「ADS」と一致するもの

Funkstörung - ele-king

 世はエレクトロニカ・リヴァイヴァルである。完全復活のAFX,アクトレス、アルカ、OPN、ローレル・ヘイロー、今年はプレフューズ73も復活したし……ポスト・ロックへの注目と平行してそれが存在感を増していった90年代後半の様相がそのまま移植されたかのようだ。
 ドイツのファンクステルングは、90年代後半のエレクトロニカ第一波における主役のひとつである。ビョークの「オール・イズ・フル・オブ・ラヴ」(1998年)は、オリジナルよりも彼らのリミックスのほうが人気があった。しかもそのヴァイナルは、メジャーではなく、〈ファットキャット〉という小さなレーベル(後にシガー・ロスやアニマル・コレクティヴを見出す)からのリリースだったのにも関わらず、相当にヒットした。また、その曲はビョークがエレクトロに/IDM的なアプローチを見せた最初期の曲でもあったので、エポックメイキングな曲ともなった。インダストリアルなテイストで、音をひん曲げたようなあのドラミングに誰もが驚き、「ファンクステラングって何もの?」となったわけである。当時は、「あれがグリッチ・ホップっていうんだよ」などと言っていたね。そう、彼らはその名の通り、IDMだろうがテクノだろうが、ファンキーなのだ。

 そんな伝説のプロジェクトが10年振りに復活して、新作を発表した。往年のファンはもちろん、最近この手の音にはまっている若い世代にまで評判が広まっている。そこへきて、11月7日には日本でのライヴも発表された。エレクトロニック・ミュージックの祭典、EMAF TOKYOへの出演だ(他にもアクフェンやヒロシ・ワタナベ、インナー・サイエンスなど大物が出演)。
 ここに彼らの復活を祝って、ミニ・インタヴューを掲載。記事の最後には、日本のためのエクスクルーシヴ・ミックスのリンク(これが格好いい!)もあります。
 読んで、聴いて、EMAFに行きましょう。

Funkstörung インタビュー

■マイケル、クリス、今回の来日を非常に楽しみにしています! 公演に先だって幾つか質問させて下さい。

F:ぼくらも楽しみだよ! もちろんさ。

■10年振りのニュー・アルバム『Funkstörung』のリリースおめでとうございます! 日本でもアルバムは好評ですが、先ずは再結成の経緯を教えて下さい。

F:ありがとう! 友人であるMouse On MarsのAndi Tomaが、ぼくらふたりを彼らの活動の21周年記念の作品である「21 Again」に誘ってくれたんだ。その際にぼくらふたりは多くのことを話したんだけど、Funkstörungを再結成する良い切っ掛けなのかもしれない、とお互いに考えたんだよね。いろいろな曲をふたりで聴きながら、すぐにぼくらは(しばらく活動を一緒にしていなかったんだけど)いまでも「波長が合っている」ことに気付いたんだ。

■ニュー・アルバム『Funkstörung』はModeselektor主催のMonkeytownレーベルからのリリースとなり、とても興奮しましたが、どういった経緯でMonkeytownからのリリースとなったのですか?

:とてもエキサイティングなことだよね。:-) Andi Toma(Mouse On Mars)がMonkeytown Recordsを薦めてくれたんだ。Monkeytownのリリースは好きだったし、Modeselektorを昔から知っていた事もあって直感的に良い事だと思ったね。

■本作ではAnothr、ADI、Audego、Jamie Lidell、Jay-Jay Johanson、Taprikk Sweezee(アルファベット順)という6組のゲスト・ヴォーカルが9曲で参加していますが、ヴォーカル作品を多く収録した意図やコンセプトなどを教えて下さい。またヴォーカルの人選はどのようにしたのですか?

:これと言ったコンセプトはないんだけど、敢えて言うなら成熟したアルバムを作りたかったんだ。ブレイクの多用や過剰なディテールへの拘りではなく「リアル」な曲を書きたかった。インストゥルメンタルの楽曲は、多くの場合ぼくらを満足されてくれないから、ヴォーカリストをフィーチャーしたアルバムを制作することに決めたんだ。何か人間的な要素、もしくは声が与えてくれるインスピレショーン、をぼくらは必要としていた。良い例なのが、親しい友人であり近所に住んでいる「Anothr」なんだけど、彼はいわゆる「インディ・ロック」の人で、複数の楽器を演奏するマルチプレイヤーなんだけど、何か特別な要素をぼくらの楽曲に与えてくれたよ。多くのことを彼から学んだね。SoundCloudを通して知り合ったオースラリアのシンガー「Audego」との制作も楽しかったね。彼女の声を聴いてぼくらは鳥肌が立つんだ。テルアビブの「ADI」はぼくらのマネージャーの友人なんだけど、ぼくらにとって完璧な調和と言えるモノになったよ。彼女は近くビッグスターになると思う、素晴らしいのひと言だね。「Jay-Jay Johanson」とは、古き良き時代からの知り合いで、もう15年前のになるのかな、当時の彼のアルバムをプロデュースしているんだ。「Taprikk Sweezee」はハンブルクで知り合った気の知れた友人で、過去にも多くの制作を一緒にしている。(Michael Fakeschのアルバム『Dos』のシンガーは彼なんだ)18年くらい前に初めて「Jamie Lidell」のパフォーマンスを見たんだけど、彼と制作を共に出来たことは夢の様だったね。いくつかの理由があって彼とは一緒に制作を行えていなかったんだけど、今回のアルバムでそれが叶ってとても誇りに思うよ。

■1995年に発表された「Acid Planet 1995」から20年経ちますが、制作や作品に関する一貫した考えはありますか?

:20年……。長い期間だよね? 実際には1992年に収録曲を制作していたから、20年以上音楽を作り続けていることになるよね……。Crazy! 一貫した考えと言えるのはたぶん、つまらない音楽を作りたくないということなんだと思うよ。ぼくらの楽曲は(多くの場合)いろいろな音やディテールが詰め込まれていて複雑だと思うんだけど、このアルバムに関して言うと(代わりに)いろいろなアイデアが楽曲に詰め込まれているんだ。リスナーをつまらない気持ちにさせたくないし、もっと言えばぼくら自身がつまらない気持ちになりたくないんだ。

■最新作に関する何か特筆するエピソードがあれば教えて下さい。

:一番特別なエピソードと言えば、ぼくらがこのアルバムを完成させたということだろうね。。10年間コミュニケーションを取っていなかったからね。こんなに長い期間を置いてからたFunkstörungとしてアルバムを完成させた、というのはとても特別なことだと思うね。

■現在はミュンヘンを拠点に活動されていると思いますが、ミュンヘンまたドイツの音楽やアートの状況に関して、マイケル、クリスが感じられる事を教えて下さい。

:多くの音楽、イベントなんかはたしかにあるんだけど、ぼくらはあまりそれらにコミットしていないんだ。スタジオに居て毎日音楽を作っている、只それだけなんだよ。;-)

■ 印象に残っている国、イベント、アーティスト等あったら教えて下さい。

:もちろんだよ。ビョークと一緒に仕事をした事は強烈な記憶として残っている。リミックスを2曲作っただけなんだけどね。魔法の瞬間だったよ、彼女の声をエディットしていたときっていうのは。その他にもニューヨークのグッゲンハイム美術館でパフォーマンスしたことは素晴らしかったね。Jamie Lidell、LambのLou Rhodesと仕事出来たことも特別だし……。Wu-Tang Clanのリミックスをしたことも……。オーストラリアでのツアーも……。この20年間、とても素晴らしい瞬間が幾つもあったね。

■ 今後のプラン等をお聞かせ下さい。

:新しい楽曲を制作していて、今年中に発表されるかもしれないんだ。12月には幾つかのライヴが控えている。新しいミュージック・ヴィデオも制作中だね。

■今回日本を訪れる際に、何か楽しみにしていることはありますか?

:和食を食べることだね! (本当に美味しいよね)他には、秋葉原にクレイジーなモノを探しに行くこと、渋谷のスクランブル交差点で人の波に押し潰されること、原宿で(流行の先端を行っている)ヒップスターたちを見ること、大阪のアメリカ村で買い物をする事こと。本当に日本ではクールなことがいろいろと出来るよね。今回は実現出来なさそうなんだけど、富士山に登るのも良いアイデアだね。(日本は大好きだし、いつも良い時間を過ごさせてもらってるよ!)

■最後に、日本の電子音楽リスナーにメッセージをお願いします。

:イベントで会えるのを楽しみにしてるよ!

Funkstörung▼プロフィール
 1996年結成、かつて、オランダの〈Acid Planet〉〈Bunker〉レーベルからアシッド・テクノ作品も発表していたドイツはローゼンハイム出身のマイケル・ファケッシュとクリス・デ・ルーカによるエレクトロニック・デュオ。それぞれのソロ名義ではセルフ・レーベル〈Musik Aus Strom〉からも作品を発表。
 エレクトロニカ、アンビエント、ヒップホップ、ポップスの要素を融合させたサウンドをベースに穏やかな風が吹き抜ける草原と溶岩が流れ出す活火山の風景が同居したかのような、未知のエクスペリメンタル・ポップを生み出し、爆発的人気を博す。
 99年のリミックス・アルバム『Adittional Productions』における、ビョークやウータン・クランといった大物たちのリミックスで知名度を上げ、00年に1stアルバム『Appetite For Distruction』をリリース。脱力したヴォーカルと感電したラップが絡み合う、メロウかつ鋭い金属質のブレイク・ビーツ・サウンドでその実力を遺憾なく発揮し、テクノ界に新風を吹き込んだ。クリストファー・ノーラン監督映画『メメント』の日本版トレーラーにビョーク「All Is Full Of Love (Funkstorung Mix)」が起用された事でも注目を集める。またテイ・トウワをはじめ日本のリミックスなども手掛け、国内外において非常に高い評価を得ている。 
 2015年、活動休止を経てモードセレクター主宰レーベル〈Monkeytown〉から10年振りに新作を発表、ゲスト・ヴォーカルとして、ジェイミー・リデルをはじめ、ハーバートやテイ・トウワ作品に参加してきたドイツ人シンガーのタプリック・スウィージー、スウェーデン人シンガーのジェイ・ジェイ・ヨハンソンらが参加。究極に研ぎ澄まされたトラックをポップソングまで昇華させた最高傑作が誕生した。
https://www.funkstorung.com

        **********************

★新作情報
『Funkstörung』-Funkstörung
https://itunes.apple.com/jp/album/funkstorung/id998420339

★来日情報
11月7日(土曜日)EMAF TOKYO 2015@LIQUIDROOM
https://www.emaftokyo.com

★エクスクルーシヴ・ミックス音源
Funkstörung Exclusive Mix for Japan, Oct 2015
https://soundcloud.com/emaftokyo/funkstorung-phonk-set-oct-2015



Funkstörung interview

I'm looking forward to your appearance at EMAF Tokyo. Could I have some questions prior to the event please?

We are looking forward to it, too!!! Sure.

Congratulations on the release of your new album entitled "Funkstörung".
1. How the reunion of the unit come about?

Arrogate Gozaimasu!
Our friend Andi Toma (Mouse On Mars) invited us to do a song with Mouse On Mars for their anniversary record '21 again'. We met and talked a lot and soon we thought this might be a good chance to reactivate Funkstörung. After listening to loads of songs we instantly recognized that we are still on the 'same wavelength'...

The album "Funkstörung" has been released on Monkeytown Records run by Modeselektor.
2. What has made you decide to release the album on the label?

I'm so excited about this. :-)
Andi Toma recommended Monkeytown to us...and since we liked the MTR releases and knew the Modeselektor guys from back in the days, we had a good feeling about it.

There are 6 vocalists featured for 9 tracks in this album. (To name all alphabetically, ADI, Anothr, Audego , Jamie Lidell, Jay-Jay Johanson and Taprikk Sweezee)
3.  What was your intention / concept about these vocalist selections?

We had no real concept, but somehow we wanted to do a grown-up album. Instead of focusing on breaks and an overload of details we wanted to write 'real' songs. Since instrumental tracks don't satisfy us most of the times we decided to do a vocal album. We needed that human element and as well the inspiration vocals give us. Anothr, who is a close friend and neighbour is the best example: He added some special flavour to our songs since he is more a kinda 'Indie Rock' guy and multiinstrumentalist...we learned a lot from him. Australian singer 'Audego' we found via soundcloud was really a pleasure to work with, Her voice really gave us goose bumps. ADI from Tel Aviv is a friend of our manager and for us it was a perfect match. She is going to be a big star soon...she is brilliant! Jay-Jay Johanson we knew from 'the good old times'...we have been producing one of his albums almost 15 years ago. Taprikk Sweezee is a good friend from Hamburg with whom we have been working a lot together in the past (he is the singer on Michael Fakesch's album 'Dos'...) Jamie Lidell was a dream to work with from the day we saw him playing for the first time (which is about 18 years ago)...due to different reasons we never managed to work with him and so we are extremely proud that this time it really happened.

20 Years have been passed since the release of "Acid Planet 13" in 1995.
4. Is there any consistent thoughts behind your production throughout?

Long time...isn't it? In fact we did those track back in 1992, which means we are doing music since over 20 years...crazy!

Maybe the most consistent thought is that we don't wanna do boring music. That's the reason why our songs are often so complex with loads of sounds and details and -like on this album- with loads of ideas within the song. We just don't wanna bore people...and even more important we don't wanna bore ourselves.

5. If there's a special story / episode regarding the latest album, it would be great to hear it.

The most special story is that we really did this album...after not talking to eachother for 10 years. I think this is something very special if you re-unite after such a long time.

You are currently based in Munich, Germany.
6. Could you tell us about your opinions on a situation music (and/or) art in Munich / Germany are in? (from each of you, please?)

There is definitely a lot music, events, etc. going on but we are kind of isolated from all that. We are sitting in our studios all day making music and do nothing else ;-)

7. Please let us know of any countries, events or artists you have been impressed by and would still remember?

Of course one of the most intense memory from the past was working with Björk. Even if we only did two remixes, but to work with her vocals was a very magic moment. Besides to that playing at Guggenheim Museum New York was amazing...also working with Jamie Lidell or Lou Rhodes from Lamb was very special....or remixing Wu-Tang...and our Australia tour...oh man...we had some great moments over the last 20 years.

8. Please let us know of your upcoming plans. (Excuse me if this is too fast to ask..) 

We are working on new tracks right now (which might be released already this year) and we're going to play some live shows coming up in December. There is also a few new videos in the making.

9. Is there any particular thing(s) you've been looking forward to do in Japan? 

...to eat Japanese food (which we love!), to check out all the crazy toys in Akihabara, to get squashed a Shibuya crossing, to see all the super hippsters at Harajuku, to do some shopping at american village Osaka...oh man, there is so much cool stuff to do in Japan. Actually it would have been great to walk up Mount Fuji, but unfortunately it's not the right time :-(...anyway...we love Japan and always had a great time there!

10. Lastly, please leave a message for electronic music listeners in Japan.

Come to our concerts!! We hope to see you guys there!


RASHAD BECKER - ele-king

 ノイズというよりは電子音に舌なめずりするかのようなエロティシズム。で、立体的な音響。ラッシュド・ベッカーの作品を聴いていると、90年代初頭にはじめてドイツを旅したとき、駅の売店に数冊のフェティシズム系ポルノ雑誌が売られていたことを思い出してしまう。日本のコンビニのエロ本コーナーに、ラバー・フェチやビニール・フェチの本は売られていないでしょう。
 そんな妄想はさておき、ラッシュド・ベッカーが来日する。ライヴでいったい何をするのか、音を物質として見なすフェティシズムを見せてくれるのか。DJノブとハルカ、そして初のソロ・アルバムのリリースを控えているコンピューマも出演。注目したい。

UNIT / root & brach presents
UBIK featuring RASHAD BECKER (PAN, DE) Live Set

 ベルリンを拠点とする希有なサウンド・アーティストにして、天才マスタリング/カッティング・エンジニアとしても知られるRASHAD BECKER、緊急来日決定!
 ノイズ/音像/残響が有機的に絡み合う中毒性に溢れるストレンジなサウンドは不気味な衝撃をオーディエンスに与えるであろう。対するは、5年振りとなるアルバム『Grey Scale』をリリースしたインダストリアル・デュオCARRE、東京アンダーグラウンド・シーンの最重要アイコンDJ NOBUとその盟友HARUKAがエクスペリメンタル・ミュージックとダンス・フロアを繋ぐスペシャル・セット、キャリア初のソロ作品『SOMETHING IN THE AIR』のリリースを間近に控えたCOMPUMAといった鉄壁の布陣で挑みます!

8.28 fri @ 東京 代官山 UNIT
Live Acts: RASHAD BECKER (PAN, DE), CARRE
DJs: DJ NOBU (Future Terror, Bitta), HARUKA (Future Terror, Twin Peaks),COMPUMA
SALOON: to be announced...
Open/ Start 23:30
¥2,500 (Advance), ¥,2,500 (under 25, Door Only), ¥3,000 (Door)
Ticket Outlets: LAWSON (L: 72546), disk union CMS (渋谷, 新宿, 下北沢), TECHNIQUE, Clubberia Store, RA Japan, UNIT
Information: 03-5459-8630 (UNIT)
www.unit-tokyo.com

RASHAD BECKER (PAN, DE)
先日初のレーベル・ショーケースを成功させたベルリンの先鋭レーベルPANから、2013年に各所でその年のベストに選出された歴史的問題作『Traditional Music Of Notional Species Vol.1』をリリースした希有なサウンド・アーティストにして、テクノ~エクスペリメンタル界隈のみならず様々なジャンルのアーティストから支持されているベルリンの名門Dubplates & Masteringの天才マスタリング/カッティング・エンジニア、Rashad Becker。彼の構築するメロディやリズム、それらを構成する制約から解き放たれた蠢くようなノイズ/音像/残響が有機的に絡み合うこの上なくストレンジなサウンドは、これまで体験した事のない不気味な衝撃を聴く者全てに与えると同時に、耳の肥えたコアなリスナーをも虜にする中毒性は実験音楽の金字塔を打ち立てたと言っても過言ではない。

CARRE https://mindgainminddepth.blogspot.jp/
NAGとMTRの2人によるインダストリアル・ミュージック・デュオ。

DJ NOBU (Future Terror, Bitta) https://futureterror.net
Future Terror、 Bitta主宰/DJ。Nobuの活動のスタンスをひとことで示すなら、"アンダーグラウンド" ──その一貫性は今や誰もが認めるところである。とはいえそれは決して1つのDJスタイルへの固執を意味しない。非凡にして千変万化、ブッキングされるギグのカラーやコンセプトによって自在にアプローチを変え、 自身のアンダーグラウンドなリアリティをキープしつつも常に変化を続けるのがNobuのDJの特長であり、その片鱗は、[Dream Into Dream] (tearbridge), [ON] (Musicmine), [No Way Back] (Lastrum), [Creep Into The Shadows] (Underground Gallery), そして最新作 [Nuit Noir] (Ultra-Vybe) など、これまでリリースしたミックス CDからも窺い知る事が出来る。近年は抽象性の高いテクノ系の楽曲を中心に、オーセンティックなフロアー・トラック、複雑なテクスチャーを持つ最新アヴァン・エレクトロニック・ミュージック、はたまた年代不詳のテクノ/ハウス・トラックからオブスキュアな近代電子音楽など、さまざまな特性を持つクセの強い楽曲群を垣根無くプレイ。それらを、抜群の構成力で同一線上に結びつける。そのDJプレイによってフロアに投影される世界観は、これまで競演してきた海外アーティストも含め様々なDJやアーティストらから数多くの称賛や共感の意を寄せられている。最近ではテクノの聖地 “Berghain" を中心に定期的にヨーロッパ・ツアーを行っているほか、台湾のクルーSmoke Machineとも連携・共振し、そのネットワークをアジアにまで拡げ、シーンのネクストを模索し続けている。

HARUKA (Future Terror, Twin Peaks)
東北の小さな村で生まれたHarukaは、幼少の頃よりピアノやベース、チューバといった楽器のレッスンを通じて音楽に慣れ親しみながら育ち、17歳からIDMやエレクトロニカをプレイするDJとしてのキャリアをスタート、次第にハウスミュージックの影響を受けて自身のイベントのオーガナイズを始めるとともに、DJとしてのスキルも磨いていくこととなる。26歳になったころ、Future Terrorへレジデントとして迎えられ東京へと移住することとなり、DJ NOBUとともにLucy, TM404, Morphosis, Charles Cohen, Takaaki Itoh, Ioriらを招聘し東京のテクノシーンへ台頭、自身の音楽的アプローチもテクノやアヴァンギャルドなエレクトロニックミュージックへと傾倒していく。瞬く間に彼のスキルとセンスは認められ、東京~全国の各クラブはもちろんのこと、Fuji Rock Festivalなどの大型フェスティバルへの出演、そしてruralやLife Forceのようなアンダーグラウンドに根ざしたパーティへの出演を含む年間60-70回のギグをこなすだけでなく、名だたるインターナショナルゲスト:Mike Parker, Rrose, Silent Servant, John Osborn, Eric CloutierやSebastian Mulleartとの共演に抜擢される。現場に合わせたセットでフロアを構築、アフターアワーズやオープンラストセットにも対応しつつ自身の持ち味を確実にフロアに浸透させてきた。Dommune BROADJへの数多の出演や、2014年11月に東京から配信されたNTS Radio主催のラジオショウでも世界へ向けてアプローチしている。その経歴からも彼の音楽的キャパシティの広さ、現場への対応力をうかがい知る事ができるだろう。またアヴァンギャルドヒップホップレーベル、Black Smoker RecordsのDJ YaziとのユニットTwin Peaksとしての活動も開始、ハードウェアを駆使したよりエクスペリメンタルなアプローチのライブパフォーマンスも展開している。

COMPUMA https://compuma.blogspot.jp
ADS(アステロイド・デザート・ソングス)、スマーフ男組のメンバーとして、DJとしては国内外の数多くのアーチストDJ達との共演やサポートを経ながら、日本全国の個性溢れるさまざまな場所で日々フレッシュでユニークなジャンルを横断したイマジナリーな音楽世界を探求している。自身のプロジェクトSOMETHING ABOUTからMIXCDの新たな提案を試みたサウンドスケープなミックス「Something In The Air」シリーズなど意欲作も多数。Dr.Nishimura (Discosession)、Awanoと共に、悪魔の沼クルーとしても活動中である。音と音楽にまつわる様々なシーンで幅広く活動している。2015年9月、京都の老舗茶問屋、宇治香園創業150年記念として、KIRIHITOの竹久圏を大きくフィーチャーした初のソロ作品『SOMETHING IN THE AIR -the soul of quiet light and shadow layer-』を発表する。10月には、em recordよりリミックス/リコンストラクトを手掛けた初の12インチ・アナログEPのリリースも予定している。


いせや闇太郎 (井の頭レンジャーズ) - ele-king

血と汗のスキンヘッドレゲエ

Hug_Life - ele-king

 国立競技場といわず、東京全体に屋根をつけて欲しい~。いっそのことドームで覆ってエアコンも付けて欲しい~。暑い~。他国に先制攻撃がで きる費用があったら、未来に投資しろ、バカたれ~、つーか、この暑いのにみんなでハグをしようと言い出した人たちがいる。マジかー。それは例によって、ヒップホップの人たちだー。それは今度の日曜のことで、笹塚ボウルという場所で、音楽を聴きながらハグでもしようと呼びかけているのだ。本気かー。世の中がギスギスし ているからだと彼らは言う。デモに行って警官とかをハグしたら公務執行妨害で逮捕されてしまうけど、国民同士は仲良くしようぜとか、そういうことなんだろうか。1日だけのハグライフ。会場に着いてみたら実はハゲライフだったという可能性は……出演者にホワイ・シープ?がいないから、それはなさそうだ。ハグだ、ハグ。ハグをしよう。男女問わずハグをしよう!(本当の理念は下のほうに書いてあります)。つーか、出演者の中にはスチャダラアニもいるけど、この日、アニは下北沢の本多劇場で「男子レッツラゴン」の舞台に立ってるはず! 働きすぎりょうたろー。



『#Hug_Life』
2015/8/9(日)
Location: 笹塚ボウル
〒151-0073 東京都渋谷区笹塚 1-57-10-3F・4F
※京王線・都営新宿線 笹塚駅より徒歩0分
https://sasazukabowl.com/
Start:14:00 - Close:22:00 (17:00以降ボウリング投げ放題)
2,000円 (ボウリング代+シューズ代込み)

[LIVE]
KANDYTOWN
YUNGGUCCIMANE & Cherry Brown
MOUSOU PAGER
(Sir Y.O.K.O.PoLoGod.+showgunn+Kuma the Sureshot)
MC JOE

[DJ]
DJ KENTASAKA
(DJ TASAKA & DJ KENT)
LIEUTENT'S AQUARIUM
(BUSHMIND & DJ HIGHSCHOOL)
JET SEX
(SEX山口 & Lark Chillout)
The Saturn
(Wardaa & イーグル藤田)
Ultramagnetic MD's
(M.U.D.O. & Mista Donut)
植物物語
(ShioriyBradshaw & Baby☆Star)
SPSP[Spellbound Sports]
(BentheAce & Kuma the Sureshot)

[EXCLUSIVE SHOW]
Donuts Disco Deluxe
(ANI, ロボ宙 & AFRA)

[HUG MATCH]
Threepee Boys vs Y2FUNX

[VJ]
Platina Disco

[SHOP ]
HUG HOUSE
(森光光子+Sir Y.O.K.O.PoLoGod.)
HUG RECORDS
(COCONUTSDISK YOYOGI)

[FIRST COME, FIRST SERVED]
当日特典として、先着30名様に『#Hug_Life Vol.2 mixed by Lark Chillout』 (MIXCD)、先着100名様にV.A.『#Hug_Life Volume 1』(CD-R)をプレゼント! オープンからお越し頂けますとMIXCDとコンピレーションCD-Rの両方をゲット出 来ます!是非早めの時間からご来場下さい!お待ちしております!

[SPECIAL MENU]
HUG CHICKEN
#Hug_Life スペシャルとして、笹塚ボウル名物「ササボバーガー」に次ぐ渾身の フードメニューが登場!普段は別々のメニューで提供されている2つの味が、1枚 のプレー トで同時に楽しめる「HUG CHICKEN」として、8/9ハグの日限定で登場 します。是非ご賞味あれ!

[#Hug_Life is…]
#Hug_Lifeが笹塚ボウルに帰ってくる!!1回目、2回目と異様な盛り上がりでデ イタイムからナイトタイムを彩った#Hug Lifeをもう一度!

世界がどんどん複雑になっていってる感じするよね。目を覆いたくなるような ニュースと、それを取り上げた議論が日常を埋め尽くしてる。そ んな中で今を 生きてるわけなんだけど、心だけでも美しく、温かい気持ちでいるためにスター トしたのがこのパーティーなんだ。

僕らが意味するハグは、決して相手に腕を回す行為のことだけじゃない。チープ でもいいからさ、相手に敬意を持って接して、愛のある気持ち で人と関わり合 おうというパーソナル・スタイルの話なんだ。人が元々持ってる優しさ、それを ちょっと他の人におすそ分けするだけで、まだ 出会ったことのない人と人が繋 がっていくかも知れない。それがまた次の可能性に繋がっていくんだ。

インターネットで地球の裏側の人と知り合うのは簡単だし、それも悪くないよ。 だけど、インターネットの世界に存在する見えない距離を、現 実の世界でちょ こっとでも縮めることができたら…それってドリーミングでクールなことだと 思ってる。だからさ、その距離をみんなと一緒に 縮めて、隔たりを乗り越えて 行きたいんだ。

ハグが苦手、っていうなら無理することなんてない。大好きな音楽で体を揺らし て、敬意と愛情をもって隣にいる人に優しく接するだけでもい い。そんなとて も簡単でシンプルなことすら、完全に忘れてしまっているような人も沢山いるか らね。そうしたちょっとしたマインドの変化 が、どこかを回り回ってループに ループを繰り返して、知らない人達の笑顔を作ってゆく。僕らはそう信じてるんだ。

そんなシンプルだけど大切なテーマを掲げた#Hug_Life の元に、今回もまたとん でもなく豪華な面々が集結してくれたよ。その日限りの超エクスクルーシブなDJ ユニットがBack 2 Back aka Hug 2 Backでフロアに魔法をプイッと掛けてくれた り、これまた豪華なライブ・ラインナップによる、生きた言葉がキミの鼓膜を直 撃したりするよ!ここまで読ん でもらって(なんだか楽しそうだな…!)って 思ってもらえたら嬉しいんだけど、どうかな??

とにかく当日は僕らHug Familiaが真夏のボウリング場を更に熱くさせるって約 束するよ。だからさ…ぜひとも8月9日は笹塚ボウルに来てほしい!ハグで心にフ レンチ Kiss!!勘繰ってないでコッチ来なよ!!!

[TRAILER]
2015/8/9 #Hug_Life @笹塚ボウル trailer


[ATTENTION!]
※場合によっては入場規制を行うこともございます。予めご了承ください。
※パーティー会場は笹塚ボウル3階フロアのみとなります。4階フロアには立ち入 らないようお願い申し上げます。
※ボウリングエリアは全面禁煙です。お煙草は所定の喫煙所でお願いします。
※場内への飲食物の持込はご遠慮願います。
※当店にはお客さま用の駐車場のご用意はございません。なるべく電車、バスを ご利用下さい。
※近隣のご迷惑になりますので、笹塚ボウルの周辺ではなるべく滞留しないよう お願い申し上げます。

[HOSTED by]
Hug Familia



Hot Chip
Why Make Sense?

Domino / ホステス

Electro-popIndie Rock

Tower HMV Amazon iTunes

 考えすぎてるよね、「意味が必要かい?」なんてタイトル。「僕たちよりいいものと取り換えなよ」とか「燃え尽きる」とか――結成からおよそ15年が経つバンドにそんな穏やかでない言葉を明るく歌われると、ファンとしてはちょっと……。だけど、悩む大人の男たちの姿はちょっとセクシーかもしれない。バンドのいじけたような態度は前作のたくましさの裏返しのようにも思われる。デビューのころに漂わせていた「負けている」意識がアルバムに通底しているとも感じるが、その感覚と、ボーナス・ディスクの“バーニング・アップ”で、放送禁止用語がデビュー作以来ひさびさに(しかもサラッと)歌われていることとは無関係じゃないだろう。一時はキッズを騒がせたポップ・スターも30代半ばにさしかかって、これ以上バンドをどうしていいかわからない、ちょっとムシャクシャしてたってことだろう。自信たっぷりに振る舞っているようにみえて、じつのところ頭の中(In Our Heads)は、悩み(Why Make Sense?)でいっぱいだったと。タイトルは自分たち自身の「意味」を求めて悩んだことを暗に示している。

 前作『イン・アワ・ヘッズ』のアグレッシヴさ(逞しさ)は影を潜め、今作『ワイ・メイク・センス?』のサウンドはバンド史上もっともソフト、スムース、スウィート。仕事で疲れている人間にもやさしい。セカンドのころを思わせるシンセ使いの“クライ・フォー・ユー”や、スティーヴィー・ワンダー節の効いた“スターテッド・ライト(Started Right)”、可愛らしいベース・ラインとモリッシーの曲へのオマージュっぽい歌詞が印象的な“イージー・トゥ・ゲット”。この3曲のファンキーさと無邪気さを聴いて、いっしょに歌っていると心が軽くなる。とはいえ、白眉は冷たくシリアスな“ニード・ユー・ナウ(Need You Now)”――この曲がアルバム最大の聴きどころ。冷たい世界の中で、小さく震える心。ホット・チップの名曲には、いつもそんな心の震えが描かれているように思う。高揚とも焦燥ともつかないアップテンポなビートと、その上を滑るように歌うアレクシスの不安げな声。ホット・チップの持ち味は、この穏やかでない心の「震え」を捉えていることだと僕は思う。

 バンドを後ろから支えてきたフィリックス、バンドの前に立って歌ってきたアレクシス。フィリックスがおおらかにバンドのことを見つめていて安心したので、アレクシスにはもっとパーソナルな音楽との関係について訊ねた。

■Hot Chip / ホット・チップ
ロンドンを拠点に活動する5人組エレクトロ・ポップ・バンド。2000年の結成以降、自主でリリースした「メキシコEP」等が注目され、2004年のデビュー・アルバム『カミング・オン・ストロング』の成功によって世界的な存在へとステージを上げる。これまでに5枚のアルバムをリリース。〈フジロック'10〉でのパフォーマンスなど、ライヴでの評価も高い。曲作りのメインとしてバンドを牽引するのは、アレクシスとシンセのジョー・ゴッダート。今回インタヴューに応じてくれたのは、ヴォーカルのアレクシス・テイラーと、ドラムマシンのフェリックス・マーティンだ。メンバーがそれぞれ活発にソロ活動も行っている。

フィリックス編!

「己であれ」(Be what you are)
──Hot Chip “Why Make Sense?”(2015)

ひさびさの新譜でしたね。時間がかかった理由は何でしょう?

フィリックス:そうだね、僕らはいままでだいたい2年ごとのペースでアルバムを出しつづけてきたから、今回は普段より長い時間がかかったと言えると思う。理由はたぶん、『イン・アワ・ヘッズ』の世界ツアーを2年やったから、ツアーが終わった頃には疲れきっていて、次のアルバムのための曲もできていなかったからかな。アルバムを作るのには大抵1年くらいかかるからね。それと、僕らはそれぞれの別プロジェクトに集中する時間がほしかったっていうのもあるよ。僕のバンド、ニュー・ビルドや、ジョーのツー・ベアーズとかもあって、忙しかったのさ。

前作から3年経ちました。おっしゃるように各メンバーのソロが活発でしたし、メンバーも多くなったりなど、モチヴェーションというところでホット・チップとしての録音や活動は以前と変わりましたか?

フィリックス:メンバー? ああ、ロブは10年くらい前からときどき関わっていたけど、ドラムのサラ・ジョーンズは新しく加わったメンバーと言えるかな。そうだね、ある程度変化していると言えるんじゃないかな……たとえばアル・ドイルの作詞やソングライティング面での影響力が大きくなったし、バンドのサウンドにもバンドの変化が表れていると思う。でもそれはホット・チップのこれまでのアルバムにも言えることだよ。僕らはいつもバンドの外で他のプロジェクトをやって、そこからのインスピレーションをまたバンドに持ち帰ってくるんだ。

デ・ラ・ソウルを迎えることになった経緯、録音の様子を教えてください。また、なぜ他の曲ではなく“ラヴ・イズ・ザ・フューチャー”を歌ってもらったのでしょう?

フィリックス:たしかジョーが最初にそのアイデアを思いついたんだ。なにかこれまでのアルバムでやっていない新しいことをしてみたくてさ。それで僕らのレーベルに、彼(ポス)に連絡してもらうように頼んでみたら、彼からいいよって返事がきた。あの曲にした理由は、んー……あの曲がいちばんわかりやすくヒップホップっぽいビートだったし、テンポもちょうどよかったからかな。全体の雰囲気がぴったりだったんだ。他の曲でもよかったんだけど、ポストゥノゥスとのコラボレーションにはあれがしっくりきた。

スクリッティ・ポリッティもアレクシスさんたちと同様、優れたソングライターですね。どんなところに共感しますか? またどの作品が好きですか?

フィリックス:スクリッティ・ポリッティが好きなのはおもにアレクシスだから、僕にはちょっと答えにくい質問だけど……彼はかなりアヴァンギャルドなバックグラウンドからきていて、ちょっと変わった人なんだけど、それでいてメインストリーム・ポップの位置にいるから、僕らは彼に一種のつながりを感じるんだ。かなり非凡で、エキセントリックなイギリス人アーティストだよ……いや、正確に言うとウェールズ人か。

どんなかたちのアートであれ、いいアートっていうのにはユーモアと真面目さは混ざり合って共存しているものだと思うけど、僕らの音楽もそれと同じことだよ。

毎作、洒落た皮肉が隠されていますが、今作最大の皮肉は?

フィリックス:もちろん僕らはいきなり大マジメになったりしたわけじゃないし、今回のアルバムにもたくさん茶目っ気やふざけた要素が入っていると思う、いつも通りにね。でも、皮肉っていうのはどうだろう……。正直、僕らがどういうふうに皮肉と関わってきたかよく分からないな。皮肉っていうと、何かを笑ったり、笑いものにするために何かを引っ張り出してきたり、あるいは自分のやっていることに対して真剣じゃなかったりっていうことを想像する人が多いよね。僕らは遊び心を持っているし、自分たち自身についてそんなにしかつめらしく構えているわけじゃないけど、特別に皮肉っぽいわけでもないと思う。すべてジョークのつもりでやってるわけでもないし。どんなかたちのアートであれ、いいアートっていうのにはユーモアと真面目さは混ざり合って共存しているものだと思うけど、僕らの音楽もそれと同じことだよ。

バンド中、いちばんファンクに影響を受けているのは誰ですか?

フィリックス:たぶんいちばんはアレクシスかな、昔からプリンスやスティーヴィ・ワンダーがすごく好きで、彼らがアレクシスにとっての主なインスピレーション源になっていると思うから。

あなたがたは、無理に若づくりすることもなく、また枯れることもなく、自然に音楽をつくっているように思います。人気バンドとしてのプレッシャーもあるかとは思いますが、どうしてそのようにいられるのでしょう?

フィリックス:人気の点では、僕らはとてもラッキーなことに、一気にブレイクしたりせず、かなりゆっくり堅実に成長してきたから、それをプレッシャーに感じたことはないよ。僕らの音楽を聴いてくれる人たちがいるっていうことにとても感謝しているんだ、それって当たり前のものではけっしてないからさ。だから、それに圧倒されたり、それが音楽を作るうえで障害になったことはないし、むしろ作ったものを聴いてくれる人たちがいるっていうことはエキサイティングだよ。それに僕らはただ自分自身に正直でいて、なにか本来の自分たちとはちがうイメージを作ったりしたことはないから、そのおかげで若さをキープしようと苦労したりすることもなくすんでいるよ。でも僕らもまだ30代前半から半ばくらいで、まだ年金暮らししているわけでもないし、あと数年は時代遅れにならずにいられるんじゃないかな。

僕らはただ自分自身に正直でいて、なにか本来の自分たちとはちがうイメージを作ったりしたことはないから、そのおかげで若さをキープしようと苦労したりすることもなくすんでいるよ。

「あと数年」?

フィリックス:ははは、いや、ずっとおもしろいことをやりつづけられるアーティストやミュージシャンもたくさんいるし、要はいい音楽を作れるかどうかってことさ。僕の個人的な気持ちとしては、前回の『イン・アワ・ヘッズ』と今回のアルバムは僕らが作った中で最高の作品だと思うから、もしも僕らがこのままおもしろい音楽を作りつづけられるならずっと続けていくと思うし、そうしたら人々にはそれに付きあってもらうことになるね(笑)。

ジミー・ダグラスとの仕事の様子やエピソードを教えてください。

フィリックス:ジミーとの仕事は直接対面でのやりとりはまったくなかったんだ。僕らが彼にトラックを送って、彼がひとりでミックスをしたから、会うことはできなかったよ。でもその成果には僕らみんなとても満足している。

2枚組になった理由は?

フィリックス:正直そのへんについて僕はよく知らないんだ。でも、アートワークについては前回もアルバムのジャケットになった写真を手がけてくれたニック・レルフとのコラボレーションだよ。今回は、誰もが自分だけの色やデザインを持つことがコンセプトになっているんだ。アルバムを買う人みんなが所有する楽しみを感じられるようにしたくてさ。

ホット・チップからダンス・ビートがなくなることはありますか?

フィリックス:うーん……(しばらく考える)、アレクシスはこれまでに自分のソロ名義でいっさいダンスミュージックと関わりのない音楽を何度かリリースしていると思うけど、ホット・チップはこれからもずっとダンス・ミュージックとの何かしらの関わりは持ちつづけると思うよ。僕らのやっていることに欠かせない要素だからね。次のアルバムがいきなり『ホット・チップ アンプラグド』になって、僕らがウクレレを爪弾いてる、なんていうのは想像できないな。ダンスっていうテーマは維持しつづけると思う。

タイトルは誰の提案ですか?

フィリックス:タイトルはもともと曲の歌詞の中で生まれてきたんだ、だから提案というか思いついたのはアレクシスさ。

また、タイトルの問いかけに対するあなたの答えは?

フィリックス:はははは(笑)。あれは、答えがない質問なんじゃないかな。あれが指しているのは、「make senseする(意味を成す、つじつまが合う)必要なんてあるのか?」、「どうして僕らは自分たちのやっていることが道理にかなっていないといけない、と感じてしまうのか?」、「ただ楽しもう、馬鹿なことをしようよ」っていうことだからさ。

いまのロンドンのクラブはどんな様子ですか?

フィリックス:いまのロンドンのクラブ・シーンは、サウンドも多様だし、すごく刺激的でおもしろいDJたちもたくさんいる。行くべきところさえわかっていれば、まだまだイノベーションは起こっているしコミュニティも健在なんだ。ただ、〈プラスティック・ピープル〉が閉店してしまうのは残念だね。僕らにとっても、他のいろいろなアーティストにとっても重要な場所だったから残念だけど、きっとまた新しくおもしろいものが生まれてくると思う。最近たくさんの新しい規制ができて、クラブの運営が難しくなっているんだ。売春やドラッグの取引がクラブ内であったらその責任も負わなきゃならないし、プロモーターやクラブのオーナーにとっては厳しいビジネスだよ。

スリーフォード・モッズはご存知ですか? 差し支えがなければ教えてください。彼らの音楽をどう思いますか?

フィリックス:ああうん、知っているよ。彼らはポストパンク/ヒップホップみたいな感じのバンドで、あまり他にはないサウンドを持っているよね。要はかなりクレイジーなサウンドだけど、彼らは他の人がどう思うかは気にしないみたいだ(笑)。けっこうパンクで、現代のイギリスでの生活がいかに腐ってるかみたいなことを、放送禁止用語満載で歌っててさ。彼らはクールだよ、とても頭が良い人たちなんだと思うな。

今回僕らはいままでにないほど時間をかけて、納得のいくサウンドを追求したし、僕にとってはこのアルバムは僕らがいままでに作ったなかで最高のアルバムだと思っているから、満足しているといえるね。

フェリックスはテクノやハウスがお好きだと思いますが、チープなサウンドだった初期から比べ、ホット・チップはどんどんバンド・サウンドが強くなっています。今回のアルバムについて、フェリックスとしてはサウンド面で満足していますか?
じつはもっと別のアイディアがあったりしませんか?

フィリックス:うーん、そのとおり僕はテクノやハウスが好きだけど、もともとそういう音楽がバンド自体にとってすごく大きな影響を与えているわけではないんだ。ライヴのときにはよりダンスっぽい面が出てくるかもしれないけど。ただジョーやアレクシスにとっても、昔のハウスはこれまでずっとインスピレーションになっていたと思うけど、今回彼らはテクノやハウスよりも、自分たちのルーツであるヒップホップやR&Bに戻りたかったんだ。サウンド面についていえば、今回僕らはいままでにないほど時間をかけて、納得のいくサウンドを追求したし、僕にとってはこのアルバムは僕らがいままでに作ったなかで最高のアルバムだと思っているから、満足しているといえるね。

ニュー・ビルドはフェリックスが舵を切っているバンドかと思いますが、次作の構想はありますか?

フィリックス:いろいろとプランはあるよ。いちばん最近は僕らの曲“プア・イット・オン(Pour It On)”のビデオを作ったんだけど、とても気に入っている。だからちょうどそこでいったんピリオドを打って、しばらく休みをとるいいタイミングになったんだ。でも僕とアルはスタジオを共有していて、いつも次のニュー・ビルドのアルバムがどんな音になるかについて話をしているよ。ある程度、自分たちを新しく作り替えるようなものになると思う、これまでとはちがったサウンドや、いままでやったことのないことに挑戦したいんだ。次のアルバムができるまでに時間はかかるかもしれないけど、まちがいなく活動を続けてはいく予定だよ。僕らはまだ自分たちがどんなバンドなのかはっきり定まってはいないと思うから、まだ具体的にどうやるかはわからないけど、いったん白紙に戻して新しいことをやるつもりさ。

今後のフェリックス自身の野望を教えてください

フィリックス:野望か……答えるのが難しいな、僕は音楽においては自分が想像したよりもはるか先に到達してしまった感じがするから、そんなに野望っていうものはないような気がする。何かちがうことをしたいなとは思っているし、作曲をしてみたり、音楽以外のこともやってみたいと思っているよ、僕個人的に思っているだけだけどね。ホット・チップとしては、おもしろい音楽を作って世界中を旅しつづけられるといいな。それって素晴らしいことだし、それ以上に望めることなんてそんなにたくさんないよ。いまもツアーをしているし、日本でのショウはまだ何も具体的に決まっていないけど、決まるといいな。できるとしたら、今年の終わりか来年のはじめになると思う。

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アレクシス編!

他のなによりも、音楽は僕に幸福感と生きている実感を与えてくれる


Hot Chip
Why Make Sense?

Domino / ホステス

Electro-popIndie Rock

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ホット・チップが自主制作の『メキシコ・EP』を2001年にリリースしてから14年が経ちました。初期のホット・チップをどう評価しますか?

アレクシス:ひんぱんに聴くわけじゃないけど、何曲かはそれなりにオリジナルでナイーヴかもしれないし、いいんじゃないかと思う。でも、何曲かはよくないね! ジョーはいまでも思い浮かぶようなとてもいい曲をいくつか書いたと思う。初期の曲で僕のお気に入りは“マロウ”と“ヒッティン・スキットルズ”だな。

バンドをはじめてからメンバー間の友情はどのように変化しましたか?

アレクシス:幸運なことに、僕たちはいまだにいい友だちだし、楽しい時間をいっしょに共有している。16才のときほどいっしょにいるわけじゃないけど、いまでも親しい仲だよ。

あなたはデビューから現在にいたるまで、キャリアを通してシンガー・ソングライターでありつづけてきました。ファンはみな、あなたの歌声を愛していると思います。そんなあなたが初期のアバウト・グループにおいて、なぜ歌や曲作りを放棄して即興演奏に向かったのでしょう?

アレクシス:僕は純粋な即興音楽を作りたかったんだ。さらに言えば、すでにある曲を即興で演奏することには惹かれなかった。そんなことをしてもいいものにはならないと思ったんだ。とはいえ、即興演奏に興味をもちながらも同時に曲を書いてもいたよ。
 なにより僕はアバウト・グループの4人でいっしょに演奏することで何が起こるのかを見たかったんだ。曲作りを放棄したというよりも、チャールズ・ヘイワードとパット・トーマスとジョン・コクソンとのコラボレートであることが大切だったんだ。

僕はコレクターだ。大好きなミュージシャンの音楽をもっと聴きたいというか、とくにそのミュージシャンのキャリアにおいて僕が最高だと思う時期の音楽を探しているんだ。

あなたは服や骨董も好きですが、ブートレッグのコレクターでもあります。とくにジョージ・ハリスンの『オール・シングス・マスト・パス』のデモ音源にとても感銘を受けていましたね。未完成のデモ録音の質感に対して憧憬のようなものを持っているのでしょうか?

アレクシス:そう、僕はコレクターだ。未発表のものをいつも欲しているわけではないけど、というより、大好きなミュージシャンの音楽をもっと聴きたいというか、とくにそのミュージシャンのキャリアにおいて僕が最高だと思う時期の音楽を探しているんだ。
 ブートレッグを集め出したのはとても若いころで、ちょうどプリンスのとてもとても有名な『ブラック・アルバム』がブートで流出されたころ(1987~88年)。カムデン・マーケットで『ブラック・アルバム』のブートを探し歩いているうちに、『クリスタル・ボール』や『カミール(Camille)』や『クルーシャル(Crucial)』とか……他の非公式/アウトテイクのコレクションを見つけたんだ。なかでもお気に入りの曲は“オールド・フレンズ・フォー・セール(Old Friends 4 Sale)”と“ウィットネス・フォー・ザ・プロセキューション(Witness 4 The Prosecution)”だね。プリンスのブート同様に他のミュージシャンのアウトテイクを集め出したのは、実際それから数年後のことなんだ。
 プリンス史上でもいわくつきの“ウォーリー(Wally)”というアウトテイクがあって、彼がレコーディングしたあとにそれを全部消してしまって、後日、イチから再レコーディングしたとされている。僕はそれがとっても聴きたいんだけど、たぶん永遠に無理なんだろうね。
 ちなみに、ホット・チップにも未発表曲がたくさんある。いい曲もいくつかあるよ!

あなたのソロ作やアバウト・グループでは、音楽が未完成のままにされているように思えます。ホット・チップでの完成度とは非常に対照的です。音楽を完璧に仕上げることから解放されたいという気持ちがあるのでしょうか?

アレクシス:ちょうど『ラブド・アウト』を作りはじめたときに、日本のバンド=マヘル・シャラル・ハシュ・バズのライヴを観たんだ。彼らの短くて未完成な響きの曲にいくらか影響されたよ。そのうち何曲かは8秒くらいしかない曲もあった! 他にも、ポールの『マッカートニーⅠ』や『マッカートニーⅡ』。とくに前者は未完成な音楽に光を当ててるよね。あと、『ライク・フライズ・オン・シャーベット(Like Flies On Sherbert)』をはじめアレックス・チルトンのレコードにも触発された。
 それで、自分が作っている音楽は、「調理しすぎ」ないで素材を活かしたほうがいいんじゃないかという気がしはじめたんだ。何曲かはどう完成させればいいのかわからなかったんだと思うけど、それ以外の曲に関しては、プロダクションをつけ足したり再録音したりリメイクしたりして曲の持つよさが削れてしまうのが恐くて、わざと素材のままにしておくことにしたんだと思う。やり直しを繰り返して魅力が損なわれないようにしたかったし、録音の最中の即興の要素に興味があったから。
 完璧に仕上げることがベストのときもある。だけど、仕上げることで、楽しんで作っていたはずの音楽が退屈なものに感じられてしまうときもあるんだ。

愛は、それについてどう考えたり感じるかによっていつも変質しているものだよ。誰もがいつだってその秘密を明らかにしたり知ろうと試みている……。

ホット・チップにおける「LOVE」という言葉の意味は変化していると思います。とくに『ワン・ライフ・スタンド』と『イン・アワ・ヘッズ』の間で、愛を乞う立場から、相手へ助言や愛を与える立場へと変わりました。そして、『イン・アワ・ヘッズ』の音と歌詞はとても自信に満ち溢れていました。なにがあなたたちを強くしたのでしょうか?

アレクシス:愛は、それについてどう考えたり感じるかによっていつも変質しているものだよ。誰もがいつだってその秘密を明らかにしたり知ろうと試みている……。
 なにが僕たちが強くさせたかという問いにはどう答えればいいかわからないな。もし僕たちが強いのだとしたら、ビーチ・ボーイズとほうれん草を組み合わせたからかな?

今作『ワイ・メイク・センス?』ではR&Bやソウルの影響が色濃く感じられます。これは意図的しての結果でしょうか?

アレクシス:そうでもないんだ。アルバムとは、つまりなにを残してなにを外すかの結果だ。僕たちはいつだってR&Bを愛してきたし、3曲においていつもより影響が顕著なだけだよ。でも『カミング・オン・ストロング』や『ジ・ウォーニング』での影響と同じくらいだとも思う。ジョーはコマーシャルなディープ・ハウスのリヴァイヴァルにちょっと嫌気がさしてるみたいだけど、それがこれまでとくらべて違いを生んでいるのかもしれない。

今作のアートワークは非常にシンプルでパワフルですね。線のズレがまったく別の絵柄を生んでいます。ホット・チップが歩んできた道のり、あるいはその音楽を表しているように思えます。作者の現代アーティスト=ニック・レルフは、これまでもホット・チップやあなたのソロ作品やTシャツをデザインしていますね。ニックの作品のどんなところが好きなのでしょうか?

アレクシス:ニックは素晴らしいアーティストだ。彼の作品が大好きだよ。彼はとても想像力が豊かで、聡明で、なすことが論理的なんだ。だけど、彼の作品がなぜそうなっているのかというディテールをすべて解き明かすのは簡単じゃない。彼は、ポピュラーなカルチャーとあまり知られていないカルチャーのなかでも僕たちの大好きな要素を参照している。ホット・チップととても相性が良いし、僕は彼と仕事をする前からファンだったと思うし、幸運なことだよね。変わった見方をすれば、僕にとってニックとオリヴァー(・ペイン)はなんだか音楽のデュオのようにも見えるんだ。

※筆者註:ニック・レルフとオリヴァー・ペインは2人組で活動し現代アート界で名を成したが、現在は別々で作品を発表している。

〈Angela Federico〉の“Everything She Wants” Tシャツ。〈Spruce〉60年代オリジナルボディの『ピーナッツ』(スヌーピー)のスウェット。〈キツネ〉の10年くらい前のジーンズ。〈リーヴァイス〉のヴィンテージのポケット付パーカー。〈Vuokko〉の……

スリーフォード・モッズのことは知っていますか? またどう評価しますか?

アレクシス:彼らのことは話に聞いているし、記事を読んだこともあるけど、まだ音楽を聴いたことがないんだ。

新しい音楽でお気に入りのものはなんでしょう?

アレクシス:“マキシマム・ビジー・マッスル”と“クラップトラップ”という曲を作ったジョー(Joe)(https://www.ele-king.net/review/sound_patrol/001231)。

最近のお気に入りの洋服を教えてください。

アレクシス:〈アンジェラ・フェデリコAngela Federico〉の“Everything She Wants” Tシャツ。
〈Spruce〉60年代オリジナルボディの『ピーナッツ』(スヌーピー)のスウェット。
〈キツネ〉の10年くらい前のジーンズ。
〈リーヴァイス〉のヴィンテージのポケット付パーカー。
〈Vuokko〉のジャンプスーツ。
〈Supreme〉のジャンプスーツ。
〈TSPTR〉のスヌーピーのバックパック。
ジョージ・マイケル『Listen Without Prejudice』のスウェット。
〈Primark〉のスウェットとショーツ。

あなた自身に賞を与えるとしたら、どんな賞ですか?

アレクシス:もっともリハーサルをしないソロ・パフォーマーかな?

現在の野望を教えてください。

アレクシス:夢で新曲をつくること。

(筆者註:おそらくポール・マッカートニーが“イエスタデイ”を夢で書いたという話を基にした発言でしょう。)

Why Make Music?

アレクシス:Music makes me feel happy and alive more than anything else.
(他のなによりも、音楽は僕に幸福感と生きている実感を与えてくれるから。)

OUTLOOK FESTIVAL 2015 JAPAN LAUNCH PARTY - ele-king

 夏に入る直前のなんとも言えないこの時期に、恐ろしいまでに最高な低音を浴びせてくれるOutlook Festival。あのサウンド・システムは健在のまま、今年は会場を新木場から渋谷の〈VISION〉に移しての今週末開催されます。過去に開催された日本独自のラインナップやサウンドクラッシュの組み合わせを見ていると、このOutlookが数少ない「日本でベースを鳴らす意味」を教えてくれるパーティだと実感します。そして何よりもベース・ミュージックの面白さに触れることができるまたとないチャンス。デイ・イベントなので普段はクラブへ行けない10代の君もこの機会を見逃さないでほしい。
 本場クロアチアでのOutlookにも出演しているPart2Style SOUNDやGoth-Trad。UKベースの生き字引Zed Bias、香港のDJ Saiyan、若手グライム・ユニットのDouble Clapperzなど、本文には書ききれないほどの重要プレイヤーが6月14日に渋谷を低音で揺らします。それでは当日、巨大なサブ・ウーファーの前でお会いしましょう!

OUTLOOK FESTIVAL 2015 JAPAN LAUNCH PARTY

開催日時:2015.6.14 (SUN)
開催時間 : 14:00 - 22:00
料金 : ADV 4,000 / DOOR 4,800
会場:SOUND MUSEUM VISION , Tokyo
www.vision-tokyo.com
03-5728-2824(SOUND MUSEUM VISION)
OUTLOOK FESTIVAL 2015 JAPAN LAUNCH PARTY WEB
https://outlookfestival.jp

出演:
ZED BIAS (from UK)
MC FOX (from UK)
IRATION STEPPAS (from UK)
Hi5ghost (from UK)
JONNY DUB (from UK)
CHAZBO (from UK)
PART2STYLE SOUND
KURANAKA a.k.a 1945 (Zettai-Mu)
GOTH-TRAD (Deep Medi Music/Back To Chill)
LEF!!! CREW!!! & BINGO (HABANERO POSSE)
$OYCEE(CE$+tofubeats)
BROKEN HAZE
BLOOD DUNZA (from HK)
CHANGSIE
CLOCK HAZARD
Cocktail Boyz (INSIDEMAN&KENKEN)
CRZKNY
DJ Doppelgenger
DJ DON
DJ Saiyan (from HK)
DJ Shimamura + MC STONE
DJ YAS
Double Clapperz
G.RINA
hyper juice
JA-GE
Jinmenusagi
KAN TAKAHIKO
KILLA
MAXTONE Hi-Fi
MIDNIGHT ROCK
MISOИКОВ QUITAВИЧ
NUMB'N'DUB
PARKGOLF
QUARTA330
RUMI
SHORT-ARROW & Ninety-U
SKY FISH + CHUCK MORIS
TAKASHI-MEN
環ROY
TREKKIE TRAX
Tribal Connection
VAR$VS
YOCO ORGAN
ZEN-LA-ROCK

:: SOUND CLASH ::
XXX$$$(XLII&DJ SARASA) vs
DJ BAKU vs
GRIME.JP

:: SOUND SYSTEM ::
eastaudio SOUNDSYSTEM
MAXTONE Hi-Fi

:: VJ ::
MYCOPLASMA ( TREKKIE TRAX )

:: 主催 ::
PART2STYLE with ZETTAI-MU

WHAT IS OUTLOOK???

OUTLOOK FESTIVALとは? 毎年9月にクロアチアで開催される世界最大の“ベース・ミュージックとサウンドシステム・カルチャー”のフェスティバルである。UKではフェスティバル・アワードなどを受賞する人気フェスで、オーディエンスが世界各地から集まり、400組以上のアクトが登場。このフェスのローンチ・パーティは、世界各国100都市近くのクラブ/パーティと連携して開催され、その中でも本場UKまで噂が轟いているのが、日本でのOUTLOOK FESTIVAL JAPAN LAUNCH PARTYである。 

OUTLOOK FESTIVAL JAPAN LAUNCH PARTYは 日本を代表するベース・ミュージックのプレイヤーが集結し、アジア最高峰のサウンドシステムでプレイする、いわばアジア最強のベース・ミュージックの祭典である。さらに世界中で話題沸騰中の「Red Bull Culture Clash」の日本版ともいえる「OUTLOOK.JP SOUNDCLASH」も見どころのひとつであり、他のクラブ・イベントでは見れない企画が満載。日曜の昼間から開催することで幅広い年齢層が集い、今回の開催地「SOUND MUSEUM VISION」はアクセスの良い渋谷にあり気軽に遊べる“アジア最強の都市型ベース・ミュージック・フェス”だ。

PART2STYLE SOUND

世界を暴れ回るベース・ミュージック・クルー = PART2STYLE SOUND。ダンスホール・レゲエのサウンドシステム・スタイルを軸に、ジャングル、グライム、ダブステップ、トラップ等ベース・ミュージック全般を幅広くプレイ。独自のセンスでチョイスし録られたスペシャル・ダブプレートや、エクスクルーシブな楽曲によるプレイも特徴のひとつである。2011年よりは、活動の拠点を海外にひろげ、ヨーロッパにおける数々の最重要ダンスはもちろん、ビッグ・フェスティバルでの活躍がきっかけとなり、ヨーロッパ・シーンで最も注目をあびる存在となっている。海外のレーベル(JAHTARI、MAFFI、DREADSQUAD等)からのリリースやセルフ・レーベ ル〈FUTURE RAGGA〉の楽曲は、ヨーロッパ各地で話題沸騰、数々のビッグ・サウンドやラジオでヘビープレイされ、世界中のダンスホール・セールス・チャートにてトップを飾った。2013年には、日本初のGRIMEプロデューサー・オンライン・サウンドクラッシュ<War Dub Japan Cup 2013>で見事優勝を勝ち取り、国内においてもその存在感を示した。

Goth-Trad

ミキシングを自在に操り、様々なアプローチでダンス・ミュージックを生み出すサウンド・オリジネイター。2001 年、秋本"Heavy"武士とともに REBEL FAMILIA を結成。ソロとしては、2003 年に 1st ア ルバム『GOTH-TRAD I』を発表。国内でソロ活動を本格的にスタートし積極的に海外ツアーを始め る。2005 年には 2nd アルバム『The Inverted Perspective』をリリース。同年 11 月には Mad Rave と 称した新たなダンス・ミュージックへのアプローチを打ち出し、3rd アルバム『Mad Raver's Dance Floor』を発表。ヨーロッパそして国内 8 都市でリリース・ツアーを行なう。このアルバムに収録され た「Back To Chill」が、ロンドンの DUBSTEP シーンで話題となり、2007 年に UK の SKUD BEAT か ら『Back To Chill EP』を、DEEP MEDi MUSIK から、12”『Cut End / Flags』をリリース。8 カ国に及ぶ ヨーロッパツアーの中では UK 最高峰のパーティーDMZ にライブセットで出演し、地元オーディエン スを沸かした。以降、国内外からリリースを続け、ヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニア等、世界中 でコンスタントにツアーを重ねる中、2012 年にはアルバム『New Epoch』をリリースし Fuji Rock Fes 2012 に出演。2011 年~2014 年にかけては、欧米のビッグ・ フェスにも出演してきた。2006 年より開始した自身のパーティーBack To Chill は今年で 8 年を迎え、ついにレーベルを始動する!

Zed Bias

数知れずの謎めいた変名を駆使する90年代後半を引率した、 Zed Bias aka DAVE JONESの活動履歴はそのままUKのダンスカルチャーそのものといえる。 2000年にUKチャートに送り込んだ2STEPの金字塔を打ち立てた彼の作品が 世代をこえてその重要性を再定義したROSKAにリミックスで去年再リリースまでされた。そんなアンダーグラウンドダンスミュージックの先駆者は常に動きを止めない、自宅スタジオで作られたあらゆる名義のサウンドは常にBBC1のスターDJによりプレイリストに加えられ、KODE9、ONEMAN、BENGA、Plastician、そしてSkreamによって瞬く間に広がっていった。 2002年に、より実験性をもったサウンドを目指すMaddslinky名義アルバムではWill White(Propellerheads)Kaidi Tathem,Luca Roccatagliati等をフューチャーしたDUBSTEPの礎を築くサウンドを展開、また2010年にはMr Scruff、Skream、Genna G、Omar等をゲストに”Make a Change”を発表。ジャイルスピーターソンが選ぶワールドワイド・アワードで”Further Away”が3位に入るなど、常に実験性を保ちながらも、UKチャートに食い込むようなビッグチューンを送り込むバランス感覚の優れたプロデューサーである。


interview with QN - ele-king


QN
New Country

SUMMIT

Hip Hop

Tower HMV Amazon iTunes

 以下に掲載するのは、紙版『ele-king Vol.7』(2012年10月20日発行)のQN(現・菊地一谷)のロング・インタヴューの後編、あるいは番外編である。雑誌のほうでは、自身がリーダーを務めていたヒップホップ・ポッセ、シミラボからの脱退の真相やノリキヨとのビーフ、これまでの彼自身の歴史といったディープな話を赤裸々に語ってくれている。

 そういうこともあって、ここに掲載するインタヴュー記事は音楽的な話題に絞ることができた。新しい作品を作るたび、変化と成長を楽しむようにフレッシュなサウンドに挑戦しつづける、ラッパー/プロデューサー、QN/菊地一谷。当時21歳だった若き音楽家が語った言葉は、過去・現在の彼の音楽をより深く聴くための手助けになるのではないだろうか。

 デート・コース・ロイヤル・ペンタゴン・ガーデン(以下、DCPRG)が2012年に発表した『セカンド・リポート・フロム・アイアン・マウンテン・USA』へのゲスト参加や彼らとのライヴ、同年6月に発表したサード・アルバム『New Country』やラウ・デフとのニュー・プロジェクト〈ミュータンテイナーズ〉の興味深いコンセプトについて語ってくれている。最新インタヴューとあわせて楽しんでほしい。

■菊地一谷 / きくちかずや
またの名をQN。2012年までヒップホップ・クルーSIMI LABに在籍。数多くのストリート・ネームを持ち、楽曲も多数手掛けてきた異才にして、理解され難い行動や言動でも記憶されるプロデューサー/ラッパー。前作『DQN忠臣蔵~どっきゅんペチンス海物語~』リリース後、菊地成孔プロデュースによる女優・菊地凛子の「Rinbjö」名義でのデビュー・アルバム『戒厳令』へも参加。2015年、音楽活動を再スタートさせることを宣言し、客演にSEEDA、菊地成孔、NORIKIYO、MARIA、RAU DEF、GIVVN(from LowPass)、田我流、菊丸、高島、北島などを迎えてのアルバム『CONCRETE CLEAN 千秋楽』をリリースした。

きっかけはトロ・イ・モワでしたね。あそこから、アニマル・コレクティヴとかムーとかヤー・ヤー・ヤーズを聴くようになって。あと、ジ・エックス・エックスとか。


DCPRGの『セカンド・リポート・フロム・アイアン・マウンテン・USA』のなかの2曲に、シミラボはゲスト参加してますね。“UNCOMMON UNREMIX”、あれはラップを録り直してますよね?

QN:あれは録り直してますね。

DCPRGは、70年代初期のエレクトリック・マイルスに強く影響を受けているバンドですよね。QNくんやシミラボのラッパーの柔軟なリズム感がDCPRGのポリリズミックなリズムとハマってて、すごいカッコイイですよね。実際やってみて興奮しました?

QN:すげぇ興奮したっすね。〈ageha〉のライヴ(2012年4月12日に行われたDCPRGのアルバムの発売記念ライヴ)も良かったですね。 “UNCOMMON UNREMIX” と“マイクロフォン・タイソン”はもちろんやったんですけど、最後にアンコールで、“Mirror Balls”の生演奏に“The Blues”のラップを乗っけたのがとにかく記憶に残ってますね。あれは、テンション上がったっすね。

それは菊地さんのアイデアだったんですか?

QN:そうっすね。

菊地さんから録音やライヴのときに、「こうやってほしい」みたいなディレクションはありました?

QN:いや、とくに何も指示されてないっす。すげぇ自由にやらせてくれたっすね。「もう好きにやって」みたいな。

オファーのときに、シミラボへの熱いメッセージはなかったんですか?

QN:それはもちろんあったっすね。でも、ちょっと覚えてないっす(笑)。とにかく、シミラボをすごい気に入っていて、応援してるっていうのは言ってくれてましたね。で、オレらもなんとなくイヤな気がしなかったんです(笑)。直感ですね。

菊地さんのことは知ってました?

QN:いや、ぜんぜん知らなくて。

はははは。そうなんだ。シミラボの他のメンバーも?

QN:知らなかったですね。

じゃあ、DCPRGの音楽を聴いて、やろうと決めた感じですか?

QN:そうですね。音を聴いて、これだったらおもしろいものができるなって。ただ、個人的にはもうちょっとできたかなとは思いますね。

なるほど。ところで、『New Country』はこれまでの作品に比べて、ベースとビートが強調されて、よりグルーヴィになった印象を受けました。すごくいいアルバムだなって感じましたし、はっきりと音楽的飛躍がありますよね。

QN:そうですね。まぁ、シリアスなアルバムだとは思いますけど。なんて言うか、ヘイトしているわけじゃないんですけど、ヒップホップがすごい好きだったぶん、それ以外の音楽にもっと触れたくて、去年はずっとロック系の音楽を聴いてました。最近のロックは普通にMPCが使われていたりするから、それは自然な流れでしたね。チルウェイヴとかオルタナティヴ・ロックとかを聴くようになったんです。きっかけはトロ・イ・モワでしたね。あそこから、アニマル・コレクティヴとかムーとかヤー・ヤー・ヤーズを聴くようになって。あと、ベタですけど、ジ・エックス・エックスとか。ヒップホップだと、キッド・カディですね。すごいいいですよね。こういうやり方もあるのかって、影響受けましたね。キッド・カディはヒップホップだけど、なにかちょっと他の音楽も入ってる感覚があって。

キッド・カディはオルタナティヴ・ロックとかサイケデリックの要素もありますもんね。あと、歌詞が内省的ですよね。

QN:そうっすね。かなり内省的ですね。そうやっていろんな音楽を聴いていたのもあって、ネタ掘りが変わってきたんです。有名どころですけど、マイク・オールドフィールドの『チューブラー・ベルズ』にもハマって。『エクソシスト』の主題歌の原曲を弾いてるイカれてる人ですよね。あと、カンとかキャプテン・ビーフハートとか。オカモトズのレイジと彼の友だちの副島ショーゴっていうまじ熱いDJといろいろ情報交換してたんですよね。そのDJはオレの1コ下でとにかくヒップホップが詳しくて、オレはその頃ロックに興味持ってたんで。


結果的に、トーキング・ヘッズにたどりついて。

それは、前作『Deadman Walking 1.9.9.0』を制作しているぐらいの時期ですか?

QN:そうすね。で、結果的に、トーキング・ヘッズにたどりついて。

トーキング・ヘッズ! どのアルバムですか?

QN:アルバムはひととおり持ってるんですけど、衝撃だったのは、『ストップ・メイキング・センス』っていうDVDでした。あれを観て、「わおー!」って思って。とくに好きな曲は“ジス・マスト・ビー・ザ・プレイス (ナイーヴ・メロディ)”ですね。わかります?

いや、その曲、わからないです。

QN:あとはトム・トム・クラブとかにやられましたね。『New Country』を作るきっかけは、わりとトーキング・ヘッズにありますね。

それは興味深い話ですね。トーキング・ヘッズのどこに魅力を感じました? ファンクとロックを融合した音とか、いち早くアフリカ音楽にアプローチしているところか、いろんな側面がありますよね。

QN:そうっすね。いろいろありますけど、これはもうヒップホップだなって思ったんです。だから『New Country』は、オレの勝手なイメージですけど、質感的には、トーキング・ヘッズを意識したんです。そういうのもあって、バンド編成みたいなニュアンスでトラックを作ろうって考えたんです。

Talking Heads “This must be the place (Live: Stop Making Sense)”


『Deadman Walking 1.9.9.0』にもコーラスの女性ヴォーカルや、ヴァイオリン奏者、ギタリストが参加していますよね。シンセを弾いてるサドラーズ・ウェルズっていうのは、たぶんQNくん本人じゃないですか?

QN:あれはオレですね。サンプリングで作っている以上は、要はある意味で、他人の音楽をパクッてるのに近いじゃないですか。これまでは、まあ、盗むっていう発想だったんです。『New Country』は、ギター、ドラム、シンセ、ベースがいて、ラッパーのオレが前に出ているっていう大体5人組ぐらいのバンド編成のつもりで作ったんすよ。そこに、フィーチャリングでたまにホーンが入ってきたりするっていう。でも、基本的にはギター、ドラム、シンセ、ベースをイメージしてサンプラーをいじってましたね。あとちょっと、オレのひねくれが出ちゃって、昔のドラム・マシーンみたいな荒れてる音にしたりもしてますね。


ヒップホップから離れようと思ったら、逆にヒップホップでありたいと思ったというか。

トーキング・ヘッズをはじめ、いろんな音楽に耳を傾けたのが大きかったんですね。ジ・XXを聴いてるってことは、UKのベース・ミュージックも聴いてました?

QN:それは大きかったっすね。去年はもうUKに行こうかなぐらいでしたよ。

そこまでだったんだ。UKのベース・ミュージックのどこに魅力を感じました?

QN:「踊れるなー」ってとこがデカかったっすね。

でも、『New Country』はそこまで思いっきりダンサンブルでもないよね。

QN:まぁ、そうっすよね。1、2、3曲めまでは踊れる感じだとは思いますけど。ヒップホップから離れようと思ったら、逆にヒップホップでありたいと思ったというか。いざ離れてみたら、やっぱヒップホップだなっていう感じになって。『New Country』はバンド編成のイメージといっても、すげぇヒップホップに向き合いましたね。向き合ったって言うと堅苦しいんですけど、思い出して作ったっていう感じですかね。1年間、ロックばっか聴いてきたぶん、なんかちょっと振り返るじゃないですけど。

『New Country』は全曲、QNくんがプロデュースしてトラックを作っていますよね。これははじめてのことで、ひとつの変化ですよね。理由はあったんですか?

QN:そうっすね。シンプルに考えて、必要だと思ってる人だけを呼びましたね。いろんなラッパーに参加してもらってますけど、ビートは全部自分で作りたかったんです。コンセプトが自分の中に強くあったのと、自分の等身大のアルバムを作りたかったので。

QNくんはほんとにハイペースで作品を発表しつづけてますけど、『New Country』はいつから作りはじめたんですか?

QN:『Deadman Walking 1.9.9.0』のリリースが去年の12月だから、『New Country』のビートは12月から4月ぐらいまでに作りましたね。マスタリングの日までレコーディングしてて、超やばかったっす(笑)。『Deadman Walking 1.9.9.0』を作ったあと、思った以上にイメージがわいてきて、リリースする予定はなかったんですけど、1月の段階で7曲ぐらいできちゃったんです。なんかすげぇミニマルっていうか、音数が少ないものができてきて。

音数が少ない、ミニマルというので思い出したんですけど、『New Country』のいくつかの曲を聴いて連想したのは、バスタ・ライムスの“プット・ユア・ハンズ・ホウェア・マイ・アイズ・キャン・シー”だったんですよね。

QN:あー、なんとなくわかります。

Busta Rhymes “Put Your Hands Where My Eyes Can See”

あと、古くて新しい音の質感とかちょっとひねくれたサンプリングのセンスとか、RZAのソロ作の『バース・オブ・ア・プリンス』とかRZAの変名のボビー・デジタルに近いものがあるなぁと。

QN:もしかしたら、それは近いっぽいっすね。わりと。そうかもしれないっすね。『ボビー・デジタル・イン・ステレオ』はたまたま聴いてたっすね。フランス語かなんかのスキットがすげぇ好きで。

『New Country』にはこれまでの作品に比べて、ファンクを強く感じたんですよね。個人的に僕はいままでのQNくんのアルバムでいちばん好きです。本人的にはどうですか?

QN:ほんとっすか。うれしいっすね。ただ、ファンクももちろん好きっすけど、でも意外とファンクっていう気持ちはなかったかな。うれしいことなんですけど。


オレは大人にはならないんで。それはもう考えないようにしてる。

ところで、QNくんはこれまで大人なることを拒絶するような態度をラップで表現してきたと思うんですけど、いまはどうですか? “Better”でも「まだ自分はクソガキだ」ってラップしてますけど。

QN:ああ、『Deadman Walking 1.9.9.0』までは、もう大人になんのか、なっちゃうのか、みたいな感じだったんですけど、『New Country』ではもう開き直ってますよね。“DaRaDaRa”でも「誰がオレをこんなにした? 誰がオレをこんなにアホにした?」とか言い出しちゃってますし(笑)。けっこう開き直ってるんすよ。

QNくんにとって大人になるっていうのはどういうことですか?(笑)

QN:いやー、難しいっすねー(笑)。オレは大人にはならないんで。それはもう考えないようにしてる。

大人になるというのは、QNくんにとってネガティヴな意味合いがあります?

QN:いや、ぜんぜんネガティヴだとは思ってないっすけど。

でも、大人に対する反発心みたいのを強く感じますけどね。

QN:それは、自分にウソをつきたくないっていうのがいちばん近い感覚かもしんないっすね。もちろん尊敬できる大人もたくさんいるんですけど。いままでは、普通や常識をいちおう見て知っておかないと自分がいい方向に行かないんじゃないかって思ってたんですよ。でも、シミラボを辞めるタイミングあたりで、「それは違うよな」って思ったんです。ありのままの自分を認めていかないと、どうすることもできないなって。だから、オレはいまヒップホップもすげぇわかりやすいものが好きですね。自分が好きな90年代のヒップホップがあらためてフィードバックしてきてる感じがありますね。


これまでの自分は何かを演じていないと自分を維持できないタイプの人間だったのかなーって思うんです。でも、このアルバムあたりから、普通に自分のいろんなものを認めてやれるようになった気がしますね。

それと、『New Country』のクライマックスの、“Better”“船出~New Country~”“Flava”の3曲がとくにそうかもしれないけれど、リリックも明瞭に聴き取れて、言葉を伝えようという意識を感じました。

QN:自分の言葉でラップするというのを意識して、それができたのかなとは思います。やっと自分の言葉に消化して表現することができはじめてきたかなって。まだまだ煮詰められるとは思いますけど。『New Country』は、ほんとにすっげー勢いで作ったんですよ。朝から夜まで1日で3曲とか作って。ほんと余計なことを考えなかったっていうことっすね。

勢いもあるんでしょうけど、コンセプチュアルなアルバムでもありますよね。

QN:ほんとそうだと思うんす。でも、ぶっちゃけ後付けですけどね。というか、後付けもなにも、2、3ヶ月の間に自分に起きた現象が全部の曲に自然とはまったんです。それはじつは自分でもけっこうびっくりしてるっていうか。それだけ歌詞がたぶんスマートに出てきたってことだと思いますね。

アルバムのタイトルを直訳すると、“新しい国”ですよね。この言葉が意味するところはなんですか? QNくんのなかにイメージとかあったりします?

QN:そうっすね。どうなんだろ? タイトルどおり、自分の理想郷の話っすね。「ほんとはこうだったらいいのに」みたいな話でもありますね。ただ、『New Country』は、自分で言うのもなんですけど、ほんとにヒップホップのアルバムだと思ってて。ラップもフッド・ミュージックに近づいたっていうか。ラップのフロウの取り方も雑って言えばすごい雑で、細かいって言えば細かいっていう。そういう感じとか、ちゃんとオリジナルのヒップホップに近づいたのかなっていう気はしてますね。いちばん自分らしいアルバムになったんじゃないかなって。これは超イルな発言なんですけど、これまでの自分は何かを演じていないと自分を維持できないタイプの人間だったのかなーって思うんです。でも、このアルバムあたりから、普通に自分のいろんなものを認めてやれるようになった気がしますね。大げさなこともたぶん言ってないし、自分の中にあるもので表現できたかなって。

なるほど。

QN:あと、『New Country』を制作してるあいだ、人との関係とかいろいろシャットアウトしてたっていうか。それぐらいの気持ちになっちゃって。他の音楽とかぜんぜん聴かなくなって。そうじゃないと自分がもたないぐらいの現象が起きてて。とにかくアルバムを作ることしか考えられなかったですね。しかも、自分が作ったものに納得できなかったりもして。まあ、生々しい感じでした。


もう変えてますね(笑)。ヘルメスって名前に。でも、もう変えないっすね。次の名前で終わりっす。それを末永く使おうかと。

ところで、QNって名前を変えるって話を聞いたんですけど、ほんと?

QN:いや、もう変えてますね(笑)。ヘルメスって名前に。でも、もう変えないっすね。次の名前で終わりっす。それを末永く使おうかと。でも、なんかいま、女の子に訊くと、たいがい「QNの方がいいよ」って言われるんですよ。「ヘルメスっていうのヘルペスみたい」って。

はははは。じゃあ、変えないほうがいいよ。名前を変えると、せっかくQNで有名になったのにもったいないよ。

QN:そうですよね。だから次で最後かなって。名前を変えたら、ツイッターのフォロワー200人ぐらい減っちゃって(笑)。

このタイミングで普通はQNって名前は捨てないですよね。

QN:そうっすよね。でも、オレが新しい動きをして、それについて来れなかった人だけがたぶんフォロー外してるんだろうから、それはそれでいいかなって。完全強気っす。

強気だなぁ。

QN:はい。あと、オレら界隈でいま、ミュータントっていう言葉が流行ってるんですよ。シミラボも最初は街に黒いシミができて、その黒い液体が人の形になって、音楽を作りはじめるっていうストーリーがあったんです。要はSFなんすよね。ミュータントって突然変異体って意味ですけど、もともとは差別用語だったと思うんです。奇形児とかをミュータントって呼んだりして。べつにオレはハードな環境で育ったわけじゃないけれど、社会不適合者っていう意味ではミュータントなんじゃないかなって。でも、社会不適合者とかミュータントは特別な能力を持ってる人たちなんじゃないのかなって。

なるほどー。

QN:で、ミュータントとエンターテイナーを掛け合わせて〈ミュータンテイナーズ〉ってレーベルを立ち上げたんです。俺とラウ・デフがまとめたグループ名でもあるんです。いまはその新しいプロジェクトでアルバムを制作中っていう感じですね。


愛国と狂気を見つめる - ele-king

アメリカン・スナイパー
監督 / クリント・イーストウッド
出演 / ブラッドリー・クーパー、シエナ・ミラー 他
配給 / ワーナー・ブラザース映画
2014年 アメリカ
©2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
2月21日(土)より、全国公開。

 『アメリカン・スナイパー』劇中、ある海兵の葬儀の場面では弔砲が鳴らされ、トランペットの高らかで悲壮な演奏が響く……日本に住んでいる僕たちでも、この儀式は知っている。なぜならば、何度もその場面をアメリカ映画のなかで目撃してきたからだ。そう、何度も何度も……そこで広がっていくアメリカ映画的としか言いようのない叙情。だけど僕たちは、どうして繰り返し兵隊たちの死を見届けているのだろう?

 イラク戦争で160人を射殺したクリス・カイルを取り上げ、予想を遥かに上回る大ヒットとなっているイーストウッドの新作は、「殺戮者を英雄視する、コンサバティヴな映画」との批判も受けつつ、まさにいまもっともコントラバーシャルな一本としてアメリカを揺らしている。立場的には共和党支持者である(実際は中道に近いとも言われるが)イーストウッドへの色眼鏡もあるのだろう、とくにリベラルを自認するメディアからは疑問の声も多い。オバマ政権の行き詰まりに際して、ブッシュ政権時の「英雄」を浮上させる試みなのではないか、と。
 しかし、たとえばキャスリン・ビグロー『ハート・ロッカー』(2008)を「戦意昂揚映画だ」とするひとがいたときも、自分にはどうも、そんなふうには思えなかった。戦時下のイラクの張り詰める死の匂いのなか、地雷処理という命懸けの作業に向かって行くジェレミー・レナーは大義もないままただ「処理」としての戦争に向かいつづけるアメリカの呪われた姿の化身にしか見えなかったのである。たしかにそこに立ち向かっていく兵士たちは勇壮にも見える。が、イラク戦争においてはそれがいったい何のための勇ましさか見えなくなっていたのは誰もが多かれ少なかれ気づいていたことで、だからそこには剥き出しの映画的反復のみが残っていたのだろう。『アメリカン・スナイパー』のブラッドリー・クーパーも自宅とイラクの戦場を往復するなかで壊れていくが、それでも戦地で遥か彼方の敵に銃を向ける。そうしないと生きる理由を見失う、とでも言うかのように。
 だからこれはイーストウッドが繰り返し描いてきた、トラウマを抱えた男の物語であるだろう。そしてその傷痕は、紛れもなくアメリカの歪みが生んだものである。『ミスティック・リバー』(2003)の頃には「良心的な」アメリカのリベラルたちは「この国にいるのが恥ずかしい」と言っていた。だが、ラストで償いようのない罪を背負うことになるショーン・ペンを思い返すとき、そこに横たわっていたのはイーストウッドからの「それを負え」という重々しい念のようなものだった……かつてひとを殺しまくっていたダーティハリーだけがあのとき、そのことを告げていたのだ。

 『世界にひとつのプレイブック』(2012)でも怒りをコントロールできなくなったブラッドリー・クーパーは、ここでは「レジェンド」と讃えられるいっぽうで精神に混乱をきたし、父であることも剥奪されている。強い父になることがアメリカのかつての理想だったとして、太平洋戦争における『父親たちの星条旗(Flags of Our Fathers)』(2006)、すなわち「父たちのアメリカ」と、イラク戦争における「アメリカの狙撃手」であることには大きな隔たりがあるようなのだ。彼を所有するのはあくまで国家であり、個人であることは後回しにされている。イーストウッドはこれまでも――とくに21世紀の作品において――二分される政治的立場を超える倫理的葛藤を問いつづけてきたが、舞台がイラクであることで、フィルム自体が混乱しているようにも見える。クリス・カイルは英雄か被害者か? ではなく、同時にそのどちらでもあることが起こってしまっている。
 映画ではクリス・カイルが志願したきっかけはテロのニュースを見たからだとされているが、そこで「国のために」と迷いなく宣言する姿を理解することが僕にはできない。しかし理屈ではない何か強烈にエモーショナルな迸りがそこにはあり、だとすれば、それは「政治的立場」なんてものよりも遥かに恐ろしいもののように思える。愛国という狂気の下で、クリス・カイルは英雄の自分と被害者の自分に引き裂かれていった。ただそのことが痛切だ。

フォックスキャッチャー
監督 / ベネット・ミラー
出演 / スティーヴ・カレル、チャニング・テイタム、マーク・ラファロ 他
配給 / ロングライド
2014年 アメリカ
© MMXIV FAIR HILL LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
2月14日(土)より、全国公開。

 ベネット・ミラー『フォックスキャッチャー』もそのような愛国の下で熟成される狂気を見つめる一本である。映画は財閥の御曹司がレスリングの金メダリストを殺害するまでを張り詰めた空気で映し出すが、スティーヴ・カレル演じる御曹司ジョン・デュポンは経済力によってチャニング・テイタム扮するレスリング選手の疑似的な父親になろうと試みているように見えなくもない。が、それはけっして達成されないまま、関与した人間たちの運命をひたすら狂わせていくことになる。
 それはデュポン自身の内面の問題であったからなのか、母親との確執のせいだったか映画では明示されないが、しかし「強いアメリカ」を標榜する彼の目は宙を泳いでいるようだ。それが「ありもしないもの」だったことが証明されたのがこの四半世紀ないしは半世紀だったとして(映画の舞台は30年前)……しかし彼らはなおも、諦められないのだろうか? 映画はそして、「USA!」の大歓声で幕を閉じる。

 愛国心にまつわる問題をアメリカ映画や、あるいはスプリングスティーンの作品などに見出してきたとき、ヘヴィなものだと認識はしつつもそれでも「よそのこと」だと感じていたのだと僕はいま認めざるを得ない。なぜなら、ここに来て日本に住む人間にとってもそれが急激に生々しいものとして立ち上がってきているからだ。「強い国家」「美しい国」が幻であると、うすうすそのことに気づいていたとしても、熱狂は止められないのだろうか? だとすれば、それはいったいどこに向かっているのだろうか?

 『アメリカン・スナイパー』のエンド・クレジット、そこで流れる映像にはただうなだれるしかなかった。それはたぶん、これからもその場面を繰り返し見なければならないという予感が的中しているからだろう。

『アメリカン・スナイパー』予告編

『フォックスキャッチャー』予告編

Carlton and the Shoes - ele-king

 恋したときの気持ちというのは、悲しいかな、時間とともに薄まり、そして忘れていくものである。理屈でわかっていても、それが性の衝動と結びついている以上、動物としてやむを得ないのかもしれない。しかし、カールトン・アンド・ザ・シューズを知っている私たちは、恋したときの気持ちを何度でも思い出すことができる。私たちは生きている限り、“ラヴ・ミー・フォーエヴァー”や“ギヴ・ミー・リトル・モア”を何度でも繰り返し聴くだろう。
 ジャマイカが生んだ伝説的なロックステディ・グループ、カールトン・アンド・ザ・シューズが来日する。すでに涙ぐんでいる人もいるのではないだろうか……来日を記念して、7インチ・シングルもリリースされる。

 以下、OVERHEATから告知文です。

 1992年に開催された”Rock Steady Night”でGladstone” Gladdy” Andersonらと初来日し、SKA、Rock Steady、Reggaeファンを驚喜させたCarlton and the Shoes(カールトン・アンド・ザ・シューズ)が帰ってくる!!!

 1966年から1968年のジャマイカでは、それまでのSKAに変わりRock Steady(ロック・ステディ)が大流行。その中でもRock Steadyを代表する最高峰のコーラス・グループと言えばCarlton and the Shoesをおいて右に出るものはいない。しかし、当時(76年)わずかたった1枚のアルバム『LOVE ME FOREVER』をCoxsone Doddのレーベル、Studio One(ジャマイカのモータウンと言われる)からリリースしただけであったが、その高い評価は今でも同じである。こうしてジャマイカ音楽の発展に多きな影響を与えた1stアルバムはクラッシックと呼ばれ、その作曲センスと絶妙なハーモニー・ワークは唯一無二、その後にリリースされた2ndアルバム『THIS HEART OF MINE』(Quality)の発売は82年である。
 そのアルバムは日本でもフィッシュマンズの曲「ランニングマン」にも影響を与え、クレモンティーヌが「Give Me Little More」をカヴァーしたり、最近ではCHAN-MIKAも同曲をカバーしたりというように何度も再発やカバーが繰り返されている超名盤である。
 そして昨年(2014年)は精力的にLAやシエラネバダ・ワールドミュージック・フェスへの出演を果たしている。

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〈ツアー日程〉
4月23日(木) 名古屋 クラブクアトロ(Tel:052-264-8211) /
ADV ¥4,500 DOOR ¥5,500
4月24日(金) 代官山 UNIT(Tel:03-5459-8630) /
ADV ¥4,500 DOOR ¥5,500
他、追加予定あり
チケット:2月28日 各プレイガイドにて発売予定
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■来日記念盤として7インチ・シングルも発売!!

発売日:2月20日 1,200円(税別)OVE-7-0123
Side A : You(Part1) / Carlton and The Shoes
Side B : Wanna Be Free / Carlton and The Shoes

 『LOVE ME FOREVER』(Studio One)をリリースした後、『THIS HEART OF MINE』をQualityからリリース。どちらも再発され続けているのはご存知の通り。ジャマイカン・アーティストの中でもオリジナルな曲センスとコーラス・ワークには世界中のマニアが一目置くところ。 昨年のLA公演も話題となっている彼らの来日にも期待がかかるが、今回は90年代の音源から選曲されたRock SteadyとSKAがカップリングされた良質な7インチ発売です。

Side A : You(Part1) / Carlton and The Shoes
『THIS HEART OF MINE』に続き95年、OVERHEATからリリースされたアルバム『Sweet Feeling』収録の純甘Rock Steady曲。 エレキ・ドラムにうねるベース、ジャマイカのゲットーを思わせる重いスリリングなリズムに極上のハーモニー。Rock Steadyに似合うのはやはりLove Songだと確信させられる曲。

Side B : Wanna Be Free / Carlton and The Shoes
ディーン・フレイザーとヴィン・ゴードンのホーンで始まる軽快なスカ・チューン。
2002年にOVERHEATからリリースされたアルバム『Music For Lovers』に収録されていた曲。カールトンの脱力ヴォーカルにからむコーラスとホーン・セクションに加え、ピアノの裏打ちはメロウ・キーボーディストことロビー・リンである。


DRUNKEN STEIN (Some Song Teachers @ OATH) - ele-king

合法ダンス元年を迎えるにあたり抑えておきたい10のダンス 2014/11/25

丘ダンサーのドランケンです。
青山のOATHでSome Song Teachersってパーティーやってます。隔月第4土曜日です。
https://somesong.jp

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