「MAN ON MAN」と一致するもの

AHAU - ele-king

最近作業中に聴いていた音楽の中から

AHAU(tomoaki sugiyama)
グラフィックアーティスト、グラフィックデザイナー
1976年横須賀生まれ、東京在住
https://www.instagram.com/ahau_left/

10月16日から、BnA HOTEL Koenjiで展示します。
16日にオープニングパーティーやります。
ぜひ遊びに来てください。


Ahau Exhibition
“The Flyer”巡回展
BnA HOTEL Koenji
2016.10.16[sun] - 11.5[sat]
19:00 - 24:00
Entrance Free
※Close 10.29[sat]、10.30[sun]

Opening Party
10.16[sun] 18:00 - 22:00
LIVE
cinnabom + ARATA(チナボラータ)
DJ
MOODMAN
MINODA
Sports-koide
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Sunday Afternoon Party
10.23[sun] 14:00 - 22:00
DJ
ヤマベケイジ
Q a.k.a. INSIDEMAN
pAradice
弓J
nnn
町田町子
ぬまたまご部長
来夢来人
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Closing Party
11.5[sat] 14:00 - 22:00
DJ
bimidori
THE KLO
do chip a chi
Sports-koide
otooto22
hitch
LIVE
HELIOS
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BnA HOTEL KOENJI
https://www.bna-hotel.com
東京都杉並区高円寺北2-4-7
(JR Koenji Station - 30 seconds)
2-4-7 Koenjikita, Suginami, Tokyo, Japan 166-0003

 ミュージック・テープスを追っかけて早20年。1996年、初めてLAで見たショーはまだはっきり覚えている。アップルズ・イン・ステレオ、オリヴィア・トレマー・コントロール、そしてミュージック・テープスというラインナップだった。
 当時のミュージック・テープスのメンバーは、ジュリアン、アンディ(マシュマロー・コースト)、ジェレミー(ハック・アンド・ハッカショー、ニュートラル・ミルク・ホテル)。アップルズ・イン・ステレオは知っていたが、時間もわからないので、早めに来た。最初のバンド(=ミュージック・テープス)を見て、いままでにない衝撃を受けた。中心人物(=ジュリアン)は、バンジョー、ノコギリ、トランポリン、ギターなど様々な楽器(のようなもの)を演奏し、まるでチンドン屋と遊園地を合体させたようなカラフルなショーで、温かい気分になる。ショーが終わり、まったく会話にならないなりに(英語が喋れない)、どれだけ良かったか、衝撃だったかを説明し、向こうも全身で喜びを表現してくれ、気がついたら彼らの住むジョージア州、アセンスに来ていた。
 彼らと寝食を共にし、生活を知り、夢を具体的に語ってくれた。移動遊園地のサーカス・テントで、シアトリカルなショー(=オービティング・ヒューマン・サーカス)を実現すること。

 ミュージック・テープス(=ジュリアン・コスター)は、すでに5回以上、このオービティング・ヒューマン・サーカスを公演している。その間、ジュリアンは、ララバイ・キャロリング・ツアー、人の家でクリスマス・キャロルを演奏するツアーをしたり(著者は2回参加)(https://vimeo.com/33672614)、無音映画で演奏するワードレス・ミュージック・オーケストラにミュージックソウ奏者として参加したり(https://www.wordlessmusic.org/blancanieves-2012/)、ニュートラル・ミルク・ホテルのリユニオン・ツアーに参加したり(https://pitchfork.com/news/47783-neutral-milk-hotel-reunite-for-tour/)、ちなみに、ニュートラル・ミルク・ホテルの『In The Aeroplane Over The Sea』は1998年リリースに関わらず、10年後の2008年にはもっとも売れたヴァイナル・アルバムの6位に入り、『NME』ではオールタイム・ベストアルバムの98位にランクインしている。
 そんななか、ジュリアンは確実に自分のサーカス・プロジェクトを進行させ、去年の夏は、ハドソンリバー・パークでメリーゴーラウンドでのショーを開催した。

 今回はポッドキャストになって登場。たまたま地下鉄で、メンバーにばったり会い、今回のプロジェクトを教えてもらった。

https://www.orbitinghumancircus.com/

 エピソードは、10/12にスタート、2週間に1回水曜日に配信で、2月の末まで続く。11/9からツアーがはじまり、11/18にはNYにやってく来る。
「ジュニター(門番=ジュリアン)を中心に繰り広げられるオービティング・ヒューマン・サーカスの世界。神秘的に歌う鳥、トロンボーンを演奏する北極グマ、合法な時間旅行(いえ、本当に)、そして、並外れた展示達が貴方を迷わせる」
 2016年11月、周りの雑音から離れて、このマジカルな世界を体験してみよう。ジュニターの切ない摩訶不思議な世界は、現実の世界への新しいアイディアを届けてくれるようだ。

https://www.orbitinghumancircus.com/phone/the-music-tapes.html

半野喜弘 - ele-king

 RADIQ名義(ベーシック・チャンネルのファンならPaul St. Hilaireとのコラボはいまでも記憶に焼き付いているでしょう!)や田中フミヤとのユニットDartriixなど、クラブ・ミュージックの領域においてはもちろんのこと、映画音楽の分野でも活躍してきたエレクトロニック・ミュージックの鬼才・半野喜弘。
 このたび、彼にとって初となる映画監督作品『雨にゆれる女』が、11月19日(土)よりテアトル新宿にて公開されることとなった。それに先がけ、11月5日(土)にCIRCUS TOKYOにて公開記念パーティ〈A WOMAN WAVERING IN THE RAIN〉が開催されることも決定している。映画と音楽というふたつの領域を横断する半野喜弘の現在を、目と耳の両方で体験してみてはいかが?

映画音楽の鬼才・半野喜弘 初監督作品
主演 青木崇高 × ヒロイン 大野いと

映画『雨にゆれる女』

RADIQ aka Yoshihiro HANNO 4年ぶりの主催!
映画『雨にゆれる女』公開記念クラブ・パーティ
“A WOMAN WAVERING IN THE RAIN”
開催決定!!

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パリを拠点に、映画音楽からエレクトロ・ミュージックまで幅広く世界で活躍し、ホウ・シャオシェン、ジャ・ジャンクーなど世界の名匠たちを魅了してきた音楽家・半野喜弘の監督デビュー作『雨にゆれる女』が11月19日(土)にテアトル新宿にてレイトロードショー
本作は、濃厚な色彩、優美な旋律、登場人物の息づかい……現代の日本映画には稀な質感の映像で紡ぐサスペンスフルな愛の物語。14年前のパリで、まだ俳優になる前の青木崇高と半野喜弘が出会い、いつか一緒に作品を作ろうと誓い合った。そして10年後の東京で2人は再会し、『雨にゆれる女』は生まれた。本作は今月末に行われる東京国際映画祭「アジアの未来」部門の日本代表に選出されている。

監督の半野は、ジャスやヒップ・ホップの音楽活動を経て、ヨーロッパで発表されたエレクトロニック・ミュージック作品で注目を集めたことを皮切りに、それらの活動が目に留まり台湾の巨匠・ホウ・シャオシェン監督『フラワーズ・オブ・シャンハイ』の音楽を手掛ける。その後ジャ・ジャンクー監督やユー・リクワイ監督、行定勲監督などとのコラボレーションを経て、ついに自らも映画製作に真っ向から携わることを決意。そんな半野の処女作とあって、その独自の映像表現に、坂本龍一、田中フミヤ、吉本ばなな、斎藤工、ジャ・ジャンクーからの絶賛コメントが届くなど、各界の注目をさらっている。

『雨にゆれる女』の公開を記念して、「I WANT YOU」から4年ぶりに半野喜弘主催のパーティー“A WOMAN WAVERING IN THE RAIN”の開催が決定! 音楽仲間が集結して、映画監督としての才能を開花させた半野を盛大に祝う!

“A WOMAN WAVERING IN THE RAIN”@CIRCUS TOKYO
■日時:11月5日(土)OPEN 23:00~
■場所:CIRCUS TOKYO(〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3-26-16 第5叶ビル1F, B1F)
■出演者:RADIQ aka Yoshihiro HANNO
Neutral - AOKI takamasa + Fumitake Tamura (Bun)
Dsaigo Sakuragi (D.A.N.)
Taro
■料金:Door \2,000

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――出演者Profile
■Neutral
AOKI takamasa + Fumitake Tamura (Bun)、ふたりのアーティストによる不定形ビーツ・プロジェクト。両者の作家性の根底にあるミニマリズムを共有しながら、宇宙に揺らぐ波のように透明なサウンドの現象をキャプチャーする。
2015年1月、Liquidroom/KATAで行われたライヴ・セッションにて本格的に始動。
■Dsaigo Sakuragi
1/3 of D.A.N.
■Taro
90年代中盤に大阪でDJを開始。“TOREMA RECORDS”、“op.disc”などを手伝いながら現在にいたる。
■RADIQ aka Yoshihiro HANNO
パリ在住の音楽家/映画監督、半野喜弘によるエレクトロニック・ミュージック・プロジェクト。
ブラックミュージックを軸に多種多様なエッセンスが混ざりあい、野生と洗練が交錯する未来型ルーツ・ミュージック。

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【ストーリー】
本当の名を隠し、“飯田健次”という別人としてひっそりと暮らす男。人との関わりを拒む彼の過去を知る者は、誰もいない。ある夜、突然同僚が家にやってきて、無理やり健次に女を預ける。謎の女の登場で、健次の生活が狂いはじめる。なぜ、女は健次の前に現れたのか。そしてなぜ、健次は別人を演じているのか。お互いに本当の姿を明かさないまま、次第に惹かれ合っていくふたり。しかし、隠された過去が明らかになるとき、哀しい運命の皮肉がふたりを待ち受けていた――。

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★こちらのサイトor QRコードから映画『雨にゆれる女』ディスカウント・チケットをGET!
https://www.bitters.co.jp/ameyure/discount.html

劇場窓口にて割引画像を提示すると、300円引き!
(当日一般料金1800円→1500円、大学・専門1500円→1200円)
*1枚につき2名様まで *『雨にゆれる女』の上映期間中有効です。
*サービスデイ、会員など、ほかの割引との併用はできません。 *一部の劇場をのぞく。

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監督・脚本・編集・音楽:半野喜弘
出演:青木崇高 大野いと 岡山天音 / 水澤紳吾 伊藤佳範 中野順二 杉田吉平 吉本想一郎 森岡龍 地曵豪 / 十貫寺梅軒
企画・製作プロダクション:オフィス・シロウズ
配給:ビターズ・エンド
2016年 / 日本 / カラー / 1:1.85 / 5.1ch / 83分
©「雨にゆれる女」members
https://bitters.co.jp/ameyure/

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11月19日(土)より、テアトル新宿にてレイトロードショー!

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お問合せ:
パーティーについて:taro@opdisc.com
映画について:info@bittersc.co.jp

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R.I.P. Prince Buster - ele-king

 今年2016年は、紫のプリンスに続いて、ブルーのプリンスまで逝ってしまった。“キング・オヴ・ブルー・ビート”に即位するも、最後まで鯔背な若大将の風情で肩で風切り、(眉唾ものを含む)数々の伝説と武勇伝に彩られながら飄々と人生を闊歩した味のあるスーパー・スター、プリンス・バスターのことだ。
 “ブルー・ビート”は60年代にジャマイカ音楽をUKに紹介したレーベル名であり、そこからスカ、ロック・ステディの異名となったわけだが、そもそも今もってスカ自体が懐古趣味とは馴染まない現代的な音楽であり続けている以上、その筋の偉人の客観評価が常にコンテンポラリーな感覚で為されるのは当然である。しかし、それにも増してプリンス・バスターには、その音楽ジャンルの花形である以上の規格外の魅力があったのだ、人間的にも、音楽的にも。

 〈芸術的センス〉、〈ビジネスの才覚〉、〈肉体的な闘争力〉。人間の持ち得る特性として考えると、これらは往々にして相反しがちな要素だが、プリンス・バスターは、幼少期に音楽に魅入られてダンスや歌やパーカッションを始め、一方でボクサーとなり(確かそこで“プリンス”と呼ばれるようになったはずだ)、その後、商売敵からの物理的な攻撃を防ぐためのこわもての用心棒(&セレクター)としてサウンドシステムに雇われた。独り立ちして自身のサウンドシステムを経営し、シンガー、エンターテイナーとなり、他アーティストもプロデュースし、レーベル・オウナー、音源のセールスマン、レコード・シャックの経営者にもなった。こうした音楽的独創性、ビジネス・センス、腕っ節の強さ(実力行使)、ある種の覇権主義、マチズムがジャマイカの大衆音楽の、そしてその土台、サウンドシステムの文化において意味深い要素であることを思えば、プリンス・バスターこそその道の典型的なジャマイカン・ダンディーである。ましてや、そのまるでアカデミック的でない歌唱法、ときにスポークン・ワード的だったり、曲にスキットを演じ込んだりしながら歌唱とサウンドシステム由来のディージェイ芸が同居したパフォーマンスに着眼すれば、彼の中に現代的なダンスホール・ディージェイ文化の、ひいてはギャングスタ・ラップの源流のひとつさえ見て取れる。もちろんプリンスとギャングスターを一緒くた(笑)にしてはならないが、バスター自身、名曲“Al Capone”で「オレをスカーフェイス(“古臭いギャング”の隠喩だろう)と呼ぶな。オレの名前はカポーンだ」と歌った(語った)ように、要は見得と矜恃の漢伊達の美意識なのであり、その種のこだわり、自己主張自体が、人間の“ひとつの類型”を形成している。彼がのちの80年代末にUKのトロージャンズを従え、伝説の反逆の黒人アウトローを歌ったスタンダード・ナンバー“Stack O' Lee (a.k.a. Stagger Lee)”を吹き込んでいることを思い出す人もいるだろう。あの曲が見事に似合ってしまうこと、まさにそれが、彼が誰なのかを実に雄弁に物語るのだ。
 同時に、列強にしてやられた“弱小国”ジャマイカの、特に男性市民がギャングスター映画や勧善懲悪のスパゲティ・ウェスタンを熱烈に愛した事実があるが、その、漢気溢れるタフな強者に対する彼らの抱く信仰めいた憧れ、プリンスはその姿を地で行ったという見方もできるだろう。彼が歌った“Hard Man Fe Dead !/タフマンは死なねえ!”というヤツだ(ジャメイカンがウェスタンに熱狂する様子が映画『ザ・ハーダー・ゼイ・カム』のいちシーンで描かれていたし、ちなみに同映画にはバスターも印象的な出演をしていた)。
 ついでに言えば、とりわけ前掲の“Al Capone”で炸裂するバスターお得意のパーカッション的スキャット、いわゆる“口チュク”をヒューマン・ビート・ボックスの一種の原始形と見たってあながち暴論ではないだろう。素直に戦後ポピュラー音楽史を俯瞰するとき、この輝けるスターが身に受けるべきものが、〈スカの偉人であり創始者のひとり〉という“偉大なるレッテル”1枚では明らかに不充分なのだ。ぼくの目には、現代的なストリート・ミュージックのひとつの潮流の最上位の一角に、この青のプリンスが屹立している。
 そもそもプリンス・バスターという名前からしてすこぶるチャーミングではないか。本名セシル・バスタマンテ・キャンベル。親が労働組合叩き上げの名政治家バスタマンテ(Bustamente)の名前をミドル・ネイムとして与え、〈Buster〉はその省略形と解することもできる一方で、“プリンス”の気品と、それと相反する“バスター(破壊者)”の粗暴性とが同居した名前でもあるわけだ。この“気高さ”と“粗暴さ”のコントラストこそが彼だ。それを許容するだけの懐の深さ、伝統的な音楽の美点を受け止めながら因習を破壊した革新性。
 この勇ましい“バスター”キャラは、数々のナンバーで率直に見て取れる。友人コクソン・ドッドのサウンドシステムの用心棒に雇われたくせに、それでも自分が独立して競争関係になると“Downbeat Burial(コクソン・ドッドのサウンド〈ダウンビート〉を埋葬してやる)”というようなマカロニ・ウェスタンのタイトルさながらの曲を出し(いわゆる“サウンド・クラッシュ”のはしりだ)、あるいは華僑プロデューサーのレスリー・コングを標的に“Blackhead Chineman”を書くなど、ライヴァルをキツくやりこめた。そもそも自身のサウンドシステム名に〈Voice of the People〉と名付けたり、レコードのジャケットに踊る〈Jamaica’s Pride〉とか〈National Ska〉といった文句もいちいち言葉が大きい。
 こうしたオレ様気質のビッグ・マウスは、現在まで続くある種の型のマイク芸のプロトタイプであり、それは“Judge Dread”で自身が悪を断罪する裁判官に扮するまでに至るのだが、その背景には、彼流の一貫した正義感を感じ取ることができる。モハメド・アリとの親交も知られるバスターだが、バプティストの家庭に生まれるも、アフリカ黒人の矜恃、その文化の独創性を主張するスタンスからネイション・オヴ・イスラム~ブラック・ムスリム・ムーヴメントに同調してイスラムに改宗し、セシル・キャンベルから〈モハメド・ユセフ・アリ〉となった。これはジャマイカにおける、アフリカンとしての尊厳を第一義に掲げるネグリチュード運動の流れとしては、音楽がラスタファリアニズムと緊密に結びついてゆく時代に一歩先んじていた(それに、クリスチャンのジミー・クリフがイスラムに改宗する10年以上も前の話である)。いくつか存在したバスターの運営レーベルの中には、少しあとにスバリ〈Islam〉という名のレーベルも登場するし同名の曲もあったが、少なくとも60年代前半から、単なるサウンド・クラッシュやヒット・チューン競争、あるいは62年の独立を経て沸き立つナショナリズムとは次元の違う思想、世界観を自身の音楽活動に投影していたわけである。しかしラスタがそうであったように、ブラック・モスレムとしてのバスターもジャマイカ政府から危険人物視され、何度も家宅捜索を受けてはイスラムの文献を没収されるという厳しい迫害に遭ったというが、それで信仰を捨てることはなく、権力の不当に屈しなかった。世界には、その彼のモスレム・ミュージシャンとしての生き様をリスペクトしているフォロワーも多いことだろう。
 しかしながら、その一方で、あからさまな下ネタでも人気を取ろうという芸人根性も隠さなかったのがバスターの一層味わい深いところだ。けしからん箇所に“ピー”音をかぶせないとレコードを発売できないような類いの露骨にナスティーな、いわゆるスラックネス・チューンの歴史にもプリンスはその名を残している。とにかく、あらゆる点で先駆的な人だったのだ。

 1989年は、日本のスカ・ファンにとって約30年分の盆と正月が一気に訪れたような大事件が起きた年だ。ぼくはちょうどその年、ひょんなことからタワー渋谷店に入社し、5年半ほどお世話になることになった(タワーレコード株式会社のことだ。まだ誰ひとり“タワレコ”などと略したりしなかった四半世紀以上前、渋谷店は井の頭通り沿い、東急ハンズの少し先の左手にあった)。ひょんなこと、というのも、アルバイト希望で応募したのに、面接に行ってみると、「嫌だったらいつでもバイトにしてあげるから社員にならない? 福利厚生もしっかりしてるよ」と説得され、つい出来心で入社してしまったのだ(バブル時代とはそういうものだった)。
 それで大事件の話だが、同社に対して、それじゃ社員になります、という返事をしたのとほぼ同時期に、スカタライツの初来日公演、フィーチャリング:プリンス・バスターというとんでもない興行が発表されていたのだ。日程は同年の4月29、30日の土日、会場は汐留PIT2(新橋駅から海側へ当時の殺伐たる空間をしばらく歩いた先、旧国鉄汐留駅跡地に期間限定で作られた大きなテント型のライヴ会場。現汐留シオサイトの一角)だった。
 しかし痛恨の極み。入社したばかりで土日に休みなど取れず、さらに両日遅番だったせいで、ぼくはその大事件を東京にいながらただの一瞬も目撃できなかった。社員なんかになったことを早々に後悔したものだ。その6月に発売された『レゲエ・マガジン』11号グラビアの菊地昇さんによる同公演の写真とか、同号の、気に障る質問でもして怒らせたら大変だということで荏開津広さんが来日時のプリンス・バスターにおそるおそる丁寧な質問を重ねていく素晴らしいインタヴュー記事なんかも、ショウをミスしたのがとにかく悔しくて、しばらくの間は直視できなかった。
 しかしながら、人生、ひどく残念なことが起きたあとには、そのうち、それを埋め合わせて余りあるうれしいことが必ず起きるものだ。
 同じ年の12月、早番で出勤し、開店した朝10時過ぎから、入荷した商品を良く晴れた朝日が差し込む3階の売場に並べていたときのことだ。「ヘイ! ちょっとこっちへ来てくれ」と言いながら目の前に突然現れた全身黒づくめの男、それはプリンス・バスター、その人だった。4月に見逃して悔やんでも悔やみ切れなかったその人が、向こうからやって来て、ぼくの目を見て話しかけているのである。彼は窓際のコーナーにぼくを連れていき、ある場所で立ち止まった。黒いベレー帽、プラチナか金色だったかのフレイムの眼鏡をかけ、黒の革ブルゾン、革パンツ、磨かれたサイドゴア・ブーツ。こんな恰好が似合うのはその世界ではトゥーツ・ヒバートとプリンス・バスターだけだが、プリンスのほうが着こなしの品格は上だ。陽射しを反射する眼鏡の奥の眼差しが鋭い。顔の下半分を覆う、丁寧に整えられた黒々としたヒゲ。唇を動かすと、前歯のメタルの縁取り、いわゆる〈開面金冠〉が光り、それだけで凄い迫力だ。向き合っていると、その只者ではないオーラが熱い。実際只者ではないのだから、本当は驚くにはあたらないはずなのだが。
 どうしてプリンスが日本にいたのかといえば、4月のスカタライツ公演のフロント・アクトを務めたスカ・フレイムスを絶賛したプリンスが、今度は彼らをバックにして日本で歌いたいと希望し、それがスピーディーに実現したのだった。その再来日公演の様子を交え、前掲の荏開津さんのインタヴューを踏まえながら、プリンス・バスターの功績と人となりをおそらく日本で最初にまとめた名テクストが、山名昇さんの(初版は91年『レゲエ・マガジン』別冊として刊行された)『Blue Beat Bop !』にスカ・フレイムスの宮崎研二さんが寄稿した「Prince Buster Is Staggerlee(バスター親分、登場だ)」だった。しかし、そのバスターの思慮深い、優れた人格者たる人柄が伝わる宮崎さんのテクストは当然ながらその時点でまだ書かれておらず、ぼくはとにかく恐くて凄い人、という単純なイメージしか持ち合わせないまま、ビビりながら親分の出現を受け止めるほかなかったのである。
 井の頭通りに面した北側の窓際にぼくを誘導した彼は、1枚のリーダーカードを指で弾いて言った――「Mongo Santamaria のCDはないのか?」。そのコーナーはその日、見事に空っぽで、プリンスは明らかに不満げな面持ちだった。ぼくは、少々お待ち下さい、と言い、足下のストックもゼロなのを認め、最新の入荷品の中にあるかどうかをバック・ルームに確認に行った。実際入荷していないだろうという予測は付いていたのだが、お客さまの名前を呼びかけて丁重に詫びるにせよ、そもそも“Prince”の前に、“Sir”はやり過ぎとしても、“Mr.”という敬称が必要なのかどうかから考える時間が必要だったのだ。想像して欲しい、“Prince”を名乗る人から、心の準備もないまま突然声をかけられる機会が、一般日本人の一生で、普通一度でもあるだろうか。落とすよりも付いている方が少なくともリスクは少ないだろうと考え、すみません、ミスター・プリンス・バスター、あいにくモンゴ・サンタマリアは現在1枚も在庫がなく、バック・オーダーも本日は入荷していないのです、と謝った(タワーの従業員は、その程度の英語での接客ができなければ仕事にならなかった)。
 するとプリンスは、「オレのことを知ってるのか?」と言い、予想外の、写真で見たこともない人懐こい表情で破顔した。そして、「今、モンゴ・サンタマリア(というのが素敵ではないか!)をCDで集めてるから探しに来てみたんだが」と言った。あとで思えば、きっと宮崎さんか、スカ・フレイムスの他の誰かが彼にタワーレコードの場所を教えたのだろう。ラテンのすぐ向かい側がスカ/レゲエ・コーナーだったが、幸いプリンスのアルバムは全く淋しくない程度に在庫があった。そこで調子に乗ったぼくは、「あなたの昔のアルバム、最近UKでリイシューが進んでますね」というようなレコード屋トークで水を向けると、快くいろいろな話を聞かせてくれたのだった。
 なんだかんだ15分くらいは話をしただろうか。結局、わざわざ向こうから来てくれたプリンスは、レコード屋の小汚い“なり”をした若造に貴重な話を聞かせてやり、サインもせがまれた上に、そいつと固く握手をし、所望のCDを買えなかったのに「サンキュー!」を言って帰っていった。あれ以降、モンゴ・サンタマリアを聴くたびに、「この曲の入ってるCD、どっかで買えたかな」と、プリンスを必ず思い浮かべる習慣になった。そしてそれはいまだに続いている。
 ぼくは、今よりずっとロマンティストだった若い時分、しばらくこの出来事を、まだ有給休暇がなかった悲しき正社員のもとに、その年の12月にサンタクロースが届けてくれたプレゼントのように考えては、その解釈を気に入ってひとり悦に入っていた。が、あるとき自分の不見識に愕然とするのだ――敬虔なイスラム教徒をサンタクロースになぞらえていたとは! と。でも、またしてもすぐに調子よく思い直したのだった――“サンタマリア(聖母マリア)”の愛好家の寛大なるプリンスは、そんなことで気を悪くしたりしないだろうと。
 それがぼくの、この宝物の話のオチなのだが、こんな悪くない自慢話を書く機会がこれまで一度もなかった。これがプリンスの追悼文でなかったら、書いていてもっと心楽しいのだが。

2016年10月 鈴木孝弥

yahyel - ele-king

 さあ、どうだ。やってやったぞ、こんちくしょう。先日こちらでもアナウンスしたヤイエル(yahyel)初のCD作品『Once / The Flare』だが、なんと、即完売だったそうである。おまけにApple Musicの「今週のNEW ARTIST」にも選出されたらしい。僕だけじゃなかった。みんなも「こりゃあイイ!」って思っていたんだ。僕は間違っていなかった。もうそれだけで十分だ……
 なんて満足していたら、今度は待望のデビュー・アルバムのリリースがアナウンスされた。全然十分じゃなかった。ヤイエル、これからである。アルバムはオーウェルの『1984』や『AKIRA』、『マトリックス』や伊藤計劃からインスパイアされたものになっているらしい。ヤイエル、冴えている。気になるデビュー・アルバムの発売は11月23日。それに先がけ、10月22日に開催される〈HOUSE OF LIQUID〉への出演も決まっている。
 まだちゃんと綴れないかもしれない。まだうまく発音できないかもしれない。でもみんな、もうかれらの存在は覚えたでしょう? 時は、満ちた。

限定CD即完も話題の新鋭
yahyel が満を持して放つ待望のデビュー・アルバム
『Flesh and Blood』発売決定!

日本人離れしたヴォーカルと最先端の音楽性、また映像クリエイターを擁する特異なメンバー編成で、今各方面から注目を集める新鋭 yahyel(ヤイエル)が、渾身のデビュー・アルバム『Flesh and Blood』のリリースを発表!

2010年代、インディを中心として海外の音楽シーンとシンクロするアーティストがここ日本でも次々に現れるようになったのを背景に、2015年にバンドを結成。今年1月には、いきなり欧州ツアーを敢行。その後もフジロックフェスティバル〈Rookie A Go Go〉に出演し、METAFIVEのワンマンライブでオープニングアクトを務めるなど、着実にその歩みを進めていった。一方で、先週リリースされた初のCD作品『Once / The Flare』が、発売と同時に売り切れ店舗が続出する盛り上がりを見せ、Apple Musicが今最も注目すべき新人アーティストを毎週1組ピックアップし紹介する企画「今週のNEW ARTIST」にも選出されるなど、予想を遥かに上回る反響を呼んでいる。

yahyel - Once


『AKIRA』や伊藤計劃、ジョージ・オーウェル『1984』、『マトリックス』をインスピレーションに、ディストピア性を押し出した本作『Flesh and Blood』には、全10曲を収録。シングルとしてリリースされた「Once」や、昨年自主制作でリリースされた楽曲も、アルバム用に新たにミックスされたアルバム・ヴァージョンとして収録されている。マスタリングは、エイフェックス・ツインやアルカ、ジェイムス・ブレイク、フォー・テット、FKAツイッグスなどを手がけるマット・コルトンが担当している。

インターネットをはじめとする音楽を取り巻く環境の変化を、ごく自然に吸収してきた世代が、ここ日本でも台頭する中、際立ってボーダーレスな存在であるyahyel。現代のポップ・ミュージックの「いま」を鮮やかに体現するこの新星が放つ待望のデビュー・アルバムは、11月23日(金)リリース! iTunesでアルバムを予約すると、現在発売中のEP収録の「The Flare」がいちはやくダウンロードできる。

なお、yahyelは10月22日(土)に恵比寿LIQUIDROOMにて開催されるHOUSE OF LIQUIDへの出演が決定している。
https://www.liquidroom.net/schedule/20161022/30921/

label: Beat Records
artist: yahyel
title: Flesh and Blood
ヤイエル『フレッシュ・アンド・ブラッド』
cat no.: BRC-530
release date: 2016/11/23 WED ON SALE

【ご予約はこちら】
amazon: https://amzn.to/2dBcCcf
beatkart: https://shop.beatink.com/shopdetail/000000002109
tower records: https://tower.jp/item/4366338/
iTunes: https://apple.co/2dx8RrM

yahyelオフィシャルサイト:https://yahyelmusic.com/
アルバム詳細はこちら:https://www.beatink.com/Labels/Beat-Records/yahyel/BRC-530/

Tracklisting
1. Kill Me
2. Once (album ver.)
3. Age
4. Joseph (album ver.)
5. Midnight Run (album ver.)
6. The Flare
7. Black Satin
8. Fool (album ver.)
9. Alone
10. Why

[今後のライブ]

HOUSE OF LIQUID
featuring live
Seiho
yahyel

featuring dj
Aspara (MAL/Lomanchi)
Licaxxx

2016.10.22 saturday midnight
LIQUIDROOM
open/start 24:00
adv.(now on sale!!!) 2,000yen / door 2,500yen[under 25, house of liquid member→2,000yen]

※深夜公演のため20歳未満の方のご入場はお断り致します。本人及び年齢確認のため、ご入場時に顔写真付きの身分証明書(免許書/パスポート/住民基本台帳カード/マイナンバーカード/在留カード/特別永住者証明書/社員証/学生証)をご提示いただきます。ご提示いただけない場合はいかなる理由でもご入場いただけませんのであらかじめご了承ください。(This event is a late night show, we strictly prohibit entrance of anyone under the age of 20. We require all attendees to present a valid photo ID (Drivers License, Passport, Resident Registration Card, My-number card, Special permanent resident card, Employee ID, Student ID) upon entry. For whatever reason, we will refuse entry to anyone without a valid photo ID.)

info: LIQUIDROOM 03-5464-0800 https://www.liquidroom.net

海外からの来訪者の増加傾向著しい日本の主要都市、東京と大阪。共に、多種多様な文化が集まり交差する拠点としても長らく日本の音楽シーンを牽引し続け、今やオーバーグラウンド/アンダーグラウンド問わず世界のシーンへと飛び出すアーティストたちを多く生み出している。そんな二都から現れた若手最注目株たちがなんと、2016年3回目の開催となるHOUSE OF LIQUIDにて大激突。


yahyel | ヤイエル

2015年3月に池貝峻、篠田ミル、杉本亘の3名によって結成。

古今東西のベース・ミュージックを貪欲に吸収したトラック、ブルース経由のスモーキーな歌声、ディストピア的情景や皮肉なまでの誠実さが表出する詩世界、これらを合わせたほの暗い質感を持つ楽曲たちがyahyelを特徴付ける。

2015年5月には自主制作のEPを発表。同年8月からライブ活動を本格化し、それに伴いメンバーとして、VJに山田健人、ドラマーに大井一彌を加え、現在の5人体制を整えた。映像演出による視覚効果も相まって、楽曲の世界観をより鮮烈に現前させるライブセットは既に早耳たちの間で話題を呼んでいる。

2016年1月には、ロンドンの老舗ROUGH TRADEを含む全5箇所での欧州ツアーを敢行。その後、フジロックフェスティバル〈Rookie A Go Go〉ステージへの出演やMETAFIVEのワンマンライブでオープニングアクトを経て、9月に初のCD作品『Once / The Flare』をリリースすると、発売と同時に売り切れ店舗が続出。Apple Music「今週のNEW ARTIST」にも選出されるなど、今最も注目を集める新鋭として期待されている。

DJ WADA (Dirreta) - ele-king

Lounge charts

comming soon !

DJ WADA - Garden (sample) c-90+DL CODE

from Field Of Mouth Records

JAZZ MEETS EUROPE - ele-king

 ヨーロッパはある意味アメリカ以上にジャズを受け入れたことはよく知られている。とくにに60年代から80年代にかけて、多くのジャズメンたちは欧州に渡り、数々の名盤を録音している。本場のジャズの模倣からはじめて、やがて自分たちのジャズを模索した欧州人も数多い。また、ロックをやりながらジャズを取りれて、なにか違ったものを創出したバンドも忘れるわけにはいかない。ヨーロッパを舞台に、数多くの魅力的なジャズ作品が生まれている。

 『Jazz Next Standard』シリーズ、『CLUB JAZZ definitive』の監修者、小川充の新刊は、ヨーロッパのジャズとその周辺音楽の案内書、『ヨーロピアン・ジャズ ディスクガイド』。アメリカから伝播したジャズを消化し始めた1960年代のモダン・ジャズ(イアン・カー、マイク・ギブスほか)、独自のスタイルを築き上げる60年代後半のジャズ・ロック(マイク・ウェストブルック、ソフト・マシーンほか)、70年代のプログレ/アヴァンギャルド(キング・クリムゾン、キース・ティペットほか)、ビッグ・バンド(ケニー・クラーク、ピーター・ヘルボルツハイマーほか)などなど、年代やジャンル別に紹介する。
 さらには、国外音楽家の録音盤(ドン・チェリー『オーガニック・ミュージック・ソサエティ』)やヴォーカルもの(カーリン・クロッグ、ノヴィ・シンガーズ)などを独自の眼線で大胆にセレクト。ヨーロッパ・ジャズとその周辺音楽の入門書として、最適な一冊! 発売は9月30日です。

 また、『ヨーロピアン・ジャズ ディスクガイド』の刊行に併せて、P-VINEからヨーロピアン・ジャズの名盤がリイシューされる。
 9月28日発売の第一弾は、クラーク=ボラン・セクステット『ミュージック・フォー・ザ・スモール・アワーズ』、ケニー・クラーク=フランシー・ボラン・ビッグ・バンド『オフ・リミッツ』の2タイトル。10月12日発売の第二弾は、サヒブ・シハブ『コンパニオンシップ』、サヒブ・シハブ・クインテット『シーズ』の2タイトル。4枚とも名盤であり定番でもあるので、まだ聴いてない人はこの機会にぜひヨーロピアン・ジャズの情熱と香気を味わってください。

『ヨーロピアン・ジャズ ディスクガイド』

(目次)

■Part 1 - Modern / Contemporary Jazz
・GREAT BRITAIN
・GERMANY
・FRANCE
・ITALY
・WEST EURO
・NORDIC
・EAST EURO

■Part 2 - Jazz Rock / Progressive Rock / Avantgarde
・GREAT BRITAIN I (JAZZ ROCK / CANTERBURY)
・GREAT BRITAIN II (MOD JAZZ / NEW ROCK / PROGRESSIVE ROCK)
・GERMANY
・FRANDLE
・EURO
・SINGER-SONGWRITER / FOLKY

■Part 3 - Jazz Funk / Fusion
・GREAT BRITAIN
・GERMANY
・WEST EURO
・NORDIC
・EAST EURO

■Part 4 - Big Band
・BIG BAND
・CBBB / RC&B / GERMAN BIG BAND

■Part 5 - Euro Recordings
・ETRANGER
・SABA-MPS / HORO / STEEPLECHASE

■Part 6 - Vocal
・VOCAL

■Part 7 - World
・AFRO
・LATIN / BRAZILIAN

■Part 8 - Mood
・CINE JAZZ
・EASYLISTENING / LIBRARY

COLUMN 英国ジャズ未発表音源の発掘

監修:小川充
JAZZ MEETS EUROPE
ヨーロピアン・ジャズ ディスクガイド

P-VINE/ele-king books
Amazon

【9/28発売 2タイトル】

PCD-24543
クラーク=ボラン・セクステット『ミュージック・フォー・ザ・スモール・アワーズ』
CLARKE-BOLAND SEXTETT / Music For The Small Hours
これぞクラーク=ボラン楽団の最高傑作にして、ヨーロッパ・ジャズの最高峰たる超名盤!

PCD-24544
ケニー・クラーク=フランシー・ボラン・ビッグ・バンド『オフ・リミッツ』
THE KENNY CLARKE-FRANCY BOLAND BIG BAND / Off Limits
欧州最強ビッグ・バンドが活動の最盛期に当たる1970年に放った豪快かつスリリングなビッグ・バンド・ジャズ傑作!


【10/12発売 2タイトル】

PCD-24545
サヒブ・シハブ『コンパニオンシップ』
SAHIB SHIHAB / Companionship
数あるサヒブ・シハブの作品中でも最もエッジの効いた演奏が堪能できる珠玉の1枚!あのクラーク=ボラン・セクステットの最高傑作『Music For The Small Hours』に匹敵するヨーロッパ・ジャズ史に永遠に光り輝く最重要作品!

PCD-24546
サヒブ・シハブ・クインテット『シーズ』
THE SAHIB SHIHAB QUINTET / Seeds
マルチ・リード奏者、サヒブ・シハブがリーダーを務めた1969年発表の欧州ジャズの至宝盤!

Theater 1 (D.J.Fulltono & CRZKNY) - ele-king

 D.J.FulltonoとCRZKNYは日本のジューク/フットワーク・シーンを牽引するプロデューサーである。このふたりはTheater 1という名義で、昨年夏より月一のペースでコンセプチュアルなリリースを展開してきたが、このたびそれらのスプリット・シングルが2枚組CDとしてまとめられることになった(デジタル盤は12枚のシングル形式)。
 気になるタイトルは『fin』で、10月16日(日)に〈melting bot〉よりワールドワイドにリリースされる。なお本作は、D.J.Fulltonoにとっては初めてのCD作品でもある。
 これまでのジューク/フットワークの概念をテクノやミニマル・ミュージックとして大幅に拡張した本作は、ジューク/フットワーク第2世代のJlinや食品まつり a.k.a foodmanなどと同様、発祥の地であるシカゴ以外の場所でもジューク/フットワークがどんどん成熟していっていることの証左であり、日本の音楽シーンから世界へと向けられた挑戦状でもある。となれば、これはチェックしておかないとマズいでしょう!

 なお、D.J.Fulltonoは下記日程にてヨーロッパ・ツアーをおこなうことも決定している。こちらもあわせてチェック!

D.J.Fulltono EU Tour 2016
20th Oct Krakow - Unsound w/ Traxman, 食品まつり a.k.a foodman
21st Oct Paris - Booty Call Presents Global Footwork
22nd Oct Berlin - TBA

"フットワーク以降アンビエント未満、観賞する白銀のミニマル・テクノ"

世界へと切り込むD.J.FulltonoとCRZKNYによるコンセプチュアルなシリーズ・プロジェクト“Theater 1”がアルバムとなってワールドワイドでCDリリース! フットワークをフレームワークとした無機質で催眠的な新感覚のミニマリズム、〈Kompakt〉を共同主宰する独電子界の巨匠Wolfgang Voigt(aka Mike Ink, Gas)のミニマル革新作『Studio 1』(1997)のオマージュでありながら、テクノとしてのフットワークを拡張する逸脱の実験音響作。

『Pitchfork』、『Fact』、『Fader』、『RA』にも取り上げられ、『VICE』での特集や『Rolling Stone』の年間ベストのランクイン、そしてUnsound出演を含めるEUやUSツアーなど、先鋭アクトとして世界的な注目を集める日本フットワークの両雄が前人未到へ踏む込むテクノ最先端!

2015年の夏から1年間に渡って毎月2曲のスプリット・シングルをリリース、後のクリック/ミニマルの源流となった90年代テクノの革新的レーベル〈Basic Channel〉と並ぶ、〈Kompakt〉の共同オーナーでもある鬼才Wolfgang Voigt(aka Mike Ink, Gas)のコンセプチュアルなシリーズ作『Studio 1』を参照とした、日本からジューク/フットワークを牽引するD.J.FulltonoとCRZKNYのシリーズ・プロジェクト“Theater 1”の全リリースをまとめた全24曲のコンピレーション・アルバム。フットワークをフレームワークとしながら、160BPMの中で繰り広げられるループから変拍子、4つ打ち、ポリリズムを抽出し、デトロイト、クリック、ミニマル、ベース、ジャングル、ガムラン、ドローン、アンビエントなどのレイヤーを織り交ぜ、多種多様なグルーヴを展開。ミニマリズムにおけるテクノとしてのフットワークを前面に打ち出した、未だかつてない逸脱の実験音響作品集。

CAT No : MBIP-5569
Artist : Theater 1 (D.J.Fulltono & CRZKNY)
Title : fin
Label : melting bot
Format : 2CD (Album) / Digital (12 Singles)
Price : ¥2,400 + tax / ¥300 per Single at ITMS
Release date : 2016/10/16
Genre : Techno / Minimal / Footwork
Territory : Worldwide
Barcode : 4532813635699

【CD限定特典】CD exclusive bonus track *Download Code

Theater 1 CD exclusive DJ mix by D.J.Fulltono

- CD (Album) Tracklist -

DISC I (CRZKNY album edit)

01. Remi
02. Nanami
03. Annie
04. Jerusha
05. Peter
06. Jo
07. Katri
08. Annette
09. Thomas
10. Anne
11. Marco
12. Heidi

DISC II (D.J.Fulltono album edit)

01. John
02. Romeo
03. Jackie
04. Maria
05. Cedric
06. Pollyanna
07. Sara
08. Lucy
09. Flone
10. Perrine
11. Sterling
12. Nero

CD Artwork & Design by hakke https://twitter.com/mt_hakke

- Digital (12 Singles) Tracklist -

01. Remi
02. John

01. Romeo
02. Nanami

01. Annie
02. Jackie

01. Maria
02. Jerusha

01. Peter
02. Cedric

01. Jo
02. Pollyanna

01. Sara
02. Katri

01. Annette
02. Lucy

01. Flone
02. Thomas

01. Anne
02. Perrine

01. Sterling
02. Marco

01. Nero
02. Heidi

Digital Artwork & Design by Theater 1
https://meltingbot.net/release/theater-1-fin
https://soundcloud.com/meltingbot/sets/theater-1-fin

▼ シアター・ワン・バイオグラフィー


D.J.Fulltono [Booty Tune] https://soundcloud.com/dj-fulltono

DJ/トラック・メイカー。レーベル〈Booty Tune〉を運営。大阪にてパーティー「SOMETHINN」を主催。ジューク/フットワークを軸に ゲットーテック/エレクトロ/シカゴ・ハウスなどをスピン。〈Planet Mu〉、〈Hyperdub〉のジューク関連作品の日本盤特典ミックスCDを担当。スペインのConcept Radioにて発表したDJ MIXでは、ジュークの中にテック・スタイルを取り入れながら新たな可能性を模索する。2015年に6作目のEP「My Mind Beats Vol.02」をリリース。また、「Vol.01」はUSの音楽メディア『Rolling Stone』の“20 Best EDM and Electronic Albums of 2015”に選出され、世界の音楽ファンからも評価を得た。タワーレコード音楽レヴュー・サイト『Mikiki』にて「D.J.FulltonoのCrazy Tunes」連載中。



CRZKNY [HIROSHIMA SHITLIFE] https://soundcloud.com/crzkny

日本ジューク/フットワーク・シーンの代表的トラック・メイカーの一人。ハイペースな楽曲制作、そして過剰低音かつアグレッシヴなLIVEでファンを魅了し続けている。2012年から現時点までのリリース総数は、142タイトル、430曲以上を発表。国内盤CDアルバム『ABSOLUTE SHITLIFE』(2013)、『DIRTYING』(2014)を〈DUBLIMINAL BOUNCE〉よりリリース。またアメリカ、メキシコ、ポーランド、アルゼンチンなどの海外レーベルからも多数リリース。日本のトラック・メイカーとして初のシカゴ・フットワーカーMVも制作された。日本初のジューク/フットワーク・コンピレーション『Japanese Juke & Footworks』シリーズを食品まつりと共同で企画。近日、自身3枚目のCDアルバムを発表予定。並行してE.L.E.C.T.R.Oの制作も行っており、初期Electro作品「RESIST」はアナログ盤にて海外レーベルよりリリース、表題曲リミキサーとしてドレクシアのメンバーDJ Stingrayも参加している。国内においては〈Tokyo Electro Beat Park〉から2枚のフルアルバム『NUCLEAR / ATOMIC』、『ANGER』を発表。Keith Tenniswoodなど海外トップアーティスト達に絶賛される。また2012年より原爆・核・戦争・歴史についてのコンピレーション『Atomic Bomb Compilation』シリーズをGnyonpixと企画、多くの国内外アーティストが参加。今までに『The Japan Times』、『Red Bull Music Academy』、『Pitchfork』などで特集、インタヴューなどが掲載されている。国内グライム・シーンにおいても、2013年に開催されたWarDub.JPにおいて100名超の中から見事トップ10入りを果たし、翌2014年に開催された140BPM WARでも決勝進出を果たした。現在ノイズ・エクスペリメンタルDJとしてYung Hamster名義でも活動中。
https://meltingbot.net
https://twitter.com/meltingbot
https://www.facebook.com/meltingbot

interview with Machinedrum (Travis Stewart) - ele-king


Machinedrum
Human Energy

NINJA TUNE/ビート

Electronic PopIDMBass MusicR & BExperimental

Amazon

 マシーンドラムが変わった。どこかダークな『ヴェイパー・シティ』から一転し、新作『ヒューマン・エナジー』では、煌びやかでカラフルな色彩が溢れるエレクトロニック・ポップ・ミュージックへと変貌を遂げたのだ。ドラムンベースからベース・ミュージック、エレクトロからIDMまで、エレクトロニカからEDMまで、さまざまな音楽的要素をスムースに昇華しながら、いまのマシーンドラムにしか出せない新しいエレクトロニック・ポップ・ミュージックを生み出している。
この「変化」は、マシーンドラムことトラヴィス・スチュアートがカリフォルニアに移住した環境の変化も大きいらしいが、たしかに降り注ぐ陽光のような音楽だ。アンダーグラウンド・サウンド・プロデューサーとして評価を獲得していたが彼が、その志を一貫したまま、米国「ポップ・ミュージック」のプロデューサーとしての第一歩を踏み出したとでもいうべきか。00年代に、あのIDMレーベル〈メルク〉からアルバムをリリースしていた彼が、ここまで成長したのかと思うとなかなかに感慨深い。

 じじつ、この新作には昨年海外メディアの年間ベストを席巻したR&BシンガーD∆WNこととドーン・リチャードをはじめ、ブルックリンのラッパー/プロデューサーのメロー・X、リアーナ(!)のコラボレーターとしても知られるケヴィン・フセイン、ネオ・ソウル系シンガーのジェシー・ボイキンス三世、ロシェル・ジョーダン、アニマルズ・アズ・リーダーズのトシン・アバシなど、なかなかのメンツが集結しているのだ。これは勝負にでたのかもしれない。そう確信できるだけのアルバムといえる。

 では、いまの状況を、彼はどう考えているのか、どう思っているのか。来日したばかりのトラヴィス・スチュアートに話を聞いてみた。しかしてその返答・回答は極めてリラックスしたものであった。なるほど、「ポップであること」を決意したとき、人は、こうもリラクシンな状態になるものなのだろうか。新作『ヒューマン・エナジー』を聴きながら(もしくは聴きたいと思いながら)、彼の言葉を読んでほしい。奇才マシーンドラム=トラヴィス・スチュアートの「いま」の気分が伝わってくるはずだ。



現在は、どこに住んでいるのですか?

MD:ロサンゼルスさ。

前回日本に来たのは3年前ですね。今年、来日して何か変わったなと思うことはありましたか?

MD:そんなにはないね。来たばかりであまり街を見ていないから、とくに違いは感じてないよ。大阪で人と話したときに、みんな街がどんなに変わったかを話していたから、もちろん変化はしているのだろうけどね。

これまでもさんざん聞かれているとは思いますが、マシーンドラムの名前の由来について教えてください。

MD:高校の時に思いついたくだらない名前さ(笑)。90年代からずっとこの名前を使っているんだ。当時の俺の友人たちや有名なエレクトロニックのミュージシャンたちがドラムマシンを使っていたから、そのドラムとマシンを入れ替えてマシーンドラムにしたってだけ(笑)。誰も使ってないし、いいかなって(笑)。

あなたはエレクトロニック・ミュージックから、どのようなインパクトを受けてきましたか?

MD:エレクトロニック・ミュージックはタイムレスだし、定義が難しいよね。ポップ・ミュージックだってエレクトロだし、ヒップホップもそうだし、さまざまなモダン・ミュージックの制作にはエレクトロと同じソフトウェアや機材が使われている。俺自身が思うエレクトロニック・ミュージックは、人びとが限界、制限を超えて自分たちを表現することができる音楽かな。たとえばロックだと、ギター、ベース、ドラム、ヴォーカルといった制限があるけれど、エレクトロでは、キーボートやほかのものを使っていたり、そこからまた広がったりして、さまざまなもの作れるからね。

では、アーティスト、レーベル、作品、何でも良いので、あなたがいままでで一番影響を受けたと思うものは?

MD:俺は常にエイフェックス・ツインに影響を受けている。あと、〈ワープ〉の初期作品だね。エイフェックス・ツインの、「誰が何をいおうと気にしない」っていうあの姿勢が好きなんだ。自分がやりたいことを常にやって、境界線を押し広げている。だからこそ誰にも予想できないものが生まれるし、常に人びとを驚かせることができる。あの自由さは多くのミュージシャンのなかでもレアなものだと思う。人の期待や流行の波の罠に気を取られてしまうことは簡単だし、作った特定の音がいちど大きく受け入れられると、それを作り続けて人気を保ち続けることだってできるのに、彼はそれをやらない。いまの時代って、インターネットやSNSがあるから、ファンの声がダイレクトに伝わってくるぶん、彼らが好むサウンドを作らなければいけないというプレッシャーも大きいと思うんだ。でも彼や〈ワープ〉や〈ニンジャ・チューン〉に所属するアーティストたちは、その期待を超えた作品を作っているアーティストたちが多いと思う。自分の道を進んでいるよね。

あなたの作るサウンドもすごく複雑ですね。IDM的といいますか。

MD:IDMって呼ばれているアーティストで、自分が作っている音楽がIDMと思っている人ってあまりいないと思う。そもそもIDMって、とってつけたような名前だよね(笑)。でも、俺の最近の2、3枚のアルバムは、実際IDMっぽかったとは思うよ。

たしかにIDMっぽくもありながら、同時に、とても聴き心地が良いです。音作りにおいて一番大切にしていることは?

MD:自分を笑顔にして、興奮させてくれる音楽を作ること。その音楽が、他の人に音楽を作りたいと思わせることができたらなお良いし、嫌な1日を良い1日に変えて、リスナーの気分を良くすることができたら嬉しいね。そういった意味で癒しの要素を持った作品を作りたいとも思う。実際に、自分の人生を変えてくれたとか、暗い時期にいたけど明るい気分にさせてくれたとか、そういう声をリスナーから聞いたりもするんだ。自分のために自分を興奮させる音楽を作ること、ほかの人たちがインスパイアされるような音楽を作ること。そのふたつのバランスを意識しているね。

子供のときにピアノとギターを習っていたそうですが、エレクトロニック・ミュージックの場合、楽器をプレイすることができないミュージシャンも多いですよね。楽器を演奏できるということは、あなたの音楽にどう影響していると思いますか?

MD:マーチング・バンドやジャズ・バンドにいたり、アフリカン・アンサンブル、パーカッション・アンサンブルを演奏してきたりして、そういった音楽のセオリーを理解していることは、自分が作るエレクトロニック・ミュージックに大きく影響していると思う。そもそも、エレクトロニック・ミュージックを作り始めた理由が、俺は小さい街に住んでいて、そういった音楽(バンドやアンサンブル)をひとりでは作れなかったからなんだ。だから機材の使い方を学んで、ひとりで音楽を作ってレコーディングできるようになるしかなかったんだよね。

楽器を弾けることで、ほかにはないエレクトロニック・サウンドが生まれていると思いますか?

MD:ピアノが弾けるからメロディの作り方は理解している。コードの使い方とか、どの音符同士が綺麗に聴こえる、とか。マイナーとメジャーの使い分なんもそう。それは、メロディを書く上で影響していると思う。でも、そういう知識がないほうがより面白い作品が生まれる場合もあると思うけどね。何も知らない方がクリエイティヴになれたりもするしさ。自分がそういった知識をもっていることが音楽にどう影響しているか明確に説明はできないけど、もしピアノやギターが弾けなかったら、俺の音楽はまったく違うものになっていたというのは確実だと思う。

あなたのビートのプログラミングは非常にユニークですが、ビート作りにおいて意識していることはありますか?

MD:あまり意識していることはないね。ただただ自分が良いと感じるものを作っているだけ。メロディを始めとするほかの要素も同じ。すべてはフィーリングさ。良いものが生まれれば、それが良いと感じるんだ。それを作るためのマニュアルはないし、作っているうちにしっくりとくる瞬間が来る。それに従うことだね。

〈プラネット・ミュー〉からリリースされた『ルームス』(2011)の後から、あなたの音楽が大きく変化したと思うのですが、この変化はどのようにして起こったのでしょうか?

MD:『ルームス』ではビートから音作りをはじめるかわりに、そのときに「起こっていること」や「瞬間」を捉えるという姿勢で音作りに取り組んだんだ。『ルームス』ではそのやり方を発見できたし、その「瞬間」をとらえ音にするというのが、どんなに大切かがわかった。自分が作りたいと思う音を考えに考え抜いて作ることもできるけど、スケルトンの状態からその瞬間に生まれるものを取り込んでいくことも大切なんだ。それを発見してから、そのメソッドで音を作るようになったし、いまだにそのやり方を採用しているね。

『ヴェイパー・シティ』と比べて、新作はベース・ミュージックでありながらもカラフルですね。このような変化は、どうして起きたのでしょう?

MD:LAに引っ越してから、自分の人生の新しいチャプターがはじまった。気候や環境も違うし、それは影響していると思うね。でも同時に、これまでも俺は常に新しいことにチャレンジするのが好きだったし、緊張感がありながらもポジティヴな、メジャー・キーを使ったサウンドに挑戦してみたかったというのもある。前の作品ではコード・サンプルを使ったり、小さなキーボードでリードラインを書いたりしていたけど、今回は昔やっていたようにピアノでメロディを書いたりもしたんだ。だからこのアルバムでは、多くの曲がリズミックというよりもメロディックなんだよね。それは大きな変化だと思う。やっぱり88鍵盤を使うと違うね。ベースラインとメロディを一緒にプレイすることができるから、音と音の間により繋がりが生まれるんだよ。

新作『ヒューマン・エナジー』のリード・トラック“エンジェル・スピーク”にはメロー・Xを起用しています。彼とのコラボレーションはどのようにして実現したのですか?

MD:前からいろいろとレコーディングはしていたんだけど、曲に採用することがなかったんだよね。でも今回は、前にとったヴォーカルをビートに乗せて使ってみることにしたんだ。

ケヴィン・フセインはいかがでしょう?“ドス・プルエタス”では彼の声が前面に出ていて驚きましたが、何か意図はありましたか?

MD:自分では何も(笑)。俺が作るほとんどのトラックにゴールはない。ただクールなものを作りたいと思っているだけさ。

では、“ドス・プルエタス” 目指したサウンドはどのようなものですか?

MD:とくにはないけど、トラップやEDMといったモダン・ミュージックに対するリアクションのような曲だろうな。あと、『ヴェイパー・シティ』と新作のブリッジとなる作品でもあるんだ。早いドラムンベースのテンポを使いながらも、曲が進むにすれて音がどんどん発展していく。アルバムに収録されているほかのトラックと比べて、この曲はマイナー・コードだし、音的には『ヴェイパー・シティ』と繋がっているんだ。

なるほど! それにしてもかなり斬新な新作ですね。リスナーの反応はいかがですか?

MD:大好きな人と大嫌いな人にわかれるね。本当に気に入ってくれたというコメントももらったし、がっかりしたという意見も聞いた。でも、『ヴェイパー・シティ』のときもそうだったんだ。全員をハッピーにすることなんて不可能だよ。結局のところ、自分自身が楽しめているかがもっとも大切なんだ。

リード・トラックの2曲は、すごくポップで東京っぽいなと思いました。

MD:アルバム全体にその要素はあるかもね。ハイパーで、メロディックで、メジャー・コード。それってJ-popやK-popの特徴でもある。ほかの人からも似たような意見をもらったよ。

ちなみに日本の音楽や日本のアーティストに影響を受けたことはありますか?

MD:竹村延和。以前、彼の音楽にハマっていたんだ。彼のアプローチはすごくユニークなんだよ。ボアダムスもよく聴いていた。日本の音楽って、掘り下げるとすごくエクスペリメンタルなものが色々あるよね。

今回のアルバムのレコーディングで、何か変化はありましたか? 使用した機材や環境など。

MD:新しい街に引っ越したし、新しい家にも引っ越した。新しいコンピュータも買ったし、新しいエイブルトンのテンポレートも作ったんだ。今回はすべての曲において同じソニック・パレットを使ったから、統一感があると思うよ。

では参照した音楽はありますか?

MD:いや、それはない。アルバム制作期間の3ヶ月は、敢えて音楽を聴かないようにしたんだ。でも、何かの影響が自然に出ているということはもちろんあると思うけどね。

『ヴェイパー・シティ』シリーズについで今回も〈ニンジャ・チューン〉からのリリースですね。〈ニンジャ・チューン〉に関してはどう思いますか?

MD:レーベルがスタートしてから革新的音楽をリリースし続けているし、ほかとは違うレーベルだと思う。彼らと一緒に仕事ができて、本当に光栄だよ。

今年、リリースされたセパルキュア名義のセカンド・アルバム『フォールディング・タイム』も素晴らしいですね。このアルバムは、どのくらいで作り上げたのですか?

MD:1枚目のアルバムは2週間しかからなかったのに、セカンドは3、4年かけて作ったんだ。タイトルの由来もそこから来ていて、3年前のセッションをレコーディングしたものをはじめ、長い期間の間で作られた色々なマテリアルの点を繋げながら完成させたのがセカンド・アルバムなんだよ。すごく長いプロセスだったね。

その作品はR&B色が前より強くなっていると思いました。作品でのあなたの役割とはどのようなものだったのでしょう?

MD:何て答えたらいいのかわからないな(笑)。ただ普通にコラボしただけ(笑)。

“フライト・フォー・アス”でカナダの女性シンガー、ロシェル・ジョーダンを起用していましたね。どのようにして実現したのですか?

MD:知り合いが彼女を紹介してくれて、レーベルも、いくつかシングルを作ってみたらどうかと乗り気だったんだ。俺自身もいくつかの曲に彼女の声が自然にフィットすると思ったしね。

あなたの音楽にとって、ヴォーカルとはどのようなものですか?

MD:俺にとって、ヴォーカルは楽器のひとつ。ドラムなんかと同じで、大切な音の要素のひとつだね。そして同時に、やはり人間から生まれるサウンドだし、みんなが一番親しみのある音だから、どの楽器よりも人が繋がりを感じることができるものだと思う。上手い下手は関係なく誰でも歌は歌えるし、脳って、すぐヴォーカルに反応すると思うんだ。ポップ・ミュージックが親しみやすいのもそこだよね。音楽の知識がなくても、歌詞やヴォーカルを聴くことで、それをエンジョイすることができる。そういう意味ではヴォーカルってすごく重要なんだけど、俺はヴォーカルをメインにするのではなく、ほかの音とバランスをとらせたいんだ。

シンガーがあなたの音楽に何をもたらすものは、どのようなものですか?

MD:俺と一緒にコラボしているシンガーたちのほとんどが友だちだし、長いあいだ知り合いだから、その近さや心地よさが音楽に自然と反映されていると思う。

そこもあなたの音楽の聴きやすさの理由のひとつかもしれませんね。

MD:そうだね。高いお金を払って、大物ヴォーカルを起用しているわけじゃないから。お互い心を許せているから、良いエナジーが生まれるんだ。

ところで、ここ5年のエレクトロニック・ミュージック・シーンはジャンルに関してはどう思いますか?

MD:より多くの人びとに受け入れられるようになっていると思う。いまは若い世代もエレクトロを聴いているしね。俺が聴きはじめた頃は、エレクトロがどんな音楽なのかを説明するのも難しかったし、まわりの友だちにエレクトロニック・ミュージックを好きになって聴いてもらうのは簡単ではなかった。エレクトロのミュージシャンは真のミュージシャンじゃないという考え方もあったしね。でもいまは、それが完全に変わったと思う。誰もがエレクトロニック・ミュージシャンになれる時代にもなったし、ビートを作ってサウンドクラウドにアップするのだって、ティーンにとっては当たり前のことだしね。それは素晴らしい変化だと思う。エレクトロニック・ミュージックのプロデューサーたちとって、よりエキサイティングな環境が築き上げられていると思うよ。

EDMに関してはどうお考えですか?

MD:音楽のすべてのジャンルに良い部分があるし、面白いと思える部分がある。もちろん、最悪なドラムンベース、最悪なフットワーク、最悪なジャングルも存在するけどね。でも、そのジャンルのなかでクオリティの良いものは、すべて面白いと思う。EDMってちょっとふざけた面もあるけど、そのユーモアやトリックを楽しんだりもしているよ。

DJラシャドのトリビュート・アルバムに参加していますね。彼の音楽の魅力について教えてください。

MD:彼の魅力は、音楽を超えていると思う。いままで沢山のDJやミュージシャンたちに会って来たけど、彼はそのなかでも本当にユニークで、ほかのミュージシャンたちから何かを学ぼうと常にオープンな姿勢でいた。すべてに耳を傾けて、気を配っていた。プロデューサー、DJ、そして一人の人間として彼を心からリスペクトしているし、一緒にいると常にインスピレーションを受ける存在だったね。

あなたも常に音楽を作り続けていますね。それは何故でしょう?

MD:ほかに何をしていいのかわからないからさ(笑)。何で息をしているのかと訊かれるのと同じ(笑)。生活の一部なんだ。音楽を作ることで生きていられるし、音楽なしではどうしたらいいのかわからない。自分からクリエイティヴィティがなくなったらどうなるかなんて想像できないよ。

最後にミュージシャンとして、もっとも大切にしていることを教えてください。

MD:さっき話した通り、自分が満足できる音楽を作る、そして人にインスピレーションを与える音楽を作るというふたつのバランスをとること。それだね。

Moe and ghosts × 空間現代 - ele-king

 これはコラボレーションの記録である。「誰の?」──空間現代と、Moe and ghostsの。「何の?」──音楽と、言葉の。「どうやって?」──マッシュアップ的な方法論で。

 本当にそうだろうか。この二組の共作と聞いて、極めて個性的で異質な両者が混ざり合う様を、簡単には想像できなかった。Moe and ghosts vs. 空間現代。混ぜるな危険。

 もしあなたがDJなら、予想外のアカペラとインスト・トラックのペアを暴力的に組み合わせることで、その出会いが産み出す化学反応に期待することがあるかもしれない。だがこのアルバムに封じ込められているのは、マッシュアップのようなメタレベルの邂逅ではない。これは、予想外の二者が顔を突き合わせておこなわれた、地に足の着いた(実際Moeの連れたちは宙に浮いているのだが)リアルな作品作り=モノ作りの記録である。

 空間現代とMoe and ghostsの「モノ」作りはもちろん「音」作りである。しかし同時に、演奏を担当する空間現代は「音」を「モノ」として捉えているところがある。空間を埋め尽くす建材としての音たち。いわばこの建材たちがぶつかり合い、擦れ合う「モノ音」作りと言っても良いかもしれない。そしてこの「モノ音」は、幽霊たちの差し金により勝手に其処彼処で鳴りだす「ラップ音」でもある。その記録。ラップ現象。

 空間現代の音作りを支えているのは、数字だ。彼らは音を「モノ」として数えているようなところがある。変拍子の拍数や、繰り返されるキメの数々。僕たちリスナーには、無意識的にカウントしたそばから忘却される、その数字。彼ら自身、特にライヴにおいては演奏の生命線となる、その数字(収録曲の「数字」では文字通り、バンド・メンバーの頭の中と同期して、思わずピッキングの回数を数えてしまう)。複雑な数列が乱打される様は、脱臼させられたフットワークのごとし。DTMのバグで暴走したTraxman、あるいは泥酔したRP Boo。

 そして、ときにその数字は、本来数えられないものも数えなければならない。変拍子といっても、彼らは、変拍子のマエストロたち、つまりラッシュのケディ・リーやM-Baseのスティーヴ・コールマン、メシュガーのフレドリック・トーデンダルが数えなかった、いや、数えることを想像もしなかった数字を数えようとしている。小節や拍のルールからはみ出した長さでループする、数理に従わないリフ。それが数えられない長さになってしまうのは、音が飛び、小節や拍の途中でぶつ切りにされるからだ。アナログやCDの盤面のキズによる針飛びやスキップ。かつてのクリスチャン・マークレーやマーカス・ポップ(空間現代のセカンド・アルバム収録曲のリミックスも手がけている!)のイノヴェーション。その人力による再演。

 そして彼らの演奏に向き合うとき、僕たちは目撃する。「飛ばなければ」後に続いていたはずの音の姿を。いや、正確にはその音の痕跡を。そこにあったはずのゴーストノートたち。しかし実際には意図的な「音飛び」によって演奏されない、それらの音。スキップされる未明の音たちは、ときには野口のギターや古谷野のベースの空ピッキングとして現れ、ときにはドラマーの山田の空を切るスティックが叩く/叩かないゴーストノートとして立ち現れる。そしてこのゴーストノートの空白地帯に寄り添い、それらを埋めることができるのは、Moeの言葉だけだ。


 Moe and ghostsの「ghosts」に空間現代が乱れ打つ「ゴーストノート」たちが代入される。このアルバムは、その際に、僕たちの理解を超えたところで引き起こされる「ラップ現象」の記録だ。1999年にDJプレミアがノトーリアスB.I.G.のゴーストノートを召喚して楽曲に仕立てた“Rap Phenomenon”は、2016年に「混ぜ物一切なし」の「幽霊と現代のsure shot」として再び蘇ったのだ。

 圧巻の「sure shot」は、たとえば7曲目の「少し違う」。8分19秒に渡るこの曲は、空間現代のファースト・アルバム収録の同名曲をベースに、Moeが言うところの「五次元の扉」を開いてしまったクラシックだ。三位一体となった空間現代のシンコペーションに彩られたビートが、無音に連結される。その無音の隙間を縫うように立ち現れるMoeのラップ。その声色と音程の無限の組み合わせが披露される。白塗りの百面相。さらに全く異なるテンポと世界観を持った野口の湿ったアルペジオと歌メロが何の脈絡もなく挿入され、時に山田のドラムさえもそれに寄り添う。並走する二つの時間軸。そして5分の後にやって来る、享楽の8ビート。ヒップホップのカタルシス。ノレるような、ノレないような宙吊り状態で焦らされた僕たちはここぞとばかりヘッドバンギングに興じるだろう。さらに終盤ではそれまでと打って変わった抒情的なMoeの言葉が、野口のアルペジオの意味を明らかにする。互いの音楽の本質を明らかにするコラボレーション。そのドラマに立ち会う至福。

 バスタ・ライムスをフェイバリットに挙げるMoeのラップ。その器用さとヴォイス・コントロールの巧みさにおいて確かにその影響が窺える。一方で、降神のような日本語ラップの例外者たちや、ドーズ・ワンなどのアンチコン周辺からPlague Languageに至るゼロ年代以降のアメリカ西海岸~ハワイで興隆したフロウと通底しているようでもあり、しかし同時にアルバム6曲目の「可笑しい」では山内マリコの『ここは退屈迎えに来て』(2012年)に収録の「私たちがすごかった栄光の話」からの引用をラップに仕立ててしまうのだから、これはもう恐ろしいことなのだ。彼女のスタイルが形成されてきた足跡は、幽霊たちにかき消されている。まさに正体不明。ゴーストたちの面目躍如。

 圧巻の「sure shot」二発目は、2曲目収録の「不通」。これは元々、空間現代の2012年にリリースされたセカンド・アルバム『空間現代2』収録の彼らの代表曲の一つだ。彼らの楽曲はライヴの度に、別の楽曲の別のピースと縫合され、果てなく更新され続ける。だがしかし、このような形でラップが乗るヴァリアントを誰が想像し得ただろう。

 冒頭のリフ。チャーラッ、チャーラッと刻まれるギターの音。一聴すると変拍子。しかしその実、音飛び。聞けば聞くほど拍という概念では捉えがたい、譜面化不能なシーケンス。この脱臼したループを前に、僕たちはどのように踊れば良いのだろうか。1拍目から3拍目までは小気味良い8ビートに首を振りノリながらも、それに連なる極めて絶妙な長さビートの余剰/不足(Moe曰く「現代のずれ/みだれ」)をどう処理すれば良いか途方に暮れて、僕たちの首はピクリとも動けなくなる。あるいは、混乱のあまりこの体から幽体離脱し、迷子になって虚空をさまようかもしれない。

 しかしMoeはどうだろう。「イーストでもウエストでもないゴーストコースト」のMCは、この余剰/不足、つまりゴーストノートの存在/不在に言霊をアジャストすることなど朝飯前だ。彼女は「変拍子ダブルダッチ/このマッチメイク」と歌いながら、モノの見事に脱臼したリズムの上をフロウする。彼女もまた幽霊たちのように浮遊し、空間現代が回すオンビートとオフビートのダブルダッチの縄にも足をすくわれることがない。


 Moe and ghostsの2012年リリースのファースト・アルバム『幽霊たち』でMoeが寄り添ってきた幽霊たちは、ビートメイク担当のユージーン・カイムにより連打されるキックとスネアであり、叙情で彩られたゴーストコーストからのランドスケープを見せてくれるウワモノたちの旋律であった。これらはサンプリングされているがゆえに、オリジナルから引き剥がされた=幽霊化した音たちであり、彼によって結局選択されずに遺棄されたデッド・サンプルの数々もまた、幽霊化してこちら側=此岸を眺めている。今回、Moeとユージーンのパートナーとして選ばれたことで、幽霊たちの羨望と嫉妬に満ちた視線を一身に集める空間現代の三人が放つ一音一音は、サウンド・プロダクションの洗練も相まって、これまでになくヌケが良くコンプが効いた、粒が立っている肉感的なものだ。さらに本作のいくつかのインスト曲では、ユージーンによりサンプリングされた空間現代の過去曲の断片が、幽霊として、メランコリックに再来する。

 幽霊たちの記憶。ポール・オースターの所謂「ニューヨーク三部作」の二作目にあたる『幽霊たち』(1986年)の中で、主人公の探偵は、クライアントから依頼を受けてとある人物を監視し続ける。その人物は何も事件を起こさないのだが、主人公は、その「何も起こらないこと」の背後に過剰な物語を読み取ってしまう。この世界からはみ出す「過剰」が「幽霊」と名指されているのだ。

 Moeのリリックにも、このような意味での「幽霊たち」が憑いてはいないだろうか。とにかく過剰なまでの文字数が詰め込まれたリリックはしかし、聴き辛さを催させるものではない。リリックの言葉自体を一言一句聴き取ろうとするならば、目/耳の前を次々と流れ去ってしまう、音としての言葉たち。聴覚の焦点を曖昧にして、その流れを知覚することの、快楽。どこも意識して聴かずに、ただあるがままに聞くこと。その肌触りが、こちらを触れてくるまで。

 そして、このゴーストコーストで流通する言語は、翻訳の必要もない。かつて吉本隆明は、坂本龍一との対談で、矢野顕子の歌を「言葉を、音に同化させ」「音にしちゃっている」と評価した。同対談で坂本はYMO(「ラップ現象」つながり!)の海外公演では、英語よりも日本語の矢野の歌の方が圧倒的に受けが良く、「聴衆たちは踊っていた」と振り返った。「不通」の曲中で野口が「あー/言葉ない/ない/不通」と歌うように、Moeの「言葉なき不通」こそ、矢野同様に、世界中で通じる「音」なのではないか。

 ということは、「ラップ現象」とは、音の不在が言葉を呼び込み、逆に言葉の不在が音を呼び込むことだったのではないか。ゴーストノートの空白を埋めるMoeの言葉。同時に、そのMoeのフロウは言葉であることを忘れて、音になる。空間現代が積み上げる建材の隙間を縫う、モノ音になる。


 僕たちは、このコラボがもたらした唯一無二の世界を、心行くまで楽しむことを許されている。12センチの円盤に閉じ込められた世界。しかしそこからはみ出す過剰=幽霊たちをもっと近くで目撃できたのは、彼らのライヴの場に居合わせた、幸運な人々。2016年5月30日、渋谷WWW。幽霊たちに鼓膜をくすぐられながら、僕たち聴衆は踊り狂った。

 それはコラボレーションの記録だった。「誰の?」──空間現代×Moe and ghostsと、僕たちの。「何の?」──音楽×言葉と、ヘッドバンギングの。「どうやって?」──マッシュアップ的な方法論で。

 あの夜以来、どうも地に足がつかない心地がするのは、単なる気のせいだろうか。

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