「IO」と一致するもの

CHART by TECHNIQUE 2010.01 - ele-king

Shop Chart


1

PETRE INSPIRESCU

PETRE INSPIRESCU INTR O SEARA ORGANICA [a:rpia:r] / Romania / 2009/12/25 »COMMENT GET MUSIC
LucianoのCadenzaやVinylclubレーベルからの作品が非常に高い評価を得ている大注目のニュー・カマーPetre Inspirescuによる、3枚組みの待望のファースト・アルバムが、彼のホームレーベルとしても知られるルーマニア発の先鋭レーベル[a:rpia:r]からリリース。
綿密に練られた高密度のグルーヴと、壮大な広がりを見せるSEやピアノ、シンセリフでがっちりもっていってくれる鮮烈な音作りを披露。この才能には目が放せません。

2

RYO MURAKAMI

RYO MURAKAMI JUST FOR THIS Dessous / Germany / 2010/1/25 »COMMENT GET MUSIC
ご存知Steve BugによるPoker FlatのサブレーベルDessous Recordingsから注目の日本人プロデューサーRyo Murakamiによるニュー・シングル。リミキサーにはDeep FreezeやWolf Music、Bosh、Resident Advisor、Timbre Recordingsなどで活躍のUKの新世代アーティストGraeme ClarkのプロジェクトTHE REVENGE!!Ryo Murakamiらしい、ディープでトリップ感のファットなハウス・トラック。ムーディーに仕上がったTHE REVENGEのリミックスも抜群のセンスを発揮。

3

BEN KLOCK

BEN KLOCK TRACKS FROM 07 Deeply Rooted House / 2010/1/25 »COMMENT GET MUSIC
ベルリンのアンダーグラウンド・シーンの拠点ベルクハインのレジデントを勤めながら、コンスタンスに良質で硬質なテクノ・トラックをリリースするBEN KLOCKによるニュー・シングルが、Kerri ChandlerでおなじみのDeeply Rooted Houseレーベルからドロップ。彼ならではの硬派なアナログ・エレクトロニクスを駆使した、フラッシュライトと大量のスモークのフロアにバッチリはまりそうな漆黒のテクノ・トラック!!!!

4

THOMAS BRINKMANN

THOMAS BRINKMANN WALK WITH ME Curle / Belgium / 2010/1/25 »COMMENT GET MUSIC
Studio 1シリーズや、Soul Centerとしても偉業を残してきた、ジャーマン・シーンの大御所Thomas Brinkmannによるニュー・シングルが、EfdeminやAnthony Collinsらのリリースで人気のベルギーのレーベルCurleからリリース。
Soul Center名義でのファースト・アルバムに収録されていた傑作「Walk With Me」をも収録し、独特のサンプリング技巧で、ファンキーでトリッキーな期待通りの内容!!ファン待望の一枚と言えるリリース。

5

UFFIE

UFFIE MCS CAN KISS Because Music/ Ed Banger Records / France / TBA »COMMENT GET MUSIC
御大Mr Oizoをプロデューサーに迎えたパーフェクト・シングル!プリティー・フランス・ギャルUffieちゃんのキュートなラップが炸裂する完全無敵のオールド・スクール・マナーのエレクトロ・ディスコ・ヒップ・ホップ!!!
フィラデルフィアのトラックメイカーStarkeyと、Institubesレーベルなどでも活躍の注目ユニットZombie Disco Squadのリミックスも、かなりの完成度を誇るモンスター・シングル!!!

6

BLACK VAN

BLACK VAN ARNING DFA / US / TBA »COMMENT GET MUSIC
ニューヨークの名門レーベルDFAが見せる新境地!!今回は、な、な、なんとフレンチ・ハウス・プロデューサーKris MenaceとMoonbooticaの片割れOliver KowalskiによるプロジェクトKowesixの異色コンビによる注目作です!!
更にChicken LipsのメンバーAndy Meecham率いる変態サイケ・ダブ・ユニットThe Emperor Machineがリミキサーに召集された、正に異種格闘技戦的激話題盤!!

7

SESSION VICTIM

SESSION VICTIM LEFT THE BUILDING Delusions Of Grandeur / UK / TBA »COMMENT GET MUSIC
Morris AudioやResopalでも活躍するHauke Freer率いるプロジェクトSession Victimが、今一番脂が乗っているディスコ・ハウス・レーベルDelusions Of Grandeurから送る一大スペクタクル!!!
ハウス好きも、ディスコ好きも、あなたも、私も、みんなを虜にしてくれる濃厚上質3トラックス!!!

8

MIRKO LOKO

MIRKO LOKO SEVENTYNINE RMXS CARL CRAIG, VILLALOBOS Cadenza / TBA »COMMENT GET MUSIC
Lazy Fat PeopleとしてもPlanet EやWagon Repair、Border Communityレーベルなどで活躍するMirko Lokoが2009年にリリースし、大ヒットを放ったアルバム「Seventynine」のリミックス12"カット盤!Carl CraigとRicardo Villalobosともはや説明不要のトップアーティスト2人がリミックス!2010年初頭のビック・リリースになること必至。

9

PAUL RITCH

PAUL RITCH CANNIBALLS EP Quartz Music / France / TBA »COMMENT GET MUSIC
躍進する鬼才Paul RitchによるレーベルQuartz Musicから、Paul Ritch自身による待望のニュー・シングルが登場!彼真骨頂でもある、疾走感のあるファンキーなグルーヴに、メリハリの効いたヌケよい展開で、クラブトラックとして機能性を追及した音作りをみせる一枚!!!盛り上がり必至の内容です。

10

THE RHYTHMIST

THE RHYTHMIST THE AGENCY P&D / France / 2010/1/26 »COMMENT GET MUSIC
これまでに、MD 3 aka MIKE DUNNや、JESPER DAHLBACK & THOMAS KROMEの名作を再発&リミックスをし、あらゆるリスナーを唸らせてきたRobsoul RecordingsのボスであるPhil Weeksが新たにスタートした話題のレーベルP&Dからの第4弾シングルはまたしてもヤバイ代物。
USの知る人ぞ知るハウスレーベルSolid Traxから1997年にリリースされた、コンピレーション・シングル「Trax Cafe: Solid Trax Vol. 2」からのDerek ScottによるプロジェクトTHE RHYTHMISTの「THE AGENCY」をランセンスリリース!!!Phil Weeks & Didier Allyneによるリミックスも収録され、10年以上も前にリリースされた密かな名作を見事に蘇らせた一枚!!

Various Artists - ele-king

 ザ・KLF誕生前夜の有名なレイヴの後に海辺でボーッと船の音を聞いていて......って話を引き合いに出すまでもなく、アンビエントのかなりの側面は、現実世界にある音と精神がメルトしてしまったり、疲れた耳と体にそういうノイズが心地よくディレイやリバーブが勝手にかかりながら染み込んでくるのがキモチイイーっていう発見を延々と「じゃあどうやったらそれを人為的にコントロール/再現できるか」っていうことを試みる歩みだったのかなと思う。でもかなりの高みに上ったときはそりゃあクールダウンも重要であって、「おいら踊るより戻ってくるときのあの得も言われぬ数時間の方が好きだよー」なんてひとだって当然いるわけだけど。フツーに暮らしてる分には、そういう状態に(気分だけでも)身を置いてサウンドと向きあうなんてことも結構難しい。山手線で窓際に立って規則的な車両の揺れとか軋み、アナウンスや時折聞こえる金属音やひとの靴音やドアの音なんかに囲まれてみなよ。もしくは渋谷の駅を下りてスクランブル交差点を渡ってずーっとセンター街を歩くとかさ。僕はすごく騒がれてるときにもエレクトロニカやらにそんなに積極的に感心したことはなかったけど、イヤホンして街中にいると、グリッチな、精神にヤスリをかけることもありそうな音の方がそういうシーンに溶け込むんだ。ちまちまやってる大概のアンビエントでは、そういう過剰な情報量のある都市のアンビエント・ノイズには負けてしまう。

 今日みたいに雪が降った静かな晩、こんな夜にひとりひっそりヘッドフォンでというある意味贅沢なリスニングには、もってこい? うんもちろん。そんな晩が年に何回あるかわからんけどさ。10作目、10周年を記念するコンパクトの名物シリーズ、『ポップ・アンビエント』の最新版はこれまで以上に旧来からの人材が集い、サウンド的にもどうにも懐かしい香りのする佇まいがある。超ゆったりした牧歌的ギター・サウンドで意表をつくレーベルのボス、ウルフガング・フォイトはじめ、その盟友ヨルグ・ブルガー(Triola名義)、オーブ、トーマス・フェルマン、ポップノーネーム......と、コンパクトのとくにこちらサイドではレギュラーとは言わないまでもお馴染みのメンツが一気に集結している。しかし、なんとなく安心して聴けるというか予定調和に感じてしまう部分も少なくないそれらオールドスクーラーたちより、新しく参加したメンツやあまり知られてない名前の方が無痛化されていくような感覚の中でハッとさせられるのではないか。DJコーツェの気怠いピアノとベースが場末のジャズ・バーのような雰囲気のループを奏で、それらとただただやる気のない弦がのそのそ追いかけっこをしてるような曲は、ちょっと極端すぎるかもしれないが。次に出てくるユルゲン・パープの、風になびいて鳴ってるような鐘の音とどこかレクイエムめいたしかし不思議な高揚感もあるホーンが、音響的には単純ながら、相当独特の雰囲気をつくりだすのに成功しているのもおもしろい。

 今回、レーベル的にイチオシなのか、ブロック・ヴァン・ウェイなる人物のユニットBvdubだけ同じような雰囲気の曲が2曲入っており、しかもアルバムの最後を締めくくるのは17分にも及ぶ超大作でいやでも注目されそう。ゆっくりゆっくり世界を作っていくが、中盤から聖歌的女性コーラスが入ってきた辺りでなんだか4ADちっくな荘厳さを目指していくのは、好き嫌いがわかれそうですな。
 まぁ、なんだかんだ言ってもこんなシリーズが10年も続くケルンのシーンがうらやましいよ、というのが正直な気持ちなんだけど! それこそミニマル以降の若いクラバーたちにとって、チルアウトってどんな意味と響きを持ってるんだろう。

intervew with Eccy - ele-king

ベンガ、スクリーム、キャスパ......超オールスター。それで2000人ぐらい入っていたのかな。で、若い女の子が、上は下着だけみたいな。ガン踊りしてて。

 初対面のわれわれが何故まず手はじめに童貞についての話を延々としたかと言えば、すべてはY氏が悪い。僕よりも20歳も年下のトラックメイカーは僕に向かって童貞にまつわる話をはじめ、僕は自分の童貞喪失について話す羽目になった。ことの経緯についてはご想像におまかせしよう。ただひとつ知ったことは、若い世代にとって"童貞"とういことが大きな問題となっているらしいということである。僕の世代では、思春期においてはそれがそれほど大きな問題意識になったことはなかった。

 さて、エクシーのUK体験談を聞くために僕はビールと呼ばれる背徳の液体の入った中ジョッキを持っている。この冒険心溢れるトラックメイカーは、2007年、彼が22歳のときにシンゴ02をフィーチャーした"アルティメイト・ハイ"によって広く注目されている。その後エクシーは......文学肌のラッパーをフィーチャーしつつ、ストリートというよりもどちらかといえばアーティな作品(『フローティング・ライク・インセンス』、『ブラッド・ザ・ウェイヴ』等々)を発表している。

 とはいえ、彼が現在、新世代においてもっとも興味深いひとりになりえているのは(彼と銀杏ボーイズとの繋がりはさておき)、音に対する彼の貪欲さにおいてである。とにかくエクシーは、欧米で起きている新しい動きにやたら敏感に反応する。彼がフライング・ロータス以降のエクスペリメンタル・ヒップホップないしはハドソン・モホークに対する回答のような、全曲インストによる『ルーヴィア・ミトス』を昨年末に出したことは、音の刺激に飢えている連中にしたら納得のいく話である。そして......アルバムのジャケでムーグのアナログシンセのつまみを乳首を触るような手つきでつまんでいる彼は、最近はヤマハのDX7を安くゲットしたと嬉々として語るような、いわば音フェチでもある。

 予想外だったのは、彼のそれまでのイメージからは想像できないほどのエクシーがパーティ・アニマルだったという事実だ。それは嬉しい事実である。彼は、昨年の10月にUKに渡っている。目的はひとつ、ダブステップのパーティで踊ること。

なんでイギリスに行こうと思ったの?

海外行ったのが初めてで。最初はロスとかニューヨークとか、普通にそっちに行こうかなと思っていたんですけど、一緒に行くことになったのがDJケイタっていう、バトル系のDJで、ドラムンベースが好きなヤツだったんです。そいつがロンドンに行くって言い出して、それで「じゃあ、行こうか」ってなった。どうせ行くならパーティに合わせようぜってなって。

行く前からダブステップやグライムみたいなのが面白いなとは思っていたんでしょ?

そうですね。ダブステップは1年前くらいからハマりはじめていて。

きっかけは?

ブリアル。でも、最初はいまほど面白さわかんなくて。それで漁っていくうちに、「けっこう面白いジャンルだな」と。そっからミックス聴いたり......。そのあと〈ハイパーダブ〉とか好きになって。日本にひとり、〈ハイパーダブ〉から出している人いるの知ってます? クオルタ330って。

面識はないけど知ってる。

あの人にオレらがやっているパーティの1回目に出てもらって。今度も出てくれるんですけど。で、〈ハイパーダブ〉が好きになった後、スクリームやベンガが日本に来たときに行ったりとか、いろいろ知識を付けたうえでロンドンに行って......みたいな。で、ロンドン、アムス、マンチェスターに行ったんですけど、いや、すごかった。

なにが?

6日連続でクラブに行ったんですけど(笑)。

1週間いて(笑)?

はい(笑)。

ハハハハ、誰もが通る道(笑)。

とにかく客がすごいっすね。

やっぱもっとパーティっぽい?

そうですね。

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じゃあ、順をおってお願いします。

まずモスクワに泊まったんすけど。アエロフロートのせいで(笑)。

空飛ぶロシアンルーレットね(笑)。

いまぜんぜんいいっすよ。ぜんぜん機体が綺麗。

そうだよね。ロシアは好景気だもんね。オレ、93年にイビサ行ったときにアエロフロートだったな。その頃、冗談で"空飛ぶロシアンルーレット"って言ってたの。モスクワの空港も酷かったしね。何もない。

あ、そこは変わらない(笑)。とにかく出発が6時間遅れたから、ロンドンに6時間遅れで着くのかなと思ったら、出る便がないって言われて。で、成田で、ロシアに着いたらホテルを用意しているからそこに泊まれと、ただし、そこは自分で交渉してくれと。で、初めての海外で、英語も喋れないのに交渉できるわけないだろうと(笑)。で、飛行機のなかでずっと英会話の本を読んでいて(笑)。で、行ったら行ったで、ちゃんとホテルが用意されていて、大丈夫だったんですけど。すげー、良いホテルだったし。

ロシアでクラブに行ったわけじゃないんだ?

行かなかったすね。それで、次の日にロンドンに着いて、すぐアムスに行かなきゃならなくて。

なんで(笑)?

そういう日程組んであったから。ちょうどアムステルダム・ダンス・イヴェント(ADE)やっていて。で、オレらより先に、ヨーロッパひとり旅しているヤツと合流して。1日目はそれで、スティーヴ・ローラーのパーティ行って。

誰それ?

Y氏:プログレッシヴ・ハウスのDJ。

Y氏の専門分野じゃないですか(笑)。

〈ワープ〉のクラークのパーティに行きたかったんだけど、すげーデカイところなんですけど、ぜんぜん入れなくて。それでクラブ探し回って。そしたらそこだけ入れた。で、次の日もアムスにいて。〈ワープ〉のラスティっているじゃないですか。あいつと〈ストーンズ・スロー〉のデイム・ファンクのDJに行って。

いいな~。

音はまあ、良かったんですけど、でも「日本とそんな変わんねーじゃん」と思って。で、次の日にオレとケイタはロンドンに戻って。で、〈ファブリック〉に行って。気合いを入れて前売りまで買ってたんですけど、疲れていて朝の3時まで寝ちゃって。で、「やべー、いまから行かないと終わっちゃうぞ」って。朝の4時に〈ファブリック〉に着いて。まあ、空気を楽しむぐらいだったんですけど。で、思っていたよりも子供向けのクラブみたいなイメージがあって。

観光客向けだよね。

そういう感じで。

やっぱ地元の連中が行くクラブがいちばんだよね。

そう。で、翌日は電車乗ってマンチェスター行って。マンチェのパーティが今回のベストでしたね。まあ、うちらそのパーティのために行ったようなものなんですけど。eBayでチケット買ってね。ウェアハウス・プロジェクトといって倉庫を使ってある期間やっているイヴェントなんですけど、毎週大物が来るみたいな。2フロアあって。まずメンツが凄くて。モードセレクター、ベンガ、スクリーム、キャスパ、ジョーカー、ラスコ、で、セカンド・フロアでメアリー・アン・ホブス、デイム・ファンク、ラスティ、ガスランプ・キラー、ノサッジ・シング......。

オールスターだね。

超オールスター。それで2000人ぐらい入っていたのかな。で、若い女の子が、上は下着だけみたいな。ガン踊りしてて。

モードセレクターはちょっと毛色が違わない?

違うんですけど、良かった(笑)。

いちばん良かったのは?

ラスコ。超パーティ野郎みたいな感じで。ガスランプ・キラーも良かったな。

ジョーカーは? まさにヒップホップ出身じゃん。

ケイタとジョーカーちょっと見て、ケイタが「ジョーカー、ダサくないっすか」って言うから、「ダセーなぁ」って(笑)。ほとんど聴かなかった。で、帰ってきていろいろ聴いていたらジョーカーがいちばん格好良くて(笑)。いまではオレ、ジョーカーがいちばん好きなんです(笑)。

ハハハハ。もっとも期待されているブリストルの新世代だからね。てか、もうすでにスターらしいよ。それこそG・ファンクから来てるんだよね。

へぇー。ダブステップって、出身がいろいろあって面白いっすよね。トランスっぽいヤツもいるじゃないですか。

テクノ出身者、ヒップホップ出身、レゲエもいるし、ハウスもいるし、ジャングルもいるよね。

でもやっぱ、いちばんは客の熱気だよね。同じこと日本でやっても絶対にこんな盛りあがらないなっていうのがあるから、「あー、こんなに反応してくれて、こんなに盛りあがってくれたら楽しいだろうな」と、やってる側の目線で思って。日本人のDJがあの場にいって、そこまで盛り上げることはできるだろうけど、向こうのDJがこっちに来て、あそこまで盛りあがるのは無理だろうなと。この先、何年後にはできるかもしれないけど。それをけっこう思って。
 で、マンチェスターのパーティで、普通に煙草吸っていたら、地元の奴らと仲良くなって。で、「うち来ない?」みたいな話になって。

ハハハハ。オレもまったく同じ経験ある。それでみんなでレコード聴くんだよね(笑)。

ベンってヤツのカップルとアンって女の子3人に声かけられて。だから「3人で行くのかなー?」と思って、」で、タクシーに乗って行ったら、すでに部屋には15人ぐらいいて(笑)。

ハハハハ。20年前と何も変わってねーじゃん(笑)!

ハハハハ、ホント、みんなグダグダで(笑)。

よくあれでポンドを保ってられるよね。

ハハハハ。で、ケイタのミックスをかけたらみんな上がって(笑)。「どこでDJやってんの?」とか訊いてきて。

何歳ぐらい?

若いっすね。オレより2個下ぐらいかな。20歳から大学生ぐらい。で、ベンの彼女のアンナってヤツだけしっかりしてて、定期的に紅茶入れてくるんすよ(笑)。

ミルクティーでしょ!

いや、それはちゃんと何が良いか訊いてくれて(笑)。

それで、帰りに紅茶買ったでしょ(笑)?

買った(笑)。

変わってないじゃん(笑)!

ハハハハ、楽しかったすね。

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Y氏:でも、日本でもそういう瞬間があったじゃないですか。

90年代前半とか?

Y氏:90年代の後半とかも。パーティが終わると、「代々木公園行こうよ」とか。「うちに来なよ」とか。

まあ、そうだね。

でも、日本では無理っすよ。

無理じゃなかった瞬間もあったわけだし。

でもいまは無理な気がする。

なんで?

まわり見てて、パーティ行くヤツが少ない。

残念だね。

クラブもカラオケの代わりになっちゃってるし。マンチェスターの奴らとか、あれしか楽しみがないんだろうなぐらいの気の入れようだったから。で、次の日はロンドンで、〈プラスティック・ピープル〉に行って。

〈プラスティック・ピープル〉?

それは地元密着型の濃いパーティ。

どこ?

えー、あれは......、ダメだ、ぜんぜん思い出せない(笑)。ロンドンで有名な駅って?

たくさんあるよ、パディントン、ノッティングヒル・ゲート、コヴェント・ガーデンとか(笑)。

えー、思い出せない(笑)。とにかく小箱で、でもファンション・ワン置いてあるみたいな。ミラーボールもなんもなくて、そこで毎週〈フォワード〉っていうダブステップのパーティをやってて。それに行って。メンツはMAワンっていうファンキーのDJ、で、ジンクやって。

おー、クラック・ハウス。

で、ジャック・ビーツっていうエレクトロ・ハウスっぽいのをやって、で、スクリームがやるみたいな。

ジンクのクラック・ハウスのコンピ、知ってる? 黄色のジャケのヤツ(「Crack House EP」)。

オレも買いました。

あのCDだけ聴いても現場がどんななのかわからないんだよね。

そうですよね。オレ、ジンク好きっすよ。

あれはホントにパーティ・ミュージックだよね。ちなみにそのパーティは何曜日?

日曜日っすね。オープンが大幅に遅れて、9時ぐらいから2時までやってましたね。で、そこ行ったら、今回初めて日本人がいて。「あれ日本人じゃないっすか?」ってケイタが言うから、で、訊いたら「そうだよ」って。で、話したら、その人がエナさんっていう、ゴス・トラッドなんかが出ている〈Back To Chill〉をやっている人で。共通の知り合いがすごくいっぱいいて、で、仲良くなって。

へぇー。

Y氏:よくロンドンのどのクラブ行っても日本人がいるって話聞くんだけど、ダブステップのクラブには滅多にいないよね。

ぜんぜんいないっすね。アジア人がいない。

アフリカ系はいるでしょ?

半々ぐらいでいますね。で、それが5日目で、で、6日目は「さすがにちょっとぐらい観光しようか」って話になって。で、結局レコード屋とかに行って、CDとTシャツを買って。そしたらまたエナさんに会って(笑)。

ハハハハ。行動パターンが同じなんだ。

そう。で、「今日の夜、ブリクストン・アカデミーでヤバいパーティがあるよ」って。それが16歳以上から入れるパーティで。

16から入れるっていいよな。

だから酒は売っていない。

なるほど。

で、ケイタと「どうする?」って。オレら、ドラムンのパーティをアムスで逃していて、ケイタがどうしてもドラムンで踊りたいって言い出して(笑)。「じゃ、行くか」みたいになって(笑)。

ブリストルって、中心地からは遠いからね。

遠いじゃないですか。だから終電で行って。そしたらガキんちょたちで溢れていて、あり得ないくらいの熱気で(笑)。

あんな広いところで。

あんなに広いところがガキんちょでいっぱいで(笑)。で、さすがにその日はもうオレらも疲れていたから隅っこのほうで休みつつって感じだったんですけど、誰かのDJになった途端、すべてのフロアから人が集まってきて。それがチェイス&ステイタスで。「うわ、こんなに人気があるんだ」って。

チェイス&ステイタス?

リアーナのダブステップやったり、スヌープのダブステップやったり。

ああ~。

すごかった。あんなに人気があるとは思わなかったね。

しかし16歳で行けるDJパーティがあるって良いよね。

しかも朝の5時ぐらいになると親とか車で迎えにきて(笑)。ドラムンでガン踊りしていた子供を迎えに来るって、「物わかり良すぎだわ」って(笑)。

それはハウス世代の親じゃないの? 「もう、しょーがねーな」みたいな(笑)。

しかし、月曜日に5000人の若いのが踊ってるって......。

健康的でいいなー(笑)。

ヴァイタリティ半端ないっすよね。〈プラスティック・ピープル〉で、白人のガキんちょがでかい黒人のセキュリティに超からんでいるんすよ。「おまえ出てけ」って投げ飛ばされたりしてるんすけど、すげー食いかかっていて。明らかに体格差もあんのに、「ファックユー」連発で、「こんなヤツ、日本人であんまいないなー」と思って。

へぇー。

とにかく、ダブステップ、こんなに踊ってる感じなんだーって、日本からはつかめなかったんで。それがもう、爆発してたんで。

レイヴ・カルチャーそのものなんだね。

それでオレも、自分でもダブステップやりはじめようかなと思って。

やってるじゃん、新作『ルーヴィア・ミトス』で。

それはダブステップというよりは......。

フライング・ロータス?

フライング・ロータス。

やっぱり。

そう、でも、もっとフォーマットにのったダブステップを作ろうと最近は思っているんですよ。

ダンス・ミュージックって、フォーマットがあるからね。

そうなんですよ。オレ、これ(『ルーヴィア・ミトス』)では好き勝手やってるだけなんで。もうちょい縛りあったうえで踊らせるっていうか、他のDJもかけやすくするっていうか。それって大事かなって。で、やってみたら面白かった。

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エクシー君のイメージって、やっぱキース・ジャレットのジャケの写真を自分のCDのアートワークに使っているように、すごくシリアスなさ、ある意味求道者的なさ(笑)。

この前もVJの人と飲んでて、「エクシー、おめーぜんぜん知性派じゃねーじゃん。下品だおめーは」って言われて(笑)。

ハハハハ。

やっぱ向こうの現場見ちゃうと、とくに。

それ、日本でもやって欲しいな~。

渋谷の〈プラグ〉で〈Coldsteel〉ってパーティやってます。2月5日に渋谷の〈プラグ〉でリリース・パーティかねてやりますよ。

行こうかな。

野田さんはクラブ行かないんですか?

ここ数年、子供ができてからはめっきり行かなくなったけど、嫌いになったわけじゃないからね。昔は毎週末行っていたし、ある時期はロンドンに隔月で行っていたよ。クラブとレコードを目当てに(笑)。だから今日の話はすごーくわかる(笑)。オレの世代はブリクストンと言えば、〈ロスト〉っていうテクノのパーティだね。上半身裸で壁によじ登るようなヤツがひと晩に20人ぐらいいるような(笑)。ロンドンはどこに泊まったの?

キングスクロスのあたりとか。

えー、そうなの! キングスクロスって、オレも昔よく泊まってたけど、娼婦や売人が立っているようなところだったんだよ(笑)。駅の反対側に倉庫街あって、あっちでもパーティがあったりして。

あー、あったあった。

で、いきなり『ルーヴィア・ミトス』の話に戻すと、過去2枚って、シンゴ02とか、マイク・ジャック・プロダクションとか、あるぱちかぶととか、文学肌のラッパーを入れているじゃん。それが、『ルーヴィア・ミトス』ではいっさいラッパーなしでやってるじゃん。そこはオレ、ラッパーの力を借りずに勝負してるなって思ったんだけど。

もともとインスト作品を出したくて。あとこれ、インストのシリーズなんですよ。ラッパーいないとさくさく曲作れるし。このアルバム、昨年の12月に出ているんですけど、ほぼ全曲9月に作っているんですよ。

すごいね。

すぐ出せるのがいいなーと。自分でミックスもしているし。

ロンドンに持っていかなかったの?

ミックス前だったんですけど、持っていきました。けっこう気に入ってもらえましたよ。

音を聴いてくれるのっていいよね。

そうっすね。

オレ、こないだタナソーとのトークショーでも言ったんだけど、音を面白がる文化って良いと思うんだよ。

オレ、ホント、意味とかどーでもいいと思っていて。

えー、意味あるラッパーばかり揃えているじゃん(笑)。

テーマとかどうでも良いと思ってて(笑)。

銀杏ボーイズが好きなくせに。

銀杏ボーイズは歌詞カード見ないでも言葉が入ってくるから好きなんですよ。うちのラッパーだとオロカモノポテチっていうのがいて、そいつがオレはいちばん入ってくるんですけど、正直、あるぱちかぶととか難しくて。

ハハハハ! 自分の作品でラップしてもらってるのに(笑)!

いや、もちろん良いんですけど! そこまでグッと来ない(笑)。

マジ(笑)? あるぱちかぶと、グッとくるじゃない。言葉でトランスさせるような感じでしょ。

ま、そうっすね。シンゴさんは、ライヴが好きっすね。ライヴが素晴らしい。あるぱちかぶとも、そろそろシンゴさんぐらいいってるのかなと思ってたんだけど、ライヴを観たらまだまだだった(笑)。

オレ、あるぱちかぶとのアルバムの1曲目、すごいと思ったけど。東京をラップしている"トーキョー難民"という曲。びっくりした。

はいはい。

あの風景の描き方はすごいよ。まあ、踊らせるってタイプじゃないけどね。で、ああいう優れたラッパーが身近にいながら今回はインストで勝負しているところにエクシー君のソウルを感じたんだよね。気が早いけど、次のアルバムが楽しみだね。

オレ自身も楽しみっすよ。なんか、〈テクトニック〉が気に入ってくれたみたいで。

えー、最高じゃない!

ピンチが気に入ってくれたみたいで。それで実は昨日、ぶちあがっていて。

それはオレでさえあがるよ(笑)。

このまま食らいついて、「シングル出そうよ」って言われるぐらいになりたいっすね。〈テクトニック〉、最高っすよね。

最高のレーベルのひとつだよね。昨年のコンピレーションも良かったし、ピンチのシングルあったじゃん。歌モノのヤツ。

「ゲット・アップ」っすよね。

そうそう。

あれで、グイードがリミックスしてるじゃないっすか。オレ、グイードがヤバくて。

ブリストルのジョーカーの仲間だよね。みんなまだ若いんだよね。

オレ、コンプリートしたんですけど。写真とかも、みんなかっこつけるんですけど、グイードだけがリーボックのジャージ着て突っ立ているだけで、リーボックってところがいい、イギリスっぽいな~って(笑)。

ハハハハ。ジョーカー、グイード、ジェーミー、あいつら、まだみんな20歳そこそこなんだよね。ジョーカーがいちばん若くて、たしか昨年の時点で20歳だったと思ったよ。

え、あいつがいちばん老けた顔しているのに(笑)。

ベンガやスクリームもみんな若いじゃん。13歳からDJやったり作っているわけでしょ。

あいつら若いっすよね。そういえば、〈プラスティック・ピープル〉の外で煙草吸っていたら、BMがやって来て、ゴミ袋を何度も轢いてて、頭おかしいヤツ乗ってるなーと思ってたら、車からベンガが出てきて、「おー、ベンガだ!」って(笑)。

いいな~、そんなことやっててレベル・ミュージックになっているところがいいよな~(笑)。

そうっすよね。しかもベンガとスクリーム、ヨーロッパのどこにもいますからね。ヨーロッパのいたるところのフライヤーに書いてある(笑)。

グラストンベリー・フェスティヴァルでもやって話題になってるもんね。ということで、エクシー君、がんばれ!

ハハハハ。

Eccy DJ Chart
  • 1. Hudson Mohawke / FUSE (Warp)
  • 2. Jinder / Youth Blood[12th Planet & Flinch Remix] (Trouble & Bass)
  • 3. Doshy feat.Raspe / Crtzl[Robot Koch Remix] (Robox-Neotech)
  • 4. Guido / Beautiful Complication (Punch Drunk)
  • 5. Rustie / Inside Pikachu's Cunt (Warp)
  • 6. Scuba / Twitch[Jamie Vex'd Remix] (Hot Flush)
  • 7. Rustie & Joker / Play Doe (Kapsize)
  • 8. Ikonika / Smuck (Planet Mu)
  • 9. Joker & Ginz Purple City (Kapsize)
  • 10. Zomby / Spliff Dub[Rustie Remix]- Hyperdub
  • 11. Skream / Trapped In A Dark Bubble (Tectonic)
  • 12. Bjork / Hyperballad[Eccy Dubstep Edit] (Nytebug)

※以下のサイトもチェック。
https://eccy.cc
https://www.slyerecords.com

また、昨年の12月から〈NYTEBUG〉という無料ダウンロードのレーベルを実験的にスタートしているで、そちらも是非。
https://nytebug.blogspot.com/


2010/02/05(Fri)
COLDSTEEL vol.5 @Shibuya PLUG
"あるぱちかぶと - ◎≠" and "Eccy - Loovia Myhots"
Double Release Party!!!!!!

-starring-
あるぱちかぶと
Eccy
Matt.B(Bass Science / Made In Glitch)
Quarta330(Hyperdub)
broken haze
haiiro de rossi
DJ KEITA
Notuv
Emufucka
小宮守

R.Kelly - ele-king

 R.ケリーを聴くと、少なくともひとつは良いことがあるのを僕は知っている。R&B好きの女性と音楽の話題を通して、愛や恋やセックスにまつわるトークを開けっぴろげに、ディープにできる。それはとても素敵な時間だ。普段は口にするのも恥ずかしい言葉を平然と言えてしまう。「R.ケリーはあの歌の中でこんなことを言っているけど、オレはこう思うんだよね」という感じに。盛り上がれば、「じゃあ今度、一緒に聴こうよ」なんて誘い文句を繰り出すこともできる。はははは、楽しいぞ! 男も女も魅了する愛のドラマを描けるR.ケリーはまったく偉大な男だ。野田編集長に拠れば、あの女傑、アリ・アップでさえR.ケリーに一目置いているという。

 ディスコ/ヒップホップ以降、つまり"ポスト・ソウル時代"に登場した黒人男性R&Bシンガー/ソングライター/プロデューサーで、R.ケリーほど成功した人間はいないだろう。80年代後半、テディ・ライリーが発明したニュー・ジャック・スウィングはヒップホップ・ビートとR&Bのソングライティングを融合し、ヒップホップとR&Bの壁を取り払うことに成功する。それはブラック・ミュージックの歴史におけるひとつの革命だった。ニュー・ジャック・スウィング・ブームの余韻が残る90年代初頭にR.ケリーは本格的にキャリアをスタートさせる。
 セカンド『愛の12プレイ』(93年)、サード『R.ケリー』(95年)で独自の所謂性愛路線を確立し、両アルバムはそれぞれ500万枚近くも売れたと言われている。『愛の12プレイ』に収録された「セックス・ミー(パート1&2)」のあけすけなセックス描写とねっとりと絡みつく甘いヴォーカルに、10代の僕はそれまで聴いたどんな音楽からも駆り立てられることのなかった卑猥な妄想を刺激されたものだ。
 他方で、マイケル・ジャクソン「ユー・アー・ノット・アローン」をプロデュースし、映画『タイタニック』のテーマ曲で一躍時の人となったセリーヌ・デュオンとの「アイム・ユア・エンジェル」というデュエット曲を作っている。両者ともメロディ・メイカーとしてのR.ケリーの才能が光る、美しいスロー・バラードで、2曲ともクロスオーヴァー・ヒットを成し遂げた。

 1967年、R.ケリーはシカゴのサウス・サイドのプロジェクト(低所得者向け公営住宅)で生まれる。彼は、ただただ甘ったるいバラードやセックス賛歌("セックス・ウィード"、"セックス・プラネット")や女たらしの歌(T.I.とT・ペインをフィーチャリングした「アイム・ア・フラート・リミックス」のスムースなグルーヴには溶けてしまいそうだ)だけを歌ってきたわけではない。ゲットーから抜け出すことを誓い合った彼女との思い出を回想する"ゲットー・クイーン"、シングル・マザーへの愛情を歌った"愛しのセイディ"、壮大なゴスペル調の"トレイド・イン・マイ・ライフ"といった曲があるように、宗教的な精神から貧しい黒人ゲットーの人々へ向けた同胞愛まで、様々なドラマを歌い分けてきた故に幅広い層からリスペクトされてきたのだろうし、常に(ダンスホール、レゲトンを含む)最新のアーバン・サウンドを取り入れるという意味でも、ストリートの感覚を反映させるという意味でも、ヒップホップ的感性はR.ケリーの音楽の重要な要素と言える。そしてなにより、どこか憂いのある艶かしく悩ましいあの声が聴く者のハートの深いところを締めつけてくる。それは、マーヴィン・ゲイにもプリンスにも通底するブラック・ミュージックにおけるもっとも濃密なソウル――性と快楽と剥き出しの魂が渾然一体となった黒い媚薬とでも言えるような――のひとつの象徴だろう。

 それにしても、R.ケリーにうっとりした後にテレビから流れてくるアイドル歌手が歌うラヴ・ソングを耳にすると、どうにも幼稚でつらい。成熟よりも幼児性に傾きがちな日本のポップ産業においては仕方のないことかもしれない。が、恋愛やセックスが必ずしもピュアで、汚れなくキラキラしているとは限らないのに......まったく深みがなさ過ぎて本当にげんなりするものが多い。「大人を舐めるなよ~」という気持ちだ。恋愛をしていれば、彼女に飛び蹴りされて、コンクリートの路面にしたたかに体を打ちつけることだってあるし、金のことで言い争うこともある。また、ときたま事故のように訪れる......(以下、自主規制)。皆さんもよくご存知のように、愛や恋やセックスには壮絶な、嵐のような出来事が付き物なのだ。まさにR.ケリーが地で行くように。

 児童ポルノや性的虐待に関する容疑による逮捕・起訴(無罪を勝ち取ってもいる)、離婚問題、2枚のタッグ・アルバムを制作したジェイ・Zとの仲違い。R・ケリーの周囲にはセックスや女性関係にまつわるスキャンダルをはじめ、裁判沙汰が後を絶たない。いまやR.ケリーをゴシップ・ネタとしか扱わない向きもあるのだろうが、ビヨンセ、リアーナ、アリシア・キーズなどの例を出すまでもなく、"女の時代"だった00年代のR&BシーンにおいてR.ケリーは第一線に立ち続けた。

 そこで、前作『ダブル・アップ』から2年ぶりに届けられた、オリジナル・アルバムとして通算10作目となる『アンタイトルド』を聴く。特筆すべき"新しさ"があるわけではないが、安易に4つ打ちを取り入れた2曲と取って付けたようなサウス系の1曲を除けば、まったく期待を裏切らない出来と言っていい。欲を言えば、R.ケリーらしいストーリー・テリングをもっと聴きたかったというのはある。まあ、それでも十分に満足できる。ケリ・ヒルソンと猛々しくセックスを求め合う男女を演じるエネルギッシュなデュエット曲「ナンバー・ワン」(「Sex that we`re having here girl ohh(セックス、僕らは抱き合う、ガール、ohh)」)、売れっ子シンガー/プロデューサー、ザ・ドリームらをゲストに迎えたアーバン・ソウル"プレグナント"( 「Give you make me wanna get you pregnant(ガール、キミを妊娠させたくなっちゃうよ)」)、90年代中盤のメロウR&Bを彷彿とさせるセルフ・プロデュース曲"ゴー・ロウ"と"ホール・ロッタ・キスイズ"。いまR.ケリーを聴こうと思うならば、過去作ではなく、間違いなくこの集大成的な新作(リリースは昨年末)を手に取るべきだろう。これぞブラック・ミュージックにおけるエロスの真骨頂。堪らない。

CHART by JET SET 2010.01 - ele-king

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1

MENDO & DANNY SERRANO

MENDO & DANNY SERRANO YANARA / »COMMENT GET MUSIC
Savedらしくハード・エッジさもミックスしたアフロ・トライバルなモダン・ミニマルハウス作品!!Luciano率いるCadenzaでも活躍するMendoがスペインの新鋭、D.Serranoをパートナーに迎え、ややハード・エッジな作風のミニマル作品をリリース!!

2

MADLIB

MADLIB MEDICINE SHOW VOL.1 - BEFORE THE VERDICT / »COMMENT GET MUSIC
特殊ジャケ付2LPが緊急入荷! 初回限定プレス2000枚のみですのでお早めに!下地デザインとスタンプの組み合わせで、一枚として同じジャケがない(!!)という驚異的な拘り!さらに、裏には手書きナンバリング入りという念の入れ様...もはや執念に近いものさえ感じますね、こりゃ。

3

TRUS'ME

TRUS'ME IN THE RED / »COMMENT GET MUSIC
クレジット見たら仰天モノの超豪華メンツ参加!!Trus'meニュー・アルバムです!!Dam Funk、Linkwood、Amp Fiddler等、とりあえずスルーせず聴いてしまう大御所が揃いに揃ってます!!もちろん自身主宰"Prime Numbers"から!!

4

DRUID PERFUME

DRUID PERFUME OTHER WORLDS / »COMMENT GET MUSIC
コレはヤバい。Beefheart超えのフリーキー・ノイジー・ブルース・コア!!ミシガンのグレイト・レーベル、M'Lady'Sから、ミシガンの超危険バンド、Druid Perfumeが登場!!サックスとオカルト・コーラス吹き荒れる電子ノイズ・ブルース。グレイト!!

5

ZORT

ZORT MAMBO POA MARTINO EP / »COMMENT GET MUSIC
ウルトラ・キュート☆☆アルゼンチン産ダーティ・ポップ・ビーツ最高リミキシーズ!! Compostのエレクトロ鬼才Ben Monoによるエキゾ・エレクトロ・ハウス・リミックスA1も搭載。アルゼンチンの新星トリオによる傑作1st.12"です!!

6

V.A.(SELECTED BY DJ NORI & TOHRU TAKAHASHI)

V.A.(SELECTED BY DJ NORI & TOHRU TAKAHASHI) 20YEARS OF STRICTLY RHYTHM EP / »COMMENT GET MUSIC
Strictly Rhythmの20周年を記念した限定EP!DJとしてのキャリアは30年以上、世界に誇るパーティー「GODFATHER」の主催者の一人であるTohru Takahashiと、2009年にキャリア30周年を迎え今なお「Gallery」など現場の最前線で活躍するDJ Noriが膨大なカタログの中からVinylカットの為に厳選したナンバーを収めた1枚。

7

TERMINAL TWILIGHT

TERMINAL TWILIGHT BLACK AND BLUE / »COMMENT GET MUSIC
激オススメ★Italians Do It Better直系センスの新レーベル、Infinite Soundtracks第1弾!!グレイトです。Glass CandyがKraftwerkをカヴァーしたようなフィメール・コールド・ウェイヴ・ディスコ!!西海岸の男女デュオによる激傑作デビューEP。

8

ALEXKID & RODRIGUEZ JR

ALEXKID & RODRIGUEZ JR JERI CALL / LE DOIGT AFRICAN / »COMMENT GET MUSIC
エスニックなフォーンを使ったエキゾチックなモダン・ミニマルハウス作品!!Joris Voornを筆頭にMichel Cleis (Cadenza)、dopそしてBrendon Moellerらがプレイ、サポート中。

9

LOOPS HAUNT

LOOPS HAUNT RUBBER SUN GRENADE EP / »COMMENT GET MUSIC
炎上するウォンキー聖地スコットランドから新たな天才が登場しました!!ダブステップもウォンキーもこなす超新星Loops Haunt。新興レーベルからの第1弾となる今作には、Joker以降のパープル・ステップ傑作B1が収録されてます!!

10

LOVELOCK

LOVELOCK PINO GRIGIO / »COMMENT GET MUSIC
ZombiメンバーによるMindless Boogie歴代屈指の傑作!! Mexican Summer発10"EPも大好評、Zombiの片割れSteve MooreがLovelock名義で遂にリエディットを発表、これが素晴らしい内容でした!!

CHART by STRADA RECORDS 2010.01 - ele-king

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1

RADIOHEAD

RADIOHEAD I LOVE TO KEEP(10inch) SENSEI PLATES(US) / 2010/1/8 »COMMENT GET MUSIC
Master KevとTony LoretoがRADIOHEADをリミックス!SHELTER系の作品を彷彿とさせる黒いパーカッション・ビートがカッコいいディープなヴォーカル・チューンに仕上がっています!ビート・トラックも収録!

2

JOE CLAUSSELL

JOE CLAUSSELL WITH MORE LOVE SACRED RHYTHM (US) / 2009/11/20 »COMMENT GET MUSIC
A面には13分超の「With More Love Dance Version」を収録!Joeらしい骨太で疾走感のあるビートと軽快なリムに、哀愁漂うエモーショナルなギターソロが秀逸!多くのミュージシャンが参加していることで「生」ならではの力強さが前面に押し出された抜群のインスト!Body&SOULではこの1枚に収録されているDance Versionと限定Box Setに収録されるエクスクルーシヴVersionを立て続けにプレイ、終盤に差し掛かった時間帯にクラウドを音に酔いしれさせたことの記憶に新しい作品!B面にはMenrtal Remedy名義でリリースした傑作「The Sun The Moon Our Souls」の限定CDに収録されていたEntreaty」と「Kotu Rete (atmospheric reprise)」の2曲をカップリング!

3

HOMEWRECKERS

HOMEWRECKERS NOT MY BUSINESS CIRCUS COMPANY(GER) / 2010/1/21 »COMMENT GET MUSIC
DAVID MANCUSOがヘビープレイした「HOME WRECKERS REWORK」も記憶に新しいドイツの三人組HOMEWRECKERSの新作がCIRCUS COMPANYから登場!ざっくり言うと「気だるく妖しい男性ボーカルの乗ったミニマル・テック・ハウス」なのですが、じわじわ加速していくような展開の巧さ、フロア栄え抜群の硬質&極太ファンキーなシンセ・ベース、幻想的&シリアスな上ものなど、絶好調時のCARL CRAIGを思わせる圧倒的とも言えるサウンド・クオリティーの高さは必聴ものです。B面2曲目では同レーベルよりDAVE AJUがリミキサーとして参加

4

MICHEL CLEIS

MICHEL CLEIS LA MEZCLA-REMIX EP feat.TOTO LA MOMPOSINA MOSTIKO(EU) / 2010/1/26 »COMMENT GET MUSIC
Luciano率いるCadenzaよりリリースされ2009年度を代表する空前の大ヒット作となったMichel Cleis「La Mezcla」のリミックス12インチがベルギーのMostiko傘下のBelgian House Mafiaから登場!ディープ・ハウス・ファンならベテランCharles Websterのミックスは必聴!DefectedからCopyright、BPitch ControlからPaul Kalkbrenner、Roog & Greg Electronics主催のDJ Roog、とハウス&テクノの実力派がリミキサーとして集結した充実の一枚!

5

GUILLAUME&THE COUTU DUMONTS

GUILLAUME&THE COUTU DUMONTS THE PUSSY SHEPHERD MUSIQUE RISQUEE(GER) / 2010/1/21 »COMMENT GET MUSIC
OSLOやCIRCUSCOMPANY等からのリリースでもお馴染みGUILLAUME & THE COUTU DUMONTSがAKUFEN主宰のレーベルMUSIQUE RISQUEEから12インチをリリース!パーカッション系トラックが得意な彼らですが、今作では黒くグルーヴィーなディープ・トラック「Raw」がオススメ!ソウル~ファンク系のヴォーカル、コーラスのサンプリングもカッコイイ!

6

V.A

V.A PRIME NUMBERS EP E11 PRIME NUMBERS(UK) / 2010/1/21 »COMMENT GET MUSIC
Trus'meが主宰するこのレーベルからの新作12インチはMr.Scruff & Kaidi Tatham、Motor City Drum Ensembl、Andresら3組のアーティストを収録したEP!中でも人気絶頂のMotor City Drum EnsembleによるB1が最高!突進する黒いグルーヴ感がたまりません!

7

I:CUBE

I:CUBE FALLING EP VERSATILE (FR) / 2010/1/20 »COMMENT GET MUSIC
フランスの人気レーベルVERSATILEからI:CUBEが12インチをリリース!オススメはB面に収録されている「Un Dimanche Sans Fin」!グルーヴィーなダンス・クラシック調の洗練されたインスト・チューンです!

8

NICO PURMAN

NICO PURMAN RHAPSODIES VAKANT (GER) / 2010/1/21 »COMMENT GET MUSIC
CurleやMule ElectronicからもリリースしているアルゼンチンのクリエイターNico Purmanの12インチ!図太いベースにアフロ的なパーカッションが入ったB面「Funk Forest」がグッド!テック・ハウスと呼ぶには黒すぎるサウンドがカッコイイ!

9

V.A

V.A REMAKE MUSIQUE VOL.4 REMAKE MUSIQUE(FR) / 2010/1/20 »COMMENT GET MUSIC
フランスの注目レーベルREMAKE MUSIQUEからの第4弾EP!パーカッシヴ&トライバルな使えるハウス・トラックを中心に人気クラシックGrace Jones「La Vie En Rose」のエディット的作品なんかも収録!

10

TRUS'ME

TRUS'ME IN THE RED(W-PACK) FAT CITY(UK) / 2010/1/21 »COMMENT GET MUSIC
2ndアルバム!ソウルやジャズ、ハウス、ブギー等が渾然一体となった黒いサウンドが圧巻!AMP FIDDLERやPAUL RANDOLPH、LINKWOOD、PIRAHANAHEADらも参加した大充実盤です!

Chart by Lighthouse Records 森広 2010.01.28 - ele-king

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1

PIXELTAN

PIXELTAN YAMERARENA-I DFA / UK / 2009/12/23 »COMMENT GET MUSIC
NYのディスコ・ロック系レーベルとしておなじみの[DFA]から、なんと脱力系な日本語女性ボーカルをフィーチャーしたニューウェーヴ・ディスコ・ナンバーが登場。インパクト大でユーモラス、それでいてトラック自体もカッコいいナイスな一枚!

2

JOAQUIN JOE CLAUSSELL

JOAQUIN JOE CLAUSSELL UN.CHAINED RHYTHUMS EXITS SACRED RHYTHM MUSIC / US / 2010/1/19 »COMMENT GET MUSIC
ダントツのクオリティーの生音系ディープハウスをして昨今ますます存在感が増している感のあるJOE CLAUSSELLが、以前から話題だったボックスセットをついにリリース!流行と関係なく何年後でもずっと聴けるような珠玉の内容に!

3

NEBRASKA

NEBRASKA A WEEKEND ON MY OWN EP RUSH HOUR / NED / 2010/1/19 »COMMENT GET MUSIC
再発2枚も大人気だったNEBRASKAが、またしても[RUSH HOUR]からシングルをリリース!
この極上エレピ・ワークが効いたアーバンでウォーミーでグルーヴィーなジャズファンク・ディープハウス、今回も相当イイです!

4

JOAKIM

JOAKIM SIDERS VERSATILE / FRA / 2010/1/19 »COMMENT GET MUSIC
[TIGERSUSHI]主宰JOAKIMが甘くてエモーショナルに沁みるボーカルをフィーチャーしたエレクトリック・ブギーをリリース。
しかもEWAN PEARSONによるドープでサイケでグルーヴ感抜群のリミックスが最高にカッコよく、これは早くフロアで聴きたいです!

5

NOMI & RAMPA

NOMI & RAMPA INSIDE REBIRTH / ITA / 2010/1/19 »COMMENT GET MUSIC
昨今リミキサーの人選もイイ感じな[REBIRTH]から、今度はRUB N TUG/STILL GOINGのERIC D.をリミキサーに起用した新作がお目見え。
HOUSE OF HOUSEみたく90'sハウス感をセンス良く活かしたディープで幻想的な女性ボーカル・ナンバーで広い層から支持を得そう。

6

TRUS'ME

TRUS'ME IN THE RED FAT CITY / UK / 2010/1/19 »COMMENT GET MUSIC
NUMBERS]を主宰するマンチェスターの新世代ビートダウン・ハウサーの話題の2ndアルバムがついにアナログ化。ジャズ、ソウル、ディスコ、ファンク等のブラック・ミュージックの要素を色濃く含んだ、現場でも自宅でも活躍してくれそうな充実の内容となりました。

7

LUCIO AQUILINA

LUCIO AQUILINA BLACK ELF EP HIDEOUT / 2010/12/15 »COMMENT GET MUSIC
イタリアのテック・ハウサーが地味に放ってきた何気にカッコいい一枚。オーガニックでメロディックなチャイムの音色を用いながらグルーヴィーに展開していくディープハウシーなモダン・ハウス・トラックです。

8

JAKOB CORN

JAKOB CORN SUPAKRANK DOLLY RECORDS / GER / 2010/1/19 »COMMENT GET MUSIC
PANORAMA BARのレジデントとしても知られる女性DJ、STEFFIが立ち上げた新レーベルの第1弾は[RUNNING BACK]から昨年デビューしたJACOB KORNによる別名義。センスのいいモダン・ディープハウスやスモーキーなビートダウン系トラックを聴かせてくれます!

9

WAREIKA

WAREIKA MOUNTAIN RIDE TARTELET / DEN / 2009/12/8 »COMMENT GET MUSIC
'09年ブレイクした人気ユニットWAREIKAが年末前に放った一枚。ホーンやパーカッション、ボーカルなどを用いながらグルーヴィーでノリのいいバルカン系ミニマル・トラックを展開していてフロアをバッチリ盛り上げてくれます!

10

ANTONELLI

ANTONELLI DISCONNECTED DRECK / UK / 2009/12/22 »COMMENT GET MUSIC
[ITALIC]で活躍してきたドイツのミニマル・ハウサーがロンドンの[DRECK]からナイスな一枚をリリース。JUSTUS KOHNCKEやPARTIAL ARTSあたりに通じるような、アナログ機材のレトロな質感を活かしながらビルドアップしていくシンセ・ディスコです。

Various - ele-king

 昨年のリリースだが、興味深いコンピレーションなので挙げておく。ロサンジェルスのレーベル〈ノット・ノット・ファン〉からリリースされた最新の女性バンドだけ11組をコンパイルしたアルバムで(ヴァイナルのみの発売)、タイトルを意訳すれば"私の女性ホルモン世代"。たぶんライオット・ガールズ以降なのだろう、USインディにおける女性バンドの数は急速に増え続け、ゼロ年代はそれがフリー・フォークのシーンにまでおよび、前にも書いたことだけれど、渋谷のワルシャワの新譜コーナーを眺めていると21世紀のインディ・ロックは女性のものになるんじゃないなかといった勢いを感じる。

 もっとも〈ノット・ノット・ファン〉が紹介する"女性ホルモン世代"は、ライオット・ガールズ時代の男女同権を主張するものではなく、ヒップホップ以降の(エイミー・ワインハウスやリリー・アレンなどに顕著な)ポスト・フェミニズム的なニュアンスとも違う。スリーター・キニーやミカ・ミコのようなガレージ・バンドの流れとも少し違う。ジョアンナ・ニューサムのようなポスト・ビョークでもない。誤解を恐れずに言えば、おおよそOOIOOフォロワーなのだ......とは、もちろん言い過ぎなのだけれど、しかしこのアルバムから聴こえるのは、少なくともロックのクリシェには一瞥もくれてやらないような、ローファイ、エレクトロニクス、アブストラクト、エクスペリメンタル、トライバル、アンビエント、ドローン、ダブ、さもなければノイズ......そういったものである。

 A面の1曲目を飾るゾーラ・ジーザスが呪術的なトライバルを披露すると、2曲目のティックリー・フィーザーがメランコリックなノイズ・インダストリアルを演奏する。3曲目では、〈ノット・ノット・ファン〉レーベルの看板バンドであるポカハウンテッドが登場してフリークアウトしたコズミック・サウンドを展開すれば、4曲目のインカ・オレはドローンを響かせ、そして5曲目のトパズ・レグス(〈ノット・ノット・ファン〉所属)によるメランコリックなクラウトロックから6曲目のHNYによるジリー・アレン(ゴング)を彷彿させるサイケデリックなフリー・フォークへと続く。

 トーク・ノーマルの挑発的なノイズ・ミニマルな曲で幕を開けるB面は、A面を大雑把に"静"と形容できるなら"動"だ。2曲目のアイレイジャがノーマルを彷彿させるインダストリアルなエレクトロニクスを展開すると、3曲目のL.A.ヴァンパイアはザ・スリッツの精神を引き継ぎ、4曲目のU.S.ガールズ(もっとも政治的なバンドのひとつ)はクラウトロックの電子宇宙を泳ぎ、アルバムの最後に収録されたヴェレット(〈クランキー〉からアルバムを出している)もまたクラウトロック~スーサイド~スペクトラムの後を追うかのように電子ノイズの海の果てに消えていく。

 40を超えた人間の言葉で言えば、ポスト・パンクにおける頂点の年、"1979"の再来とも言えるような創造性への関心の高まりを強く印象づける内容。あるいは。エレクトロ・ガール・ポップ・リヴォリューションに対する反旗とも受け止められる。いずれにしても興味深い。USインディにおける女性バンドが、エルヴィス・プレスリーではなくホルガー・シューカイを選んだのだから!

[Drum & Bass / Dubstep] by Tetsuji Tanaka - ele-king

1 Sub Focus / Could This Be Real[Drum&Bass RMX]/Triple X | Ram

 昨年のハイライトとも言うべきファースト・アルバム『Sub Focus』によってエクストリーム・レイヴ・ドラムンベースの確固たる地位を確立、それを不動のものにしたのがサブ・フォーカスである。そのもっとも待望されていたリリースによってドラムンベース界に新たな核が生まれたというわけだ。もっとも、プロデューサー・デビューから6年もの年月を費やして発表となったファースト・アルバムは、彼の類まれなる才能から考えると少々遅かった感は否めないのだが。
 彼の起源は2003年〈Ram〉のサブ・レーベル〈Frequency〉から発表された「Down The Drain/Hotline」である。当時のトラック・メイキングはまだ未成熟かつ方向性が定まっていない、ごく平凡なサイバー・ドラムンベースだった。もちろんその当時は、現在のようなスター・プロデューサーとしての確約はないに等しい存在として扱われている。彼に転機が訪れたのは、そう、2005年。その年のアンセム・ザ・イヤーとなったばかりではなく、2000年代を代表するトラック"X-Ray"の発表である。
 ドラムンベース界のみならず、その恍惚感溢れるトランシーレイブな作風で世界中のダンスフロアを掌握、稀に見るビッグ・アンセムとなった。その後、水を得た魚の如く立て続けに"Airplane"、"Frozen Solid"などの"ロック"チューンを発表。そして彼の地位を不動のものにした決定的なリリースがプロディジー"Smack My Bitch Up"のSub Focus RMXだった。そのリミックスはまるで新旧レイブ・サウンド伝道師の世代交代のようで、ドラムンベースをより多方面に押し上げてもいる。そしてその後の活躍は言わずと知れている。いまや名実ともにドラムンベース界のトップ・プロデューサーに君臨するのだ。
 さて、彼のファースト・アルバムからシングル・カットが待望されていた2曲がついにリリースされた。アルバムに収録された"Could This Be Real"のオリジナルは、現在のクラブ・シーンを席巻しているトレンド、エレクトロ・タッチから触発されたフロア直系のアーバン・ブレイクスだったが、シングル・カットのためにドラムンベース・リミックスへと自身でリワーク。ハーフ・ステップさながらのビート・プロダクションに流麗なレイヴ感漂うエレピを注入し、ハイブリッドでソフィスティケートされたシンフォニック・レイヴ・サウンドへと昇華させている。
 "Triple X"に話を移そう。これはまさに"X-Ray"の続編、誰もが待ち望んだ真のレイヴ・ミュージック、即ちこれがエクストリーム・レイヴをもっとも体現したトランシー・フロア・サイバーの最高傑作と呼ぶに相応しい。今後この作品はダンスフロアで皆を待ち続けることとなるであろう。

2.  Disaszt, Camo & krooked / Together[DC Breaks RMX]/Synthetic | Mainflame

 オーストリア、ウィーン発の新鋭レーべル〈Mainflame〉からレーベルのフロントマン、ディザスト(Disaszt)と若手ナンバ-1の呼び声が高いケーモ&クルックト(Damo & krooked)のサイバー・スプリット! "Together"では〈Viper〉、〈Frequency〉などシーンのトップ・レーベルのリリースからMINISTORY OF SOUND主宰DATAなどメジャーのリミックス・ワークなども手掛けるDJサムライ & DJクリプティックのエレクトロ・サイバー・ユニット、DC・ブレイクス(DC Breaks)が担当。レーベル・カラーであるカッティング・エッジでエレクトリックなサイバー感を継承しつつ、よりシンプルに交感し合う各々のサンプル群と、そして女性ヴォーカルが絶え間なくフォローするエレクトロ・ニューロ・ファンクとなっている。昨年からドラムンベースの新しいトレンドとして定着しつつあるエレクトロ・ドラムンベースだが、今作はまさにそれを体現している。まったく"いまこの瞬間の"ダンスフロア・シンフォニーで、レーベルのシンボル的トラックである。
 ケーモ&クルックト"Synthetic"は、〈Mainflame〉からもうすぐ発売されるファースト・アルバム、『Above The Beyond』の前編的トラックとなった。エレクトロ・ドラムンベースの若手急先鋒ケーモ&クルックトだが、今年はさらなる飛躍を期待されるだろう。彼らはすでにDJフレッシュ(DJ Fresh))、アダムF(Adam F)の〈Breakbeat Kaos〉から「Can't Get Enough/Without You」、ロンドン・エレクトリシティ率いる〈Hospital〉から「Climax/Reincarnation」、フューチャー・バウンドの〈Viper〉から「Cliffhanger/Feel Your Pulse」など、多数リリースが控えており、今後最注目のアーティストである。筆者が現在提唱しているエレクトロ・ドラムンベースが、ケーモ&クルックトやショックワン、フェスタなどによって閃光の如く輝き続けるムーヴメントになることを望んでいる。

 

3. Danny Byrd Feat Liquid / Sweet Harmony/Jungle Mix | Hospital

 ザリーフ&ダニーバード(Zarif & Danny Byrd)、"California"で昨年、最高のプロデュース・センスをまた見せつけたダニーバード! ハイコントラストとともに〈Hospital〉の制作理念をもっとも体現しているひとりであり、彼の高揚感溢れるキャッチーな作風はいまや誰にも真似できない、まさにダニーバード・サウンドとして定着している、キャリア10年以上の〈Hospital〉所属のベテラン・プロデューサーだ。
 筆者もDJのとき、必ずと言っていいほどお世話になっている。とくに昨年のザリーフとの共作やファースト・アルバムでのFT.ブルックスブラザーズ"Gold Rush"など......彼の作品をプレイするとき、いつも決まって、自身が中盤の窮地に陥っているケースが大半だ。なぜかと言えば......それだけ個の作品のみであらゆる場面を乗り切る力を持っている唯一のトラック、それがダニーバードの音楽だからである。彼には作品を出すたび毎回脱帽し、尊敬の念を抱き続けている。レコードを置き、針を落とすだけの偉大なキラー・トラックを量産し続けているのだから!
 そして今作"Sweet Harmony"は、初期のレイヴ感溢れるエレピ、FT.リキッドのソウルフルなヴォーカルを効果的に配した遊び心満載のキャッチーなフロアトラックとなった。原点回帰したかのような初期作風感漂うサンプル使いにダニーバードの懐の深さを再認識させられた。もちろんこれもフロアで爆発的人気を得るだろう。
 B面"Jungle Mix"は、ここ最近のダニーバードお気に入り(?)"Shock Out"でも垣間みれたおなじみのオルタナティヴ・プロダクションである。彼特有の変則アーメン・ビートにキャッチーなギミック・サンプルで否応無しにフロアをロックする、正真正銘のパーティ・チューンだ。90年代中期頃、一世を風靡した"Smokers Inc"や"Joker"のエッセンスが多分に感じられ、古き良きジャングル文化が彼によって現代に甦ったと言えよう。
 さらに本年度はダニーバード・フォースカミング・リリースで、みんなが待ち望んでいるあの曲"Paperphase"が〈Breakbeat Kaos〉からついにリリース。あのエレクトロ・ドラムンベース最強兄弟、FT.ブルックス・ブラザーズがまたタックを組み、懐かしのフレンチ・ディスコを思い起こさせるフィルター・ハウス・ドラムンベースに仕上がっている。
 まだリリース前だが、2010年のアンセム・ザ・イヤーをこれで決まりだ。

Chart by DISC SHOP ZERO 2010.01 - ele-king

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1

G.RINA

G.RINA MELODY & RIDDIM #1: mashed pieces MELODY & RIDDIM / 日本 / 2009.12.25 »COMMENT GET MUSIC
シンガーでありプロデューサー、トラックメーカー、DJでもあるG.RINA自身が立ち上げたレーベルの第1弾。ダブステップの名曲の数々をレゲエでいうリディムと捉え、そこに自作のメロディを乗せたストリートアルバム的内容。アイデアの斬新さだけに頼ることの全くない、オリジナルと別の輝きを持った楽曲としての完成度の高さに、彼女の多面的才能の豊かさを改めて実感。G.RINA流の新しいリズム&ブルーズの萌芽。

2

LIGHTNING HEAD

LIGHTNING HEAD TRAFFIC JAM / NOW I DELIVER (VERSION) / 2009.12.11 »COMMENT GET MUSIC
元ROCKERS HI-FI、BIGGABUSHとしても知られるLIGHTNING HEADの7インチ限定300枚。A面はSTEPHEN MARLEYのヒットをファンキー・レゲエ・ブレイクビーツにカヴァー。トロンボーンのトボケ味なリフ、途中ではアフロなノリも出てくる最高の仕上り。B面はR.HI-FIの名曲リミックス。ゆったりしたムードのオリジナルを、L.HEAD印のダンスホール・ビートで料理。

3

DISTANCE / PINCH

DISTANCE / PINCH CLOCKWORK / ONE BLOOD, ONE SOURCE (REMIX) TECTONIC /イギリス / 2009.12.11 »COMMENT GET MUSIC
B面の盟友PINCHが07年に発表した名作『UNDERWATER DANCEHALL』収録曲のリミックスが特に素晴らしい。ラスタ・シンガーRUDEY LEEを迎えた曲で、RHYTHM & SOUND~BURIAL MIXラインとは全く別の方向からディープなダブへとリミックス。サブ・ベースの歌うようなラインとドラムの感触の対比、そしてその空間にハメられる。

4

SOOM T

SOOM T DIRTY MONEY E.P. JAHTARI / ドイツ / 2009.12.03 »COMMENT GET MUSIC
驚くべき多方面からの支持を受けつつ、いよいよ2月に初来日を果たすDISRUPTとSOOM TのコラボEP。「アンタのキタナイ金なんて要らないわよ!」というサビが印象的なタイトル曲は、この夏に引っ張りダコだった各地フェスやクラブでも大人気だったという曲。ファズが掛かったようなビット・レートの低いダブ・ビートと、SOOM Tの独特な声で繰り出される、歌うようなトースティングが不思議と絶妙な相性。

5

UNTOLD

UNTOLD FLEXIBLE BRAiNMATH / イギリス / 2009.12.15 »COMMENT GET MUSIC
個人的には2009年にその動向/サウンドが最も気になったプロデューサーのひとりUNTOLDの新曲が、ZOMBYやSBTRKTなどもリリースするBRAiNMATHから限定でリリース。もはやUNTOLD印と言える、ヒプノで骨折気味のビートが生む不思議なトライバル感を、真空度高めにグルーヴさせた曲。80年代終わりから90年代頭の実験的ハウス?テクノにも通じる感触。

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ECHO_TM feat. ECHO RANKS

ECHO_TM feat. ECHO RANKS SKYLARKING KANU KANU / ポーランド / 2009.12.27 »COMMENT GET MUSIC
現在エジプトはカイロ在住のHATTI VATTIが立ち上げたレーベル第1弾、限定300枚。ポーランドのプロデューサーECHO_TMによる、ニュールーツ系レゲエの作品で知られるシンガーECHO RANKSを迎えたディープな音像のミニマル?テック・ダブ。RHYTHM & SOUND?BURIAL MIX直系ではあるけれど、よりレゲエ寄りになっている微妙な感じが◎。裏のリミックスはドイツのBIODUB。

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KALBATA

KALBATA OH GOSH / KARL BUTTER BOTANIKA / イスラエル / 2009.12.27 »COMMENT GET MUSIC
WARRIOR QUEENを迎えたSOUL JAZZからのシングルが大人気だったイスラエルのダブステッパーKALBATAの最新シングル。エレクトロな感触が前面に出つつのダンスホール・ビートのA面は、クドゥロや高速のMCが乗るグライムとも相性が良さそう。B面ではさらにエレクトロ感を増し"テッキーな"というのとはまた違うテクノな感触のトライバル・グルーヴを聴かせてくれる。

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MJ COLE feat. SEROCEE

MJ COLE feat. SEROCEE AO PROLIFIC / イギリス / 2009.12.27 »COMMENT GET MUSIC
2ステップで有名なMJ COLEによるUKファンキー。TODDLA Tとも組むMC、SEROCEEのレゲエ・ベースのフロウが洗練されたトライバル・ビートを野蛮にグルーヴさせるオリジナル、ベースが上昇を繰り返す自身のリミックスも良いが、そこにカーニヴァルなムードも加わって01?02年のレゲエ味ブレイクビーツが大盛り上りだった時代の感触も思い出させてくれるZED BIASによるリミックスが楽しい。

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ION DRIVER

ION DRIVER WHAT SITUATION RICOCHET / イギリス / 2009.12.27 »COMMENT GET MUSIC
「レイヴ後のモハーヴェ砂漠で日の出の音を録音したら」なんて資料にはありましたが、そうイメージすると妙にハマる5曲入。トライバルだったりサイケなチルアウトだったりゲットー・ベースなグルーヴもありつつの、ディープでプログレッシヴなテッキー・ビーツ。これも"ダブステップ以降"のひとつの形を示す重要な1枚となりそう。

10

JOKER

JOKER CITY HOOPER / OUTPUT 1-2 TECTONIC / イギリス / 2009.12.27 »COMMENT GET MUSIC
メジャー・アーティストのリミックスを手がけるなど、そのサウンドもすっかりトレードマークとなった新世代JOKER待望の新曲は地元ブリストルのTECTONICから。スロウでへヴィなグライム?R&B風トラックに、お得意のロボティックなシンセが歌うA面。B面は、このレーベルらしいディープさも出たトラックで、中盤以降のリズムの変化も◎。爆音で聴けば、この音の解像度にやられること間違いなし。
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