「UR」と一致するもの

LINDAMANN (GOLINDA RECORDINGS) - ele-king

来年1月に新しくスタートしたレーベルGOLINDAより
1st Album”RITUAL”リリースします。

https://soundcloud.com/lindamannn

チャート(順不同)


1
BENJAMIM DAMAGE - 4600 EP - 50WEAPONS

2
LUMIGRAPH - THE YACHT CRUISER EP - MISTERSATURDAY NIGHT

3
ANTHONY NAPLES - P O T - PROIBITO

4
STELLAR OM SOURCE - ELITE EXCEL - RVNG

5
MIX MUP - AFTER THE JOB - HINGER FINGER

6
MM/KM - MIX MUP & KASSEM MOSSE - THE TRILOGY TAPES

7
ONOE CAPONOE - DJRUM VS EP - 2ND DROP

8
DEADBEAT - CLAUDETTE - ZAMZAM SOUNDS

9
V.A - LIVITY SOUND - LIVITY SOUND

10
LEVON VINCENT - HILO EDITION - NOVEL SOUND

interview with Downy - ele-king

 絶え間なく展開する変拍子のはざまに、「曦(あさひ)」という文字が落ちる。乾いたドラミングと硬質なギターの音の上で「春」という字がにじむ――詞のカードを見てみてほしい、そこには旧カナを散りばめ文語体でつづられたうたの言葉が、近代詩のような佇まいで並んでいる。
これがインドとビートルズと沖縄をルーツに持つ文体だと知ったときに、筆者の凝り固まった観念は激しく攪拌された。なんというミクスチャー。

 エスニックの意匠をいたずらにかけあわせたり、性質の異なるものを無邪気に混ぜ合わせたりするのではない。それらが、ひとりの人間の生きてきた時間とその経験体験のすべてのなかにたくしこまれるかたちでミックスされたものであることに感動してしまった。ダウニーの中心人物、青木ロビンはそのリスペクトすべき人格もふくめて非常に魅力的な人物だ。その彼の内側から波を打って広がっていく異形のヴィジョンを、緻密に構築されたバンド・アンサンブルが支え、展開させていく。それがこのバンドの非常に強力な柔構造なのではないかと思う。青木裕、仲俣和宏、秋山タカヒコ、石榴、各メンバーはそれぞれが別のプロジェクトや名だたるアーティストたちのサポート・メンバー、プロデューサー、映像作家としても活躍する磐石のプレイヤーたちだ。インプロ・パートの安定感とダイナミズムなど、それだけでもじゅうぶんに素晴らしく、9年の空白をものともしない熱心なファンがいることの理由がよくわかる。


downy
第五作品集『無題』

Felicity

Tower HMV iTunes

 そう、ダウニーは2000年の結成以降4枚のオリジナル・アルバムを残し、2004年から約9年もの活動休止の期間を迎えていた。ポストロックという言葉が国内において実体を備え輪郭を現しはじめる、その黎明のなかにいたバンドである。輝かしい軌跡のなかのその空白部分についてはこのあと語られるわけだが、すでに「ポストロック」という言葉が歴史の項目のひとつに格納されてしまっている時代、彼らはそこから歌と人生とを引き出した。もちろんダウニーはダウニーなので、演歌でもフォークでもない。ギターはソリッドでポストパンク的な荒涼感があるし、爆ぜるようなドラミングにもそのプロダクションにも殺伐という表現が似つかわしい。エレクトロニクスにもさえざえとしてドライな覚醒感がある。しかし「僕のなかでかなり温かい作品なんです」(青木ロビン)と語られるその温かさとは取りも直さず、人生の熱ではないだろうか。

 筆者があまりテクニカル系の「ポストロック」に親しみを感じてこなかったのは、閉塞的なテクニカル信仰をよんだり、折衷性(メタ性)を評価されるわりにベタにロマンチックだったり、エモーションの扱いが粗雑だったりする悪い例をたまたまいくつか目にしてきたせいかもしれないけれども、それは単にシーンが若かったということなのかもしれない。テクニックこそは人間の生きる長さとともに意味を増していくものなのかもしれない。ロックが仮に青春期以降を乗り越えられずにゾンビ化しやすいものだとすれば、ポストロックはむしろそのあとの時間において真価を発揮するものなのかもしれない。――そのようなことをこのダウニー5枚めの復活アルバムで感じさせられた。これまでの作品を否定するのではない。筆者が手ぶらの一般リスナーとして、とても親身な思いでこれを聴いたということに共感していただけるだろうか? 趣味や好みを越え、敬意をこめて聴いた一枚だ。日本のポストロック第一世代バンドがそれぞれどのような2010年代を迎えているのか詳しくはないけれども、この作品はひとつの感動的な例を示しているのではないだろうか。

9年という時間

単純に僕は、メールの書き方も知らない人間だったんだな、というようなことに気づかされましたね。

今回9年ぶりの新作ということなんですけれども、そう聞きますと、「マイブラ22年ぶりの新作」みたいな感じで、妥協しないからこそリリースしないというような、非常にストイックな印象も受けます。実際のところはどうなんでしょう?

青木:単純に活動を休止していたので、その間、制作する気がなかったっていうだけなんですけどね。で、いざ電話して「やりましょうボチボチ」っていう流れなんです。

野田:やる気を失った理由っていうのは何なんですか?

青木:いやー、9年前のことなんでドンピシャで覚えてないんですが、単純にやりたいことがもっといろいろあってですね。それは音楽以外のことも含めて。いちど音楽から解放されたいというか、音楽を普通に聴く耳に戻りたいというか、そんな気持ちがありました。

ああー、切実ですね。

青木:なんか何を聴いても、「どう作ってるのか」とか、そういうふうにしか聴けなくなっちゃっていたので。食あたりじゃないですけど(笑)、「聴けない」みたいになっていました。

とすると、いつか再開する予定を立てながら休んでいたというよりも――。

青木:そうですね、ほんとに無期限で。何度かタイミング的にはターニング・ポイントがいくつかあったんですけれども、「まだかなー」みたいな感じだったんですよ。

なるほど。

青木:まあメンバーとちょこちょこ連絡取り合ったりとか、彼らの出す音源はもちろん聴いていたし。3年ぐらい前から「いつやるかねえ」みたいな話はしてたんです。2年前に「やりますよ」って電話をちゃんとして、「やりますか!」ということになって。

最後に背中を押したものというか、決め手みたいなものって何かあったんですか?

青木:何でしょうかね。これは訊かれると思ってたんですけど、とくになくて(笑)。「いまだな」って思っても、自分のタイミングとみんなのタイミングがちょっとずれたらできなくなりますから。みんな各々アーティストとして頑張っているんで……。ほんとにたまたまだと思います。電話してみたら「そうかもね、いまかもね」みたいな感じでした。

なるほど。10年ぐらいのけっこうな時間ですけど――。

青木:そうですね、はい。

漠然とした質問なんですが、どういった9年間でしたか?

青木:僕個人としては、ほんとにやりたいことをあれこれ仕事して。会社作って、飲食店やって、ほんとにいろんなことをしました。子どももできていたので、子育てして。で、新しく友だちができて、みたいな(笑)。海外での仕事もしていたので、いろいろ土地も回って。

野田:海外の仕事ってどんなの?

青木:アパレルですね。

野田:へえー。

なるほど。音楽活動からはずいぶんと変化した時間だったんですね。

青木:変化というか、単純に僕は、メールの書き方も知らない人間だったんだな、というようなことに気づかされましたね(笑)。

(笑)生活のなかに、社会ってものがせり出てきたんですね!

青木:そういう意味でも、「音楽だけ」ってことになるのが、最後らへんはイヤになってきていたというのもあって。4枚目のアルバムくらいのときには、服の会社をもう立ち上げてやっていたんです。でも、最近感じるんですが、いま若いバンドマンなんかといっしょに曲を作らせてもらう機会があると、みんなすっごい丁寧ですね。

ああ、なんかちょっとわかります。

青木:「俺こんなじゃなかった」とか思いながら。みんなすごいな、と思って(笑)。

いまの若い方が、アーティストとしてのエゴよりも、そういったものを大切にされてるなっていうのは、わたしもすごく感じますね。

青木:そうそう。大事なことですよね。単純に印象がいいですからね(笑)。

ははは……

青木:俺が印象悪かったなって(笑)。

そうなんですか(笑)? お会いして、すごく丁寧な方という印象を受けましたけども。

青木:いやいや。いまはこうなりました。

はははは。9年のひとつの成果というか(笑)。

青木:ひととだいぶ喋れるようになったので。オープンにはなったと思います。

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踊らない身体

僕はだから、踊らないんですよ。

なるほど。いっぽうで音楽的な意味でこの10年を見てみますと、2000年代の初頭は、まだポストロックっていう言葉が機能していたと思うんですけども、その状況は変わりましたね。つい最近だったらアンビエントとかドローンとかダブとかに影響力があるように、構築性の高さやバンドのセッションのダイナミズムみたいなものよりも、どちらかといえば、そういうものを解体していく流れっていうのがこの10年を作ってきたようにも感じます。ダウニーの方向性と世間の流れみたいなものとを比べたり、あるいはそこで迷ったりってことはありましたか?

青木:新作に関してってことですか?

そうですね。

青木:3年ぐらい前から、僕はもう一回曲作りしようと思って――まあもとからちょこちょこ家で触ったりはしてたんですけど、ほんと趣味程度にはやっていて。なんというか、音楽をほんとに「聴く」耳にやっと戻ったんですね。自分の飲食店で流す音楽を、当時は絶対聴かなかったカフェで流れるような音楽にしたりとか。やっぱり心地いいんですよね、そこでコーヒーを飲むと(笑)。それが居心地の良い空間を作ってあげるという、自分のひとつのデザインであり、作品でもあるので……。飲食店という仕事においては、ですが。沖縄に移り住んで、海沿いでレッチリ聴いたりして、「気持ちいいなー、レッチリ。やっぱ海沿いなんだなー」とか(笑)。

(笑)

青木:なんだろうな、ほんとに作り手の耳ではなくなって。沖縄ではクラブ関係者の友だちが多いんですが、その子たちのイヴェントに行っても、「いまかかったの何!?」じゃなくて、「あー気持ちいいなー」みたいな、やっとそういう風に音楽が聴けるようになってですね。僕は、自分で音楽をやろうと思ったときから、聴き方が全部「あれは何の音だ、何のエフェクターだ」っていうふうになっていたので……。ほんとに単純に、子どもといっしょに子どもの音楽を聴いたりして、「俺もこんなの聴かされたんだろうな」とか思ったりするようになったし、音楽って、みんなにとっては生活にもっと密接したものだし、そのときそのときでチョイスするものなんだっていうことがようやくちゃんと理解できて。
 ダウニーの制作の話に戻ると、僕の作る音楽はもともとやりたいことが明確にあるので、最初は全部打ち込みで作ったものをメンバーにやってもらおう、ぐらいのつもりで、デモをバーッと作りました。じつはEDMの要素も少し入っていたんですけど、メンバーと話して、ダウニーってバンドでそれをやると、なにか古い音楽になってしまうんじゃないかっていうことで、一回解体して。で、今度はスタジオ・セッションをメインに構築していきました。だけど、それはそれで前のままじゃないかと。それで、いまの形になりました。データのやり取りをする。僕が、もらったデータをどんどん曲にしていって、投げて、もう一回作り変えてもらって、みたいなやり方です。
 肉体とエレクトロニックの狭間といいますか、そういうものを作りたくてですね。今回悩んだってところは、すごくボツったことですかね。30曲ぐらい書いて、残った曲でやっているんです。もはやネタになってますけど、自分のなかでは7枚目のアルバムにしたいぐらいの心境です、はい。

僕らメンバーがいちばん「ダウニーはこうだ」って決め込んでいるのかもしれません。

へえー! いまエレクトロニックっていう言葉が出てきましたけど、たしかにキーになっている音楽性ですよね。65デイズオブスタティックとかは、やっぱり一時代を作ったと思うんですけど、ポイントだったのはやっぱりそこにエレクトロニックなものが介在していたことです。ポストロックって、エモに行くものもあれば、フィジカルをストイックに追求したマス・ロックみたいなものもあれば、ハードコア・パンクの流れ――ビッグ・ブラックとか、シェラックとか――から続くものもありますよね。そんななかで、65デイズオブスタティックはすこし違う身体性を持ってたと思うんですよ。あるいは、ダウニーっていうバンドも。そのエレクトロニックっていう部分に寄っていったきっかけというか、アイデアみたいなものについてお訊きしたいです。何かに触発されたものなんですか?

青木:僕が若い頃からクラブにしか足を運ばない人間になっていたので、結局自分の身体に入ってくるものがすんなり出てくるんですね。父親がヒップホップのお店をやっていたりとか、いろいろ経緯もあるんですけど。

野田:すごいですね、それ。お父さんが?

青木:そうですね(笑)。インド人なんですけど。

野田:へえー!

青木さんは沖縄で育って、お父様がインドの方で、ヒップホップのお店をやってらっしゃってという、けっこうルーツとしては複雑な方なんですよ。

野田:すごいよ。

青木:そうなんです。で、母がビートルズの追っかけだったんで。家では小さいときからビートルズやドアーズが流れていました。そのあたりの洋楽は普通に……まあ5歳まで香港に住んでいたので、イギリス圏だったということもあって、テレビでずーっとビートルズとかのPVが流れているようなチャンネルがあったので。それ観て、意図せずにそうした音楽が入ってきましたね。
 で、クラブ・カルチャーにすごく傾倒する時期があって、自分はバンドマンとしてどうやってそれを表現していくかっていうことを、すごく考えたんです。それが結果としてダウニーの曲の作り方になっていますね。けっこう早い段階から、僕らは周波数の場所を決めてアレンジしていこうとか、そういう考え方をしていたので。当時、時代はシューゲイザーがガーッと音の壁を作って、みたいな感じだったんですけど、それはげんなりしていました。もっと音数が少なくていい。で、やっぱりミニマルですよね。それが大事だった。それを生でやるからこそ、体感できるリズムやノリがあるし、重ねれば重ねるだけ熱量が上がっていく。まあ、いまはPCでもそれができるんですけど、昔はもっとダンス・ミュージックの熱量が楽器によってプラスされていましたね。人間だからできることというか。僕らはずっとそれをやり続けて、いまに至っています。

ダンス・ミュージックがいかにダウニーの音楽にとって大きな要素であるかということはわかったんですが、たとえばダウニーの変拍子とかって、もっと身体をがんじがらめにするようなものなのかなってイメージがあったんですね。もともとすごくストイックなバンドという思い込みがあったので、そういうクラブ的なルーツには意外な感じがしました。

青木:僕はだから、踊らないんですよ。

あ、そうそう! わかります(笑)!

野田:(笑)

青木:とりあえず聴いていればいい、っていう、なんかそんな感じでした。

ああー。先ほどから、青木さんがすごくしっかりとしたお考えと哲学をお持ちの方なんだということに感銘を受けまくっているんですが、遊び心みたいなことでいうと、あんまり感じないというか、すごくマジメな印象を受けますね――。

青木:そうですね(笑)。それが悪いところでもあり(笑)、まあいいところでもあると思うんですけど。

実際に悪いと思ってらっしゃるんですか?

青木:そうですね。

へえー。

青木:遊びの成分を入れてみたりするんですけどね。

その遊びが「音の周波数」だったりすると、あんまり遊びって感じじゃないですけど(笑)。

青木:今回クラップが途中まであったんですけど、やっぱり結果的に「うーん、いらない」ってことになって。ミックスの最後の最後になくなっちゃったりとかしましたね。

それを削いでいくのはやっぱり、みなさんのマジメさなのでしょうか?

青木:まあたぶん、僕らメンバーがいちばん「ダウニーはこうだ」って決め込んでいるのかもしれません。

ああ、なるほど。

青木:「これはダウニーじゃない」「これはダウニーだ」みたいな。とくに彼らはずっと東京でミュージシャンをやってきて、周りからの反応をずっと感じてるんだと思うんですね。「こうだった、こう思ってた」とか。僕は逆にずっと離れていたので、そうでもありませんでした。まあ、ほんとにたまに、沖縄の店にも「ダウニー好きだったんですよ」って言って来てくれる子がいたりするくらいで。ダウニーTシャツを着たお客さんが来て、「カフェ、こういう感じなんですね」みたいなひとコマがあったり(笑)。なんかちょっと違う、みたいな顔されたりするんですけど(笑)。

はははは! ちょっと開放的な感じとかが。

青木:自分はそこまでないんですが、メンバーのほうにはもうちょっと「ダウニーらしさ」っていうものがあるみたいですね。ダウニーっていうのはこうです、って。

じゃあほんとに、この9年というのは、自分たちを客観的に見て対象化するとともに、音楽とも出会い直すような時間だったんですね。

青木:そうですね。そうだったと思います。

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Downyの漢字仮名世界

僕はなんせ日本語が喋れないで日本に来ちゃったんで。

なるほど。さんざんストイック、ストイックという言い方をしてしまいましたが、そのいっぽうで、エモーショナルでロマンティックな音楽でもあると思うんですよね、ダウニーの音楽というのは。ご自身がロマンティストだな、と思ったりすることはあります?

青木:いや、僕まったくないでしょうけどね。

あ、そうなんですか? でも、たとえばこの、歌詞の漢字仮名使いというか、旧漢字・旧仮名・擬古文調の言い回しを使いながら、文学の香りみたいなものを立ち上らせていくところは、ダウニーのすごく重要なイメージだと思うんですよ。大正ロマンとか明治ロマンっていうことを言うつもりはないんですが、こういう雰囲気はロマンティックだなーと感じるんですけどね。

青木:ロマンティックですかね(笑)。いや、わかんないです。そうなのかもしれないです(笑)。自分では感じないだけで。

へえー! これはどこからやってきたものなんですか? 好きな文学作品があったりとか、そういうことなんでしょうか?

青木:そうですね、僕はなんせ日本語が喋れないで日本に来ちゃったんで、最初すごく苦労したというか、イヤな目に遭ったというか。

そうなんですか!

青木:ものすごく勉強したんです、単純に。誰よりも漢字を知りたかったし。本を漁っているなかに好きな作家がいたりですね。詩ってこんなふうに書いていいんだ、とか、文章ってこんな形があるんだなって。ずっと自分なりにそういうふうな表現ができたらいいなと思って、闘っているというか、書き続けてるというか。

へえー! 言葉に対する不器用が生んだ一種の器用、みたいな感じなんですかね!

青木:そうなんですかね(笑)。

これ、完全にダウニーという世界を作っているじゃないですか。

青木:そうですね。

しかも観念的な作風というか。たとえば“下弦の月”って曲がありますけど、これは下弦の月を実際に見て書いたんじゃないだろうなって思うんです。いや、見て書いたのかもしれないですけど、それとは違う「下弦の月の世界」が頭のなかにあるんだろうなっていうふうに、すごく感じるんですよ。

青木:そうですね。自分しかわからないって言うと残念なんですけど(笑)、映像があって、イメージがあって、それに音をつけて、歌詞をつけてって感じですね。まあ、結果的にライヴだったら映像がついて、そのイメージをひとに伝えることができるようになるんですけどね。この歌詞の字面(漢字旧仮名表記)も含めてなんですけど、まあこういうイメージなんですね(笑)!

はい、すごくわかります。でも、ライヴじゃなくてもばっちりイメージで来ますよ。あるときあるひとが見た、事実としての月があるんじゃなくて、もっと観念的に構築された世界があるんだろうなって、すごく感じるんですよね。それがダウニーという、すごく特徴的な世界観を作ってもいて。

青木:(小声で)ありがとうございます。

ああ、でもなんかすごく意外でした。日本語ができない段階でいらっしゃったというのは、何才ぐらいのことですか?

青木:小1ぐらいです。そのくらいで日本語が喋れないと、もうすごいストレスというか。すごくイライラしてたのを覚えています。

野田:いきなり日本に来て日本人と同じ学校? インターナショナル・スクールとかじゃなくて。

青木:そうですね。親もなかなかなんですけど(笑)。

はははは!

青木:最初は東京だったんです。それが幼稚園の最後ぐらいで、やっと言葉を覚えたと思ったら、今度は沖縄に行って、「なんじゃこりゃ!」ってなって。何を言っているか全然わかんなくて……。

野田:ああ、方言だから。

青木:「イチから俺これやんの?」と思って(笑)。すごくイヤだったのを覚えています。

いちおう小学1年も「あいうえお」から学びはじめますけど、ネイティヴな子たちが基本だから、スタート・ラインがぜんぜん違いますよね。

青木:そうですね、ずっと怒ってましたね。「シャラップ!」ってずっと言ってたのを親が覚えていて(笑)。

はははは!

青木:「シャラップ」しか言ってなかった(笑)。

でも、それは幼い頃だと――

青木:そうですね、ダメージがけっこうね。

ねえ。でもそういう頃から、おうちに帰れば音楽が鳴っている環境だったんですか?

青木:そうですね。父親の部屋ではインド音楽が流れ、母親の部屋ではロックだったり、ジョージ・ウィンストンが流れてたり(笑)。ムチャクチャな感じでした。

なるほど(笑)。わたしはほんとに思い込みで、この文語っぽい感じっていうのは、中学とかで文学的な嗜好が強い男の子が傾倒する表現かなって思っていたんですよ。――なんというか、一種の青さとロマンティックさが強い文学性と結びついて生まれるような、エネルギーの高い文語表現。そういうものがこの歌詞世界の後ろにあるのかなと思ったんです。……それが、インド音楽とビートルズとネイティヴじゃない日本語話者から立ち上がってきたものだとわかると、全っ然、見え方が変わりましたね。

青木:自分の通過してきたものよりも、聴いたことのないものをやりたいという性分でして。歌詞もそういうことなんだと思います。まあ僕はこの歌詞の書き方しか知らないんで……。他がわかんないので、ちょっと何とも言いがたいんですけど。

野田:とくに好きだった作家はいますか?

青木:えっと、最初ほんとに「これは!」ってなったのは、萩原朔太郎。石原吉郎も「えー!」っていう。

朔太郎! じゃあどっちかって言うと、詩に寄っている側っていうか。

青木:いまでも、何でもかんでも本は読むんで。そのあたりを小学校ぐらいでカッコいいなーって思ったのを覚えてますね。

はあー。その最初の感動を、ダウニーを通してわたしも感じる気がします。

青木:そうですか(笑)。

なんかわかります。追体験しちゃいますね、小学校の頃、教室で詩集を読んだの。メンバーの方が詞を作るってことはないんですよね?

青木:ないですね。

たぶん他のひとからすると、この言葉の作られているテンションっていうのは高いもの――エネルギーの高い詞だと思うんですね。で、演奏があるわけですけれども、最初は、ダウニーのアンサンブルや変拍子って、詞のテンションの高さを解体するものとして働いていると思ったんです。だけど、もしかすると加速してるのかもしれないですね。どうなんでしょう、みなさんは詞にインスパイアされて、って感じなんですか?

青木:イメージは最初に伝えるので、共通していくものがどんどん出てくると思います。シンプルに“雨の犬”だったら、「雨の犬」っていう仮タイトルがあって、イメージがあって。わりとみんな長くいっしょにやっていたんで、それですぐ伝わったりはするんですけどね。どうかな、そこまで歌詞のこと考えてるかな、みんな(笑)。考えてるのは俺だけかもしれない(笑)。ただ、「どこの部分が好きだ」とかは言ってくれますけどね。たぶん、歌詞に関しては一任されてるんじゃないかな。

なるほど。それぞれスキルのある人々がやっているセッションですから、歌詞があろうがなかろうが、やろうと思えばどこまでも続くでしょうし、いくらでもできるでしょうし。だから言葉や歌はそこにふわっと乗ってくるだけ、という側面もあるんでしょうね。

青木:とくに今回、歌ものにしたいっていう思いがあったんですが、それはあまりダウニーのやってないところでもあったんですね。ずっと自分で歌を歌うのがイヤだったので。ほんとに、別のひとが歌ってくれればいいのにってずっと思ってたんですけど、これまではあんなにパーツの少ない歌のためにヴォーカルに立ってくれるひとはいなかったし(笑)。

ああ、なるほど(笑)。

青木:結局自分がやるほうが早かったりしちゃうんで。でもこの9年、子どもたちと歌ったりですね、なんだろうな、シンプルな歌ものとか……もちろん形とか方向性は違うんですけど。
僕にしかできないメロディがあって、僕にしか出せない言葉があるなら、もっと明確にそれを伝えていってもいいかなっていうのが今作にはあって。なんか……そんな感じですね(笑)。

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柔らかくなりあたたかくなること

いま思うと、昔はいろいろ相容れないというか、「自分は発散するけどひとのものは容れない」っていうタイプだったのかもしれないですね。いまはわりとシンプルに入ってくるし、それをまた出していけるし。

すごくいいお話です。曲はギターで作る感じですか?

青木:いや……? メロディが先な場合もありますし、トラックを作ってそれに歌を乗っける場合もあります。それに付随してコードを変えていったりとか、アレンジを変えてアンサンブルを変えていったりとか。ここでもっと盛り上げたいとか。ここはノイジーなんだとか。みたいなことは伝えますけどね。

ああ。ひとりで趣味で曲を作っているとおっしゃっていたので、もしギターを爪弾きながら曲が出てくる感じだったとすれば、それはそのままサッドコアみたいなものになるかなーと思ったんですけど。

青木:曲によりけりですね。“燦”とか“雨の犬”だったら、ギター弾きながら歌って作って、メンバーに送って、メンバーが楽器をつけていくって流れだったり。曲によっては完全にリズムから先に組んじゃって、それを叩いてもらってアレンジしてもらってとか。全然まるで変えてきちゃったりするんで、彼らは(笑)。メンバーが3人でスタジオに入って作ってきたものを僕に投げて、僕がそれをまた構成立ててっていうのもあれば、いろんなかたちがあります。

なるほど。さっき、ライヴだと映像でちゃんとイメージが提示されるってお話がありましたけど、映像でもダウニーは際立った作家性を残されているっていう印象があります。それは作られているメンバーの方が――

青木:zakuroです(笑)。

(笑)zakuroさんに一任されている感じなんですか?

青木:もちろん彼も作るんですけど、彼はディレクターみたいな形かな、いまは。いちばんわかりやすく言うとそんな感じです。あとは現場のVJですね。ひとの紹介だったりとか、僕が何人か挙げていったひとたちのパイプ役をやってもらっていて。そのあたりのイメージがわりと共通している。僕のことをすごく理解してくれています。いまは、これはないよね、これはあるよね、みたいなことをやってもらっていますね。もちろん本人もPVを作りますし。でも、今回は9年のなかで出会ったひとたちがいて、彼らとやってみたいなっていうのがあるので、オファーしているところです。いま数人でいろいろ作っていますよ。

あ、なるほど。映像も歌詞に負けず劣らずというか、けっこう思索的な内容を含んだものだなーって感じるんですよ。過去のもので、“漸”とか、“形而上学”とかの、ずっと扉が開いていくイメージ。あの正解のなさみたいなものを突きつけてくる感じっていうのはzakuroさんの個性だったりするんですか?

青木:“形而上学”は小嶋さんって方にやってもらったんですけど、それも当時僕の頭にあるものを無理矢理具現化するみたいなところがありましたね。当時は「この手法を試してみたい」とかって思って、自分でもカメラ持ちましたし、編集も立ち会いましたし。「もっと画角を」とかですね(笑)、そんなことを言ってたんです。今回は大人になって寛容になったので、向こうが言っているものが良かったりもするって、気づきました。いいものをどんどんオッケーしていけばいいなーと思ってます。

あ、じゃあその寛容さっていうのが一種の歌心みたいなものを引き寄せたりもしてるんですかね?

青木:そうなのかもしれないですね。自分では自分のことなのであんまり考えてなくて、インタヴューされてはじめて考えることのほうが多いんですけど。やっぱりいま思うと、昔はいろいろ相容れないというか、「自分は発散するけどひとのものは容れない」っていうタイプだったのかもしれないですね。いまはわりとシンプルに入ってくるし、それをまた出していけるし。ふたつのアイデアなら、1たす1は2じゃなくて、3以上にしなければいけないわけですし。それができるようになったのがいまの強みなのかなとは思っていて。考えもしなかったんで……たとえばひとに曲を書くとかですね。なんか、できるようになりました(笑)。

はあー、なるほど。本当にいいお話です。いろんな自分のなかの扉みたいなものが開かれていく感じだったんですかね。

青木:まあ、揉まれましたよね(笑)。

なるほど(笑)。

青木:いや、やっぱ優しいひとにいろいろ出会って。みんな優しいなと思って。自分もですけど、子どもを見る目としてこんな気持ちになるんだなっていうのが強くあって。何て言葉にしていいかちょっとわからないんですけどね(笑)。もちろん自分の大事なものは絶対守んなきゃいけないですし、自分の正解は必ず残すんですけど、もっといろんな見方があって、その見方を受け入れることができなかったら逆に向こうも受け入れてくれるわけがないというか……。現時点ではそこにいるんだと思います。

ハッピーだからハッピーな曲になるとか、そういう単純な表現をしないわけじゃないですか。一見重たくて厳しいような感触がありますが、今回の作品にはおそらくそういうふうなものが溶け出ているんでしょうね。

青木:はい。そうだと思います。今作は自分のなかでめっちゃ明るいんですけど。めっちゃ明るい曲ばっかり並んでるなーと。だけど、いままでダウニー好きなひと大丈夫かなー、みたいな(笑)。

へえー! それすごく太字で書きたいです(笑)。

青木:明るいって言われるんじゃないかなと思ってたんですけど、どうやらそうは思われないみたいなんで、それはそれで良かったと思うんですけど(笑)。

5人が5人とも、いろんな経験をしてきたところで、単純に人間性がにじみ出た作品だと思うんですね。だから僕のなかでかなり温かい作品なんです、今回は。むしろ暑苦しいなと思っていて。

ははは! 明るいというか、プロダクションがすごく綺麗に整えられてる、角とかガサガサしたものが削られてるという感じは受けましたけどね。元々すごくソリッドなギターの音だったり、それこそポスト・パンクっぽいっていうような、ラフさみたいなものがあったと思うんですけど、今回はすごくクリーンというか音響的に透き通っているというか。ジム・オルークとまで言うと何なんですが(笑)、そんな印象を受けました。そのあたり、考えていたことはあるんですか?

青木:でも元々ダウニーは、ひずみ、ブーストするのがイヤなんで。

あ、そうなんですか? さっき言っていたようなシューゲ否定みたいな感じがあったわけですか。

青木:そこまでは言わないですけど(笑)、ひずませればいい、みたいなのがなんかね……。誰でもできるし。もっとアンサンブルで凶暴さを出すってことですね。リズム・セクションとして凶暴さというか、僕らの持っている闘う姿勢を出していけたらいいなと、いつも思ってやってます。あんまり姿勢としては変わってないんですが、やっぱり僕らも年を取ったし。5人が5人とも、いろんな経験をしてきたところで、単純に人間性がにじみ出た作品だと思うんですね。だから僕のなかでかなり温かい作品なんです、今回は。むしろ暑苦しいなと思っていて。どう映るかはちょっと置いといて(笑)。

あー、でもそれはすごくいい話です。

青木:いまの僕らにできること。だから無理矢理冷たくすることはやっぱりいまの僕らにはできないですし、怒ってないのに無理矢理怒ることもやっぱりできないです。ほんとに、いま僕らのあいだにある人間関係が生み出したものなんじゃないかなと思います。
 だからわりと楽しく作って――まあもちろんキツいんですけど。ダウニーっていうのは制作自体がほんとに何回でもボツりますし、何回でもやり直すし、正解がどこにあるのかほんとにわかんなくなるときもあるぐらい悩みながら、トラック・メイキングしていくっていうバンドなんです。それをしかも、PCという選択肢もあるのに、わざわざ自分たちで弾き直してやるので。すごくキツい作業ではあるんですけど、わりと楽しくというか、またこのバンドでできるっていう喜びをちゃんと味わいながらやれていたとは思います。

その楽しさとか温かさ、柔らかさ、それから10年分の成長なり、音楽との出会い直しとかっていう新しい要素のいっぽうで、これまで一貫してきたものとして、いま「闘う」っていうキーワードが出てきましたね。それは、何との闘いってことなのでしょう?

青木:やっぱり自分たちの作ってきたものを、10年経っても聴いてくれるひとがいて、音源を出してくれるレーベルがいてくれるというだけでも、「どれだけ信頼してるんだよ」って――愛してもらってるんだなって思うので、そのひとたちに「ダウニーはやっぱりまたスゲーの作るな」と思わせなきゃいけないですよね。
だから、いちばんの敵は自分たちだし、自分らは前作を超えなきゃいけないですし。そこについては、メンバーがみんな一貫して「ダウニーっぽい」っていうイメージを持ち続けていたのが――首を絞めもしましたが(笑)――結果やりやすくなったんじゃないかなと思います。まずレーベルのひとたちがカッコいいって言ってくれないとはじまらないですし、僕ら自身もそうですし。

自分たちが闘いの対象だというのも、ダウニーのストイックな部分のひとつだと思うんですけれども、もうちょっと社会的な部分で、外に向かう闘いみたいな、そういうことはあんまりないんですかね?

青木:まあ、べつにシーンに一石を投じるとか、そこまで大仰なことは僕も思っているわけではないんですが……。9年のブランクがあって、僕はいわばルーキーなんですよ、いま。イメージとしては学生ぐらいの感じなんで(笑)。ほんとにギター持ったばっかりの頃の初心に戻っているので、そこまでおこがましいことは思っていないですね。まあでも、ファン以外の人にも聴いてもらうわけですから、他のバンドに「あいつらと対バンしたくねー」ぐらいに思われることはやんなきゃいけないと思います。自分らの音楽が、いまのところの自分らの正解であるというところまでは、ちゃんと作り上げたいので。
 社会に対して、という部分は、僕ら元々そういうスタンスでもないですから。もっと単純に、「こういう表現がしたい」っていうことを突き詰めているバンドだと思います。僕に至っては、自分の頭にあるものを映像でも何でもいいから吐き出していくというだけですしね。そこを目的にしています。

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沖縄という場所

なるほど。それはとてもよくわかります。でも、音楽にする必要はさらさらないんですけど、沖縄にいらっしゃると内地では見えなかったことが見えたりする部分もあるんじゃないですか?

青木:そうですね、たとえば基地の問題なんかは根深いです。誰も欲しいとは思っていないけど、依存している部分もあると思います。なければ実際に沖縄の経済が支えられないというような現実もあって。

ああ、なるほど。産業って観光くらいなんでしょうか。沖縄って、シングル・マザー率が高かったり、所得の水準が低かったり、常夏の楽園ではない、暗い部分を抱えていたりもしますよね。地震のあとはこちらから移住する人もけっこういたんじゃないかと思うんですが。

青木:そうだと思います。ただ、沖縄もそれぞれのコミュニティは小さなものなので、そこで元々の住民と分離せずに馴染んでうまくやっていけるかどうかというところでは、必ずしもうまくいっていないところもあるのかもしれません。

ああ……、今後ますますくっきりと明暗の出てくる問題なんでしょうね。逆に東京から距離をおいたことで、東京を客観的にとらえて見えてくるところもあったのではないかと思いますが、何か問題や欠点みたいなものは見えますか?

青木:そうですね……。沖縄では、子どもを夕方家に連れて帰ってくるときなんかに、いっしょに近所の子の面倒もみたりするんですよ。気軽に声をかけて、ちょっと注意したり、連れて帰ってきたり。そういうことは、東京だとできないことかもしれませんね。

ああ、地域社会が機能しているんですね。青木さんは、本当にきちんと沖縄という土地に住まわれているんですね。わたしも、実家の方はまだそんな感じだと思います。

青木:田舎はそうですよね。沖縄はやはり田舎でもあるので、アーティストがあまり来ないんですよ。ライヴ公演が少ないんです。モトを取れるほど集客ができないので……。そのかわりクラブがとても盛んですね。

ああ! なるほど! 田舎であるがゆえに、持ち寄り文化というか、自分たちでてきるパーティが主流になると。

青木:DJだったらひとりですし、呼びやすいですからね。僕の店でもいろいろやってるんですよ。

あ、それは素晴らしいです。

青木:レイ・ハラカミさんも、ご生前最後にライヴをされたのがうちの店なんですよ。

ええー、そうなんですか! 地方で、ご自身のやれることをちゃんとマネタイズしながらも純粋にやって、地元の音楽の現場もきちんとあっためて、子育てもして……、すごい10年だったんですね。新作も、錆びるどころか、本当にそうした人としての充実までが音に結びついているということがよくわかりました。お人柄もふくめて感服いたします。では、活動が再開したからといって、東京には引っ越されないんですかね。

青木:いまのところはそうですね。

ぜひ、お店に『ele-king』置かせてください!

青木:ぜひ!

わー、ありがとうございます!

Liveミュージックのつくり方 - ele-king

 「Ableton Live」といえば、DTM用でありながらリアルタイムの操作性に優れた、ソフトウェアというより、触れれば音の鳴る弦楽器や打楽器のような、というか、エレクトロニック・ミュージックに携わる者にとってはまことに使い勝手のよい名機だが、Ableton Liveをテーマにデモンストレーションとパフォーマンスを行うイヴェント〈FADE TOKYO〉を今週および来週末開催するという。開催にあたり、米国から公認トレーナーであるジョシュ・ベスが来日。両日にわたり質疑応答とライヴ演奏をまじえながら、Ableton Liveでの楽曲制作方法、MIDIアウト使用したライティングの操作を教授する一方で、24日のスペシャル・ゲストに井上薫、29日はKOYASを招き、創作やライヴの場でソフトウェアをどのように用い、かつその相関関係でいかにして音楽ができていくかを体験する、またとない機会になるにちがいありません。

 ほかにも、今年、実験的でありながらやわらかなポップ・センスを感じさせるファースト・アルバム『In Between The Last Tone And Silence』をリリースしたEcho in Mayも両日ともに出演し、入門者にもやさしいレクチャーとパフォーマンスを披露してくれるとのこと。

 かくいう機械音痴なわたしでさえ、フィールド・レコーディングした音を加工したり打ち込んだり、Ableton Liveにはひとかたならぬお世話になっているくらいですから、これから音楽をつくろう、つくりたいと思っている読者はひとつ、PC持参で参加してみてはいかがでしょう。

■Ableton live Conference「FADE Tokyo」 ~supported by High Resolution~

会場: fai aoyama

■Day 1:2013年11月24日(日)
open 16:30
price ¥2000 / 1d

special guest speaker & performance
Kaoru Inoue

guest speaker & performance
Josh Bess
Echo in May(Fluxia)
coa(ROKURO/coma)

Live performance
Reatmo
inotsume takeshi
疋田 哲也+中山剛志
DJ At(BlackRussian)
and more…

■Day 2:2013年11月29日(金)
open:21:00
price:¥2000/1d

special guest speaker&performance
KOYAS

guest speaker&performance
Josh Bess

Live & DJ performance
Kazuaki Noguchi (Modewarp)
Echo in May (Fluxia)
MINIMA LIEBENZ (DJ SAIMURA×SHINYA MIYACHI)
GORO (Arabesque Greenling | Snows On Conifer)
DJ At (BlackRussian)
DJ Kohei Suzuki
SASAKI JUSWANNACHILL
DJ Oikawa
Yosuke Onuma
Uka
and more...

DJ Hakka-K (Luv&Dub Paradise主宰) - ele-king

年末に向けて一度は覗いて欲しいお店ばかりを列挙しました!どこへ行っても良いDJや良い仲間と近い距離で知り合えるはずです!
順位に特別意味はありません。まだまだいいお店一杯あるのでpt2へと続く予定です!
風営法にもマケズ、近所の苦情にもマケズ、良質な音とハートを提供してくれるDJとお客さんの最前線なお店ばかりです。
都内じゃなかったりCLUB形態のお店は割愛しました。

以下で近況や良いPARTYをつぶやいたりつぶやかなかったり
Luv&Dub Paradise:https://www.luvdub.jp/
Luv&Dub TW:https://twitter.com/Info_Luv_Dub
DJ_Hakka_K:https://twitter.com/DJ_Hakka_K

求めればソウルメイトと必ず会える都内のDJ BAR&小箱10選 pt.1


1
東高円寺GRASSROOTS
先日16周年を迎えたばかり。説明不要都内の小箱の代表!の割には狂った人が多数よく来る!
https://www.grassrootstribe.com/

1
原宿bonobo
名物店主「SEIさんと愉快な仲間達」なお店。ハイエンドオーディオの研究にも熱心!アホばかり集まる割には内装はシャレオツ!
https://bonobo.jp/

1
吉祥寺bar Cheeky
ジャニ顔のミュージックラバー「アビー」を中心にジャンルレスで吉祥寺界隈の強者共が集う店
https://twitter.com/barCheeky

1
三茶bar Orbit
Chillな感じでゆったり音を楽しめるナイスな内装!靴を脱いで自宅感覚で音にハマれる!
https://bar-orbit.com/

1
渋谷re:love
いかがわしいエリアのいかがわしい場所にあるいかがわしいお店。底抜けにアホな連中ばかりが時を忘れに集まる魔窟。
https://www.facebook.com/shibuya.relove?ref=ts&fref=ts

1
青山BAR OATH
ありえない立地にあり得ない音量で勝負するとんでもない店。外タレを連れてくと「これが東京か?」とみんな感動する!
https://bar-oath.com/

1
三茶天狗食堂
三茶の妖精ことDJ INAHOとドスコイ感満載のダーチーが運営する「THE 場末」。レジデントの関ヒデキヨのDJは必聴!
https://tengushokudo.com/

1
下北沢MORE
内装は80年代カフェバーを想わせるアーバン感満載だがブッキングも内容も狂人ばかりが集ってる!!
https://smktmore.com/

1
神泉メスカリート
いかがわしいエリアをちょっと抜けるとあるいかがわしいお店。re:loveと同じく底抜けにアホな連中ばかりが時を忘れに集まるやっぱり魔窟。
URL等情報ソースなし、、、

1
渋谷DJ BAR KOARA
小箱には珍しく真っ暗闇でハマれるので要注意。バーテンの作る酒の上手さは常に上位クラス!
https://www.koara-tokyo.com/

DJ Yogurt (Upset Recordings) - ele-king

DJ Schedule
11/22(Fri.)@中野・Heavy Sick Zero
11/24(Sun.)@新木場・Studio Coast(Rovo and System7 Live/Opening DJを午後4時から)
11/30(Fri.)@三軒茶屋・Cocoon
12/4(Wed.)@渋谷・En-Sof
12/7(Fri.)@新宿・Be-Wave(19時-24時開催)
12/13(Fri.)@代官山・Unit
12/19(Thu.)@笹塚ボウル(りんご音楽祭・忘年会。19時-23時開催)
12/20(Fri.)@渋谷・Sundaland Cafe(19時-24時開催)
12/26(Thu.)@原宿/千駄ヶ谷・Bonobo
12/29(Sun.)@代官山・Unit
1/10(Fri.)@神戸
1/11(Sat.)@大阪
1/12(Sun.)@京都
1/18(Sat.)@高円寺・CAVE

HP : https://www.djyogurt.com/
Twitter : https://twitter.com/YOGURTFROMUPSET
Facebook : https://www.facebook.com/djyogurtofficial

2013年11月4日、5日の二日連続で恵比寿Liquid Roomで開催されたElectronic Music Of Art Festival Tokyo・・・
略してEMAF TOKYO 2013で自分はオープニングで50分間DJした後、その後のlive actが交代する間の「転換タイム」にもDJして、結局夕方4時から夜10時の間に計6回のDJをやりました。
このイベントはその名のとおり、基本的には電子音楽が流れ続けるイベントで、自分もこのイベント出演の為に選曲を色々と考えて、普段の週末のクラブプレイとは一味違う、「4つ打ち以外の曲だけをDJプレイする」コンセプトでDJしました。
これが自分でも新鮮で、一部のお客さん達の間でも好評だったので、当日に実際にかけた曲の中から、かけた順に10曲選んでコメント付きで公開します。
読みながら、音を聴いてもらって、当日の雰囲気が少しでも伝わったら・・・!


1
Synkro - Disappear - Apollo
お客さんが少しずつダンスフロアに来始めたPM4時半頃にPlay。
2013年に12inch2枚組"Acceptance EP"の1枚目B-1としてReleaseされた、Acoustic GuitarとElectricな音をセンス良く融合させた曲で、打ち込みだけどオーガニックな雰囲気も感じさせて、メロウなところもある曲。
R&S傘下のAmbient/Electronic Label、Apolloのここ数年のReleaseは気になる曲、興味深い曲が多い印象があり、自分にとって、Releaseする曲はなるべく一度は聴いてみたいLabelのひとつ。
https://youtu.be/-IvMw2DqP1Q

2
Lord Of The Isles - Nustron - Little Strong
2013年Release、"Galaxy Near You Part1"12inchのB-2に収録の"Nustron"は、前半は美しいAmbient、中盤にGroove感が強まって踊れそうなリズムに変化しながらも、後半は再びAmbientに戻る構成も面白く、この日は早い時間からお客さんが来つつあったので、フロアがやや賑やかになってきた時間にAmbientとAmbientの間に挟んで、ちょっと刺激を加える感じでPlay。
https://youtu.be/7BjLQovXkdY

3
Bola - Glink - SKAM
Autechre に作曲方法を教えたとも伝えられているDARRELL FITTONのユニット=Bolaが、Autechreと関係の深いマンチェスターのレーベルSKAMから1998年にReleaseした1stアルバム"Soup"の1曲目。自分はこの曲は90's electronicaを代表する名曲の一つと思ってて、Bolaの曲の中で一番好きな曲でもあったり。
https://youtu.be/pbtfx0h4pnc

4
Four Tet - Sun Drums And Gamelan - Domino
2005年にU.K.の人気レーベルの一つDominoからReleaseされた12inchのB-2に収録。
強烈にFunkyなDrum BreakbeatsのGroove上を、ガムランや笛等がミニマルに響く、ワールドミュージックとクラブミュージックの融合が産んだ傑作。
EMAF初日は自分の2度目のDJ時に既にダンスフロアがほぼ満員で、フロアのテンションが予想していたよりも高い印象を受け、Aoki TakamasaさんのliveもかなりDance Grooveを打ち出したliveになるのでは、と考えて、早い時間からテンションを上げていきました。
https://youtu.be/P7VuxbQB8bw

5
2562 - Intermission - When In Doubt
2011 年に12inch2枚組"Fever"の1枚目B-1に収録。PM4時に自分のDJで始まったEMAF2013も、3度目のDJを始める頃にはPM6時半 に。このあたりでDanceを念頭に置いた選曲でDJを始め、Aoki Takamasaさんのlive後、自分のDJ一発目にこの2562のDub Stepを。
https://youtu.be/aC2BzXUi1Ic

6
Beaumont - Rendez-Vous - Hot Flush Recordings
2012年にReleaseされたPost Dub Step良作。
MellowでJazzyな感覚も漂いつつ、リズムはDub Stepを通過した鋭さを感じさせるGrooveが心地良い。
自分にとっては多くのDub Stepがあまりにもメロデイーを軽視している気が多少していたので、この曲のようなメロディーが美しいDub Stepは待ってました、という感じ。
Hot Flushは他にもメロウな感覚が漂うPost?Dub StepをReleaseしていて、この数年すっかり注目のレーベルに。World's End Girlfriendのlive前、4度目のDJではDub Step~Post Dub Step多めな選曲でDJ。
https://youtu.be/qTn76STVKgQ

7
Throwing Snow - Clamor - Snowfall Records
1分22秒以後のメロデイーとリズムの絡みが生み出す高揚感がとてもカッコよく、2分36秒以後にはバイオリンのメロディーもミニマルに入ってきて、フツーのDub Stepとは二味違う豊穣な音楽性を感じさせるPost Dub Stepの良曲。
https://youtu.be/OAvbyO5q-hs

8
Lapalux - Close Call / Chop Cuts - Brainfeeder
World's End Girlfriendのlive直前に自分がDJ Playしたのがこの曲。
Ninja Tuneのサブレーベルから2012年冬に出た12inch"Some Other Time"のB-2に収録。
これが最新型の歌ものPOPSの理想形と思ったりすることもあるほど好きな、一応「歌もの」曲。エフェクトの使い方が強烈。
https://youtu.be/NIiRPmNmSLg

9
Divine Styler - Directrix(Indopepsychics Remix) - Mo'Wax
EMAF2013を主催したPROGRESSIVE FOrM主宰のnikさんは、以前にはDJ KENSEIさん、D.O.I.さんと3人で"Indopepsychics"という音楽制作ユニットを組んでいて、この2000年作は彼らがノリに乗っていた頃の傑作Remix。
自分がDJ光君と出会った2003年~2004年頃に、光君がよくDJ Playしていた「光クラシック」の1曲。2013年に聴いてもカッコいいと思う。
https://youtu.be/nkJIKH1GW7Y

10
Hauschka - PING(Vainqueur Remix) - Fat Cat
いよいよ大トリのCarsten Nicolai(Alva Noto)のlive直前、自分の6度目のDJの最後にかけたのが、Fat Catから2012年にReleaseされた12inchのAA面に収録の、Dubby Abstruct Electronic Grooveの傑作。
Basic Channelフォロワーの中で一番Basic Channelの感覚を理解しているんじゃないかと思う事もある、Vainquerの最近作をLiquid Roomのメインフロアで爆音で鳴らして、Carstein Nicolaiの登場へ・・・
https://youtu.be/YP7LclEsMWs



渋谷慶一郎+岡田利規 『THE END』
- ele-king

 客層のまったく読めない客席だった。〈Bunkamuraオーチャードホール〉にここまで異なる人種が集まること自体かなり珍しいのではないだろうか? わたしの右隣のおじさんは小難しい評論集を紐解きながら、連れのおじさんと、最近のチェルフィッチュは迷走しているように思えるね、『三月の5日間』から『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』までは若者特有の切実さが保たれていたんだよ、しかしその主題から離れて以降は……うんちゃらかんちゃら、と自説を開陳している一方で、わたしの左隣のお姉さんは全身、初音ミクそのもの(かつらではなくあれは地毛をこの日のために緑色に染めたのだろう)。この落差。どこで知ってだれを観に来たのか、という質問を投げかければとてつもなくばらばらの答えが返って来るに違いない。それほどまでに多くの要素を含んだ公演だった。客席にたどり着くまでに否応なく目に入るような位置に展示されていた、〈ルイ・ヴィトン〉のコスチュームに身を包んだ初音ミクの等身大フィギュアがその点では一種の踏絵と化していて、さかんに撮影する者と完全に素通りする者とに、人種がはっきりとわかれていたことを余談として付け加えておく。

 2013年5月23日、24日の二日間、〈Bunkamuraオーチャードホール〉にて行われたボーカロイド・オペラ『THE END』は、2012年12月の〈山口情報芸術センター(YCAM)〉での初演時からすでに話題にはなっていたが、8トンという客席そのものが震えるほどの音響機材が投入されたり、ラスト・シーンに大幅な変更が施されたりと、もはや再演というにはアップデートされすぎた東京公演は、注目の的となっていた。

 そもそも『THE END』とはいかなる公演なのか? 通常、オペラといえば、舞台上で衣装を着けた出演者が、演技や台詞だけではなく、大半の部分を歌手による歌唱で進める演劇のことを意味する。しかし、『THE END』の際立った特徴としては、人間の歌手もオーケストラも登場しないことが挙げられる。電子音響と立体映像によって構成された、世界初のボーカロイド・オペラ・プロジェクト。渋谷慶一郎と岡田利規と初音ミク、という発表されるまで想像したこともなかった組み合わせ。「どういういきさつでこの三者が一堂に会することに?」はじめて知ったときには耳を疑い、思わず首をひねったものである。

 ここで音響機材の重さをもう一度確認しておこう。8トン。想像の埒外にある重さ。無用な心配だとは承知しながら、カバンに耳栓を忍ばせていった臆病者がここにいることを告白しておく。そのあまりにも付け焼き刃的な対策は、正直に言ってまったくの杞憂に過ぎなかった。もちろん最初から最後まで客席は大音量で震えていた。しかしながら音響スタッフの行き届いた配慮のなせる業であろう、どれだけの轟音が届いたとしても、耳にじんわりと痛みが走るどころか、不快さを抱くことさえないままだった。

 オペラということで華々しいものを期待していた観客は面食らったのではないだろうか。いや、確かに圧巻の映像は華々しい、けれども、語られるあらゆることが、拭いようのない陰鬱さを帯びていた。
 初音ミクは一貫して正体不明の不安に苛まれていた。もちろん、いくつかの原因らしきものは物語のなかに存在する。髪も色も似せようとした、しかし全然似ていない初音ミクの劣化コピーが自分のほうへ向かってくること。いままで考えたこともないだろうけれど人間と同様にあなたも死ぬ運命にある、と突然告げられて動揺すること。記憶が曖昧であるいは嘘で、知らない場所か来たことのある場所かの区別もつかないこと。何かを与えられないと、動くことも話すこともここにいることもできない、常に「短く死んでいる」存在であることに気づくこと。それらのすべては不安の原因らしきものだが、原因ではない。
 不安を煽る初音ミクの劣化コピーに惑わされるけれど、注意しておきたいのは、初音ミクは最初から正体不明の不安に苛まれていた、ということだ。ここに原因と結果は存在しない。物事と物事が繋がっていって、結末が導き出されたわけではない。初音ミクは登場時からすでに、コンセプトの段階で、そのような病を抱えなければならない存在だった。蜂の巣を突っつかれただけで、はじめから大量の蜂が巣のなかを飛び回っていたのだ。
 無限に増幅する不安、という病。
 この病をどのように受けとめればいいのだろう?

 いまさら『THE END』についてわたしには何も語れない。21世紀にオペラがボーカロイドで行われることの意義、各界から噴出した過剰なまでの反発、旧来の初音ミク像をぶち壊したともアップデートしたともいえるデザインとその映像美、どれも言い尽くされてしまった。半年もたてばあらゆる要素は言い尽くされ、検索をかければ簡単に全体像が浮き上がってくる。というわけでここでは、ともすれば「はあ?」とあっけにとられてしまうような、一見なんの関係もなさそうなものを無理矢理ぶつけてみることで、『THE END』像をぶち壊したりアップデートしたりしてみたい。ただの劣化コピーに終わらなければいいけれど。

 『THE END』のラストシーンを目にしたとき、真っ先に脳裏によぎったのは中澤系だった。中澤系はディストピア的なシステム社会に疑義を唱える作風の歌人で、今回の物語の根幹にかかわる問題意識と深いところで響きあっていた。特に関係のありそうな短歌を引用しておこう。

終わらない だからだれかが口笛を嫌でも吹かなきゃならないんだよ
サンプルのない永遠に永遠に続く模倣のあとにあるもの
ぼくたちはこわれてしまったぼくたちはこわれてしまったぼくたちはこわ
中澤系『uta_0001.txt』(雁書館 2004年)所収

 もちろん渋谷慶一郎と岡田利規が知っていたとは当然思えないが、これらの歌は、初音ミクの劣化コピーが初音ミクを責め苛み、ラスト・シーン間近に「終わりはくりか」という「終わりはくりかえす」という字幕の途中で「くりか」が消去され、あらためて「終わりはいくつある?」と打ち直されるこの趣向に、不思議と寄り添ってはいないだろうか?
 わたしは口笛を無意識に吹いてしまう悪癖がある。もちろんひんしゅくを買うような公共の場ではなるべく慎むように努めているけれど、感銘を受けたライヴのあとにはついつい先ほどの心の震えを取り戻そうと悪あがきを試みるかのように、耳に焼き付いたメロディを口元で復唱してしまうのだ。今回もやった。渋谷駅まで渋谷慶一郎+東浩紀 feat.初音ミク“イニシエーション”の口笛を吹き続けたのである。
 帰りの電車の中でふと“イニシエーション”でイニシエーションをしていたことに気がついた。
 わたしは無意識に、いましがた目撃したばかりの初音ミクの劣化コピーになろうとしていた。

 イニシエーションとは、いうまでもなく通過儀礼のことだ。観客は『THE END』という一種の通過儀礼を経て、初音ミクの劣化コピーを体内に受精させていた。終わりは繰り返さない。終わりは交尾する。終わりは繁殖する。終わりは感染する。終わりは永遠に模倣され、歌のなかに宿る。模倣された歌がわたしに歌われた瞬間だけ、初音ミクは壊れるまえの表情を取り戻す。どれが劣化コピーか見分けがつかなくなるほどに大量の劣化コピーが、わたしを容赦なく蝕む。
 わたしは蝕まれることを愛おしく思う。終わりがいくつもいくつもいくつも、数えきれないくらいの終わりがわたしを包囲することを疎ましくは思わずに愛おしく思いたい。劣化コピーの影に常に怯えなければならない21世紀の宿痾を慈しみたい衝動を、誰かに糾弾される筋合いはない。糾弾もいずれ劣化する。
 膨大な『THE END』のレヴュー、その劣化コピーのレヴュー、その劣化コピーのレヴューの劣化コピーのレヴュー、その劣化コピーのレヴューの劣化コピーのレヴューの劣化コピーのレヴュー、その先にあるものに未来を託したいわたしの思考回路はすでに終わっているのかもしれない。いくつかあるうちの終わりのひとつがいま、ここにある。

『THE END』
渋谷慶一郎+初音ミク
発売日 11月27日(水)

■完全生産限定盤
8500円(税抜) MHCL2400〜2403

・20世紀記録メディア仕様:
LPサイズBOX、EPサイズブックレット(写真、図版多数)、カセットサイズ・ブック(オペラ台本完全版)、オペラ全曲を収録したCD2枚組、「死のアリア」など3曲のミュージック・ビデオと制作風景の記録DVDを所収。スペシャル・ブック:ジャン=リュック・ショプラン(パリ・シャトレ座支配人)、茂木健一郎×池上高志対談、蜷川実花、高橋健太郎、鈴木哲也(honeyee.com)ほか豪華執筆陣によるオリジナル・テクスト、渋谷慶一郎による全曲徹底解説など120ページを収録。

Tower HMV Amazon

■通常盤(EU edition)
2381円(税抜) MHCL 2404
・紙ジャケット(仕様1枚)

Tower HMV Amazon

Hair Stylistics - ele-king

 ヘア・スタイリスティックス=中原昌也のビート集、ビート・ミュージックだ。僕はこの27曲65分にも及ぶ、ビート集を聴いて、心の底から愉快な気持ちになった。発売から2ヵ月以上経つが、いまだによく聴いている。いま、日本でもビートメイカーのレヴェルはぐんぐん上がっていて、彼らは海外のムーヴメントのフォロワーとは異なるオリジナリティを獲得している(という物言いそのものが古臭い!)。コンピレーションとしてまとまっている、『Lazy Replay』や『Sunrise Choir - Japan Rap&Beat』は、日本のビートメイカーのいまを知るためのひとつの参考になるだろう。とはいうものの、良し悪しの問題ではなく、やはりLAのビート・ミュージックや、SoundCloudやbandcampにおける世界的なモードは大きな影響力があり、日本のビートメイカーの多くもその時代の空気のなかにいる。
 ヘア・スタイリスティックスのビート・ミュージックからはそのような空気と同じ匂いがするが、それは中原昌也が90年代の暴力温泉芸者の頃からずーっとやってきたことがたまたまいまの時代の空気にフィットしただけだとも言える。おそらく、このビート集がもう5年早くリリースされていたら、中原昌也のコアなリスナーには届いたとしても、鎮座ドープネスをフィーチャーした曲(“This Neon World Is No Future”)が収録されるには至らなかったのではないだろうか。3年前から制作がはじまったというこの作品が、2013年に世に出たというのは素晴らしいタイミングだ。いや、タイミングではなく、『Dynamic Hate』が素晴らしいのだ。

 好き嫌いといった趣味はあるにせよ、多くのビートメイカーやビート・ミュージック・フリークは、この作品を聴いて考え込むのではないだろうか。「いま“新しい”と言われているビート・ミュージックが果たして本当に“新しい”のか」と。『Dynamic Hate』は、“ビート・ミュージック”という既存の土俵に揺さぶりをかけるビート・ミュージック集だ。中原昌也自身はそんな大それたことを意図していないだろうが、そのような問題提起を孕んだ作品でもある。例えば、アルカの『&&&&&』はたしかに面白いと思うし、いまの時代に支持される理由もわかる。ただ、インターネットの大海原には、アルカに匹敵する才能はゴロゴロ転がっている。僕なんかよりも、SoundCloudやbandcampで日夜ビート・ミュージックをディグっているビート・フリークの諸氏がそのことをよく知っているだろう。カニエ・ウェストが『イーザス』で大抜擢しなければ、アルカがこれほど脚光を浴びることはなかっただろうし、もっと言えば、アルカの分裂的な手法は子供騙しと表裏一体でもある。

 中原昌也は、紙版『ele-king vol.11』のインタヴュー「いよいよ脈打つヘイト」で、「ビート=黒人のものっていう図式もなくなってきたじゃないですか。黒人だからいいビートをつくれるわけじゃない。そういった状況は後押しするものがあったかもしれない」と語っている。さらに、「昔はブギ・ダウン・プロダクションズとマイナーなノイズをいっしょに買うと気ちがい呼ばわりされたものです。僕の頭のなかで常に共存はしていましたけど、そういうことを共有できる友だちはいなかったですよね」とも言う。興味深い発言だ。ラス・Gの『Back On The Planet』の土臭くコズミックなビート、アートワークに接すると、やはりいまだアフロ・アメリカンの音楽家には、拠り所にすることのできるルーツや、アフロ・フューチャリズムのような思想が脈打っているのだなと思う。 “ビート=黒人”という図式があったのかは議論を差し挟む余地があると思うけれど、ビートをグルーヴと言い換えれば、たしかに“グルーヴ=黒人”という図式はあったと思うし、いまだに根強く存在すると思う。

 僕が『Dynamic Hate』を面白いと思った最大の理由は、いち音いち音の音色のヴァラエティとコンビネーションが耳を楽しませてくれるところにある。耳のチャンネルが面白いように次々に切り替わっていくのだ。資料に拠れば、本作は「Ensoniq SP1200、AKAI MPC3000などのサンプラー、ROLAND TR-808などのリズムマシン、ARP2600などのシンセサイザーなど、数々のヴィンテージ・アナログ機材を使っ」て制作し、カセットデッキに録音しDATに起こしたというから、その音色は想像できるだろう。
 一応断っておくと、僕はなにもローファイなサウンドに拘ることが、音への誠実な態度であると言いたいわけではない。グルーヴィーなビートもあれば、グルーヴをあえて否定しているようなビートもある。それが不思議で、興味深くて、何度も聴いてしまう。中原昌也流の諧謔精神ももちろんあるが、そのような態度よりも、とにかくビートのユニークさに耳がぐいぐい惹きつけられる。そして、中原昌也流の分裂的な手法もある。というか、『Dynamic Hate』を聴けば、先ほどのブギ・ダウン・プロダクションとノイズの話ではないが、それが実は分裂でもなんでもなかったことがわかるし、僕自身もいまだからこそその感覚を実感できる。10年前は頭では理解しているつもりでも、実感としてそのことがわからなかった。マントロニクス流のエレクトロ・ファンクとウェルドン・アーヴィンのジャズ・ファンクの名曲“We Getting` Down”をミックスしたような“Empire of Plesure”があり、“No Funk (Tk1)”というタイトルなのに、ベースとキーボートがシンコペーションしているファンキーなビートがある。エキゾ・ブレイクビーツとでも言いたくなる“Music For The Murder Festa”と、シンセサイザーがうなりを上げ、ノイズを撒き散らし、シンプルなビートがズンドコ叩きつけられるタイトル曲からは、中原昌也の気合いと激情が溢れ出しているように思う。手を叩いて大笑いしながらでも、難しい顔をして議論しながらでも聴ける作品だが、いまビート・ミュージックを追っているのであれば、無視できない作品だ。

MARK E - ele-king

Mark E Japanツアー
11.22(金) 名古屋 @ Club JB’S
Info: Club JB’S https://www.club-jbs.jp
名古屋市中区栄4-3-15 丸美観光ビルB1F TEL 052-241-2234

11.23(土/祝) 東京 @ AIR
Info: AIR https://www.air-tokyo.com
東京都渋谷区猿楽町2-11 氷川ビルBF TEL 03-5784-3386

Running BackからBlack Country RootsというEPが先日リリースされました。
https://www.juno.co.uk/products/mark-e-black-country-roots/506311-01/

Merk Music:
https://mercmusic.net
https://twitter.com/mark_e_merc
https://www.facebook.com/pages/MERC/124366710936688

THE BLACK COUNTRY ROOTS CHART


1
Tony G - Simple Dreams - infinite juju

2
Glbr & Sotofett - Foliage - Versatile

3
Young Marco - In the Wind - Rush Hour

4
KDJ - Imotional Content - TP Deep remix - JDRecords

5
Mount Kimbie - You took your time - Warp

6
Roc & Kato - Jungle Kisses -eLegal

7
Mark E - Black Country Roots - Runningback

8
Pat Methany - Are you going with me - GU remix - white

9
Black Rox 1 - Black Rox

10
Frak - Matador

YO.AN (HOLE AND HOLLAND) - ele-king

https://yo.an/

11月に発売されるTBPRの新作DVD LENZ II宮原聖美パートの為に1曲制作しました。
PONCHI (OPSB)にguitarで参加してもらった曲です。DVDは2013/12/14発売でサントラもTBPRから発売予定です。
LENZ IIのデッキはEvisenより発売中。今回は思いつきで好きなスケートの映像10個リストしました。

DJ SCHEDULE
11/15 fri  @幡ヶ谷Forest limit
11/23 sat @代官山Air "MARK E JAPAN TOUR"
11/30 sat @渋谷Koara
12/28 sat @静岡eight&ten
12/29 sun @代官山Unit "MOVEMENTS ONENESS MEETING"
12/30 mon @中野heavysick zero  "HOLE AND HOLLAND & OPSB presents『UP↑ 』year's end special"
every 4th tuesday "Sun Hum" @神宮前bonobo

https://hole-and-holland.com/
https://soundcloud.com/holeandholland

10 skate clips.


1
Haruka Katagata - Pick Up - VHSmag
https://www.vhsmag.com/pickups/haruka-katagata/
soundtrack by YO.AN

2
DESHI - NIGHT PROWLER - Katsumi Minami
https://www.youtube.com/watch?v=aIN7a-A84G4
soundtrack by BALKAN BEAT BOX

3
Sunshine60dub - AKIOCHAM.com
https://www.youtube.com/watch?v=xTcu1LA0BHY

4
Zerosen (Shintaro Maruyama) - Underground Broadcasting - FESN
https://www.youtube.com/watch?v=ixrkuRAMkZI
soundtrack by HIDEYUKI DOI a.k.a. Taikoman

5
Takahiro Morita - ON THE BROAD - FESN
https://www.youtube.com/watch?v=g_QvqevXqBs
soundtrack by Kouta Andou

6
AARON HERRINGTON - BLOOD WIZARD
https://www.youtube.com/watch?v=XcgYCU5E8qQ

7
Greg Hunt -Tincan Folklore - Stereo Skateboards 
https://www.youtube.com/watch?v=TaA7jqP8pKo
soundtrack by TORTOISE

8
este ó este 2 - HOLE AND HOLLAND 
https://www.youtube.com/watch?v=lzmLL8WMIhg
soundtrack by KPK (kujitakuya)

9
TRES TRILL - PALACE SKATEBOARDS
https://www.youtube.com/watch?v=oXi0ucVsqFk

10
Mark Gonzales - Kicked Out Of Everywhere - Real Skateboards
https://www.youtube.com/watch?v=GI4YJs3Xmqs
soundtrack by Hiroshi Fujiwara

Vic Mensa - ele-king

 セイヴマネー・クルー――シカゴのクリエイティヴで騒々しい若者たちのコレクティヴだ。ラッパーに限らずトラックメイカー、ミュージシャン、ヴィデオ・ディレクター等々、様々な才能を持った連中がたむろしているらしい(https://cokeandfrozenpizza.blogspot.jp/2013/07/whats-save-money-crew.html)。セイヴマネーという集団の雰囲気を存分に伝えているこちらのヴィデオで、構成員のひとりであるチャンス・ザ・ラッパーはこんなことを語っている。「セイヴマネーにリーダーはいないんだ」(セイヴマネーの音楽については『ザ・ベスト・オブ・セイヴマネー』というミックステープをぜひ聴いてほしい)。

 高校時代からのチャンス・ザ・ラッパーの良き友人(先のヴィデオでも終始仲よさそうにしている)、ヴィック・メンサことヴィクター・メンサーももちろんセイヴマネー・クルーの一員だ。今作、ヴィックの新しいミックステープ『INNANETAPE』(ダウンロード・イット!)のジャケットにはしっかりと"SAVEMONEY"の文字が刻まれている。
 もともとヴィック・メンサはキッズ・ディーズ・デイズというラップ・ロック・バンドのラッパーだった。ウィルコのジェフ・トゥイーディーとの共同プロデュースによる傑作フリー・アルバム『トラップハウス・ロック』(ダウンロード・イット!)をリリースした後、レーベルとの契約を済ましていたにも関わらず今年に入って方向性の違いから解散、ヴィックは新曲"DID IT B4"のリリースとともにソロ・キャリアに注力することとなる。

 誰もが聴き紛うほど、ヴィック・メンサの音楽はチャンス・ザ・ラッパーのそれと多くのものを共有している。兄弟なんじゃないか? と疑う者もいるほどだ。ソウルフルで、ファンキーで、メロウで――それに、2人の声はよく似ている(チャンスの方がアクが強いが)。チャンスとヴィックの音楽とは逃れがたい結び付きがあって、比較は避けがたいものがある。
 しかし、チャンスの泥臭い『アシッド・ラップ』よりも『INNANETAPE』は爽やかで温かい開放感を携えており、より軽やかな陽性のグルーヴがみなぎっている。それが端的に現れているのが冒頭の2曲、ジャジーなフィーリングを携えたオーセンティックなブレイクビーツの“オレンジ・ソーダ”と、軽やかなジャングル風ビートとソウルフルなコーラスやトランペットに彩られた“ラヴリー・デイ”だ。ヴィックのベスト・トラックとも言えるこの2曲がアルバムのカラーを決定づけている。この爽やかなメロウネス、リラックスしたチルアウトな感覚は、まるでザ・ファーサイドの素晴らしき最初の2枚が表現していた幸福感をスマートにアップデートしたかのように響く(余計なことを言えば、“ウェルカム・トゥ・INNANET”におけるウータン・クランの引用や、“YNSP”の最後にチラッと聴こえるア・トライブ・コールド・クエストの“アワード・ツアー”、チャンス・ザ・ラッパーをフィーチャーした“トゥウィーキン”においてヴィックがノトーリアス・B.I.G.の声を真似ている点など、黄金の90年代の影がそこかしこに見え隠れしている。プロ・エラのジョーイ・バッドアスにしろ、90'sヒップホップは現在のモードのひとつなのかもしれない)。

 “オレンジ・ソーダ”でヴィックは視界を曇らせる「デーモン」を排し、「俺の音楽への傾倒はビジネスよりもずっと深い」「俺は俺の『イルマティック』を書こうとしているんだ」と素朴だがシンプルで逞しいメッセージをラップしている。「重要に思えることが常に(自分を)ミスリードしているようなのはなぜだ?/未来を見ることができればとただ望んでいる」と逡巡しながらも。
 他方、アルバムの後半ではシリアスな顔も見せている。メイバック・ミュージックからロッキー・フレッシュが客演した“タイム・イズ・マネー”ではシカゴの格差や暗い現実を映しだし、「金は稼げ、だが稼いだ金がお前を決めるわけじゃない」と父の言葉を反芻している。“フィア&ダウト”やブラック・ヒッピー(ケンドリック・ラマーらが所属するクルーだ)のアブ・ソウルをフィーチャーした”ホーリー・ホーリー”といった曲では内省に沈んでもいる。
 それでも、〈ブレインフィーダー〉からサンダーキャットを迎えた“ラン!”ではワードプレイを排除した簡素でシンプルな言葉遣いでもって「君がどこへ行こうとするのかを知りたかった/だから俺は光を捨てて、一人暗闇を行く/君の反射光が見えるさ」と自らを鼓舞し、クロージング・トラックの“ザット・ニガー”ではアトランティックとの契約を蹴ってシカゴのステージに立ち戻り、「セイヴマネー・スティル・アライヴ!」と宣言する(チャンス・ザ・ラッパーがTDEからのオファーを蹴ったことも話題となったが、セイヴマネーはインディペンデントであり続けることに矜持を持っているようだ)。

 『INNANETAPE』は『アシッド・ラップ』ほどのバズを引き起こすことはなかったし、完成度も及んではいない。それでもなお、軽やかにビートを乗りこなし、ユーモラスな所作を交えながらラップするヴィック・メンサの姿には唯一無二の魅力がある。『INNANETAPE』はヴィックにとっての『10デイ』になるだろう。次作はもっとブリリアントだ。そう思わせるポテンシャルがたしかに感じられる。すでにJ・コールとのツアーを終え、来年にはディスクロージャーとのジョイント・ツアーも控えている。前途は洋々だ。

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