「P」と一致するもの

flows - ele-king

 2010年にヌジャベスが他界して15年が経つ。彼の音楽を未来につなぐプロジェクト、Nujabes Metaphorical Ensembleによるイヴェント「flows」が、12月28日(日)恵比寿ザ・ガーデンホールにて開催される。

 ラインナップには70歳を超えたいまもシーンに影響を与え続けているフランソワ・K.、ヒップホップを中心に幅広いリリースを重ねるレーベル〈Stones Throw〉に所属する次世代プロデューサー・Knxwledge、ヒップホップの枠を飛び越えた活躍を続けるSTUTS、東京が世界に誇るヴァイナル・ディガー、DJ NORIとMUROによるユニット・Captain Vinylを迎えるほか、レコード・コレクターとして知られ、さまざまパーティで辣腕をふるうAbiuと、メンバーそれぞれが個性ある活動をするクリエイティブ・コレクティブw.a.uの出演も決定している。

 開催当日は、Nujabes Metaphorical Ensembleと、ニューヨークを拠点に活躍する現代アーティストMeguru YamaguchiとのコラボレーションTシャツや、Francois K. のキャリアをモチーフにしたTシャツなどを会場限定で販売するとのこと。親子でも楽しんでもらえるよう、子どもたちとともに休息できるセーフティ・スペースも設置されるようだ。

flows
2025.12.28( Sun) 2PM-9PM
at The Garden Hall(東京都目黒区三田1-13-2)

LINE UP:
Nujabes Metaphorical Ensemble
Francois K.
Knxwledge
STUTS
Captain Vinyl(DJ NORI & MURO)
Abiu
w.a.u

ADV TICKET:
https://flows.zaiko.io/item/375732

Early Bird / ¥6,000 (Limited 100) SOLD OUT
Category 1 / ¥7,800 SOLD OUT
Category 2 / ¥8,800 SOLD OUT
Category 3 :¥9,800
U-23:¥6,000 (100枚限定)

HP : https://flows-jp.com
Instagram : https://www.instagram.com/flows_jp
X : https://x.com/flows_jp

Die Unbekannten, Shark Vegas - ele-king

 あとから考えてみると、あの時代、イギリス人がドイツに移住することは、政治的な意味でもかなりの冒険だった。戦後という時代のなかで、イギリスには強固な嫌日本、そして嫌ドイツの感情がくすぶっていたからだ。昨年、マーク・リーダーに話を訊いたとき、彼がいじめられっ子で、クラスメートからいじめられる際に「このドイツ人」と言われたことが、ドイツへの愛情が芽生えていったきっかけだったと彼は言った。この逸話は、パンクの逆張りがイギリスの嫌うモノを賞揚したしたことを思えば、なるほど興味深い。
 リーダーがドイツのベルリンに移住したことで、〈ファクトリー〉はベルリンとの回路を作った。そして、UKポスト・パンクとベルリンの交流ははじまった。(リーダーが女性パンク・バンド〈マラリア!〉のマネジメントをしたことも重要である。バンドのリーダー、グドルン・グートはいまやフェミニスト・パンクの始祖のひとりとして、ルクレシア・ダルトのように恩人に思っている女性アーティストは少なくない。また、90年代には、リーダーのレーベル〈MFS〉から電気グルーヴのドイツ・デビュー盤「虹」がリリースされたことは、周知の通りである)

 ディー・ウンベカンテン(Die Unbekannten)、そしてシャーク・ヴェガス(Shark Vegas)とは、リーダーが1980年代初頭の西ベルリンではじめた伝説的バンド。これらのバンドの作品は長いこと絶版で、いちぶのマニアのみが聴ける状況だった。今回、日本の〈Suezan〉レーベルがこれらのバンドの従来の作品に、貴重な未発表音源を追加した決定的なリイシュー盤をリリースする。ちなみにシャーク・ヴェガスはコニー・プランクのプロデュース作。またディー・ウンベカンテンのほうには、マーク・リーダーによる自叙伝が付いている。なんとも魅力的な当時の写真とともに、リーダーが見た1980年代初頭のベルリンのシーンや彼の半生が描かれている(日本語訳です)。このブックレットだけでもそうとうに価値があるでしょう。詳しくはレーベルのホームページをどうぞ。
 ともに12月19日発売です。


Die Unbekannten (ディー・ウンベカンテン)
Don’t Tell Me Stories+書籍


Shark Vegas (シャーク・ヴェガス)
You Hurt Me


GEZAN - ele-king

 現代日本におけるオルタナティヴ・シーンの筆頭とも呼ぶべきバンド、GEZANが7枚目のニュー・アルバムを2月11日にリリースする。『あのち』以来およそ3年ぶりのそれは『I KNOW HOW NOW』と題されており、日本各地でのツアーや世界をめぐった経験が活かされているようだ。
 3月14日には日本武道館での単独公演を控える彼らだが、今年つづけられてきたツアー「47+TOUR『集炎』」の最後の追加3公演が決定してもいる。詳しくは下記より。

GEZAN、7枚目のアルバム『I KNOW HOW NOW』を来年2月に発売決定。
先行シングル“数字”のMVを本日21時にYouTubeにて公開、12/15(月)0:00より配信スタート。
現在敢行中のツアー「47+TOUR『集炎』」最後の追加3公演も同時解禁。

GEZANが、“予感”と“新呼吸”をテーマに制作した7枚目となる最新アルバム『I KNOW HOW NOW』を、日本武道館での単独公演を控える来年2月に発売することを発表した。全国ツアーや世界を旅した痕跡が編み込まれた今作は、全編が透明な歌もので構成されている。

最新アルバムからの先行シングル「数字」は、12/15(月)0:00より各サイトにて配信リリース。アートワークは写真家 Kohei Kawatani が担当。
さらに、映像作家の堀田英仁が監督した同曲のミュージックビデオが12/14(日)21:00にYouTubeにて公開された。
ツアーの合間を縫って全編ロケされた映像は、新潟を舞台に、まるで映画のような重量感を持つ作品に仕上がっている。

堀田監督コメント

いつも楽曲を初めて聴いたときに浮かんできた映像のイメージをなるべく大事にするようにしているんですが、それが”耳から血飛沫”と”車の横転”でした。
ちょうど日比谷野音のライブを観た後だったので、マヒトくんのMC、「俺たちはGEZAN。おまえらの退屈をぶち壊すバンド。」って言葉が脳裏に焼き付いていたので、そことリンクしたんだと思います。 その”耳から血”というキービジュアルからストーリーを逆算し、過ぎ去っていく日常にどこか退屈を感じているキャストの3人が、GEZANの音楽に触発され、耳から血が噴射するといった企画にしました。血飛沫と言っても、ネガティブな破壊ではなく、身体がどんどん解放され、清々しくなっていくイメージを大事にしながら撮影しました。

撮影で意識したことは、GEZANをアイコニックに、POPに描くこと。GEZANのこれまでとこれからを考えたときに、今回はその方向性がタイミング的に良さそうという僕のなんとなくの勘です。

そして全国47都道府県に中国・上海公演を加えた全50公演で展開してきたGEZANのツアー「47+TOUR『集炎』」より、最後の追加3公演が決定した。
LIVE HOUSE FEVERでの2デイズ(DAY52&DAY53)にはNikoん、NOT WONK、the hatch、DOGOが出演。
そして最終追加公演となるDAY54では、11月の「尽未来祭 2025」で30周年を迎えたばかりのBRAHMANとの一騎打ちが再び実現する。
2025年4月より開始し駆け抜けてきた本ツアーの最終追加公演として、見逃せない3公演が出揃った。

ツアーの最終地点は、2026年3月14日(土) ・日本武道館での単独公演。
チケットのプレオーダー(抽選)はただいまよりe+にて受付スタート。

▼GEZAN最新アルバム情報
発売日:2026年2月11日(水曜日)
アルバムタイトル : I KNOW HOW NOW
※アルバムジャケット、トラックリスト等の詳細は追って公開予定。

▼先行シングル「数字」
配信LINKs : https://linkco.re/f6nqNp76
Music Video : https://youtu.be/sEDOdlmU2I8

▼十三月 presents GEZAN 47+TOUR「集炎」追加公演詳細

▽DAY52
・出演:GEZAN/Nikoん/NOT WONK
・日時:2026年1月20日(火曜日)開場/開演 17:45/18:30
・会場:LIVE HOUSE FEVER
・料金 : 前売 5,000円(税込)
・問い合わせ : info01@fever.co.jp

▽DAY53
・出演:GEZAN/the hatch/DOGO
・日時:2026年1月21日(水曜日)開場/開演 17:45/18:30
・会場:LIVE HOUSE FEVER
・料金 : 前売 5,000円(税込)
・問い合わせ : info01@fever.co.jp

▽DAY54
・出演:GEZAN/BRAHMAN
・日時:2026年2月23日(月曜日・祝日)開場/開演 17:00/18:00
・会場:CLUB CITTA'
・料金 : 前売 5,000円(税込)
・問い合わせ : CLUB CITTA' 044-246-8888 (平日12:00~19:00)


チケット情報
----------
・一般発売 : 2025年12月27日(土曜日)12:00
・前売券取扱箇所:e+ < https://eplus.jp/gezan/
===
※チケット抽選先行あり
・受付URL : https://eplus.jp/gezan/
・受付期間:2025年12月14日(日曜日)21:00 ~ 12月21日(日曜日)23:59
===
----------

▽「47+TOUR『集炎』」会場限定 : GEZAN live album『炎奏録集』発売中!
詳細 : https://gezan.net/2025/07/08/ensourokusyuu/

▽47+TOUR「宣誓」動画URL
https://youtu.be/-OtsRrKevDk

▽47+TOUR「DAY1 難波BEARS」ドキュメンタリー動画URL
https://youtu.be/S-g5MZGwdgM

▽47+TOUR『集炎』日程
――
DAY1・4月11日(金) 大阪・難波BEARS *SOLD OUT
DAY2・5月5日(月)  中国・上海 MAO Livehouse
DAY3・5月30日(金) 千葉・LOOK *SOLD OUT
DAY4・5月31日(土) 栃木・HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
DAY5・6月7日(土)  北海道・札幌PENNY LANE24 *SOLD OUT
DAY6 ・6月12日(木) 広島・4.14
DAY7・6月14日(土) 山口・BAR印度洋
DAY8・6月15日(日) 香川・TOO-NICE *SOLD OUT
DAY9・7月12日(土) 東京・Spotify O-EAST *SOLD OUT
DAY10・7月15日(火) 埼玉・HEAVEN'S ROCK Kumagaya VJ-1
DAY11・7月17日(木) 群馬・前橋DYVER
DAY12・7月19日(土) 愛知・名古屋CLUB QUATTRO
DAY13・7月20日(日) 山梨・甲府KAZOO HALL
DAY14・7月23日(水) 長野・松本ALECX
DAY15・7月29日(火) 茨城・club SONIC mito
DAY16・7月31日(木) 神奈川・F.A.D YOKOHAMA *SOLD OUT
DAY17・8月2日(土)  島根・出雲APOLLO
DAY18・8月3日(日) 鳥取・米子AZTiC laughs
DAY19・8月9日(土)  福島・club SONIC iwaki
DAY20・8月10日(日) 山形・酒田市 出羽遊心館 *SOLD OUT
DAY21・8月11日(月祝) 宮城・仙台MACANA
DAY22・8月19日(火)  宮崎・LAZARUS
DAY23・8月20日(水) 鹿児島・SR HALL
DAY24・8月21日(木)  熊本・NAVARO
DAY25・8月23日(土) 福岡・BEAT STATION
DAY26・8月24日(日) 長崎・STUDIO DO!
DAY27・8月26日(火) 佐賀・RAG.G
DAY28・8月27日(水)  大分・club SPOT *SOLD OUT
DAY29・8月30日(土)  静岡・磐田 FMSTAGE *SOLD OUT
DAY30・8月31日(日)  愛知・CLUB UPSET *SOLD OUT
DAY31・9月14日(日) 沖縄・Output
DAY32・9月18日(木)  福井・CHOP
DAY33・9月20日(土)  富山・Soul Power
DAY34・9月21日(日)  石川・金沢vanvanv4
DAY35・9月23日(火祝) 新潟・GOLDEN PIGS RED STAGE *SOLD OUT
DAY36・9月25日(木)  岩手・the five morioka
DAY37・9月27日(土) 青森・ 八戸 6かく珈琲
DAY38・9月28日(日) 秋田・Club SWINDLE
DAY39・10月3日(金)  兵庫・太陽と虎 *SOLD OUT
DAY40・10月5日(日)  大阪・GORILLA HALL OSAKA *SOLD OUT
DAY41・10月7日(火)  滋賀・B-FLAT
DAY42・10月9日(木) 京都・磔磔
DAY43・10月11日(土) 和歌山・CLUB GATE
DAY44・10月12日(日) 奈良・NEVER LAND *SOLD OUT
DAY45・10月13日(月祝)三重・LIVE SPACE BARRET *SOLD OUT
DAY46・10月15日(水) 岐阜・柳ヶ瀬ANTS
DAY47・10月21日(火) 高知・X-pt.
DAY48・10月23日(木) 徳島・CROWBAR
DAY49・10月25日(土) 愛媛・W studio RED
DAY50・10月26日(日) 岡山・YEBISU YA PRO
DAY51・12月14日(日) 東京・LIQUIDROOM *SOLD OUT
DAY52・1月20日(火)  東京・LIVE HOUSE FEVER new!!
DAY53・1月21日(水)  東京・LIVE HOUSE FEVER new!!
DAY54・2月23日(月祝) 神奈川・CLUB CITTA' new!!

47+TOUR FINAL
2026年3月14日(土)日本武道館 単独公演 『独炎』
――

▼GEZAN
2009年、大阪にて結成。
独自の視点とスタイルで表現を続ける一方、自主レーベル「十三月」を主宰。

2021年2月、Million Wish Collectiveと共に制作したフルアルバム『あのち』をリリース。
2023年にはFUJI ROCK FESTIVALのGREEN STAGEに出演し、11月にはコロナ禍を経て4年ぶりとなる主催企画「全感覚祭」を、“Road Trip To 全感覚祭”と題して川崎・ちどり公園にて開催。
2024年には初の中国5都市ツアーおよび台湾公演を実施。8月には結成15周年を記念し、日比谷野外大音楽堂にてワンマンライブを開催。11月には、唯一無二のブッキングで世界中から注目を集めるウガンダのNyege Nyege Festivalに出演。
2025年6月にはドイツ北東部の旧ソ連軍秘密基地跡地にて開催された音楽フェス・Fusion Festivalに出演。

現在、全国47都道府県に中国・上海公演を加えた全54公演におよぶ「47+TOUR『集炎』」を開催中。
ツアーファイナルは、2026年3月14日(土)・日本武道館での単独公演『独炎』となる。

Member : マヒトゥ・ザ・ピーポー(Vo/gt) / イーグル・タカ(Gt) / 石原ロスカル(Dr) / ヤクモア(Ba)

GEZAN official site
GEZAN official X
GEZAN official Instagram
GEZAN official youtube
十三月 official X
十三月 official Instagram

ADM: Asia’s Own Unhinged Club Culture - ele-king

 アジア……といってもW杯アジア予選を見ていると、中東までアジア枠にするのはさすがに無理があるかと思いますが、しかしですよ、中東を抜きにしたって、東南アジアと東アジアではだいぶ文化が違っているし、東アジアに括られる中国も韓国も日本もだいぶ違っている。この違いは、ヨーロッパにおけるドイツとフランスとイギリスとの差異以上のものを感じませんか?
 その話はともかく、Soi48 (宇都木景一&高木紳介)を名乗る日本人のふたりが、東南アジアの諸国のダンスの現場を旅行し、撮影してきました。タイ、ベトナム、ラオス、マレーシア、インドネシア……といった国々のダンス・カルチャーにまつわる写真を『ADM: Asia's Own Unhinged Club Culture』という一冊にまとめて上梓した。興味深い写真ばかりです。ちなみにSoi48は、タイ音楽に特化した『TRIP TO ISAN:旅するタイ・イサーン音楽ディスク・ガイド』(DU BOOKS)も上梓している、この筋のエキスパートなのです。とにかく面白い!  多くの人に見て欲しいです。ヴィニールに密封されているので、立ち読みはできないかも。
 われら日本人もアジア人、しかし、この写真集を見ていると、日本人ってアジア人とも言えない何か変えられたものがあるよなーとつくづく思うのでありますが……でもやっぱどっか共通するところもあったりして。

 以下、彼らのホームページ(https://adm-dj.com/)より抜粋。

 Budots、Saiyor、Vinahouse、慢揺、Fengtau、Funkot、Vei Lerng……「ADM(Asian Dance Music)」とはアジア各地域に分布する、これら聞き慣れないエレクトロニック・ダンスミュージックの形態を総称する造語である。その解釈は単に音楽的構造だけに収斂されるものではなく、DJスタイルから夜遊びの作法、ダンス、ファッショントレンド、SNS、空間デザイン・音響・照明、さらには業界の商慣習から楽曲の流通経路に至るまで、それぞれの土地土地で歴史的・社会的・言語的背景に影響を受けながら、独自の発展を遂げてきた千姿万態のダンスミュージック文化全体をその射程に収める。知覚しうる限りの、アジアの若者たちの生活の実状(リアル)──つまり、もう全部である。

 2017年にタイ伝統音楽の「教科書」とも言える『TRIP TO ISAN 旅するタイ・イサーン音楽ディスク・ガイド』の執筆を終えたSoi48が次に向かったのは、アジアの人々がつくり出す「夜の現場」だ。宇都木景一と高木紳介の二人は仲間たちとともに、タイ、ベトナム、ラオス、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ミャンマー、台湾、韓国、日本を旅しながら、各地のナイトクラブやフェスティバル、シークレットレイヴ、移民労働者向けディスコに通い詰め、関係者たちとの交流を深めながら、その知られざるクラブカルチャーの秘景を記録し続けてきた。

 本書『ADM: Asia's Own Unhinged Club Culture』に収録された計167点の写真は、世界的な隔離期間を含む2017年から2025年のあいだに撮影され、アジア各地域で愛され、育まれてきた「ADM」の生態を写し出した貴重なヴィジュアル・アーカイブを提供している。現地に足を運ぶことでしか得られない独占的なスナップショットの数々は、それぞれの地域のダンスミュージック愛好家たちがもつ創意工夫・機知・情熱の結晶を照らし、均質化するグローバリゼーション中で、またべつの未来を予感させてくれるものである。

ADM: Asia’s Own Unhinged Club Culture
Soi48 (宇都木景一&高木紳介)

https://adm-dj.com/

Shintaro Sakamoto - ele-king

 2026年1月23日に発売される坂本慎太郎の新アルバム『ヤッホー』からの、“おじいさんへ”に続くニュー・シングル曲、“あなたの場所はありますか?”(坂本バンドはこの深い意味を含んだこの曲を去るアメリカ/メキシコ・ツアーで演奏している)のライヴ演奏MVが公開された。見よう! 自分たちの居場所を確保しよう。
 
 zeloneからのメールによると「今回のMVは、アルバム『ヤッホー』のレコーディングが行われたスタジオ、ピースミュージックにて撮影され、演奏もライヴ録音された、このMVでしか聴けないエクスクルーシヴなライヴ音源となっています。監督は山口保幸。演奏は坂本慎太郎バンドー 坂本慎太郎 (Vocal & Guitar)、AYA (Bass)、菅沼雄太 (Drums)、西内徹 (Flute) ——そして録音は中村宗一郎」

 なお、別冊エレキングは、来年1月末に『坂本慎太郎の世界』を刊行します。こちらもこうご期待です。

ヤッホー / 坂本慎太郎 
(Yoo-hoo / Shintaro Sakamoto)

2026年1月23日(金) Digital/CD/LP/リリース
国内デジタルPre-save / Pre-add: https://virginmusic.lnk.to/Yoo-hoo_pre

1. おじいさんへ (Dear Grandpa)
2. あなたの場所はありますか? (Is There A Place For You There?)
3. 正義 (Justice)
4. 脳をまもろう (Protect Your Brain)
5. 時の向こうで (On The Other Side Of Time)
6. 時計が動きだした (The Clock Began To Move)
7. 麻痺 (Numb)
8. なぜわざわざ (Why Do This?)
9. ゴーストタウン (Ghost Town)
10. ヤッホー (Yoo-hoo)

Written & Produced by Shintaro Sakamoto
Recorded, Mixed & Mastered by Soichiro Nakamura at Peace Music, Tokyo, Japan 2025

Vocals, Bass (10), Keyboard, Acoustic, Electric & Lap Steel Guitar: Shintaro Sakamoto
Bass & Chorus: AYA
Drums & Percussion: Yuta Suganuma
Flute & Saxophone: Tetsu Nishiuchi
Marimba: Manami Kakudo (8, 9)

CD (zel-029): 価格: ¥2,600+税 (2枚組/インストBONUS CD付)

LP (zel-030): 価格: ¥3,200+税
Distribution: Bridge Inc. https://bridge-inc.net/

FRIEND IN THE DARK - A David Lynch Night - ele-king

 映画監督であるとともに音楽家/音響作家としての一面も持つ故デイヴィッド・リンチの一周忌を偲び、彼の「80歳」の誕生日を祝うパーティ〈FRIEND IN THE DARK - A David Lynch Night〉が開催されることになった。2026年1月24日(土)、桜台の地下室〈POOL〉にて。リンチが築いてきた「音の世界」を「耳」から再訪/再発見することを志向しているそう。
 出演陣には、ライヴにnakayaan(ex. mitsume)とcheeverによるコラボレーション、本年7月にデビューEP『Long Goodbye』を発表した4人組インディ・バンドHomie Homicide、アンビエントを軸としつつインディ・ロックへの造詣も深いUltrafogを迎える。DJはyusuke tatewakiが「REZNOR set」としてトレント・レズナーに捧げるインダストリアル・メタル的なセットを、chill blankheadがリンチ関連楽曲や彼がかつて愛したオールディーズを織り交ぜる「LYNCH set」をそれぞれ披露するとのこと。
 瞬く間にすぎていった2025年を超えて、早くも折り返しを迎える2020年代。今後も予期せぬ事態が次々と起きるかもしれませんが、ひとまず稀代の映画監督の功績、そして彼が愛した音楽を振り返ってみては。

2026.01.24 (sat) 5PM-10PM

FRIEND IN THE DARK - A David Lynch Night

DOOR 3000yen
at POOL, Sakuradai, Tokyo

LIVE
nakayaan & cheever
Homie Homicide
Ultrafog

DJ
yusuke tatewaki (REZNOR set)
chill blankhead (LYNCH set)

FLYER DRAWING & DESIGN
Haruna Katsuwata (6cm)


“MAX OUT - TAKE A FRIEND.” - D.K.L.

Reservation
https://forms.gle/8mHobZyqAXssJf43A

Contact
chillblankhead@gmail.com

POOL
https://mdel.co.jp/pool/

「私は、明かりの中を独りで歩くより、暗闇の中を友と共に歩く方がいい」
ヘレン・ケラー、1920年代

「イレイザーヘッドーーー暗い厄介事にまつわる夢。この世界には二種類の人々がいる。何事もなく眠る人。そうした夢を見てしまう人。ぶっ飛ぼう(MAX OUT)、友を連れて」
デイヴィッド・リンチ、1993年

映像作家のデイヴィッド・リンチがロサンゼルスの大規模火災からの避難の最中に逝去してから、間もなく一年が経とうとしています。英BBCをして「21世紀最高の映画」と言わしめた『マルホランド・ドライヴ』や、テレビドラマの変革とも謳われた『ツイン ・ピークス』に代表されるドリーミーでユーモラスな視覚表現やストーリーテリングは高く評価されており、美術/グラフィック/ファッションなどの垣根を超えて、今日まで我々の「目」に大きな影響を及ぼしています。

さらに、1970年代の早くから積極的にノイズや通奏低音を取り入れたインダストリアルな音響や 、映像との融合/分裂を同時に起こすショッキングな劇中歌の選曲、アンジェロ・バダラメンティやトレント・レズナーらとのタッグによるダークかつポップなサウンドトラック、ソロの音楽作品やリミックス楽曲等を通して、我々の「耳」にも大きな影響を与えてきた事実は、今後は更に評価されてしかるべきでしょう。

風の音が聞こえて絵画が動いたように感じたという出来事から映像作家のキャリアをスタートさせ、その作品内でも「音楽が人を震わせ、人を動かす」場面をキャリアを通して描き続けてきたことから分かるように、デイヴィッドは「耳で聴く」行為を重んじていました。晩年に彼が毎日のように更新して注目を集めた天気予報の動画においても、彼の語る話題は音楽がその多くを占めていたことも記憶に新しいところです。

そんな音楽家/音響作家としてのデイヴィッド・リンチが築いてきた「音の世界」を「耳」から再訪/再発見するため、彼の一周忌、そして彼の80歳の誕生日を祝うパーティーを2026年1月24日(土)に開きます。デイヴィッドを敬愛するバンドやミュージシャンによるライヴに加え、トレント・レズナーに捧げるインダストリアル・メタルのDJ、そして勿論、デイヴィッドが手掛けた楽曲や彼が愛したオールディーズやブルースをプレイするDJたちが、音響作家としてのデイヴィッド・リンチの死を悼み、夜を彩ります。

会場は、東京・桜台の地下室。デイヴィッドがキャリアを通してこよなく愛したモチーフである「工場」がイベントスペースになっている、文字通りダークでインダストリアルな空間です。当日は、デイヴィッドの映画作品のヴィンテージのポスターのコレクションを展示する等、「目」でも楽しめる空間になります。
冬の夜。都会から少し離れた町。『ツイン・ピークス』の住民たちがロードハウスに集っていたように、地下の暗闇の中、デイヴィッド・リンチという名の友の功績を、大音量(MAX OUT)で称えましょう。

BLACK SMOKER - ele-king

 20世紀初頭のドイツ映画といえば1920年代の表現主義の時代、すなわちドイツ映画の最初の黄金時代なわけですが、1910年代にもいろんな実験作品がありました。それらの映画(もちろんサイレント映画)に、〈BLACK SMOKER〉が生演奏でサウンドを加えます。出演は、千葉広樹、テンテンコ、FUJI|||||||||||TA、山川冬樹 × 伊東篤宏。
 このすばらしい企画が実施されるのは2025年12月20日 (土)、会場は赤坂のドイツ文化会館内ゲーテ・インスティトゥート東京です。

■BLACK SMOKER RECORDS PRESENTS: BLACK THEATER -Sounding Films-
生演奏付き無声映画上映 |映像×音楽。BLACK SMOKERが新たに仕掛けるのは、ドイツの実験的映像と4組のアーティストによる未知なる共生。

ゲーテ・インスティトゥート東京 ホワイエ, 東京
107-0052 東京都港区赤坂7-5-56
ドイツ文化会館内

2025年12月20日 (土)
17:30〜
料金
一般:4500円, 学生:3500円
https://www.goethe.de/ins/jp/ja/ver.cfm?event_id=27172727


ACT
千葉広樹
テンテンコ
FUJI|||||||||||TA
山川冬樹 × 伊東篤宏

今回の企画では、ゲーテインスティトゥート東京が所有している (主に)ドイツ産の短編映画や実験映画、アニメーション等に、BLACK SMOKER RECORDS 選出の実験的且つエンターテイメントとしても楽しめるオリジナリティー溢れるアーチスト達が音~音楽でコラボレーションし、「映像と音楽の幸せな共生」を探ります。 この試みは、映像と音の新たな出会いと関係を如何に創造し更にはいかに鑑賞者とそれらを共有出来るか、そして願わくば、其々の創作者(映像作家と音楽家)や鑑賞者の意図や思惑を超えた新たな化学反応を体験、体感することを目指します。

-Time schedule-

16:00- Open
17:30- 千葉広樹
18:40- テンテンコ
19:30- FUJI|||||||||||TA
20:30- 山川冬樹 × 伊東篤宏

--

■ 千葉広樹
ー Lotte Reiniger の影絵アニメーション ー
(Lotte Reiniger 作品集より4作品)
1. Papageno (1935) 〈11min〉
2. Cinderella (1922) 〈13min〉
3. The Star of Bethlehem (1956) 〈18min〉
4. Galathea (1935) 〈11min〉
〈total 52-53min〉

世界的に有名な、ドイツの影絵/切絵アニメーションの先駆者であるロッテ・ライニガーの短編4作品に、千葉広樹が新たなサウンドを手掛けます。 一見、インドネシアの影絵芝居にも似ていますが、その切絵技法と動きは、ロッテ・ライニガー独自の繊細さと大胆さを兼ね備えた、観るものを魅了する作品揃いです。

--

■ テンテンコ
ー MAN AND MASK[Oskar Schlemmer]
(BAUHAUS作品集「STAGE AND DANCE 」より)
MAN AND MASK OSKAR SCHLEMMER AND THE BAUHAUS STAGE (1922〜29)(1969 Reconstruction) (Reconstruction / director: Margarete Hasting)〈total 27min〉

1919年にドイツのワイマールに設立された造形学校であるBAUHAUS のシアターワークショップの造形主任だったオスカーシュレンマーによる、人の身体に変容を加えるコスチュームでダンサー達が踊る、BAUHAUSを代表する作品のひとつに、テンテンコが新たなサウンドを加えます。今回の映像は1969年の再演時の映像となります。

--

■ FUJI|||||||||||TA
ー Hans Richter & Kurt Kranz による実験アニメーション ー (BAUHAUS 作品集「MEDIA ART」より4作品)
1.Hans Richter - "Rhythmus 21" (1921/23) 〈 3min〉             
2.Hans Richter - "Rhythmus 23"(1923/25) 〈 3min 〉
3.Kurt Kranz - THE HEROIC ARROW(1930) 〈 8min〉
4.Kurt Kranz - Variations on a Geometric theme(1944/1972) 〈 21min〉
5.Hans Richter - "Rhythmus 21"(1921/23) 〈 3min 〉
〈total 38-39min〉

1919年にドイツのワイマールに設立された造形学校であるBAUHAUS で作られた実験的な映像〜メディアアートの先駆的作品群の中から 今回、Hans Richter(ハンス リヒター)、 Kurt Kranz (クルト クランツ) 2名の作品をとりあげます。上映の順番は今回サウンドを担当する FujiIIIIIIIIIIIta が自ら決めた順番で上映します。

--

● 山川冬樹 × 伊東篤宏
ーDer Student von Prag / プラーグの大学生 (1913)Screenplay: Hanns Heinz Ewers director: Stellan Rye
〈total 46min〉

本作は今回の上映企画中 最も古い1913年(第一次世界大戦直前)に制作された怪奇幻想サイレント映画で、ドイツ最初の芸術映画と言われいます。映画を低級な見世物から芸術へと格上げするのに大きく貢献したと高く評価される作品です。山川冬樹と伊東篤宏によるサウンドと元祖・幻想ホラー映画の合体となります。

sugar plant - ele-king

 90年代日本における重要バンドの一組、当初はヨ・ラ・テンゴやギャラクシー500から影響を受けていたシュガー・プラントが、ついに8年ぶりのニュー・アルバムをリリースする。まだ日は確定していないものの、レコーディングは完了、3月に発売予定とのこと。
 これに先がけ2月7日、下北沢Queにてファースト・アルバム『hiding place』30周年記念公演が開催。当日はその新作アルバムが先行販売される。これはぜひとも駆けつけたいところ。詳細は下記をご確認あれ。

sugar plant Live ~30th Anniversary from hinding place~
今年1995年リリースのデビューアルバム『hiding place』から30年を迎えたsugar plant。この30周年には1996年の名作『after after hours』のリマスター再発、井の頭レンジャーズによるsugar plantの代表曲『rise / happy』のカバーのシングル・リリースを行なった。そしていよいよ30周年のラストを飾る、8年ぶりとなるニュー・アルバムのレコーディングが完了。3月のアルバム・リリースに先駆けての先行販売ライブが決定!
スペシャル・ゲストにThe Moment of Nightfallを迎え、sugar plantは新曲を含めた久しぶりのロング・セットを披露する。

sugar plant Live ~30th Anniversary from hinding place~
2026年2月7日
下北沢Que

出演:sugar plant
Special Guest : The Moment of Nightfall
open 17:30 start 18:00
前売 4,000円 当日 4,500(ドリンク別)
チケットは12月5日よりe+、LivePocket、Que店頭にて発売
3月発売のアルバムの先行販売をします

アルバムからの先行シングル『anything』配信開始!
シェアリンクはこちら
https://big-up.style/kPEUwvX95p

「anything」は、sugar plantが春にリリース予定の新作アルバムからの先行曲だ。柔らかなギターが輪郭をにじませ、淡いシンセが静かに漂う、聴き手を包み込むドリームポップの空間が広がる。劇的な展開を追わず、わずかな揺らぎと時間が宙に浮いたような感覚を大切にしている。初期作に通じる親密さを保ちつつも、静かに新しい表情を見せるsugar plantは、デビューから30年を経ても世界中の新しいリスナーに届く音を磨き続けている
この数年でSpotifyの月間リスナーが7万人を超え、主に北米とヨーロッパでの20代、30代の新しいリスナーを惹きつけているドリーミーなサウンドをさらにアップ・デート。日本初のオルタナティブ・ポップを世界中に発信する。

Debit - ele-king

 今年、2025年の〈Modern Love〉からのリリースは、どれも本当に素晴らしいものばかりであった。アブストラクトなシューゲイズ・ドローンを展開する MOBBS&Susu Laroche『ZERO』、マンチェスターの DJ Tom Boogizm の別名義 Rat Heart による、ギター音響を拡張したモダンなエレクトロニカの傑作『Dancin' In The Streets』、Shifted 名義で〈Hospital Productions〉や〈Avian〉から作品を発表してきた Guy Brewer による、ミニマル・ダブとアンビエントを混交したモダン・テクノの到達点ともいえる Carrier『Rhythm Immortal』などなど、いずれも先端かつ鋭利な作品群である。〈Modern Love〉がついに音楽の最前線へと帰還したかのような印象を抱かせた。

 その作品群の中でも、メキシコ・モンテレイにルーツを持ち、現在はニューヨークを拠点とする電子音楽家デビット(Delia Beatriz)による3年ぶりの新作『Desaceleradas』は、一際鮮烈であった。その夢と現実が交錯する音響は、南米のカミュとでも呼びたくなるような夢幻的サウンドスケープを形成している。
 アルバム『Desaceleradas』の根底には、モンテレイのストリート文化が生んだクンビア・レバハーダ(cumbia rebajada)の歴史的記憶が横たわっている(らしい)。クンビアとは南米コロンビア発祥のダンス・ミュージックであり、カリブ海沿岸地域で先住民、アフリカ系、スペイン系文化が融合することで生まれた。シンプルな2拍子リズムが特徴といわれる。
 「クンビア・レバハーダ」は、そのテンポを大幅に落とした派生形で、1960〜70年代に、カセットデッキの不安定な再生によって自然に速度が落ちたクンビアのサウンドが、若者たちに支持されたことがはじまりという。原曲よりも10〜30%遅いテンポと沈み込むピッチにより、重低音の揺らぎと粘性の高いグルーヴが際立つ。モンテレイの若者文化「チョロンビアーノス」(cholombianos)の象徴であり、地域のアイデンティティを支えた唯一無二のメキシコ産ダンス・ミュージックである。21世紀以降は NAAFI や DJ Python の活躍を通じて国際的評価を高めた。

 『Desaceleradas』を主導する音像は、クンビア/クンビア・レバハーダを象徴するアコーディオンの音の輪郭である。テープ・ヒスや電磁ノイズの霧の奥から断続的に立ち上がり、倍音構造のみが残されていく。特徴的なリズムはほぼ完全に消失し、テンポは固定点を欠いたまま漂流する。特に9曲目 “Gabriel Gabriela Dueñez” では、旋律そのものが崩壊の縁で揺らぎ、音と沈黙の境界が緩やかに溶解していく。劣化した録音媒体の断片と人工的処理が折り重なり、過去と未来の位相が消滅するような聴取体験をもたらす。その強烈な未聴感は、聴き手から言葉を奪うはずだ。
 デビットは本作で、民俗的素材と電子的処理の交錯を「音響的遺伝子操作」のように提示した。アコーディオンやリズム断片はアナログ・シンセによって変質させられ、テープ・ループとディレイによって時間軸が交錯・伸縮する。この音響合成は、AI合成声とマヤ神話的時間を接続した前作『The Long Count』の延長線上にあるといえよう。すなわち「歴史がテクノロジーによって再構築される」過程の探究である。
 『Desaceleradas』が提示する未知の聴取体験は、アンビエント的静謐を参照しながらも、その中心には「ひずんだ時間経験」の提示がある。音は歪み、時間は断絶し、身体感覚は宙づりにされる。デビットは音楽の享楽性を細かく解体し、アンビエント音響へ再構築する。クンビアの奥底に沈殿していた郷愁、孤独、断絶の残響を、彼女はアンビエントとして抽出していく。
 6曲目 “Cholombia, MTY” は、メキシコ北部都市文化特有のサウンドスケープが電子的腐食を受け、ゆっくりと溶解していく。南米的インダストリアル・アンビエントとでも呼びたくなるような楽曲だ。7曲目 “El Puente del Papa” では、アコーディオンの旋律がノイズの雲間から一瞬姿を見せ、すぐに消える。記憶の内部にしか存在しない旋律を徹底して音響化したトラックであり、ザ・ケアテイカーの手法とも通じる。11曲目 “Desaceleradas” では、全編に散在した残響がゆっくりと時間へ回収されていき、減退・縮減・遅延・消失といった音響的主題が見事に収束する。

 デビットが本作で突きつける問いは明快だ。「テクノロジーによって減速された身体は、どのように記憶を保持し得るのか」である。スロー化とは単なるテンポ変更ではない。そうではなく「経験の速度そのものの編集」だ。情報加速が感覚の空洞化を生む現代社会において、彼女は「減速」を抵抗と再生の手段として提示する。かつてモンテレイのストリートで生まれたスロウダウンしたリズムは、21世紀の情報社会における〈遅延の抵抗装置〉として再活性化されていくのだ。
 『Desaceleradas』は、クンビアの亡霊的残響とテクノロジー処理が交差する音響を描き出すわけだ。「減速」という操作がもたらすのは、音楽の文化的再配置であり、記憶の再編集なのである。アンビエントでもドローンでもなく、しかしアンビエントでもありドローンでもある。クラブ文化の記憶を遠く反射させながら、デビットの音は既存の系譜への回収を拒む。身体、時間、地域性、テクノロジー、電子処理。それらの境界線を曖昧化し、音楽/音響の定義を問い直していくのだ。
 速度を落とすこと。音を溶解させること。そして、沈黙を聴くこと。デビットの手にかかれば、それら一つひとつが文化的抵抗であり、過去と未来への「祈り」なのである。

P-VINE - ele-king

 来たる12月24日、日本のレコード会社Pヴァインが設立50周年を迎える。1975年、もともと故日暮泰文と高地明による雑誌『ザ・ブルース』の商業誌化をめざすところからはじまった同社(旧ブルース・インターアクションズ)は、こんにちではさまざまなジャンルを手がけ、日本有数のインディ・レーベルとなっている。
 記念すべきこの50周年を祝し、本日特設サイトがオープン(https://special.p-vine.jp/50th/)。コンテンツは随時追加されていくとのこと。また、50周年記念キャンペーンの第一弾として、キング・ギドラ『空からの力:30周年記念エディション』が明日12月10日に発売。さらに、B・B・キングに光をあてたキャンペーンや、50周年記念のプレイリスト企画もスタート。今後もさまざまなプロジェクトが控えているようなので、続報を待とう。

2025年12月24日、Pヴァインは設立50周年を迎えます。50周年特設HPを本日オープン、特別企画もスタート!

株式会社Pヴァインは2025年12月24日に設立50周年を迎えます。
これからもたくさんの魅力的な音楽、カルチャーを "P-VINE列車"に乗せて、皆様のもとにお届けいたします。
P-VINE 50th ANNNIVERSARY PROJECT
まもなく開始します!!

【50周年のご挨拶】
P-VINE は設立 50 周年を迎えました。

1975年に設立されたPヴァインはこの度50周年を迎える事ができました。この50年間、Pヴァインは常に熱意を持って音楽そしてカルチャーと向き合い、様々な音楽を紹介してまいりました。我々は、新しい価値観、新たなトレンド、最新の音楽を取り入れつつも、一過性の流行音楽とは一線を画し、真に素晴らしく、普遍的な芸術、音楽を追求しユニークなセレクションを以てリリースしてきました。

『P-VINE』という名は20世紀初頭、綿花畑へ向かう黒人労働者たちを乗せた蒸気機関車"P-VINE列車"に由来し、Pヴァイン列車はブルースの曲にも歌われ、親しまれていました。そして、50年前にここ日本でPヴァイン列車はBluesを運ぶことからはじまり、Soul、Funk、Jazzといったブラック・ミュージック全般、そして今では、Rock、HipHop、Club、Reggae等々、ほぼ全ジャンルの洋楽、邦楽を新旧交えて"オルタナティヴ"という独自のこだわりを持ってリリースしてまいりました。Pヴァインはこれらバラエティに富んだ膨大なカタログを有し、このようなレーベルは世界で見ても、独特の存在だと自負しております。

そして我々の領域は音そのものに留まらず、「ele-king」というオルナタティヴな音楽とカルチャーを紹介するメディアを有し、VINYL GOES AROUNDというアナログ・レコード専門のチームを立ち上げ、昨年にはレコード・プレス工場「VINYL GOES AROUND PRESSING」を竣工いたしました。同時にレコード・コレクションを管理し、ユーザー間で交流〜売買ができるスマホ・アプリ「VINYLVERSE」をローンチ、NFTを使った新たなレコード "PHYGITAL VINYL"を開発し、フィジカルとデジタルを融合した音楽体験を提示しております。

このようにPヴァインは50年の時を経てレーベル業のみならず、様々な形で音楽、カルチャーを提供する会社へと、"The Changing Same"という言葉のもと我々にある大切なものを失うことなく変化してまいりました。こうした様々なチャレンジができるのも、ひとえにアーティストの皆様、関係者の皆様、そして音楽、カルチャーが好きでいつも我々を応援いただいているリスナーの皆様のおかげだと思っております。日頃の支えに感謝をし、厚く御礼申し上げます。

我々は引き続きオルタナティヴな価値観を持って、普遍的で良質な音楽を追求し、インディーズでもメジャーでもなく、独自のスタンスで様々な作品やサービスを提供してまいります。皆様の期待に応え、音楽、芸術、カルチャーにさらなる貢献ができるよう、社員一同努力してまいります。

これからもたくさんの魅力的な音楽、カルチャーを"P-VINE列車"にのせて、皆様のもとにお届けいたします。

二◯二五年十二月吉日
株式会社 Pヴァイン
代表取締役社長 水谷聡男

【50周年特設HPを本日オープン!】
特別プロジェクトや関連キャンペーン等の情報を随時公開予定ですので、是非チェックしていただけますと幸いです。
50周年特設HP:P-VINE, Inc. 50th Anniversary Special Site
https://special.p-vine.jp/50th/

【50周年記念キャンペーン・プロジェクト】

◎P-VINE CLASSICS 50
50年にわたる膨大なPヴァイン・リリースの中から、時代・ジャンルを越えた
クラシックスを復刻リリース! 数量限定生産、見逃し厳禁!

■第一弾リリース商品情報

キング・ギドラ / 空からの力:30周年記念エディション

■LP
品番:PLP-8282/3
価格:¥6,500円+税
2025年12月10日(水) RELEASE
★180g重量盤
★2枚組帯付き仕様
★完全限定生産


SIDE A
1. 未確認飛行物体接近中(急接近MIX)
2. 登場
3. 見まわそう
4. 大掃除
5. コードナンバー0117
SIDE B
6. フリースタイル・ダンジョン
7. 空からの力~Interlude
8. 空からの力 Part 2
9. 星の死阻止
10. 地下鉄
SIDE C
1. スタア誕生
2. 行方不明
3. 真実の弾丸
4. コネクション~Outro
SIDE D
1. 空からの力 (Mind Funk Remix)
2. 行方不明 (DJ Kensei's Smooth Mix)
3. 真実の弾丸 (Flute Mix)
4. 見まわそう (Original Demo Version)
5. 空からの力 Part 1 (Original Demo Version)

■カセット
品番:PCT-74
価格:¥2,800円+税
2025年12月10日(水) RELEASE
★初回生産限定盤


SIDE A
1. 未確認飛行物体接近中(急接近MIX)
2. 登場
3. 見まわそう
4. 大掃除
5. コードナンバー0117
6. フリースタイル・ダンジョン
7. 空からの力~Interlude
8. 空からの力 Part 2
9. 星の死阻止
10. 地下鉄
11. スタア誕生
SIDE B
1. 行方不明
2. 真実の弾丸
3. コネクション~Outro
4. 空からの力 (Mind Funk Remix)
5. 行方不明 (DJ Kensei's Smooth Mix)
6. 真実の弾丸 (Flute Mix)
7. 見まわそう (Original Demo Version)
8. 空からの力 Part 1 (Original Demo Version)

その他のCLASSICS 50のタイトルは以下の50周年特設HP内にて随時公開、お見逃しなく!
ブルース、レアグルーヴ、AOR、ジャズ、J-POP、HIPHOP等々、多彩なジャンルの名作を随時リリース予定です。
https://special.p-vine.jp/50th/?page_id=227

◎P-VINE BLUES CAMPAIGN 2025
1975年にブルースの魅力を世に広めるべく設立されたP-VINEは、2025年12月24日をもって設立50周年を迎えます。また、2025年はブルースの巨人ことB.B.KINGの生誕100年でもあります。これらの節目を記念し、設立記念日に合わせてP-VINEから再発されるB.B.KINGのベストアルバム「Rock Me Baby」LPと、これまでリリースされた数々の名作にスポットライトを当てるべくブルース・キャンペーンの開催が決定!
期間中に対象商品をご購入のお客様に、B.B.KINGの生誕100年を記念したスペシャルデザインの手ぬぐい&P-VINEが50年の歴史のなかでリリースした名作のジャケットを用いた缶バッヂを対一でプレゼント!

【キャンペーン開催期間】
2025年12月24日(水)〜 特典がなくなり次第キャンペーン終了となります。お早めに!

【特典】
LP / 10インチ / 書籍をご購入の場合:P-VINE特製B.B.KING手ぬぐい
CD / 7インチをご購入の場合:P-VINEブルース名盤缶バッヂ

対象商品等、その他詳細は50周年HPでもご確認ください。
https://special.p-vine.jp/50th/?page_id=479

◎My P-VINE
これまでの歩みを振り返るとともに、次の時代への想いを音楽で表現することを目的に、『My P-VINE』と題した50周年記念プレイリスト企画を実施いたします!
P-VINEにゆかりのある皆さまに、弊社リリース作品の中から選曲したプレイリストを作成いただき、50周年に向けてのコメントも頂戴しました!
選曲いただいたプレイリストは随時公開予定ですので、こちらもお見逃しなく!
https://special.p-vine.jp/50th/?page_id=626

◎GOODS
A-THUG率いる日本語ラップ・シーン最重要グループ、SCARSのオリジナルワークジャケットが完全限定の受注生産で発売!
2025年12月に設立50周年を迎えるP-VINEと2006年に衝撃のファースト・アルバム『The Album』でデビューし、来年2026年がデビュー20周年となるA-THUG率いる日本語ラップ・シーン最重要グループ、SCARSとのコラボ・プロジェクトが始動!

<商品情報>
アイテム: SCARS オリジナルワークジャケット
カラー:レッド / ホワイト
サイズ: S / M / L / XL
販売価格: 23.800円(税抜)
受注締切:2025年12月17日(水)正午
発送予定:2026年3月上旬頃

ご購入はこちらから
https://anywherestore.p-vine.jp/products/scarswjkt-1

50周年の節目となる本年、今まで以上にさまざまな音楽・カルチャーの魅力を独自の視点でお届けする様々な企画やキャンペーンを1年を通して展開して参りますので、是非ご注目くださいませ。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512 513 514 515 516 517 518 519 520 521 522 523 524 525 526 527 528 529 530 531 532 533 534 535 536 537 538 539 540 541 542 543 544 545 546 547 548 549 550 551 552 553 554 555 556 557 558 559 560 561 562 563 564 565 566 567 568 569 570 571 572 573 574 575 576 577 578 579 580 581 582 583 584 585 586 587 588 589 590 591 592 593 594 595 596 597 598 599 600 601 602 603 604 605 606 607 608 609 610 611 612 613 614 615 616 617 618 619 620 621 622 623 624 625 626 627 628 629 630 631 632 633 634 635 636 637 638 639 640 641 642 643 644 645 646 647 648 649 650 651 652 653 654 655 656 657 658 659 660 661 662 663 664 665 666 667 668 669 670 671 672 673 674 675 676 677 678 679 680 681 682 683 684 685 686 687 688 689 690 691 692 693 694 695 696 697 698 699 700 701 702 703 704 705 706 707 708 709 710 711 712 713 714 715 716 717 718 719 720 721 722 723 724 725 726 727 728 729 730 731 732 733 734 735 736 737 738 739 740 741 742 743 744 745 746 747 748 749 750 751 752 753 754 755 756 757 758 759 760 761 762 763 764 765 766 767 768 769 770 771 772 773 774 775 776 777 778 779 780 781 782 783 784 785 786 787 788 789 790 791 792 793 794 795 796 797 798 799 800 801 802 803 804 805 806 807 808 809 810 811 812 813 814 815 816 817 818 819 820 821 822 823 824 825 826 827 828 829 830 831 832 833 834 835 836 837 838 839 840 841 842 843 844 845 846 847 848 849 850 851 852 853 854 855 856 857 858 859 860 861 862 863 864 865 866 867 868 869 870 871 872 873 874 875 876 877 878 879 880 881 882 883 884 885 886 887 888 889 890 891 892 893 894 895 896 897 898 899 900 901 902 903 904 905 906 907 908 909 910 911 912 913 914 915 916 917 918 919 920 921 922 923 924 925 926 927 928 929 930 931 932 933