「IR」と一致するもの

Chart by Lighthouse Records 森広 2010.01.28 - ele-king

Shop Chart


1

PIXELTAN

PIXELTAN YAMERARENA-I DFA / UK / 2009/12/23 »COMMENT GET MUSIC
NYのディスコ・ロック系レーベルとしておなじみの[DFA]から、なんと脱力系な日本語女性ボーカルをフィーチャーしたニューウェーヴ・ディスコ・ナンバーが登場。インパクト大でユーモラス、それでいてトラック自体もカッコいいナイスな一枚!

2

JOAQUIN JOE CLAUSSELL

JOAQUIN JOE CLAUSSELL UN.CHAINED RHYTHUMS EXITS SACRED RHYTHM MUSIC / US / 2010/1/19 »COMMENT GET MUSIC
ダントツのクオリティーの生音系ディープハウスをして昨今ますます存在感が増している感のあるJOE CLAUSSELLが、以前から話題だったボックスセットをついにリリース!流行と関係なく何年後でもずっと聴けるような珠玉の内容に!

3

NEBRASKA

NEBRASKA A WEEKEND ON MY OWN EP RUSH HOUR / NED / 2010/1/19 »COMMENT GET MUSIC
再発2枚も大人気だったNEBRASKAが、またしても[RUSH HOUR]からシングルをリリース!
この極上エレピ・ワークが効いたアーバンでウォーミーでグルーヴィーなジャズファンク・ディープハウス、今回も相当イイです!

4

JOAKIM

JOAKIM SIDERS VERSATILE / FRA / 2010/1/19 »COMMENT GET MUSIC
[TIGERSUSHI]主宰JOAKIMが甘くてエモーショナルに沁みるボーカルをフィーチャーしたエレクトリック・ブギーをリリース。
しかもEWAN PEARSONによるドープでサイケでグルーヴ感抜群のリミックスが最高にカッコよく、これは早くフロアで聴きたいです!

5

NOMI & RAMPA

NOMI & RAMPA INSIDE REBIRTH / ITA / 2010/1/19 »COMMENT GET MUSIC
昨今リミキサーの人選もイイ感じな[REBIRTH]から、今度はRUB N TUG/STILL GOINGのERIC D.をリミキサーに起用した新作がお目見え。
HOUSE OF HOUSEみたく90'sハウス感をセンス良く活かしたディープで幻想的な女性ボーカル・ナンバーで広い層から支持を得そう。

6

TRUS'ME

TRUS'ME IN THE RED FAT CITY / UK / 2010/1/19 »COMMENT GET MUSIC
NUMBERS]を主宰するマンチェスターの新世代ビートダウン・ハウサーの話題の2ndアルバムがついにアナログ化。ジャズ、ソウル、ディスコ、ファンク等のブラック・ミュージックの要素を色濃く含んだ、現場でも自宅でも活躍してくれそうな充実の内容となりました。

7

LUCIO AQUILINA

LUCIO AQUILINA BLACK ELF EP HIDEOUT / 2010/12/15 »COMMENT GET MUSIC
イタリアのテック・ハウサーが地味に放ってきた何気にカッコいい一枚。オーガニックでメロディックなチャイムの音色を用いながらグルーヴィーに展開していくディープハウシーなモダン・ハウス・トラックです。

8

JAKOB CORN

JAKOB CORN SUPAKRANK DOLLY RECORDS / GER / 2010/1/19 »COMMENT GET MUSIC
PANORAMA BARのレジデントとしても知られる女性DJ、STEFFIが立ち上げた新レーベルの第1弾は[RUNNING BACK]から昨年デビューしたJACOB KORNによる別名義。センスのいいモダン・ディープハウスやスモーキーなビートダウン系トラックを聴かせてくれます!

9

WAREIKA

WAREIKA MOUNTAIN RIDE TARTELET / DEN / 2009/12/8 »COMMENT GET MUSIC
'09年ブレイクした人気ユニットWAREIKAが年末前に放った一枚。ホーンやパーカッション、ボーカルなどを用いながらグルーヴィーでノリのいいバルカン系ミニマル・トラックを展開していてフロアをバッチリ盛り上げてくれます!

10

ANTONELLI

ANTONELLI DISCONNECTED DRECK / UK / 2009/12/22 »COMMENT GET MUSIC
[ITALIC]で活躍してきたドイツのミニマル・ハウサーがロンドンの[DRECK]からナイスな一枚をリリース。JUSTUS KOHNCKEやPARTIAL ARTSあたりに通じるような、アナログ機材のレトロな質感を活かしながらビルドアップしていくシンセ・ディスコです。

Vampire Weekend - ele-king

 30年前に大好きだったペイル・ファウンテインズのシングル集のようなCDを買った。ほとんど全部、持っているのになぜか衝動買いだった。そして、久しぶりにまとめて聴いたら......こんなにヘタだったのか......ガーン......

 忌野清志郎のソロ・アルバム『レザー・シャープ』でエンジニアを務めたチャールズ・ハロウェルはペイル・ファウンテインズのサード・アルバムをプロデュースし、そして、失敗に終わったと話してくれたことがある。クラッシュからドロップ・アウトしたトッパー・ヒードンと失業状態のスティーヴ・ヒレッヂがその時、目の前にはいた。清志郎は「♪曲がり角のところで~」と歌い出す。RCサクセションとして次のアルバムをつくるはずだったのに、ひとりでロンドンにいる清志郎も含め、誰ひとりうまくいっている人はいなかった。ペイル・ファウンテインズの話をする時、ハロウェルは少しうな垂れていた。「スタジオ内は完全に煮詰まって、どうにもならなくなってしまった。半分までできたところで終わりだということがなんとなくわかったよ」

 ハロウェルは夢を見ない若者だった。階級社会のイギリスが彼には一生、労働者だという自覚を与えていたのである。80年代といえばパワー・ステーションのドラムがすぐに引き合いに出される。あれはハロウェルがつくった音だ。自分のドラムの音をあれと同じにされたといってトッパー・ヒードンはカンカンに怒っていた。トッパー・ヒードンを黙らせたのは清志郎だった。清志郎は80年代を受け入れようとしていた。チャールズに向かって清志郎が「素晴らしい!」と英語でいった。「マーヴェラス!」。清志郎はハロウェルを日本に迎えてもう1枚のアルバムをつくった。「マーヴェラス」を縮めた『マーヴィー』だ。典型的なメンフィス・サウンドといえる「シェルター・オブ・ラヴ」をいかにもニューウェイヴ風のアレンヂで聴かせているのは清志郎とハロウェルの接点がそこにあったからである。仮ミックスが終わると、「チャールズ! マーヴィー!」と、清志郎は何度もマイクに向かって小さく叫んでいた。

 ペイル・ファウンテインズの透き通るようなサウンドを、あの瑞々しい音楽を、「夢を見ない」ハロウェルはどのように受け止めていたのか。諦めの裏返しとして有効な響きがそこにはあったのだろうか。そして、あの瑞々しさが重々しく変化していった時に、彼の心には何か感じることはあったのだろうか。さらには重い音さえ出せなくなってしまった時には......。


 ヴァンパイア・ウィークエンドは怖ろしいほど清々しい。これは何かの裏返しなのかと勘繰る気持ちさえ起こさせない。「どんな音楽?」と聞かれればファーストはトーケンズがカヴァーしたモノクローム・セットの「アポカリプソ」だったけど、セカンドはそれほどふざけてはいなくて「ファン・ボーイ・スリー+ハワード・ジョーンズ」と答える。ロスタム・バットマングリー(......って、コウモリだらけなんですけど)による別働隊、ディスカヴァリーからのフィードバックだったのか、セカンド・アルバムではエレクトロニクスが随所で取り入れられ、そのせいで、もはやアメリカのバンドが頭に思い浮かぶことはない。このセンスは完全にイギリスのものだし、とはいえ、ペイル・ファウンテインズの隣に彼らの音楽を置くのも抵抗がある。これがいまのアメリカだとしかいいようがない。アン・ライス以来、アメリカではゲイの比喩だとされてきた吸血鬼を名乗り、ソカやスカのリズムにのせて爽やかなメロディを歌う彼らが全米で1位をマークするという流れ。アメリカは何かに疲れてしまったのだろう。これが10年前には(イギリスから強引に取り寄せた)レイディオヘッドをアンセムとして称え、20年前にはニルヴァーナをトップに置いてきた国のその後の姿だとしかいいようがない。一方にアニマル・コレクティヴTV・オン・ザ・レイディオがいることを思えば、サイケデリック・ムーヴメントに対するサイモン&ガーファンクルのようなものになろうとしているのかなとか(まだ、そこまでの強度はないけれど)。

 ヴァンパイア・ウィークエンドはペイル・ファウンテインズのように煮詰まることはないだろう。彼らの清々しさは何かと引き換えにして出てきたものでは、たぶん、ないからである。変化することを楽しんでいるバンドのようだから、次で一気にエレクトロニカということもありうるのかもしれないけれど、あまりおおっぴらに記号化しない方がきっと長い支持は得られることでしょう。小手先の面白さでは、もしかすると、いま、一番なんだから。

[Drum & Bass / Dubstep] by Tetsuji Tanaka - ele-king

1 Sub Focus / Could This Be Real[Drum&Bass RMX]/Triple X | Ram

 昨年のハイライトとも言うべきファースト・アルバム『Sub Focus』によってエクストリーム・レイヴ・ドラムンベースの確固たる地位を確立、それを不動のものにしたのがサブ・フォーカスである。そのもっとも待望されていたリリースによってドラムンベース界に新たな核が生まれたというわけだ。もっとも、プロデューサー・デビューから6年もの年月を費やして発表となったファースト・アルバムは、彼の類まれなる才能から考えると少々遅かった感は否めないのだが。
 彼の起源は2003年〈Ram〉のサブ・レーベル〈Frequency〉から発表された「Down The Drain/Hotline」である。当時のトラック・メイキングはまだ未成熟かつ方向性が定まっていない、ごく平凡なサイバー・ドラムンベースだった。もちろんその当時は、現在のようなスター・プロデューサーとしての確約はないに等しい存在として扱われている。彼に転機が訪れたのは、そう、2005年。その年のアンセム・ザ・イヤーとなったばかりではなく、2000年代を代表するトラック"X-Ray"の発表である。
 ドラムンベース界のみならず、その恍惚感溢れるトランシーレイブな作風で世界中のダンスフロアを掌握、稀に見るビッグ・アンセムとなった。その後、水を得た魚の如く立て続けに"Airplane"、"Frozen Solid"などの"ロック"チューンを発表。そして彼の地位を不動のものにした決定的なリリースがプロディジー"Smack My Bitch Up"のSub Focus RMXだった。そのリミックスはまるで新旧レイブ・サウンド伝道師の世代交代のようで、ドラムンベースをより多方面に押し上げてもいる。そしてその後の活躍は言わずと知れている。いまや名実ともにドラムンベース界のトップ・プロデューサーに君臨するのだ。
 さて、彼のファースト・アルバムからシングル・カットが待望されていた2曲がついにリリースされた。アルバムに収録された"Could This Be Real"のオリジナルは、現在のクラブ・シーンを席巻しているトレンド、エレクトロ・タッチから触発されたフロア直系のアーバン・ブレイクスだったが、シングル・カットのためにドラムンベース・リミックスへと自身でリワーク。ハーフ・ステップさながらのビート・プロダクションに流麗なレイヴ感漂うエレピを注入し、ハイブリッドでソフィスティケートされたシンフォニック・レイヴ・サウンドへと昇華させている。
 "Triple X"に話を移そう。これはまさに"X-Ray"の続編、誰もが待ち望んだ真のレイヴ・ミュージック、即ちこれがエクストリーム・レイヴをもっとも体現したトランシー・フロア・サイバーの最高傑作と呼ぶに相応しい。今後この作品はダンスフロアで皆を待ち続けることとなるであろう。

2.  Disaszt, Camo & krooked / Together[DC Breaks RMX]/Synthetic | Mainflame

 オーストリア、ウィーン発の新鋭レーべル〈Mainflame〉からレーベルのフロントマン、ディザスト(Disaszt)と若手ナンバ-1の呼び声が高いケーモ&クルックト(Damo & krooked)のサイバー・スプリット! "Together"では〈Viper〉、〈Frequency〉などシーンのトップ・レーベルのリリースからMINISTORY OF SOUND主宰DATAなどメジャーのリミックス・ワークなども手掛けるDJサムライ & DJクリプティックのエレクトロ・サイバー・ユニット、DC・ブレイクス(DC Breaks)が担当。レーベル・カラーであるカッティング・エッジでエレクトリックなサイバー感を継承しつつ、よりシンプルに交感し合う各々のサンプル群と、そして女性ヴォーカルが絶え間なくフォローするエレクトロ・ニューロ・ファンクとなっている。昨年からドラムンベースの新しいトレンドとして定着しつつあるエレクトロ・ドラムンベースだが、今作はまさにそれを体現している。まったく"いまこの瞬間の"ダンスフロア・シンフォニーで、レーベルのシンボル的トラックである。
 ケーモ&クルックト"Synthetic"は、〈Mainflame〉からもうすぐ発売されるファースト・アルバム、『Above The Beyond』の前編的トラックとなった。エレクトロ・ドラムンベースの若手急先鋒ケーモ&クルックトだが、今年はさらなる飛躍を期待されるだろう。彼らはすでにDJフレッシュ(DJ Fresh))、アダムF(Adam F)の〈Breakbeat Kaos〉から「Can't Get Enough/Without You」、ロンドン・エレクトリシティ率いる〈Hospital〉から「Climax/Reincarnation」、フューチャー・バウンドの〈Viper〉から「Cliffhanger/Feel Your Pulse」など、多数リリースが控えており、今後最注目のアーティストである。筆者が現在提唱しているエレクトロ・ドラムンベースが、ケーモ&クルックトやショックワン、フェスタなどによって閃光の如く輝き続けるムーヴメントになることを望んでいる。

 

3. Danny Byrd Feat Liquid / Sweet Harmony/Jungle Mix | Hospital

 ザリーフ&ダニーバード(Zarif & Danny Byrd)、"California"で昨年、最高のプロデュース・センスをまた見せつけたダニーバード! ハイコントラストとともに〈Hospital〉の制作理念をもっとも体現しているひとりであり、彼の高揚感溢れるキャッチーな作風はいまや誰にも真似できない、まさにダニーバード・サウンドとして定着している、キャリア10年以上の〈Hospital〉所属のベテラン・プロデューサーだ。
 筆者もDJのとき、必ずと言っていいほどお世話になっている。とくに昨年のザリーフとの共作やファースト・アルバムでのFT.ブルックスブラザーズ"Gold Rush"など......彼の作品をプレイするとき、いつも決まって、自身が中盤の窮地に陥っているケースが大半だ。なぜかと言えば......それだけ個の作品のみであらゆる場面を乗り切る力を持っている唯一のトラック、それがダニーバードの音楽だからである。彼には作品を出すたび毎回脱帽し、尊敬の念を抱き続けている。レコードを置き、針を落とすだけの偉大なキラー・トラックを量産し続けているのだから!
 そして今作"Sweet Harmony"は、初期のレイヴ感溢れるエレピ、FT.リキッドのソウルフルなヴォーカルを効果的に配した遊び心満載のキャッチーなフロアトラックとなった。原点回帰したかのような初期作風感漂うサンプル使いにダニーバードの懐の深さを再認識させられた。もちろんこれもフロアで爆発的人気を得るだろう。
 B面"Jungle Mix"は、ここ最近のダニーバードお気に入り(?)"Shock Out"でも垣間みれたおなじみのオルタナティヴ・プロダクションである。彼特有の変則アーメン・ビートにキャッチーなギミック・サンプルで否応無しにフロアをロックする、正真正銘のパーティ・チューンだ。90年代中期頃、一世を風靡した"Smokers Inc"や"Joker"のエッセンスが多分に感じられ、古き良きジャングル文化が彼によって現代に甦ったと言えよう。
 さらに本年度はダニーバード・フォースカミング・リリースで、みんなが待ち望んでいるあの曲"Paperphase"が〈Breakbeat Kaos〉からついにリリース。あのエレクトロ・ドラムンベース最強兄弟、FT.ブルックス・ブラザーズがまたタックを組み、懐かしのフレンチ・ディスコを思い起こさせるフィルター・ハウス・ドラムンベースに仕上がっている。
 まだリリース前だが、2010年のアンセム・ザ・イヤーをこれで決まりだ。

V.A - ele-king

 私は反省こめて書きますが、ジャンク~スカム・リヴァイヴァルとしての「関西ゼロ世代」を強調するあまり、その背景のポスト・ニューウェイヴ、つまり80年代インディ・カルチャー(とその発展型である90年代オルタナティヴ)と彼らの断絶をうまく描いてこなかった。ペンペンズや砂十島NANIやオオルタイチは90年代と00年代のグラデーションのなかでは多彩であったせいでかえって、私は彼らの逸脱へむかう気持ちを既視感に引き寄せたところはなくはなかったが、真保☆タイディスコの『住mばsyo着るmの絡まって』を去年聴いたときアンダーグラウンドのそのまた下に走る活断層がはっきりとズレたことをさとったのだった。私は音楽の素養をいいたいんじゃない。彼女がタイから持ち帰ったという非西洋的な快楽のベクトルは、DJ~トースティング(?)を通して不可逆的に彼女の身体に流れこんだグルーヴは彼女の身体性を変容させていて、Jポップ~クラブの押韻と言葉と歌のメロディを書き換え90年代までと切断するポップ・ソングを作りあげることに資しているとファーストを聴いて考えたのです。10年前までは文化人類学の残り香があった音楽の輸入形態も10年後にようやく路傍に晒されたというか、バイリ・ファンキでもクンビアでもアジアのクラブ・カルチャーでも、アーティストとリスナーの間を直接行き来する音楽は批評のハイアラーキーになじみがたく、自然発生的な解釈(曲解、誤解)はローカリティさえ攪乱する、ニコ動的な個人レベルの加工貿易の観をていしている。この10年の音楽のトレンドは欧米のメディア主導型のラベリングと、局所地的ですらないマイ・ブームの集積のようなベクトルが併走した年代で、これに勝手知った「タコツボ化」などといういい方で目を瞑るわけにはいかない。赤瀬川源平じゃないが、ツボの内側に張られたラベルが反転して宇宙を包むことだって、考えようによってはあるわけで、音楽は意外にスリリングだ、という現状を〈クマル〉のレーベル・コンピであるこのアルバムは伝えてくる。これに先だった真保☆タイディスコの旦那のシャブシャブの『SONOFX』はどこか遠くを見つめたくなる、幻の名盤解放同盟のいい方を借りれば「いい湯加減」の、グライムに異文化コミュニケーションのフィルターがかかったような快(怪)作だったが、有象無象が集った『クマル・エキスポ・2010』では状況はいっそう錯綜している。デ・デ・マウスへのアンサーともとれる『SONOFX』収録のフィルタード・バラッド "Katatsumiru"の真保☆タイディスコによるアップリフティングなリミックスをはじめ(私の五歳の娘は一度聴いてこの曲を憶えました)、このなかでは比較的名の知れた参加者だろうシャブシャブとオオルタイチのオバケジャーとか、ほかにもneco眠るのバイオマン、ガルペプシとシャブシャブによるガルシャブはリズムコンシャスである意味クールなトラックを披露したかとおもえば、京都シーンからはスズメンバが参戦し、スズメンバのMU-TONはシャブシャブとのパンパス・エスカルゴスなるユニットに増殖していく。真保☆タイディスコはラキラキ、ニジベンテンなど複数のユニット名を使いわけているが、フリクションのレックの非正統的な後継と目されるべき(ホントかよー)リズムから帰納されたヴォーカル・トラック(ドイツ語あり)はダブ・ステップの影をチラつかせながら、野田努よれば「女性の時代」だった00年代の殿(しんがり)をつとめるようにもみえ、総体的にはシャープな1枚になった。

Chart by DISC SHOP ZERO 2010.01 - ele-king

Shop Chart


1

G.RINA

G.RINA MELODY & RIDDIM #1: mashed pieces MELODY & RIDDIM / 日本 / 2009.12.25 »COMMENT GET MUSIC
シンガーでありプロデューサー、トラックメーカー、DJでもあるG.RINA自身が立ち上げたレーベルの第1弾。ダブステップの名曲の数々をレゲエでいうリディムと捉え、そこに自作のメロディを乗せたストリートアルバム的内容。アイデアの斬新さだけに頼ることの全くない、オリジナルと別の輝きを持った楽曲としての完成度の高さに、彼女の多面的才能の豊かさを改めて実感。G.RINA流の新しいリズム&ブルーズの萌芽。

2

LIGHTNING HEAD

LIGHTNING HEAD TRAFFIC JAM / NOW I DELIVER (VERSION) / 2009.12.11 »COMMENT GET MUSIC
元ROCKERS HI-FI、BIGGABUSHとしても知られるLIGHTNING HEADの7インチ限定300枚。A面はSTEPHEN MARLEYのヒットをファンキー・レゲエ・ブレイクビーツにカヴァー。トロンボーンのトボケ味なリフ、途中ではアフロなノリも出てくる最高の仕上り。B面はR.HI-FIの名曲リミックス。ゆったりしたムードのオリジナルを、L.HEAD印のダンスホール・ビートで料理。

3

DISTANCE / PINCH

DISTANCE / PINCH CLOCKWORK / ONE BLOOD, ONE SOURCE (REMIX) TECTONIC /イギリス / 2009.12.11 »COMMENT GET MUSIC
B面の盟友PINCHが07年に発表した名作『UNDERWATER DANCEHALL』収録曲のリミックスが特に素晴らしい。ラスタ・シンガーRUDEY LEEを迎えた曲で、RHYTHM & SOUND~BURIAL MIXラインとは全く別の方向からディープなダブへとリミックス。サブ・ベースの歌うようなラインとドラムの感触の対比、そしてその空間にハメられる。

4

SOOM T

SOOM T DIRTY MONEY E.P. JAHTARI / ドイツ / 2009.12.03 »COMMENT GET MUSIC
驚くべき多方面からの支持を受けつつ、いよいよ2月に初来日を果たすDISRUPTとSOOM TのコラボEP。「アンタのキタナイ金なんて要らないわよ!」というサビが印象的なタイトル曲は、この夏に引っ張りダコだった各地フェスやクラブでも大人気だったという曲。ファズが掛かったようなビット・レートの低いダブ・ビートと、SOOM Tの独特な声で繰り出される、歌うようなトースティングが不思議と絶妙な相性。

5

UNTOLD

UNTOLD FLEXIBLE BRAiNMATH / イギリス / 2009.12.15 »COMMENT GET MUSIC
個人的には2009年にその動向/サウンドが最も気になったプロデューサーのひとりUNTOLDの新曲が、ZOMBYやSBTRKTなどもリリースするBRAiNMATHから限定でリリース。もはやUNTOLD印と言える、ヒプノで骨折気味のビートが生む不思議なトライバル感を、真空度高めにグルーヴさせた曲。80年代終わりから90年代頭の実験的ハウス?テクノにも通じる感触。

6

ECHO_TM feat. ECHO RANKS

ECHO_TM feat. ECHO RANKS SKYLARKING KANU KANU / ポーランド / 2009.12.27 »COMMENT GET MUSIC
現在エジプトはカイロ在住のHATTI VATTIが立ち上げたレーベル第1弾、限定300枚。ポーランドのプロデューサーECHO_TMによる、ニュールーツ系レゲエの作品で知られるシンガーECHO RANKSを迎えたディープな音像のミニマル?テック・ダブ。RHYTHM & SOUND?BURIAL MIX直系ではあるけれど、よりレゲエ寄りになっている微妙な感じが◎。裏のリミックスはドイツのBIODUB。

7

KALBATA

KALBATA OH GOSH / KARL BUTTER BOTANIKA / イスラエル / 2009.12.27 »COMMENT GET MUSIC
WARRIOR QUEENを迎えたSOUL JAZZからのシングルが大人気だったイスラエルのダブステッパーKALBATAの最新シングル。エレクトロな感触が前面に出つつのダンスホール・ビートのA面は、クドゥロや高速のMCが乗るグライムとも相性が良さそう。B面ではさらにエレクトロ感を増し"テッキーな"というのとはまた違うテクノな感触のトライバル・グルーヴを聴かせてくれる。

8

MJ COLE feat. SEROCEE

MJ COLE feat. SEROCEE AO PROLIFIC / イギリス / 2009.12.27 »COMMENT GET MUSIC
2ステップで有名なMJ COLEによるUKファンキー。TODDLA Tとも組むMC、SEROCEEのレゲエ・ベースのフロウが洗練されたトライバル・ビートを野蛮にグルーヴさせるオリジナル、ベースが上昇を繰り返す自身のリミックスも良いが、そこにカーニヴァルなムードも加わって01?02年のレゲエ味ブレイクビーツが大盛り上りだった時代の感触も思い出させてくれるZED BIASによるリミックスが楽しい。

9

ION DRIVER

ION DRIVER WHAT SITUATION RICOCHET / イギリス / 2009.12.27 »COMMENT GET MUSIC
「レイヴ後のモハーヴェ砂漠で日の出の音を録音したら」なんて資料にはありましたが、そうイメージすると妙にハマる5曲入。トライバルだったりサイケなチルアウトだったりゲットー・ベースなグルーヴもありつつの、ディープでプログレッシヴなテッキー・ビーツ。これも"ダブステップ以降"のひとつの形を示す重要な1枚となりそう。

10

JOKER

JOKER CITY HOOPER / OUTPUT 1-2 TECTONIC / イギリス / 2009.12.27 »COMMENT GET MUSIC
メジャー・アーティストのリミックスを手がけるなど、そのサウンドもすっかりトレードマークとなった新世代JOKER待望の新曲は地元ブリストルのTECTONICから。スロウでへヴィなグライム?R&B風トラックに、お得意のロボティックなシンセが歌うA面。B面は、このレーベルらしいディープさも出たトラックで、中盤以降のリズムの変化も◎。爆音で聴けば、この音の解像度にやられること間違いなし。

Charts by JAPONICA 2010.01 - ele-king

Shop Chart


1

AMAZIAH

AMAZIAH SLOWLY CLAREMONT 56/UK / 2010/1/4 »COMMENT GET MUSIC
大人気CLAREMONT 56の人気コンピ"ORIGINALS"最新第4弾に収録されていたスローモーなロッキン・ディスコの大傑作、AMAZIAH"SLOWLY"を片面一曲仕様で収録した限定10インチが入荷!全世界300枚、しかも国内ではジャポニカ独占少量入荷というレア化必至のアイテムです!これは見逃せませんよ!

2

MARK E

MARK E WHITE SKYWAY UNDER THE SHADE/UK / 2010/1/14 »COMMENT GET MUSIC
MARK E新作!A面収録の"WHITE SKYWAY"は持前のへヴィなビートとグイグイと持っていかれる抜群のビルドアップ感を兼ね添えたスペイシーなビートダウン・トラックを披露!相変わらずいいとこ取りなウワネタ・サンプルのミニマル感もばっちりです!B面にはこちらもスペイシーなジャジーなリフに包まれながら進行する高揚感がたまらないディープ・ハウス・トラック"NOCTURN"を収録!

3

KINGDOM☆AFROCKS

KINGDOM☆AFROCKS イチカバチカーノ JAPONICA/JPN / 2009/12/20 »COMMENT GET MUSIC
ライブハウス/クラブに野外フェスまで数多くのイベントに出演、その熱いライブパフォーマンスが全国のダンスミュージック・フリークスの間で注目を集め、あのアフロ界の重鎮トニー・アレンも太鼓判を押す日本最強アフロバンド、キングダム☆アフロックス待望のファースト・シングル!今年リリースされたファースト・アルバムが日本全国、海外でも話題を呼んでいるBASED ON KYOTOのプロデューサーDAICHIによるリミックスも収録!

4

COFFEE & CIGARETTES BAND

COFFEE & CIGARETTES BAND ELECTRIC ROOTS 001 ELECTRIC ROOTS/JPN / 2009/12/24 »COMMENT GET MUSIC
BIRDSは定番ブレイク"EDWIN BIRDSONG/RAPPER DAPPER SNAPPER"をベース・サンプルに、小気味良いリズムで進行するドラムが重なりあうブレイクビーツ~ニュー・ディスコ・トラック!ヘヴィ・ドラムに 80'Sなヴォイス/シンセ・サンプルを随所に入れつつ巧みなドラムの抜き差しで展開をつけるヒップホップ・トラック"HEAVY SWING"、ビートダウン・マナーなビート構築にウワネタ・ループがハマる全方位対応型クロスオーヴァー・トラック"JAMS"と、どれも隅々までC&C BANDの細かい拘りが行き届いた全3トラック収録!

5

V.A.

V.A. TTJ EDITS #26 TTJ/FRA / 2009/12/25 »COMMENT GET MUSIC
RICHARD VILLALOBOSが2006年にPLAYHOUSEよりリリースした37分超えの長編大作クラシック"FIZHEUER ZIEHEUER"の元ネタを天才TODD TERJEがリエディット。乾いたパーカッションとフリーキーなフォーン、トランペットが織り成すオリエンタルな世界観を、原曲の雰囲気を壊すことなく相変わらずの抜群のセンスで展開させています。これは何が何でも押さえておきたい!

6

UNKNOWN

UNKNOWN ANGOLA -/FRA / 2010/1/11 »COMMENT GET MUSIC
ヒットを連発する"DAI"シリーズより、またも強力な一枚が到着しました!CARLCRAIGのリミックスが大きな話題を集めたCESARIA EVORAの大名曲"ANGOLA"を大胆使用!今でも耳にするエスニック/アフロの傑作ディープ・ハウスを使用し見事にダンサンブルなトライバル・ハウスに仕上げた傑作トラックです!今回も間違いなく話題となりそうですよ!

7

SETENTA

SETENTA APARIENCIAS HOT CASA/NL / 2010/1/14 »COMMENT GET MUSIC
パリのラテン・ディスコ・ファンク・バンドSETENTAによるクロスオーヴァー・サウンド全開の最高すぎる7inch!ラテン/ブラジリアンなジャズ・ファンク~ディスコ風味の"APARIENCIAS"はギターやエレピ、パーカッションによるトロピカルな味付けいい塩梅な爽快グッド・ナンバー!B面には疾走感溢れるパーカッシヴ・ビート、ラテン~アフロ・ヴォーカルとが爽快感を際立てるラテン・ジャズファンク・ディスコ"SONRISA"を収録でこちらもかなりいい出来です!

8

SCOTT FERGUSON

SCOTT FERGUSON EVOLUTION OF A REVOLUTIONARY EP FERRISPARK/US / 2010/1/11 »COMMENT GET MUSIC
デトロイト近郊ハイランドパークを拠点に、マニアックなディープ・ハウス作品をリリースしてきた人気を集めてきたベテランSCOTT FERGUSONの新作が到着!GIL SCOTT-HERON"THE REVOLUTION WILL NOT BE TELEVISED"のアジテーションを使用し、エモーショナルな漆黒のアーバン・ディープ・ハウスを展開!大推薦ビート・ダウン!

9

SLOW MOTION REPLAY

SLOW MOTION REPLAY THINK BETTER / RAGGED MUSTANG SOUL SOURCE/JPN / 2009/12/15 »COMMENT GET MUSIC
THE CHAMP×"THINK TWICE"とベタに大ネタを組み合わせながらもイナタさや違和感が全くなく逆に洗練されたタイトなグルーヴを織り成す超絶マッシュアップ・ブレイクスに仕上がった"THINK BETTER"!そしてB面にはアフロ・ジャズ傑作"CURTIS AMY/MUSTANG"を下敷きにし、ラグドなビートにグルーヴィなジャズ・アンサンブルで迫るジャジー・ブレイクビーツ"RUGGED MUSTANG"を収録!

10

KEZ YM

KEZ YM BUTTERFLY EP YORE / GER / 2009/12/14 »COMMENT GET MUSIC
KEZ YM新作!!THEOやKDJにも通じるスペイシーなシンセ・コードに黒光りした声ネタを被せたデトロイティッシュ・ディープハウス"BRIDGE TO BRIDGE"やピッチダウン・ハウス・トラック"LOW TIDE"等収録ですが、中でもやっぱりレアグルーヴ感に重点を置いた生な質感が最高すぎるブレイクビーツ・ハウス"BUTTERFLY"がとび抜けてます!!日本人離れしたこの黒い感覚やばいです。

 やっぱいいわ、いい。まったく目新しくはない。変わらないと言えば変わらない。すでに知っている人はよーく知っている、いかにもデリック・メイのミックスなんだけど、あらためて聴いてやっぱいい。とくに最初の入り方がかっこよすぎ。3曲目までのミックスが本当にうまいんだよな~。キックの入れ方とか、わかってるけど、そこで「ぐぃっ」って持っていかれる。少々強引だが、みんなこれにやられるんだ。未来的でエレガントな響きがあって、力強いキックが聴こえる。ハウスの恍惚とファンクの美学、そしてオーガズムへの飽くなき追求が「これでもか!」と言わんばかりに展開される。

 先日僕は青山のCAYでやっている〈ギャラリー〉に踊りに行ったが、DJたちはみんなレコードを使っていた。いまでは貴重だが、そこには疑いようのない人間味がある。デリック・メイのこのミックスも、コンピュータで正確にピッチ合わせをするこのご時世においてはいくぶん荒っぽいが、そこが良いのだ。微妙にずれているところとか、EQとか、いかにも"生"だ。もちろん"生"はクラブで体験するものだが、デリック・メイにとって公式の2枚目のミックスCDなんだから楽しみに待とう。タイトルは『Heart Beat Presents Mixed By Derrick May(TRANSMAT from DETROIT)× Air(DAIKANYAMA TOKYO)』だそうです。(......な、なんなんだ、この長さは!)。

 発売は1月20日予定です!

CHART by Electro-Violence Distribution 2010.01 - ele-king

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1

ROTATOR/JIMMY S/SOMTEK/FEXOMAT...

ROTATOR/JIMMY S/SOMTEK/FEXOMAT... TNI 12 TERROR NOIZE INDUSTRY / スイス / 2009/12/30 »COMMENT GET MUSIC
BREAK CORE IS BACK!と言うか、そのブランドのみが先行し中身まで理解されることなく忘れさられてしまった感のあるブレイクコア。HARDCOREやSPEEDCOREの中の小さな一パートでしかなかったBREAKCOREがIDMやノイズとクロスし、突き抜けて行ったのが大まかな流れ。フォーマットに縛られることなく究極なサウンドを追求する姿勢、アーチストがいる限り終わらない。ハナたらしまくりでデジタラシな音響グラインドFEXOMATがクソ。

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SLYDTEK / MEID / BASIL

SLYDTEK / MEID / BASIL OUANAIGAINE 10 OUANAIGAINE / フランス / 2009/12/23 »COMMENT GET MUSIC
ASTROFONIK傘下でアホアホなマッシュアップ、トボけたネタ使いで人気のOUANAIGAINEレーベル最新作。そのありえないネタ使いも魅力のうちなんだが、特にDJ MEID、最近成長著しいロシアのBASILなどのシーケンスの妙技に注目すると、TRIBEが高度に綿密に仕掛けられたダンスミュージックだということがよくわかる。楽しく、そして深く聴かせる一枚。

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KELTEK

KELTEK WORLDS ENDS (V.I.P.) AMALGAM / イギリス / 2009/12/30 »COMMENT GET MUSIC
TECH ITCH、ELEMENTS OF NOIZE、PANACEA他当時テックステップと呼ばれていたサウンドにルーツを持つダークステップ。UKのメインストリームのドラムンベースと懸け離れて行くことによって、その存在をより際立たせている。テックステップの初期衝動をブレイクコアを通過したスキルでブラッシュアップ、よりダークにメタリックに。SPEEDCOREやFLASHCOREにも通じる攻撃性、破壊力。

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SYTRI-X

SYTRI-X METALIKEA SYTRI-X / フランス / 2009/11/14 »COMMENT GET MUSIC
FREE STYLE LISTENサブのKICK FOR KILLリリースで話題のニューカマー、遂に自身のレーベル、その名もSYTRI-Xをドロップ。トライブの超絶リミックス・スキル、ハードコアでいてファニーなマッシュアップ・サイドをお楽しみください。第一弾とあって気合が入りすぎたのか、メタリKにGバスター、ジョニーBとありえないヤバさで聴かせます。

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SPIRAL TRIBE

SPIRAL TRIBE THIS IS TRANCE NETWORK REPRESS / フランス / »COMMENT GET MUSIC
NETWORK23レーベルの名作や周辺アーチストの激レア未発表曲までをも発掘、紹介するNETWORK REPRESSも早くも23作目。記念すべき今回は'94年FORCE INC.からリリースの4曲入りアルバムTHIS IS TRANCEよりのカット。お宝アイテムが最高の音質で聴けます。

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TLB / SPARKS / VIKO / PARANOIAK 12

TLB / SPARKS / VIKO / PARANOIAK 12" ARCHITEK 19 ARCHITEK フランス / 2009/12/23 »COMMENT GET MUSIC
フリースタイルリッスンのショーケース的サブレーベル、ARCHITEK最新作!トップのTLBから、VOKO@LABO14、ニューカマーPARANOIAK、ラガものからシンセでハメまくりのハードコアトランス、キック命のハードダンスまで、一気に聴かせます、使えます!今からTRIBE聴かれる方は、この辺からいかが?

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KEJA / KAN10 / OZYSTIK 12

KEJA / KAN10 / OZYSTIK 12" 3672 1 07 3672 1 / FRANCE / 2009/12/30 »COMMENT GET MUSIC
エレクトロ(ハウス)とは対極に位置する仏アングラTRIBE/HARDTEKのシーンにあっても異色な存在のMACKITEK。時にブレイクコアやスピードコアさえも凌駕するテクノパンクスとも呼ばれるその過激さ、カオス。そんな彼らがSPIRAL TRIBE他先達に敬意を表し、ダンスミュージックとしてのTEKNOを突きつめるべく立ち上げたサブレーベル最新作。変態テクノとういうありきたりな表現では、到底語りつくせないOZYSTIKの変則、倍速トラックに絶句。

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LA FOUDRE

LA FOUDRE LE CHAOS ORDINAIRE NO-TEK / FRANCE / 2009/11/14 »COMMENT GET MUSIC
10数年前ここ日本でも一部の好きものから絶賛されていた元祖EXPERIMENTALハードコアテクノ・レーベルEXPLORE TOIの残党がしれーっと復活です。SPEEDCOREをよくわからない方もいるかもしれませんがガバ臭い方ではなくノイズアヴァンギャルドでハナタラシまくりのアレです。以前のそれとの違いを強調する意味で本人らはTRIPCOREやFLASHCOREとのキャッチを使っておりますが、言いえて妙、聴けば納得です。極悪ハードコアギャルMOUSEの大名曲のリミックスもなぜか収録の限定300枚。

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BIOCHIP C.

BIOCHIP C. ANTIMATTER EP OFF BITS / FRANCE / 2009/11/14 »COMMENT GET MUSIC
アシッドと言えばフランスです。ご存じない方も多いかもですが、DJ ESPの名曲、未発曲のみを発掘リリースするレーベルがあったりと、かなりマニアック。今回紹介するのはハードコアPSYCHIK GENOCIDEを擁するAUDIO GENICによるACID専門レーベル、OFF BITS最新作。ハードコア(テクノ)大御所THE SPEED FREAKことバイオチップCがフレンチコアのグルーヴ感や攻撃性を損なうことなく、暴れまくってます。

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AARON SPECTRE

AARON SPECTRE AMEN,PUNK EP OMEKO / JAPAN / 2009/12/10 »COMMENT GET MUSIC
2005年リリース。全世界のブレイクコアチャート一位を獲得した傑作中の傑作。仏PEACEOFFレーベルオーナーのフランク(ROTATOR)も来店時にどっさり買い付けていきました。今やオークションでも高値のレア作。デッドストック数枚のみ。

vol.2:ポップ・アップ・ショップ~NYE - ele-king

 12月後半からニューヨークはとても寒くなり、大雪、ブリザードの日もあった。それでもホリデーなので気分はそわそわしがち......そんな最近のニューヨークでよく話題になるのがポップ・アップ・ショップだ。




インサウンド・デザイン・ストア(ポップ・アップ・ショップ)

  不況のせいか、最近は街に空きスペースを見かけるようになった。ポップ・アップ・ショップとは、期間限定でそのスペースを利用する方法で、洋服屋は在庫を裁くためにサンプル・セールをしたり、ホリデー向けのイヴェント会場になったりする。道を歩いていると、こんな場所にこんなに面白そうなお店が......というような場面によくあたる。私が長年(といっても5年ぐらいだけれど)このシーズンになると、通っているのが、Wired store。ホリデー・シーズンになると、ポップ・アップ・ショップとして登場する。最新の電子機器を体験できたり、ギフトに最適なグッズを売っていたり、音楽を聴けたり......とにかくここはいるだけで楽しめる、カッティングエッジでテクノロジー・デザインなスペースだ。ノリータ、ソーホーなど、年によっていつもヒップな場所に出現する。今年は、ミート・パッキング。

  インディ系オン・ラインショップとして知られるイン・サウンドも、ホリデーの期間だけギャラリー・スペースをポップ・アップ・ショップとしてオープンする。売られている物は普通のレコードではない。シルク・スクリーンのポスター、ポータプル・プレイヤー、Tシャツ等々、ギフトよりの物ばかりだ。サイトを見ても最近はCDやレコードよりもグッズに力を入れているような気がする。音楽はダウンロードだからだろうか。

  さらに興味深かったのが『ナイロン・マガジン』、『バースト』、『Lマガジン』、『フレーバー・ピル』等々のメディアや音楽関連のショー・ペーパーがオーガナイズした〈スコア! イズ・ア・ポップ・アップ・スワップ〉と言うイヴェントだ。ブルックリンのサード・ワードという場所で開催されたこれは、洋服、音楽、アート関連品、本、DVD、メディア、家庭用品、家に眠っている要らない物を持ちより寄付することで成立する。会場に入ると、そこにあるものは何でも持っていってOK。洋服のコーナーはまるで戦場のように、新しい物が来るとすぐさまなくなる。フリーだと欲張っていろんな物を手に入れようとしがちだけれど、人が要らないと思うものは、やっぱり要らない。こうすると、本当に必要な物が見えてくる。自分たちがいかに要らない物をたくさん持っているかを思い知らされるというわけだ。今の世のなか、無い物は無いというほどモノに溢れている。エコだエコだと騒ぐ前に、まずは自分の身の回りをシンプルにすることから2010年ははじめようと思う。

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 それではNYE、代表的なイヴェントを以下に挙げてみる。
  パティ・スミス& ハー・バンド@ バワリー・ボールルーム
  ディスコ・ビスケッツ @ ノキア・シアター
  MSTRKRFT (3 am set)@ ウエブスター・ホール
  フィッシャー・スプーナー @ フィルモア・ニューヨーク・アット・アー・ヴィング・プラザ
  デトロイト・コブラ @ マーキュリー・ラウンジ
  アンティバラス @ ニッティング・ファクトリー
  パッション・ピット (DJ set)@ ピアノス
  スクリーミング・フィメールズ、トーク・ノーマル、フランキー・アンド・ジ・アウツ、CSCファンク・バンド @ ケーキ・ショップ
  ティーム・ロベスピア @ ブルアー・フォールズ
  エクセプター @ モンキー・タウン
  ゴールデン・トライアングル @ グラスランズ


〈ケーキ・ショップ〉での物販物

トーク・ノーマル

スクリーミング・フィメールズ

 モンキー・タウンがクローズするので気になるところだが、今回は、わざわざ橋を越えて〈ケーキ・ショップ〉に行く。目的は、トーク・ノーマル、スクリーミング・フィメールズ、フランキー・アンド・ジ・アウツ、CSCファンク・バンド。ちなみに、フランキーは元ヴィヴィアン・ガールズ、クリスタル・スティルズ、現ダム・ダム・ガールズのドラマーで、CSC・ファンク・バンドは、元USA・イズ・ア・モンスターのメンバーのバンドだ。カウントダウンはスクリーミング・フィメールズ。

  トーク・ノーマルは、ブルックリンのバンド(女の子2人)で、2009年にファースト・アルバムを発表して、ソニック・ユースやティーン・エイジ・ジーザス・アンド・ザ・ジャークス、ライトニング・ボルトなどとも共演をしている。ダークで、ヘヴィーなギターリフと、変則なドラムビートと女の子ヴォーカルのノスタルジックなスクリーミングを特徴としている。ゴースト・パンクとでも形容しようか......。

  スクリーミング・フィメールズはスリーター・キニーとピクシーズを足して2で割ったような感じ。ニュージャージーはニュー・ブルンスウィック出身で、自分たちで300もののショーをブッキングし、去年はデッド・ウエザーやダイナソーJr、アークティック・モンキーズのオープニングも務めた。それでカウントダウン――彼らは11時55分過ぎに登場し、「ニューイヤー? 誰が気にするの?」といいながら、さっさと演奏をはじめてしまった。おいおい......なので、0時になったときは、演奏の真っ最中だった。1曲目が終わって時計を見たら12:02amだった。なんともあっけない2010年の幕開け......。でもこの10年を表すのには、こんなラフな感じが合っているのかも。

  いろんな場所でのカウントダウンの様子を聞いた。ニューヨークといえばタイムズスクエアだが、何でも30日に爆弾騒ぎがあったらしく、バックパックを持っている人は誰も入れなかったとか。結局何もなかったのだけど。

  そんな訳で、2010年無事にあけ、今日も動いている。何が起こるか、わくわくしながら、リアルなミュージックシーンをお伝えできていれば嬉しい。

七尾旅人 presents 百人組手 vol.2 - ele-king

 5時からやけのはらのDJがあると聞いていたので間に合わせようと思っていたのだけれど、その日の正午に子供にアクシデントがあって病院に4時間もいることに......、で、結局リキッドルームに到着したのは6時だった。

 来てみると会場は長蛇の列で、いままさに入場中といったところ。ありゃ、やけのはらのDJは? ま、いいか。まず驚いたのは人の多さ。年末のゆらゆら帝国も満員だったけれど、七尾旅人の「百人組手」も大盛況。1000人近くはいたはずだ。より多くの人が彼の歌に耳を傾けようとしているようだ。

 というわけで、まずはカメラマンの小原泰広を携帯で呼んで、ビールで乾杯した。しばらく談笑していると「もうはじまっているみたい」と小原が言うので、行ってみたら鶴見済がステージで喋っていた。彼は......資本主義と環境問題についての詩を朗読して、七尾がそこに効果音をかぶせていた。誓って言うけれど、僕は彼の表現活動に共感を寄せているひとりだと自負するが、その晩の彼は、反抗者でも扇動家でもなく、全校生徒を前に環境問題についての作文コンクールの最優秀作品を読み上げる優等生のようだった。朗読が終わったあと場内からは拍手が起きたから、僕の汚れた魂がいけないのだろう。だいたいこの日の出演においてもっともリスキーだったのは鶴見済だ。そう考えれば、リキッドルームで、ある意味ではジョー・ストラマーのように、子供にも理解できるように左翼思想を説こうとする彼に文句を言うべきではないのかもしれない。そもそもあの詩を望んでいたのは他ならぬ七尾旅人。それでも僕は小言を言ってしまった。それも本人に直接......、寛容さを欠いてかもしれないけれど、資本主義の真っ直中で生きながら、日々必死でカネを稼ぎ必死でカネを使っている人間からすると、あの手の純真な言葉(「生産」も「消費」も「もうたくさんだ」「もうたくさんだ」「もう......」等々)にはいたたまれなさを感じてしまう(以下、ザ・ストリーツの"ザ・ウェイ・オブ・ザ・ドー・ドー"の歌詞を参照)。

 さて、それでDJバク。山っ気あふれるヒップホップDJの登場だ。彼の切れの良いスクラッチを聴きながらもう一杯......ということで僕はバーでビールを飲むことにした。すると向こうから、いかにも柄の悪そうな五十嵐慎太郎がやって来る。一色こうきと会うのも久しぶりだったし、桑田晋吾も来たので、リキッドルームの2Fで新年会がはじまった。いつの間にかROVOの演奏もはじまり、そして終わりそうだった。いかん、いかん、このままではいかん。下に行くよ。僕は五十嵐と桑田にそう言い残して、ひとりで超満員のフロアのなかに突入した。

 けっこう酔っていたので途中からしか覚えていない。たしか豊田道倫が「おまんこちゃん~!」とエモーショナルに歌っていて、しばらくすると後藤まりこが出てくるあたりだったと思う。七尾旅人は彼の十八番、華原朋美の"アイム・プラウド"のカヴァーを歌った。続いて後藤まりこが歌い、七尾が合いの手を入れた。それは世俗的な、女性の想いの込められたありきたりのラヴ・ソングだったけれど、なにかそのあけすけな感覚が、その晩はとても愛おしく思えた。それが聖と俗を往復する七尾旅人の音楽の、優秀な翻訳だったからなのだろうか。とにかく僕は、豊田道倫の愛欲と、それから自分のことを"僕"と呼ぶ女性シンガーの歌う愛欲に感心しながら、なにか救われた気分を味わった。愛(love)ではなく愛欲(lust)、まさにLust for Life。

 そこから最後までは、七尾旅人の世界を楽しんだ。彼が「目を閉じて」と言えば目を閉じたし、「草原にいる自分を想像して」と言えば想像した。僕はこのハーメルンの笛吹き男の言いなりとなって、音楽とともに夢を見た。ルイ・アームストロングの高貴な魂を想いながら、"素晴らしき世界"を感じた。ライヴの最後には"Rollin' Rollin'"が待っていた。やけのはらも登場した。僕はこの予定調和を堪能した。ようやく踊ることができたから。

 終わってみれば良いライヴだったと思う。桑田は興奮気味に「やっぱ七尾は最高ですわ!」と呻いていた。僕も異論はない。が、10日前に同じ場所で体験した中原昌也~ゆらゆら帝国のライヴのような、濃密な緊張感はなかった。ああいう緊張感を回避しているようでもあった。和んでいたし、相変わらずの長丁場だった。そしてこの晩のライヴは、おそらく多くの人に考える契機を与えたかもしれない。七尾旅人らしいと言えば"らしい"。聖と俗、政治とアート、言霊と音楽......それらの温かみのある混合。アルバムは3月に出るらしい。

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