「NotNotFun」と一致するもの

TechnoByobu - ele-king

 斬新なアイディアでもって誕生したテクノ屏風、その第2弾が登場することとなった。前回はYMOがモティーフとなっていたが、今回はなんと『攻殻機動隊』。2パターンの絵柄と、洋金箔/錫箔の2種の組み合わせ、計4種のラインナップとなっている。1月30日よりTOKYO NODEにて開催される『攻殻機動隊展』会場にて販売される予定だ。詳しくは下記より。

攻殻機動隊 × 日本の伝統工芸
「TB-02 : The Ghost in the Shell」全四種を
2026年1月30日にユーマより発売

ユーマ株式会社(代表:弘石 雅和、以下ユーマ)は、2023年より販売する「TechnoByobu」(テクノ屏風)の新シリーズとして、世界的ヒットを誇るSF作品『攻殻機動隊』(士郎正宗/講談社)のヴィジュアルを施した「TB-02 : The Ghost in the Shell」シリーズを2026年1月30日に発売すると発表しました。

「TechnoByobu」は、最先端のヴィジュアルを、500年以上の伝統を誇る箔工芸を用いた屏風として再構築する新世代のアートピースです。職人たちの手仕事により屏風上に色鮮やかに描かれた作品は注目を集め、YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)のアルバムアートワークをモチーフにした初作「TB-01:Electronic Fan Girl」は、大きな話題となりました。

第二弾となる「TB-02 : The Ghost in the Shell」シリーズでは、屏風という物理的なメディウム上に『攻殻機動隊』のサイバネティックなヴィジュアルを配した、過去と未来が交錯する新世代ヴィジュアルアートです。「TB-02 : The Ghost in the Shell」は、漫画原作扉絵のフチコマに搭乗する草薙素子をあしらったTB-02-KP(魂魄)と、95年アニメ映画版のワイヤーを接続した草薙素子のビジュアルを用いたTB-02-GT(義体)の2つの絵柄を、洋金箔、錫箔の2種の箔で表現した、計4種のラインナップです。

来春2026年1月30日よりTOKYO NODEにて開催の『攻殻機動隊展』会場にて販売予定です。
『攻殻機動隊展』(TOKYO NODE)https://www.tokyonode.jp/sp/exhibition-ghostintheshell/

【「TB-02 : The Ghost in the Shell」商品概要】

商品名:The Ghost in the Shell 魂魄(Konpaku)
商品番号 : TB-02-KP
アーティスト : 士郎 正宗

<商品イメージ> ※デザイン・仕様は変更となる可能性がございます。


©Shirow Masamune/KODANSHA

商品名:Ghost in the Shell 義体(Gitai)
商品番号 : TB-02-GT
アーティスト : 押井 守

<商品イメージ> ※デザイン・仕様は変更となる可能性がございます。


©1995 Shirow Masamune/KODANSHA・BANDAI VISUAL・MANGA ENTERTAINMENT. All Rights Reserved.

■商品概要(TB-02-KP、TB-02-GT共通)
価格:¥1,100,000(税込)
発売日:2026年1月30日
サイズ:五尺二曲(縦:約1500mm × 横:約1400mm)
重量:約4kg
材質:洋金箔(大箔散らし)紙 , 錫箔(平押し)紙 の2種
エディション:完全生産限定版(シリアルナンバー入り)

TechnoByobuとは?https://technobyobu.jp/)】

TechnoByobuの「Techno(テクノ)」は、「芸術・技術・技巧」を意味するギリシア語「テクネ(téchnē)」を語源とし、単なる実用的な技術を超えて、ものづくりに宿る知性と創造性、さらには電子音楽(テクノ)が示す未来的感性までを包み込む哲学的な概念です。こうした背景から、「テクノ」は現代の「テクノロジー」の語源であると同時に、文化的・芸術的な創造力を融合させる重層的な意味を備えています。

TechnoByobu は、この思想をもとに三つの要素で構成されています。

● 未来を映し出す「アートワーク」(芸術)
● 職人の手仕事が息づく日本の「伝統工芸」(技巧)
● テクノロジーで真贋を保証する「デジタル証明書」(技術)

これらが重なり合うことで、TechnoByobu は「テクノ」の多層性を映すアートピースとして結実しました。
今後もさらなる表現の可能性を追求していきます。

<第一弾商品>
2023年3月に発売した「TB-01 : Electronic Fan Girl」は、ルー・ビーチ氏による Yellow Magic Orchestra のアルバムアートワークをモチーフに洋金箔(真鍮箔)の美しい輝きで再構築したアート・ピースです。

TB-01 : Electronic Fan Girl
Number:TB-01
Title: Electronic Fan Girl
Licensed by ©2022 Lou Beach through ALFA Music, Inc.

※在庫僅少 
ご購入はこちらから https://technobyobu.jp/feature/starthere

【攻殻機動隊について】

『攻殻機動隊』は、1989年に漫画家・士郎正宗が講談社の「ヤングマガジン海賊版」で連載を開始したSF漫画です。電脳戦や格闘などで優れた能力を持つ全身義体(サイボーグ)の草薙素子。階級「少佐」の彼女をリーダーとした攻性の部隊「攻殻機動隊」が、高度複雑化する凶悪犯罪に立ち向かう姿を描いた物語です。リアルで精密かつサイバーパンクな表現により哲学的なテーマを探求し、人間とテクノロジーの融合および個人のアイデンティティについて深く考察しています。
また劇場アニメーション、テレビアニメーション、ゲームなどの異なるメディアで展開されたそれぞれの作品は原作の漫画とは異なる独自の物語や解釈が表現されています。

【歴清社について】

1905年に誕生した歴清社は、その創業年に、それまでにない技法=科学技術である洋金箔を使った箔押し紙を開発しました。洋金箔とは真鍮製の箔で、高価な本金箔(金を使用した箔)と同様に美しく、そして経年による変色も少ない画期的な発明でした。そんな歴清社の製品は、帝国ホテル、宮内庁、西本願寺はもとより、CHANEL、GUCCIなどの高級ファッションブランドまで、その製造方法により生み出された様々な箔製品のクオリティーは国内のみならず、世界で評価を得ています。

HP:https://rekiseisha.com/

【ユーマ株式会社(企画・製作・販売)】

国内外の音楽とアート(メディアアート、ファッション、アニメ、ゲーム、マンガ、ガジェット等)をUniteしていく新しいカタチのレコード会社です。クラブ / エレクトロニック・ミュージックからインターネット発ボーカロイド/アニメソング・プロデューサーまで、クオリティー・ミュージックをジャンルレスに展開しています。1970年代末に日本が世界に誇るイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)の音楽を生み出したアルファレコードに勤務していた創業者が、YMOによるテクノ・ポップの先進性とユニークネスを現代に継承する会社として設立したのがユーマであり、その精神により企画されたのがTechnoByobuです。

会社名:ユーマ株式会社 U/M/A/A Inc. (United Music And Arts)
代表者:弘石 雅和
所在地:106-0047東京都港区南麻布1-3-2 ESPACE TETE (エスパステテ) 001
設立:2013年
公式サイト:https://www.umaa.net/

<お問い合わせ先> 
ユーマ株式会社 広報担当:info@technobyobu.jp

坂本慎太郎 - ele-king

 昨年の12月26日の恵比寿リキッドルームにおける坂本慎太郎のライヴに感動して、年末はその余韻だけで充分だった。しばらくほかの音楽を聴きたくなかったのだけれど、29日にDOMMUNEがあったのでそうはいなかった。宇川直宏のはからいで、文庫化された『ブラック・マシン・ミュージック』の番組をやってもらえることになったのだ。よって選盤のため、27日、28日と朝から晩まで丸々二日間、デトロイト・テクノという、おろかにも音楽が世界を変えると信じている名盤の数々を聴いてしまった以上、気持ちはもう、すっかり“ナイト・オブ・ジャガー” に染まってしまったかに思われた。
 が、しかしそれでも余韻は消えていなかったのである。29日の夜の11時、番組を終えたあと、その日五缶目のビールを飲みながら当日司会をしてくれた二木信にこう言った。「坂本慎太郎はすばらしいね!」 
 まあ、アルコールに支配されつつあった頭脳は、いい加減なことも言う。「いまの日本で最高のプロテスト・ミュージックだね!」。二木信は納得していたが、この場で却下したい。我ながら短絡的だった。

 じゃあ、なにが? なにがすばらしいんだろう? ぼくはあのとき、なにかを聴いて、なにかを観た。ゆらゆら帝国時代から数えれば、何回も見ているステージ上でギターを手に歌う坂本慎太郎だが、あの淡々としたライヴには、異様な迫力でせまってくるなにかがあったのだ。1曲目は意表を突くように“悲しみのない世界”、続いて“スーパーカルト誕生”から新曲の“麻痺”、それから“あなたの居場所がありますか?”〜“おじいさんへ”〜“あなたもロボットになれる”へ——わかるだろう、ここではあきらかに物語が語られている。そして、4人のメンバーによる最小限の音数の見事なアンサンブルから放出されるものが、フロアを完璧にロックした。
 音楽が社会問題を深く掘り下げることは、ぼくが10代のころの、サッチャー政権下の英国にはよくあった。あの頃は……音楽メディアのアルバム・レヴューすらもサッチャー批判からはじまる始末だった、と言ったのはサイモン・レイノルズだが、しかしそういうのではない。押しつけがましくなく、知識をひけらかしたりもせず、対等な立場で、共に体験している感覚が共有される瞬間、そう、それだ、あの夜のライヴはそういう響き合いなのだ。
 そのように開いた感覚において聴いた “ナマで踊ろう” のインパクトを、自分はしばらくのあいだ忘れないだろう。音楽に夢見ることを諦めさせないその曲と、そして生きることを肯定する“君はそう決めた” がライヴのクライマックスだった。どちらもファンのあいだで人気の曲だが、あのライヴでの出来は特別だった。曲のマジックは……、いや、あの2曲に限らずにだが、リスナーの内部から言葉を引っ張り出してしまうところにある。曲はひとに聴かれたときに初めて完成する。

 耳をつんざくようなサウンドの迫力、ノイズや歪み、フリーキーで激しいアクションといった「力」で押し切ることをいっさい止めたところから坂本慎太郎のソロ活動ははじまっている。ゆらゆら帝国というディオニュソス的なガレージ・ロック・バンドを経て、しかし髪に白いものが混じるようになっても青春を捨てることを拒んでしまうSo Youngな悲劇と違い、彼は自分の年齢を受け入れることでアポロン的なサウンドをモノにしている。たとえばこうだ。彼は言葉それ自体の響きを優先し、言葉のサウンド性をもって情景を広げることができる。『ヤッホー』は、その言葉がいくら滑稽に見えようとも、音として機能した途端に新鮮な面白さをもたらすことを実証している……どころの騒ぎではない、意味までもたせている。言葉そのものが持つ音の性質を意識するアプローチは、ブライアン・イーノの歌モノと共通している。イーノの場合は、意味があるようでないのだが、『ヤッホー』は違う。なにかが描かれてしまっている点において抜け目ないアルバムとなっているのだ。

 たとえば、“おじいさんへ”。60年代ソウル風の軽快なリズムではじまるこの曲は、坂本サウンドの根幹にあるブルース・ロック解釈のヴァリエーションで、言葉はサウンドとしても馴染んでいる。が、ロックのクリシェにはないその言葉遣いによる「歌」が、異化効果をともない、さらなる意味を促そうとする。しかも奥ゆかしく、できるだけ目立たないように、だ。
 この芸当は、哀愁たっぷりの次曲“あなたの居場所がありますか?”にも、いや、今回のアルバム全曲において発揮されている。言い方を変えれば、『ヤッホー』は灯台のようなアルバムではないということだ。外を明るくするというよりは、ひとりひとりの内なるところに光を灯している。そして、すべての彼のファンにはわかっていることをここで言わせてもらえば、その光が、この厳しい時代を生きているという現実を共有させながら、しかし同時に「希望」さえも感じさせるのだ。「なんとなく日々を/なんとなく生きてます/ああ僕は耐えられない/どこまでも澄み切った/どこまでも整った/どこまでも無邪気な正義」、これはバラード調の“正義”という曲だが、こんな皮肉めいた言葉の連なりがどうして「希望」と言えようか、だが、そう言える魔力がこの控えめな曲には潜んでいる。
 “正義”にしても“脳をまもろう”にしても、“麻痺”にしても“ゴーストタウン”にしても、これらがいまどき稀な社会批評としてのポップスだとしても、単純な話、曲として楽しめるという点でその完成度は高い。“時の向こうで”は坂本ポップスの真骨頂のような曲で、この甘いメロディが荒れた心を解きほぐすこともありうるだろう。“時計が動きだした”や“なぜわざわざ”もレトロな光沢を装ったポップ・ソングだが、サウンド面に限定して言うなら、“麻痺”や“ゴーストタウン”のファンク解釈にはとくに魅力を感じる。表題曲の“ヤッホー”ではさりげない音響工作を楽しめるが、この曲に隣接しているのが初期サーフ・ミュージックとアーサー・ラッセルの『ワールド・オブ・エコー』であるとしたらは、坂本作品の(コーネリアスにも共通するポストモダン的な)妙味を象徴的に集約していると言えるかもしれない。

 さて、これを書いている現在、まだ外は明るい。ぼくはお茶を飲んでいる。埃がつもり蜘蛛の巣がはっている我が脳みそも、まあまあクリアだと思われる状態だ。『ヤッホー』はこれまでのソロ作のなかで、もっとも滑稽で、いつもながら耳に優しく、だが、抵抗の声を上げているアルバムでもある。
 『ヤッホー』に出会えたことをうれしく思う。当然、ぼくは100%満足しているわけではない。しかし、こんなにもじわじわと「希望」を感じるアルバムを聴いたのは久しぶりのような気がする。「希望」という言葉をあんまり使うと頭の良い連中からうさんくさく思われるので、もっと使ってやろう。詩ではなく、詞であることの面白さ。ロックやポップスを通してまだこんな風に、こんなにも面白く、ともすれば社会批評的なメッセージを共有することが可能であることを証明している。これは音楽が長いものに巻かれるだけの消費物になり、文化的強度を失いつつある現在において、微笑ましいあらがいだ。もう、なにもかもが狂ってしまった時代の「希望」の音楽だ……あ、ごめん、気が付いたらビールを一缶空けていた。さあ、聴くぞ。


※別冊エレキング『坂本慎太郎の世界』のなかで一箇所誤りがありました。P155、ゆらゆら帝国「次の夜へ」のジャケットが紹介しているリミックス盤ではなく、オリジナル盤になっています。申し訳ございませんでした。

Reggae Bloodlines - ele-king

 『レゲエ・ブラッドラインズ』がレゲエの名著に選定される理由はいくつもあろうが、そのひとつには、これがおもに1976年という、まだ限られたジャーナリストしか現地取材をしていなかった時代の、ルーツ・レゲエ全盛期における広範囲にわたってのジャマイカ/レゲエ・レポートを含んでいたことがある。ことに、一流の写真家ピーター・サイモン(歌手のカーリー・サイモンの実弟)による大量の現地写真には、世界中のレゲエ・リスナーが目を最大限に開けて眺めたものだった。そこには、初めて見るトレンチタウンの風景、人びとの暮らし、貧し家々、富裕層、自然、そして何人ものミュージシャンやプロデューサー……等々が写されている。その記録は、現在地から見ると、さらに貴重さを増している。ぼくは家の本棚から一冊持ってきて、たったいま編集部コバヤシに見せながら説明していたところである。
 その『レゲエ・ブラッドラインズ』掲載の写真ほか計35点の写真の展示会が京都(小川珈琲)と東京(渋谷RARCO)で開催される。展示されるすべての写真はピーター・サイモンによる手焼きのモノ(当たり前だが、フィルム時代なのでフィルムから紙焼きしているのだ)。サイモン自身は2018年に永眠しているため、今回は世界最大のレゲエ・レコード会社、〈VP RECORDS〉が提供している。ちなみに入場は無料。こんな機会は滅多にないので、レゲエに詳しくなくたって全然かまわない。特別、気合いを入れる必要もない。まずはぜひ、足を伸ばして見て欲しい。なお、会場では記念グッズなどの販売もあるとのこと。詳しくは特設サイトをご覧ください。

■京都
2026年2月6日(金) ~ 2月15日(日)
小川珈琲 堺町錦店 2Fギャラリースペース
京都府京都市中京区堺町通錦小路上る菊屋町519-1
https://www.pbox-shibuya.com/

■東京
2026年2月20日(金) ~ 2月23日(月・祝)
渋谷PARCO 10F PBOX
東京都渋谷区宇田川町15-1
https://www.pbox-shibuya.com/

 さて、ここでひとつ面白い話をしよう。写真鑑賞の手助けになるかもしれない。
 『レゲエ・ブラッドラインズ』の著者スティーヴン・デイヴィスと写真家ピーター・サイモンが初めてジャマイカを取材した1976年のおそらくは前半、ほかにも数人のジャーナリストが同行している。ボブ・マーレー&ザ・ウェイラーズは、英国ではその人気に火が付いていたが、米国ではまだそうではなかったので、アイランド・レコードがすべて経費持ちの、アメリカから複数のジャーナリストを招いての取材旅行を実施したのである。そのなかのひとりには、あのレスター・バングスもいた。
 最初に言っておくが、今日では、ここ日本でもなかば神格化されているデトロイトのロック・ライターをぼくは全面的に肯定はしない(こやつは「DISCO SUCKS」のTシャツを着たひとりである)。が、『レゲエ・ブラッドライン』ご一行と同じ時間を共有したバングスのレポートは、ぼくのなかではもっとも秀逸で、深く共感を覚えるレゲエ・エッセイである。
 それは次の一文に集約されている。
 「何人もが全額経費持ちでジャマイカに飛ばされ、現地の人びとを観察し、戻って記事を書き、中産階級のアメリカの白人の子供たちにアルバムを売る手助けをする。その白人の子供たちは、黒人で、極貧で、飢えていて、文盲で、医者に行ったことがないから病名もわからないような病気にかかっていて、人生に他に選択肢がないから一日中ガンジャを吸い、ボンゴを叩いていることを“ロマンチックだ”と思っているのだ。私は知っている、私自身がその子供たちのひとりであり、その矛盾に囚われているからだ」

 バングスのそのエッセイ「バビロンの無垢なる者たち——ボブ・マーリーと数千のキャストが登場するジャマイカ探索記」(初出は『CREEM』1976年6月/7月号、『Mainlines, Blood Feasts, and Bad Taste』に収録)の一部には、『レゲエ・ブラッドラインズ』にも記されているボブ・マーリーのインタヴューが描かれている。バングスは、同書の著者ふたりと同じ車に乗って同じようにボブの自宅に行って共同で取材している。が、その描き方は『レゲエ・ブラッドライン』とは微妙に異なっている。さんざん待たされたあげくに、裸足で記者団の前に現れたボブが、彼の愛車=BMWに寄りかかり、ガンジャを吸いながら質問に答える様子を、バングスのほうがより露骨に生々しく、同書よりも詳述している。
 もっとも面白い箇所は、こうだ。同行したあるジャーナリストがなかば苛立ち、攻めの姿勢を見せて、「この車(BMW)は、バビロンを象徴していると感じませんか?」とボブに訊く。するとボブは心底驚いた様子でこう答える。「車が? システムこそがバビロンだ。システムは死を象徴し、俺たちはそのシステムのなかに住んでいる——」。その答えに対して彼は、「私が知りたいのは、あんな(ジャマイカの貧しい)状況がありながら、どうしてこれを持つことができるのかという……」とやり返す。「これを持っているわけじゃないんだ、マン」とボブは簡潔に答える。そこでバングスは、「では、この車はあなただけでなく、あなたの兄弟姉妹全員のものだということですね?」と突っ込む。ボブは言う。「道のもの(Belongs road)だよ、マン!」
 ボブ・マーリーという男が、グレッグ・テイトが言うところのウィットの持ち主であることがわかるだろう。ウィットとは、権威をかわす/権威に反論するために黒人奴隷たちが磨いたある種の知恵で、それはブルースマンからPファンク、ラップ、あるいは文学など広範にわたって応用されている。

 まあ、それはそうと、ぼくが紹介したいのはそこではなかった。「友人を失いかねないほどの情熱でレゲエを愛する」人間だと自己説明し、なかでもバーニング・スピアを敬愛したバングスにとって、初のジャマイカ訪問でもっとも鮮烈なインパクトを食らったのは、当時のジャマイカにおけるその貧しさ、あるいは、ラスタマンたちの切ない矛盾(バビロンが崩壊するのなら、なぜレコード会社と契約する?)だった。
 当時のジャマイカは「人口の2%が国全体の富の80%を握り、その残りが世界でも最悪の貧困に喘いでいる国」である。こうした予備知識があったのに拘わらず、いざ行ってみると現実の光景は相当なものだったのだろう。トレンチタウンは信じられないほど不衛生な小屋が並ぶスラムで、多くの人が文盲(すなわち教育の欠如)、そして、技術も教育もほとんどないドレッド頭が何千人も押し寄せることを歓迎するはずがないというのに、エチオピアを夢見ているということ。「1954年頃のアメリカの労働者階級の家」でしかなかった、当時の二大プロデューサーたるキング・タビーとリー・ペリーの自宅。「100年前のアメリカ南部の小作農の小屋」と大差なかったスラム街の家々——『レゲエ・ブラッドラインズ』のふたりとラス・マイケル&ザ・サンズ・オブ・ネガスの神聖なる儀式(グラウネーション)に行けば(バングスに記述によれば、儀式にもっとも深く傾倒したのはピーター・サイモン)、その会場にはトイレなどあろうはずがないという現実——ほかにも濃密なエピソードは多々あるのだが、ぼくが共感を覚えたのは、バングス言うところの「白人が黒人のなかに没入しようとするときの、ほとんど卑猥なまでのアイロニー」が彼のなかで増幅していることを隠さなかったところである。
 このアイロニーは、かつてのレゲエ・シーンが援護した、社会主義を標榜する当時のマイケル・マンリー首相がキューバのフィデル・カストロとの親交を厚くすることで、取り返しのつかない政治的アイロニーへと転じる。独裁色を露わとしたカストロ政権下に対するキューバ庶民の反共感情はジャマイカ庶民にも伝播し、社会主義への憎悪は、『レゲエ・ブラッドラインズ』の写真にもはっきりと写されている。そうした庶民の反共感情が1980年代のジャマイカにおける親米政策への転回にも繋がり、結果、“表向きには”経済回復を果たすことになる。その昔、ラスタの常套句であった「I & I」とは「you」という他者が存在しないラディカルな共同感覚だと解釈されていたものだが、しかし1980年代以降のジャマイカにおいては、冷笑家たちの「それって自分しかいないってことじゃねぇ」という悪い冗談のほうがリアルになった。
 
 そう考えると、『レゲエ・ブラッドラインズ』のなかでピーター・サイモンが記録した1976年のルーツ全盛期のジャマイカは、何十もの意味で貴重だ。そういう時代があり、そしてあらゆる矛盾と混沌、暴力(周知のように1976年12月にボブは銃撃される)のなかから宝石のような音楽の数々が生まれていった。ぼくたちにできるのは、ただ見て、そして聴く、それだけである。(野田努)

IO - ele-king

 東京のラッパー、IOのファースト・アルバム『Soul Long』から早10年。これを記念し、同作の「10th ANNIVERSARY EDITION」がリリースされることになった。本人ディレクションの180g重量盤で、発売は2月14日。なお、前日には代官山UNITにてリリース・パーティも開催されます。詳しくは下記より。

IO
2月14日に1st ALBUM 10周年を記念した
『Soul Long (10th ANNIVERSARY EDITION)』 (2LP) 発売決定
前日には代官山UNITでのリリースパーティー開催

東京のRapper: IOが1st ALBUM「Soul Long」の発売10周年を記念した『Soul Long (10th ANNIVERSARY EDITION)』 (2LP) を2月14日に発売決定。
本人ディレクションによる新装版となり、180g重量盤/2枚組見開きジャケット仕様での完全限定プレスとなる。
また前日2月13日(金) 23時より、代官山UNITにてリリースを記念したDJパーティー「SOUL LONG 10thAnniversary Party」を開催することが合わせて発表となった。

『Soul Long (10th ANNIVERSARY EDITION)』 (2LP)

予約URL:https://anywherestore.p-vine.jp/products/plp-8297-8
発売日:2026年2月14日(土)

収録内容:
◼️Side A
1. Check My Ledge feat. YUSHI Produced by MASS-HOLE
2. Play Like 80's Produced by Neetz
3. Tap Four Produced by KID FRESINO
◼️Side B
1. So Produced by DJ WATARAI
2. Here I Am Produced by OMSB
3. 119measures feat. KANDYTOWN Produced by Gradis Nice
◼️Side C
1. Plush Safe He Think Produced by Mr. Drunk
2. Soul Long (skit) Produced by YUSHI
3. Soul Long feat. BOO Produced by MURO
◼️Side D
1. City Never Sleep Produced by JASHWON
2. Tap Four (Remix) feat. KID FRESINO Produced by KID FRESINO
3. Dig 2 Me (Remix) feat. Big Santa Classic & MUD Produced by JASHWON
価格:5,940円(税抜価格:5,400円)
仕様:180グラム重量盤・2枚組見開きジャケット仕様

「Soul Long 10th Anniversary Party」
開催日時:2月13日(金) 23時OPEN
会場:代官山UNIT
出演DJ:
MURO
G.O.K
MASATO
Ryohu
Minnesotah
KORK
チケット代:¥2,500 (with 1drink)

【PROFILE】
東京都出身。2023 年 3 月日本武道館での単独公演を以て終演した HIPHOP クルー:KANDYTOWN に所属する Rapper。
Art /Film Director, Model 等としても活動。

2016年: 1st ALBUM 『Soul Long』
2017年: 2nd ALBUM 『Mood Blue』
2019年: 3rd ALBUM 『Playerʼs Ballad.』
2023年: 4th ALBUM 『four』
2025年: 5th ALBUM 『JUST ALBUM』 ・ EP 『JUST ALBUM RELOADED』

【SNS】
◼️IO Instagram
◼️VERETTA SOUNDS

DJ Python and Physical Therapy - ele-king

 ファッション・ブランド、〈C.E〉から新作カセットテープがリリースされる。今回はDJパイソンとフィジカル・セラピーによるB2B音源で、2024年の12月13日、LAの会場で録音されたものだ。発売は今週末1月24日(土)、南青山の店舗に駆け込もう。

アーティスト:DJ Python and Physical Therapy
タイトル:Face to Face: Recorded at Canary Test, Los Angeles, Dec 13, 2024
価格:1650円(税込)
発売日:2026年1月24日土曜日
販売店:C.E 東京都港区南青山5-3-10 From 1st 201

Daniel Lopatin - ele-king

 最新作『Tranquilizer』が評判のワンオートリックス・ポイント・ネヴァーことダニエル・ロパティン。彼が映画『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』(日本公開は3月13日)のサウンドトラックを手がけていることはすでに報じられているが、めでたくもその日本盤がリリースされることとなった。発売は2月27日。映画音楽作家としても着々と地位を固めているロパティン、その最新の成果に注目だ。

MARTY SUPREME
ORIGINAL SOUNDTRACK
BY DANIEL LOPATIN

★ クリティクス・チョイス・アワードでノミネート
★ 英国アカデミー賞でロングリスト入り
★ アカデミー賞でショートリスト入り

注目映画『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』の
サウンドトラック・アルバムが国内盤CDとLPでリリース決定!
購入者特典として先着でオリジナル・ピンポン玉をプレゼント

BEST NEW MUSIC - Pitchfork
緻密かつ雄弁。まるで“第二の脚本”のように機能する - IndieWire
ジョン・ヒューズ作品的な高揚感、宇宙的神秘主義、
そしてジョン・カーペンター的な不穏さが同居するサウンド - Empire
すべてに鮮烈でスリリングなオーラを与えている - Slash Film
ダニエル・ロパティンの予測不能な脈動のスコア。ボリュームは11まで引き上げられている - Variety

本作を語るうえで重要な話題のひとつになるのは、
ダニエル・ロパティンによるきらめくオーケストラルなスコアを中心とした
大胆な音楽の使い方だ
- The Hollywood Reporter

作曲家ダニエル・ロパティンは、マーティの鼓動と、卓球ボールが跳ね返るリズムの両方を、
推進力に満ちたスコアの中で見事に表現している
- AP News

アカデミー賞前哨戦と言われるゴールデングローブ賞にて、主演のティモシー・シャラメがミュージカル・コメディ部門の主演男優賞を受賞し、日本での公開も3月13日に決定している話題映画『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ (原題:Marty Supreme)』。
現在までに映画賞の213部門にノミネート、うち25部門を受賞し、賞レースのトップランナーに躍り出ている本作のオリジナル・スコアを手がけたのは、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー (以下OPN) ことダニエル・ロパティン。昨年OPN名義で最新アルバム『Tranquilizer』をリリースし、4月には待望の来日ツアーも決定している。

本作『Marty Supreme (Original Soundtrack)』は、Pitchforkにてサウンドトラック作品としては異例となる「BEST NEW MUSIC」に選出され、アカデミー賞でもショートリスト入りするなど、音楽単体としても極めて高い評価を獲得。現在デジタル配信中の本作が、2月27日に国内盤CDおよび2枚組LPでリリースされることが決定した。

ロパティンが手がけた23曲のスコアは、ネオクラシカルなオーケストレーション、広がりのあるシンセサウンド、80年代ハードウェアの有機的な質感を融合し、献身的でありながら陶酔感に満ちた未来的な音世界を描く。ララージの神秘的な演奏、ワイズ・ブラッド の幽玄なボーカルもフィーチャーされ、作品にスピリチュアルな煌めきと揺れ動く感情を一層引き立てている。

本作は現在好評デジタル配信中。
2月27日には、国内盤CDおよび2枚組LP(ブラック&クリア・ヴァイナル)でも発売される。アートワークには映画のビジュアルが採用され、国内盤CDには解説書と両面ポスターを封入。LPはゲートフォールド仕様となり、同じく両面ポスターが付属する。またアルバム購入者は先着で映画にも登場する『マーティ・シュプリーム』オリジナル・ピンポン玉がもらえる。

先着特典:
『マーティ・シュプリーム』
オリジナル・ピンポン玉

封入特典:
両面ポスター

本作は、2025年の年間ベストにも数多く挙げられている、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー名義の最新作『Tranquilizer』に続くリリースでもある。同作で示された感情表現の透明度と音響テクスチャーの革新性を、映画音楽というフォーマットにおいてさらに拡張。オーケストラのドラマとデジタルの幻影がせめぎ合い、常に変化し続けるロパティンならではの緊張感が全編にわたって描き出されている。

この音楽は、リズムや浮遊感、そして“動き”への強い執着から形になっていった。マーティの変幻自在でスピード感に満ちた、躍動的な性質--まるで卓球のボールそのもののような存在--を表現するために、何百種類ものマレットやベルの音を集めたんだ。このスコアは、伝統と革新のあいだに存在するものにしたかった。ネオクラシカルな要素は、ルールや制約、プレッシャーといった現実の中で彼が生きる現実世界を支え、電子的なテクスチャーは、彼が思い描く未来へと傾いていく。その二つの力が、やがて互いにせめぎ合い始める。
- Daniel Lopatin

ジョシュ・サフディが監督を務め、ティモシー・シャラメが主演。共演には、アカデミー賞受賞俳優グウィネス・パルトローをはじめ、オデッサ・アジオン、ケビン・オレアリー、タイラー・ザ・クリエイターことタイラー・オコンマ、アベル・フェラーラ、フラン・ドレシャーらが名を連ねる。
ロパティンによる音楽は、本作の“神経系”として機能し、ネオンに彩られたマキシマリズムと、結晶のように静謐な瞬間を行き来しながら、サフディが描く野心、崩壊、そして創作への執着を鮮烈に浮かび上がらせている。

label : BEAT RECORDS / A24 Music
artist : Daniel Lopatin
title : Marty Supreme (Original Soundtrack)
release:2026.2.27
商品ページ: https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=15596
配信: https://a24music.lnk.to/MartySupremeOriginalSoundtrack
TRACKLISTING:
01. The Call
02. Marty’s Dream
03. Endo’s Game
04. The Apple
05. Pure Joy
06. Holocaust Honey
07. The Humbling
08. Motherstone
09. The Scape
10. Tub Falls
11. Fucking Mensch
12. Rockwell Ink
13. Hoff’s
14. Seward Park
15. The Necklace
16. Vampire’s Castle
17. Back to Hoff’s
18. Shootout
19. I Love You, Tokyo
20. The Real Game
21. Endo’s Game (Reprise)
22. Force Of Life
23. End Credits (I Still Love You, Tokyo)

CD

LP

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ニューアルバム『Tranquilizer』をひっさげ
奇才フリーカ・テットとの最新ライブセットで来日決定!

Oneohtrix Point Never
WITH FREEKA TET

大阪 2026.04.01 (Wed) Gorilla Hall
東京 2026.04.02 (Thu) Zepp DiverCity

open 18:00 / start 19:00
前売:8,800円(税込 / 別途ドリンク代)※未就学児童入場不可
info:http://www.beatink.com/
E-mail:info@beatink.com
公演詳細:https://linktr.ee/opnjapan2026

label : BEAT RECORDS / Warp Records
artist : Oneohtrix Point Never
title : Tranquilizer
release:2025.11.21
商品ページ: https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=15439
配信: https://warp.net/opn-tranquilizer
TRACKLISTING:
01. For Residue
02. Bumpy
03. Lifeworld
04. Measuring Ruins
05. Modern Lust
06. Fear of Symmetry
07. Vestigel
08. Cherry Blue
09. Bell Scanner
10. D.I.S.
11. Tranquilizer
12. Storm Show
13. Petro
14. Rodl Glide
15. Waterfalls
16. For Residue (Extended) *Bonus Track

CD+Tシャツセット

LP+Tシャツ

CD

LP

限定LP

Bandcamp - ele-king

 ネット時代の音楽ファンにとって重要なプラットフォームのバンドキャンプが、去る1月13日に声明を発表している。なんでも、AIによる音楽を追放し、人間のアーティストを優先させることを決定したそうだ。
 いわく、全体または大部分を生成AIに依存している音源のアップロードや、AIを用いて他の作品やスタイルを模倣することを禁じ、その疑いがある音源についてはこれを削除する権利をバンドキャンプは有する、と。

 こうしたAI規制はストリーミングのプラットフォームとしては初の試みとなる(AIによる音源が量産されている某サーヴィスとは真逆のスタンスだ)。同声明には、「音楽はただ消費されるだけの製品(product)以上のものだと信じている」「音楽家はたんなる音の製造者(producer)ではない。音楽家はわたしたちのコミュニティ、わたしたちの文化、そしてわたしたちの社会の織物=構造に不可欠な、生身のメンバーである」といったメッセージも記されている。

 バンドキャンプは2022年にゲーム開発会社のエピック・ゲイムズ(Epic Games)に買収されたのち、2023年には音楽ライセンス企業のソングトレイダー(Songtradr)に再度買収されているが、独自のスタンスはいまなお維持されているようだ。声明の全文は下記リンクより。

https://blog.bandcamp.com/2026/01/13/keeping-bandcamp-human/

Masaaki Hara × Koji Murai - ele-king

 満員御礼、ご好評いただいた前回の老舗ジャズ喫茶「いーぐる」での『アンビエント/ジャズ』刊行記念イヴェント。話に大いに花が咲き、1回ではまったく収まりきらなかったということで、第2回の開催のお知らせです。2月1日(日)15:00より。今度はどんな曲がかかるのか、楽しみにしていましょう。

【いーぐる 連続講演】
第732回 2月1日(日曜日)15:00 ~ 17:30
(開店 14:00 閉店 18:00)
参加費 ¥1500+飲食代金

『アンビエント/ジャズ マイルス・デイヴィスとブライアン・イーノから始まる音の系譜』刊行記念イヴェント

第2弾!

マイルス、イーノにはじまり、「静寂の次に最も美しい音」のキャッチフレーズで知られるECM、菊地雅章の忘れられたシンセサイザー作品、芦川聡や吉村弘、尾島由郎ら日本の環境音楽の開拓者たち、そして清水靖晃から高田みどりまでを、ジャズとアンビエントの間で綴った原雅明の著書『アンビエント/ジャズ』の刊行記念イヴェントの第2弾。前回取り上げられなかったECMや日本の環境音楽を中心にしたトークと選曲です。

*当日は新著の販売も行います
*予約の必要はありません

出演 : 原 雅明 × 村井康司

いーぐる  新宿区四谷1-8ホリナカビルB1F 3357-9857

https://eaglegoto.hatenablog.com/

Shabaka - ele-king

 2010年代以降のUKジャズにおける最重音楽家、シャバカの3枚目のソロ・アルバムが3月6日に発売される。『Of The Earth』と題されたそれは彼自身のレーベル〈Shabaka Records〉からのリリースで、ある時期から封印してきたサックスをふたたび演奏! のみならずラップにも挑戦しているようだ。新たな段階へと進んだシャバカ、期待が高まります。

SHABAKA

現代UKジャズ・シーンの最高峰、シャバカ
最新アルバム『Of The Earth』を発表!
両A面シングル「A Future Untold / Marwa The Mountain」同時解禁!

現代UKジャズの最高峰として、シーンの最前線を更新し続ける存在、シャバカ (・ハッチングス)が、ソロ名義として3作目となる最新アルバム『Of The Earth』を、3月6日(金)にリリースすることを発表した。本作は、自身が新たに立ち上げたレーベル〈Shabaka Records〉からリリースされる初のアルバムとなる。
発表にあわせて、2曲を収録した両A面シングル「A Future Untold / Marwa The Mountain」も同時に公開された。

『Of The Earth』は、全編にわたってシャバカ自身が作曲・プロデュース・演奏・ミックスまでを手がけた、極めてパーソナルな作品だ。本作では、サンズ・オブ・ケメットやザ・コメット・イズ・カミングで展開してきたダンス志向/リズム重視のアプローチと、近年のソロ作品(『Perceive its Beauty, Acknowledge Its Grace』『Afrikan Culture』)で追求してきた、緻密でテクスチュラルなサウンド世界とを有機的に結びつけながら、インストゥルメンタリスト/プロデューサーとしてのシャバカの新たな輪郭を明確に提示している。

SHABAKA - ‘A Future Untold / Marwa The Mountain’
https://shabaka.ffm.to/oftheearth

ツアー移動中にポータブル機材で制作されたビートやループが楽曲の基盤となり、その上を合唱的なフルートの旋律が大きく舞い上がる。電子的なリズム・シークエンスは、ディアスポラ的な歩みの物語を描き出す。またシャバカは、本作でラップにも挑戦しており、次のように語っている。

アンドレ・3000が恐れや気負いなく、誠実に新たな次元を探求していく姿勢に刺激を受けた。だからこのアルバムで、自分自身の声を見つけようと決めたんだ。
- Shabaka

2025年半ば、シャバカは南アフリカのドラムの巨匠ルイス・モホロの追悼コンサートでのパフォーマンスをもって、自らに課していたサックス演奏の休止期間に終止符を打った。『Of The Earth』は、約1年半にわたってサックスを演奏しなかった期間を経て制作された最初のレコーディング作品であり、フルートを中心に向き合ってきた時間が、今後の楽器との関係性にどのような未来をもたらすのかを見つめ直す、ひとつの総括でもある。

ディアンジェロの『Brown Sugar』は、私が初めて買ったCDで、セルフ・プロデュース/セルフ・パフォーマンスによるアルバムが持ちうる感情的な可能性について、長く続く好奇心を呼び起こしてくれた。この作品は、創造的な自己表現における自由を祝福するためのレコードなんだ。コロナ以前の私は、クラリネットとサックスしか演奏できず、音楽制作やフルートの演奏方法についても何も知らなかった。だからこれは学びの旅であり、その結果として生まれた音楽を振り返る作品でもある。
- Shabaka

シャバカ最新アルバム『Of The Earth』は、3月6日(金)にCD、LP、デジタル配信で発売。国内盤CDには、ボーナストラック「Those of the Sea」を追加収録し、日本語解説書を封入。LPは通常盤(ブラック・ヴァイナル)に加え、限定盤(ブルー・ヴァイナル)も発売され、限定盤LPは数量限定・日本語帯付き仕様(解説書付)でも展開される。

label : BEAT RECORDS / Shabaka Records
artist : Shabaka
title : Of The Earth
release:2026.3.6
TRACKLISTING:
01. A Future Untold
02. Those Of The Sky
03. Go Astray
04. Step Lightly
05. Call The Power
06. Dance In Praise
07. Ol' Time African Gods
08. Marwa The Mountain
09. Light The Way
10. Stand Firm
11. Space Time
12. Eyes Lowered
13. Those of the Sea *Bonus Track
商品ページ: https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=15591
配信: https://shabaka.ffm.to/oftheearth

CD

LP

限定LP

GEZAN - ele-king

 3月14日に武道館での単独公演を控えるGEZAN。2月11日には最新アルバム『あのち』も発売される彼らだけれど、このタイミングで、2017年にリリースされた7' シングル「Absolutely Imagination」のリプレスが決定している。タイトル曲は、サブスクリプション・サーヴィスにおいて現在公開中のGEZAN楽曲のなかでもっとも多く再生されている曲だ。発売は、武道館での公演の少し前の2月27日。彼らにとってターニング・ポイントとなった “Absolutely Imagination” を、この機に。

GEZAN / Absolutely Imagination(2ndプレス)
KKV-051VL2
2026年2月27日発売
2,200円税込
アナログ7インチ+DLコード
JANコード:4580015782024
収録曲
Side A. Absolutely Imagination
Side B. Ambient Red

2017年にリリースされたAbsolutely Imaginationの7インチがジャケットも新たにしてリプレス決定!
Recording Engineer : Keiji Kondo / Photos : Shiori Ikeno / Title : STANG

2016年9月アルバム『NEVER END ROLL』発売と共にドラムが脱退、GEZANとしての活動を休止しつつもNEVER END ROLLERSとして3人で楽器を持ち替えてのライブ活動を継続。そして2017年2月石原ロスカルを正式メンバーに迎え活動を再開を宣言する曲となった。
全感覚祭を主催しフジロックの3つのメイン・ステージを制覇、この10年何かが起こりそうな現場には必ずGEZANがいた。2026年3月の武道館公演に向け、日本中で響き合うことのできるアーティストと共演をしながらツアーを行なってきた。そんな彼らターニング・ポイントのひとつとなったシングルが再発となる。
音楽だけでなく、オルタナティブという空気の最前線を刺激し、言葉と音と行動でジャンルやカテゴリー、地域や国境すらも縫うようにGEZANは進んできた。2017年にAbsolutely Imaginationで歌われた『暗闇という現在』、その闇は今さらに深くなっている。オルタナティブであることを自覚しながら限界を設定しないGEZANの音楽が響くその先を見たいと思う。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512 513 514 515 516 517 518 519 520 521 522 523 524 525 526 527 528 529 530 531 532 533 534 535 536 537 538 539 540 541 542 543 544 545 546 547 548 549 550 551 552 553 554 555 556 557 558 559 560 561 562 563 564 565 566 567 568 569 570 571 572 573 574 575 576 577 578 579 580 581 582 583 584 585 586 587 588 589 590 591 592 593 594 595 596 597 598 599 600 601 602 603 604 605 606 607 608 609 610 611 612 613 614 615 616 617 618 619 620 621 622 623 624 625 626 627 628 629 630 631 632 633 634 635 636 637 638 639 640 641 642 643 644 645 646 647 648 649 650 651 652 653 654 655 656 657 658 659 660 661 662 663 664 665 666 667 668 669 670 671 672 673 674 675 676 677 678 679 680 681 682 683 684 685 686 687 688 689 690 691 692 693 694 695 696 697 698 699 700 701 702 703 704 705 706 707 708 709 710 711 712 713 714 715 716 717 718 719 720 721 722 723 724 725 726 727 728 729 730 731 732 733 734 735 736 737 738 739 740 741 742 743 744 745 746 747 748 749 750 751 752 753 754 755 756 757 758 759 760 761 762 763 764 765 766 767 768 769 770 771 772 773 774 775 776 777 778 779 780 781 782 783 784 785 786 787 788 789 790 791 792 793 794 795 796 797 798 799 800 801 802 803 804 805 806 807 808 809 810 811 812 813 814 815 816 817 818 819 820 821 822 823 824 825 826 827 828 829 830 831 832 833 834 835 836 837 838 839 840 841 842 843 844 845 846 847 848 849 850 851 852 853 854 855 856 857 858 859 860 861 862 863 864 865 866 867 868 869 870 871 872 873 874 875 876 877 878 879 880 881 882 883 884 885 886 887 888 889 890 891 892 893 894 895 896 897 898 899 900 901 902 903 904 905 906 907 908 909 910 911 912 913 914 915 916 917 918 919 920 921 922 923 924 925 926 927 928 929 930 931 932 933 934 935 936 937 938 939 940 941 942 943 944 945 946 947 948 949 950 951 952 953 954 955 956 957 958 959 960 961 962 963 964 965 966 967 968 969 970 971 972 973 974 975 976 977 978 979 980 981 982 983 984 985 986 987 988 989 990 991 992 993 994 995 996 997 998 999 1000 1001 1002 1003 1004 1005 1006 1007 1008 1009 1010 1011 1012 1013 1014 1015 1016 1017 1018 1019 1020 1021 1022 1023 1024 1025 1026 1027 1028 1029 1030 1031 1032 1033 1034 1035 1036 1037 1038 1039 1040 1041 1042 1043 1044 1045 1046 1047 1048 1049 1050 1051 1052 1053 1054 1055 1056 1057 1058 1059 1060 1061 1062 1063 1064 1065 1066 1067 1068 1069 1070 1071 1072 1073 1074 1075 1076 1077 1078 1079 1080 1081 1082 1083 1084 1085 1086 1087 1088 1089 1090 1091 1092 1093 1094 1095 1096 1097 1098 1099 1100 1101 1102 1103 1104 1105 1106 1107 1108 1109 1110 1111 1112 1113 1114 1115 1116 1117 1118 1119 1120 1121 1122 1123 1124 1125 1126 1127 1128 1129