beyond (Blue Sky Records / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
DJ HARVEY~DAVID MANCUSOのLoft Classicsとしても御馴染み、79年リリースのアルバム「Edgar Winter Album」からの 12"カット作「Above & Beyond」が、いまだ4000~5000円近くで出回るオリジナル[Blue Sky]仕様にて嬉しすぎる再発!!天才 TOM MOULTONがProd.で参加する今作、Side-Aにはヴォーカルヴァージョンも収録されているのですが、当然オススメは開放感溢れるサウンドが◎な気持ち良すぎる Side-Bインストヴァージョン。Fusion or Jazz Funk系ディスコのド定番なこの1枚、持っていなかった方は絶対にこの機会をお見逃しなく!

10

JACQUES RENAULT

JACQUES RENAULT Let's Get Lost 11 (Let'S Get Lost / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
故ARMANDOによるアシッドハウス古典「World Unknown」のリエディット! KZA氏(FORCE OF NATURE) & [Mule Musiq]共同運営の人気リエディットレーベル[Let's Get Lost]新作は、RUNAWAYで御馴染み、N.Yのアーティスト、JACQUES RENAULT手掛ける1枚。 今回は、シカゴ・ハウスや90'sアーリーハウスをピックアップした全3曲なのですが、特にオススメなのは、A1に収録された、オリジナルは1988年に[Warehouse]からリリースされ、1992年に[Djax-Up]からライセンス再発リミックスされた、故ARMANDOによるアシッドハウス古典「World Unknown」のリエディット!ず太いTR-909によるズンドコ・グルーヴに、軽快かつマッドにリフレインするTB-303のフレーズで、グイグイ持っていく、メチャクチャカッコイイ、アシッド・チューン!このトラックだけの為に、買っても損なし!

Tomoki A Heart - ele-king

 半世紀も昔を舞台にした映画を見ていると、家族という単位以上にその地域の共同体が優位であったことがわかる。アメリカ映画ではとくに顕著だ。たとえばバーに入る。客はみんな顔なじみ。注文して、カウンターに腰掛けると、「ところで、おまえんところの小僧は......」とか、「そういえば、おまえんところの女房は......」とか、へたしたら「おまえんところの犬は......」とか、他人は遠慮なくプライヴァシーに入ってくる、家のなかに共同体は容赦なく介入する。そうした土足で上がってくる共同体を家からキレイに排除したあげくに生まれた家族、孤絶化した核家族の集合体のメタファーとしてのファミリーレストランというもの(トポス)を指摘したのは越智道雄だった。
 ファミレスには多くの幸福な家族がいる。しかもそれら家族同士はものの見事に隔絶されている。となりのじいさんやばあさんの皮肉のひとつも届きそうにない、それぞれのプライヴァシーを保持する幸福そうな家族の集合体......わずか数センチのところにいながら彼らは顔を合わせることもない。この奇妙にして不自然な光景......コミュニティの崩壊はなにも自由経済だけの責任ではない。人は明らかにそれを望み、そして叶えたのだ。
 ところが近年、ニュースが伝えるには、里山や団地に住みたがる若者が増えているという。セーフティ・ネットを意識しているのかどうかは知らないが、彼らが核家族を超えたコミュニティ、昔ながらの近所の会話を求めていることは事実だろう。ますます階層化され、整備されていく社会にある種の危機感を感じているのかもしれない。越智道雄は核家族内部において共同体性を求める存在を"内なるアウトサイダー"という言葉で表現したが、クラブ・カルチャー/レイヴ・カルチャーにおける理想のひとつこそまさに"内なるアウトサイダー"の出会いにあると言える。

 塚本朋樹による『Innervoice』は個人のベッドルームというよりも、長野市のシーンから生まれたCDである。スタイルの基本にあるのはミニマル・テクノだが、ずいぶんとドリーミーで、そしてフレンドリーだ。個人的空想よりも人が集まることを歓迎している音楽のように思える。そして『Innervoice』は、人びとが集まっている場所から生まれたことを強味にしている。
 実際、塚本朋樹は2000年から地元長野で〈色〉というパーティをはじめている。しばらくしてそこは長野に住んでいる音楽好きの交流の場(トポス)になった。やがてスケーターやスノーボーダーなど音楽以外の"内なるアウトサイダー"も集まってきた。「みんなひとつになって協力し合ってシーンを作り上げていた感じでした」と、彼は長野のシーンのこの10年をこのように簡潔に話す。「それは90年代の東京を彷彿とさせるものでした」
 塚本朋樹は90年代後半の東京のクラブ・カルチャーに現れた彗星だった。アイルランドやドイツをツアーでまわりながら、彼は東京の地下のもっとも深いところを掘ろうとしていた。彼が関わっていた〈MetroJuice〉や〈Sound Channel〉は、その当時の東京のもっとも先鋭的でアンダーグラウンドなレーベルとして記憶されている。徹底的にストイックだったし、媚びることを嫌い、とがっていた。ゆえに『Innervoice』から聴こえる大らかさが僕にはものすごい驚きである。
 そしてこの変化について、彼は次のように話してくれた。「昔のストイックな曲は、東京に住み、ヨーロッパを行き来して、どこにいっても音楽仲間に囲まれて、音楽一直線というように、つねに音にだけ向き合っていればいい環境だからこそ出てきた音だったと思います。当時は、ヤバい曲を作ってとっとと死ねばいいやと思っていました。長野に帰って来てからは、家族や地元の友だちとか、音楽以外にも向き合わなければならないことがたくさんありました。そんななかで、音だけでなく、人生そのものをもっと楽しみながら音楽をやっていこうと変わっていったのだと思います。まず、エンジョイ・ライフが先だということです」

 『Innervoice』にはヴォーカリストとしてKaori(トーマス・シューマッハ、スティーブ・バグとのコラボレーションで知られる)、そしてOkika(ex.bossarica)のふたりが参加している。アルバムにはアップリフティングなダンス・トラックもあればアンビエント・テイストの美しいトラック、心地よい響きのダウンテンポなど、いろいろある。パッケージを広げると青空が広がっているが、それは作者の気持ちを表しているようだ。『Innervoice』は、とにかく清々しい。
 塚本朋樹によれば、長野は美しい自然に囲まれたスペシャルな場所だという。ここ数年、彼は地元で、野外の音楽コンサートなど企画しながら精力的に活動している。また、『Innervoice』のリリースを機に、〈Naganois〉レーベルでは今後もいろんな作品を発表する予定だとか。興味がある方、CDを買いたい方はこちらからどうぞ(https://www.zeroniroku.net/records/cd_tape/innervoice.php)。よく見るとジャンル名が「TECHNO / NAGANO」と記されている。祝福されているのだろう。もっとも『Innervoice』には日本で作られたテクノの新作の1枚であること以上の兆しがある。これは本当に未来に向けた第一歩かもよ。

Chart by STRADA RECORDS 2012.01.17 - ele-king

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年末年始に来日したDerrick May。今回はDerrickが今までにプレイした曲を特集してみました。


1

ALEX Q

ALEX Q JULE EP MUSIK GEWINNT FREUNDE(GER) »COMMENT GET MUSIC
【Derrick Mayが年末のDommuneでプレイ!】同レーベルからの前作「Endlich Fruhling EP」が売れに売れたドイツのアーティストALEX Qによる注目盤!A面のサックスとピアノが響き渡る上質なディープ・ハウス・チューン「Jule」は前作のファンの期待を裏切らないバッチリな仕上がりです!

2

RENNIE FOSTER

RENNIE FOSTER FALLING SKYWARD RENNIE FOSTER(UK) »COMMENT GET MUSIC
【Derrick Mayプレイ!】Subject DetroitやMotechといったデトロイト系のレーベルからも作品をリリースするRennie Fosterが自分のレーベルから放った強力盤!KaitoことHiroshi Watanabeによるディープなリミックスが秀逸!ハウシーなトラックにギターのソロがフィーチャーされた心地良くもエモーショナルな仕上がりです!

3

A DRUMMER FROM DETROIT

A DRUMMER FROM DETROIT DRUMS #1 FIT SOUND(US) »COMMENT GET MUSIC
【Derrick Mayプレイ!】3 CHAIRS第4のメンバーMARCELLUS PITTMANによるファースト・リリースで幕を開けたデトロイトのテクノやハウスのディストリビューターを手がけるFITのセルフ・レーベルFIT SOUNDから謎のユニットによるレーベル第四弾が登場!フロア向けの強力なツール作品となっておりA面はドラム、コンガ主体のパーカッション・トラック、B面はシンセFXやサンプル・フレーズを用いた軽やかなビート・ダウン・トラックと、どちらも即戦力間違いなしの強力盤!

4

ETHYL & FLORI

ETHYL & FLORI SHELTER-ROLANDO REMIX SECRETSUNDAZE(UK) »COMMENT GET MUSIC
【Derrick Mayプレイ!】「Jaguar」の大ヒットで知られるDJ ROLANDOによるリミックスを収録!音数少な目のクールなディープ・ハウスのオリジナルをパーカッシヴで走ったデトロイト・スタイルのフロア・チューンに仕立てています!黒いサウンドがお好きな方もお見逃し無く!

5

TR(TIMMY REGISFORED&ADRS)

TR(TIMMY REGISFORED&ADRS) NAIVE TRACK RESTRICTED TRACKS/SHELTER (US) »COMMENT GET MUSIC
【Derrick Mayプレイ!】またまたTIMMY REGISFORDによるDJユースなトラックもの!パーカッション打ちまくりのいかにもSHELTERなビートにレイドバックした上モノが薄っすらと乗っています。B面にはビートのみのトラックをカップリング!

6

FIRST CHOICE

FIRST CHOICE DR.LOVE SALSOUL (US) »COMMENT GET MUSIC
【Derrick Mayが年末のDommuneでプレイ!】A面収録のFirst Choice/Dr. LoveはDERRICK MAYヘビープレイ、B面Ripple/The Beat Goes OnはCARL CRAIGとのユニットINCOGDOのリエディット作品Ventage (Institutional Mix)の元ネタとしても知られる傑作クラシックス!

7

CODE 718

CODE 718 EQUINOX-HENRIK SCHWARZ REMIXES STRICTLY RHYTHM(UK) »COMMENT GET MUSIC
【Derrick Mayプレイ!】DANNY TENAGLIAが手がけたLOFT CLASSICとしても知られる名曲のリミックス!2009年の曲ながらDERRICK MAYが最近再びヘビープレイし最注目を集める一枚!

8

CARL CRAIG

CARL CRAIG AT LES-CHRISTIAN SMITH REMIXES TRONIC(UK) »COMMENT GET MUSIC
【Derrick Mayプレイ!】93年デトロイト・テクノの伝説的コンピ[VIRTUAL SEX]に収録されその後もCARL CRAIGの最高傑作という声も名高い[AT LES]をCHRISTIAN SMITHがリメイク!オリジナルはJAZZっぽい生系のドラムでしたが、本作ではよりフロア映えする4つ打ちキックに変更されており使いやすさも格段にアップ!オリジナルの情感を損なうことなくアップ・デートされた傑作です!

9

VA

VA DISCONET VOLUME 10 DISCONET(UK) »COMMENT GET MUSIC
【Derrick Mayプレイ!】Derrick MayがTantra - Hills Of Kathmandu (Disconet Remix)をDommuneでプレイ!かつてDJやラジオ向けにスペシャル・リミックスを配給していたDISCONETのレアな音源をコンパイルした再発シリーズの第10弾!盛り上がる人気イタロ・ディスコTantra「Hills of Katmandu」を筆頭にGrace Jones、Yazooのスペシャル・エディットを収録!

10

DINOSAUR L

DINOSAUR L GO BANG#5 SLEEPING BAG (US) »COMMENT GET MUSIC
【Derrick Mayが年末のDommuneでプレイ!】PROD. BY ARTHUR RUSSELLでミックスがFRANCOIS Kの人気クラシック!ガラージ系のDJのみならずDERRICK MAYやGILLES PETERSONも来日時にプレイしていた大定番!

Chart by UNION 2012.01.09 - ele-king

Shop Chart


1

GLENN UNDERGROUND

GLENN UNDERGROUND Forgotten Art MUSIC 4 YOUR LEGS / JPN »COMMENT GET MUSIC
近年のセオ・パリッシュのプレイチャート、またデリック・メイの最新ミックスCDにトラックがピックアップされるなど常に現役であり続け、素晴らしい楽曲をシカゴから放つディープハウス界の重鎮グレン・アンダーグラウンド待望のNEWアルバム。前作『Legacy Of The know』かわずか1年、その前作の流れを踏襲しつつも本作ではフロアから少し距離を空け、リスニングアルバムとしての要素を強めた楽曲製の高い内容に。『Forgotten Art』というアルバムが示す通り、ジャズ~ジャズファンク、ディスコ、ブラジリアンといったクラシックスの素晴らしさをハウスというフォーマットで再提示するかのようにそれらの要素を巧みに取り入れ、GU節ともいえる黒いフュージョン色が圧倒的な完成度と共にリスナーを魅了する1枚。

2

SCOTT K. VS. STEVIE WONDER

SCOTT K. VS. STEVIE WONDER As (Box Edit) BOX MUSIC / UK »COMMENT GET MUSIC
DJ COLE MEDINAとのタッグで注目を浴びたJAMES BROWNやTHE O'JAYS"I Love Music"のエディットがFRANKIE KNUCKLESやDERRICK MAYのヘヴィープレイもありヒットしたSCOTT K.が、今盤ではSTEVIE WONDERの名曲"As"をエディット!!ブラックネス溢れるKDJマナーなハウストラックへと昇華したA-サイド、エフェクティヴにダビーに組たてたセミ・インストB-サイドもヤバい!!お早めに!

3

BRONX DOGS

BRONX DOGS Tribute To Jazzy Jay WHITE / JPN »COMMENT GET MUSIC
DJ HARVEYリミックス!!!! PERRY BOTKIN & BARRY"Riot"などのオオネタを引用したオールスクール感満載のファンキー・コラージュトラック"Tribute To Jazzy Jay"。最近ではENDLESS FLIGHT、AUTODISCOTEQUE等で活躍するRICHARD SENによるユニットBRONX DOGSの"Tribute To Jazzy Jay"をDJ HARVEYがリミックスしたクラシックを片面収録したホワイト盤!!

4

MARCEL DETTMANN

MARCEL DETTMANN Deluge 50 WEAPONS / GER »COMMENT GET MUSIC
DETTMANNの2011年最後のシングルはベルリン・テクノ・シーンの裏番・MODESELEKTOR主宰の50 WEAPONSから到着。 ヒプノティックなベースライン上をトビ系のウワモノが跳ね回る危険極まりないバッドトリップ・ミニマル"Deluge"と重量級のキックが容赦なく打ち込まれるインダストリアル・テクノ"Duel"共に鉄壁のフロアキラー、特にB-1"Duel"のバウンスして打ちまくる捩れキックのソリッドさ加減はその一音だけでもシビれてしまいます。

5

EQD

EQD Equalized 111 EQUALIZED / GER »COMMENT GET MUSIC
MARCEL DETTMANNと並ぶOSTGUT TON一派の代表格・SHEDの変名・EQDが放つ待望のファースト・アルバム。ベルリン・テクノを席巻するレーベル・OSTGUT TONから2枚のアルバムを発表、名実共にモダン・テクノの最高峰へと登り詰めたSHEDことRENE PAWLOWITZが、2007年より始動させた別プロジェクト・EQDのファースト・アルバムをドロップ!! 本作「EQUALIZED 111」は、これまでリリースされた12"x 5枚をコンパイルした全10曲の構成で、アナログ・ユーザー以外にはまさに待望と言える内容。徐々にビルドアップしていくヒプノティックなビートに震えるM-1、国内外のTOP DJがヘビー・プレイしたソリッド・ミニマルM-5等等、どこを取ってもキラー・チューンの嵐!MARCEL DETTMANNをはじめとするOSTGUT TON一派、SANDWELL DISTRICT、PETEER VAN HOESENなど現在進行形のテクノがストライクなリスナーはマストな最強盤。

6

LINKWOOD

LINKWOOD Secret Value SHEVCHENKO / UK »COMMENT GET MUSIC
FIRECRACKER傘下の要注目レーベルSHEVCHENKOの4番、VAKULAの3部作に続いてはLINKWOODの新作がリリース!ジワジワと空間を埋めていくシンセ・フレーズに鋭角なハット、Bassの抜き差しでテンションを変化させ展開されるA-1、有機的に変化するスペーシーなSEが重なりアンビエンスに上昇、ロング・ミックスに重宝しそうなA-2に、息をのむ美麗なシンセが舞う壮大なディープハウスB-1はぜひ野外で。再プレス無しの180gのクリアヴァイナル重量盤!

7

MILTON BRADLEY

MILTON BRADLEY Dark Of The Psychic Unknown DO NOT RESIST THE BEAT / GER »COMMENT GET MUSIC
MILTON BRADLEY主宰、ベルリン・アンダーグラウンド・シーンで熱い注目を集めるDO NOT RESIST THE BEATレーベルから最新第7弾の到着。このDO NOT RESIST THE BEATは勿論、PROLOGUEやZOOLOFT等からのリリースやPERCやCIO D'OR、ABSTRACT DIVISION等へのリミックス提供、更にMARCEL DETTMANNの最新ミックスCD「Conducted」やDJ NOBU「On」等にもその楽曲が収録されるなど、この数年で瞬く間に頭角を現したMILTON BRADLEY、本作でも音数少ないダビーなボトムをベースにジリジリとノイジーな音響系ウワモノが捩れる、一貫して凄まじくドープなアンダーグラウンド・サウンドを唸りを上げて鳴らしており、全く目が離せない好内容となっています。

8

HARMONIOUS THELONIOUS

HARMONIOUS THELONIOUS Drums Of Steel ASAFA / GER »COMMENT GET MUSIC
2011年最後の最後にHARMONIOUS THELONIOUS新作が到着!!A ROCKET IN DUB, ANTONELLI ELECTR., REPEAT ORCHESTRA etc..と幾多の名義を使い分けるSTEFAN SCHWANDERニュー・プロジェクトとして昨年リリースしたアルバム「Talking」及びそのシングル・カットで聞かせたミニマル + アフリカン・リズム・パターンで展開する激プリミティブ・サウンドが大反響となったHARMONIOUS THELONIOUS、来年早々にリリース予定のセカンド・アルバム「Listen」からのシングル・カットとなる待望の新作12"。 幻術的なエレクトロニック・サウンドとめくるめくリズムの洪水!

9

A.P.

A.P. Garden Therapy GHOST SOUNDS / SWE »COMMENT GET MUSIC
北欧スウェーデンからミニマル・ダブ/アンビエントの新潮流を巻き起こしているレーベル・GHOST SOUNDS主宰者・A.P.の新作が登場!!マニア心をくすぐる数々の限定盤をリリースし、本物を求めるリスナーから高い支持を得ているスウェーデンのレーベル・GHOST SOUNDS。本作は20分にも及びロング・トラックを片面1曲ずつ収めたA.P.渾身の作品! A面のオリジナルでは、彼にしては珍しくトライバルなリズムを導入しビートの立った躍動感溢れるトラックを披露、そしてB面には盟友ATHEUS(STYLAX/SILENT SEASON)による冷厳なドローン・シンセが空間全体を覆ういつものGHOST SOUNDS路線に近いアンビエント・リミックスを収録。

10

HAIR

HAIR Going Adore Alley MENTAL GROOVE / GER »COMMENT GET MUSIC
LTD 100!LUCIANOやMISS KITTINらをいち早くピックアップしたことで知られるMENTAL GROOVEとDISK UNIONのコラボレーション・シリーズが始動、本作はHOPEN名義やNATHAN JOHNSON(WAGON REPAIR)とのユニット・STARTING TEETHで活動するCHILDE GRANGIERの新たなプロジェクト・HAIRのファースト・アルバム。シネマティックな音像がアルバム全体のムードを決定付けている冒頭の佳曲"Where The Palms Grow"、都市の雑踏を拾ったかのようなフィールド・レコーディングスと物悲しいピアノ、散文的なヴォイス・サンプルが乾いた叙情を感じさせるM-3"Indian"等、ノイズとアンビエント、エレクトロニカが自由に混ざり合った非常に興味深い仕上がり。MENTAL GROOVEのオンラインショップとDISK UNIONのみでの販売となります。

Francis Bebey - ele-king

 年末ギリギリのリリース......というやつです。そういえば2011年は誰も別れ際に「よいお年を」と言いませんねー。空々しい感じがするんでしょうかねー。

 こんな人がいたとは全然知りませんでしたが、マヌ・ディバンゴの次世代にあたり、カメルーンからヨーロッパに渡ったアフリカ系ギタリストのコンピレイション盤。75年から88年にかけて20枚のアルバムを残し(2000年にも1枚プラス)、前半期にあたる82年までの音源から14曲が選ばれている(ジャケットはセカンド・アルバム『ラ・コンディシオン・マスクリーヌ』と同じ)。タイトル通り、エレクトロニクスが強調されている曲は前半とエンディングに近い数曲で、中盤はいわゆるアフリカン・ポップスとして耳に馴染みのあるパターンも少なくない。そのアレンジに関しても、いわゆるニューウェイヴがワールド・ミュージックを取り入れたパターンを想起させ、タイミング的にはファン・ボーイ・スリーやトーキング・ヘッズよりも早い時期に録音されていたことがわかる。ライナーによるとフランス語圏ではかなりのヒット・メイカーだったらしく、ある日、彼が学校から帰ると居間にオルガンが置かれていたことから、一直線に音楽人生を歩み始めたという。初めて聴いたオルガンの音をベベイは「ビザーレ」に感じたと語り、多重録音をメインに、「サヴァンナ・ジョージア」などでは、なるほどアメリカにモーグ・シンセサイザーの音がもたらされた時とほとんど同じ気分が表現されている。

「時間を超えた」というチープなキャッチそのままのコンピレイションは、彼のアルバムのなかでももっとも高値をつけている『ニュー・トラック』(82)のタイトル・トラックにはじまり、カリンバやシンセサイザーの区別もつかないまま、ドラム・マシーンにストリングスを被せた"ラ・コンディシオン・マスクリーヌ"やセニョール・ココナツのデモ・テープに聴こえてしまう"ウーマ・テ"など4曲続けて76年の曲を配置する。"フルアー・トロピカーレ"ではリズム・ボックスとアフリカン・チャントの組み合わせが完全に時間の感覚を狂わせる。79年以降のエントリーは機材の扱いに慣れてきたようで、「ビザーレ」感もかなり薄まり、同時期のZEレコーズと同質のキッチュなムードが醸し出されていく(この時期のものが中古市場では最も安い)。アーサー・ベイカーやトッド・テリーを思わせる"キャッチング・アップ"からファースト・アルバムへと曲は回帰し、後半はなんとも言いがたいモンド風の曲構成へと変わっていく。どれもプリ-ハウス的というか、マルカム・マクラーレンが『ダック・ロック」で取り入れていたムバカンガにも通じるところがあり、シカゴじゃなくてもハウス・ミュージックは(フォーマット的には)生まれる可能性はあったんだなーと思う反面、アメリカという国には新しい音楽をカタチにするパワーがあるんだろうなーということにも思い当たる。

 この時期の音楽をジャンルレスに浴びるほど聴いている人でなければ面白さは半減かもしれない。そうとは言い切れないけれど、そのような条件が満たされているリスナーにはスルメのような体験になることは請け合いのアルバムです。リミックス・アルバムがつくられることも期待したい感じ。

 アフリカと西洋音楽の出会いといえば、この数年、〈クラムド・ディスク〉がコノノNo.1やスタッフ・ベンダ・ビリリといったところを発掘し続けるコンゴにデーモン・アルバーンがダブステップのプロデューサーを大挙して引きつれていったDRCミュージック(エレキングVol.4参照)が話題性でも音楽性の高さでも2011年の筆頭といえる。が、しかし、同じダブステップ周辺でも、それより2年も前からベルリンのプロデューサーたちが同じようにしてケニアを訪れ、ナイロビのクラブ系ミュージシャンたちとつくりあげたBLNRB(ベルリンナイロビ)のことは広く知られていないし、僕もライナーノーツに記された交流の記録以外は何もわかっていない。まずはタイヒマン兄弟がナイロビにDJとして呼ばれ、これにロボット・コッチの母体であるジャクージとモードセレクターが加わってナイロビでレコーディングが続けられ、ある程度、完成を見たところで、今度はナイロビのミュージシャンたちがベルリンに訪れてコンサートを行ったという経過があっさりと書かれているのみである。できあがったものを比較すると、ダブステップの本家であるDRCミュージックにはオリジナリティの点ではやはり突出しているものがあると思うものの、BLNRBは同じ現地のミュージシャンでもクラブ系のミュージシャンたちとコラボレイトしているために、ポイントがもっとはっきりしているともいえる。モードセレクターのレーベルからシングル・カットされた"モンキーフリップ"のキャッチーさや、ドイツならではの重いリズムにナイロビのフローが拮抗しようとする"ンソト・ミリオンズ"などクラブ・ミュージックとしてのオリジナリティには事欠かないし、ネセサリー・ノイズ(必要な雑音)という女性ふたりのラップ・ユニットがジャクージやモードセレクターなど組む相手を変える度に違う味を出している辺りもお見事といえる。ちなみにネセサリー・ノイズはしばらく解散状態にあったものが、このプロジェクトを通してデュオとして復活し、同じくモードセレクターも(国内盤のライナーノーツでは何も触れられていないけれど)長い停滞から脱出するきっかけを掴んだことは想像に難くない。個人的にはジャクージがプロデュースした7曲のほうが好みではあるけれど(/ele-king/review/album/002085/)。

 ケニアといえば、現在はフラッシュ・ロブとして定着を見ているロンドン型の暴動が早くも2008年に起きた国でもある。当時の報道ではルワンダと同じく部族対立で片付けられていたけれど、実際には急速な経済成長のなかで分配機能が無視され、格差社会に抗議する若者たちが年長者に襲い掛かり、かなりな死傷者を出したことがいまとなっては知られている。ベルリン勢がナイロビを訪れたのはその翌年にあたるというのは、驚くべきタイミングである。

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