「ATOM」と一致するもの

Chart by UNION 2011.07.02 - ele-king

Shop Chart


1

VARIOUS ARTISTS

VARIOUS ARTISTS Composure Ambient Techno for Japan MUSIC 4 YOUR LEGS / JPN »COMMENT GET MUSIC
アンダーグラウンドな野外フェスティバルとしてパーティーフリークから絶大な支持を得ている「ラビリンス」を主催するオーガナイズチームMindgames監修の復興チャリティ・アンビエント2CDコンピ『Composure Ambient Techno for Japan』。そのLABYRINTHと縁の深いPeter Van Hoesen、Sandwell District、Mike Parker、Alex Smoke、Minilogue、Koss、 Donato Dozzy、Rod Modell、Janah Sharp & Fred P、Cobblestone Jazz等が参加、音楽を通じリスナーの心を癒してくれる。製作に当たってアーチストは楽曲を無償で提供、言い換えれば印税が全額寄付に当てられるという点も特筆すべき点だ。

2

DOC SEVERINSEN

DOC SEVERINSEN Be With You/ You Put The Shine On Me (DJ Harvey 12inch Cuts) PACIFIC BEACH / US »COMMENT GET MUSIC
レーベルサイト限定販売だった1枚、ラストストックを確保!トランペット奏者Doc Severinsenが1976年にリリースしたアルバム「Night Journey」に収録される"I Wanna Be With You"と、"You Put The Shine On Me"をHraveyがリエディットした話題の1枚が限定入荷!!印象的なカッティングギターにファンキーなトランペットが鳴らしたブギートラックA-1"Be With You"、荒々しく鳴らされるトランペット、ストリングス挿入、スリリングに進行するB-1"You Put The Shine On Me"。Harvey本人も来日時にプレイしたという、とにかく話題の1枚!!

3

VLADISLAV DELAY

VLADISLAV DELAY Latoma EP (Villalobos Mix) ECHOCORD / DEN »COMMENT GET MUSIC
出たVILLALOBOS リミックス! デンマークのミニマルダブ最高峰・ECHOCORDにシーンのパイオニアの一人であるVLADISLAV DELAYが初登場! しかもVILLALOBOS & MAX LODERBAUERのリミックスを収録! グリッチノイズとアンビエンス漂うレイヤードシンセのせめぎ合いは鳥肌モノ! ダブテクノの新次元を提示した1枚!

4

HARVEY PRESENTS LOCUSSOLUS

HARVEY PRESENTS LOCUSSOLUS Locussolus (国内仕様盤) INTERNATIONAL EFEL / URG »COMMENT GET MUSIC
IFEELからの先行シングルも大きな話題となり遂に迎えたDJ HARVEYの新プロジェクトLOCUSSOLUS 待望の1stアルバム!長いキャリアの中でこれまでに触れてきた膨大な音、ジャンルを越えたダンス・クラシックス、ハウス~バレアリック、それらを現在のクラブシーンの音へと繋ぎ合わせることで、想像をはるかに超えたサウンド・フォルムへと仕上がった!

5

V.A.(MOODYMANN,JUAN ATKINS,ALTON MILLER,ABACUS)

V.A.(MOODYMANN,JUAN ATKINS,ALTON MILLER,ABACUS) Music Institute Pt 3 NDATL MUZIK / US »COMMENT GET MUSIC
MoodymannことKenny Dixon Jr.、デトロイトテクノ創始者の一人Juan Atkins、デトロイトハウスの重鎮Alton Miller、そしてミシガン湖を挟んだカナダより古くから交流のあるAbacusの4アーチストが大名曲Alexander Robotnick - Problemes D'AmourをRe-Touch!!『限定盤』につきお早めにチェックを!

6

ALESSANDRO NOVAGA

ALESSANDRO NOVAGA Faces Drums WHITE / US »COMMENT GET MUSIC
イタリア人プロデューサーAlessandro NovagaによるDJ ツール「Faces Drums」が再発!!80'sイタロ・ディスコ/シカゴ・クラシックStoppの"I'm Hungry"をプロデュースしたことでも有名なAlessandro Novaga。DJ RahaanがエディットしたJesse Saundersの"On & On"での印象的なループパートにも使用された、Ron Hardy、Frankie Knucklesらがプレイした中毒性の高いループ集「Faces Drums」がピクチャースリーヴ仕様で再発。For DJ Use Only!!!!

7

JENIFA MAYANJA

JENIFA MAYANJA Woman Walking In The Shadows BU-MAKO / US »COMMENT GET MUSIC
US UNDERGROUND HOUSEの雄DJ JUS-EDのパートナーであり自身のレーベルBU-MAKOも絶好調のJENIFA MAYANJAニューアルバム!!そのサウンドは現在のフロアのトレンドを感じさせつつも、その域にとどまらない90年代の良きディープ~アフロ~ジャズ~スピリチュアルなハウスの要素を抽出、ミニマルやデトロイトハウスそしてレフトフィールドといったそれぞれかけ離れたジャンルの中心に音を置くことで無二のダンストラックを奏でている。またそれぞれの楽曲の個性、完成度においても彼女が今まさにピークを迎えつつあることが感じ取れるだろう。

8

GREG GOW

GREG GOW Twilight Soul EP TRANSMAT / US »COMMENT GET MUSIC
2009年再始動したTRANSMATの幕開けを飾ったGREG GOWが再び登場! 往年のデトロイト・テクノを彷彿とさせるエモーショナルな分厚いシンセと切れのあるモダンなビート・プログラミングが融合した新たなTRANSMATクラシックが誕生!

9

TEVO HOWARD

TEVO HOWARD Crystal Republic HOUR HOUSE IS YOUR RUSH / NED »COMMENT GET MUSIC
ラリー・ハードに次ぐ存在として早くから注目されていたシカゴ新世代!日本でもブレイク必至の逸材Tevo Howord待望の1stアルバム!Rick Howardを父に持ち、親子でシカゴからハウスミュージックを送り続けるTevo Howardがいよいよアルバムをリリースする。Tevo Howardの魅力はシカゴネイティヴならではのリアルなハウスミュージック感。80年代のシカゴハウスの流れを継ぐウェアハウス/ボックストラックからアシッドハウス、はたまたLarry Heardのような繊細で可憐な音使い.....それらシカゴハウスの魅力を持ち合わせているのが彼なのだ。シンセの音は彼の感情そのまま表したかのようにエモーショナル、かつての模倣でも焼き直しでもなく彼自身の音世界を作り上げたトラックはどれもが「ツール」の域に収まらないドラマティックなヴァイヴをリスナーに伝えてくれる。

10

JOHN BELTRAN

JOHN BELTRAN Ambient Selections DELSIN / NED »COMMENT GET MUSIC
CARL CRAIGのRETROACTIVEからデビューを果たし、「EARTH & NIGHTFALL」(R&S)や「TEN DAYS OF BLUE」(PEACEFROG)、PLACID ANGELS名義の「CRY」など90年代前半~中盤にかけて粒揃いの傑作アルバムを発表、デトロイト・テクノ・ファンを中心に今な熱烈な支持者の多いベテラン・JOHN BELTRANによる"アンビエント"・ベストがオランダの名門・DELSINから登場!珠玉のアンビエント・トラックがずらりと並ぶ全16曲・・・まさにエヴァーグリーンと呼ぶに相応しいクオリティーの高さにリスナーは脱帽するしかないだろう。

inteview with Satomi Matsuzaki (Deerhoof) - ele-king


ディアフーフ
ディアフーフ vs イーヴィル

Pヴァイン・レコード E王

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 『ディアフーフVS.イーヴィル』は、ディアフーフにとって10作目のアルバムとなる。驚くべきことに、キャリアはすでに16年。『アップル・オー』からの印象が強いためか、ディアフーフといえば2000年代のインディ・シーンを支えてきたバンドだというイメージがあるかもしれないが、彼らは実際のところ90年代組だ。しかしたとえば、昨年20年のキャリアを持つスーパーチャンクの新作が長年のファン層をメインに温かく迎え入れられたこととは好対照に、本作は2011年の作品として、あたかも新人バンドであるかのような緊張感を持って聴かれるはずだ。「新人バンド」とは言い過ぎだろうか。成熟した彼らの音には、シーンを彩る若きローファイ勢を蹴散らされかねない横綱相撲の風格があるのだから。それでもそう呼びたくなるのは、ディアフーフが頑固にトレンドから距離をおき、ひとつひとつの作品がつねに新しくあるように自らのオリジナリティを深めているからだ。今作もじつに刺激的で、かつストレート。まさにオンリー・ワンな存在感を見せつけている。
 
 2010年の暮れまで1年余りの短い帰国生活を送っていたヴォーカルのマツザキ・サトミ氏に取材することができた。氏はディアフーフのその強烈な個性を大きく担っているばかりではなく、世界で活躍する日本人女性としても非常にリスペクタブルな存在である。彼女自身が始祖ともいえる平板でチャイルド・ライクなヴォーカル・スタイルには、音としても姿勢としてもマッチョイズムに対する批評を感じるし、その意味では古巣である〈キル・ロック・スターズ〉が持つライオット・ガール的な表現を、彼女たちと真逆の方法で示しているとも言えるだろう。
 さらにそこには、敗戦からのモチーフである「大人になれない日本」というイメージもどこかで重ねられているのではないだろうか。奈良美智氏の絵画や村上隆氏が戦略的に用いているアニメ的表現と共通する問題を、世界は「サトミ・マツザキ」の中にも求めている......女性として、また敗戦国側の人間として、彼女の歌は強い外部性として機能するはずだというのが筆者の推論である。本インタヴューでは、アルバム制作の背景についてもさることながら、マツザキ・サトミという無二のヴォーカリストが帯びるそうした記号性にも迫りたい。
 ......と意気込んだが、質問は非常に鋭くかわされてしまい、むしろ客観的な日本評を突きつけられる形となった。結果として氏の軽やかでシャープな知性をビシビシと感じられるテキストになっていると思います。ご堪能ください!

2000年......一生懸命ディアフーフをやっていたので、あっという間に過ぎましたね。曲つくってアルバム出してツアーして、『アップル・オー』くらいは毎年出してますよね、ツアー行きながら録音してて。レディオヘッドのオープニングやってるときなんて楽屋でミックスしてました!

今回の作品が10作目で、キャリアも16年とすごく長い活動をされているわけですよね。でも90年代半ばくらいから活動を続けているバンドだと、普通は「アガリ」感が出てしまって、新作が出ても昔からのファンが買うだけだったり、話題にはなるけど若い人が買わないといったことになりがちですが......

サトミ:「アガリ」って、「お茶があがる」とかの「アガリ」......?

すごろくでゴールにたどりつくとか、「一丁あがり」とかの「アガリ」です。

サトミ:ああ、そっちの。はい。

はい。ですが、ディアフーフの新作を聴かせていただいたんですが、もうほんとに現役感があるというか......

野田:現役だよ!

はは。なんというか、ほんとの意味での現役感というか、若いバンドに与える緊張感が大きいと思いました。昔からのファンが、ファンだから聴くとかいう感じじゃなくて、作品として今に訴える鋭さがあり、若いアーティストもリアルなライヴァルとして聴く、というか。今作についてあらかじめこうしようというコンセプトや方向性というのはあったのでしょうか。

野田:10作目って感じがしないもんねえ。

サトミ:ええと、今作は16年目ということで「スウィート・シックスティーン」というコンセプトでつくったんですね。「16歳」っていうイメージは、カラフルで、ポップで、反抗的で、ちょっとひねくれてて......っていうものです。すごく複雑な心境が16歳にはあるから、そこからイメージをふくらませていったら、エレクトロで、キャッチーで展開が速くて、流れる感じになりました。あとアルバムも短くなって。16歳だからアテンションも短い。

大作、という感じではなくて、勢いを大事にしたような感じでしょうか。

サトミ:うーん、「大作」って、べつに大袈裟でなくてもいいと思うんですけど。やっぱり16歳って考えてることがどんどんどんどん変わっていきますよね、いま話してたと思ったら次の人がもう全然違う話してたりっていう。あとはスーパー・ヒーローとか、ゲーム感とか、エキサイティングで落ち着きがないものを作っていったら、今作ができあがってました。

たしかに、たとえば『レヴェリ』とかと違って、すごく実験的でめまぐるしい展開があってという作風ではなくて、すごく疾走感のある、前に前に駈けてるような印象の曲があったりします。たとえば6曲目("スーパー・デューパー・レスキュー・ヘッズ")とか。2曲目("ビホールド・ア・マーヴェル・イン・ザ・ダークネス")とかもすごく好きです。

野田:僕も好きです。

サトミ:私も"ビホールド・ア・マーヴェル・イン・ザ・ダークネス"好き。なんかこう、アコースティック・ギターの気持ちいいストラミングが流れるようで、さわやか。16歳は元気だけど、瞬発的でたまに疲れちゃうから。たとえば高校の科目とかでも体育のあとに美術のクラスがあって、上り下がりがあって疲れちゃう。それで息抜きの感じで入れたんです。ほんとは20曲くらいあって、めまぐるしく、面白い曲ももっとありました。でも、短いくらいがすごくしっくりきたんですよ。コンセプトに。

ストロングでストレートな力っていうのを感じるアルバムで、その点ですごく愛される作品になると感じました。評価ということとは別に、愛聴されるアルバムってあると思うんですよ。『レヴェリ』とかもすごく好きで素晴らしいアルバムだと思うんですけど、普段よーく聴くかっていうとまたちょっと違って。この作品はほんとによく聴くことになるだろうなあと思いました。

サトミ:バンド自体が同じことを繰り返したくないっていうのと、他のバンドを例に挙げるとキャリアが長ければ長いほど、ファンが前のヒット曲に執着しちゃって、ライヴにその曲を聴きにくる場合が多いと思います。アンコールにヒット曲とかを取っておいて、最後にそれをやるからみんなも最後までいる、みたいな感じになりますけど、そういうのは目指してなくて、いつも新しいことをみんなが期待してくれるような、そういうバンドになりたいな。だから過去のアルバムでやったことは次はやらない。新しいことにチャレンジしていくのが常に目標です。

まさにそういう作品だと思います。ご自身で好きな曲はどれですか?

サトミ:私も2曲目("ビホールド・ア・マーヴェル・イン・ザ・ダークネス")です。その曲は最近のツアーでも演奏しています。だから毎日弾いてると、それだけ理解も深まるし、愛着も湧いて。

「理解が深まる」というのは面白いですね。メンバーのひとりひとりがわりとがっちりと曲を作ってくるって聞いたことがあるんですが。

サトミ:だからレコーディングしたときは、みんな初めて聴いたっていう感じになります。「じゃ、こういう進行でハイっどうぞ」みたいな。「ハイっ、Now!」みたいに始まる。そんなふうだから、逆に真っ白な頭のままですね。飛び込んできたままのを、さらっとやります。

それはかなりかっちり曲を作ってあるからということですか?

サトミ:かっちりっていっても、フィーリングとか弾き方とかは、レコーディングしながら何テイクも録って選ぶので、最終的には自分たちでも意外な感じに仕上がることが多いです。「あ、このテイクとあのテイクを採って、繋げた!」みたいな。それで、ライヴをこなしているうちにまたアレンジとかが変わっていきます。それが「(曲への)理解が深まる」っていうことなんでしょうね。

なんか楽譜が売られてたりするって聞いたので。

サトミ:あ、それは前のアルバムですね。どちらにしても、リリース前は誰かがリークするんです。それでリークを防ぐために譜面にしようって。今回のはグローバル・リーキングといって、すでに世界各国で1曲ずつリークされてます。だから全曲フリーでストリーミングできます!

なるほど、では皆さんが楽譜で曲を作って持ち寄っているというわけではないんですね。そうだとしたら変わったバンドだなあと思ったんですが。

サトミ:そういうわけではないですね。メンバー全員アメリカ各地に住んでいるので、mp3を送りあって作っています。「ここはこうした方がいいんじゃない?」って、その度にテキストで打って、また作り直して送りあうっていう感じで。

わりと突発的な印象の曲もあるのに、じつは緻密に作られていたりするのかなと想像しました。

サトミ:ライヴはすごく突発的で、アレンジとかもバラバラに変えたりとかします。けっこうカット・アップした感じで、今回もA-B-A-Bとか決めてなくて、あとでパズルみたいに部分部分を組み合わせたりしてます。

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べつに日本人を意識してなくて、普通ですよ。アメリカってほんとに人種がいっぱいいる国で、日本人だからって持ち上げられることもないです。ディアフーフを好いてくれる人ってオープン・マインドな人が多いんです。だから、アメリカだけに引きこもってる人たちじゃなくて、インターナショナルな音楽に興味がある人たちが多いんで。


ディアフーフ
ディアフーフ vs イーヴィル

Pヴァイン・レコード E王

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少しお話が変わるのですが、今回〈キル・ロック・スターズ〉から〈ポリヴァイナル〉への移籍には、おもな理由としてはどういったことが挙げられるのでしょうか。

サトミ:〈キル・ロック・スターズ〉はすごく長かったので、いまでもすごくいい関係なんですけど、この前〈ポリヴァイナル〉からL.A.のバスドライバーというラッパーと7インチを出したんです。彼がディアフーフの新作の中の1曲でヴォーカルをやるという企画で。そのときに〈ポリヴァイナル〉の人たちと仲良くなって。前から〈ポリヴァイナル〉からはディアフーフと何かをしたいって言われてました。でもずっと忙しかったせいもあって。今回はいい機会で、一緒にお仕事してすごく楽しかったですし、違うオーディエンスにも聴いてもらえるかな? と思い、移籍しました。

なるほど。

サトミ:すごい似てるんです。ポリシーが。インディ・レーベル同士で、ファミリ―経営で。

イメージとしては〈ポリヴァイナル〉とディアフーフって合っていると思うんですが。オブ・モントリオールとか知的で一癖あるエクスペリメンタル・ポップみたいな。

サトミ:オブ・モントリオールは仲いいんですよ。あとフェスで知り合った、ジャパニーズ・アメリカンのユキさんて人がやってる......

アソビセクス!

サトミ:そう、彼女はニューヨークに住んでて、ジャパニーズ・アメリカンだからアメリカ育ちなんですよ。

へえー、そうなんですか!

サトミ:ユキさんとお話してたら、「いいよー、〈ポリヴァイナル〉。」って教えてくれて。

あ、そうか。ジャパンドロイズとかトクマルシューゴとかもいますね。

サトミ:ジャパンドロイズは知らないな。トクマルくんは最近ですよね。「一緒に移りました」とか言っとこうかな。「トクマルくんが移るから私たちも移りました」って(笑)。

ははは。あとはアロハとかジョーン・オブ・アークとか。ちょっと古いエモ/ポストロックからオブ・モントリオール、そして若いところだとアソビ・セクスやジャパンドロイズ。そのなかにすっとディアフーフは合うのかなと思いました。

サトミ:そうですか。自分たちは合うかな? って思ってたんですが(笑)。

え、そうなんですか(笑)。

サトミ:でも仕事が円滑っていうか、コミュニケーションのレヴェルがすごいんですよ。アイディアを出したら、すぐにそのアイディアを膨らませて返ってくるし、すぐそれを実行してくれるから。日本みたいに、みんながんばって働いてるなあって。

真面目な、きちんとしたレーベルなんですね。ところで、アルバムでいうと『アップル・オー』から以降が、ごく一般的なディアフーフのイメージだと思います。体制も現体制に近いものなのかなと思いますし。だから実際の結成は90年代なかばでも、どちらかというと2000年代のバンド、2000年代のインディ・シーンを充実させ、更新しつづけてきたバンドだと認識しています。それは『ピッチフォーク』などのメディアと相補的な関係で築かれてきたものだとも思うのですが、2000年代というのはサトミさんにとってどのような時代でしたか。

サトミ:そう、もう2000年代終わっちゃったんですね。2000年......ずっとサンフランシスコに住んでいたんですけど、もう、一生懸命ディアフーフをやっていたので、あっという間に過ぎました。あんまり切り替えがないくらい忙しくて。曲つくってアルバム出してツアーして、『アップル・オー』くらいは毎年出してますよね、ツアー行きながら録音してて。レディオヘッドのオープニングやってるときなんて楽屋でミックスしてました!

それは外から作れ作れっていうプレッシャーがあるんじゃなくて、自らのモチベーションでそうなるんですよね?

サトミ:モチベーションもあるし、もう楽屋待っているだけの時間がもったいない!って。ツアーってほとんど移動なので、仕事ができる期間が少なくて、みんなが一緒にいない時間はプライヴェートに過ごしたいし、一緒にいられる時間っていったら移動時間しかない。移動と楽屋。で、すごいがんばってたんですけど、そしたらトム・ヨークも曲作りやってて(笑)。アトムス・フォー・ピース(トムの新ユニット)のやつを隣りの部屋で。「あ、やってる!」って、こっちも負けじとやりました。

ははは。

サトミ:でもやっぱり多いですよ。空いてる時間を有効にって思ってるバンドは。

ではまわりからいろいろ摂取するというよりは、内側から吐き出す、出力するという時間だったんでしょうか。この10年は。

サトミ:まわりからの圧力はなかったのに、自分たちでモチベーションを上げて、レーベルに「はい、これできました。」ってどんどん渡して。インディ・レーベル所属でディアフーフはDIYでプロデュースするので、渡せばすぐリリースしてもらえて、よく知らないのですけれど、メジャー・レーベルみたいにサラリーマン的なやり方じゃなくて自由です。だからインディ・レーベルが好きです。セルフ・マネジメントして、人に動かされないで、自分たちがやりたいようにやって。悪の組織っぽいものに巻き込まれないようにがんばっていきたいです。ディアフーフ対悪!

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その頃のヒッピーたちがサンフランシスコにはまだたくさん残っています。それかすごい若いヒップスターたち。かわいい服来てバーに飲みに行くっていう感じの。ヤッピーとかまわりではひとりも知らないけど、たぶんヤッピーが80パーセント。いまニューヨークとサンフランシスコって家賃が同じくらいの相場です。そのヤッピー化がすごい深刻で、もう引っ越そうって。


ディアフーフ
ディアフーフ vs イーヴィル

Pヴァイン・レコード E王

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はい。仕事もそうなんですが、サトミさんご自身にとってこの10年の空気ってどんな感じだったんでしょう。たとえばこんなバンドが印象深かったとか、映画でもなんでもいいですし。

サトミ:一緒にツアーしたバンドのことはよくわかるんですけど、私すごい疎いんです。だって、この前初めてジャスティン・ビーバー知ったんです、1週間くらい前。

(一同笑)まあ、私もちゃんと聴いたことないですけどね。

サトミ:みんなにすごい驚かれました。ココロージーの人にもこのあいだ東京でばったり会ったんですけど、名前は知ってたんですけど、音楽は知らなくて。

(笑)ココロージーはけっこう活動長いんですけどね。〈タッチ・アンド・ゴー〉ですよ。

サトミ:そう、すごい疎いんですよ。あんまり自分でサーチとかしなくて、人からもらったりするミックスCDとか聴いて、ああこれいいなあとか思ったり。でも「コンゴトロニクス」は好きで、コノノNO.1とか、友だちと踊りに行ったりしてました。そしたら、偶然、「コンゴトロニクス」のクラムドディスクの方から声がかかって、リミックスをしたりしました。

あ、そうですよね! セールスやツアーとかでは、とくに相性がいい国とかはありますか? やっぱりヨーロッパとか日本になるんでしょうか?

サトミ:この前、初めて東ヨーロッパをツアーしたんですが、それはすごい盛り上がりました。ロシアとかもけっこう行ってて。どうなんだろう。ディアフーフがいちばん受け入れられないなって感じるのは、イタリアですね。

はははは! そうなんですか?

サトミ:それはメンバー全員一致でそう。受けないんですよね。なんかポスト・ロックとかが好きな土地みたいで、すごくかっちりしたバンドが受けるみたいなんですね。すごくテクニカルなものが。ディアフーフって、全部がゆるく流れるような大っきい動きだから。あと、なんか冗談とかもたぶんちょっと違うんだと思う。国民性っていうかツボみたいなものが。ちょっと残念なんですけどね、イタリア大好きなのに!

それはオーディエンスの感じから伝わるんですか。

サトミ:そうですね。熱いお客さんはいるんですけど、もう行くことないかも。

へえー。サトミさんの、そういう佇まいというか、サトミさんというモデルの影響力はすごく大きいと思うんです。ノイズ・ロックと日本人女性の平板な感じのヴォーカル、っていう。起伏の少ないすごく特徴的なヴォーカル・スタイルで、サトミさんひとりで日本人女性アーティストの対外的なイメージすべてを担っているというくらいの影響力があると思うんですが、そういうものが受け入れられる国とそうでない国、ということですかね。あ、でもブロンド・レッドヘッドとかは......

サトミ:イタリア人ですよね!

そうですよね、イタリア人兄弟+日本人女性ですよね。サトミさん自身は、サトミさんご自身へのオーディエンスからのリスペクトや支持・人気を感じますか?

サトミ:そうでもないです。ロックスター・スタイルがぜんぜんなくて。べつに日本人を意識してなくて、普通ですよ。アメリカってほんとに人種がいっぱいいる国で、日本人だからって持ち上げられることもないです。ディアフーフの音楽がほんとに好きって言ってくれる人がいるだけですね。けっこう日本人ヴォーカルだって知ってる人も多いし、ディアフーフを好いてくれる人ってオープン・マインドな人が多いんです。だから、アメリカだけに引きこもってる人たちじゃなくて、インターナショナルな音楽に興味がある人たちが多いんで、とくにいまの時代はそういう(人種に線引きをする)若い人たちって少ないと思います。

ヴォーカルについてのお話をもう少しお聞きしたいです。「平板」と先ほど申し上げましたが、チャイルディッシュで神秘的で、でもとっても知的で。歌詞もそうだと思うんですが、そういう要素がマッチョなものに対する批評として働いていて、ディアフーフの音楽自体と同様に、それはひとつの革命だったと思います。ライオット・ガール的な問題をライオット・ガールとは逆の方法論で提示している。〈キル・ロック・スターズ〉ってライオット・ガールのイメージが強いですよね。

サトミ:うんうん。90年代初頭、って感じですね。

はい。そういうマッチョイズムに対する批評として、サトミさんのヴォーカル・スタイルにはすごい影響力があると思いますが、どうでしょうか?

野田:今のは、あれだよね。橋元さんのディアフーフ論で。結局、あえて抑揚をつけないことの意味って何なのかってことでしょう?

サトミ:ああー。ディアフーフはヴォーカルと楽器を同じように扱ってて、たとえばレディー・ガガだったらヴォーカルをすごく強調してたりするけど、ディアフーフはトランペットとかとヴォーカルの扱いは一緒で。だから逆に、こぶし?(ヴィブラート)とかつけないでって言われるんですよね。音としてとらえて、ヴォーカルとしてとらえない。だからおもしろいダイナミクスがあるんですね。モヘアみたいな。どこかが飛び出てるけど、必ずしもヴォーカルでない。ライヴでもギター(のレヴェル)を上げます。ヴォーカル上からかぶせないで。そういうコンセプトはあります。でも、それ当たってるかも。マッチョなものが嫌いで。ジャズやクラシックとか好きです。マッチョな音作りは避けます。ベースとかもミュートしたり、リズミカルにして、そういうところには気を遣っているつもりです。

面白いのが、ギター・バンドとしてのプライドというか美学もすごくあると思うんですよ。それなのに全然マッチョじゃないのは、バンドとしてのまとまりや音楽性がすごく完成されているからだと感じます。ご自身のスタイルはずっと、最初からあったものなんですか?

サトミ:そうですね。オペラティックや演歌っぽいスタイルはたぶん自分にないものです。自分にそのカードがない。あとヴィブラートとかはあんまり音に合わないと思います。合えばやってもいいんですけど。ほんと、だからブラス・バンドみたいにこう「ボー」っとした、音みたいな声、そういうのが合うと思ってて。

でも、すごくフォロワーを生んだんじゃないでしょうか。あまりにオリジナリティがあるから真似は難しいですけど、意識や雰囲気としては。

サトミ:あ、でもこの前ライヴに来てくれたグループが「カヴァーやってます」って言ってて。ディアフーフのカヴァー・バンド。だからどんなんだろうなって思ってユーチューブで観てみたら、すっごいヴィブラートつけて歌ってたの。

(一同笑)それ違うじゃんっていう!

サトミ:歌い方が全然違うっていう。しかもすごい叫んで歌ってて。それであれをディアフーフがやったら、違うかなーって思いました。自分でやってみたことないから、人がやってるのを観てすごい勉強になる(笑)。それからユーチューブでいろいろ探してみたら他にもけっこうカヴァー・バンドがいて、面白いんですよ。

新解釈だったかもしれませんね(笑)。

サトミ:けっこうリンクでいろいろなカヴァーを観れて、面白いです。いろいろな国にいて。スウェーデン人の男の子がファルセットで歌ってたりして。

ははは! カヴァー・バンドばっかり10組とかで面白いアルバムができそうですね。

野田:ヴォーカリストとしてインスピレーションを受けた人っているんですか?

サトミ:前にもインタヴューで言ったことあるんですけど、スウィングル・シンガーズとか好きです。あの、女の人4~5人でラララッーって歌う感じの。

コーラス・グループみたいな人たちですか?

サトミ:そうですね。あとは......なんでも聴くんですけど、そんなに自分のヴォーカルを研究したことがなくって、歌ってたら「そんな感じがいいんだよ」ってまわりに言われて。で、みんなも「それでそれで」ってリクエスト受けてます。

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歌詞もみてないのに、このきのこ雲入れてきたんですよ、デザイナーは。アメリカってカルチャー的にそうなんでしょうね。すごくポリティックな話題をよくするんですよ。みんな政治に興味があるから、シティ・カレッジ行ってたときももう政治の授業がパンパンに人入ってて。


ディアフーフ
ディアフーフ vs イーヴィル

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日本って戦争に負けて以来大人になれないというか、軍隊も持てない子どもの国ってことで「12歳」なんて揶揄もありますけど、そうしたものを重ねて見られたりすることはありませんか? 奈良美智とか......

サトミ:はい。いちどお会いしたことあります。

ああ、そうなんですか! 好きですか?

サトミ:ええと、はい。好きですね。海外のミュージアムに行ったりすると、奈良さんの作品ってあったりしますね。

「ネオテニー・ジャパン」なんて言い方もありますね。大人なんだけど子どもの形をしている。あるいは村上隆さんとかがたとえばアニメを用いて戦略的に提示しようとされている日本人としての表現手段。バンドとしてそうした意識はなかったとしても、やはりディアフーフを見る側にはそういう視線もあると思うんですが。

サトミ:うーん。そうなんだろうなーと思います。

(笑)あ、そうなんですか。

サトミ:自分でそうアプローチしてやってるわけではないですけど、なんか「子どもっぽい歌い方をしている」とか書かれるんですよ。でも、自分でそういうふうにして歌ってるつもりじゃないんです。なんでそうなるんだろう? 「フェアリー」とか「チャイルドライク」とか、言われます。逆に、Jポップとか聴くとみんなすごい似てるなと思うんです、歌い方が。ちょっと不思議。

ははは。カラオケ文化の産物ですかね。

野田:インターナショナルなところではやっぱり日本のアーティストとしてそういう型にはめやすいって部分はあるだろうね。

その部分で面白いディアフーフ評はありますか? レヴューされたことで印象深かったことというか。

サトミ:うーん、「何を言っているかわからない」って書かれたことはありますね。英語のアクセントが下手だから。で、なんか当て字っていうか、推測で「こう言ってるんでしょ?」って書かれたメールとかがきて(笑)! 言葉として伝わってないことが多いみたいです。だから今回のアルバムは、言葉を少なくしました。歌詞のリフレインとか、ヴァリエーションを増やして、文字数は少ないです。もっとこう、音として頭に入ってくるし、何回もリフレインすれば言葉も頭に入ってきやすいので、「またこの言葉?」みたいな繰り返しになってます。あとは、毎回子どもっぽいって言われ続けてるので、逆にドライに歌って、クールで冷静な姿勢を見せようと思って。そんなつもりなんですけど。あ、でも今回は言われてないですよ「チャイルドライク」って! そこは成功。

(一同笑)

サトミ:もうチャイルドとは言わせないぞってくらいの勢いで。

野田:ははは。「ミルクマン」のイメージも強いんじゃない?

サトミ:そうですね。あのかわいい感じ。音とかもこう、鉄琴を使ったりして。だから今回鉄琴はヤメようって。

ははは、鉄琴禁止!

サトミ:そう、鉄琴禁止令。これ、わたし論なんですけど、突き詰めたらドラマーって鉄琴にいく確率高いんですよ。

はははは! 面白い。そうですか?

サトミ:そう、絶対。出た鉄琴! みたいな。ああ、この人も鉄琴いくんだーって。ドラマーって、ジャズとかでも、長ければ長いほど周りにモノが増えていって。こう、サンプラーとか。ドラムの横でヴィブラフォンとか弾いちゃったり。叩けるものは全部叩け、みたいな。グレッグにいつも「鉄琴だけはヤメてね」って言ってるんです。

詞は、詩的な結晶度が高いというか、絵本のように少ない言葉で多くのものを喚起させるというスタイルですよね。好きな詩人とか作家はいますか?

サトミ:名前を出すのはあんまり好きじゃないんですけど、ジャック・タチとかすごい好きで、毎回涙流して笑っちゃう。ほんとすごいかわいくて。ひねくれたユーモアが飛び出してきて、ディアフーフみたい!

野田:いいじゃないですか!

サトミ:あとは安部公房とか好きです。すごく写真的で。けっこう私もビジュアルから入って考える方なんで、散歩とかして頭ん中で考えたりとか。他のメンバーは違うんですよ。こう、ずーっとギター持ってじっと考えてたり。でも、あんまり影響された人とかはいないですね。好きなものと自分がやることは別。

サンフランシスコは住んでいていい場所でしたか? 場所として影響を受けたりされました?

サトミ:そうですね。ずっと天気だし、みんなすっごいゆっくりしてます。生活スタイルが。だからマイペースになりますね。カリフォルニアは。

若いバンドで刺激的なお友だちとかは?

サトミ:タッスルやヘラは個人的に仲いいです。あとは若くないけど、グワーとか。あの怪獣みたいな着ぐるみの。

グワー! 個性的でひねくれた人たちが多いですね。

サトミ:サンフランシスコは個性的な人が多いかな。アメリカ人って皮肉なジョークに溢れているので、日本に帰ってきて、みんなすごいピュアだなあって感心します。安心する。落ち着きますね。アメリカでは「クール!オーサム!グレート!」の3拍子があるけど、一種の挨拶で「こんにちは」の意味ととらえていいと思います。おおげさに表現するのがスタンダード。個性的といえば、同じマンションの人が多重人格性で一回ナイフを突きつけられたことがあって。すごい怖かったですね。

うわあ。多重だから誰に責任を問うていいのかわからない!

サトミ:いまでもたまにディアフーフのショーに来てくれるんですけど、春になるとオンになるみたい。そのナイフの方の人格に。それでいまどっちなのかなあとか思ったりして、怖いですね。たぶん70年代の影響があって、そのくらいにアシッドとかやりすぎておかしくなっちゃった人が多いかなあ、みたいな場所。その頃のヒッピーたちがサンフランシスコにはまだたくさん残っています。それかすごい若いヒップスターたち。かわいい服来てバーに飲みに行くっていう感じの。ヤッピーとかまわりではひとりも知らないけど、たぶんヤッピーが80パーセント。いまニューヨークとサンフランシスコって家賃が同じくらいの相場です。そのヤッピー化がすごい深刻で、もう引っ越そうって。

ああ、そうなんですか。

サトミ:もうどこ行っても。昔よく行ってたかわいいカフェとか、みんなが集まるようなとこもぜんぶスターバックスになっちゃったし、高いレストランばっかりになっちゃって、なんか、つまんないですね。

あれ? いまお住まいって......

サトミ:恵比寿です。去年の8月に引っ越してきて。

野田:ああ、それでキモノズとかに参加してたんですか。

サトミ:はい。でもいままた引越準備してるんです。また来年からツアーが11月までずっと入ってて、もう帰って来れないので、出ちゃおうと思いました。

日本ライフはどうでしたか?

サトミ:もう楽しくって! もっといたかったです。

野田:ははは。日本帰ってきた人はみんなそう言うね。

サトミ:楽しいっていうか、日本だと話も通じるし、アメリカはやっぱり貧富の差も激しいし。日本は平和ですよね。むこうはふつうに強盗とかもあるから、ずっと気を張ってるし、12時以降は外出るのやめようとか。タクシー乗ろうとか思っても、タクシーの運転手さんにどこ連れてかれるかわからないし。だから最初帰ってきたときは挙動不審だったんです。アメリカの緊張感でいるから、すごい怖がられて。そういう防衛意識を捨ててふらふら歩いてても日本は大丈夫なので、すごく、明るくなりました。性格が。

日本以外にずっと住んでおられたことで、日本に対して客観的な視線を持つことができると思うのですが、帰国されて改めて見えてくる日本というものはありますか。面白いもの、よくないもの、なんでもいいのですが。

サトミ:平和だなというのと、みんな優しい。

テレビとか観ないんですか?

サトミ:あんまり観ないです。だからジャスティン・ビーバーとかも知らなくて。

ああ、そうですね。じゃ、AKB48とかもご存じない?

サトミ:AKBはなんか、友だちにユーチューブを無理矢理観せられました。「これは絶対観なければならない!」とか言われて。

どうでした?

サトミ:80年代っぽいなあという感じで、アイドル・カルチャーはあんまり変わってないなって思いました。それはアメリカも同じだから。

ドラマとか映画とかは観ないんですか?

サトミ:アメリカのコメディ。ユーチューブとかで観ますね。すごい面白いです。なんか毒々しいんですよね。

アメリカのになっちゃうんですね。コメディなんだ。

サトミ:あ、今日はたまたまドラマ観てました。で、思ったんですけど、日本の刑事物って絶対最後に犯人が告白っていうか後悔したり謝罪したりして、これはアメリカにはない展開だなって思いました。

はははは!(一同笑)

サトミ:犯人が謝るだなんて、ないですよ!

はははは!

サトミ:これが日本なんだなって! テレビで道徳の授業が受けられる。テレビも教育の一環だっていう。

■犯人は撃たれて終わり。徹底的に外部的な存在で、こっちの世界に回収されることはない......

サトミ:ていうか、いい人が撃たれて終わるんです。子どもがレイプされて死んじゃうとか、アメリカのテレビ観て、これはほんとショッキングで寝れないなって最初の頃は思ってて。でもだんだん慣れてきちゃってどんな展開でもアリかなっていまは楽しめます。

なにかおすすめはありますか?

サトミ:『ティム&エリック』や『チルドレンズ・ホスピタル』っていうコメディはぶっとびー。『サーティー・ ロック』とかはふつうに面白いです。アメリカのお笑いって、ちょっと冗談キツすぎて笑えないっていうところがあるけど、慣れるとはまります。

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ディアハンターの初めてのショウって、ディアフーフのオープニングなんですよ。それでね、ディアハンターが有名になってからはすごい間違えられるんですよ。ディアハンターが出るのに「ディアフーフ!」ってMCが紹介したり、ディアフーフが出るのに「ディアハンター!」って言われたり。


ディアフーフ
ディアフーフ vs イーヴィル

Pヴァイン・レコード E王

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さて、ではこのアルバム・タイトルについてお伺いします。「イーヴィル」っていうのはつまり?

サトミ:はい。「悪」なんですけど、「スウィート・シックスティーン」というのがコンセプトだったので、そういうティーンエイジャー的な、キャッチーなタイトルがいいねっていう話になって、そしたらグレッグが「じゃあ、『ディアフーフ対イーヴィル』は?」って言い出して。"スーパー・デューパー・レスキュー・ヘッズ"って曲がありますけど、まさにスーパー・デューパー・レスキュー隊っていう、ゲームっぽい感じがいいんじゃない? ってことでこうなりました。「ナントカ隊」とか「ゴジラ対キングギドラ」みたいな感じ。ティーンらしい。

なんとなく「イーヴィル」という言葉によって名指されているもの、イメージっていうのはないんですか?

サトミ:みんなが思いつく「イーヴィル」っていうのはそれぞれ違うと思うんですけど、戦争だったり、メディアだったり、みんなが思いつく悪だったら何でも。

はい、ゲーム的なイメージの戦争だったりってことでしょうか。

サトミ:ゲーム的にテレビで放送されるブラウン管の向こうの遠い戦争。悪ってなんだろう? って。だからってディアフーフが悪じゃないわけじゃないんです。それはみんなのイメージを膨らませて考えてほしいです。先生が悪だっていうティーンもいるだろうし。

でも「ディアフーフ対善」ではなくて、「悪」なんですよね。

サトミ:そうですね。「ディアフーフ対善」でも良かったかも! でも、それだと毒々しさが欠けるかな。「対悪」がディアフーフっぽいかなというのがありました。どうですか? どんなふうに感じました。

私は「ディアフーフ対世界」って感じの意味かなと。

サトミ:そこまでおおきくなっちゃいますか?

野田:それはむちゃくちゃ深読みだね。

すみません(笑)。「イーヴィル」って「悪」って意味ですけど、「全体」というイメージで捉えました。ディアフーフ対それ以外のすべて。

サトミ:じゃあ孤立してるんだ。

「自分対それ以外のすべて」っていう感じで16歳の子が立ってる。

サトミ:ああ、それいいですよ。それ、じゃあ「イキ」で。

野田:最近は対立構造っていうのをあんまりはっきり言わないじゃないですか。

去年だとハイ・プレイシズがちょっと似たタイトルでしたね。

サトミ:ああ、それこの前なんかのインタヴューでも尋かれました。ハイ・プレイシズ対、何でしたっけ?

マンカインド......

野田:マンカインドだね。

サトミ:マンカインドを敵に回したらヤバイでしょう!? それはちょっと。

ははは! では「イーヴィル」は「マンカインド」ではない。

サトミ:「カインド」ではないですよ。「マンカインド」って人類じゃないですか。「ディアフーフ対人類」はひどくないですか? 「ザ・マン」ならわかりますけどね。社会的にいちばんトップの人とかが「ザ・マン」だから、そういう人って悪い人かもしれないけど、「マンカインド」は。すごいですね、そのタイトル。

はははは。ジャケットのハートは「スウィート」の意味ですかね。

サトミ:たぶんそういう冗談ですね。マットっていう......マシュー・ゴールドマンってアーティストが作ってくれて、「ディアフーフ対イーヴィル」って言ったら、もうそのタイトルで頭の中浮かんだ! って言って、描いてくれました。アートワークができあがってから思ったんですけど、「イーヴィル」については、ソニック・ユースの昔のアルバム『イヴォル(Evol)』を連想しました。「ラヴ」の逆。善と悪は常にお隣同士、「ラヴ」と「イーヴィル」(「イヴォル」)は背中合わせのイメージ。だから(ハートの)後ろに原爆が写ってたりとか......

ああ、これ原爆ですか。

サトミ:きのこ雲ですね。

じゃあ、なんとなくイーヴィルのイメージも固まりますね。

野田:もうティーンエイジャーのイメージではないね。ポリティカルだね。

サトミ:でも中開けるとポリティカルじゃないですよ。女の子がこうして写ってて。中見てみてくださいよ!......ほら、こんなにカラフルで!あ、でもこれ一瞬ポリティカルにも見えますね。

ちょっとヒップホップのイメージですね。

サトミ:ぱっと見がゲームのパッケージみたいから、子どもが間違えて買っていけばいいなあ。

野田:デザイナーにこういうイメージがあったんでしょうね。イーヴィルっていったら戦争だよなっていうような。

サトミ:歌詞にちょっとそういう言葉もあるんですけど、歌詞もみてないのに、このきのこ雲入れてきたんですよ、デザイナーは。アメリカってカルチャー的にそうなんでしょうね。すごくポリティックな話題をよくするんですよ。みんな政治に興味があるから、シティ・カレッジ行ってたときももう政治の授業がパンパンに人入ってて。

野田:でもアメリカで「原爆」っていう表現は、それこそアメリカ批判の奥の手というかねえ。ある意味すごくきわどいデザインなんじゃないですか。中身は可愛くても。

サトミ:なんか原爆をモチーフにしてるものって多いですよね、パンク・ロックとか。たぶんこれもわざとなんだと思うんですよね。ほら、パンク・ロックだと必ず原爆が出てきて、今回ディアフーフは「スウィート・シックスティーン」がテーマなわけだから、マシューはすごくパンク・ロック的なイメージで使ったのかなと思います。デッド・ケネディーズとか、アシュックとか。

白黒の。

サトミ:そう、だからあんまり色を使わない。色っていうか、何色も何色も使わない。モノ・トーンな感じで。最初のギタリストのロブがものすごくポリティカルだったんですよ。メンバーも私以外みんなベジタリアンで、でもロブはもっともっとすごくて。フード・ノット・ボムズってオーガナイゼーションがあるんですけど、みんなボランティアでホームレスに食事を作ったりするんですよ。私も一回行ったことがあって、チャーチの地下とかで食事を作るんです。明日賞味期限が切れちゃうような食品をもらってきて、それで料理するんですね。そしたらホームレスがそれをジャッジし出すんですよ。「このスープはいまいちだな」とかって。もう「ええー!?」って感じ(笑)。

野田:僕の同級生もサンフランスコで同じことやってましたけど、その文化は日本では一般的ではないですよね。

サトミ:隣りで一緒にホームレスのおじさんと食べながらね。面白いんですよ。けっこう政治的な関心が高いから、あとはアニマルの保護とかにいったり。その頃に遊んでた友達がみんなけっこうおもしろくて。カリフォルニアの木が伐られるからって言って、木に自分を縛りつけたりとかするの。

野田:おおー。「俺を斬ってから木を伐れ」という(笑)。

はははは!(一同笑)

サトミ:そう、そしたらその彼が「ちょっと僕ポートランド行くからディアフーフの車に乗せてって」って言ってきたんで一緒に行ったことがあったんですよ。それで途中のガソリン・スタンドですれ違ったとき見たんですけど、彼、手を洗ったあとに何枚も紙を使ってました!

ははははは!(一同笑)

サトミ:なにそれ、それちょっとわかんない! って(笑)。「それはいいの?」って訊きました。

ちょっとそういう意識が高いあまりに病的になっちゃうんですね。意味があべこべになっちゃう。さっきソニック・ユースの名前が出ましたが、ディアフーフってギター・バンドとしてのプライドがすごくあると思うんです。

サトミ:そうですか? 私はあんまりディアフーフにギター・バンドになってほしくないです。いつももっと「キー・ボード、キー・ボード!」って言ってます。

ソニック・ユースとかにも共通する、90年代のギターの音と、2000年代の知性と、サトミさんのヴォーカルとでほんとにずっと新鮮な音を出しているという印象なんです。ここ2、3年は深いディレイやリヴァーブのかかったギターの音がインディ・シーンでは主流で、そんな中でディアフーフのようにソリッドなギターの音が聴こえてくるとすごく緊張するんですね。あ、違う音がなってるって。たとえばディアハンターとか、どうですか?

サトミ:はい、お友だちです。ディアハンターの初めてのショウって、ディアフーフのオープニングなんですよ。

野田:ああ、そうなんですか!

へええ! そうなんですか!

サトミ:それでね、ディアハンターがポピュラーになってからはすごい間違えられるんですよ。ディアハンターが出るのに「ディアフーフ!」ってMCが紹介したり、ディアフーフが出るのに「ディアハンター!」って言われたり。

はははは! 大雑把だなあ。音ぜんぜん違うのに!

サトミ:Hまで合ってるから、いいかな。

よくないよくない!

サトミ:「ディアハンターでーす」とかって言ったりして。

もしディアフーフがすっごいリヴァービーだったりするとびっくりしますが。ではシューゲイザーとか興味はないですか?

サトミ:うーん、シューゲイザーってカテゴリーなんですか? だってシューを見てるっていう意味なんじゃ......

ですよね。でもカテゴリーになっちゃってますね。私よく言うのが、彼らは「シュー芸ザー」だっていう。シュー芸、つまりマイブラやスロウダイヴごっこをやる芸人さんたちなんです。そういう人たちでなんというかコミュニティというか。シーンが出来上がってしまっている。

サトミ:あははっ。シュー芸。なるほど。たぶんぜんぜん興味ないですね。でもディアフーフは何やってもよくて。レゲエとかやってもいいんですよ。ジャズやってもいいし。レゲエはあんまり上手じゃないですね。たまにリハとかでレゲエやろうよとか言って、ッジャッ、ッジャッ、ってはじめるんですけど、全然合ってないっていうか、常夏のイメージが全然出ないねってなって。難しいですねレゲエ。どう思いますか、ディアフーフのレゲエ。

野田:いや、面白いね。すごい聴きたいです。次のアルバムはぜひ(笑)。

サトミ:あはは、ほんとですか? 「ジャー!」って言って出てくるんです。

ははは。ダジャレじゃないですか! では次作の方向性も見えてきたということで(笑)、どうもありがとうございました。

瀬尾リンタロウ(探心音) - ele-king

探心音クラシックス


1
Floating Points - Shark Chase - EGLO

2
Blagger - Strange Behavior (Dj Koze aka Swahimi Remix) - Perspectiv

3
DJ Sprinkles - Masturjakor Dub - mule musiq

4
Khixbrrr - Fairies - Northern General

5
OZKA - Intel Dub - Mowar

6
Cultural Vibes - Ma foom Bey - Easy Street

7
Namlook - Subharmonic Atoms - Macro

8
Four Tet - Love Cry - Domino

9
Blackalicious - Make You Feel That Way - MCA

10
Monty Alexander - Monticello - MPS

[Post Dubstep & Techno & others] #2 - ele-king

1. Toddla T ft. Wayne Marshall / Sky Surfing | Ninja Tune


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 トドラ・Tとは、ダンスホール・スタイルのマイク・スキナーと評価されているシェフィールドのDJで(まだ25歳ぐらい)、2009年に最初のアルバム『スカンキー・スカンキー』を〈1965〉から発表している(僕はかなり好みだった)。暗い感覚が多くを占めるUKのアンダーグラウンドにおいて、異例と言える陽気さを持っている人で、彼の音楽の売りのひとつである"笑えるリリック"がわからなくても、グライムとダンスホールのハイブリッドなポップ・ヴァージョンとして楽しめる。で、その明るさ、その音楽性を考えれば〈ニンジャ・チューン〉ほど彼に納まりの良いレーベルもなくて、これは移籍第一弾のシングルとなる。
 "スカイ・サーフィン"はジャマイカのMC、ウェイン・マーシャルをフィーチャーしたご機嫌なダンスホール・ナンバーで、リミキサーはベンガ、新人のドウスター(Douster)、グラスゴーのベテラン、DJ Q、で、もうひとりもベテランで、ロス・オートン。オリジナルでは今年流行の絶頂を迎えているオートチューンを使い......、だからもうその声はいい加減聴き飽きたぜよと思うのだが、ウェイン・マーシャルのガッツ溢れるラップがこのエレクトロ・ダンスホールに生気を与えている。そして、これでもかと言わんばかりのアッパー・チューンをベンガはダークなサイバー・テイストに、新人のドウスターはポスト・ダブステップへと変換する。『スカンキー・スカンキー』の共同プロデューサーであるロス・オートンはさらにそれをレゲエ色を強め、ファンキーなシンセベースを注入し、DJフレンドリーに仕上げている。セカンド・アルバムのリリースは来年だそうだ。

2. Subatomic Sound System Meets Ari Up & Lee Scratch Perry / Hello, Hello, Hell Is Very Low / Bed Athletes | Subatomic Sound

 アリ・アップにとって遺作なってしまったのがこの7インチで、彼女が急逝する2ヶ月前にリリースされている。両面とも『スーパー・エイプ』に収録された有名な"アンダーグラウンド"を使い、アリ・アップは彼女のラバダブを披露している。ラバダブ(Rub A Dub)とは、既存のレコードに上に新たに歌をのせたり、トースティングしたりするジャマイカのDJスタイルで、アリ・アップはリー・ペリーとともに、このクラシカルなリディムの上に素晴らしい声を乗せている。A面ではダブステップのテイストを取り入れ、そして後半にはオーガスタス・パブロのピアニカのような音色を響かせる。B面は、同じく"アンダーグラウンド"をネタにアリ・アップがセクシーで陽気なダンスホール・スタイルで歌いまくる。スピリチュアルでユーモラスな1枚。そして聴いて元気になる1枚だ。ファンなら絶対に買い。

3. Games / Everything Is Working / Heartlands | Hippos In Tanks


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 OPNのダニエル・ロペイティンが(ジョエル・フォードなる人といっしょに)チルウェイヴをやってる! と言われれば三田格でなくとも興奮するでしょう。この7インチ、A面の"エヴリシング・イズ・ウォーキング"が素晴らしい。ウォッシュト・アウトが永遠の夏なら、こちらは恍惚としたぬかるみとでも言いましょうか。まるでブリアルがダウンテンポ・ディスコをやったようなビートと儚く消えていく声という声、途中で入るギターのアルペジオが少々臭いが許そう......せめて10分ぐらいのロング・ヴァージョンで聴きたい。B面の"ハートランズ"はジェームス・ブレイクとウィッチ・ハウスの溝を埋めるかのような亡霊の歌の入ったダンス・ナンバーで、まあ、悪くはない。このプロジェクトのアルバムが出たら本当にすごいことになりそうだ。

4. James Blake / Klavierwerke EP | R & S Records


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E王 今年のナンバー・ワン・シングルはこれで決まり......いやいや、ちょっと待った、ネットで出回っているこれもまたすごいのよ。とにかくいま、12インチを買って家で聴いて驚きを感じるひとり、ジェームス・ブレイクのこの夏の大ヒット曲"CMJK"に続くシングルは、早速その手法(R&Bサンプルのグロテスクな応用)をいろんなところでコピーされたと思いきや、今度は違う角度から攻めてきた。アグラフのセカンド・アルバムと同じようにこれもピアノをテーマにしているが、しかしアグラフとはまったく違う方角を向いている。これは......ダークサイド・ミュージックで、ロンドンの汚れた街がよく似合うポスト・ダブステップである。
 前作同様に今回も4曲。歪んだベースが心臓の鼓動のように鳴り続ける上を蜃気楼のようなサンプリングが流れ、ブリープ音と合流する"クラヴィアヴェルク"。これもテクノやハウスともクロスオーヴァーできるトラックで、まあ、UKでクラブ・ヒットするのもうなずける。続く"ドント・ユー・シンク・アイ・ドゥ"もメロウで良い曲だ。ちまたにあるその他大勢の曲とくらべればずいぶんとぶっ飛んだ曲だが、ここには人を惹きつける美しいメロディがある......が、実を言うとB面の1曲目に収録された"アイ・オンリー・ノー"こそこのシングルにおける最高の瞬間だ。ピアノからはじまり、幽霊声がメロウに流れていく。ピッチは遅めで、シンプルなドラムとメランコリックなピアノの断片が空間を彷徨い続けている。
 かつてワイルド・バンチがアメリカのヒップホップとジャマイカのレゲエをブレンドして独自のハイブリッド・ミュージック(ブリストル・サウンド)を作ったように、ジェームス・ブレイクはアメリカのR&Bとダブステップをブレンドしてこの時代のストリート・ミュージックを創造している。ブリアルの次は彼だ。

5. Model 500 / OFI / Huesca | R & S Records


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 ゴッドファーザーの復帰作である。それだけで充分だろう。デトロイト・エレクトロここにありだ。しかも歌っている。36歳の伊東輝悦は清水エスパルスを解雇されてしまったが、来月48歳になるホアン・アトキンスはまだ現役なのだ。そして、多くのファンはこのシングルにモデル500の永遠のクラシック"ノー・UFOズ"を聴くだろう。マイク・バンクスによるリミックスは実際に"ノー・UFOズ"のシンセ・ベースラインが加えられ、デトロイトの伝説の復活を解説する。アトキンスはその心意気に応えるように、「アイム・フライング」と"ノー・UFOズ"のサビを歌う。俺はいまもぶっ飛んでいる。そう、ホアン・アトキンスこそデトロイト・テクノにおいてもっともぶっ飛んだ男である。そしてB面の"ヒュースカ"、これ、半分以上はマイク・バンクスの曲だと読んだ。

Kihira Naoki - ele-king

2010年夏の終わり、チャート


1
Foot Sole Foreigner - Of Bones & Dreams - D1

2
Caribou - Bowls - City Slang

3
Crash Course In Science - Flying Turns - Flying Jupiter

4
Guillaume & Coutu Dumonts - Radio Novela feat Dynamike - Circus Company

5
Adlut Napper - Slowly - Poker Flat

6
Mark Henning - Sweet Atom - Clink

7
Soul Center - Switch It - Curle

8
Tim Xavier - Urban Survival - Clink

Atom & Masaki Sakamoto - ele-king

 僕があれこれ批評する立場にいないことはよくわかっているけれど、20年近く前から同じようにレーベルをやったり日本の電子音楽を発掘して世界に発信しようとしてきたかつての仲間には、やはり頑張ってほしいからいつも少し辛口になるし、老兵の意地というかネット・レーベルなんかには真似できないような作り込んだプロダクションやあっと驚くような作品を聴かせてほしいと思ってしまう。最近UMAと名前を変えたらしい(?)〈サードイアー〉は、去年初音ミクでYMOのカヴァーをやったアルバムがかなりヒットしたんだけど、正直「もうどうやってもYMOの呪縛からは離れられないのかな」と感じてしまった。ほら、その前にもセニュール・ココナッツの『Yellow Fever』というヒットもあったし。まぁどっちもいい作品だったとは思うけど......。そして、そのセニョール・ココナッツのなかのひとでもある、アトム・ハートが、普段は神経内科医として活躍されてるという日本人マサキ・サカモトと組んだのがこちらのアルバムである。古いリスナーなら「アンビエントオタク」ことテツ・イノウエとかつてよく組んでいたアトム・ハートのことを思い出すかもしれないが、今回やっているのは、あの頃のアンビエントやエレクトロニカとも違って、なんというかエキスポ的な電子音楽博覧会だ。アトムでいうとHAT以降の細野さんとのつながりだったり、さらにはテイトウワとか、まりんの系譜にもつながるような神経質で繊細でキッチュで、でもポップという路線。YMOが大衆を惹きつけた大きな要素であり、遺伝子的に後の世代にも受け継がれてるあの感じをすごく持っている。

 サカモト氏のソロ作はしっかり聴いてないのでこれまでの作風を十分把握してるわけではないが、ノリノリでコスプレ風の写真に収まっているふたりを見ると、間違いなくレトロ・フューチャー的な志向はどちらか一方が仕切ったものではなく合作の方向性として自然に出てきたものなのではないかと想像できる(大元のコンセプトはアトム側から提示があったとサカモトがインタヴューで話している)。そしてそこで掘り起こされたのは、組曲風の意匠をまとった、カラフルな宴のごとき歴代電子音楽大全であり、冒頭ではノンスタンダード時代の細野さん的な東洋エレクトロOTTビートが幕を上げ、コシミハル嬢がかつてとなにも変わらないキュートな声で電子音との共演を聴かせ、トレヴァー・ホーン的なオケヒットがうなりを上げたかと思うと、フロア向けトラックのように重いキックが鳴ったり、さらには「サブライムだから」と言わんばかりにレイ・ハラカミのごときシンセが耳をとらえるのである。ジャケに描かれてる道の向こうの光は、誰が見てもわかるとおり『未知との遭遇』へのオマージュで、あのUFOとの交信に使われた曲のフレーズをモチーフにしたパートも後半には出てくるし、異星人交響曲と名付けられたアルバム全体が、「異星人は8本脚でもないし、地球を侵略しにやって来るわけでもない」という時代の変化とともに提示された科学・未来・未知への無根拠な信頼や明るい展望に彩られたあの頃への思いが詰まっている。

 ドイツ人のアトム・ハートがチリに移住してチリのペースで生活しながらこうやってまったく南米的でもなんでもない、むしろ東京的な電子音響に手を染めているのは、我々としては感慨深い。まぁ彼もセニョール・ココナッツやアシトン(アシッドなレゲトン)とか、南米に住んでいることを体現した音楽もやっているのでこれは、サイド・プロジェクトならではの上質な洒落というとらえ方もできるだろう。ただ、本職はドクターというサカモト氏が加わることで得られたはずの、商業的成功から解放された位置にいる音楽家ならではのプラスαの創造性というのがあまり見えてこないのが残念だ。ハラカミ的トーンをスパイス的に、なかばジョークとして入れるというのも、ここまで作り込んだ作品でなら「ニヤッとさせられる」という感想でもいいと思う。もし、少し前にUstreamでおこなわれたハラカミ氏のライヴを聴かなかったら、自分もそんな風に思ったかも。これまでの作風を一旦リセットするような、ときに猛々しくアヴァンギャルドな響きをまとった尖った音にビックリしつつ、中盤からじょじょにハラカミ節が聴こえてきて、あぁこの人はすごいと、その神々しいまでの電子音の波に打たれながら思ったのだ。普段はあんなに飄々としてるハラカミ氏だけど、あのライヴは回線を通してでもその並々ならぬ気迫が伝わってきたし、だからこそ、〈サブライム〉が、サカモト氏が、こういうアプローチをするのはどうなんだろうと、いまいちど考えてもよかったのんじゃないか。大人の遊びとしては充分すぎる楽しいアルバムだけど、音楽でどうやって食っていくか、いや職業としての音楽家でなくてもいいのではないか、というような議論が頻出するようになった現在だからこそ。

Massive Attack - ele-king

 ロバート・デル・ナジャ......3Dによれば彼が『ヘリゴランド』のポスターのために描いた絵は、ロンドンの地下鉄では使えないそうで、何故ならそれがあまりにも"ストリート・アート"すなわちグラフィティに見えてしまうからだという。もっともそれはマッシヴ・アタックにとって今回のアルバムが成功していることの証左でもある。しばしデヴィッド・リンチを引き合いに出して語られるマッシヴ・アタックの"暗さの芸術(art of dark)"は、ごくありふれた日常のなかの暗い予感を拡大してみせる。「嵐を予感すると人は背を向ける/不安だから」、と『ヘリゴランド』の"パラダイス・サーカス"でホープ・サンドヴァルが歌っているが、これは彼らの不朽の名曲"アンフィニッシュド・シンパシー"でシャラ・ネルソンが歌った「夜も知らないでどうやって昼を過ごせると思うのか」というフレーズとまあ同じようなもので、マッシヴ・アタックはこの世界の負性のようなものと向き合うことで自らのアートを磨いてきた。彼らは闇を友とし、雨を祈願した。コミュニケーションよりもディスコミュニケーションを、笑みよりも無愛想でいることを選んだ。そうした暗さの芸術家たる姿勢がいまやお馴染みとなった3Dの政治活動にも繋がっているのだろう。

 ただ、ファンにとって複雑だったのは、3Dが積極的な反戦デモ活動をおこしていた時期にマッシヴ・アタックが発表した『100th・ウィンドウ』が実に不可解な出来となっていたことだった。彼らのそもそもの武器――つまり、彼の地の音楽における二大要素=パンクとレゲエを繋ぐことのできた彼らの方法論――それは言うまでもなくヒップホップである。バンドからマッシュルームが去ったとき、多くのファンがマッシヴ・アタックから離れたのは無理もない話なのだ。彼らの暗さの芸術に眩い光沢を与えていたのはマッシュルームのブレイクビートであり、サンプリングのセンスだったのだから。『100th・ウィンドウ』にはそして、ダディー・Gすら関わっていない。豊富な音楽の知識を持つブリストルのベテランDJも離れ、音楽からは"ソウル"が消えてしまった。3Dは明らかに孤立し、そしてマッシヴ・アタックは長い冬眠に入った。もちろん誰一人としてそれを責めなかった。彼らは1990年代にクラシックと呼べる最高のアルバムを3枚(+1枚)も発表しているのだから。

 そんなわけで昨年の先行シングルを聴くまでは、僕はこのブリストルの大物の新作に何の期待もなく、注目もしなかった。だが、2008年にポーティスヘッドの10年振りの『サード』が素晴らしかったように、7年振りの『ヘリゴランド』も見事だった。3Dとダディー・Gはふたたびタッグを組んだ。多くの協力者が集まり、マッシヴ・アタックはソウルを取り戻したようだ。

 昨年リリースされて先行シングル「スプリッティング・ジ・アトムEP」を聴いてあらためて感心したのは、彼らの"暗さ"だった。中毒性の高いスカンキング・ビートをバックに、地上に釘付けにされたようなダディー・Gの(音程をキープできるギリギリの低音の)歌ではじまり、続いてホレス・アンディの高く甘い声、そしてまたダディー・G、そしてまたホレス・アンディ、それから3Dの妖艶な声へと代わっていくそのタイトル曲は、不機嫌というよりは恐怖の領域で鳴っている。そしてタチの悪いことに、曲も歌詞も魅惑的なのだ。「ドープなしではホープはない。失業者のお帰りだ」――とても他人事とは思えないだろ? 結局"スプリッティング・ジ・アトム"はアルバムのなかでもベストな1曲で、曲のモチーフは昨年の、G20金融サミットときの銀行を粉々にしたロンドンにおける反資本主義の暴動ではないかと思われる。(筆者による『SOOZER』誌のための取材で3Dは、暴動はコンサートよりもマシだと大いに肯定している)

 『ヘリゴランド』の1曲目となった、TV・オン・ザ・レイディオのヴォーカリスト、トゥンデ・アデビンペをフィーチャーする"プレイ・フォー・レイン(雨乞い)"の不気味なパーカッションによる墓場のダンスホールもたまらない魅力がある。が、マルティナ(トリッキーの初期の名作におけるヴォーカリスト)の個性あるパンキッシュな声をフィーチャーした蜃気楼のダブステップ"バベル"、アシッディなミニマリズムとマルティナの歌による"サイケ"、あるいはホレス・アンディが歌い、ブレイクビートと震動するベースラインがしなやかな絡みを見せる"ガール・アイ・ラヴ・ユー"のような曲こそファンが待ち望んでいるマッシヴ・アタックかもしれない。これらの曲は『ブルー・ラインズ』へと接続する。そして、エルボウのガイ・ガーヴェイをフィーチャーしたドラッギーな悲歌"フラット・オブ・ザ・ブレード"、西海岸から参加したホープ・サンドヴァルの妖艶な声とピアノ・サンプルのループが目眩を生む"パラダイス・サーカス"は『メザニーン』へと接続する。

 3Dが歌う"ラッシュ・ミニット"もまた『メザニーン』的な――つまりヴェルヴェット・アンダーグラウンド的な暗いトリップで、これが『ヘリゴランド』のハイライトである(残念なことに日本盤ではこの曲の訳詞が割愛されている)。盟友デーモン・アルバーンのソウル・ヴォーカルをフィーチャーした"サタデー・カム・スロー(土曜日はゆっくり来る)"は、エリザベス・フレイザーによる"ティアドロップ"をはっきりと思い出させる。

 3Dによれば、アルバムの歌詞にはあらゆる位相において政治的な問題提起がされているとのこと。なお、日本盤には"フェイタリズム"の坂本龍一と高橋幸宏によるリミックスが収録されている。昨年マッシヴ・アタックがメルトダウン・フェスティヴァルのキュレーターを務めたときに、3Dいわく「政治的な理由から」YMOを呼んでいる。また、ブリアルによるリミックスも近い将来に聴くことができそうである(グレイト!)。

CHART by TRASMUNDO 2010.01 - ele-king

Shop Chart


1

UG KAWANAMI

UG KAWANAMI 『DROP SCENE』 »COMMENT

2

SKUNK HEADS

SKUNK HEADS 『ANTI-HERO』 »COMMENT

3

HAIR STYLISTICS

HAIR STYLISTICS 『Throbbing GRIZZLY』 »COMMENT

4

Dj Killwheel a.k.a.16flip

Dj Killwheel a.k.a.16flip 『180atomosphere 2』 »COMMENT

5

SFP

SFP 『WE ARE THE ENEMY』T-SHIRTS »COMMENT

6

コンピューマ

コンピューマ 『副笑い 手ぬぐい』 »COMMENT

7

LVDS CAP

LVDS CAP »COMMENT

8

ELEVEN(SEMINISHUKEI)VS BLACKASS(M.N.M/MEDULLA)

ELEVEN (SEMINISHUKEI)
VS BLACKASS (M.N.M/MEDULLA)
『DUB CITY OF CURSE』 »COMMENT

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PAYBACKBOYS SWEAT

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(500)日のサマー

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Chart by Newtone Records 2009.12 - ele-king

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PEVERELIST

PEVERELIST Jarvik Mindstate PUNCH DRUNK / UK / 2009/12/7 »COMMENT GET MUSIC
レコ屋ROOTED RECORDS、レーベルPUNCH DRUNKを運営、来日DJでぶっとばされたPEVERELISTの作品集。遂に作品としてリリースされた「Bluez」や「Jarvik Mindstate」など傑作揃いです。緻密に構成された曲群の驚くまでの完成度、誰にも似ていないオリジナリティー、SHACKLETON「Three Eps」に並び劣らぬ今年のダブステップ・ベスト・アルバム候補。

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AXEL KRYGIER

AXEL KRYGIER Pesebre LOS ANOS LUZ DISCOS / ARGENTINA / 2009/12/3 »COMMENT GET MUSIC
音 響派から、デジタル・クンビア勢も賞賛するアルゼンチンのストレンジポップ奇才中の奇才アクセル・クリヒエール待望のニューアルバム!DJ SHHHHHのコンパイルの「ウニコリスモ」でもオナジミのロス・アニョスからのリリース。クンビア、タンゴ経由のスペイン語圏の音楽と、エレクトリック なトリック、ダブ、ロックン・ロール等など様々な要素をごった煮、ポップで多彩なサイケデリック音楽劇場。

3

ALEJANDRO FRANOV

ALEJANDRO FRANOV Digitaria NATURE BLISS / JAP / 2009/12/3 »COMMENT GET MUSIC
ファナ・モリーナを手がけたことでも知られ、「音楽の妖精」と呼ばれる、アルゼンチン音響派の素晴らしい才能アレハンドロ・フラノフの新作アルバム!

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FINDLAY BROWN

FINDLAY BROWN Versus EP THIS IS MUSIC / UK / 2009/12/7 »COMMENT GET MUSIC
LOVEFINGERS/LEE DOUGLASの新ユニットSTALLIONSがプロデュースしたFINDLAY BROWNの新作。おすすめは、なんといっても90年代初頭から活動するフランスの奇才LYNCHMOBこと BRENDAN LYNCHによるリミックス!DAVID BYRNEがSOCAやったみたいなトロピカルな折衷具合が面白い!やりたい放題のダブ・インストビーツもお見逃し無く!

5

FRANCOIS KEVORKIAN, MORITZ VON OSWALD

FRANCOIS KEVORKIAN, MORITZ VON OSWALD Recomposed Remixes DEUTSCHE GRAMMOPHON / 2009/12/2 »COMMENT GET MUSIC
クラシック音楽の名門ドイツ・グラモフォンからリリースされた、 MORITZ VON OSWALDとCARL CRAIGが、カラヤン指揮のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の音源をテクノ再構築したアルバム「Recomposed」のリミックス。NYC DISCO/HOUSEの歴史を生きる大御所FRANCOIS KEVORKIANとMORITZのコラヴォレート。

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BUILD AN ARK

BUILD AN ARK Love Pt.1 KINDRED SPIRITS / 2009/12/2 »COMMENT GET MUSIC
西海岸のヒップホップやジャズ、先鋭的なエレクトロニクスがクロスする素晴らしいシーンの要人CARLOS NINOを中心に、TRIBEのPHIL RANELINやNIMBUSのNATE MORGAN、DERF REKLAW(PHARAOHS)といった70sスピリチュアル・ジャズ・レジェンド達が名を連ねるスペシャルユニットBUILD AN ARKの新作!

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KND

KND Live Output JAPONICA / JAP / 2009/12/2 »COMMENT GET MUSIC
DJ KENSEI、井上薫、GoRoとのユニットFinal Drop、京都のカリスマ・バンドSOFT、そしてオーガニック・インストゥルメンタル・ユニットaMadooのメンバーとして活躍、エンジニアとしても、Dachambo、Nabowa、Coffee &Cigarettes Band、Based On Kyotoをはじめ、多数の作品に関わってきた京都の才人、KNDによるライブ音源。

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aMadoo

aMadoo Abstract Ital Rhythm 自主制作 / JAP / 2009/12/2 »COMMENT GET MUSIC
関西を中心に活動する京阪神混血オーガニック・インストゥルメンタル・ユニットaMadooによる新たなライブ音源!ゆったりとはじまるイントロから徐々に宙空を舞うような音とグルーヴの渦に引き込まれます!

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DJ YOGURT & KOYAS

DJ YOGURT & KOYAS Strictly Rockers Re:chapter 25 -harvest Dub Beats 70's To 00's Mix EL QUANGO / JAP / 2009/11/21 »COMMENT GET MUSIC
アンビエントから、ダンサブルなテクノ/ハウス、スィートなR&Bまで、様々なスタイルのプレイをしながらも、独特の空気感を持っていてパーティー好きに幅広く支持されるDJ YOGURTとその盟友KOYAS氏が、レゲエ/ダブをキーワードに非レゲエDJ感覚の自由で面白いDJミックスを提供しているStrictly Rockers シリーズに登場!

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NICOLAS COLLINS

NICOLAS COLLINS Devil's Music EM RECORDS / JAP / 2009/12/18 »COMMENT GET MUSIC
ジョン・オズワルドも影響を受けたというサンプリング・ミュージックの異端児NICOLAS COLLINS。アウトサイダーなミニマル・ミュージック!ATOM TMや最近のCARL STONEみたいな事を、サンプラーAMラジオ等を使ったDIYなアティチュードで、80年代に既にやっていた!ライナーノーツ、体裁も素晴らしいEM RECORDS渾身のリリース!
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