「IR」と一致するもの

1982年 東京生まれ DJ . Producer
ターンテーブル・サンプラー・シンセサイザー・エフェクター・ミキサー・マイクをこよなく愛し、それらを駆使して日常を即興的にドラマティックなSOUNDに創り上げていき、聴くものを不思議と暖かく包み込む。
スペースの入り口 イメージの裏返し スパイスの使い所 バランスの心地よさ オリジナルを純粋に追求する音楽家。又、その音楽への柔軟な姿勢から、様々な音楽家とのコラボレーションを得意とする。最近ではLOVE ME TENDERのサックスのACKKYやOPSBのギターのPONCHIとフルートのYOSHIHARU YOSHIDA等とLIVEや楽曲を製作中。
2009年12月にMary Joy RecordingsからリリースされたMEISOの1st Album『夜の盗賊』に『1994』をCHELOOKとして提供。
2010年にLIONZ OF ZIONのMUZONOとのユニットCHELOOKとして1st ALBUM『SHIFT』をHOLE AND HOLLANDからリリース。
DJとしてはBONOBO「CHILL "EM ALL」をYO.ANと主催、KOARA「ROMEO」、SECOBAR「SUPER X」のRESIDENT DJ, LIVEで活動。AGEHA、DOMMUNEや地方からメディア、大箱小箱まで型にはまらない安定したプレイで注目を集めている。
2011年HOLE AND HOLLANDから発売された記憶にも新しい V.A『RIDE MUSIC』の収録曲「ALL SET TO GO」のALTZ REMIXと自身によるREMIXを12インチでリリース決定!!!!!

https://www.hole-and-holland.com
https://soundcloud.com/fushiming

schedule
5/14 スケボー音楽クラブ@DOMMUNE
6/2 BUENA SUERTE Anniversary! @ AGEHA

RIDE MUSIC EP Release Tour↓
6/8 SUPER X@渋谷SECOBAR
6/16 SUPER X@仙台PANGAEA
6/29 SUPER X @ 神戸TROOP CAFE
6/30 THIRD CULTURE @ 静岡EIGHT & TEN
7/14 @西麻布新世界

最近、使用頻度の多い12インチをジャンルレスでチョイス。


1
Alexander Robotnick - Dance Boy Dance - Yellow

2
Tito Puento - Oye Como Va (Bongo Mix) - Mr Bongo

3
Slope - Your Time Is Up - Sonar Kollektiv

4
Ras - Do You Dance (Dixless Main Vinyl Mix) - Sonar Kollektiv

5
Kimiko Kasai - Ww Can Fall In Love - CBS/SONY Inc

6
Teaspoon & The Waves - Friday Night Special - Sofrito

7
Dave Angel - Philly Bluntz - Island

8
ALTZ - Altz Heavy Edit Version Ep - HOLE AND HOLLAND

9
The Braxtons - The Boss(Masters At Work Dub) - Atlantic

10
Kitty Winter - Feel It - Spinning Wheel

DUBBY - ele-king

Chart


1
VSP Projekt - S.T. - Melodia

2
Per Tjernberg - They Call Me - Rub-A-Dub Records

3
Chateau - Breakers - Private

4
Degas, Weiser, Rodach - Xlame - veraBra Records

5
 Rumuncho Matta - Ecoute... - Cryonic Inc.

6
Joan Bibiloni - Vieja en el Tiempo

7
Katamaran - Cafe Florian - Plane

8
Pat Metheny - Secret Story - Geffin

9
Gasper Lawal - Abiosunni - Hot Records

10
10. Mario Negrao - Madeira Em Pe - Coomusa

[Electronic, House, Dubstep] #10 - ele-king

夜間照明に神々しく浮かび上がる燃えるようなオレンジとゴールドの軍団、それがぼくらだった。 ジョナサン・バーチャル『ウルトラニッポン』(2000)

 4月30日、味の素スタジアム、ゴール裏の興奮が忘れられない。あのとき......、高原直泰が走り、高木俊幸の蹴ったボールがゴール左上のネットに突き刺ささったときから、何かが変わってしまった......そして、気分良く、GWの合間に今年に入って買ったレコードを数枚聴ききながら、書いた。


1.James Blake - Love What Happened Here | R & S Records


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 2011年のプレスだが、日本に入ってきたのは今年の春先。ハイプに踊らされた人以外は、ブレイクに入った理由は"CMYK"にあるわけだから、いちおう誰もが期待するシングルだったと思う(実際、各レコード店で好セールスだったそうです)。A面の"Love What Happened Here"は、まあまあ良いが、あくまで「まあまあ」。サンプル・ネタを使った"CMYK"スタイルの曲というは、ジェームス・ブレイクにとっては久しぶりで、大人びたフュージョンを取り入れ、ガラージ風のビートに混ぜるアイデアも悪くはない。が、A面の曲にしては少し地味かな。家計簿をみるにつけ、買わなくても良かったなとも思った。

2.Burial + Four Tet - Nova | Text Records

 同じように、買わなくても良かったかもな思ったのがこの12インチ。「Kindred EP」を聴いたときはさすがだと思って、「これは売り切れる前にゲットしておかないと!」と燃えたのだが、収録曲は前作の延長で、ハウシーなブリアルといったところ。昔ならこういうトラックも、DJフレンドリーとか言って褒められたのだが、いまでは多くのDJがレコード買ってないし、どうでもいいか。いずれにせよ、「モス」の震えには遠くおよばない。

3.Burial - Kindred EP | Hyperdub


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 これは実は、ビートから出ている日本盤のCDの解説を書いているので、買わなくてもいいものの、曲の素晴らしさにヴァイナルでも欲しいと思い、買った。収録されている3曲すべてが良い。デムダイク・ステアのような、いま流行のダーク・アンビエントとも共振している。とはいえ、ガラージ風のビートを入れている"Kindred"にはインダストリアルな感覚、そしてスクリューまでもが注入されている。

4.Airhead - Wait/South Congress | R & S Records


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 10インチ。"Wait"は、R&Bサンプルのダウンテンポで、マウント・キンビーが好きな人なら絶対に好きだし、ボーズ・オブ・カナダ・リヴァイヴァルともリンクしている。要するに、サイケデリック・ロックのエクスペリエンスがある。新鮮さで言えば、ブリアルの「Kindred EP」を凌いでいる。"South Congress"はダビーな展開で、ちょっとそのドラマチックなテイストが自分にはまああまあだが、それでもこれは買って良かったと思う。

5.Claro Intelecto - Second Blood EP | Delsin


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 かつては〈Ai〉(ゼロ年代初頭のUKのデトロイト・フォロワーのレーベル)で、ここ数年は〈モダン・ラヴ〉から作品を出しているクラロ・インテレクトロのオランダは〈デルシン〉からのニュー・シングル。「なんでこれ買ったんだっけ?」と、取り置きしていたお店のスタッフに問いつめたほど、理由を忘れている。魔が差したのだろうか......。同時リリースされているアルバム『リフォーム・クラブ』を買う前に聴いておきたかったと、そういうことか。中途半端なBPM(遅くもなく、速くもない)による"Second Blood"は、カール・クレイグ風であり、アンディ・ストット風でもある。"Heart"のメランコリーも悪いくはないが、特筆すべき感じはない。家計簿を見ると、これも買わなくても良かった1枚。でも、アルバムはちょっと気になっている。

6.Disclosure - Tenderly / Flow | Make Mine


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E王 UKガラージがいま復活しているんじゃないのか? そう思わせる7インチ。男のふたり組で、リズムの組み方は最新型。ジェームス・ブレイクの次を狙っているようでもあるが、よりネオソウル風でもあり、こちらのほうがビートは面白そうだ。2年前に〈もしもし〉からデビューして、通算3枚目になるが、メジャーに行くんじゃないかな。いずれにしても、アルバムが楽しみだ。

7.Tam Tam - Dry Ride | Mao/Jet Set


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 タム・タムは、新人とは思えない演奏力、そしてエネルギーを持っている。エゴラッピンをよりレゲエ寄りにした感じで、楽しく、そして力強さもある。プロデューサーはハカセサン。魅力的な声を持った女性ヴォーカリストが力いっぱい歌い、B面ではON-U風のダブ・ヴァージョンを聴かせる。アルバムも出来もよかったし、次こそライヴを見たい。

8.Slava - Soft Control | Software Records


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 いやはや......、三田格がチルウェイヴをけなしているお陰で、今年に入ってさらにまたチルウェイヴ系は売れている。〈メキシカン・サマー〉傘下の〈ソフトウェア〉(OPN主宰)は、この流れを逃すまいと今年に入って4枚の12インチ・シングルのリリースを続けている。なかでもひときわ目を引くデザインのスラヴァの「ソフト・コントロール」は、ドリーミーであると同時にトリッキーで、ビートに工夫がある。ちょっとハイプ・ウィリアムスを思い出すが、ハウシーで、セクシャルで、そして80年代的なテイストはない。

Jesse Ruins, Mop Of Head, Teeth - ele-king

 4月27日、この日は久しぶりのオールナイトのイヴェントにそなえ、夕方に起床。野田さんとの打ち合わせを終えた後、急いでタワーレコード新宿店に向かい、タワーレコード新宿で行われた、平賀さち枝さんの公開レコーディングに参加。最後までいたかったのだが、時間が来たので再度渋谷に移動。小雨が降るなか、渋谷から代々木公園に向かい、突き当たりの通りを右に曲がったところに本日のお目当ての会場、〈UNDER DEER LOUNGE〉はティースのメンバーが意気揚々と談笑をしていて、主催者やイヴェント・スタッフが忙しなく事前の打ち合わせをしいるのが見えた。200人くらいは入るであろう会場の内装はとてもお洒落で、会場スタッフの多田さんにお話を伺ったところ、普段はジャズやファンク、R&Bなどのアーティストをブッキングしているとのこと。「でもジャンルに縛られないで、気軽にいろんな方が来れる空間になればと思ってます」と多田さんは語る。本日は「STYLE BAND TOKYO」と「TOKYO INDIE」というふたつのイベヴェントが合同で企画したもので、アーティストやDJを見る限り、ダンス系のアクトが多いため、これは面白い空間になりそうだなあと期待が膨らむ。少しくつろいでいるとティースのメンバーが僕のところにやって来たので挨拶をして、いくつか気になっていた質問をしてみた。


さっそくですが、日本に来るのは初めてですか?

TEETH:うん、ずっと来たかったから私たち自身すごくエキサイトしてるよ。

すでに大阪や名古屋をツアーしてきて、本日が東京ですが、日本のシーンにはどういう印象を持ちましたか?

TEETH:私たちみんなジェシー・ルインズが大好きなんだよね。あと大阪のHappyってバンドも良かったし、あと、あの名前が凄く長い......えーっと......

Psysalia Psysalis Psycheですか?

TEETH:そう! Psysalia Psysalis Psyche! 彼らも良いよね! 私がすごく思ったのはイギリスのインディから影響を受けてるイメージがあって、ジョイ・ディヴィジョンとかザ・リバティーンズとか、音楽だけじゃなくって、ファッションからも影響を受けてる印象があるかな。

STYLE BAND TOKYOやTOKYO INDIEはこれまでいろんなアーティストを海外から招聘してるんですが、こういうイヴェントについてはどう思いますか?

TEETH:面白いと思うよ、東京は本当にエネルギッシュだし、今回はバンドにとっても良いチャンスや経験になると思うね。

Bichesのブレイクが「いまのイギリスのシーンには何もない」とSXSWで僕と話している時に言っていたのですが、TEETHの方々は現在のイギリスのシーンについてはどう考えていますか?

TEETH:実は私たちも去年アメリカに拠点を移したんだよね。私たちの場合はそこまでネガティヴなものじゃないんだけど、実際イギリスのバンドがアメリカや他の国に移るケースは増えていて、元々いた場所に属さなくなってきてはいると思う。

それは単純にアメリカのシーンや、他の場所に新しい価値を見いだしているからなんでしょうか?

TEETH:イギリスのシーンというよりか、問題はレーベルにあると私は思っていて、イギリスのレーヴベルってインディ、インディ、しすぎてるっていうか、難しいんだけど、アメリカのレーベはイギリスまで縛られていないし、シーン自体も解放的なのは否めないかな。

でも細かい部分にフォーカスすればたくさん良いバンドやアーティストもいますよね。

TEETH:それは間違いなくそうで、それがひとつのシーンとしてうまくまとまれなくて、いまは難しい状況が続いてるんじゃないかな。

TEETHの方々が現在共感できるバンドとやアーティストはいますか?

TEETH:(僕のメモ帳を奪って必死に書き出す) Gross Magic 、Astrid Monroe 、Unicorn Kid 、Curtis Vodka 、Bottoms 、Extreme Animals
 ......あたりかな。イギリスだったら以前一緒にやったFactory Floorとか最高だね。ユウキはBo Ningenとも知り合いなんでしょう? 私はギターのコウヘイと仲が良いし、彼らも好きだよ!

最後にTEETHのバンド名の由来を教えて貰っていいですか?

TEETH:ノーリーズンだよ(笑)

ありがとうございます、ライヴ楽しみにしてます!


 会場の準備も整いはじめ、オープンの時間になり、お客さんも入ってきた。夜中の1時少し前、いちばん最初のアクト、ジェシー・ルインズが登場する。演奏がはじめる前、ジェシー・ルインズのメンバーも認めていたが、正直な感想を言うと、演奏を含め、ライヴ・パフォーマンス自体にはまだ未完な部分がたくさん垣間見れたライヴだったように思える。それでもメロディーセンスは間違いなくたしかなもので、エフェクトを抑えたヴォーカルも効果的で、かつシンセサイザーの音のなかに顔を覗かせる甘いヴォーカルが素敵だ。
 サウンド自体もどこかノスタルジーを感じさせるラインが至るところに散りばめられ、ドリーミーでかつロマンスに溢れている。会場も息を飲んで彼らを見つめる様子がとても印象的だった。ジェシー・ルインズはアメリカで僕が現地のリスナーに質問されたり、いろんなところで注目されているのも事実で、今後いろんな方法をライヴで試して、形にしていって欲しいと強く思った。

 ジェシー・ルインズが終わり、転換DJが会場を盛り上げるなか、次に登場したのは2年連続でFUJI ROCK出演を決めたモップ・オブ・ヘッド。小刻みにグルーヴを創出するギターとドラムが会場に鳴り響き、それに加わるようにシンセサイザーの重いビートが押寄せる。展開の速い演奏に僕はすっかり踊らされ、とても興奮した。会場全体も熱気に包まれていく。
 バンドの基盤にはダブステップやドラムンベースをからの影響もうかがえるが、ロックやポップなどいろんな角度からのアプローチも面白い。サウンドだけでなく、ブラーの「Song 2」のギターのリフを曲の途中に入れたり、遊び心のある。とにかく、彼らのエネルギッシュなパフォーマンスには好感が持てた。
 というわけで、この日のベスト・アクトはモップ・オブ・ヘッド。彼らの言葉によれば「人間が限界の状況で奏でるループが生み出す歪み、そこから生まれる快感」を追求すべく、ライヴではPCに頼らない演奏をする。今後が楽しみなアーティストだ。

 本日のトリ、ティースが会場に現れる。モップ・オブ・ヘッドの上をいく爆音ビート。そしてエフェクトをかけまくったヴェロニカの攻撃的なヴォーカルが炸裂し、ストロボが会場をより一層刺激的な風景に変貌させる。メンバーの衣装もタイツやチャイナドレスなど奇抜で、どこかスライ・ベルズを彷彿とさせた。
 インタヴュー後に彼らのパフォーマンスについて触れたとき、ヴォーカルのヴェロニカは「どんな会場でも楽しいステージになればそれでいい」と言っていたのを思い出した。ライヴ終盤、オーディエンスをたくさんステージに上げて楽しそうに歌う彼女を見て何か僕まで嬉しくなった。

 今回のような、人気のある〈もしもしレコーズ〉からのバンドと日本のバンドとの共演は、海外のインディ好きな子たちと日本のオルタナティヴなシーンとが出会う場所になる。未来を感じる素晴らしい企画だと思うので、「STYLE BAND TOKYO」や「TOKYO INDIE」にはこれからもどんどんやって欲しい。
 この日のオーディエンスは若い層が大半を占めていた。外国人も目立っているなか、最終的にみんなで盛上がった。その様子がとても微笑ましかった。すべての演奏が終わり、落ち着きを取り戻す会場で、僕は、Craft SpellsやBeach Fossilsなどが出演していたSXSWでの一夜を思い出していた。その日の渋谷でのライヴは、僕をあの広大な場所に連れ戻し、不完全のまま終わってしまったあのときを埋めてくれた。それぐらい興奮した夜だった。

MAMAZU (HOLE AND HOLLAND) - ele-king

schedule
5/14 スケボー音楽倶楽部@DOMMUNE (
6/2 BUENA SUERTE Anniversary! @ AGEHA
RIDE MUSIC EP Release Tour↓ (
6/8 SUPER X@渋谷SECOBAR
6/16 SUPER X@仙台PANGAEA
6/29 SUPER X @ 神戸TROOP CAFE (
6/30 THIRD CULTURE @ 静岡EIGHT & TEN

Chart


1
Cortney Tidwell - Palace(Micbel Cleis is Too Late remix)- Simple Records

2
Fausto massina - boungaville - Diyamic Music

3
Daniel Steinberg - SIlvertune - Supdub

4
Dapayk&Midnight - emergency - mo`s ferry

5
Sante&Sascha Sibler - Ce Loca - Be chosen

6
Tenjoe - Jibli - Unreleased

7
Terry Laird - Kibontemps(Ethnic mix)- Justhouse

8
Abacus - Idrum this djemebe - NDATL

9
EDO KANPACHI - Tokonoma ずっとここに - Unreleased

10
Petter - Everyday Balloon - Extremamusic

Chart by JET SET 2012.05.07 - ele-king

Shop Chart


1

Slow Magic

Slow Magic Triangle Lebensstrasse »COMMENT GET MUSIC
ポルトガルのLebensstrasseから、注目の新鋭Slow Magicによる傑作1st.アルバムが到着です!!

2

V.A.

V.A. Kutmah Presents Worldwide Family Volume 2 Brownswood »COMMENT GET MUSIC
Flying Lotus, Samiyam, Mono/Poly等、彼のLaにおけるファミリー達から、Hudson Mohawke, Slugabed, Mo Kolours等のUkベースシーンの気鋭アーティストまで見事にコンパイルした全19曲!

3

Calm Presents K.F.

Calm Presents K.F. Dusk Ep Music Conception »COMMENT GET MUSIC
Calmのダンスミュージックの要素を強めたプロジェクトが再始動。最高傑作といっても過言ではない2トラックを収録した贅沢な1枚です。

4

Soul Clap

Soul Clap Efunk The Album Wolf + Lamb »COMMENT GET MUSIC
現行NYハウス・シーンのシンボルWolf + Lambの顔を担うボストン出身のDj/プロデューサーズ・ユニット、Soul Clapによるファン待望の1stアルバムが遂にリリース。

5

Best Coast

Best Coast Boyfriend - Lindstrom Remix Feedelity »COMMENT GET MUSIC
Lindstrom主宰レーベルFeedelityからの完全限定12インチが到着。

6

Norah Jones

Norah Jones Little Broken Hearts Blue Note »COMMENT GET MUSIC
Danger Mouseがプロデュースを手がけた話題の5th.アルバム。Us盤アナログ入荷しました!!

7

Dela

Dela Whatuwanna Drink Water Music »COMMENT GET MUSIC
4年振りとなる新作アルバム『Translation Lost』から、Bluとタッグを組んだ目玉曲が、Dj Spinnaにリミックスされ7"リリース! ジャケットはフランスのペインター、Leyによるもの。

8

Vedomir

Vedomir S.T Dekmantel »COMMENT GET MUSIC
Vakulaによる話題のVedomir名義でのフル・アルバム!!Vakula名義とは一味違った側面が垣間見えるオールド感満載の地下ハウス・トラックス全10曲を収録。

9

Ron Trent

Ron Trent Raw Footage Part One Electric Blue »COMMENT GET MUSIC
シカゴ・ディープハウス重鎮Ron Trentによるセルフ・レーベルからの最新アルバム『Raw Footage』。ミニ・アルバム形式にて4楽曲を抜粋したアナログ2枚組Pt.1が入荷しました!!

10

Daniel Kyo

Daniel Kyo It's Alright Ep Lovemonk »COMMENT GET MUSIC
Basic Fingersの第一弾にて披露されたStevie Wonderエディットが印象深い、スペインはバルセロナの新進気鋭Daniel Kyoによる初の12"作品が"Lovemonk"より限定リリース。

Washed Out/Memory House @ Highline Ballroom 4/22/2012
Here We Go Magic @ Knitting Factory 4/26/2012

Photo by Dan Catucci

 4月21日のレコード・ストア・ディの翌日(ブラック・ダイス、フォー・テットなどのゲストが1時間毎に出演した、アザー・ミュージックには、2ブロックを超える長い行列ができた。)ウォッシュト・アウトをハイライン・ボール・ルームに見に行った。この場所はマンハッタンのミート・パッキング・エリア(ちょっとしたファンシーエリア)にあり、ジャズ、フォーク、R&B、ワールド・ミュージック、インディ・ロックなど(4月のカレンダーはスザンヌ・ヴェガ、レイチェル・ヤマガタ、チック・コレア、アタリ・ティーンエイジ・ライオットなど)、ジャンルはバラバラ、ベテランから新人まで出ている。近くの観光名所ハイライン・パークから名前がつけられた、700人を収容できる比較的新しい会場だ。
 私はウォッシュト・アウトについては、この日までノーマークである。チルウェイヴという言葉くらいは知っているが、自分がよく見に行くバンド(エンターテイン重視で、フレンドリーなバンド)にはあまりないタイプだ。チルウェイヴには、いろんな評価があるだろう。だから、ウォッシュト・アウトに関しては「いまの時代を表す新世代の音だろう」という知識だけでライヴを見て、自分がどう感じるか興味あった。
 ショーはソールド・アウト(翌日のブルックリンでのショーもソールドアウト!)。少なくとも700人がチケットを前もって買っている、つまり評価が高い、期待も高まる。

 オープニングはウォッシュト・アウトと同じ〈サブ・ポップ〉にサインした、オンタリオ出身のデニースとエヴァンのドリーミー・ポップ・デュオ、メモリー・ハウス。女の子(デニース)の穏やかで、湖にこだまするようなヴォーカルが乗り、憂さ、そしてストリングスの音がせつなく響く音楽だ。個人的にはオ・レヴォワール・シモーヌのエリカ嬢(ソロが出ました!)を彷彿させるが、可愛い女の子が見れるというだけでもテンションはあがる。
 なのに、会場に到着すると、ちょうどメモリー・ハウスが終わったところだった。がっかりしながら、せめて物販だけでもと物販テーブルに行く。ドットのワンピースの女の子がいたので、「今日のショーはどうだった?」と尋ねて見ると、彼女はその本人! デニース。とっても気さくに今日のショーのこと、ツアーのこと、ギアーを盗まれてしまったこと(!)などを話してくれた。近くで見るとより可愛い。

 そして、ウォッシュト・アウトに戻る。ジョージア州出身のアーネスト・グリーンのプロジェクト、きちんとしたバンド編成でのライヴだ。

 セッティングに20分あまりを要し、照明が落ちたところでメンバーが登場する。フロントにシンセが3台、左からアーネスト、ブレア(アーネストの奥さん)、ベース・プレイヤー(キーボードもプレイ)、そして後方いち段上がったところにドラマー。アーネストは白のパリッとしたボタンダウンシャツに黒のパンツというシンプルな出で立ち。観客は「ウォッシュト・アウトがプレイするよ。これ行かないといけてないでしょ」とでも吹聴しそうな(?)、20台前半のパーティ好きが大半を占めている(大体バドライトを飲んでいるか、ここぞとばかり、ファンシーなカクテルをオーダーしている)。いちばん前で見ていたので、後方はあまり見えなかったが、フロントのいち部の観客がノリノリなのはよく見えた。
 アーネストはiPadを一時も(どの曲でも)離さず、キーボードを弾き、トラックを進める。ベースとドラムはずっしりお腹に響くが、シンセの音は儚く、ノスタルジックな夢心地で頭のなかを駆け巡る。そんな浮遊中に、「どう、そっちは、元気?」と、曲間に突然、アーネストが観客を煽ったりするから、どこまでが夢でどこまでが現実なのか、はっとさせられてしまう。
 ウォッシュト・アウトのニュー・アルバム『ウィズイン・アンド・ウィズアウト』は、パンダ・ベアの『パーソン・ピッチ』に影響を受けている。ライヴノスタルジアなダンシーなシンセを展開する。新しいけど古めかしく、実験的要素のなかにハーモニーやコーラス部分もあり、観客をダンスさせる......たしかにパンダ・ベアのアルバムにも共通する、クールな音楽が好きな、新世代感覚を持った音楽で、「ちょっと懐かしいけど新しい」という感覚を持っている。そして、これは何でもミックスするいまの時代を表してもいる。
 全体的に気だるく、ドラマティックで、内に秘めた音楽、これこそがチルウェイヴなのだろう。曲間に「ヘイ! 気合いれてダンスしよう!」などと煽りを入れたり、キャラクターあるベースとドラムをいれ、バンドのバランスを保っているのは、彼自身のなかに表面には出さないが、ものすごく熱い「ダンス・パンク」精神が息づいているからだろう。

https://www.brooklynvegan.com/archives/2012/04/washed_out_play_1.html


Here we go magic w/glass ghost @ knitting factory 4/26(thu)


HERE WE GO MAGIC Photo by Dan Catucci

 こちらも新世代バンド(と著者が解釈)、ヒア・ウィ・ゴー・マジック。5月8日に新しいアルバム『A Different Ship』が発売されるので大忙しだ。彼らは1年前にも野外で見ていてほんわりするバンドという印象だった。以前の曲は、ウォッシュト・アウトに通じるところ(浮遊感、シンセ音)も多々ありなのだが、新しいアルバムはよりポップでトロピカル、暖かい。チル(ウォッシュト・アウト)とトロピカル(ヒア・ウィ・ゴー・マジック)ならちょうど良い。
 このニュー・アルバムにはエピソードがある。2010年、彼らは、グラストンベリー・フェスティヴァルでお昼前にプレイした。彼らのコンディションは悪い(前の日にほとんど寝ていない)、お客さんもほとんどが二日酔いというシチュエーションのなか、いちばん前にいたふたりだけがノリノリだった。それがレディオヘッドのトム・ヨークとプロデューサーのナイジェル・ゴッドリッチ。これがきっかけでナイジェル・ゴッドリッチが、このアルバムをプロデュースすることになった。

 シングル曲「How Do I Know」は、私がよく聴いているカレッジ・ラジオでもヘヴィーローテーションで、シンプルなギター、ヴォーカル、ドラム・コンボで、クルクル回るシンフォニーが心地よい日当たりの良いトラック。いちど聴くと「おっ、またかかっているな」と、ついつい口ずさんでしまう。

 この日もウォッシュト・アウトと同じくソールドアウト。観客は、みんな彼らの友だち(?)かと思うほど、彼らのことをまるで自分のことのように一生懸命話していた。いちばん前には、カメラを一時も離さないノリノリなメンバーの両親がいた。
 メンバーは、白を基調した衣装で登場。少し緊張も感じられたが、演奏がはじまるとリラックスし、良く見せようとすることもなく、自分たちにできる精一杯を出し切っているように見えた。それが好感度の秘訣なのかもしれない。ラ・ラ・ライオット、ガールズあたりと被るところが多々あった。
 "How Do I Know"はラストから2番目に演奏した。ここまで、ほとんどMCのなかったメインガイのルークが、「今日は来てくれて本当にありがとう、あと2曲演奏します」と丁寧に言った。

 ウォッシュト・アウトは彼らの両親の世代には理解し難いかもしれないが、ヒア・ウイ・ゴー・マジックはどの世代でも受け入れる包括力がある。メンバーのキャラ、演奏力(少し音を外したりするのがまたいい)、応援したくなる要素が満載だ。アンコールでは観客一緒にハンド・クラップしたり、昔の曲を出してきたり盛り上がり、最後はギターのディストーション音、ノイジーサウンドが白く続いたあと、ピタリと終了した。

 ウォッシュト・アウトとヒア・ウィ・ゴー・マジック。行った場所がマンハッタンとブルックリンという決定的な違いもある、来ている観客も違っただろう、一緒にプレイするのは、フェスティヴァル以外にないだろうが、このふたつのバンドはなぜか私のなかでリンクしている。共通点がたくさんあるというわけでもなく、正反対でもない。そして互いに新しい音を生み出そうとする新世代の代表で、同世代からの支持を得ている。

きのこ帝国 - ele-king

「佐藤」と名乗るぶっきらぼうな佐藤 文:水越真紀

きのこ帝国
渦になる

DAIZAWA RECORDS/UK.PROJECT

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 佐藤。......なんてぶっきらぼうな名前なんだ。しかもすばらしく反時代的だ。なにしろ検索できないじゃないか。これじゃフェイスブックにだって登録できない(たぶん)。ざまみろフェイスブック、ざまみろグーグル。と、他人のふんどしで罵ってみた。いかんせんフォロワーとストーカーとCCTVの違いがわからず、いまだ番外地に暮らす私なのだ。
 それはともかく、きのこ帝国のソングライターでヴォーカリストでギタリストの佐藤だ。その声は「佐藤、なるほど」と頷かせられる素っ気ない、ユニセックスで透明な、同時に「これが(あのぶっきらぼうな)佐藤?」(あの、と言っても面識はないが)と言いたくなるようなウェットな声で、それが時折切なく歪み、聴いてる私の目の上辺りをぐさりと突き刺す。その声がメランコリックなメロディとナイーヴなつぶやきを連れて来る。
 ところでまた話が逸れて心苦しいのだけれど、ちかごろ日本という「絶望の国」で若者たちは幸せなんだと言われている。ほんとなの? 「幸せ」と「お幸せ」は違うんだよなんて、私はフォローもフォロワーもいない虚空につぶやく。私が感じるところでは、私の属するこの世のなかでは寛容と不寛容が奇妙に入り組んで増大している。その寛容と不寛容がもたらす自由と不自由の数は結局のところ30年前と変わっていないのではないか? 寛容と不寛容は次第に馴れ合い、それぞれのパワーは減退している。セーフティネットと呼ばれる管理の網の目は細かくなり、寸止めの寛容と不寛容が真綿で首を絞めてくる。
 佐藤のつぶやく、あるいは弾む、ときに小さく叫ばれる言葉は、距離感、というものを想起させる。それはストイックな距離感だ。
 「許せない言葉もやるせない思いも/いずれは薄れて忘れてゆくだろう/でもたまに思い出し、お前に問いかける/憎しみより深い幸福はあるのかい」"退屈しのぎ"、「許されたいけど許せないから/誰も愛してくれない、君はそう言うだろう」"The SEA"、「復讐から始まって終わりはいったいなんだろう/償い切れない過去だって決して君を許さないよ/それでもやるしかないとか、それもエゴだって話」"夜が空けたら"と、収録された7曲にこんなに許す許さないって話が出て来る。いったい誰が誰を許さないのか? 誰のどんな行為が、許されないほどの罪なのか?  あるいはこれは先鋭化した承認問題とも言えるのだろうか?
 繰り返し現れる、どこか宗教性をかんじさせるこの観念が、宗教的であるが故に日本人が余り使えない、使いたがらないこの言葉が、佐藤を世のなか(ソーシャル)から浮き上がらせている。この不寛容がフォロワーあるいはCCTVが日々どこかで見せる待機型突発性不寛容(あるいはその裏腹にある過剰なまでの寛容)とは異質に見えるのは、直截的な言葉遣いだけでなく、それが向かう方向が、いつでも(経由を含め)自分自身に向かっているからだ。どこにも流れていくことのない観念が、渦巻くほどのエモーションの出口を求めて佐藤の視線を空へと向けさせる。埋められない、埋めたくない、埋めようとしない距離感を見失わせる渦、あるいは空を見る時に襲うめまいの感覚が、そのサウンドと相まって臨場感となっている。
 「佐藤」と名乗るぶっきらぼうな佐藤の、つぶやきのようなヴォーカルから溢れてくる、捨てられないエモーションが、私を過去のさまざまな時間に引き戻す。「悩んで悔やんで迷って息して/生きる意味を探している/探してゆく」なんてね、ちょっと人前ではつぶやけないさまざまな時間に......。


文:水越真紀

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言葉を拾え、歌という夢を見よ 文:竹内正太郎

きのこ帝国
渦になる

DAIZAWA RECORDS/UK.PROJECT

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許せない言葉も やるせない思いも
いずれは薄れて忘れてゆくだろう "退屈しのぎ"

 強い歌声だ。ギターの壁をどれほど厚く、要塞のように築いても、その強い声は聴き手の耳をハッキリと捕まえる。ヴォーカルの佐藤は、無用な女性性を排したような透明の歌を、冷たく歌い込んでいる。あるいはとても無表情のようにも聴こえるが、単に絶望や達観とは言い切れない危うさ、声のうつろい、それを伝播する空気の揺れ、その微妙なニュアンスが生々しい。それは厳かでさえ、ある。触れては崩れてしまいそうなか細さを持つ一方で、それは何者をも寄せ付けない強い意志を示すかのようだ。アルバム冒頭、ポスト・ロックを通過した後のスマッシング・パンプキンズ・スタイルを確立する"WHIREPOOL"で、嵐のようなディストーション・ギターのなか、きのこ帝国はそのヴォーカリストの魅力を披露する。「いつか殺した感情が/渦になる/渦になる」"WHIREPOOL"

 4人から成るバンドの演奏も、ヴォーカリストの迫力に見劣りしない力強さを湛えている。ナンバー・ガールを彷彿させるソリッドなギター・プロダクション、ポスト・ロックめいた静寂と喧騒の大胆なスイッチング、硬くて脆い、スローコア/サッドコアのガラス細工。また、残響するほどの轟音の中にも浮遊感が残るのは、シューゲイザーからの影響だろうか。彼らはたしかに、俯いている......が、その目は大きく、シリアスに開かれている。例えば、微睡むようなベッドルーム・ポップの羊水めいた甘さや、(何かしらの意図があるとしか思えない、その独特のネーミング・センスから比較するが)ゆらゆら帝国ないし坂本慎太郎のような笑い、諧謔の手さばきは、ここにはない。純文学の短編のようなタイトル・センスも、バンドの神経質な性格を表しているようだ。

最近は髪も爪も切らず 復讐もガソリン切れさ
なんにも食べたくないし ずっと考えてる "夜が明けたら"

 いくらポスト・モダンが徹底化されたと言っても、十代という季節に否応なく自意識を募らせてしまう人間が、ふと、生きることにはやはり意味などないのだということを受け入れるには、それなりの時間を要する。そして、その空虚さに対する初動的なリアクションが、仮に自嘲か/自虐か/自傷かに揺れるなら、彼らは間違いなく自傷に近い場所にいる。ダーク・ポップのメロディで歌われる、不安や罪の意識。それは赦しのない夜に、深く沈んでいく。だが、きのこ帝国は、そこで望みを絶つための表現ではない。虚しさに傷つきながら、自閉・自傷に傾いていく過敏性は、いわゆるポスト・ロックがゼロ年代の前期に求めた人工性、形式性に一定の共感を示しつつも、また言葉を拾い、歌(物語)という傷つきやすい夢を見ようとする。クライマックスとなる"夜が明けたら"、それは、虚しさを抱えながらも、許される限りの温かい場所を求めていく罪人の歌だ。

 もっとも、サウンド・プロダクションが画期的に斬新かと問われれば、私の返答はいささか鈍るのもまた事実である。共同プロデュース/レコーディング/ミキシングに関わる益子樹が、角の立った音の塊を見事にトリートメントしているが、より直接的で個人的な世界を望む人には、青葉市子ともリンクするような佐藤の弾き語りプロジェクト、クガツハズカムも準備されている。真価を問うには、私は彼らをまだ知らなすぎるが......驚くべきことに、恐らくは筆者と同年代であろう彼女ら/彼らは、決して性愛を扱わないのだ。彼らが抱える原罪のような悲しみ、それは例えば、ラッドウィンプスのようなバンドが恋愛的に自己治癒した種類のものとは、ずいぶんと様子が違っている。彼らはある程度、その暗がりに親しみを持っているのだ。それでも、"足首"における浄化されるような清らかさを前に、私は思った。これはあくまでも予感のようなものに過ぎないし、馬鹿にしているのかとひんしゅくを買うかもしれないが、きのこ帝国はそう遠くない未来に、聴く者が震えるような最高のラヴ・ソングを生むだろう。

文:竹内正太郎

Slugabed - ele-king

 ジャンルのことをぶつくさ言う人がいるけれど、何かがはじまって、それがまだ未分化の状態にあるときに、何が何だかわからないままに楽しんだことがないと、それは文句もいいたくなるでしょう。ジャンル名というのは、結果的につけられるものだし、文句を言っている人たちはいちばん面白いところを逃しているわけだから。セカンド・サマー・オブ・ラヴなどというのはそれの巨大なものだった......もいいところで、ドラムンベースが分かれて出てくるまでに7年が経過し、さらにはシカゴ第2波からフレンチ・タッチに飛び火して、余裕で10年以上も続いたというポテンシャルは、分化していく過程そのものがレイヴ・カルチャーの推進力にもなっていたさえ思えてくるし(1899年にパリのムーラン・ルージュから始まったサマー・オブ・ラヴが再び100年後のパリに戻ってくるという円環構造もまた素晴らしい→12回めの映画化となるバズ・ラーマン監督『ムーラン・ルージュ』から「I first came to Paris one year ago. It was 1899, the summer of love. I knew nothing of the Moulin Rouge, Harold Zidler or Satine. The world had been swept up in the Bohemian revolution and I had traveled from London to be a part of it. On a hill near Paris, was the village of Monmatre. It was not what my father had said. But the center of the Bohemian world. Musicians, painters, writers. They were known as the children of the revolution. Yes! 」。

 ルーマニア語でスルガベーを名乗るグレゴリー・フェルドウィックがリック・ジェイムズ"スーパーフリーク"をネタにマッシュ・アップをリリースしたときも、これはなんだろうという感じで、その音楽にジャンル名がつけられないもどかしさとその快楽は多くのDJやリスナーを魅了した。これが、たった3年前のことだったとはとても思えない。同じ09年に〈ランプ〉からリリースされた「グリットソルト」は初のオリジナルだったにもかかわらず、あまりいい出来ではなかったので、彼の名前はあっという間に廃れていく。しかし、ココ・ブライスとの変則スプリットを経て、〈プラネット・ミュー〉からのリリースとなった「アルトラ・ヒート・トリーティッドEP」(10)が彼の知名度を回復させ、いや、飛躍的に高め、2011年には〈ニンジャ・チューン〉と契約。「ムーンビーム・ライダーEP」「サン・トゥー・ブライト・ターン・イット・オフ」「セックス」と順調にリリースを重ね、その度に、ダブステップだ、ヒップホップだ、いや、エレクトロだと言われながら、何が何だかわからないままファースト・アルバムまで辿りついてしまった。その間にもココ・ブライスの『トロピカル・ヒート』シリーズやアキラ・キテシとのタッグ、さらにはサージョンのミックスCDにも使われていたスターキーを始めとする山のようなリミックス・ワークもこなし、なかではリコーダによるレーベル・コンピレイション『アストロダイナミクス』に提供した「クランク・クランク」が圧倒的な素晴らしさだったといえる。そして、そのどれもがいまだにジャンル分けされず、未分化のビートを鳴らし続けている。しかも、統一感はありまくる。スゴい。

 とはいえ、少しはジャンル分けに挑戦してみよう。コズミックで複雑怪奇なダウンビートの"ムーンビーム・ライダー"、ワールド・ミュージックを徹底的に脱色したような"ドラゴン・ドラム"、キラビやかなグリッチ・エレクトロを聴かせる"セックス"をそれそれ先行EPから採録し、新たに9曲をプラスした『タイム・ティーム』は全体にどこか儚い叙情性に覆われつつ、ジ・オーブをフュージョンに解体したようなアーバンかつ夢見がちな気分にあふれかえっている。ラスティフローティング・ポインツの中間を行く"マウンテインズ・カム・アウト・オブ・ザ・スカイ"や"クライミング・トゥリー"ではどこまでも美しい景色が続き、かつては初期のフィル・アッシャーやイアン・オブライアンが見せてくれたものとまったく同じ場所へと連れ去られる。それはすでにオープニングから予感ははじまっていて、いちども裏切られることはない。グルグルと螺旋を描きながら、同じでありながら少しずつ違う景色へと運ばれていく。そして、終わり方はきっと誰にも予想できない。そこにはまた新たな未分化が待ち受けている。なんて巧妙なんだろう......

Chart by JET SET 2012.05.01 - ele-king

Shop Chart


1

V.A.

V.A. Cuz Me Pain Compilation #2 (Cuz Me Pain) »COMMENT GET MUSIC
Jesse Ruins、The Beauty、:Visitedを擁する最重要レーベルCuz Me Pain。その周辺で巻き起こる希望と喪失、情熱と倦怠もろもろすべて詰まった'12年インディ・ダンスの必携盤。

2

Ben Harper And The Skatalites

Ben Harper And The Skatalites Be My Guest (-) »COMMENT GET MUSIC
モダン・ブルースS.S.W.のBen HarperとSkatalitesの共演で話題だったFats Dominoのカヴァーが7インチ化!!

3

V.A.

V.A. Uncanny Valley 10 (Uncanny Valley) »COMMENT GET MUSIC
2010年のレーベル第一弾から素晴しいリリースが続いている"Uncanny Valley"から、C-BeamsのメンバーSandrow Mを筆頭にドレスデンの新進気鋭プロデューサーをフックアップしたご当地コンピが新着。

4

Nitetime

Nitetime Jive Talk Ep (Future Classic) »COMMENT GET MUSIC
Kon & AmirのChristian "Kon" Taylorと、リエディット・ワークに定評のあるWhiskey Baronsのボストン在住デュオによるデビュー作。Soul Clapを筆頭に、ReclooseやKarizma、Jacques Renault、さらにGilles Petersonまで錚々たるメンツがサポート中!!

5

Hollie Cook

Hollie Cook Prince Fatty Presents Hollie Cook In Dub (Mr Bongo) »COMMENT GET MUSIC
あの大傑作デビュー・アルバムに収録されていた楽曲を、プロデューサーPrince Fatty自らがダブワイズした最高の1枚が登場。

6

Lovelock

Lovelock Maybe Tonight (Internasjonal) »COMMENT GET MUSIC
L.I.E.S.や"Mexican Summer"からのソロ・リリースやZombieの片割れとしても活躍するLovelockによる2009年シンセ・ディスコ名作をMetro AreaことMorgan Geistがエディット。

7

Keyboard Masher

Keyboard Masher Afro Editions (Resista) »COMMENT GET MUSIC
Daphni A.K.A. Caribou、Tom Crooseによる前3作がいずれも大好評を博した"Resista"の第四弾。自身が運営する"Km Editions"からリリースを重ねてきたKeyboard Masherチームが初参戦!!

8

Hawthorne Headhunters

Hawthorne Headhunters Myriad Of Now (Plug Research) »COMMENT GET MUSIC
『The Sweetest Revenge』が好評を博したMc/プロデューサーのBlack Spadeと、シンガーソングライターCoultrainによるチーム=Hawthorne Headhuntersが待望の新作を発表!

9

Gifted & Blessed Presents The Abstract Eye

Gifted & Blessed Presents The Abstract Eye Gifted & Blessed Presents The Abstract Eye (Eglo) »COMMENT GET MUSIC
ご存じAll CityのL.A.シリーズへの参加でもお馴染みの西海岸在住クリエイターGbことGifted & Blessedが、Floating Points率いるEgloからぶっ放す直系ボムがこちらです!!

10

Vessel

Vessel Standard Ep (Left Blank) »COMMENT GET MUSIC
Eglo同系レーベルHo_Tepの人気者Throwing Snow率いるLeft Blankに見出されたUkベース新鋭Vesselが美麗音響ハウス/ディープ・テックdjにも大推薦の2nd.12"を届けてくれました!!
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