「ANS」と一致するもの

Seiho最新作は〈リーヴィング〉から! - ele-king

 年明けには、これまで大阪を拠点に自身が主催してきたパーティー「apostrophy」を東京で成功させ、その強烈なヴィジュアルやコンセプトからも新しいフェイズを予感させるプロデューサー、Seiho。かねて国内にとどまる存在ではなかったが、この程、最新アルバムをマシューデイヴィッドの〈リーヴィング(Leaving)〉からリリースすることが発表された。ワールド・ワイド・デビューとして注目され記憶されるはずのそのタイトルは『Collapse』。ともにSeihoが提示する「コラプス」を見届けよう。先行シングル「Peach And Pomegranate」も公開されている。

魅惑的なリズムが互いに絡み合いながら弾け、
時にまごつきながら光輝くサイリウム液に溶けてゆく。
春の息吹を感じる。 - Pitchfork

テン年代を代表するアンセム「I Feel Rave」発表以降、電子音楽~ダンス・ミュージックの領域を超えて破竹の勢いで活動を続けるビートメイカー/プロデューサー、Seiho。
フライング・ロータス主宰<BRAINFEEDER>にも所属する盟友マシューデイヴィッドのレーベル<LEAVING RECORDS>より、3年ぶりとなるオリジナル・アルバム『Collapse』がワールドワイド・リリースに先駆けて5/18に国内先行リリースされることが決定した。

アルバムより先行シングル「Peach and Pomegranate」が絶賛公開中!!
https://soundcloud.com/leavingrecords/seiho-peach-and-pomegranate

アルバムのリリースに先駆けてSeihoは、3月にSXSWやLOW END THEORYを含むUSツアーを敢行。“Collapse=崩壊”と意味深なタイトルを冠した本作は、すでに国内外のライブで披露され、音源化が熱望されてきたトラックの数々を含む全10曲を収録。さらに国内盤CDにはライナーノーツが封入され、ボーナス・トラックとして未発表の新曲「Ballet No.6」が追加収録される。また、iTunesでアルバムを予約すると、公開中の「Peach and Pomegranate」がいちはやくダウンロードできる。

artist: Seiho
title: Collapse

レーベル: BEAT RECORDS / LEAVING RECORDS
品番: BRC-509 価格: 2,200円+税
フォーマット: 日本盤CD(ライナーノーツ封入/ボーナス・トラック追加収録)

2016.05.18(水)発売

TRACKLISTING:
1. COLLAPSE (Demoware)
2. Plastic
3. Edible Chrysanthemum
4. Deep House
5. Exhibition
6. The Dish
7. Rubber
8. Peach and Pomegranate
9. The Vase
10. DO NOT LEAVE WET
11. Ballet No.6 (Bonus track only for Japan)

■Seiho
アシッドジャズが鳴りまくっていた大阪の寿司屋の長男にして、2013年、中田ヤスタカらと並びMTV注目のプロデューサー7人に選出され、SonarSound Tokyoに国内アーティストとしては初の2年連続出演(2012/2013年)を果たす。他にもMount Kimbie、2 Many DJ’s、Capital Cities、Disclosure、Flying Lotusらの日本ツアー・オープニングまたは共演、そして同郷Avec AvecとのポップデュオSugar’s Campaignでも注目度↑↑↑のビートメイカー兼DJ兼プロデューサー。自身が主催するレーベル<Day Tripper Records>より1stアルバム『Mercury』(2012)、2ndアルバム『Abstraktsex』(2013)をリリース。2014年2月にはブルックリン拠点Obey City(LuckyMe)とのスプリットEP『Shochu Sounds』を〈Perfect Touch〉よりリリースしている。またLes Sins(Toro Y Moi)、YUKI、矢野顕子、Ryan Hemsworth、LoFiFNK、東京女子流、パスピエ、さらうんど、KLOOZ、三浦大知などをはじめとする他アーティストへのプロデュースやリミックス・ワークほか、CM音楽やTV番組のサウンド・プロデュースなども多く手掛けている。2016年3月にUSツアー(SXSWやLOW END THEORY含む)、5月に米レーベル<LEAVING RECORDS>より約3年ぶりとなる最新アルバムをリリースする。

U.S. Tour Dates:
3/15 SAN FRANSICO Qrion, Seiho, iglooghost @ DNA Lounge
3/18 SXSW @ The Container Bar
3/19 SXSW @ Empire Control Room and Garage
3/20 Atlanta @ The Sound Table
3/22 NYC Seiho w/ Maxo, the Hair Kid @ Black Bear Bar
3/23 LOW END THEORY, LA  w/Traxman and Jlin
3/24 SEATTLE SOPHIE w/ Seiho and DJ Warlokk @ The Crocodile


高岡謙太郎(ライター) - ele-king

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KiliKiliVilla - ele-king

 いま日本で猛烈な勢いで新作をリリースしている元気いっぱいのインディ・ロックのレーベル、〈キリキリヴィラ〉からマヒトゥー・ザ・ピーポー率いるGEZANの写真集が刊行されました!
 2015年の夏、アメリカのバンド、MEAN JEANSとTHE GUAYSとGEZANによる13日間の公演ツアーの模様をドキュメントしたもので、撮影は新進気鋭のカメラウーマン、池野詩織さん。バンドに密着しながらでなければ撮れない写真ばかりで、ライヴハウスをかけめぐるロック・バンドの非日常的な激しさと日常的なセンチメントが交錯する。ロックの生々しい現場の断片からは、何とも言えないエモーションが立ち上がる。こういうリアリティって、ネットや雑誌では、なかなかお目にかかれない。手作りのジンだからこそ伝わるものだ。
 限定500部なので、お早めに!

池野詩織
『BUBBLE BLUE』
kilikilivilla
https://kilikilivilla.com/

HIROSHI WATANABE『MULTIVERSE』 - ele-king

 〈トランスマット〉からのリリースを控え、ヒロシ・ワタナベが今週末から日本全国ツアーを開始する。無茶苦茶気合いが入っていると思われるので、この機会にぜひ彼のDJを体験して欲しい。〈コンパクト〉のKaitoだけが彼のスタイルではない。彼の新作のように、エモーショナルなところも彼の魅力のひとつであり、その音楽は、きっとあなたを悪夢から覚ましてくれるでしょう。
 なお、アルバムも4月20日に発売が決定しました。

Transmat - ele-king

 DJだから喋るのは音楽ですとか、自分は音楽やってるだけだから社会については話さないとか、そういうのって、デリック・メイにはぜんぜん通用しない。というか、インストの音楽をやっていても、言葉はぜんぜんあります!
 国際的なDJは、世界中の都市(地方都市)のナイトライフを通してその街々の地政学を読む。彼らは経済破綻前のアテネを知っているし、北京もロンドンも知っている。オリンピックはワールドカップとは別モノなんだ。それはいろんな悪いモノを呼び込んで街を破壊していく。気をつけろ──これが最近ele-king編集部が入手した、テクノの歴史のターニング・ポイントとなったDJからの警告だ。
 もうふたつ入手したニュースがある。すでにご存じの方も少なくないだろう、デトロイトの〈Transmat〉が今年でレーベル設立30周年を迎える。1986年、最初はホアン・アトキンスの〈Metroplex〉のサブレーベルとしてはじまった同レーベルは、1987年から1990年の4年間、おおよそすべてのリリースにおいて強烈なインパクトを与えている。リズム・イズ・リズム(デリック・メイ)の全作品をはじめ、サバーバン・ナイトやオクタヴ・ワン、カール・クレイグ、近年とくにリヴァイヴァル・ヒットしているジョイ・ベルトラムの「エナジー・フラッシュ」点。
 しかしながら、デリック・メイのプロデューサー稼業の休止にともなって、レーベルとしてはほとんど機能していないというのが、〈Transmat〉に対する一般的な認識だろう。
 ところが、あらためてDiscogsを見てみると、サブレーベルの〈Fragile〉からのリリースも合わせれば、意外なほどコツコツとリリースしていることが確認できる。さらにまた2000年代に入っても、カナダのGreg GowだとかフランスのKarim Sahraouiだとか、リリースを絶やさず、レーベルとして動いていることがわかるだろう。送られてくるデモテープにはつねにチェックしているし、有名無名、前評判、国籍、年齢などは問わず、自分が気に入ったものは出すという姿勢はまったく変わっていない。
 それで30周年を迎える2016年には、4枚の新作のリリースが控えているそうで、そのなかの1枚に、なんと日本人プロデューサーのヒロシ・ワタナベの作品が含まれることがわかった。
 ヒロシ・ワタナベといえば、かつてはKaito名義で、ドイツの〈Kompact〉からの作品で広く知られるが、たしかに彼の曲は以前からデリック・メイのDJセットに組まれている。なんにせよ、デリック・メイは、セールスであるとか、流行とか、仲の良さなどでリリースを決める男ではない。ダンスフロアでの経験=つまりどれだけ受けたかにも決定されないと言っている。ゆえに、ヒロシ・ワタナベの作品のリリースは本当に楽しみだ。
 さて、最後に3つ目のニュースだ。昨年末のAIRのクロージング・パーティに出演したデリック・メイだが、なんでもプレイ中にミキサーのフェーダーのツマミをへし折ってしまったそうだ。そんなことやるなんて、どこのレスラーだと思われるかもしれないけれど、あの人のスタイルは、フロアのダンサー以上に汗をかいて身体を激しく動かすものなので、いたしかたあるまい。
 今年53歳。やってること、なんも変わってねーじゃねーかという意見もあるが、これこそファンキーってものだろう。いま日本に足りないのはデリック・メイなのだ! そして、ヒロシ・ワタナベにも注目なのだ!



HIROSHI WATANABE
MULTIVERSE EP

2月12日発売予定
(アルバム『MULTIVERSE』は4月20日発売予定)

Double Clapperz - ele-king

January 10 Tracks.

KANYE WEST × KENDRICK LAMER - ele-king

 カニエ・ウェストがサウンドクラウド・ページに、ケンドリック・ラマーとの初コラボレーション曲、“NO MORE PARTIES IN L.A.”を公開した。英紙『ガーディアン』によれば、サンプリングの元ネタは、ジュニー・モリソンの“Suzie Thundertussy”。また同紙には、曲中のケンドリック・ラマーが歌うリリックが抜粋されている。

“Liquor pouring and niggas swarming your section with erection / Smoke in every direction, middle finger pedestrians / R&B singers and lesbians, rappers and managers / Music and iPhone cameras.”
KANYE WEST×KENDRICK LAMER – “NO MORE PARTIES IN L.A.”

 なお、カニエ・ウエストは2月11日にニュー・アルバム『Swish』のリリースを控えている。



 擬装チェンバー・ポップの傑作『Ansiktet』(Inpartmaint)以後、ピアノ・カルテットを結成し、このところ弦楽曲に注力してきた渡邊琢磨(akaコンボピアノ)が、本媒体でも何度かとりあげた気鋭の映像作家、牧野貴とタッグを組み、「Origin Of The Dream(夢の起源)」と題した音と映像によるステージを渋谷WWWで初演する。具体的なイメージを重層化し、縦横無尽に運動させる牧野の映像と、古今東西の弦楽曲の批評的乗り越えを目する渡邊琢磨のスコアにもとづく13台の弦楽器の52本のストリングスが織りなすドラマの交錯は、逃れることのできないほど官能的な、夢の起源(Origin Of The Dreams)を思わせる舞台になることうけあいです!


写真:Yasuhiro Koyama


写真:Ryo MItamura

渡邊琢磨 × 牧野貴 Live Concert
'Origin Of The Dreams'

2016年3月17日(木) 
渋谷WWW
開場20:00/開演20:30
 
映像:牧野貴
音楽:渡邊琢磨

Piano,Conduct : 渡邊琢磨
1st Violin : 梶谷裕子、大嶋世菜、高橋暁
2nd Violin : 須原杏、帆足彩、波多野敦子
Viola : 中島久美、中山綾、河村泉
Cello : 徳澤青弦、橋本歩
Double Bass : 鈴木正人、千葉広樹
 
料金:3,300円(全席自由/ドリンク代別)
会場:渋谷WWW
住所:東京都渋谷区宇田川町13-17 ライズビル地下
アクセス:https://www-shibuya.jp/access/
お問い合わせ:WWW 03-5458-7685
チケット購入ページURL(パソコン/スマートフォン/携帯共通)
https://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002179310P0030001

牧野貴(映画作家)
2001年日大芸術学部映画学科撮影・現像コース卒業後、単独で渡英、ブラザーズ・クエイに師事する。2002年よりテレシネ・カラーリストとして多くの劇映画、ミュージックビデオ、CF、アーカイブの色彩調整を担当する傍ら、2004年より単独上映会を開始する。フィルム、ヴィデオを駆使した、実験的要素の極めて高い、濃密な抽象性を持ちながらも、鑑賞者に物語を感じさせる有機的な映画を制作している。また、ジム・オルーク、ローレンス・イングリッシュ、コリーン、マシネファブリーク、大友良英、山本精一、渡邊琢磨、カール・ストーン、タラ・ジェイン・オニール、イ・オッキョン等の前衛音楽家と共同作業においても、世界的に高い評価を獲得している。2009年には上映組織「+」プラスを立ち上げ、今まで日本に紹介される事の無かった映画作品を多数上映している。2011年よりエクスパンデッドシネマプロジェクトを開始、ヨーロッパ、北米、南米、オーストラリア、アジア等数多くの国際映画祭で受賞、上映多数。作品の発表は主に映画祭、映像芸術祭、音楽祭などの他、映画館、美術館やギャラリー、ライブハウスでも行い、その活躍の場は増幅を続けている。現代日本実験映像界を率先する作家である。https://makinotakashi.net/

渡邊琢磨(作曲、ピアノ)
97年、米バークリー音楽大学で作曲を学ぶ。帰国後、「COMBOPIANO」名義で活動を開始。2000年、NYに渡り鬼才プロデューサー、キップ・ハンラハンとの共同制作でアルバムを次々とリリースし注目を集める(英、音楽専門誌「WIRE」などに取上げられる)以降、国内外のアーティストと多岐に渡り音楽制作活動を行う。2004年、内田也哉子、鈴木正人(little Creatures)と、「sighboat」を結成(サマーソニック'10出演ほか)。2007年、デヴィッド・シルヴィアンのワールドツアー18カ国30公演にピアニストとして参加。2008年、内橋和久(gt)、千住宗臣(ds)とCOMBOPIANOをバンドとして再編(フジロックフェスティバル'09出演ほか)2014年、本人名義としては6年ぶりとなるアルバム『Ansiktet』をリリース。同年、本人主宰による室内楽アンサンブル「Piano Quintet」を結成(アラバキロックフェスティバル'15出演ほか)映画音楽、CM、舞台等、多岐に渡り楽曲制作・提供する。https://www.takumawatanabe.com/


 

2014年に公開されたイギリス映画『パレードへようこそ』(日本での公開は2015年)。その主人公であるLesbians and Gays Support the Miners(LGSM)の活動を紹介する写真展が開催される。撮影はフォトグラファーの横山純によって行われた。横山氏は2014年8月から一年間イギリスに滞在し、現地の抗議運動やグライムアーティストを撮影。その写真はイギリスの音楽媒体『FACT』の年間ベストフォトにも選出された。写真展は2016年1月13日から25日にかけて、大阪のコミュニティースペースdistaで開催される。

以下、開催中の写真展の様子。

日程:
2016年1月13日〜25日
17:00〜22:30
火曜日休

会場:
コミュニティースペースdista
大阪市北区堂山町17-5 巽ビル4F
https://www.dista.be/access/

入場無料

1980年代のイギリスで生まれたLGSMは、2014年のイギリス映画『パレードへようこそ』公開後、にわかにLGBT(性的マイノリティ)コミュニティやアクティビストの世界を越えて「LGBTのヒーロー」の一つとして数えられるようになりました。

サッチャー政権はストライキを行う炭鉱労働者に対して弾圧を行い、労働者の生活は逼迫していきました。ロンドンで活動するLGBTの活動家たちは「かれらはおれたちと同じようにサッチャーにいじめられている。なにかできることはないか?」と、自分たちが置かれている状況に炭鉱労働者の姿を重ねあわせ、労働者や組合をサポートするために「Lesbians and Gays Support the Miners」というグループを作り、活動を始めました。地道なLGSMの活動は徐々に炭鉱の街の人たちの信頼を得て理解者を増やし、音楽やダンスで絆を深め、最終的にその運動はイギリス全土を巻き込んだ民衆の運動になりました。

それから30年が経った今もLGSMのメンバーたちは今年のロンドンプライドパレードで、警察や保守層から弾圧や妨害を受けていたソウルクイアパレードへの連帯を表明しただけではなく、イギリス中のプライドパレードや労働者たちのお祭りなどでバナーを持って行進しました。イスタンブールのプライドパレードにおける弾圧に対するトルコ大使館前の抗議でも、東ロンドンにおける公営団地からの住民立ち退きに抗議するデモでも、LGSMのバナーとメンバーたちを見つけることが出来ました。

LGSMは今でも「誰かのために立ち上がる」ことを忘れず、古びれることなく、変わりゆく社会環境の中で、闘争の最前線に立ち続けています。
虹のもとで、連帯こそ力であると信じて。
その、かれらの姿を見に来て下さい。


Wolf Eyes - ele-king

 ネイト・ヤング、ジョン・オルソンにギタリストのジェイムス・バルジョーが加わり、3ピース編成の新生ウルフ・アイズとして発表した2013年の『ノー・アンサー/ローワー・フローア』に続く本作はなんとホワイト・ストライプスのジャック・ホワイトのレーベル、〈サードマン(Third Man Records)〉から。

 〈アメリカン・テープス(American Tapes)〉や〈ハンソン・レコーズ(Hanson Records)〉などのミシガン・ノイズ・(ノット・)ミュージック・シーンにおいて、つねにアイコン的存在でありつづけるウルフ・アイズ。アーロン・ディロウェイ、マイク・コネリー、ネイト・ヤングにジョン・オルソン、彼らがアメリカン・ノイズの歴史と言っても過言ではない。カタログ・ナンバーは999番で止まっているが、総リリース数は余裕で1000を超える──ディスコグスで見たら998番が11枚もある!──〈アメリカン・テープス〉を主宰するジョン・オルソンが近年声高に唱える「ノイズは死んだ。われわれはトリップメタルである」とはいったいどういうこっちゃ?

 90年代初頭に田野幸治氏のMSBRに触発され音楽活動とレーベルを開始したオルソンにとって、それらは単なるDIYに根ざした方法論でしかなかった。それは身の回りのガラクタで積み上げる壮大な実験であり、80年代のヨーロッパやフロリダのデスメタル等で盛んに行われたテープ・トレーディングのカルチャーと同様だ。しかしDIYゆえに生まれるミステリーとロマンがそこにはあった。多くの人間はたしかにそれらを「ノイズ」と捉えるかもしれないが、それらは極度に抽象化したロックであったり、フォークであったり、テクノであったり、音楽そのものであったのだろう。
 「誰でも作れるけども唯一の音楽、誰でも作れるが唯一の形。それはコミュニケーション・ツールだ」。ジャック・ホワイトもそういったカルチャーに熱心なファンの一人であり、今回のリリースに繋がったようだ。

 前作の『ノー・アンサー〜』から完全にジャムを止めてソングを奏でるようになったウルフ・アイズ。ネイトとオルソンによる超抽象ブルース・ユニットであるステア・ケース(Stare Case)にジェイムズが加わるような形でいまのウルフ・アイズは成り立っている。ジェイムズのリフを中心としたソング・ライティングの展開、またネイトとオルソンいわく、もはやドラッグや酒でハイになってジャムる年齢ではないことから、自然とコンポジションとメロディが際立つ本作は、なによりもミシガンや中西部のロックを強く感じさせる。オウサム・カラーからネガティヴ・アプローチ、果てはMC5からストゥージスまで……。

 オルソンが自称するトリップ・メタルには正確な定義はない。それは単に彼の美意識に共鳴するものであれば何でもいいわけである。それは過去数年間で多くのノイジシシャンがなんちゃってテクノをプレイすることへの皮肉とも捉えられるし、メディアとツールの発達から生じる現在のアマチュアリズムが、彼がこれまで愛してきた「誰でも作れるけども唯一の音楽、誰でも作れるが唯一の形というコミュニケーション・ツール」という「ノイズ」を殺したということかもしれない。アンダー・グラウンドDIYカルチャーに社会性を与えることはけっして悪いことではないし、ネットを通じて自分の自分による自分のための超一方通行の作品発表を行うことこそ今日的な方法論であることはわかっている。しかし僕はこのアルバムを聴きながらウルフ・アイズがこれまで築いてきた膨大なアナクロの山に思いを馳せている。

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