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DJ HARVEY pres.LOCUSSOLUS
GUNSHIP/LITTLE BOOTS
INTERNATIONAL FEEL(EU) / 2010年3月1日
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DJ HARVEY pres.LOCUSSOLUS
GUNSHIP/LITTLE BOOTS
INTERNATIONAL FEEL(EU) / 2010年3月1日
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DJ Hikaru
Sunset Milestone
Sleeping Bugz
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J.Rocc,Ras G Daedelus,Nobody
Secondhand Sureshots
Disques Corde
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Chieftains Feat. Ry Cooder
San Patricio(CD+DVD Deluxe Edition )
Hear Music
»COMMENT GET MUSIC
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フランスと言う国は、「優雅で艶やか、華々しく華麗」などとイメージしてしまう。実際、表面上はそう見える。筆者はフランスという国の思想、国民性、感性がとても好きで、すでに5~6回は訪れたのだが、毎回その裏の顔に驚かせられる。コスモポリタンならではの荒んだ一面が随所にあるからである。貴族階級の華々しさとコスモポリタンが融合した何かそのフランス独特のギャップに魅了されるのかもしれない......ビューティ&ダーティの反面性が違った形で自身を共鳴しているようで。フランスのようにもっとも芸術産業が国民的支持を得ている国柄で創られるダブステップ......まさにエフのサウンドはこの影響下に培われた産物だ。
そのサウンドをひも解くとアンダーグラウンド・ミュージックの神髄である地下音楽さながらの暗黒感が少し漂うアトモスフェリックにフランスの洗練された気品に満ちた感覚を取り入れたサウンドが垣間みれる。このサウンドは、さまざまな要素が入っている。が、一貫した構築、一遍の迷いもないプログラミングは、 ほぼミニマルを注入したダブステップである。聴いてみると......昨年大ヒットした2562のセカンド・アルバム『アンバランス』に酷似した感覚を憶えるが......次第に......"酷似"していると感じた自分の無知さ加減に恥ずかしくなる。ダブステップのアナザーサイドと捉えれるその深くもソフィスティケイトされた独創的創造性、これがフランス産のオリジナル・ダブステップなのだと。
エフのメイン・リリースを担っている〈セブン〉は、グレッグ・G率いるミニマルライクなダブステップ・レーベルである。筆者もDBSにてグレッグ・Gとは何度も共演したこともあって、実際素晴らしい人柄の人物だが、レーベルの方向性に関しては、るぎなく、しかも時折遊び心のあるフランス的感覚を持っている。ダブステップ最重要レーベルのひとつだろう。ちなみにその他に所属しているアーティストは、ヘリクサー(Helixir)、リクハン(Likhan)など。今後の動向にも注目である。
今日のベース・ミュージックにおけるニューウェイヴ="ダブステップ"の発展に大きく貢献しているのが〈テクトニック〉である。UKにおけるピュア・ダブ・カルチャーの音楽都市であるブリストルを拠点に、レーベル・モットーの「If your chest ain't rattling, it ain't happening」(胸が高ぶらなければ何も起こってない証拠)が示す通りの活動を続け、すでに数々のビック・アンセムを世に送り出している。ダブステップが南ロンドンにてガラージの突然変異的に誕生してから、それを先導したアーティストたち(デジタル・ミスティック、シャックルトン、ホース・パワープロダクションズ、ローファーなど)が、こぞってダークなガラージ・サウンドを土台とするダブステップに傾倒していったなか、ピンチはダブ、ミニマル、グライム、ガラージをシャッフルしたニュー・フォーム・サウンドで大きな支持を集めている。彼の音楽的バック・グラウンドにおいて、ダブと同等に大きな影響を与えたのが"ディープ・ミニマル"だ・ベルリンのベーシック・チャンネルやチェーン・リアクション、そしてリズム&サウンド......。いわゆるミニマル・ダブである。その影響は現在でもレーベルに色濃く反映されている。
レーベルは今年に入っても勢いが衰える気配はなく、刺激的なリリースを続けている。昨年、筆者ともUNITフロアで共演したピンチがダブでスピンしていたのがジャック・スパロウによる"Terminal"である。そのディープで濃密な一夜に相応しく、それは暗く蠢きながら響きわたる残響感たっぷりのトライバル・テック・ファンキーで、レーベルのテイストを残しつつ、今年最注目のアーバン・ムーヴメント"UKファンキー"を効果的に取り入れたフロアサイド・ステップとなっている。フリップサイドの"Tormented"だが、まるでベルリンとブリストルをミックスしたかのような暗黒地下ダブステップ、シャックルトンの〈スカル・ディスコ〉へのアンサー・バックと捉えたいほどだ。年々活発しているテクノ/ミニマルとの交流は、お互いのジャンルがマンネリズムを打開する起爆剤としても機能しているのである。
さて、〈テクトニック〉の新たな核になろうとしているジャック・スパローだが、そのデビューは、2007年〈センスレス(Sensless)〉からリリースされた「Spam Purse」であった。その後、2008年テクトニックのサブ・レーベル〈イアーワックス(Yearwax)〉からの「For Me/Lights Off」、マーク・ワンの〈コンタージャス(Contagious)〉からの「I And I」で頭角を現し、彼の名前を決定的にしたのは、2009年ピンチの「Get Up」のジャック・スパロウ・ミックス)である。そして、テクトニックからの前作「The Chase」......。今年も彼の高度かつ深いプロダクションから目が離せそうにない。
いまや奇才として名高いアントールド主宰の〈ヘムロック〉。UKベース・カルチャーを最先端ニュー・ガラージ・サウンドで引っ張る彼だが、レーベルの起源は2008年「Yukon」に遡る。独特の変拍子によるビート・パターンとミニマルが持つ無機質な静寂性、ガラージが持つヒプノティックで柔軟な高揚性、どこかポスト・ロック的アプローチも垣間みれるサウンド・コントロールによって、ダブステップのシーンのみならず他ジャンルからも注目されているプロデューサーである。今作は、〈ハイパーダブ〉からのリリース「CCTV/Dream Cargo」やアントールド自身の「Walk Through Walls」のリミックスを手掛けたダビー・エレクトロの旗、LVとタッグを組んでいる。フリップサイドには〈ホットフラッシュ〉から「Maybes」、「Sketch On Glass」を発表したUK3人組のホープ、マウント・キンビー(Mount
Kimbie)がリミキサーとしてセットアップする。遊び心を取り入れつつエレクトロ色の強いダブステップで、まさにたコンテンポラリー・ニュー・ガラージといったところ。リリースされるごとに〈ヘムロック〉の歴史が塗り替えられ、吸収した先に......また生まれる。

これは先日の3月16日のダブステップ会議@DOMMUNEにて、飯島直樹さんが推薦したドネオーの「Riot Music」だ(......ダブステップ会議では、とても有意義な時間を共有できました。野田さん、飯島さん、エクシー君およびdommuneのスタッフの方々全員に深くお礼申し上げます)。さて、アーバンR&BとしてのUKガラージ・シーンにおける至高の存在、ドネオーは、昨年発表したUKファンキーを取り入れた傑作『Party Hard』によってシーンで大きな話題となった。その最新リリースは何とシャイ・エフェックスの〈デジタル・サウンドボーイ〉から発表。〈デジタル・サウンドボーイ〉と言えば、昨年の7月の〈DBS〉にて待望の再来日を果たしたシャイ・エフェックスと最新アルバムによって不動の地位を確立したダブステップ・プロデューサー、ブレイキッジを主軸とするベースライン・トップ・レーベルである。今回の「Riot
Music」では、リミキサーにダブステップ界のエース、スクリームを起用。〈デジタル・サウンドボーイ〉からの前作「Burning Up」と同様に、初期ジャングルに回帰するかのように、懐かしのレイヴ・ジャングルを彷彿とさせるアーメン・ブレイクを打ち出している。
ところで、ジャングル/ドラムンベースではごく一般的なビート・パターンであるが、スクリームがふたたび持ち出して脚光を浴びているブレイクビーツの代名詞"アーメン・ブレイク"を解説しよう。そのオリジナルは、ウィンストンズ(The Winstons)の"Amen, Brother"曲内の8小節のドラムにある。それをさらにサンプリングして、ループして、広く用いられている。それはソフト"ReCycle!"――サンプル・ビートを分解、構築してブレイクビーツを再生成する――よって幅広くシーンで重宝されるのである。
スクリームのような大物トップ・プロデューサーが自身の影響を明かすような作品をリリースすることによって、ダブステップとドラムンベースは今後も"親戚"のような関係を保ち続けるだろう。インフィニティーと呼ばれるUK名うてのダンス・ミュージック・カルチャーとしてお互い存在し続けているのだから。
前回のサウンド・パトロールでも紹介したサンフランシスコ発〈シュアフィイアー〉だが、早くも第二弾がリリースされた。今回は、広くテクノ・シーンでも通用するであろうトラックを要している強力なアーティストで、2組のコラボレーションを実現している。シーンの代表レーベル〈テンパ〉などからカッティング・エッジなリリースを続けるヘッドハンターと元ドラムンベース・プロデューサーであったジュジュ率いる〈ナルコ・ヘルツ(Narco Hz)〉からテッキーでオーガニックなダブステップを発表しているDJアンヤが組んで生まれたテック・ダブステップである。もうひと組は、同じくサンフランシスコを拠点し〈ナルコ・ヘルツ〉、〈アンタイトルド!(Untitled!)〉、〈チューブ10(Tube 10)〉などから傑作を発表しているテッキー・ダブステッパーのDJジーとカナダ・トロント出身でテック・ミニマル・レーベル〈イマーズ(Immers)〉からの「000」が話題となったザイがコンビを組んで、ダークでミニマル・インフルーエンスなテクノ・シンフォニック・サウンドを披露する。フロアの空気感を一瞬のうちに変えうる力を持ったトラックで、使うものの意志とは無関係に作用する攻撃的なシンセ群が......防御反応を無力化させる最先端のリーサル・ウエポンとも言えるだろう。解放のさらにそのまた向こう側へ......。
〈クランチ・レコーズ〉というディープ・アトモスフェリックなドラムンベース・レーベルを率いていたバース(Verse)がペンデュラムの一員としてのビッグ・ヒットを成し遂げて早2年......そのあいだ、ダブステップの末恐ろしい躍進が破竹の勢いで進行......誰も止められない速度で世界中で感染し続けている。その勢いはいろいろなプロデューサーやDJを巻き込んでいるが、彼らも例外でなく、いち早くペンデュラムのアルバムなどで取り入れていた。そしていま、エヌ-タイプ(N-Type)の〈ウィール&ディール〉からベン・バース名義でダブステップ界におけるソロ・デビューを果たす。
硬質かつマッシブなビートと妖しくも切ないシンセ使いがフロアをより引き立てる"Flip The Coin"。先日の〈dommune〉でも筆者が大変お世話になったフロアライクなアンセムだ。一方の"Inhale"はスライトリーなダビー・リヴァーブ・シンセとシンプルに共鳴するカッティングエッジなフロアダブとなっている。
それにしても......世界的に有名なロック・ドラムンベースの王者さえも振り向かせ、虜にさせるこのダンス・ミュージック......あらためてダブステップのとんでもない快進撃を感じてしまう。初期のジャングル・シーンのときと同じ現象がいままさにに起こっている。
先日発表したダーク・サイバー/ニューロ・ファンクの集大成的コンピレーションアルバム『Bad Taste Vol.3』でサイバー・シーンをリードする最後の大物伝道師マルディーニ&べガス(Maldini & Vegas)。長らくバッド・カンパニー名義で活躍していた彼らだが、音楽性の違いなどにより、フロントマンであったDJフレッシュとDブリッジが立て続けに離脱し、ソロ・アーティストとして成功を収めるなか、彼らは一貫してバッド・カンパニーの強力サイバー・サウンドを守り続けている。
そして昨年暮れ頃から、マルディーニ&べガスにユーマン(Uman)も加えた新たなドラムンベース・ユニット、ブロックヘッド(Blokhe4d)を始動。先述のコンピレーションなどで立て続けにサイバー・アンセムを発表し、確実にフロアをロックしている。
今作はあのリキッド/エレクトロ・ドラムンベースのトップ・レーベル〈ホスピタル〉からニューカラー・ヴァリエーションを携えリリースした。その疾走感溢れるスペイシー・ファンクな空間処理技術を惜し気もなく披露し、エレクトロ感といったトレンドも注入し、絶妙なホスピタル・サウンドとなっている。みんなが待ち望んだ作品がダンスフロアを通して発表される......このサウンドのお陰でフロアは隙間なく満たされるのである。

最近はこんな呼び方をするアーティストは、ほとんど存在しなかった。ドラムンベース・シーンにとって久しぶりに現れたベルジアンの"超新星"と呼ぶべき逸材......と、もはやこう呼ぶべきではないぐらいのスピードで駆け上がったニュー・スター・プロデューサーが、そう、ネットスカイだ。しかもまだ20才前後の幼顔が残る若者だから、これがまた衝撃なのだ。
ダブステップで例えるならスクリームに近い神童性を感じるネットスカイは〈ホスピタル〉とサインを早々済ませ、「Escape」、「Memory Lane」など現在ダブプレートで席巻しているエレクトロ・ロック・チューンのリリースを控えている。今後さらに期待されるプロデューサーだ。今作「Eyes Closed / Smile」は、ジャンプ・アップ・レーベル〈グリッドUK(Grid UK)〉傘下のリキッド・レーベル〈オール・ソーツ(All Sorts)〉からドロップされた特大エレクトロ・アンセムだ。ドラムンベース・シーンが下降気味な現在において、彼の出現は、今もっともホットな出来事である。数年後にハイ・コントラスト、ブルックス・ブラザーズを凌駕する次代の才能を秘めたアーティストとして、彼のポテンシャルに今後も刮目していかなければならない。どんな時代でも不遇のときこそ、救世主現わる。そう願わずにはいられない存在になるよう願っている。
さて、最後に、何人かの方からリクエストがあったので、3月16日〈DOMMUNE〉にて筆者のセットのプレイリスト公表します。今後ともどうぞ宜しくお願いします!!
TETSUJI TANAKA - MINIMAL x DUBSTEP set 3/16 DOMMUNE PLAYLIST
1. AL TOURETTES/Sunken〈APPLE PIPS〉
2. SCUBA/Negative〈NAKED LUNCH〉
3. KRYPTIC MINDS/Wondering Why〈OSIRIS〉
4. MONOLAKE/Alaska(SURGEON RMX)〈IMBALANCE COMPUTER〉
5. RESO/Toasted〈PITCH BLACK〉
6. JOSE JAMES/Blackmagic(JOY ORBISON RMX)〈BROWNSWOOD〉
7. PATTERN REPEAT/Pattern Repeat 01a〈PATTERN REPEAT〉
8. BEN VERSE/Flip The Coin〈WHEEL & DEAL〉
9. RAMADANMAN & APPLEBLIM/Justify〈APPLE PIPS〉
10. INSTRA:MENTAL/Futurist〈NAKED LUNCH〉
11. APPLEBLIM & PEVERELIST/Over Here(BRENDON MOELLER RMX)〈APPLE PIPS〉
12.J OY ORBISON/Wet Look〈HOTFLUSH〉
13. F/Energy Distortion〈7EVEN〉
14. VALMAY/Radiated Future〈BLUEPRINT〉
15. MARLOW/Back 4 More〈BOKA〉
16. ROB SPARX/2 Faced Rasta(RESO RMX)〈Z AUDIO〉
17. F & HEADHUNTER/Dedale〈TRANSISTOR〉
18. MARLOW/Druid〈NO COMPANY〉
19. INSTRA:MENTAL/No Future(SKREAMIX)〈NON PLUS〉
20. SCUBA/I Reptured(SURGEON RMX)〈HOTFLUH RMX〉
21. SUBEENA/Circular〈IMMIGRANT〉
22. SCUBA/Aeseunic〈HOTFLUSH〉
23. SILKIE/Head Butt Da Deck〈DEEP MEDI MUSIK〉
24. GUIDO/Chakra〈PUNCH DRUNK〉
25. KOMONAZMUK/Bad Apple〈HENCH〉
26. HARRY CRAZE/Wa6〈DEEP MEDI MUSIK〉
27. KRYPTIC MINDS/The Weeping〈DISFIGURED〉
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先日、dommuneの〈ダブステップ会議〉で話したように、キエラン・ヘブデン(フォー・テット)はここ数年で注目すべき音の冒険家のひとりである。彼自身のレーベル〈テキスト〉から発表したブリアルとのスプリット・シングル、そしてアルバムのリリースに先駆けてリリースされたシングル「ラヴ・シティ」でフィーチャーしたふたりのリミキサー――UKファンキーを代表するロスカといま将来を期待されているジョイ・オービソン――を選択するセンス、そしていまから遡ること2007年、USアンダーグラウンドに広がるフリー・フォークのシーンにおいてその中核をなしているサンバーンド・ハンド・オブ・ザ・マンの『ファイアー・エスケイプ』(リリース元はノルウェイの〈スモール・タウン〉で、アートワークはヤマツカ・アイ)のプロデュース......こうした彼の新しい動きに対する素早い働きかけとその成果には舌を巻くばかりだ。それらヘブデン絡みの作品のすべてが良いのだ。
とくに注目したいのは、サンバーンド・ハンド・オブ・ザ・マンのプロデュースである。何故なら、サンバーンドのようなコミュニティめいた、サイケデリックでフリーキーなインプロヴィゼーション集団に彼のようなエレクトロニック・ミュージックのプロデューサーが手を加えることは、その筆舌に尽くしがたい音の複雑さを結局のところポップという現代の信仰のもと、ただ手際よく単純化しかねないからである。サンバーンド・ハンド・オブ・ザ・マンのようなバンドが、何故大量なリリースを続けているかと言えば(1998年からはじめて、すでに50枚以上)、バンドにとっての目的が演奏行為そのものにあり、その演奏プロセスにのみ真実があり、そしてその結果などは極端な話、まあ、どうでもいいからであろう......というのは僕の勝手な憶測だが、もし本当にそうであるのなら、サンバーンド・ハンド・オブ・ザ・マンのプロデュースとはバンドの生命にとっての矛盾となる。そういう観点から言えば、ヘブデンは勇気ある試みをしているのだ。
サーストン・ムーアの〈エクスタティック・ピース!〉からリリースされた『A』は、『ファイアー・エスケイプ』以来のヘブデンのプロデュース作である。以前バンドが〈エクスタティック・ピース!〉から出したアルバム名が『Z』だったので、それに準じて『A』なのだろう。例によってアートワークが秀逸で、ポスターも封入されている。こうした姿勢はこの10年のUSアンダーグラウンドにおいて顕著で、それが商品である前にアートであることを主張しているようだ。それはまあ、いつものサンバーンド・ハンド・オブ・ザ・マンである。もっともメディアからの"フーリー・フォーク"というレッテルを拒むかのように、ここ数年彼らははジェリー・ガルシアとジョン・フェイヒィとの中間で鳴っているようなフォーキーな感触を表に出していない(ように思われる、すべて聴いているわけではないのだけれど)。
新しく録音されたサウンドは、僕の耳にはこれは、サンバーンド・ハンド・オブ・ザ・マンとフォー・テットのコラボレーション作のようだ。フォー・テットのアルバムをサンバーンド・ハンド・オブ・ザ・マンがプロデュースしたと言って良いほど『ファイアー・エスケイプ』以上にエレクトロニック色が際だっている。そして〈エクスタティック・ピース!〉の好みが反映されているのだろう、『A』は『Z』同様にささくれ立っている。あるいは『ファイアー・エスケイプ』より悪戯っぽく、フリーキーだ。電子のイズが耳に付くが、もちろん彼らがブラック・ダイスの背中を見ているようなことはない。フォー・テットが最新作で見せたミニマリズムとダブ処理がところどころで顔を出していて、それが『ファイアー・エスケイプ』にはない効果を生んでいる。
思いつきで作ったような1分ほどの曲が4曲、3~4分の曲が4曲、7分の曲がふたつある。"ナウ・リフト・ジ・アウター・フィンガー"は不規則な電子ノイズとドローンとファンク・ベースの奇妙な混合で、"ロフト・アット・シー"はクラウトロック的ドラミングと抽象的なミニマル・ダブとのブレンドによるスリリングな展開を持った曲。"ア・レッド・ラグ・トゥ・ア・ブル"は酔っぱらったコニー・プランクがスタジオで踊っているような曲だ。"ザ・ブック・オブ・アビリティ"もユニークな曲で、ヘア・スタイリスティックとベーシック・チャンネルのあいだでこだましている。"アクション・フィンガー"はアルバムのなかでは唯一シンプルな曲で、いわば宇宙ステーションで演奏される電子ノイズとノイ!である。
『A』は、『ファイアー・エスケイプ』の評判の良さも手伝って実現した作品だろう。僕は、いまの時点で『ファイアー・エスケイプ』か『A』と問われれば迷わず『ファイアー・エスケイプ』を選ぶけれど、数ヶ月後には考えを変えているかもしれない。なにせまだ買って間もないからね。入荷してもすぐに売り切れてしまい、再入荷をこの1ヶ月待っていたのである(好きな人がいるのだ、この世界のいたるところに)。
ホセ・ジェムスに関して最初に驚いたのは、2009年のムーディーマンのアルバム『アナザ・ブラック・サンデー』で歌っていたことだ。世界は思っているよりも窮屈ではない。小さな島宇宙を喜んでいるのは......(以下、面倒だから省略)......いや、こうした自主規制がよくないのだろう。それが結局のところ、街で遊ぶことと引き替えに、インテリアに囲まれながら誰にも傷つけられることのない空間を無数に作らせているってわけだ。こうした文化状況がどんな人間にとってもっとも都合が良いのかわかっているのだろうか......。
で、そう、2008年にホセ・ジェイムスがファースト・アルバム『ザ・ドリーマー』を発表したときによく引き合いにだされたのが、アシッド・ジャズの時代に再評価されたジャズ・シンガー、レオン・トーマスである。『ザ・ドリーマー』は、トーマスに代表される昔のメロウ・ジャズのフィーリングを継承しつつ、ディアンジェロのようなモダンR&Bのエッセンを加えて作られたアルバムだった。それは本当に良くできたメロウ・ジャズで、しかもディアンジェロよりもずいぶんとこざっぱりしている。ローランド・カークのゴルペリーな"スプリット・アップ・アバヴ"のカヴァーにもそれがよく表れていた。ピアノはさえずり、ブルース調のベースはうなる。そして彼のソフトな声は滑らかに伸びていく。多くの識者が言うようにそれはたしかに一流なのだろう。が、その一流が、ムーディーマンのゲットー・ソウルと結ぶつくとは思えなかった。
そればかりか、2年ぶりのセカンド・アルバム『ブラックマジック』ではベンガの曲のカヴァーまで披露している。そう、あまたのダブステッパーのなかでもいまをときめくスターDJのベンガの曲を......である。そしてまあ、ご存じのようにスティーヴン・エリソン――フライング・ロータスの名前で知られる、目下、ジェイ・ディラ以降におけるトップ・プロデューサーとアルバム中の3曲を共作している。いまのトレンドをベタに押さえた組み合わせと言ってまえばそれまでだが、しかし僕のようなリスナーはそれがゆえに「おや?」と興味を示してしまうのだ(逆に言えばそれだけ現在においてダブステップとフライング・ロータスは脅威なのだろう)。日本人のDJ、ミツ・ザ・ビーツも1曲提供している。
こうしたメンツを考えれば、前作以上にモダンなクラブ・サウンドになるのだろうと思われるかもしれない。前半に関してはそうとも言えるが、大雑把に言えば、ジェイムスのR&Bテイストを加味したメロウ・ジャズは変わらないと言えばそう変わらない......実際、ベンガのカヴァー曲"ウォリアー"やエリソンがトラックを提供した"メイド・フォー・ラヴ"のような野心的な曲もアルバム全体から見れば、言葉は悪いがオマケのようなものだ。"ウォリアー"でもピアノは軽やかに踊り、"メイド・フォー・ラヴ"ではジェイムスのR&Bが展開される。ムーディーマンとの共作"デトロイト・ラヴレター"も、言われなければそれが彼のトラックだとは気がつかないだろう。『アナザ・ブラック・サンデー』の"デザイヤー"で見せたルーズなエロティシズムとは打って変わって、ジェイムスはその曲で清楚なソウルをロマンティックに歌い上げる。エリソンのトラックによるタイトル・ナンバーである"ブラックマジック"はアルバムを象徴しているかもしれない。要するにどこか別の場所に向かうと言うのではなく、『ブラックマジック』はそれがアコースティック・ジャズだろうと打ち込みだろうと、気がつけばメロウ・バラードな響きに帰ってくるのである。アルバムの統一性はほとんどまったく崩れない。
が、しかし......、ちなみに先行シングル「ブラックマジック」ではふたりのダブステッパー、ジョイ・オービソンとアントールドをリミキサーとして起用している。オービソンにしてもアントールドにしても、ちょっと意外だった。どちらもテッキーな響きに特徴を持つ、昨年から人気急上昇のプロデューサーである。そしてつまり、こうした事態がまた起きている。まるで90年代初頭のような。......世界は思っているよりも窮屈ではないかもしれない。
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JUZU A.K.A. MOOCHY
Live Mixed @Sound-Channel Osaka On 20090926
PROCEPTION / JPN / 2010/2/22
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