「W K」と一致するもの

YAMADAtheGIANT (STTH / Mesopelagic) - ele-king

Chart


1
Sai - Flash Back - Pan Records

2
Warren Suicide - Moving Close (Apparat Remix) - Shitkatapult

3
Private Taste - First - Automatic

4
Hartmut Kiss - Water Games (Eelke Klejin Remix) - Definition

5
Dapayk & Padberg - Fluffy Cloud - Stil Vor Talent

6
Kresy - Lords of Percussion - HVN011

7
Jerome Moussion - Artman - Resyonator

8
ITSNOTOVER - Late at Night - Itsnotover

9
Roland Klinkenberg - Down South - Dieb Audio

10
Fumikazu kobayashi - Drink Psychedelic Session - Groove Life Records

1982年 東京生まれ DJ . Producer
ターンテーブル・サンプラー・シンセサイザー・エフェクター・ミキサー・マイクをこよなく愛し、それらを駆使して日常を即興的にドラマティックなSOUNDに創り上げていき、聴くものを不思議と暖かく包み込む。
スペースの入り口 イメージの裏返し スパイスの使い所 バランスの心地よさ オリジナルを純粋に追求する音楽家。又、その音楽への柔軟な姿勢から、様々な音楽家とのコラボレーションを得意とする。最近ではLOVE ME TENDERのサックスのACKKYやOPSBのギターのPONCHIとフルートのYOSHIHARU YOSHIDA等とLIVEや楽曲を製作中。
2009年12月にMary Joy RecordingsからリリースされたMEISOの1st Album『夜の盗賊』に『1994』をCHELOOKとして提供。
2010年にLIONZ OF ZIONのMUZONOとのユニットCHELOOKとして1st ALBUM『SHIFT』をHOLE AND HOLLANDからリリース。
DJとしてはBONOBO「CHILL "EM ALL」をYO.ANと主催、KOARA「ROMEO」、SECOBAR「SUPER X」のRESIDENT DJ, LIVEで活動。AGEHA、DOMMUNEや地方からメディア、大箱小箱まで型にはまらない安定したプレイで注目を集めている。
2011年HOLE AND HOLLANDから発売された記憶にも新しい V.A『RIDE MUSIC』の収録曲「ALL SET TO GO」のALTZ REMIXと自身によるREMIXを12インチでリリース決定!!!!!

https://www.hole-and-holland.com
https://soundcloud.com/fushiming

schedule
5/14 スケボー音楽クラブ@DOMMUNE
6/2 BUENA SUERTE Anniversary! @ AGEHA

RIDE MUSIC EP Release Tour↓
6/8 SUPER X@渋谷SECOBAR
6/16 SUPER X@仙台PANGAEA
6/29 SUPER X @ 神戸TROOP CAFE
6/30 THIRD CULTURE @ 静岡EIGHT & TEN
7/14 @西麻布新世界

最近、使用頻度の多い12インチをジャンルレスでチョイス。


1
Alexander Robotnick - Dance Boy Dance - Yellow

2
Tito Puento - Oye Como Va (Bongo Mix) - Mr Bongo

3
Slope - Your Time Is Up - Sonar Kollektiv

4
Ras - Do You Dance (Dixless Main Vinyl Mix) - Sonar Kollektiv

5
Kimiko Kasai - Ww Can Fall In Love - CBS/SONY Inc

6
Teaspoon & The Waves - Friday Night Special - Sofrito

7
Dave Angel - Philly Bluntz - Island

8
ALTZ - Altz Heavy Edit Version Ep - HOLE AND HOLLAND

9
The Braxtons - The Boss(Masters At Work Dub) - Atlantic

10
Kitty Winter - Feel It - Spinning Wheel

DUBBY - ele-king

Chart


1
VSP Projekt - S.T. - Melodia

2
Per Tjernberg - They Call Me - Rub-A-Dub Records

3
Chateau - Breakers - Private

4
Degas, Weiser, Rodach - Xlame - veraBra Records

5
 Rumuncho Matta - Ecoute... - Cryonic Inc.

6
Joan Bibiloni - Vieja en el Tiempo

7
Katamaran - Cafe Florian - Plane

8
Pat Metheny - Secret Story - Geffin

9
Gasper Lawal - Abiosunni - Hot Records

10
10. Mario Negrao - Madeira Em Pe - Coomusa

[Electronic, House, Dubstep] #10 - ele-king

夜間照明に神々しく浮かび上がる燃えるようなオレンジとゴールドの軍団、それがぼくらだった。 ジョナサン・バーチャル『ウルトラニッポン』(2000)

 4月30日、味の素スタジアム、ゴール裏の興奮が忘れられない。あのとき......、高原直泰が走り、高木俊幸の蹴ったボールがゴール左上のネットに突き刺ささったときから、何かが変わってしまった......そして、気分良く、GWの合間に今年に入って買ったレコードを数枚聴ききながら、書いた。


1.James Blake - Love What Happened Here | R & S Records


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 2011年のプレスだが、日本に入ってきたのは今年の春先。ハイプに踊らされた人以外は、ブレイクに入った理由は"CMYK"にあるわけだから、いちおう誰もが期待するシングルだったと思う(実際、各レコード店で好セールスだったそうです)。A面の"Love What Happened Here"は、まあまあ良いが、あくまで「まあまあ」。サンプル・ネタを使った"CMYK"スタイルの曲というは、ジェームス・ブレイクにとっては久しぶりで、大人びたフュージョンを取り入れ、ガラージ風のビートに混ぜるアイデアも悪くはない。が、A面の曲にしては少し地味かな。家計簿をみるにつけ、買わなくても良かったなとも思った。

2.Burial + Four Tet - Nova | Text Records

 同じように、買わなくても良かったかもな思ったのがこの12インチ。「Kindred EP」を聴いたときはさすがだと思って、「これは売り切れる前にゲットしておかないと!」と燃えたのだが、収録曲は前作の延長で、ハウシーなブリアルといったところ。昔ならこういうトラックも、DJフレンドリーとか言って褒められたのだが、いまでは多くのDJがレコード買ってないし、どうでもいいか。いずれにせよ、「モス」の震えには遠くおよばない。

3.Burial - Kindred EP | Hyperdub


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 これは実は、ビートから出ている日本盤のCDの解説を書いているので、買わなくてもいいものの、曲の素晴らしさにヴァイナルでも欲しいと思い、買った。収録されている3曲すべてが良い。デムダイク・ステアのような、いま流行のダーク・アンビエントとも共振している。とはいえ、ガラージ風のビートを入れている"Kindred"にはインダストリアルな感覚、そしてスクリューまでもが注入されている。

4.Airhead - Wait/South Congress | R & S Records


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 10インチ。"Wait"は、R&Bサンプルのダウンテンポで、マウント・キンビーが好きな人なら絶対に好きだし、ボーズ・オブ・カナダ・リヴァイヴァルともリンクしている。要するに、サイケデリック・ロックのエクスペリエンスがある。新鮮さで言えば、ブリアルの「Kindred EP」を凌いでいる。"South Congress"はダビーな展開で、ちょっとそのドラマチックなテイストが自分にはまああまあだが、それでもこれは買って良かったと思う。

5.Claro Intelecto - Second Blood EP | Delsin


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 かつては〈Ai〉(ゼロ年代初頭のUKのデトロイト・フォロワーのレーベル)で、ここ数年は〈モダン・ラヴ〉から作品を出しているクラロ・インテレクトロのオランダは〈デルシン〉からのニュー・シングル。「なんでこれ買ったんだっけ?」と、取り置きしていたお店のスタッフに問いつめたほど、理由を忘れている。魔が差したのだろうか......。同時リリースされているアルバム『リフォーム・クラブ』を買う前に聴いておきたかったと、そういうことか。中途半端なBPM(遅くもなく、速くもない)による"Second Blood"は、カール・クレイグ風であり、アンディ・ストット風でもある。"Heart"のメランコリーも悪いくはないが、特筆すべき感じはない。家計簿を見ると、これも買わなくても良かった1枚。でも、アルバムはちょっと気になっている。

6.Disclosure - Tenderly / Flow | Make Mine


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E王 UKガラージがいま復活しているんじゃないのか? そう思わせる7インチ。男のふたり組で、リズムの組み方は最新型。ジェームス・ブレイクの次を狙っているようでもあるが、よりネオソウル風でもあり、こちらのほうがビートは面白そうだ。2年前に〈もしもし〉からデビューして、通算3枚目になるが、メジャーに行くんじゃないかな。いずれにしても、アルバムが楽しみだ。

7.Tam Tam - Dry Ride | Mao/Jet Set


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 タム・タムは、新人とは思えない演奏力、そしてエネルギーを持っている。エゴラッピンをよりレゲエ寄りにした感じで、楽しく、そして力強さもある。プロデューサーはハカセサン。魅力的な声を持った女性ヴォーカリストが力いっぱい歌い、B面ではON-U風のダブ・ヴァージョンを聴かせる。アルバムも出来もよかったし、次こそライヴを見たい。

8.Slava - Soft Control | Software Records


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 いやはや......、三田格がチルウェイヴをけなしているお陰で、今年に入ってさらにまたチルウェイヴ系は売れている。〈メキシカン・サマー〉傘下の〈ソフトウェア〉(OPN主宰)は、この流れを逃すまいと今年に入って4枚の12インチ・シングルのリリースを続けている。なかでもひときわ目を引くデザインのスラヴァの「ソフト・コントロール」は、ドリーミーであると同時にトリッキーで、ビートに工夫がある。ちょっとハイプ・ウィリアムスを思い出すが、ハウシーで、セクシャルで、そして80年代的なテイストはない。

Jesse Ruins, Mop Of Head, Teeth - ele-king

 4月27日、この日は久しぶりのオールナイトのイヴェントにそなえ、夕方に起床。野田さんとの打ち合わせを終えた後、急いでタワーレコード新宿店に向かい、タワーレコード新宿で行われた、平賀さち枝さんの公開レコーディングに参加。最後までいたかったのだが、時間が来たので再度渋谷に移動。小雨が降るなか、渋谷から代々木公園に向かい、突き当たりの通りを右に曲がったところに本日のお目当ての会場、〈UNDER DEER LOUNGE〉はティースのメンバーが意気揚々と談笑をしていて、主催者やイヴェント・スタッフが忙しなく事前の打ち合わせをしいるのが見えた。200人くらいは入るであろう会場の内装はとてもお洒落で、会場スタッフの多田さんにお話を伺ったところ、普段はジャズやファンク、R&Bなどのアーティストをブッキングしているとのこと。「でもジャンルに縛られないで、気軽にいろんな方が来れる空間になればと思ってます」と多田さんは語る。本日は「STYLE BAND TOKYO」と「TOKYO INDIE」というふたつのイベヴェントが合同で企画したもので、アーティストやDJを見る限り、ダンス系のアクトが多いため、これは面白い空間になりそうだなあと期待が膨らむ。少しくつろいでいるとティースのメンバーが僕のところにやって来たので挨拶をして、いくつか気になっていた質問をしてみた。


さっそくですが、日本に来るのは初めてですか?

TEETH:うん、ずっと来たかったから私たち自身すごくエキサイトしてるよ。

すでに大阪や名古屋をツアーしてきて、本日が東京ですが、日本のシーンにはどういう印象を持ちましたか?

TEETH:私たちみんなジェシー・ルインズが大好きなんだよね。あと大阪のHappyってバンドも良かったし、あと、あの名前が凄く長い......えーっと......

Psysalia Psysalis Psycheですか?

TEETH:そう! Psysalia Psysalis Psyche! 彼らも良いよね! 私がすごく思ったのはイギリスのインディから影響を受けてるイメージがあって、ジョイ・ディヴィジョンとかザ・リバティーンズとか、音楽だけじゃなくって、ファッションからも影響を受けてる印象があるかな。

STYLE BAND TOKYOやTOKYO INDIEはこれまでいろんなアーティストを海外から招聘してるんですが、こういうイヴェントについてはどう思いますか?

TEETH:面白いと思うよ、東京は本当にエネルギッシュだし、今回はバンドにとっても良いチャンスや経験になると思うね。

Bichesのブレイクが「いまのイギリスのシーンには何もない」とSXSWで僕と話している時に言っていたのですが、TEETHの方々は現在のイギリスのシーンについてはどう考えていますか?

TEETH:実は私たちも去年アメリカに拠点を移したんだよね。私たちの場合はそこまでネガティヴなものじゃないんだけど、実際イギリスのバンドがアメリカや他の国に移るケースは増えていて、元々いた場所に属さなくなってきてはいると思う。

それは単純にアメリカのシーンや、他の場所に新しい価値を見いだしているからなんでしょうか?

TEETH:イギリスのシーンというよりか、問題はレーベルにあると私は思っていて、イギリスのレーヴベルってインディ、インディ、しすぎてるっていうか、難しいんだけど、アメリカのレーベはイギリスまで縛られていないし、シーン自体も解放的なのは否めないかな。

でも細かい部分にフォーカスすればたくさん良いバンドやアーティストもいますよね。

TEETH:それは間違いなくそうで、それがひとつのシーンとしてうまくまとまれなくて、いまは難しい状況が続いてるんじゃないかな。

TEETHの方々が現在共感できるバンドとやアーティストはいますか?

TEETH:(僕のメモ帳を奪って必死に書き出す) Gross Magic 、Astrid Monroe 、Unicorn Kid 、Curtis Vodka 、Bottoms 、Extreme Animals
 ......あたりかな。イギリスだったら以前一緒にやったFactory Floorとか最高だね。ユウキはBo Ningenとも知り合いなんでしょう? 私はギターのコウヘイと仲が良いし、彼らも好きだよ!

最後にTEETHのバンド名の由来を教えて貰っていいですか?

TEETH:ノーリーズンだよ(笑)

ありがとうございます、ライヴ楽しみにしてます!


 会場の準備も整いはじめ、オープンの時間になり、お客さんも入ってきた。夜中の1時少し前、いちばん最初のアクト、ジェシー・ルインズが登場する。演奏がはじめる前、ジェシー・ルインズのメンバーも認めていたが、正直な感想を言うと、演奏を含め、ライヴ・パフォーマンス自体にはまだ未完な部分がたくさん垣間見れたライヴだったように思える。それでもメロディーセンスは間違いなくたしかなもので、エフェクトを抑えたヴォーカルも効果的で、かつシンセサイザーの音のなかに顔を覗かせる甘いヴォーカルが素敵だ。
 サウンド自体もどこかノスタルジーを感じさせるラインが至るところに散りばめられ、ドリーミーでかつロマンスに溢れている。会場も息を飲んで彼らを見つめる様子がとても印象的だった。ジェシー・ルインズはアメリカで僕が現地のリスナーに質問されたり、いろんなところで注目されているのも事実で、今後いろんな方法をライヴで試して、形にしていって欲しいと強く思った。

 ジェシー・ルインズが終わり、転換DJが会場を盛り上げるなか、次に登場したのは2年連続でFUJI ROCK出演を決めたモップ・オブ・ヘッド。小刻みにグルーヴを創出するギターとドラムが会場に鳴り響き、それに加わるようにシンセサイザーの重いビートが押寄せる。展開の速い演奏に僕はすっかり踊らされ、とても興奮した。会場全体も熱気に包まれていく。
 バンドの基盤にはダブステップやドラムンベースをからの影響もうかがえるが、ロックやポップなどいろんな角度からのアプローチも面白い。サウンドだけでなく、ブラーの「Song 2」のギターのリフを曲の途中に入れたり、遊び心のある。とにかく、彼らのエネルギッシュなパフォーマンスには好感が持てた。
 というわけで、この日のベスト・アクトはモップ・オブ・ヘッド。彼らの言葉によれば「人間が限界の状況で奏でるループが生み出す歪み、そこから生まれる快感」を追求すべく、ライヴではPCに頼らない演奏をする。今後が楽しみなアーティストだ。

 本日のトリ、ティースが会場に現れる。モップ・オブ・ヘッドの上をいく爆音ビート。そしてエフェクトをかけまくったヴェロニカの攻撃的なヴォーカルが炸裂し、ストロボが会場をより一層刺激的な風景に変貌させる。メンバーの衣装もタイツやチャイナドレスなど奇抜で、どこかスライ・ベルズを彷彿とさせた。
 インタヴュー後に彼らのパフォーマンスについて触れたとき、ヴォーカルのヴェロニカは「どんな会場でも楽しいステージになればそれでいい」と言っていたのを思い出した。ライヴ終盤、オーディエンスをたくさんステージに上げて楽しそうに歌う彼女を見て何か僕まで嬉しくなった。

 今回のような、人気のある〈もしもしレコーズ〉からのバンドと日本のバンドとの共演は、海外のインディ好きな子たちと日本のオルタナティヴなシーンとが出会う場所になる。未来を感じる素晴らしい企画だと思うので、「STYLE BAND TOKYO」や「TOKYO INDIE」にはこれからもどんどんやって欲しい。
 この日のオーディエンスは若い層が大半を占めていた。外国人も目立っているなか、最終的にみんなで盛上がった。その様子がとても微笑ましかった。すべての演奏が終わり、落ち着きを取り戻す会場で、僕は、Craft SpellsやBeach Fossilsなどが出演していたSXSWでの一夜を思い出していた。その日の渋谷でのライヴは、僕をあの広大な場所に連れ戻し、不完全のまま終わってしまったあのときを埋めてくれた。それぐらい興奮した夜だった。

Tonosapiens - ele-king

 東京の〈ザ・プレジデンツ・ハイツ〉は、昨年、煙でむせかえるようなブッシュマインドのアルバムに続いたERAのデビュー・アルバム『3 Words My World』によって、強面の男たちが集う池袋のクラブの外の世界からも注目を集めている。ことストリートのロマン漂う『3 Words My World』は、彼らが危険と戯れているだけではないことを証明した。普段はラップを聴かないインディ・ロックのリスナーまでもが『3 Words My World』を耳からぶち込んで通勤している!
 〈ザ・プレジデンツ・ハイツ〉周辺から広がるシーンは、日本ではUKのグライムに相当とすると思われる。このレーベルの音楽的主成分にあるのは、ハードコアとヒップホップという、まあ、ある意味では、分厚い壁に包まれた要塞のようなジャンルかもしれない。愛想よく他者を迎え入れているとは言い難いだろうし、媚びることと平和的な態度との相違が曖昧になるとき、アンダーグラウンドはどこか慎重過ぎるきらいもある。
 そういうなかにあって〈ザ・プレジデンツ・ハイツ〉がこの1年で一歩踏み出していることは注目に値する。それは、世間を気にせずバビロン連中が嫌がらせをできる口実を、まあ覆すとまではいかないまでも、そこに屈しないばかりか、より積極的にやろうとしていることは、充分に前向きな意志表示だと思える。ERAは、どこにでもいるような若者――退屈をもてあまし、金もなく、途方に暮れた青春にアクセスし、トノサピエンスはファンクの力で自分たちを小さく閉じこめているコップを破壊し、宇宙に踊り出そうとしている。ちょうどスラックの音楽がそうであるように、そこが排他的な男社会ではないことを表しているわけだ。彼らの音楽には、ジョワ・ド・ヴィヴル(生きる楽しみ)がある。

 ハイデフとのC.I.A.として活動をはじめたトノは、初期の頃は低音の効いたスモーキーなダウンテンポに彼らの日常風景を重ね、その単調なリアリズム、ある種のミニマリズムによってリスナーを都会の夜の冷えた空気のなかに連れていった。スタイルこそ違えど、ブリアルとも似た真夜中の音楽だった。が、歳月の流れとともにトノはトノサピエンスへと進化すると、ストイックなミニマリズムの世界からコズミックなファンクネスへと向かった。彼のヒーローのひとり、ジョージ・クリントンの空飛ぶ円盤を目指したのかもしれない。10年以上も前の話だが、Pファンク軍団が来日したときに、彼らはステージの上で日本語で書かれた「吸うか!」というプラカードを大々的に掲げた。トノサピエンスは大酒をかっくらって、そしていま、「一緒に瞑想しよう」と笑っている。

 『ザ・プレジンデンツ・ハイ』は、ひと言で言えばご機嫌なアルバムだ。シンセサイザーを多用しているが、その電子音はクラフトワークではなくスライ&ザ・ファミリー・ストーンから受け継がれている。"Can You Feel it"のぼこぼこしたベースラインは見事なグルーヴを創出し、"E.Z.O State Of Mind"のブルース・ピアノは下半身を直撃する。"Fly Navigator"のミニマル・ダブではERAが、"Knock Town"のロボット・ファンクではハイデフが登場する。そして、あたかもロイ・エアーズのレコードを切り貼りしているかのような"Coffee Shop"や"Hell Yeah"では、彼らは、いわゆるジャズ・ラップを披露する。宇宙的なシーケンスがまわる"Flows Slowly2C"ではネオ・ソウル的な表情も見せる。アルバムは、ブラック・ミュージックへの多彩なアプローチでいっぱいだ。
 多くのブラック・ヒップホップはスラム街の現実を描写しているが、『ザ・プレジンデンツ・ハイ』はこの国の都会で暮らしている野蛮人、不良、疎外者、やる気のないダメ人間、酔っぱらい、ちんぴらの毎日を描いている。彼らはあるときはニヒリストだが、あるときは夢見人だ。インターネットよりもクラブを信用し、身近な言葉に耳を傾けている。そして彼らはときとして僕の知らない現実の美しさを見せてくれる。RUMIが"Space Cruising"という曲でトノサピエンスの粋なこのアルバムに祝福を与えているように(彼女のリリックにはどうにも拭いがたいオブセッションを感じてしまうのだが)、『ザ・プレジンデンツ・ハイ』は"東京"の埃まみれの路上から生まれた嬉しい1枚であることは事実だ。ピース。

About - ele-king

■About
私たち『ele-king』は、音楽の話が大好きです。おそらく1日中、音楽や本や映画、ときには文化や政治の話で盛り上がっています。
音楽ならたいてい何でも好きですが、主に扱っているのは、ユニークで個性ある音楽です。インディ・ミュージックとクラブ・ミュージック、エレクトロニック・ミュージックが得意ですが、ポップス、実験音楽、ほかにも好きなモノはたくさんあります。新しい音楽にも古い音楽にも節操なく興味があります。
平日は毎日、音楽作品のreviewが更新されています。他にも話題のミュージシャンへのインタヴュー記事、ライヴのレポート、著述家によるコラム、DJの紹介、本の紹介、音楽チャート、意味のない戯言や問題提起など、ときには共感を呼び、ときにはヒンシュクを買いながら、平均的にはとても良いリアクションをもらっています。批評への脅迫観念にとらわれていることがあるかもしれませんが、基本的にすべては愛情を込めて書いています。


■Contact
Phone:03-5784-1256(編集部)
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ele-kingでは読者からのレヴューも募集しています。
数ヶ月ぐらいリリースがずれている作品であっても、
「私のほうが良いレヴュー書いたるわい」という方や
「自分も書きたいっす」という方は、文字数1000字以上で書いて送ってください。
基本的には新譜ですが、再発盤でも受け付けます。
「これはたしかに面白いわ~」と、採用された方には紙ele-kingの最新号、
クラブで声をかけてくれたらビールを一杯おごるなどのプレゼントを考えたいと思います。


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『ele-king』への広告はとても素晴らしいアイデアです。私たちにはいろいろな企画/アイデアがあります。ご興味のある方はいつでもメールなりご連絡をください。
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  • Writers

MAMAZU (HOLE AND HOLLAND) - ele-king

schedule
5/14 スケボー音楽倶楽部@DOMMUNE (
6/2 BUENA SUERTE Anniversary! @ AGEHA
RIDE MUSIC EP Release Tour↓ (
6/8 SUPER X@渋谷SECOBAR
6/16 SUPER X@仙台PANGAEA
6/29 SUPER X @ 神戸TROOP CAFE (
6/30 THIRD CULTURE @ 静岡EIGHT & TEN

Chart


1
Cortney Tidwell - Palace(Micbel Cleis is Too Late remix)- Simple Records

2
Fausto massina - boungaville - Diyamic Music

3
Daniel Steinberg - SIlvertune - Supdub

4
Dapayk&Midnight - emergency - mo`s ferry

5
Sante&Sascha Sibler - Ce Loca - Be chosen

6
Tenjoe - Jibli - Unreleased

7
Terry Laird - Kibontemps(Ethnic mix)- Justhouse

8
Abacus - Idrum this djemebe - NDATL

9
EDO KANPACHI - Tokonoma ずっとここに - Unreleased

10
Petter - Everyday Balloon - Extremamusic

Chart by JET SET 2012.05.07 - ele-king

Shop Chart


1

Slow Magic

Slow Magic Triangle Lebensstrasse »COMMENT GET MUSIC
ポルトガルのLebensstrasseから、注目の新鋭Slow Magicによる傑作1st.アルバムが到着です!!

2

V.A.

V.A. Kutmah Presents Worldwide Family Volume 2 Brownswood »COMMENT GET MUSIC
Flying Lotus, Samiyam, Mono/Poly等、彼のLaにおけるファミリー達から、Hudson Mohawke, Slugabed, Mo Kolours等のUkベースシーンの気鋭アーティストまで見事にコンパイルした全19曲!

3

Calm Presents K.F.

Calm Presents K.F. Dusk Ep Music Conception »COMMENT GET MUSIC
Calmのダンスミュージックの要素を強めたプロジェクトが再始動。最高傑作といっても過言ではない2トラックを収録した贅沢な1枚です。

4

Soul Clap

Soul Clap Efunk The Album Wolf + Lamb »COMMENT GET MUSIC
現行NYハウス・シーンのシンボルWolf + Lambの顔を担うボストン出身のDj/プロデューサーズ・ユニット、Soul Clapによるファン待望の1stアルバムが遂にリリース。

5

Best Coast

Best Coast Boyfriend - Lindstrom Remix Feedelity »COMMENT GET MUSIC
Lindstrom主宰レーベルFeedelityからの完全限定12インチが到着。

6

Norah Jones

Norah Jones Little Broken Hearts Blue Note »COMMENT GET MUSIC
Danger Mouseがプロデュースを手がけた話題の5th.アルバム。Us盤アナログ入荷しました!!

7

Dela

Dela Whatuwanna Drink Water Music »COMMENT GET MUSIC
4年振りとなる新作アルバム『Translation Lost』から、Bluとタッグを組んだ目玉曲が、Dj Spinnaにリミックスされ7"リリース! ジャケットはフランスのペインター、Leyによるもの。

8

Vedomir

Vedomir S.T Dekmantel »COMMENT GET MUSIC
Vakulaによる話題のVedomir名義でのフル・アルバム!!Vakula名義とは一味違った側面が垣間見えるオールド感満載の地下ハウス・トラックス全10曲を収録。

9

Ron Trent

Ron Trent Raw Footage Part One Electric Blue »COMMENT GET MUSIC
シカゴ・ディープハウス重鎮Ron Trentによるセルフ・レーベルからの最新アルバム『Raw Footage』。ミニ・アルバム形式にて4楽曲を抜粋したアナログ2枚組Pt.1が入荷しました!!

10

Daniel Kyo

Daniel Kyo It's Alright Ep Lovemonk »COMMENT GET MUSIC
Basic Fingersの第一弾にて披露されたStevie Wonderエディットが印象深い、スペインはバルセロナの新進気鋭Daniel Kyoによる初の12"作品が"Lovemonk"より限定リリース。

Current top 10 2012.4.29


1
Shifted - Colour Of The Fall - Mote Evolver

2
IORI - Moon - Phonica White

3
Morphosis - Silent Screamer - Delsin

4
DB1 - Vanguard - Hidden Hawaii

5
Demdike Stare - Demdike Stare Meets Shangaan Electro - Honest Jons

6
IORI - Spread - Phonica White

7
Magic Mountain High - Untitled - Workshop

8
MM/KM - 6 Track Mini - The Trilogy Tapes

9
Architectual - Looking Ahead - Semantica

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Madteo - Very Sweaty Palms (Kassem Mosse Remix) - Meakusma
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