
ジャスト・ライド――ラディカルで実践的な自転車入門
グラント・ピーターセン(著) 沼崎敦子(訳)
2016/10/24 本体2,200円+税 ISBN:978-4-907276-63-8
この10年、スポーツバイクは人気の趣味/人気のスポーツとして定着している。オランダ、ドイツ、北欧、イギリスのように、自転車が安心して走れる都市の道路の再整備は、いまでは先進国のトレードマークでもある。日本も安いママチャリの時代から脱し、最近では、少々値は張るが性能的に優れたスポーツバイクに乗る人たちの姿が日常的に見られている。気合いを入れて、ぴっちりしたレーサージャケットに、もっこりしたレーサーパンツ(通称レーパン)を履いて、ロードバイクを漕いでいる人たちの姿は珍しくない。しかし、それって本当に正しい乗り方なのか? ロング・ライドはどこまで健康に良いのか? ダイエットに良いって本当なのか?
ベンディングペダルにすれば引き足も使えるなんていうのは幻想だって? そもそも自転車を楽しむのに、なんで服からアクセサリー、細かいパーツまでプロの真似をしなければならないのか? 自動車を楽しむ人たち、スキーが好きな人たち、みんなプロの真似をしていないのに、なんで自転車乗り(バイクライダー)だけが何でもかんでもプロの真似をしているのか。それってどこかおかしくないかい?
長年自転車業界で仕事をしている著者=グラント・ピーターセンが、サイクリング文化の間違いを説く。自転車を乗る上でのすべての常識をひとつひとつ検証し、読者に新たな考えを巡らせる。そして、自転車生活の魅力をあらたに提唱する。
これは長年のサイクリング経験から編み出された必読の、ハッタリのない知識だ。 ストレスフルで過度に複雑で、さらには売れ線を重視した関係性が、あまりにも多くの人間とサイクリング、そして自転車の間に築かれている。グラントはそれをシンプルに噛み砕き、産業のトレンドやトリクルダウン構造、入り組んだプロ・レース業界とは別の豊かでやりがいのある世界を見せてくれる。 ──イーベン・ウェイス、バイクスノッブNYC、『The Enlightened Cyclist』著者
レース重視のサイクリングにうんざりしている自転車乗りのために、グラント・ピーターセンが『ジャスト・ライド』で提示するのは、魅力的な代替案だ。 ──ジャン・ヘイン、『Bicycle Quarterly magazine』編集者
実際に乗らない人間にも配慮した、自転車や乗り方、身体に関する著者の信条を大いに楽しんだ。グラントは世間に対して怒りを隠さない、知識に富んだ友人だ。そして本書は、優れたアドバイスで溢れている。 ──アンディ・ハンプステン、ジロー・デ・イタリア1988年の優勝者、ハンプステン・サイクルズの共同設立者
競争とは無関係の余暇を楽しむライダーたちも、レーサーたちと同じ服を着て、同じ靴で同じペダルをこぎ、同じ自転車に乗り、多くはトレーニングを積みタイムを上げることに腐心している。この類の乗り方は楽しむためというよりも仕事である。(本書序文より)
著者について
【グラント・ピーターセン Grant Petersen】
サンフランシスコの自転車メーカー、リーベンデール(Rivendell)の設立者。ライターとしては 『Bicycling』、『Outside』、『Men's Journal』など、多くのメジャーなアウトドア雑誌/自転車雑誌に寄稿。著書に『Eat Bacon, Don't Jog: Get Strong. Get Lean. No Bullshit.』(2014年)がある。
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