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Album Reviews

Lilac & Champagne

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Mexican Summer

三田 格      Mar 07,2012 UP
E王

 インドはじまって以来のSF超大作だというシャンカール監督『ロボット』はとにかく大袈裟だった。ユーロ危機にあえぐヨーロッパの銀行がついに貸し剥がしを始めたとはいえ、ここ10年、未曾有の経済成長を続けてきたインドでは、いま、働くこと=ロボットになったと感じられるムードでもあるのだろうか。だんだんと人間性を捨て去り、最終的に合体モードで動くロボットの描写は面白いにもほどがあった(ストーリー展開はとにかく小学生レベル)。30分前には見事に試写席が埋まり、さて、という直前、「音声はヒンディー語に吹き替えてあるから大丈夫よ」という会話が耳に入ってきた。そう言われてホっとしているのはインド人の女性のようで、どうやら元の映画はヒンディー語ではなく、タミール語か、もしくは、両方がごっちゃに使われているらしい。パンフレットには、ヒーロー役はヒンディー語のスターで、ヒロイン役はタミール語のスターだと書かれてる。これを海外に持ち出すにあたってヒンディー語に統一したということなのだろう。僕はどうせ日本語の字幕を読むしかないし......とは思ったものの、やはり気になってしまい......とはいえ、意外と英語が多く話されていたことしかわからなかった。北インドでつくられるヒンディー語の映画はボリウッドと呼ばれ、それに対して(スーパーボウルでまたしてもやらかしたM.I.A.でおなじみ)タミール語の映画はコリウッドというらしく...では、吹き替えが行われる前の『ロボット』はどっちだったのだろう?

 シアトリカルとまでは行かないまでも、かなり大仰なプログレッシヴ・ロックを展開してきたポートランドのグレイルズからアレックス・ジョン・ホールとドゥーム・メタルのオムなど、いくつかのバンドを並行してやってきたエミール・エイモスがヒップ・ホップ・ビートを取り入れたダンス・プロジェクトを新たに始動。重厚なムードをブレイクビーツにのせて、レーベル・カラーもどこ吹く風である。

 のっけからモンドなラッパが鳴り響き、マカロニ・ウエスターンなギター、続いてモーンフルなベースに蛇を思わせるSEのリピートから尾藤イサオを思わせるサイケ歌謡と、重厚長大なビートに絡ませる演奏やサンプリングの要素がまったく予測不能。アンチコンのパロディのようにも聞こえるし、爆笑モードのプリフューズ73とも(PVもみなチープ・ホラー仕立て)。どちらかというと派手な演出を控えた"センセイションズ"や"レイド・ファッキング・バック"といった地味な展開の方がいい味を出しているようにも思えるけれど、突拍子もない遊びはやはり楽しく、簡単にいえばいろいろ楽しめる(爆)。最も近いのはデヴィッド・ホームズの後期、それもフリー・アソシエイションに名義を改めてからでしょうか。デヴィッド・ホームズ→アンディ・ヴォ-テル→ライラック&シャンペーンということで。

 三味線をサンプリングした曲はさすがに辛かったけれど、意味もなく思わせぶりなフレーズや堂々としているのにユーモラスな部分はどうしても『ロボット』を思い出してしまう。クロージング・トラックスではシタールが舞い散っていくし。

(真面目一直線の人は聴かない方がいいかも)

三田 格