「Low」と一致するもの

笑いのない抵抗なんて - ele-king

 いつもは機材が置かれているところにキッチンが設置された。シンセサイザーの代わりにガスコンロがあった。楽器の代わりにはフライパンや皿が並んでいた。

 2011年9月のライヴはリキッドルーム史上初の、ステージ上で豚肉が料理されたライヴだった。コックが肉に火を通すと、フロアの後ろのほうまでそのにおいはした。それはハーバートのライヴのクライマックスだった。いや、本当のクライマックスは、豚肉料理の盛られた皿をコックから差し出されたとき、ハーバートならびに共演者一同が不味そうな表情をでそれを食べなかったときか……。



 ハーバートのライヴは彼の音楽と同様に、完璧にコンセプチュアルである。ただ演奏するのではない。コンセプトがあり、誰もがやったことのないアイデアが実践される。
 くだんのライヴでは、豚の一生を描いた『ワン・ピッグ』を土台としていた。養豚場で豚が生まれ、そして屠殺されるまでの“音”から生まれたそのアルバムは、ハーバートらしい資本主義への批判精神から来ているものだが、ライヴでは作品の暗い主題はユーモアを持って展開される。2003年の、グローバル資本主義への皮肉を込めた『グッドバイ・スイングタイム』でのライヴもそうだった。

 あのときは〈ブルーノート〉での、ビッグ・バンド・スタイルでのライヴだったが、ハーバートらしさは充分に発揮されていた。演奏中、バンドはブレイクと同時にスーツのポケットから新聞紙を取り出し、「こんなものは真実を伝えていない」とばかりに破り捨て、そしていっせいに音を出す。ショーであり、政治的でもある。2001年のレディオ・ボーイ名義での〈リキッドルーム〉のライヴもそうだった。あのときのハーバートはステージ上でマクドナルドやGAPといったグローバル企業の包装紙などを破ってはその音をマイクで拾い、ループさせながらダンス・ミュージックに仕立て上げた。オーディエンスは笑いながら踊り、しかし終わったときには、我々の日常の一部と化したものたちへの疑問を反芻する。音楽が政治的であるとは、必ずしもお決まりのスローガンを叫ぶことではない。ハーバートのように喜劇的な表現で思考を揺さぶり、そして命令するのではなく、リスナー自身に考えさせるというやり方もある。



 このところ重たい作品が多かったハーバートだが、今年リリースされた『ザ・シェイクス』では久しぶりに彼の“ポップ”な音楽性を披露している。今回の来日は、このアルバムを土台にしたライヴになるのだろう。『ザ・シェイクス』には相変わらず彼の政治的情熱も込められている。イラクやイスラエルで実際に録られた銃弾や爆弾の音も使われているというが、音楽はハウスを基調としたもので、洒落っけのあるものだった。
 そもそも総勢9人体制で、いったいどんなライヴを見せてくれるのか楽しみでならない。二度と同じことはしない。それがハーバートのライヴである。ぼくは、彼のライヴを見て満足しなかったときはいちどもない。どうか見逃さないでほしい。

■2015年8月18日(火)
Hostess Club Presents Herbert
場所:東京・恵比寿リキッドルーム
開場:18:30 open 開演:19:30 start
チケット:
ADV ¥6,000(ドリンク代別途 / オールスタンディング)
イープラス
チケットぴあ:0570-02-9999 / Pコード:270-031
ローソンチケット:0570-084-003 / Lコード:76824
※0570で始まる電話番号は、一部携帯・PHS不可

Hostessオフィシャルサイト:
https://ynos.tv/hostessclub/schedule/20150818.html


Hug_Life - ele-king

 国立競技場といわず、東京全体に屋根をつけて欲しい~。いっそのことドームで覆ってエアコンも付けて欲しい~。暑い~。他国に先制攻撃がで きる費用があったら、未来に投資しろ、バカたれ~、つーか、この暑いのにみんなでハグをしようと言い出した人たちがいる。マジかー。それは例によって、ヒップホップの人たちだー。それは今度の日曜のことで、笹塚ボウルという場所で、音楽を聴きながらハグでもしようと呼びかけているのだ。本気かー。世の中がギスギスし ているからだと彼らは言う。デモに行って警官とかをハグしたら公務執行妨害で逮捕されてしまうけど、国民同士は仲良くしようぜとか、そういうことなんだろうか。1日だけのハグライフ。会場に着いてみたら実はハゲライフだったという可能性は……出演者にホワイ・シープ?がいないから、それはなさそうだ。ハグだ、ハグ。ハグをしよう。男女問わずハグをしよう!(本当の理念は下のほうに書いてあります)。つーか、出演者の中にはスチャダラアニもいるけど、この日、アニは下北沢の本多劇場で「男子レッツラゴン」の舞台に立ってるはず! 働きすぎりょうたろー。



『#Hug_Life』
2015/8/9(日)
Location: 笹塚ボウル
〒151-0073 東京都渋谷区笹塚 1-57-10-3F・4F
※京王線・都営新宿線 笹塚駅より徒歩0分
https://sasazukabowl.com/
Start:14:00 - Close:22:00 (17:00以降ボウリング投げ放題)
2,000円 (ボウリング代+シューズ代込み)

[LIVE]
KANDYTOWN
YUNGGUCCIMANE & Cherry Brown
MOUSOU PAGER
(Sir Y.O.K.O.PoLoGod.+showgunn+Kuma the Sureshot)
MC JOE

[DJ]
DJ KENTASAKA
(DJ TASAKA & DJ KENT)
LIEUTENT'S AQUARIUM
(BUSHMIND & DJ HIGHSCHOOL)
JET SEX
(SEX山口 & Lark Chillout)
The Saturn
(Wardaa & イーグル藤田)
Ultramagnetic MD's
(M.U.D.O. & Mista Donut)
植物物語
(ShioriyBradshaw & Baby☆Star)
SPSP[Spellbound Sports]
(BentheAce & Kuma the Sureshot)

[EXCLUSIVE SHOW]
Donuts Disco Deluxe
(ANI, ロボ宙 & AFRA)

[HUG MATCH]
Threepee Boys vs Y2FUNX

[VJ]
Platina Disco

[SHOP ]
HUG HOUSE
(森光光子+Sir Y.O.K.O.PoLoGod.)
HUG RECORDS
(COCONUTSDISK YOYOGI)

[FIRST COME, FIRST SERVED]
当日特典として、先着30名様に『#Hug_Life Vol.2 mixed by Lark Chillout』 (MIXCD)、先着100名様にV.A.『#Hug_Life Volume 1』(CD-R)をプレゼント! オープンからお越し頂けますとMIXCDとコンピレーションCD-Rの両方をゲット出 来ます!是非早めの時間からご来場下さい!お待ちしております!

[SPECIAL MENU]
HUG CHICKEN
#Hug_Life スペシャルとして、笹塚ボウル名物「ササボバーガー」に次ぐ渾身の フードメニューが登場!普段は別々のメニューで提供されている2つの味が、1枚 のプレー トで同時に楽しめる「HUG CHICKEN」として、8/9ハグの日限定で登場 します。是非ご賞味あれ!

[#Hug_Life is…]
#Hug_Lifeが笹塚ボウルに帰ってくる!!1回目、2回目と異様な盛り上がりでデ イタイムからナイトタイムを彩った#Hug Lifeをもう一度!

世界がどんどん複雑になっていってる感じするよね。目を覆いたくなるような ニュースと、それを取り上げた議論が日常を埋め尽くしてる。そ んな中で今を 生きてるわけなんだけど、心だけでも美しく、温かい気持ちでいるためにスター トしたのがこのパーティーなんだ。

僕らが意味するハグは、決して相手に腕を回す行為のことだけじゃない。チープ でもいいからさ、相手に敬意を持って接して、愛のある気持ち で人と関わり合 おうというパーソナル・スタイルの話なんだ。人が元々持ってる優しさ、それを ちょっと他の人におすそ分けするだけで、まだ 出会ったことのない人と人が繋 がっていくかも知れない。それがまた次の可能性に繋がっていくんだ。

インターネットで地球の裏側の人と知り合うのは簡単だし、それも悪くないよ。 だけど、インターネットの世界に存在する見えない距離を、現 実の世界でちょ こっとでも縮めることができたら…それってドリーミングでクールなことだと 思ってる。だからさ、その距離をみんなと一緒に 縮めて、隔たりを乗り越えて 行きたいんだ。

ハグが苦手、っていうなら無理することなんてない。大好きな音楽で体を揺らし て、敬意と愛情をもって隣にいる人に優しく接するだけでもい い。そんなとて も簡単でシンプルなことすら、完全に忘れてしまっているような人も沢山いるか らね。そうしたちょっとしたマインドの変化 が、どこかを回り回ってループに ループを繰り返して、知らない人達の笑顔を作ってゆく。僕らはそう信じてるんだ。

そんなシンプルだけど大切なテーマを掲げた#Hug_Life の元に、今回もまたとん でもなく豪華な面々が集結してくれたよ。その日限りの超エクスクルーシブなDJ ユニットがBack 2 Back aka Hug 2 Backでフロアに魔法をプイッと掛けてくれた り、これまた豪華なライブ・ラインナップによる、生きた言葉がキミの鼓膜を直 撃したりするよ!ここまで読ん でもらって(なんだか楽しそうだな…!)って 思ってもらえたら嬉しいんだけど、どうかな??

とにかく当日は僕らHug Familiaが真夏のボウリング場を更に熱くさせるって約 束するよ。だからさ…ぜひとも8月9日は笹塚ボウルに来てほしい!ハグで心にフ レンチ Kiss!!勘繰ってないでコッチ来なよ!!!

[TRAILER]
2015/8/9 #Hug_Life @笹塚ボウル trailer


[ATTENTION!]
※場合によっては入場規制を行うこともございます。予めご了承ください。
※パーティー会場は笹塚ボウル3階フロアのみとなります。4階フロアには立ち入 らないようお願い申し上げます。
※ボウリングエリアは全面禁煙です。お煙草は所定の喫煙所でお願いします。
※場内への飲食物の持込はご遠慮願います。
※当店にはお客さま用の駐車場のご用意はございません。なるべく電車、バスを ご利用下さい。
※近隣のご迷惑になりますので、笹塚ボウルの周辺ではなるべく滞留しないよう お願い申し上げます。

[HOSTED by]
Hug Familia


いまを“あそびらく”プロジェクト、マイマイ計画とはなにか。

気鋭のネイチャーライターがつづる、
世界と生活を“あそびば”にするやりかた。

小・中・高に通わず、山中で自給自足を試みる一家に育ち、
大学では動物学や教育学など数々の研究室の門を叩いた著者。

現在は福岡県糸島市の住宅街の片隅で、
とってもミクロなあそびのプロジェクトを実践中。
驚きに溢れるその半生と、現在のユニークな活動の記録。


アサダワタルさん(『住み開き―家から始めるコミュニティ』筑摩書房、『コミュニティ­難民のススメ』木楽舎、など)に帯コメントをいただきました!
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「ひとり」と「つながり」の間に、素敵な橋が架かる。
それが野島さんの志す「あそびらき」なんだと思います。
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勉強も山菜採りも独学のMSXも、
農作業も、兄弟で撮ったケシゴム人形映画も、
すべてが遊ぶこと。ぜんぶ楽しかった──

一風変わった生育環境のもと、
生まれてからいままでずーっと“遊び”つづけてきた著者・野島智司さん。

現在はネイチャーライターとしてさまざまな執筆活動を行うとともに、
夕方には自宅ガレージを開放して過ごし、
身近な自然や、集まってくる子どもたちとのひとときを通じて、
遊びがひらき、それが生命をつなげていく瞬間を見つめ、記録しています。

マイマイ計画とは、
そうした“あそびをひらく”さまざまな活動(ワークショップやものづくりなど)や、
一連の活動の中から生まれてくる表現物などの総称。
“あそびらき”というコンセプトとともに、ひとりであそぶことからはじまった、
とってもミクロなプロジェクトです。

本書は、その「マイマイ計画」の全貌と、
野島さんのユニークすぎる半生のエピソードを追いながら、
本来“遊ぶこと”が持つ逸脱的で自由な力をつまびらかにする、
異色のノンフィクションにして哲学書。
その驚きにあふれるエピソードには、
生命と生活を輝かせるためのアイディアが詰まっています。

21世紀日本のための“遊ぶ”哲学。

さあ、のぞいてみましょう。
夕方になると、そのガレージのシャッターは、
ガラガラと音をたてて開きます──



■対談
東直子さん(作家)
“わたしたちの内側にいる子どもへ向かって”

■座談会
宮崎隆志先生(北海道大学教授)
山下智也先生(西日本短期大学准教授/子どもの遊び場「きんしゃいきゃんぱす」代表)
“教育研究者がみる「マイマイ計画」”

◎野島智司(のじまさとし)
1979年東京生まれ。東京農業大学農学部卒。北海道大学大学院地球環境科学研究科修­士課程修了。同大学院教育学研究科修士課程修了。九州大学大学院人間環境学府博士後期­課程中途退学。自然と人間の関わりについて、動物生態学、環境教育学、環境心理学など­多分野からの学際的なアプローチで実践的研究を行う。
マイマイ計画公式サイト https://maimaikeikaku.net/

interview with YKIKI BEAT (Nobuki Akiyama) - ele-king


YKIKI BEAT
When the World is Wide

Pヴァイン

Indie Rock

Tower HMV iTunes

 昨年、シングル”フォーエヴァー”のMVが公開されるや、東京インディ・シーン発のブライテストホープとして注目される存在となっていた、YKIKI BEAT。待望のデビュー・アルバム『When the World is Wide』が遂にリリースされた。
 インターネットを前提に育った世代以降の洋楽に対するフラットな感覚と、市井のインディ・バンドに収まらないスケールの大きなソングライティング、正々堂々と真ん中をいける風貌と若さ、何だかいろいろ揃いすぎていて、ファンも然ることながら、業界関係者の先走った期待感もくるくる旋回中……。アルバムは、その前のめりのギラギラした期待感そのままで聴くと、これは、ちょっと姿勢を正してもう一回、となる。何なのでしょうか、このハイプの邪推を一蹴する頼もしさとクソ真面目さ。ギミックなし、非の打ち所なしの傑作です。
 バンドのメインソングライターでヴォーカルの秋山に、バンドの成り立ちから、アルバムのこと、シーンの中での立ち位置まで語ってもらった。

■YKIKI BEAT / ワイキキビート
2012年に結成され、東京を拠点として活動する5人組バンド。EP『Tired of Dreams』が2013年 12 月に Bandcamp にてリリースされ、2014年 2 月にはSummer Camp の初来日ライヴの前座としてミツメと共に出演、過去には Last Dinosaurs、Metronomy の Olugbenga 等と共演している。2014年 4 月にはフランス・パリの有名セレクトショップ Collette と Bonjour Records によるコンピレーション・アルバムにも参加し、ファッション方面からも支持を受ける。2014 年 9 月、7inch でリリースされた“Forever”のリリック・ビデオが数々のメディアに取り上げられ、同年12 月にはThe Drums のオープニング・アクトに抜擢。このたびデビュー・アルバム『When the World is Wide』がリリースされた。
メンバーは、Nobuki Akiyama(ボーカル、ギター)、Kohei Kamoto(ギター)、Koki
Nozue(シンセサイザー)、Yotaro Kachi(ベース)、Mizuki Sekiguchi(ドラム)

SEでジャスティスを流しながら、ヒッピーみたいな変な格好して出てきたバンドがいたんですよ。途端にみんなが「何だ!?」ってなって。

バンドの結成はいつ頃なんだっけ。

秋山:結成が2011年か2012年だったと思います。

そもそもはどういうつながりなの。

秋山:メンバーはみんな大学がいっしょなんですけど、もともと嘉本(康平)とは高校生の頃に知り合っていて。嘉本が隣の高校にいて、僕の学校との合同ライヴみたいなところで知り合ったんです。

嘉本くんが出演していたわけだ。

秋山:SEでジャスティスを流しながら、ヒッピーみたいな変な格好して出てきたバンドがいたんですよ。途端にみんなが「何だ!?」ってなって。俺はそのときジャスティスとかそんなに聴いていなかったんですけど、「これは好きなタイプのやつだな」と思って前に行ってみたら、嘉本がギター・ヴォーカルの3ピースで。なぜかジョン・メイヤーとエリック・クラプトンのカヴァーを交えながら、オリジナル曲をやっていて(笑)。

カオスだね(笑)。

秋山:オリジナルがすごくかっこよくて。あいつはオーストラリアに1年留学して、帰ってすぐのときだったんで、英語も完全にフレッシュで、音楽性もデス・フロム・アバヴ1979みたいなことをやっていて。完全に他のやつとちがうと思いました。それで楽屋に遊びにいって「よかったよ!」って言ったんですけど、あいつには半分くらい無視されて(笑)。で、彼のバンドの他のメンバーと仲良くなったんですよ。大学に入って嘉本のほうから「僕も同じ大学だよ」って連絡が来て。

結成の前に秋山くんがやっていた音楽はどういう感じだったの。

秋山:そのときから英語で歌って「インディ・ロックです」みたいな感じのをやっていましたね。

じゃあ、YKIKI BEATにいたるまでブレていないんだね。

秋山:そうですね。変わってないと思います。大学1年の終わりに、嘉本が聴かせてくれた30秒くらいのループ音源がおもしろかったので、それを編集して“ロンドン・エコーズ”という曲を作ったんですよ。その曲をいろんなひとに聴いてもらえて、「どうせならバンドでやろうよ」と。

そこからすぐにバンド編成になったの。

秋山:どうしようって相談していたときに、高校時代のバンド繋がりでおもしろいやつがいるって聞いて、それが野末(光希)で、しかも同じ大学だったんです。「音楽性も近いしいっしょにやろうよ」って話しつつも、まだメンバーが足りなかったから、それぞれに入っていたサークルからドラムの(關口)瑞紀とベースの加地(洋太郎)を見つけてきて。バンド編成になったのが2012年の頭くらいですね。

初期からの曲をまとめたのがバンドキャンプで出した『タイアード・オブ・ドリームズ』だったので、その時点で、アルバムは次の段階に行きたいと思っていました。

それが2012年か。僕はYKIKI BEATの存在を、2012年のうちには知っていたと思うんだよ。東京のインディ・シーンの中で、わりと最初から好意的に迎え入れられていた印象なんだけど。

秋山:最初のライヴは2012年の夏で、いまはなくなっちゃった屋根裏でやったんです。そのときに“フォーエヴァー”のPVを撮ってくれたセッキー(関山雄太)さんが遊びに来てくれていて。それから「こんなブッキングにお金払ってやるライヴに出なくていいよ」って、東京のインディ・シーンの他のバンドが出ているところに呼んでくれるようになったんです。

そこから“フォーエヴァー”までは、しっかり時間をかけた印象だったけれど、ちょうど1年くらい前なのかな。

秋山:“フォーエヴァー”は去年の6月にデジタルで出して、9月にレコードを出しましたね。

YKIKI BEATというバンドの名前をいろんな人が知るきっかけになった曲だよね。手応えみたいなものはあったの。

秋山:ありました。でもどういうふうに感じてたかな……。PVがすごくデカかったかもしれないですね。それまでワイキキは「宅録です」みたいな音源しかなかった上に、映像もなかったんですが、スタジオで録音した音源とPVができたことによってフックアップしてくれるひとも増えたんです。

アルバムは8曲入りだけど、楽曲としては初期からの曲とかも入っているの?

秋山:初期からの曲をまとめたのがバンドキャンプで出した『タイアード・オブ・ドリームズ』だったので、その時点で、アルバムは次の段階に行きたいと思っていました。ただ曲作りがぜんぜん進んでいなくて……。じつは4月のプリプロの時点では『タイアード・オブ・ドリームス』に入っていた曲もけっこう混じっていました。新曲をちょっとと、これまでの楽曲のスタジオ録音ヴァージョンが合わさったアルバムになるイメージだったんですけど……けっきょく、やっぱりそれじゃ嫌だなとなって(笑)。プリプロが終わってから本番のレコーディングがはじまるまで、なんならレコーディング中にも新曲をどんどんあげて、最終的に昔からの曲は“フォーエヴァー”だけという感じになりましたね。

『タイアード・オブ・ドリームズ』以前とは、バンドのモードが変わったということなのかな。

秋山:そうです。完全に違います。

色味があるものはいまでも好きなんですけど、これまでは表面的な感じがあったんです。でも今回は、曲を作っていくなかで「これは自分の曲だ」と思える部分までやるというか……。

僕の受けた印象からまとめてしまうと、以前はもうちょっとキラキラした感じとか、疾走感が前に出ていたし、色味もカラフルだった感じがするんだけど、今回のアルバムはわりとモノトーンに近いというか。

秋山:ちょっと意識したかもしれないですね。色味があるものはいまでも好きなんですけど、これまでは表面的な感じがあったんです。でも今回は、曲を作っていくなかで「これは自分の曲だ」と思える部分までやるというか……。下地となる部分をもっと固めて、後から色味を付け足していく流れにしたほうが、自分たちはやりやすくなるのかなと。『タイアード・オブ・ドリームズ』以前は、いろいろ試していたところがあって、メロディがどうとか、「こういう感じで弾くとこうなる」とか。いまはもう少し自分たちのやりたいことに集中していて。しっかり土台を作りたいなと思って。

土台という意味では、ソングライティングは気になった。以前とはけっこう印象が違うよ。“フォーエヴァー”なんかは、USカレッジ・バンドみたいなメインストリームのポップ・ミュージックの高揚感があるけれど、アルバム全体を聴くと、むしろUKのトラディショナルなインディ・ロックを思わせる曲調が多い。ストレートに、すごくいい曲を書けるバンドなんだということは、今回のアルバムで伝わる。

秋山:それはうれしいですね。

今回は自分たちのルーツを考えてみて、その上でいまっぽくできたらいいなと話をしていて。それこそヴェルヴェット・アンダーグラウンドとか、ジーザス・アンド・メリーチェインとか、ジョイ・ディヴィジョン。

以前とは、自分たちのバックボーンとして見せている部分が違うのかなっていう気もしたけれど。

秋山:意識的にやる部分もあれば、無意識でやっているところもあるので、全部きちんと説明できるかはわからないんですけど。今回は自分たちのルーツを考えてみて、その上でいまっぽくできたらいいなと話をしていて。それこそヴェルヴェット・アンダーグラウンドとか、ジーザス・アンド・メリーチェインとか、ジョイ・ディヴィジョン。

たしかにメリーチェインは入っていたね。

秋山:そういう意味ではUKっぽさがわりと多い。当時はヴェルヴェット・アンダーグラウンドもUKっぽいと言われていたようなので。

ソングライティングは、嘉本くんも参加しているのかな。

秋山:“ダンシズ”って曲のイントロはあいつが持ってきて、それを最初につくった“ロンドン・エコーズ”みたいにループさせた上で、ギターと歌をつけてって感じになったんですけど。あとの曲は基本的に俺が作ってきたやつですね。
ただ、アレンジの段階であいつが口出してきたのがすごく効いていて。俺がひとりでやっていてわからなくなっていたところとかも、あいつには「これがいい」とかって見えていて。でもあんまり「どうどう?」って訊くと、あいつは構えちゃって、みんなに任せるって感じになるから、自然に訊き出すみたいな作業をしたんですけど。

秋山くんは全部を自分で決めたいって感じでもないの。

秋山:基本的には自分で決めたいんですけど、あいつのことは信頼しています。最終的に嘉本がいいと判断したことはいいことがほとんどなので。

Ykiki Beat - The Running (Official Video)

『When the World is Wide』の冒頭を飾る楽曲“The Running”のミュージック・ビデオ。監督・編集はYkiki Beatのアーティスト写真他、American Apparelなどの広告写真も手掛けるフォトグラファーMitch Nakanoによるもの。

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英語の受験用教材で発音記号を見つけて、「このθみたいなやつは舌がここなんだ」って。勉強のためじゃなくて、歌のために勉強してました。


YKIKI BEAT
When the World is Wide

Pヴァイン

Indie Rock

Tower HMV iTunes

あと、ヴォーカルのスタイルは最初からいまみたいな歌いかたをしているの。

秋山:いまみたいというと、どういう感じに聴こえるんですか?

すごくいいなぁと思います。声質の魅力もあると思うんだけど、日本人がやっている英語詞バンドに独特の「洋楽やっていますよ」的な違和感がぜんぜんない。

秋山:ありがとうございます。

研究したの?

秋山:したと思います。高校のときからバンドをやろうとしていて、単純に普段から英語のバンドをたくさん聴いていたから、英語で歌うバンドをやろうって流れでやっていただけなんです。でもバンドをやるにあたって、いかにも日本のバンドで「英語でやってます」みたいなのはすごく嫌だったので。

じゃあ、たぶん何が嫌なのかを研究したってことだよね(笑)。

秋山:実際それはあると思います。歌はすごい研究しましたね。英語の発音記号表を見つけて、「あ、こんなのあるんだ」と思って。発音の舌の位置が書いてあったりするやつなんですけど、「このθみたいなやつは舌がここなんだ」ってみながら歌のためにずっと勉強していましたね。

でも、対バンするのは日本語詞のバンドも多かったりするわけじゃない。そこで横並びでいっしょにやることって、そんなに違和感はないの。

秋山:難しい質問ですね……違和感はあると思います(笑)。

はははは(笑)。なんか違うかなって思ったりするわけだ。

秋山:東京のインディ・シーン以外の場所でやると、ジャンルは関係ないじゃないですか? 呼ぶ基準っていうのが、どれくらい名前が知られているかってことなので。そのぶん、いろんな場所やお客さんの前でライヴをする機会が増えてきていると思うんですけど。

もうひとつ大きなシーンの中では、浮いていると。

秋山:中学生のときとかは絶対に自分たちでやりたいイメージがあって、日本のゼロ年代のいろんな洋楽バンドに影響を受けてますみたいなバンドをiTunesで聴きながら、なんか違うなって思ってました。自分は絶対によりよい形でアウトプットできると感じていて、そういう野心を持っていたんです。でも考え過ぎてしまうと、ヘンな形で影響を受けてしまうと思うので、自分の納得いかないものに注目するよりは自分たちのやりたいことに集中したいなと。いまは対バンがどうであれ、どのシーンにいると言われようが、自分たちのやりたいことにフォーカスできればと思っていますけど。

じゃあ、逆にいま日本で共感できるバンドはいるの。

秋山:そういう意味ではすっごく難しいですけどね。好きな音楽の話をしたりする友だちとかではバットマン・ウィンクスとか、グルーミーとか。コンドミニマムっていう自分たちで映像なんかを発信している集団がいて、そこのひとたちとかとはすごく話が合うんですけど。それでもピッタリ合うひとがいるかと言ったら、たぶんそこまでいないかなと思います。

俺たちのことを洋楽っぽいと認識せずに、日本でやっているおもしろいバンドとして聴いてくれている人もたくさんいて。

居心地が悪いわけでもないんだろうけど、東京で活動していることにプラスの部分っていうのはあるの。

秋山:それもときどき感じるんですけど、チャンスは多いというか。ザ・ドラムスの前座をやったときに思ったんですが、これがもしアメリカだったら、いいバンドがたくさんいて、ドラムスのオープニング・アクトなんかに選ばれるバンドはすごく成功したり注目されているバンドだったりしますよね。日本だったら母数が少ないので、やっぱりそこは得かもしれません。それでいて世界的に見ても日本の音楽マーケットの大きさはアメリカに次いで第2位だったりしますし。まあ、それはAKBが助けているだけかもしれないんですけど、それでも日本は特異な立ち位置にいると思います。
でも俺たちのことを洋楽っぽいと認識せずに、日本でやっているおもしろいバンドとして聴いてくれている人もたくさんいて。“フォーエヴァー”のYouTube再生回数が16万いく現象っていうのは、アメリカでやっていたらまた違った形になったかもしれないと思います。そういう意味でも、アジアの中でも大きな都市である東京で活動するというのも、おもしろい状況だとは思うんですけど。

今回のアルバムが出たことで、また活動の拡がりかたは大きく変わっていきそうだよね。

秋山:いったんは様子を見てみようというところではありますけど、個人のレベルで言えば、自分で納得できる曲を書くか書かないかというところだけなので。それこそさっき言ったみたいに、野心があって「シーンを変えてやる」って時期もあったし。そういう野心も悪いことではないと思うんですけど、いざ注目される状況になってみて、べつにこれがやりたかったわけじゃないなと思って。いろんなひとが聴いてくれるのはおもしろいけど……なんだろうな。自分の好きな音楽をやって、それを発表して、その先のひとりひとりが音楽を楽しんでくれたらいいなっていう。知名度どうこうと言うよりは、自分のやりたい音楽ができるかだけです。

フェニックスとか、テーム・インパラのように、英米とは別の地域出身でありながら世界で活躍するバンドのようになれたらと思っています。

ひとまず自分たちの音楽性を突き詰めていきたいと。

秋山:そうですね。いまに限らず、これからもずっとそうでありたいと思うんですけれど。インディに落ち着きたいということではなくて、いい曲を書いて出して評価されることがいちばんいいと思うので。理想としてはフェニックスとか、テーム・インパラのように、英米とは別の地域出身でありながら世界で活躍するバンドのようになれたらと思っています。

スタンスはずっと一貫しているバンドだよね。

秋山:メジャーっぽいことを特別やっているわけでもないし、イギリス出身でもアメリカ出身でもないのに、フェスのヘッドライナーをやるみたいな。あのバランスはすごくいいなと思っていて。自分たちが本当に納得できる音楽にフォーカスしていきながら、バンドの下地を作っていけたらいいなと思います。

New Order - ele-king

 しっかし……ジョイ・ディヴィジョンの『アンノウン・プレジャーズ』のTシャツって、ここ数年でもっとも売れているロックTシャツじゃないのかね。こんなにまでピーター・サヴィルの初期のデザインが普及するとは……80年代や90年代にはまず考えられなかったことです。ワタクシ野田は、1990年には『テクニーク』のTシャツを着ていました。背の首のあたりに小さくバンド名が入っているヤツですね。胸にプリントされたあのジャケのヴィジュアルの色が落ちるまで着ていたナー。あー、懐かしい。
 まあ、そんなことはどうでもいいんですけど、ニュー・オーダーの10年ぶりのニュー・アルバム『ミュージック・コンプリート』から、ファースト・シングル曲の“レストレス”がいよいよ試聴できます!

 なお7月29日(水)よりiTunesにてシングルの販売が開始されます。

 https://apple.co/1Lt0S9M

 ああ、それから、今回、Tシャツ付限定盤もリリースされるそうです。初心に戻って『アンノウン・プレジャーズ』のTシャツを本気で着ようかなと思っていたんですけど、この新作もかなりイイです。

《Tシャツ付限定盤 商品概要》
タイトル:ミュージック・コンプリート:Tシャツ付限定盤
発売日:9月23日
定価:6,000円(税抜)
*CDの収録内容は、通常盤と同様。

*Tシャツ:ニュー・オーダーの全てのデザインを手がけてきたピーター・サヴィルと、adidasなど世界的な活躍をしているデザイナー、倉石一樹とのコラボレーション。サイズは、S, M, L, XLの4サイズ。
*商品詳細はこちらにて。https://trafficjpn.com/news/neworder3/


[amazon] https://amzn.to/1HU97aZ
[Tower Records] https://bit.ly/1HRvi2V
[HMV] https://bit.ly/1gYNRs2
[disk union] https://bit.ly/1eLrBjO
[iTunes] https://apple.co/1Lt0S9M
[Traffic Store] https://bit.ly/1dPQNVD


 イスラエルのガレージ4ピース、ブーム・パム。日本人にもどこか親しみぶかく懐かしいメロディやサウンドは、辺境マニアのみならず、広いリスナー層から愛されるにちがいない──。小島麻由美のデビュー20周年を記念した最新アルバムは、地中海随一のサーフ・スポットとして知られるテルアビブ産のサーフ・ロック・バンド、ブーム・パムとの心躍るコラボレーション作となった。代表曲の数々が新鮮な音とアレンジでよみがえる! 発売に合わせて、オフィシャルMV“白い猫”も公開された。映像を手掛けるのはいまをときめくVIDEOTAPEMUSIC!

小島麻由美"白い猫"(Official Music Video)

小島麻由美デビュー20周年企画、Boom Pamとのコラボ作『With Boom Pam』収録曲より“白い猫”のオフィシャルMVがYouTubeより公開された。
 監督は、前作『路上』のオフィシャルMV"モビー・ディック"を手掛けたVIDEOTAPEMUSICが担当、テルアビブ・サーフロック・サウンドとして生まれ変わった小島ワールドをミステリアスな世界観で表現したMVに仕上がっている。

■アルバム詳細


Tower HMV Amazon

小島麻由美『With Boom Pam』
DDCB-12078 / 2015.07.22 on sale / 2,593Yen + Tax /
Released by AWDR/LR2

[収録曲]
01.アラベスク / Arabesque
02.泡になった恋 / Bubble on the beach
03.ブルーメロディ / Blue melody
04.セシルのブルース / Blues de Cécile
05.蝶々 / Tick tuck
06.エレクトラ / Elektra
07.蛇むすめ / Snakegirl
08.トルココーヒー / Turkey coffee
09.モビーディック / Moby dick
10.白い猫 / Chat blanc


Boom Pam(ブーム・パム)

【小島麻由美】デビュー20周年企画第一弾!
地中海サーフロックバンド【Boom Pam(ブーム・パム)】との前人未到のコラボレーション作が登場!
【小島麻由美】の代表曲の数々が地中海を経由してテルアビブ・サーフロック・サウンドとしてリボーン!
デビューシングル『結婚相談所』(95年7月21日)、デビューアルバム『セシルのブ-ルース』(95年8月19日)より20年。
2015年、様々な記念リリースやコンサートが予定さている20周年企画第一弾として、小島麻由美と地中海サーフロックバンドBoom Pamとの前人未到のコラボレーション作が登場!イスラエル・テルアビブで結成されたBoom Pamは、地中海随一のサーフスポットとして知られるテルアビブ産のサーフロック・サウンドをベースにアラビアの音階も貪欲に取り入れたオリジナリティ溢れるサウンドが特徴。
その人気は本国に止まらず、ヨーロッパでも高い評価を得ており、日本でも『FUJI ROCK FESTIVAL'14』での来日をはじめ、二度の来日ツアーを行い徐々に認知を広げている。そのサウンドに魅せられた小島麻由美のオファーにより、この予測不可能な奇天烈コラボレーションが決定。
小島麻由美の代表曲の数々が、地中海を経由してテルアビブ・サーフロック・サウンドとしてリボーン!

■小島麻由美プロフィール
東京都出身。「古き良き時代」の音楽を愛するガールポップ・シンガー/ソングライター。1995年7月、シングル「結婚相談所」でデビュー。
現在までにオリジナルアルバム9枚、ミニアルバム2枚、シングル16枚、ライブCD1枚、ベストアルバム2枚、映像DVD2タイトルを発表。
ジャケットにも多く使用される自筆イラストがトレードマークで、1999年NHK「みんなのうた」への提供曲「ふうせん」では、三千数百枚に及ぶアニメ原画も提供。イラスト&散文集『KOJIMA MAYUMI'S PAPERBACK』もある。
映画、CMへの歌唱、曲提供多数。近年では2011年~現在放映中の『キッチン泡ハイター』CM曲を歌唱。海外での活動は、2001年仏盤コンピレーション参加。2001~2002年「はつ恋」が任天堂USAのCM曲として北南米にて1年間に渡り放映。公演は2006年JETRO主催『Japan Night』(上海)、2009年『Music Terminals Festival』(台湾・桃園)参加など。
2014年7月、4年ぶりとなるオリジナルリリースとしてミニアルバム『渚にて』、12月3日にはフルアルバム『路上』をリリース。『SUMMER SONIC 2014』への出演など、本格的に活動を再開する。デビュー20周年となる2015年には活発なライブ、リリースを絶賛計画中。https://www.kojimamayumi.com/

■ライブ情報
小島麻由美デビュー20th記念ツアー『WITH BOOM PAM』
出演 : 小島麻由美 with Boom Pam

[大阪公演]
■ 2015年8月31日(月) @梅田 Shangri-La
OPEN / START 19:00 / 19:30
TICKET 前売 4,500円 / 当日 5,000円 (1ドリンク別) 
2015年7月18日(土) 一般発売

オフィシャルWEB先行予約 (抽選)
受付先 : https://eplus.jp/kmwbp/ (PC&モバイル)
受付期間 : 2015年6月19日(金) 12:00 – 2015年6月30日(火)23:00
抽選日 : 2015年7月1日(水) 18:00
結果確認期間 : 2015年7月2日(木) 13:00 – 2015年7月3日(金) 18:00
入金期間 : 2015年7月2日(木) 13:00 – 2015年7月4日(土) 21:00
予約期間 : 2015年7月2日(木) 13:00 – 2015年7月5日(日) 14:00
オフィシャルHP先行受付販売確定日 : 2015年7月5日(日) 15:00以降
問合せ : 清水音泉 06-6357-3666 (平日12:00-17:00) 
https://www.shimizuonsen.com

[東京公演]
■ 2015年9月1日(火) @下北沢 GARDEN
OPEN / START 19:30 / 20:00
TICKET 前売 4,500円 / 当日 5,000円 (1ドリンク別) 
2015年7月18日(土) 一般発売

オフィシャルWEB先行予約 (抽選)
受付先 : https://sort.eplus.jp/sys/T1U14……001P006987 (PC&モバイル)
受付期間 : 2015年6月19日(金) 12:00 – 2015年6月30日(火)23:00
抽選日 : 2015年7月1日(水) 18:00
結果確認期間 : 2015年7月2日(木) 13:00 – 2015年7月4日(土) 18:00
入金期間 : 2015年7月2日(木) 13:00 – 2015年7月5日(日) 21:00
オフィシャルHP先行受付販売確定日 : 2015年7月5日(日) 15:00以降
問合せ : 下北沢GARDEN 03-3410-3431  https://gar-den.in/


XINLISUPREME - I AM NOT SHINZO ABE - ele-king

 レイヴの歴史を紐解けば、一度はスパイラル・トライブの名前を見かけたことがあるだろう。セカンド・サマー・オブ・ラヴ以降のイギリスで、100以上のフリー・レイヴ(無料レイヴ)を行い、多いときでは4万人を動員するなど、ハードなパーティとともに生きた伝説のテクノ・サウンドシステムのクルーだ。当時のイギリスでは抵抗の象徴として注目されたクルーのひとつでもある。イギリスから移住後、ヨーロッパにテクノのサウンドシステムを普及させ、そのシーンからでないと生まれ得ないトライブやハードテックなど、先鋭化したジャンルの基盤を作った。彼らはレイヴとともにヨーロッパ中で生活した、レイヴトラベラーの実践者とも言える。今まで日本で紹介される機会が少なく馴染みが薄いが、ヨーロッパのアンダーグラウンド・シーンでは一時代を築いた集団ということは検索すればわかるはず。

 さて20年後の現在、当時のメンバーのひとりであるDJのJeff23が奇跡的に来日した。今回の来日が実現したのは、Jeff23の友人であるチェコ在住のハードテックの日本人DJ Tanukichiと、90年代から日本にレイヴカルチャーを持ち込んだパーティ、ライフフォースの協力があったため。当日のプレイは妖艶さを持ったダークなテクノで、人々は朝まで魅了された。近年稀にみるいかがわしい雰囲気がフロアを覆い尽くした。スパイラル・トライブの活動は多岐に亘るためすべてを紹介できないが、一員であった彼の発言からイギリス/ヨーロッパ圏での音楽を取り巻く文化の違いを少しだけでも知ってほしい。

Spiral Tribe Reportage Tracks Arte GermanTV

ずっとウェアハウスで(インディペンデントな)フリー・パーティをしていたんですよね。現在までのスパイラル・トライブの経緯を教えて下さい。

Jeff23:スパイラル・トライブとしての活動は99年までなんだ。最初、自分はスパイラル・トライブに会う3年前から仲の良い友だちとウェアハウス・パーティをやっていて、91年のクリスマスにメンバーであるサイモン(クリスタル・ディストーション)たちと出会って参加するようになった。自分のやっていることに一致したからだね。
 スパイラル・トライブは元々フリー・パーティをモットーにしていたけど最終的には料金は取るようになった。自分たちは本当に安い値段でパーティをしようと思っていても、ビジネスみたいなものに取り込まれて25ポンドぐらいの入場料になってしまう。それがやっぱり自分たちの意志とは反することがあった。
 だんだんクラブの体裁が流行りはじめて、フリー・パーティと区別がつかなくなった。そこからバウンサーがいるような時代になって、それが本意ではなかったんだ。そこからマフィアやフットボールのフーリガンのような連中含めて、いろいろ絡みはじめてこんがらがった。自分がスパイラル・トライブに入る前にマフィアに売上を全部取られたこともあった。スパイラル・トライブもやられたこともあった。89年以降はじょじょに厳しくなったのでスパイラル・トライブは状況に反発していた。

当時はスクウォッティングした建物でもパーティをしていたんですよね。

Jeff23:89年までのイギリスでは空き家のドアを開けて鍵を取り替えて住んでも、なかに人間が住んでいる場合は追い出せないという法律がまだ成立していたんだ。どんなに広い建物でもスクウォッティングができた。そこでパーティができて巨大になっていった。親しい友人に伝えていって、友人が友人に電話で連絡して集まったんだ。法律が変わってからは、お金を払うイリーガルなスクオッティング・パーティはなくなった。その後もスクオッティングはイリーガルな形で続いていったけど。
 当時のシーンにはサイケデリックなドラッグがあったとしてもコカインやヘロインなど本当に悪いドラッグはなかった。もっと深い精神性を持ったものとして存在/存続していた。サイケデリックについて理解するのは難しい……。それも少しの理由になったかもしれない。

カウンターカルチャー的な集団だとも聞いていますが。

Jeff23:ビーンフィールドという場所で、2万人が集まったストーンヘンジ・フリーフェスティヴァルでは、警官が人を殴った。実際に殴りつけるから、そういう人に対してスパイラル・トライブは意思を持って立ち向かっていった。それが大問題になる。それから自分たちの政治的な立場が支持されてた。当時、他の人たちがはっきり言わなかったことを自分たちは政治的にも立ち上がったから、注目されていたんだと思う。いい意味でも悪い意味でも。
 当時からサウンドシステムを持っていたのもあって、大きなパーティでは2~3000人という人たちが動いた。盛り上がるというのは一瞬で盛り上がるのではなく、続けていくことによって、そこでずっとやっている人たちがいて、それに乗るみんなのエネルギーがあって始めて発生するんだ。
 92年にイギリス政府は100万ポンドを掛けてスパイラル・トライブの問題を裁判することになった。「環境の平和を乱す」という名目で裁判を受け、スパイラル・トライブは政府に勝った。その後、リサ・スタンフィールドやコールドカットはレコーディング・スタジオを作れるぐらいの資金を前払いをしてくれた。自分たちのことをセックス・ピストルズのようなテクノの抵抗の象徴として扱おうとしていたんだ。まわりはそうしたかったけれど、自分たちはそうならなかった。
 その資金を使って、イギリスからサウンドシステムをヨーロッパ大陸に送った。イギリス国内では活動できなくなったので、ヨーロッパに渡ってテクノをプレイするようになった。それまではブレイクビーツだったけれど四つ打ちになっていくんだ。93年頃から、ベルリン、ベルギー、オランダと点々と拠点を変え、最終的にパリに移住した。そこからフリー・パーティのシーンがフランスで生まれたとされていて、ヨーロッパでテクノが爆発的に拡大していった。自分たちのやり方でプロモーションをしたんだ。それから1996年にテク二バル(※)は生まれたんだ。

※テクニバル(Teknival)=ノー・オーガニゼイション/ノー・マネーシステム/ノー・コマーシャリズムのコンセプトの元、複数のサウンドシステムが同日、同場所に集結する自由参加型のゲリラレイヴ。T・A・Z (The Temporary Autonomous Zone)を作り上げる。最大規模の開催では、200組のサウンドシステムと11万人がパリ周辺に集まった。

Teknival Frenchtek 2015 cambrai Teknivibration

 車でフランスからゴア(インド)までパーティをしにいったこともあったよ。子供とともに生活用品も持って行ったね。ロシアのジェット飛行機を買ってチェコに行ったりもした。ヨーロッパ中にネットワークがあるので、そうやってパーティを続けることができたね。木を育てるようにゆっくりと育ち、いまは世界的になったけど。
 ただ結局、2000年以降にヨーロッパ全土でもメディアで注目されて、警察が追いかけるようになってフリー・パーティは止まってしまった。続いているのもあるけれど、サウンドシステムがフランスでは非合法の存在になってしまった。
 締め付けが厳しくなっていくフリー・パーティを続けながら、〈ネットワーク23〉というレーベルを作った。ディストリビューションを行い、まともなことをやって音源を売った。いままでフリー・パーティ・シーンにいた人が音源を買ってくれたんだ。アーティストに制作できる環境を与えられるだけのギャランティを渡した。それぞれのアーティストがスタジオを持って音源の制作できるようになってからスパイラル・トライブとしての活動はストップしたんだ。

フランスでハードテックやトライブというジャンルが生まれたのは、スパイラル・トライブが発端ですよね?

Jeff23:多彩で多角的なアーティストがスパイラル・トライブにいて、クリスタル・ディストーションなどの初期の人たちの一部が、音楽事体の創造性や革新性も更新した。パーティが中心の生活をしていたからもあった。96年頃かな、テクノやハウスの33回転のレコードをあえて45回転にしてピッチをマイナス8にしたことがはじまり。そこから派生してフレンチコアなどハードコア・テクノも生まれたけど、今の自分はテクノなのでハードコアではないね。自分はアーティストのラインナップによってプレイする音楽の速さも変わってくるけれど。
 現在は、スパイラル・トライブの意思をもう一回再生しようとして、2005年頃からSP23というコレクティヴ/コミュティを作って活動中なんだ。時間が経ったので、世代を超えて子どもたちを育てていく状況に突入している。これからは日本でも活動していきたいね。


goat - ele-king

 ゴートのセカンド・アルバムは、タイトル『Rhythm & Sound』が指し示すようにベルリンのミニマル・ダブとリンクしているが、あの極限的な音響の反復をバンドで再現したという単純なものではない。そのポリリズミックなビートは、ポストパンク時代のアフロ解釈とも違っている。過去の音楽では代用できない、真新しい音響のスリルがある! 
 8月13日、「goat」の東京でのレコ発ライヴが渋谷WWWにて開催される。そのライヴでは、バンドが志す最高の音響が具現化されるであろう。オープニングアクトは、先日欧州ツアーから凱旋したばかりのsajjanu。特別ゲストは、先日ライヴ・アルバム『workshop』を出したばかりのオウガ・ユー・アスホール。これは贅沢なメンツです!



2015年8月13日(木)渋谷WWW
【goat『Rhythm&Sound』release live】
https://www-shibuya.jp/schedule/1508/006267.html


■opening act:
sajjanu

■special live:
goat/OGRE YOU ASSHOLE

開場18:30/開演19:00
前売券:3000円(+D)
※ローソンチケット【L:75152】/チケットぴあ【P:268-542】/e+にて取扱中。


Kiyoko - ele-king

 UKの主要レーベルのディストリビューションを行っていた、STホールディングスの倒産が去年話題になったが、〈オグジリアリー〉はその影響をモロに受けたレーベルのひとつだ。現在は新しい流通会社を見つけたものの、しばらくレーベルはレコードをリリースすることができない状況におちいってしまった。
 同レーベルから発表された『シー・オブ・ツリーズ』はキヨコのデビュー作で、今年の5月に3年のときを経てレコードでリプレスされた(初回はデータとすぐに売り切れたフィジカルはCDのみだった)。〈オグジリアリー〉は、レーベル・オーナーのプロデューサー、ASCの活動を反映して実験的なドラムンベースやノイズ作品に主軸の置いているため、アンビエントやエレクトロニカのフィーリングを持つ今作は、他の作品と比べるとかなり異色な存在である。しかもアルバムのレコード化は今回がレーベルにとって初めてのことで、数ある作品のなかから再び世に出したかった1枚が今作、ということになる。

 キヨコのふたりはジャケットの陽光に輝く桜が咲き乱れる風景から程遠い、霧吹きで吹き付けられるような雨が降るマンチェスターの郊外でアルバムを作った。メガネの青年、ジョー・マクブリッジことシンクロはメロディアスなダブステップやドラムンベースの作品を多数発表していて、最近は同じ町に住むインディゴとのユニット、アコードでも素晴らしいベース・オリエンテッドなテクノをリリースしている。相方のジャック・レバーは、ベーリング・ストレイト名義でIDMやアンビエント作品を作り、マクブリッジと同じ町に暮らす彼の後輩にあたる。

 その名(日本名の「清子」という名前からとっている)が示すように、キヨコのふたりは「東洋的」な音を用いることをコンセプトに置いている。アルバム全体を通して、日本の電子音楽の歴史でよく耳にするような優しいメロディ・ラインや、民族楽器の音色などが登場することからも、そのねらいは功をそうしているようだ。けれども、そこで彼らが描く「東洋」を表す音がわれわれにとって新鮮に見えることがおもしろい。

 たとえば “オープン”や“ダルシマー”のメロディや生楽器と電子音の混ざり具合からは、彼らが影響を受けたであろう竹村延和や坂本龍一あたりを連想するのだが、実際に思い浮かんだ音楽と比較してみると、キヨコがやっていることがかなりシンプルだとわかる。緻密に組み込まれたリズム・パターンもコードが絶えず変化する展開も『シー・オブ・ツリーズ』にはない。キヨコが演じるのは、実際の日本で見つかるようで見つからない「日本」の音楽だ。

 そういうシンプルさを媒介して、彼らのなかの「東洋」と、ふたりの重要な影響源であり、今回もその要素が見え隠れしている〈ワープ〉や〈スカム〉のエレクトロニカが結合しているように感じる。ボーズ・オブ・カナダのようなサンプリング・コラージュや透明感溢れるシンセのレイヤーを想起するひとは少なくないはずだ。

 シンクロの本業ともいえる重低音が際立って現れるシーンが1曲めの“ファースト・サイト”や中盤の琴のような音が響く“ヴァレイ”にはある。東洋的な旋律の(サイノ・)グライムやダブステップは多くあるものの、同じようなベクトルを向きながらも踊れる要素を極力手放し、メロディと空間を用いてここまで聴き手を引き寄せる音は、今日のベース・ミュージックのシーンでも群を抜いている。

 品川駅の場内アナウンスがサンプリングされたその名も“シナガワ”という曲が3曲めにある。今作を制作していたとき、キヨコのふたりは品川駅どころか成田空港にさえ降り立ったことがなかった。冒頭から“シナガワ”の流れに耳を傾けていると、僕はどうしようもなくノスタルジックになる。訪れたことがない場所の音楽をテーマに作られた曲に対して、そのような感情を抱いてしまうのはつくづく不思議だなと思う。去年、シンクロがアコードとしてついに来日した。東京から名古屋に向かうときに初めて訪れた品川駅を、彼はいったいどんな気持ちで歩いたのだろう。


Kiyoko - Shinagawa

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