「TT」と一致するもの

A$AP Rocky - ele-king

 ずば抜けたラップに脳みそまで痺れるビート、誰もがうらやむウェアとキックス。あとは、最高のトリップとセックス。それ以外にいったい何がいる? ここには崇高なスピチュアリティも、深淵な思想もない。メランコリアや感傷も存在しない。A$AP ROCKY(エイサップ・ロッキー)はぶれない。ディオールのジャケットを着て『フォーブス』の長者番付リストに載るようになっても、相変わらずコデインなんていう貧乏人のドラッグをやっている。黒い肌のジェームス・ディーン。あるいはラップするヘンドリクス。彼の声はいつも、ひどく醒めて、乾いている。

 デビュー時からニルヴァーナやジミ・ヘンドリクスをフェイヴァリットにあげ、ザ・ヴァーヴの“BITTER SWEET SYMPHONY“を丸ごとサンプルしていたROCKYが、今回のアルバムでロックやブルーズ的なアプローチを取り入れたことに驚きはない。ヒューストンやアトランタ産のトラップとチルウェイブを融合させたこれまでのサウンドに、ゴスペルやロック・シンガーによるコーラスまで加わって、音のテクスチュアは混沌としている。
 初っぱなから聖霊を呼び出すゴージャスなイントロ“HOLY GHOST”に続き、一転してミニマルなビートで冷酷な勝利宣言を表明する“CANAL ST.”、あのM.I.A.が「新しいビッチにしゃぶってもらいなよ」と連呼するトリップ・ホップ的な“FINE WHINE”を経て、“JD”のインタルード的導入までの流れは、ひたすらダウナーでサイケデリック。それ以降も、ダークで享楽的なノリはいよいよ強まっていく。稲妻のようなシンセが飛び交い、スモーキー・ロビンソンの歌声が塗りつぶされ、ほとんど爆発音に近いスネアとベースが炸裂する。ROCKYはひたすら膨大な言葉をスピットし続ける。覚醒と酩酊を往復しながらも、そのフロウは決してぶれない。流麗なライミングで金言めいたものを口にしたかと思えば、「ケツを振れよガール、プッシーを濡らせ」と下品な煽りも忘れない。
 サウンド面での特徴はもうひとつ、KANYE WESTやLIL WAYNE、MOS DEFといった大御所と並んで最多曲数でフィーチャーされた無名のギタリスト、JOE FOXの存在だ。ROCKYがニューヨークの路上で偶然ピックアップしたという彼の、ハーモニーというよりは分裂症的なイメージを与える歌声が、本作の印象を決定づけているのは間違いない。
 けれど、最も異色で印象深いのは、ROCKY本人が陶酔感たっぷりの歌声を披露する“L$D”だろう。曲の前半は完全にビートレス。愛と、セックスと、一瞬のサイケデリアを成分とするこの4分間のトリップだけが、グロテスクな享楽と神経症的な焦燥に満ちたアルバムのなかで唯一、幸福と呼べる瞬間をもたらしている。狂騒からの逃避先が出会ったばかりの女とのアシッド・セックスというのも救えない話だ。それでも、この不埒でロマンティックな逃避行は、どうにも抗いがたい魅力を放っている。ハーレム生まれの黒人が歌舞伎町で見るハリウッドの夢、といったエキゾティシズムを漂わせるミュージック・ヴィデオも、息をのむほどに美しい。このきらめく数分間の快楽の芳香には、善悪の境界線を危うくさせる強烈な引力がある。

 かつて「俺が欲しいのは女と金とウィードだけ(PUSSY, MONEY, WEED, THAT’S ALL I REALLY NEED)」というパンチラインを生み出したROCKYは、本作でもヴィラン(悪党)のペルソナを演じ切ることを選んだようだ。爆発的な成功がもたらした苦悩に身悶えしながらも、そこに内省はない。冒頭で呼び出した聖霊も早々に追い払い、シャンパンとコデインに酩酊して悪態をわめき散らし、アシッドを口に放り込んで他人の恋人を奪い取る。悪逆を尽くすその姿はしかも、セレブリティ好きの紳士淑女の口にも合うように、あくまでクールでスタイリッシュにスタイリングされている。この辺のあざといセルフ・ブランディングも、Y-3のパーカに身を包んでコンビニ強盗に押し入っていた前作の延長上にある。最近の悪党は、メゾン・マルジェラやリック・オウエンスを着ているのだ。
 すでに多く指摘されているが、今回のアートワークでROCKYの顔面を彩る紫の痣は、このアルバムのリリース直前、おそらくはコデインの過剰摂取で急逝したA$AP MOBの精神的支柱、A$AP YAM$への追悼を意味している。しかし、その盟友に捧げられたと思われる“M’$”や“WAVYBONE”に、型通りの哀悼の言葉は見当たらない。そこで代わりに繰り返される「金を生み出せ」というアグレッシヴなメッセージはそのまま、A$AP(Always $trive And Prosper)の哲学そのものでもある。どんな困難にぶつかろうと、自分たちのビジネスを貫徹すること。それがA$APファミリーの追悼の流儀だということだろう。

 薬物は人にフィジカルな絶頂と疲労を往復させることで、人生の盛衰を早回しに見せてくれる。極端な快楽は痛みに似ているし、快感と苦痛は同じように人の顔を歪ませる。それでも、ROCKYは倫理や情緒にすがらずに、あくなき衝動と欲望を肯定する。ラップにつきまとうセクシズムや拝金主義、暴力やドラッグといったネガティヴなイメージへの反発から、まっとうな社会的メッセージや詩的な技巧を誇るアーティストが持ち上げられることは多い。けれど、崇高な思想や美しい詩をありがたがるだけなら、大統領のスピーチを聴くか、大人しく読書でもしてればいい。いまや現代のコンシャス・ラッパーの代表格となったケンドリック・ラマーだって、あのメッセージの表層的なモラリティのみをすくいとって賛美することなんて絶対に不可能だ。万が一そんなマヌケなことをするのなら、ラップを聴く意味など一ミリもない。
 この男は、キング牧師の演説の夢を見て、全米で相次ぐ黒人への凄惨な暴力事件のニュースを眺めながら、セックスとドラッグに溺れている。この退廃と混沌は、ポリティカル・コレクトネスに対する幼児的な反発ではない。心臓を氷漬けにし、致死量のドラッグを体に流し込み、南部の熱病にうなされてカス・ワードを口走る。良心的徴兵拒否によってチャンピオン・ベルトを剥奪されたコンシャスなモハメド・アリではなく、衝動まかせに対戦相手の耳を食いちぎる獰猛なマイク・タイソンの時代に、この音楽は生まれた。善悪の彼岸をひた走る人間にとっては、大統領の肌の色が黒だろうが白だろうが関係ない。この確信犯の反知性主義こそは、すべてのラップ・ミュージックをラップ・ミュージックたらしめる、根源的な力なのだ。
 アメリカだけじゃなく、状況は違えど、日本もこんなご時勢だ。気付けば震災以降、安易な涙を誘う感動ポルノや、相対主義どまりのシニカルな社会的メッセージばかりが蔓延している感は否めない。たとえそのフェイムがセレブリティ的なメディア露出によるものだとしても、ROCKYは現在の日本で、おそらく最も名の知れたヒップホップ・アイコンのひとりだ。洗練されたファッションや表面的な音楽スタイル以上に、この吹っ切れた悪の表現の与えるインスピレーションは大きい。ポリティカル・コレクトネスに中途半端な色目を使う優等生や、ケチな露悪をもてあそぶ反動的な卑怯者は知るよしもない、本物の悪人の享楽がここにはある。世界の悲惨を目の前にして、善人は泣くが、悪人は無理にでも不敵に笑う。悲劇を悲劇とも思わないタフな快楽主義は、ときに涙を乾かし、切実な怒りに寄りそう、強力な番犬にもなるのだ。

 豪勢にめかしこんで地獄めぐりの旅に出た。いったんは悪魔に取り憑かれ、魂だけは奪われずに帰還した。ありとあらゆる悪徳にまみれ、もがき苦しみ、それでも懺悔も贖罪もしない。どんなに虐げられても生き延び、繁栄する地下の帝国で短い一生を謳歌する。馬鹿で愚かだと思うんならそれで構わない。この音楽は強靭な生の哲学であり、大罪人の敬虔な祈りであり、善悪の彼岸への招待状だ。大事なことなので、最後にもう一度。ずば抜けたラップに脳みそまで痺れるビート、誰もがうらやむウェアとキックス。あとは、最高のトリップとセックス。それ以外にいったい、何がいる?

New Order - ele-king

 イアン・カーティスの死後、1980年の後半からニュー・オーダーとして再出発した彼らは、まず自分たちのサウンドをどのように創出するかで悩んだ。そして、新たなる音を創出するうえでヒントにしたものがふたつあった。ひとつは、ニューヨークで知り合ったDJから送られてくる最新のクラブ・サウンド。そしてもうひとつがベルリンに移住したイギリス人、マーク・リーダーから送られてくる音。バーナード・サムナーは、自分たちが“ブルー・マンデー”を生むまでの過程において、NYクラブ・カルチャーと同時にマーク・リーダーおよびベルリンからの影響をしかと記している。このくだりを読めば、日本のファンは思わずニヤッとするだろう。ちなみに、──これは本書には書かれていないが──、みなさんご存じのようにリーダーの〈MFS〉とは、1996年に電気グルーヴの「虹」をリリースしたレーベルである。つまりそれは必然だったと、いまは言えるのではないか。
 こういう、ファンにとっては嬉しい話が満載である。
 とはいえ、彼の内省的なところもよく出ている。たとえば冒頭の、サムナーがあの伝説のセックス・ピストルズのマンチェスターでのライヴに行くまでのところの、彼のサルフォードという労働者階級のエリアで過ごした家族との思い出ないしはその環境は、なるほど後のジョイ・ディヴィジョンへとつながる。彼が少年時代に経験した「コミュニティの解体」こそ、あのバンドが表した孤独、苦悩、ディストピア、終わりなき「終わり」と関わっていることをサムナーは明かしているが、そこまでの展開はヘヴィーである。そもそも、サムナーが、風呂さえまともにないような労働階級の出身だったことをぼくは知らなかった。
 そして、感動的な描かれ方をしているセックス・ピストルズの初ライヴを経てからは、物語は、いくつかの死を乗り越えて、ときにはユーモラスに進んでいく。あれだけヒットしたのにもかかわらず、忘れられがちなエレクトロニック(ジョニー・マーとのプロジェクト)に関する記述が多いのも嬉しい。
 しかし、総じて思ったのは、サムナーの語りのうまさである。寡黙で、一時期はインタヴューはいっさい受けない時期があったほどの人物とは思えないほど、饒舌に語っている。まさにこれは作者による作品への、最大の註釈とも言える。30年前の種明かしをいまされたようだ。

 10年ぶりのニュー・オーダーのアルバム、新生ニュー・オーダーにとっては最初のアルバムとなる『ミュージック・コンプリート』が控えているなか、その創設メンバーであり、ヴォーカリスト/ギター/エレクトロニクス担当のバーナード・サムナーが本国では昨年の9月に発売された自伝、その翻訳『ニュー・オーダーとジョイ・ディヴィジョン、そしてぼく』を刊行します。ジョイ・ディヴィジョンとニュー・オーダーのファンは必読です。

バーナード・サムナー 著/萩原麻理 訳
『ニュー・オーダーとジョイ・ディヴィジョン、そしてぼく』

ele-king books
3300円+税

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 家族に起きた悲劇の心揺さぶる描写が、温かいユーモアをもって自己憐憫におちいることなく語られる……。ロックンロールによって救われ、形作られた人生が明かされるのと共に描かれるのは、成功とスターダムを猛スピードで駆け抜けた人物の姿であり、武器はストリートの知性と簡素なマンチェスターのウィットだけだった……。ジョイ・ディヴィジョンとニュー・オーダーのファン、必読。──アーヴィン・ウェルシュ, 『エスクァイア』誌より

ジョイ・ディヴィジョン創設メンバーのでありそのギタリスト、ニュー・オーダーのリード・シンガーであるバーナード・サムナー。
彼の寡黙さは何年にも渡って知られてきた……。彼は1970年代以降のマンチェスターの音楽シーンに不可欠な部分を担い、これまでにもっとも影響力を持ったバンドを生んだ決定的瞬間に立ち会っている。
いま、初めて明かされるジョイ・ディヴィジョン/ニュー・オーダーの物語、マンチェスター、パンク、NYクラブ体験、“ブルー・マンデー"制作秘話、アシッド・ハウスとイビサ、バンドの分裂……そしてイアン・カーティスへの思い……
バーナード・サムナーの自伝、ついに刊行!

もし今ストーリーを語らねば、もう語ることはないと思える地点に私も差し掛かった。この後に続くページの中には、自分でも語るのがつらいこと、これまで公に言ったことがないこともあるが、それは私という人間、私が関わってきたバンド、その創造に関わってきた音楽を十分に理解するのにはとても重要だ。バンドや音楽以外のことについ て沈黙してきたことで、神話が作られ、真実ではないことが事実とされてきた。だがこれを書くことで、いくつかの誤解を解き、できるだけ多くの神話を葬りたいと思っている。何より、真実のほうがストーリーとしてずっと、ずっと面白いのだから。
──バーナード・サムナー/本書「序文」より


Black Knights - ele-king

 N.W.A.の伝記映画、『ストレート・アウタ・コンプトン(Straight Outta Compton)』が先月半ばに公開され、大ヒットを記録しているようだ。ヒップホップ史に残る同名タイトルの名盤も26年ぶりにアルバム・チャート上位に食い込んでいるとか。ぜひとも日本公開が待たれるこの作品、ポリス・ブルタリティーへの抵抗の声が高まる本国の若者にはどのように映るのだろうか。

 ブラック・ナイツのラグド・モンクと射殺された元メンバーのドック・ドゥームもまたコンプトン出身のラッパーであるが、ブラック・ナイツのラップは西海岸のサグさと東海岸の哲学性を合わせ持ったドープなリリックが特徴でもある。ジョン・フルシアンテによる2作めのプロデュース作品である本作で聴けるNWAやブギー・ダウンのようなオールド・スクール・ヒップホップが彼の感性で変容したトラックとの相性は抜群だ。

 BPMが変容してゆくトラックやジョンのギター・ソロが大々的にフィーチャーされるトラックなど、ロック畑のヒップホップ・アルバムのプロデュースを超えた実験的な内容となったのは、近年におけるジョンの電子音楽製作からの影響も大きいのかもしれない。

 また、ヒップホップ音源の製作においても対面することなくインターネット上でのトラックとラップのやり取りが通常である近年において、このコラボレーションのように生活をともにしながら製作された作品は素晴らしい。僕の知るLAのミュージシャン・シップこそここにあるのだ。

 じつは前作、『メディエヴァル・チェンバー』のリリースの時点で本作と次作アルバムまで完成しているようで、われわれはこのコラボレーションのさらなる変容を聴けることを約束されている。

BASS WORKS RECORDINGS presents Terry Farley - ele-king

 UKミュージックの格好良さというのは、ある意味ではジョー・ストラマー的開かれ方──ロックから入って、ソウル、レゲエ、ジャズ、ファンク、そしてディスコやハウスへとどんどん広がってくことだろう。そう、どんどん広がってはいくが、何でもアリってものではない。そこには厳密な、枠組みがある。それはファッション雑誌のモデルのような服装など、間違ってもしなことと似ている。
 〈ボーイズ・オウン〉というレーベルは、そういう意味で何から何までUKらしいレーベルだった。音楽の選び方、服装の選び方、フットボールへの愛情……何から何まで(ちなみにこのレーベルを母体に、後にアンダーワールドやケミカル・ブラザースが世に出て行く)。
 そのレーベルの創設メンバーのひとりだったテリー・ファーレイ、大ベテランのDJがスギウラムの〈BASS WORKS RECORDINGS〉主宰にて来日します。
 9月19日、場所は表参道 ARC。最高の夜になります。

■BASS WORKS RECORDINGS presents Terry Farley
9月19日(土曜日)
22:00 open/start
3,000 YEN w/1D
DJs : Terry Farley, Sugiurumn, Chida
info : https://clubarctokyo.com

※テリー・ファーレイの来日を記念して、2010年にHORIZONからリリースされたSugiurumnの名曲ACID 2 ACIDのTerry Farley & Justin DrakeによるリミックスをBass Worksよりデジタル・リイシュー。

テリー・ファーレイ

 ジュニア・ボーイズ・オウン(Junior Boys Own)レーベルの創設者であるロンドン出身のテリー・ファーリーはアンダーワールドとケミカル・ブラザースをこの世界に紹介した功績で知られている。彼は80年代後半からUKクラブ・カルチャーのオリジネイターとして現在まで活動続けている。

 彼のスタイルは30年以上変わらずアンダーグランドであり続けている、50年代のスカ、レゲエ、60年代のソウル、70年代のファンクとレア・グルーヴ、そして80年代のシカゴ・ハウスとアシッド・ハウス、彼が熱心に追い続けてきた音楽はすべてパーティーのためのダンスビートだ。

 ボーイズ・オウンはテリーと友人のアンディ・ウエザーオールやアンダーワールドのマネージャーであるスティーヴ・ホール、パーティ・オーガナイザーであるサイモン・エッケルトらにより創設され、アンダーグラウンドなパーティやストリート・ファッションに関するファンジンの創刊、リアルなパーティのオーガナイズ、さらにレーベルを立ち上げる。その後本格的なレーベルとしてジュニア・ボーイズ・オウン(以下JBO)を創設、ケミカル・ブラザーズ、アンダーワールド、エクスプレス・2など数多くのアーティストを世に送り出した、彼はイギリスのクラブ・カルチャーの土台を作った世代の中心人物だ。

 2013年に彼が監修した初期アシッド・ハウス、シカゴ・ハウスの5枚組コンピレーション『アシッド・レイン』はディスクロージャーやエックス・エックスなどの新世代がディープ・ハウスを再発見、再構築してゆくなかで大きな話題となり、2014年には第二弾である「アシッド・サンダー」が発売となった。


※〈BASS:WORKS:RECORDINGS〉のスギウラム、インタヴュー(取材:与田太郎)

 2013年のスタートからこのおよそ2年間、毎週新曲をリリースするというクレイジーな偉業を続けてきた〈BASS:WORKS:RECORDINGS〉。2015年4月に品番100を超え、この夏から新しいフェーズに突入した。以下、ライター/DJの与田太郎が、その主宰者スギウラムにインタヴュー。
 レコード・ショップの閉店、配信への転換、フェス化するクラブ・シーン、Apple Musicなど急激に変わりゆく音楽やシーンなどなど、アクティブでしかもユーモアを持ってぶつかってきた彼に訊いてみた。

■いよいよ新章スタートっていう感じだね、すごいエネルギーで動いてそうだけどいろいろ大変でしょ?

スギウラム(以下、S):いま、大変だよ。いろいろあるけど、レーベルの運営とかパーティをやっている人たちのマインドが会社の仕事としてやってるか、個人の運営なのかで全然違うのが大問題なんだよね。みんななにか新しいことをやろうって言ってるけど、それがもう全然違うって言うか。100番まで来て、なにか変えようと思ったんだよね。もう毎週出すのもいいかなって。やっぱりリリースごとにもうちょっと注目してほしいし、毎週だとかなりスルーされちゃうんだよね。

■でもいまオーディエンスはレーベルを追っかけるっていうより、それぞれのトラックやアーティストでチェックしてるからなんじゃない? それでもベース・ワークスの毎週出すっていう姿勢はすごいと思う、続けられるなら続けてほしいけどね。ジャンルにもとらわれない感じも面白かったしね。

S:でも、その役目はもう果たしたような気もするんだよね。それに、実際いま音楽そのものが盛り上がってないんだよね、みんな新しいものを探してないっていうか。配信だろうがCDだろうが、ヤバイ音楽だったらみんなチェックするでしょ、でも以前のようになにか面白いものを探してる人も減ってるみたいだし。

■そうだね、そういう人は減ってるだろうね。みんな特定のカテゴリーしかチェックしないもんね。俺はむしろダンス・ミュージックやパーティーに出会っていろんな音楽を聴く楽しみを知ったけどね。

S:そうだよね。でもレーベルの話に戻るけど、まわりからいろいろ聞かれるんだよ、「毎週出すことになんか意味あるの?」とかさ。じゃあ意味あるものってなんだよ、とか思いつつ、でもそれもわかるっていうか、ひと昔前と比べてもみんなほんとに音楽買わないもの。メジャーのレコード会社ってどうしてるんだろうね?

■過去の膨大なカタログを少人数で回すことでやってるんだと思うよ。あとはマネージメントやイベント制作も始めてるし。そういう会社の仕事とは関係ないところでやってるなら毎週リリースは続けてほしいけどね、無理にやる必要はないけど。

S:そうだね、でも時々「来週のリリースがない!」みたいな時に、いつも俺が曲を作らないといけないかったりするからね。アルバムの制作が全然進まないんだよ(笑)。あとはほんとに手応えがないんだよね、前は良くも悪くもいろんな反応があったんだけど、いま全然ない時もあるから。ちょっとペース・ダウンするぐらいがちょうどいいのかなとも思ってるんだ。前はエネルギーが有り余ってたから、とにかくなにかやってないと気が済まなかったけど、最近は考える時間もあってちょうどいいと感じてるんだ。

■俺たちも30年ぐらい音楽やってるけど、なにかになるのは50年ぐらいからかもね。なにかになろうとも思ってないし、やめられもしないけど。

S:そうだね、ずーっと面白くなくなったら辞めると思ってたけど、そんなことまたく思わないね。それが情熱ってことだよね。

■ DJってさほんとに凄い瞬間作れるからね、あの体験してしまうとやめれないよね。

S:それをまた忘れちゃうしね(笑)。

■だから毎週リリースは続けてほしいんだよね、自分たちもそうだったようにベース・ワークスはいつも誰かを巻き込んでいてほしいっていうかね。それに誰にでも声かけれる人って杉浦くんしかいないんじゃない?

S:いや、もう全員に声かけたけどね(笑)。なかなかむずかしいんだよ。一緒にやってる、Nao NomuraとOSAKAMANは最高だよ。ほんとお互い助け合ってうまくやってるよ。このメンバーじゃなかったら絶対出来てなかったと思う。他にこんなくだらないことやる人いないしね。与田さんも前から言ってたけど、続けていくには工夫が必要じゃない? いまはその工夫も大変でさ、アイデア考えるのも。どうやったらわかってもらえるかなんだけど、情報がありすぎて難しくなってるよ。パーティーの仲間やオーディエンスに面白いやつはいっぱいいるんだけどね、そういうやつらが知らないっていうとちょっとうれしかったりするんだけど。だた、そういう人たちに気づいてもらうって、別のエネルギーがいるからね。
 塩屋亮潤っていうお坊さん知ってる? 千日回峰行っていうこの1300年で二人しかできなかった修行をやりとげた人なんだけど。千日回峰行は7年ぐらいかけてやるんだけど、毎日30キロとか40キロを歩く修行でさ、間に9日間、飲まず食わず眠らずっていう期間があって、やり遂げるのがほんとに難しい荒業で。それをやったお坊さんが本を何冊か書いてて、これがほんとに凄いのよ。ほんとの話が一番凄いっていうね。心の強さがハンパないんだよ。千日回峰行ってさ1日も休めないんだよ。だからいつも短刀と首を吊る紐を持ってるわけ、やめるときは死ぬときなんだ。世界的な探検家とかさ、凄い人の話をいっぱい聞いたけどこの人の話しとアントニオ猪木自伝が一番凄かったよ。

■毎週リリースも千日回峰行みたいなもんだからね。

S:そうなんだよ、それにグっときちゃってさ(笑)。

■そうだね、俺も杉浦くんの「ライバルは少年ジャンプだから」って言葉にグっときたからね(笑)。

S:この塩屋亮潤の言葉がさ、「私は人に夢と希望を与える仕事をしている。同情されたらおしまいだ」ってほんとカッコイイんだよ。同じような話なんだけど、日本一掃除がうまいおばさんの『プロフェッショナルの仕事』見た?

■(笑)見てない。

S:メチャ面白かったよ、中国から日本に帰化して働きはじめるんだけど、厳しい上司の下で働くんだよ。ものすごくがんばって、掃除のコンテストに出て優勝するんだ。それを上司に報告したらさ、その上司が「あなたが優勝することはわかってました」っていうのよ。そのシーンが最高で(笑)。そのあとに今度は羽田空港で窓拭きのプロの人がでてくるんだけど、そのおばさんも羽田で働いてるから、番組が窓拭きの人に会わせるんだ。そしたらさ、窓拭きの人が見たこともないような道具を使って仕事をしてるのを見て、「かっこいいー!」っていうのよ、(笑)最高でしょ。

■(笑)最高だね。でもそのお坊さんでも、掃除のおばさんでもなにか突き詰めたら喜びも発見できるし、見えなかったものが見えてくるっていうのはそうなんだね。DJもパーティもそうだもんね。

S:ほんと今の状態ってすべてが重なった結果だと思うんだ、震災とかレコード・ショップがなくなったりさ、誰でも簡単に曲が作れるようになったりとか、iPhoneで音楽聴くようになったり、風営法のこととかね。この数年間で同時に重なった出来事の結果、いままでのやり方が難しくなったよね。でも、俺ってほんとにもうだめだって思った時になにかが見えるんだよね。だからさ、制作費もリミックスとかでも予算がなくったけど、自分ですべてやることでエンジニアリングやマスタリングの技術もわかってきたし、なによりひとりで作るのが楽しいんだよね。
 俺さあ、いろんな場所でいつも一番最後まで元気なんだよ。それがね、俺よりも元気な卓球さんに会って(笑)、「あれ!」俺と同じ人がいる!って思ったんだよ。それにすごい勇気づけられたよ。最近またそういう元気な人が周りに増えてるような気がする。

■それは、そういう人が残ってるからじゃない(笑)。

S:まさにスティーヴ・ジョブスのアップルの宣伝だよね、あの「クレイジーな人たちがいる~Think different」の。これからまた盛り上がってほしいよね、パーティーも。

■波みたいなものだからね。

S:どういうふうに盛り上がるんだろうね?

■でもそれが想像できた試しがないね。

S:そうなんだよな、いつも予想外の流れがやってくるのが面白いよね。新しい科学反応っていうか、それがまた面白くて続けてられるってこともあるからね。特にいまは音楽だけじゃなくって世の中全体があんまりよくないじゃない。ネットで起きてることも、みんな極端なことばかり主張するから普通に常識のある人たちが黙るようになってるし、ほんとはそういう人の声も響いてほしいんだけど。

■そういうタイミングがきっと来ると思いたいね。

S:それが俺の続けていられる理由なんだ、この先になにかがあるって感じてるんだよね。ちょっと前まではそれが見えなかったんだけど、ようやくこの先に来るものを見るまでとてもやめられないって気がしてきたんだよね。なんなのかはわかないんだけど、これから面白いことが起きるって感じが凄いんだよね。それが原動力になってる。

■もう25年ぐらい続いてるからね、楽しいと思いながらやることが。

S:そうだね、90年代前半から姿勢は変わってないからな。でも俺の場合はいつも時代からちょっとずれてるんだよね、渋谷系にも入れてもらえなかったし。高円寺生まれだからいれてもらえなかったんだろうな(笑)。

■杉浦くんはもともと渋谷系とかを目指したわけでなくて楽しいことを追っかけてただけだしね、それは俺もそうなんだけど。

S:そのままやってきて、残っている人とは話が通じるしね。リッチー・ホウティンがいいこと言ってたんだけど、なんでパーティをやってるのか聞かれて、「自分とおなじような人を探すため」って言ってたんだよね。それよくわかるんだよね、自分とおなじような感覚をもってるやつをずっとさがしてるって、ほんとそれだと思うんだよ。

■ずーっとそうだよね、杉浦くんのやってることを場面ごとでしか知らないとわかりにくいけど、全部の流れでみると全然変わってないもんね。

S:俺も常に新しいものっていうか、ヤバいものを探してるからやれてると思うんだ。バンドの時でも、ハウスの時でもあったことだけど、ある程度経験したら同じことをちょっと変えたりしたらこなせる瞬間ってあったんだけどね。でもどうしても全部捨てて新しいことに突っ込んじゃうんだよね。それからしばらくはほんと大変なんだけど、まさに苦行っていうか荒業だよ(笑)。DJはじめた時も、レーベルでもそうだけど、わかってもらうのに時間かかるからね、こっちが本気だってことをね。

■ジャンルやカテゴリーの問題じゃなくて生き様の問題だね。

S:どうなるんだろうね、これから。

■まったくわからないね、ほんと予想できない。

S:この10年ぐらい、パーティーにアンセムがないじゃない、みんながかける曲ってなくなったよね。特にジャンルをクロスオーバーするような。それってDJもいろんな音楽を探してないってことだよね。そういう曲がないのか。

■フェスや大きなイベントで盛り上がることとクラブ・カルチャーが別のことにもなってるし。もっとクローズドなパーティが増えてもいいと思うんだけど。

S:それも難しいかな、俺たちの世代はまだ日本にないものが多かったからね。自分たちで始めるしかなかったことが多いけど、いまは型だけだとしても全部あるから。情報すらなかったのはよかったのかもね。想像力使ったし、本気で憧れたもん。

■杉浦くんはまだその情熱が続いてるね。ところで杉浦くん、自分の昔の曲聴く?

S:まったく聴かない(笑)。まえはエレクトリック・グラス・バルーンの曲とか、スギウラム初期の曲とか恥ずかしいとか照れくさいってのがあったけど、いまはまったくないね(笑)、むしろかわいいっていうか。

■昔から聴かないよね、自分の曲。

S:そうだね、だからクラブで曲聴いて「お!この曲かっこいい」って思って「この曲なに?」ってDJに聞いたら自分の曲だったってことよくあるよ(笑)。とくにこの1~2年は多いね。ほんとメチャつくってるからね。それでベース・ワークスが100リリースになったから自分の曲とリミックスが何曲あるか数えてみたら74曲もあったよ!(笑)。それプラス、このまえのアルバムだからね。他のレーベルで作ったリミックスとか入れたら100曲ぐらいあるよ、この1年半から2年で。だから3日に1曲は作ってるんだよね、そりゃスキルもあがるよ(笑)。

■はやくそうしてればよかったのに。

S:そうなんだよね、やっててほんと面白いよ。エンジニアリングとかメチャ向いてると思うもん(笑)。こんな面白いことを人にやらせてたなんて!(笑)。DJでもほんと自在にできるようになったし、レーベルも始めたしね。

■成長しつづけたんだ(笑)。

S:そういう流れが大事だったかもね、リッチー・ホウティンも〈コクーン〉から出て自分のエンターはじめたみたいな。俺と同い年だし、リッチー、リカルド、ダブファイヤー、みんな同級生なんだ。でも、ダレン・エマーソンは年下なんだよ、おまえ何歳で「REZ」作ってるんだよって。うらやましいよね。すぐそこにあるってさ。でも日本人って見た目が若いじゃない、それでカルチャーの遅れを取り戻せるって気がしてるんだよね(笑)。俺なんか海外で44歳にみられたことないからね、アメリカで酒買うときにパスポートみせると、店員が「すいませんでした!」って感じだから。

■杉浦くんは見た目とかでなくて本当にパワーあるから大丈夫だよ(笑)。

https://sugiurumn.com/
https://bass-works-recordings.com/

後日談:結局〈BASS:WORKS:RECORDINGS〉は毎週リリースを継続中! 9月のラインナップは以下の通り。

9/2 Lyoma Captured / mudhand (BWR112)
https://soundcloud.com/…/sets/lyoma-caputured-mudhand-bwr112
9/9 BBL Minako'S:Snare / Going Out (BWR113)
https://soundcloud.com/…/sets/bbl-minakos-snare-going-out-b…
9/16 SUGIURUMN ACID 2 ACID Terry Farley and Justin Drake NY After HourS:Remix (BWR114)
https://soundcloud.com/…/sugiurumn-acid-2-acid-terry-farley…
9/23 OSAKAMAN Colombia / Guatemala (BWR115)
9/30 SUNSEAKER 589 (BWR116)

お待たせしました、ポストロック本! - ele-king

 バトルスの新譜リリースがいよいよ迫ってきた。もちろん今年の重要作の筆頭である。楽しみに待っておられる方々もいらっしゃることだろう。
 そのバトルスを無反省に「ポストロック」だと断じるわけでもないが、ひとつのタイミングとして、同日、その語が誕生して20年ともいわれる「ポストロック」をまるごと一冊で特集する『別冊ele-king ポストロック・バトルフィールド──「以後」と「音響」の文化誌~A Culture Book for Post’n’Sound』を刊行します!

 いったい「ポストロック」なる用語はいつ生まれ、その要件はどのようなものだったのか。ポストロック21年めの新定義──時代がめぐっていままたホットに参照される、その現在性と歴史を、90年代音楽のもうひとつの大きな潮流だった「音響派」との接着面から炙り出す160ページ。

 ひしめく論考の数々は以下の目次をご覧いただくのがよいでしょう。なんと、1999年末(マジで2000年問題である)に刊行された当時の『ele-king』(ポストロック特集!)からの再録記事もあり! 

「ポストロックを考えることは当時よりますます重要になっている。先に進みたくて困っているのだ。その先がどこに通じているかはわからないにしても」(編集長・松村)

 そう、これは先へ進むための“ポスト”ロック特集。でも、本書を片手に、ひさびさに押入れからあれやこれやの盤を引っぱり出してみてくださいね。Pヴァインからは再発タイトルもつづく模様。

■別冊ele-king ポストロック・バトルフィールド
──「以後」と「音響」の文化誌~A Culture Book for Post’n’Sound


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Contents
インタヴュー バトルス 4年ぶり3作目『La Di Da Di』の表も裏も網羅するトリプルインタヴュー
    デイヴ・コノプカ/イアン・ウィリアムズ/ジョン・スタニアー 松村正人
考察1 ハードコア、金科玉条 松村正人
考察2 『La Di Da Di』で極まったアンダーグラウンドの理性の時代 三田格
基調インタヴュー 佐々木敦に金子厚武が訊く ポストロック新3要件!? 松村正人
君はサーフィンをしたことがあるかい? ポストロックの自由と快楽 野田努
再録1 ポスト・ロッキン・オン 三田格
再録2 ブリストルのポストロック 飯島直樹
考察3 レッド・クレイオラ的 You Can Connect to Anything 湯浅学
考察4 サウンドテクノロジーと身体 ありがたや、PT 山口元輝
考察5 ポスト・ヘドバン・ミュージック The Changing Same 倉本諒
PostRock Early Works ポストロックの初期衝動 アーティスト・ファイル
    ペレ/ディラン・グループ/マイス・パレード/ジ・アルバム・リーフ 木津毅/加藤直宏/橋元優歩
源流探訪1 ジム・オルーク、スティーヴ・アルビニを語る 松村正人
My Favorite Post’n’Sound わたしの三枚 井手健介/須藤俊明
インタヴュー サンガツ ポストロックと、サンガツの18年間 松村正人/小原康広
インタヴュー スパングル・コール・リリ・ライン(藤枝憲) ばるぼら
ディスクガイド うたものポストロックの5枚 ばるぼら
インタヴュー にせんねんもんだい 松村正人/菊池良助
ディスクガイド ポストロック・ファンに聴かせたいクラウトロックの15枚 小柳カヲル
論考 写真家=サム・プレコップを考える 杉原環樹
ディスクガイド ミレニアムの10枚 松村正人
ディスクガイド ポスト・ポストの20枚 木津毅/倉本諒/橋元優歩
源流探訪2 岸野雄一の90年代講義 松村正人
インタヴュー タイヨンダイ・ブラクストン 松村正人/タイコウクニヨシ
論考 「音響」の分子分母論 大谷能生
考察6 音響前夜もしくは後夜 松村正人
鼎談 goat×空間現代ふたたび 日野浩志郎+野口順哉+山田英晶 松村正人
論考 90年代の池田亮司から音響派へ畠中実
論考 テクノロジー(とそのエラー)と電子音楽 刀根康尚とオヴァルのスキップ 川崎弘二
論考 音響派の再発見 虹釜太郎
My Favorite Post’n’Sound 私の三枚 蓮沼執太
ディスクガイド 音響とIDM、はざまの15枚 デンシノオト


■Pヴァインからの再発タイトルはこちら
THE ALBUM LEAF / One Day I'll Be On Time
PELE / The Nudes
まだまだつづく!

ノー・ギャグ・ノー・ライフなのだ!! - ele-king

 タワーレコードの意見広告シリーズ「NO MUSIC, NO LIFE!」ポスター最新版に、故・赤塚不二夫の登場が決定した。
 これは赤塚の生誕80周年を記念するものでもあり、氏の誕生日である9月14日(月)には『赤塚不二夫 実験マンガ集』(著者:赤塚不二夫、解説あらためインタビュー取材:石野卓球)と『破壊するのだ!! 赤塚不二夫の「バカ」に学ぶ』(著者:高平哲郎、三上寛、坂田明、奥成達、足立正生、山下洋輔他)が同日発売となる(買ってね!)。

 この最新版ポスターは、9月14日(月)よりタワーレコードおよびTOWERmini全店にて順次掲出予定。手書き文字「これでいいのだ!!」のプリントにもグっとくる。ぜひ探してみてください。

■『破壊するのだ!!──赤塚不二夫の「バカ」に学ぶ)』
著者:高平哲郎/三上寛/坂田明/奥成達/足立正生/山下洋輔ほか
定価:1,800円+税
ISBN:978-4-907276-38-6
ページ数:224頁
判型:並製/四六判
発売:9月14日(赤塚先生の生誕日)
刊行:ele-king books

■『赤塚不二夫 実験マンガ集』
定価:1,800円+税
ISBN:978-4-907276-39-3
ページ数:384頁
判型:並製/B6
発売:9月14日(赤塚先生の生誕日)
刊行:ele-king books

※タワーレコードなど一部の店舗では、書籍購入の先着特典として、


『破壊するのだ!!──赤塚不二夫の「バカ」に学ぶ)』には「実物大のバカボンなのだ」から1コマ・ステッカー

『赤塚不二夫 実験マンガ集』には「サイケ・サイケビーチにて」から1コマ・ステッカー

を進呈なのだ!!

■商品情報はこちら


 そろそろヒップスターの話をしよう。ヒップスターとは、ブルックリンは、ウィリアムスバーグやブッシュウィック辺りに生息する新感覚を持ったヤング・キッズの事。男の子はチェックのシャツや、短パンを履き、少しヒゲを生やしていたりする。女の子は、ショート・パンツやデニムシャツを着たり、ワンピースだったり、バンダナを可愛く首に巻いたり、ポニーテールにしている。クリーンで、オーガニック思考で、アートと音楽が大好きで、タトゥーが入っていて、Lトレインに乗るとこういったヒップスターがたくさんいる。
 以前はベッドフォード・アヴェニューを歩くとヒップスターにぶつかった。いまはブシュウィックやベッド・スタイ、リッジウッド辺りに散らばっている。わかりやすいところでいうと、ロバータス(ピザ屋)ドウ(ドーナツ屋)などの人気店で働いている人たちや友だち。
 もちろん、誰も自分がヒップスターであるとは思っていない。「ヒップスター」とは、他人を語るときに皮肉を交えて使う言葉である。日本でいうオシャレさんという感じでしょう。ただ、ブルックリンのコラムを書く上で、ヒップスターは切っても切れない。
 私がお店に行ってまずチェックすることは、ヒップスターがいるかどうか。ヒップスターがいるとこの店はオシャレなんだと思うし、いなければ少しホッとする。イコール良い店とは限らないが、判断材料になる。先日、ヒップスターの聖地と噂を聞いていたレストラン〈do or dine〉に行った。

 オープンした当時は、ヒップスターがオープンしたレストランと賛否両論だったが、ハイプも冷めた4年目にして初挑戦。外観は、昔のデリの看板そのまま、入り口を入るとドクロのウエルカム・マットがお出迎え。中を通ってバックヤードへ行くとゆったりした雰囲気で、テーブルや椅子、屋根まで手作り感が溢れ、巨大な壁画が描かれている。メニューはフュージョン・アメリカンでフォアグラ・ドーナツとヘン・アンド・ワッフルが人気だが、ニッポン・ナチョス(=まさごサワークリーム)やE666S(=デヴィルド・エッグ)、ポンド・ウィング(=蛙の足のフライ)、ジェリーフィッシュ・サラダなど、興味そそられるメニューが並ぶ。シェフ/オーナーのジャスティンは、フードネットワークの次のスターだとも言われ、自分の料理本「ザ・ロウ・オブ・クッキングーハウ・トゥ・ブレーク・ゼムー料理の法則、どのように破るか」を出版している。例えば、甘いと酸っぱいハーブと油、ファンキーと新鮮さなど、普通では考え付かない組み合わせを楽しませてくれる。デザートはスニッカーズ・バーの袋のまま、サーブするご愛嬌。「ナプキン・リングなんて使う必要ないんだ、みんなリアルな食べ物を求めてるのさ」とヒップスターらしきコメント。ドリンクはビール、ワイン、リカーなどフル・バーですが、ドラフト・ビールはなしで、キャッシュ・オンリーなところが、インディ感を醸し出していた。

 料理本と言えば、ミュージック・ブルースでドラムを叩いているブルックス・ヘッドレイも少し前に、ロックンロール料理本『ファンシー・デザート』を出版している。デル・ポストというハイエンド・イタリアン・レストランのシェフだが、彼はその以前に、パンク・ドラマーとしての顔を持つ。ユニバーサル・オーダー・オブ・アルマゲドン、ボーン・アゲンスト、スカル・コントロールなどの由緒あるパンク・ヘビー・バンド、いまはノー・エイジやミカ・ミコのメンバーが参加するC.R.A.S.H.やハーベイ・ミルクのベーシストでもある。そしてミュージック・ブルースのステファン・タナーも、NY一美味しいフライド・チキンを作るシェフである(ただいま引っ張りだこ)。


Justin @do or dine

 音楽も食も基本アートセンスが必要なので、〈do or dine〉のような法則を破るシェフが現れるのも彼のバック・グラウンドがミュージシャン/ヒップスターだからである。そんな新感覚なレストランでは、夜な夜な面白いDJイベントが行われたり、レストランを貸し切ってパーティしたりと、普通のショーに行くより、楽しさを倍約束してくれる。


Justin's cook book "law of cooking"

interview with Tigercub - ele-king


Tigercub
ミート・タイガーカブ

Pヴァイン

Indie RockGarage

Tower HMV Amazon

 音楽不況云々、CDが売れなくて云々、専門誌も減って云々……などという話題はもう耳タコかもしれないが、それは産業としては(そんなかたちでつづけることに)無理があるでしょうというだけの話で、むろん音楽そのものになんら瑕疵があるわけではない。それが文化の真ん中で巨万の富を築くツールではなくなったというだけで、のびのび、勝手に、雑草みたいに、新たな音は日々生まれてきていて、生まれてき過ぎなほどだ。

 考えてみればレコードなりCDなりというかたちで音楽が売り買いされていた時代のほうがその長い歴史の中では特殊というか、むしろいまはカネにならなくなったぶん、音楽もアーティストもそもそもの自由さを取り戻しているとさえ言えるかもしれない。ここ最近のインディの充実ぶりを見ても、あるいはネットに音源があふれかえっていることを考え合わせても、「売れなきゃいけない」というオブセッションはほぼ崩されていて、音楽はやり手にとってもっとずっとよい距離で楽しまれているように見える。

 それは、なにが自分にとって楽しいか、ということが素直に優先される環境でもある。新しいものをつくらねば、モードに乗らねば、いや、モードを出し抜かねば、みたいなことはさほどの問題ではなくなって、時代も洋の東西も関係なく、というか、すべてそれらが一並びで定額な環境下で、あるスタイルを選択することに以前ほど社会的な意義もなく、リヴァイヴァルという言葉さえいよいよ空転しはじめた。

 そしてわれわれは前置きなくタイガーカブを聴く!

 タイガーカブはシンプルだ。UKはブライトンの3人組ロック・バンド。聴けばわかるというお手本でもあり、しかし「あえてオシャレに2分間のポップスの永遠性を再現する」という手合いの作為性も感じられない。まだアルバムすら持たないニュー・カマーだが、ブラッド・レッド・シューズが新たに立ち上げたレーベルからシングルをリリースしたり、彼らのライヴのオープニング・アクトとして起用されるなど、期待と注目が寄せられているさなかである。

 今回はこれまでにリリースされた2枚のシングルにB面や未収録曲を収録した日本独自企画盤がリリースされた。これをアルバムとして評価することは難しいが、案外、できてみればこんな感じかもしれない。「アルバム」よりは「曲」をつくり、演奏とコミュニケーションを大事にする、粗暴ではないけれど気取らない、ビートルズが好きな、愛すべきバンドなのだ。もちろんそれは「いい曲」が詰め込まれたものになるだろう。

 なんてそのまんまニルヴァーナなんだろう、いや、ザ・ヴァインズを経由しているだろうか、そうすればたしかにビートルズも透けて見えてくる──カート・コバーンやクレイグ・ニコルズのようなカリスマがいるわけではなく、インタヴュー内でもソニックスの名が挙がっているようにガレージ色が強め。本当にシンプルなバンドだ。

 以下をお読みいただければ、「なぜこんな音を?」を筆頭とした筆者のいくつかの「なぜ」がすべて壁打ちに終わっているのがおわかりいただけるだろう。なぜもなにもない。好きな音を、その内側で謳歌しているのだ。そのまんま聴いて楽しい、スタイル選択にけれんみのない、ゆえにこちらも何も考えずに身をまかせられるロックだ。長らく、それには何かしらの前置きが必要だったけれども。

■Tigercub / タイガーカブ
2013年に結成された、UKはブライトンの3人組。メンバーはジェイミー・ホール(Jamie Hall / guitar, vocals)、ジェイムス・ホイールライト(James Wheelwright / bass, backing vocals)、ジェイムス・アレクサンダー(James Alexander / drummer)。2014年、デビュー・シングル「ブルー・ブラッド(Blue Blood)」が注目を集め、同年、ブラッド・レッド・シューズが立ち上げた〈ジャズ・ライフ〉からセカンド・シングル「センターフォールド(Centrefold)」をリリース。翌2015年には名門〈トゥー・ピュア(Too Pure)〉からもシングル「You」を発表。ロイヤル・ブラッドやブラッド・レッド・シューズらのオープニング・アクトとして抜擢されるなど、フル・アルバムをふくめ今後の活躍が期待されている。

アメリカン・ハードコアや90年代グランジのバラ色のメモリーは音楽のドキュメンタリーとか再放送で情報を集めて結んでいった感じかな。(ジェイミー)

みなさんは何年生まれですか? グランジはリアルタイムで体験しています?

ジェイムス・ホイールライト(以下James):1986年、ワールドカップのアルゼンチン対イングランドで”神の手”事件が起きた年に生まれた。最初のグランジ・ムーヴメントで記憶にあるのは、「kids in flannel」のシャツとニルヴァーナがTVに出ていたこと、でも当時はまだ本当にガキだったけど! フー・ファイターズのファースト・アルバムを買ったのはおぼえてる。そこが自分にとって最初の入り口だった。

ジェイミー・ホール(以下Jamie):俺は1990年生まれ、イギリスの北にあるサンダーランドで育った。グランジがメインストリームをヒットした当時なんてまだ子どもだったから、アメリカン・ハードコアや90年代グランジのバラ色のメモリーは音楽のドキュメンタリーとか再放送で情報を集めて結んでいった感じかな。

同年齢くらいのまわりの人びとは、多くがアメリカン・ハードコアやグランジのバンドたちの作品を聴いているのですか? それともあなたたちが孤立しているのでしょうか?

ジェイムス:俺たちが住んでいるブライトンは音楽的にとてもアクティヴな町だから、友だちもハードコアやロックにハマってるやつらばかりだよ。俺が育ったレディングでは、たしかにもっと孤立しているように感じてたね。

ジェイミー:サンダーランドにいたときは、そんなことはぜんぜん感じなかった。俺は他の誰よりも体がデカいから、どこにいってもハマらないんだ。当時はだいたいいつも一人の友だちとツルんでたし、クラッシュ、G.B.Hとかバッド・ブレインズなんかを聴きながら、トニー・ホークのプロスケーター・シリーズを見ながら毎日遊んでたな。

俺は他の誰よりも体がデカいから、どこにいってもハマらないんだ。(ジェイミー)

あなたがたはどういったきっかけでそうした音楽を聴きはじめたのでしょう?

ジェイムス:バンドとオーディエンスで共有したり、経験を積んだり、オーディエンスから学ぶことがいまの音楽をやっているいちばんのモチヴェーションにつながるよ。

ジェイミー:子どものときはビートルズにぞっこんだったね。自分にとっていまの音楽をやっているのもじつはビートルズからの影響だよ。

UKの音楽で世界に誇るべきものはこれだというアーティストやバンドを、あなたがたの基準で教えてください。理由も添えていただけるとうれしいです。

ジェイミー:イギリスのバンドだとザ・ウィッチズの大ファンだよ。彼らは彼らなりのやり方ですべてをやっているし、惰性的じゃなく、彼らの音楽はリンク・レイやメルヴィンズとかレナード・コーエンからオリジナルのブレンドを作り出していると思う。

あなたがたにとってセックス・ピストルズはどのような存在ですか? また、ニルヴァーナを愛するのはなぜですか?

ジェイミー:彼らはすべてさ。でもストゥージズやソニックスほどではないけどね。

ブリティッシュ・ロックはポリティカルになるべきだと思いますか?

ジェイミー:ポリティカルな音楽、俺はいいと思うよ。でも、露骨に政治的なことを歌ってる曲は嫌いだね。いちばん好きなのはメッセージが曲の中に複雑に編みこまれていて、リスナーに説教するものではなく啓示するような音楽がベストだね。

なぜ髪をのばすんです?

ジェイムス:なまけものだからさ。

ジェイミー:俺たち美容院にいく金もないしな。

3ピースっていう形態はすごく好きで。アドヴァンテージのほうがはるかにディスアドヴァンテージを上回ってると俺は思うよ。ニュートラル・ミルク・ホテルを見れば明らかさ。(ジェイムス)

3人の間柄や、バンドの結成の経緯を教えてください。

ジェイミー:3ピースであることは制限でもあるけど、同時に俺たちがよりハードに演奏して、経済的にバンドをアレンジしなければならないってことで、つまり曲はよりストロングなものにしなければならないし、全部さらけだすし、どこにも隠れる場所はないってことさ。

ソングライティングはおもにどなたが担っているのでしょう? 

ジェイミー:最初はみんなそれぞれ家でアイディアを練って、デモを送りあって、スタジオに持ち込んで、そして精練するというのがパターンだね。あと新しめの曲を路上で演奏するんだ。そうすれば、何がうけるのかうけないのか、リアルタイムにフィードバックをもらうことができるからね。

あなたがたはスリーピース・バンドのよさをシンプルかつストレートなかたちで体現する存在だと思いますが、一方で、いまのかたちに限界を感じることはありますか?

ジェイムス:3ピースっていう形態はすごく好きで。アドヴァンテージのほうがはるかにディスアドヴァンテージを上回ってると俺は思うよ。ギターは1つだし、ベースも1つ、音の帯域幅では制限があるかもしれないけど、3人が効果的に動けばオーディエンスの視点から見てもすごくパワフルなものに映るし、ニュートラル・ミルク・ホテルを見れば明らかさ。

ジェイミー:そうだね、曲をかけば書くほど、もっとこうしたいって大望が生まれてくる。だから、いくつかの新曲はそのまま演奏できないから、ライヴのために作り直さないといけなかったり、3人でそういう曲を同じエナジーでやるっていうのは、かなりハード・ワークだよ。

あなたがたにとってはライヴのほうがアルバム作品より重要なものですか?

ジェイムス:スタジオに持っていくまでは曲は存在しないと思うし、少なくとも完成したとは言えないと思うよ。ライヴで演奏するのは曲が実際どういうものなのか確認するにはいちばんの経験になる。

ジェイミー:ライヴはとても重要だよ。でも、いまは自分たちモードをスタジオ作業にフォーカスしているのさ。

俺たちは本当に日本のファンがタイガーカブを聴いて、情報を更新して、自分たちとの旅の一部のように感じてくれることを願っているよ。(ジェイミー)

トム・ダルゲティとの仕事はどうでしたか?

ジェイミー:彼はとても親しい友人であり、素晴らしいエンジニアでもあり、グレイトなレコードを何枚も作っていて、いっしょに働くことで彼からはたくさんのことを学んだよ。

今作の録音やプロダクションにおいて、バンド側からとくに希望したことや意図などがあったら教えてください。

ジェイミー:日本で今作を出すことで、まずやりたかったのは自分たちのバック・カタログを紹介したかったんだ。UKで活動して、いまの地位に落ち着くまでに1年以上かかったし、ちょうどストーリーができたように思うしね。俺たちは本当に日本のファンがタイガーカブを聴いて、情報を更新して、自分たちとの旅の一部のように感じてくれることを願っているよ。

タイガーカブというバンド名の由来は?

ジェイミー:純粋に偶然の思いつきだよ。俺たちの音に合う名前だと思ったんだ。

同世代で共感できるアーティストを教えてください。

ジェイミー:ザ・ウィッチズ、ロイヤル・ブラッド、TRAAMS

音楽をやっていなかったら何をやっていたと思います? また、もともとからミュージシャンになるのが夢だったのですか?

ジェイミー:音楽をやっていない人生なんて想像できないね。自分にとっては避けられないことさ。

笑いと破壊、これでいいのだ!! - ele-king

 バカにしか見えない真実がある──天才ギャグ漫画家の赤塚不二夫はそんな言葉を言い残しています。しかし赤塚不二夫の「バカ」とは、「バカだなぁ、でへへへ」などという、そんなクサいものではありません。もっとキョーレツで、破壊と解放があります。戦後日本のサブカルチャーが爛熟した60年代から70年代にかけて、それは広く、そして深く突き刺さっています。たとえば天才バカボンには、アナーキーなすごさがあります。アナーキー・イン・ザ・バカボンです。腹がよじれるほど笑いながら、赤塚作品からは庶民の底知れぬパワーを感じ取るができます。笑いながら物事を変えていくことは、果たして可能なのでしょうか。

 来るべき9月14日は、赤塚不二夫生誕80周年。その日に、ele-king booksは赤塚不二夫の本を2冊同時リリースします。
 まず一冊は『赤塚不二夫 実験マンガ集』。赤塚不二夫がメジャーな少年誌を舞台でヒット作を連載していた国民的な作家なのは周知の通りですが、同時に彼はアヴァンギャルであり、実験精神旺盛な作家でもありました。たとえば『天才バカボン』がどれほど表現の限界に挑んだ作品だったのか、あらためて思い知って欲しいと思います。

 もう1冊は、『破壊するのだ!!──赤塚不二夫の「バカ」に学ぶ』。こちらでは生前赤塚不二夫とお付き合いのあった方々(赤塚がもっともアナーキーだった70年代、当時のサブカルチャーと呼びうるシーンに関わっていた方々)に取材、そのすごさをあらためて語ってもらいました。70年代の日本のサブカルチャーの狂乱を振り返りつつ、赤塚不二夫がこだわった「バカ」について考えた本です。
 70年代『宝島』編集長、後の「笑っていいとも」のスーパーヴァイザーとして知られる髙平哲郎、いまも活躍中の音楽家・三上寛、フリー・ジャズの巨匠・坂田明、先日亡くなられた詩人にしてジャズ評論家/偉大なるパロディストの奧成達、映画監督にして革命運動家の足立正生、偉大なるジャズマンの山下洋輔……そして、解説には赤塚りえ子+三田格。
 
 ぼくたちはどこから来たのか……いま日本は本当にとんでもないことになっていますが、日本のサブカルチャーにおいて誇れるものがここにあります。この機会に、手にとっていただけたら幸いなのだ!!

『赤塚不二夫 実験マンガ集』


Amazon

定価:1800円
ページ数:384
並製/B6

マンガを左手で描く狂気とは?
近くのものが遠くに見えるマンガとは? 
フキダシに絵を描いて絵の場所に文字を描くマンガとは? 

メジャーな少年マンガ誌を舞台に、マンガ表現のいきつくところまで行き着いた赤塚不二夫のもっともラジカルな作品群を収録。
解説あらためインタビュー取材には、石野卓球が登場。
いわく「赤塚作品とは、アシッド・ハウスなのだ!!」


『破壊するのだ!!──赤塚不二夫の「バカ」に学ぶ』


Amazon

著者:高平哲郎/三上寛/坂田明/奥成達/足立正生/山下洋輔ほ
定価:1850円
ページ数:224
並製/四六判

いま語る70年代日本サブカルチャーの狂乱、
そして赤塚不二夫のすごさ。

ペーソスはいらないのだ!!──高平哲郎
書を捨て町を裸で街を歩くのだ!!──三上寛
深遠なバカなのだ!!──坂田明
クーダラナイから良いのだ!!──奧成達
やりたいことをやるのだ!!──足立正生
破壊するのだ!!──山下洋輔
いまこそ赤塚不二夫が必要なのだ!!──赤塚りえ子×三田格

刊行:ele-king books/9月14日(赤塚先生の生誕日)刊行なのだ!!


Oneohtrix Point Never - ele-king

 2014年度のele-kingのベスト・アルバムがOPNの『R Plus Seven』だったんですが、いまや、OPNは明日のエレクトロニック・ミュージックを占う存在、いや、ソフィア・コポラやアント ニー・ヘガーティにまで目をつけられるほどの、なんとも大きな存在になってしまいました。思わず、かつてのイーノ、かつてのエイフェックス・ツインに重ねたくなるような……。そして彼自身もエレクトロニック・ミュージックの歴史をよく知っています。つまり本気で、(感覚だけではなく)エレクトロニック・ミュージックがいまどこに向かっているのかを考えている人物でもあります。
 OPNは、ミュジーク・コンクレート(録音物を加工する音楽)のパイアオニア、ピエール・シェフェールの21世紀版とも言えるでしょう。彼の音楽は現代=スーパーフラッター・ワールドに生きるものではありますが、その作品は冷酷だったり、攻撃的だったり、あるいは穏やかだったり、起伏に富んでいます。新作はそういう意味では、前作にくらべて躍動的で、OPNらしい挑戦的な作品です。
 ま、それはお楽しみってことで、OPNが来日します!


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