「P」と一致するもの

CARRE - ele-king

 NAGとMTRというイカしたネーミングのふたりによる日本屈指のインダストリアル・ミュージック・デュオCARRE(ケアル)が、画家である近藤さくらに「絵を描くとき用にミックスを作ってほしい」と依頼されたことからはじまったという〈GREY SCALE〉なる試み。結果、ミックスではなくケアルの新曲が用意されることになったこの試み──いや、「試み」と呼ぶには両作家の表現にはあまりにも秘めたる共通点が多く、近藤のモノクロームの平面作品からゆるやかに見えてくる/聞こえてくる光沢のある陰り、冷たく熱狂する軋みは、まさにケアルの音楽そのものである。
なので、ここに摩擦と衝突のくり返しを期待するのは野暮な話であって、あるのは音の肌ざわり、そして、線と形の膚ざわりにこだわり抜いたケアルと近藤の意識の落ち合い。それが解体するのではなく伸び縮みしながらブレンドされ、目的を追い越してずるずるズレながら行ったり来たりする屈曲の連続にスリリングな醍醐味があるのだ。

 4月に恵比寿のKATAで開催されたエキシヴィジョン〈GREY SCALE〉展オープニング(なんと6時間にも及ぶライヴ+ペインティングを決行!)でのあれこれは倉本諒氏のライヴレヴューに詳しいので割愛させていただくが、いよいよケアル待望の新作であり、この展示の音楽をまとめた作品『GREY SCALE』がリリースされた。もちろんアートワークは近藤さくらによるものである。

 1曲め“Tin Reverb”から堂々たる金属的エレクトロニクスが打ち鳴らされ、ぬーっと目の前に灰色の光景が広がる。つづく“LFTM #1”ではうねるベースマシンの上を不穏なシンセが木霊しながらゆらり行き交い、まるでスロッビング・グリッスルの“20 ジャズ・ファンク・グレイツ”なんかを彷彿とさせる。そして3曲めの“Open”では、モジュラーシンセによるコズミックな音の粒が弾けてポコポコと転がり回り、その艶っぽいユーモアにこちらの耳も悦びの手をたたくではないか。

 ケアルと近藤さくらによる音と絵画の共同作業は、往復書簡という形でやりとりが行われ、3年もの時間を費やして完成されたというが、ここにある線の痕跡と騒音の記録にはその長き時間によって磨き抜かれた美しさと硬度がある。そして、そのインテンシティはアルバムの後半からますます顕著になる。リズムボックスとマシンの空っぽなビートによる立体的な折り重なりに膝をカックンとされる“Tepid Liquid”、カルトでカオティックな音響が妖しくプリミティヴな生命エネルギーを感じさせる密教音楽のごとき“Vertigo”、そして、本作のハイライトである“LFTM #2”では、低周波エレクトロニクスの快感に耳を揉みほぐされてとろとろになるところを、ピントを合わせるようにいぶし銀な旋律が立ち現れ、エッジーなミニマル運動が駆動する。ああ、機械になりたい……。

 ここには、まるで彼らが敬愛するドーム(ワイヤーのブルース・ギルバートとグレアム・ルイスによって創設されたポストパンク〜音響〜インダストリアル・デュオ)を偲ばせる辺境最先端の音楽を奏でつつも、古きよきインダストリアル・ミュージックの焼き直しに終わらない新しさがある。誤解を恐れずに言うと、音の質感こそ金属に付着した赤錆のようにざらついて不適でストレンジだけれど、組み立てられた音楽はまるで流麗なシティ・ポップを聴いているかのようにパーンと抜けがよいのだ。

 かつて、消費社会から産まれた都市の生理のいびつさを象徴した(とかなんとか書くとたちまち文章が大げさになりますよね)インダストリアル・ミュージック。日々アップデートを重ね(都合良く利用され?)、アンチテーゼであったはずの言葉そのものが大量消費されてしまい、いまやその実態を細かく把握することは至難の技である。でも、ケアルの音楽を耳にすると使い古された「インダストリアル」という言葉に、深くて重みのある灰色の光輝が甦るのを見とることができる。そして、どくどく胎動する即物的な機能美と筋の通った電気美学(彼らのステージ中央には、ルイジ・ルッソロのイントナルモーリよろしくメガフォン型の巨大スピーカーがそびえている!)──その粋な風情を漂わせるちゃきちゃきのインダストリアル気質に、退廃的ロマンティシズムの明るい未来を感じとることができるはずだ。

interview with Hudson Mohawke - ele-king

 ハドソン・モホークがシーンに華々しく登場したときのことはよく覚えている。プレステで12歳のときからビートを作っていたとか、その数年後にはDJチャンピオンになっていたとかいうエピソードや、まだ少年っぽさを残す風貌もあって、若くして登場することの多いビート・メイカーのなかでもとりわけ神童めいた扱いを受けていた。「すごい子どもがいる!」というような。当時熱い注目を浴びていたグラスゴーのシーンのなかでも、ジャンルを無邪気に無視してのみ込む様は「ウォンキー」(くらくらする)なんて言葉で無理矢理言い表れされたものだ。
 それからは引っ張りだこの活躍を見せていたことは周知だが、ソロ・アルバムとしては5年以上のブランクが空いたため彼の近影を久しぶりに見て思わず口をついて出た言葉は「痩せたなー!」だった。もとい、ずいぶんシャープになった。ルニスと組んだTNGHT(トゥナイト)やカニエ・ウェストに抜擢されたことは見聞きしていたつもりだったが、その経験は佇まいまで神童から世界的なプロデューサーへと変えてしまったことを思い知らされたのだった。


Hudson Mohawke
Lantern

Warp / ビート

ElectronicIDMHip-Hop

Tower HMV Amazon iTunes

 そして彼の新作『ランタン』は彼のアメリカでの成功体験がよく反映されたものとなっていて、とくに前半でメジャーなヒップホップやR&Bを思わせるプロダクションが目立っている。いや、そうではなくて、その近年のトレンドに関与したのがハドソン・モホークそのひとであったことの証明だろう。イアフェインがシンセ・サウンドとともに派手にブチかます“ヴェリー・ファスト・ブリーズ”、ラッカゾイドがゴージャスなコーラスを引き連れるような“ウォリアーズ”、そしてミゲルが切なく歌い上げる“ディープスペース”と、ポップスとしての強度を備えたトラックが並ぶ。そのなかでもアブストラクトかつウォームな質感のトラックの上でアントニー・ハガティが例の深い声で歌う“インディアン・ステップス”はアルバムのなかでももっとも美しい瞬間を演出しているし、インタールード的なトラックとはいえオーケストラを導入した“ケトルズ”など、いままで聴いたことのないハド・モーもここにはある。インタールード的、というのは要するにアルバムの構成も凝っているということで、通して聴いたときの起伏とストーリー性にも富んでいる。ソウル、ゴスペル、R&Bにチップチューン、フュージョン、それにトラップ……と雑食性は相変わらずだが、ハチャメチャさが魅力だった『バター』よりはるかにうまくコントロールされている。

 そう思うと、ラスト・トラックのタイトルが“ブランド・ニュー・ワールド”というのはなんとも清々しい。そのシンセ・トラックの無闇な高揚は、ハドソン・モホークらしい根拠なき無敵感を放っている。それは彼のトラックを聴くといつも感じずにはいられない、自由であることの喜びそのものだ。

グラスゴーを拠点とするプロデューサー。2007年に〈ユビキティ・レコーズ〉のコンピ『チョイセズ・ヴォリューム1』に"フリー・モー"が収録されたことにはじまり、翌2008年には〈ラッキー・ミー〉などからたてつづけにシングルをリリース。2009年には〈ワープ〉からデビュー・アルバム『バター』が発表された。その後はTNGHT(トゥナイト)での活動や、カニエ・ウェストのレーベル〈GOOD Music〉とプロデューサー契約を経て、プロデューサーとしてカニエ・ウェスト、ドレイク、ジョン・レジェンド、R・ケリー、ビッグ・ショーン、2チェインズ、プシャ・T、リック・ロス、フレンチ・モンタナ、フューチャー、ヤング・サグ、トラヴィス・スコットなどUSメインストリームの錚々たるビッグネームと関わり活動を展開。2015年に6年ぶりの2枚めとなるフル・アルバム『ランタン』をリリースする。

だからなんだよ、今回のレコードにおいて僕が意識的に……自分自身のソロ・プロジェクトに立ち返ろう、焦点をそこに戻そうって決断を下さなくちゃいけなかったのは。

前作『バター』から6年経ちましたね。もちろんその間にEPもありましたし、他のミュージシャンとのコラボレーションやリミックス、それにTNGHTのヒットもありましたので活躍はつねに見ていたようにも思えますが。あなた自身にとって、この6年でもっとも大きかったトピックは何ですか?

ハドソン・モホーク(以下HM):そうだな……まあ、もっとも大きいプロジェクトって意味では、やっぱりTNGHTになるかな。

6年と言っても、いま言ったようにあなたは活動を続けていたわけで。

HM:ああ、そりゃもちろん! 思うに、いま言われた時期の間もツアーは続けていたんだし……とは言っても、必ずしも自分のソロ・キャリアだけに純粋にフォーカスしていた、そういう期間じゃなかったっていう。っていうのも、コラボレーション仕事を多くこなしていたし、それに「ハドソン・モホーク」ではなく、TNGHTとしてのツアーをかなりやったわけで。でまあ、そうやってこの期間中はハドソン・モホーク名義のショウをあまりやらなかったために、なんというかなあ、もしかしたら人びとに……僕はもうツアーしてないんじゃないか、活動をやめてしまったのかも? そういう印象を与えてしまったんじゃないかと思うんだよね。だからなんだよ、今回のレコードにおいて僕が意識的に……自分自身のソロ・プロジェクトに立ち返ろう、焦点をそこに戻そうって決断を下さなくちゃいけなかったのは。
で、思うに、この6年間って歳月は……自分にとってはなにも「6年も経った」って感覚じゃないんだよね。ってのも、その間も自分は休みなく働いていたし、ノンストップで活動していたわけで。ただまあ、他のひとたちの観点に立って考えてみれば、「6年ものギャップとは、長い!」ってふうに受け止められるのも、わかるんだけどさ(笑)。うん、っていうか、そうなんだろうね。ソロ・アルバムの間に6年も間を置くのってきっと長いんだろうけども(苦笑)、でもその間も、2枚のソロの間も、僕はノンストップで動いていたっていう。

今回のアルバム制作に取り掛かったきっかけ、スタート地点はどういったものだったのでしょうか?

HM:そうだね……、作品のはじまりは、とにかくいろんなアイデアの集合体からだった。だから、とくに「これはアルバムのために」ってふうに……「このトラックは自分のアルバム用に残しておこう、それからこのトラックも、それにこれも」なんて前もって考えながらやっていたわけではなくて、僕はただまあ、いろんなアイデアを思いつく端からひとつのフォルダに保存していたっていう。ほんと……たしか去年の半ばくらいだったと思うよ、やっと腰を落ち着けてそれらのさまざまなアイデア群をひとつにまとめてみて、そこから一枚のアルバムを作り出そうとトライしはじめたのは。
 で、まず、このアルバム全体のなかでは必ずしもよく響かないだろうってふうに自分が感じた、そういったトラックを省いていくことにして……それはどういうことかといえば、要するに、あたかも自分が「クラブ・ヒットだらけのノリのいい曲ばかりが詰まったアルバム」だけを目指したような、そういう選曲はしないってことで。だから、あのふるい落としの作業は間違いなく、「一枚のアルバムとしてひとつにまとめることによって、トータルで聴くことで機能する楽曲群を選ぼう」みたいな……ヒット向けの曲だけを選ぶのではなく、むしろいっしょに並べてアルバムとして通して聴くのに向いている、そういう観点で楽曲をセレクトするプロセスだった。だから、今回のアルバムにこそ入れなかったけど、これから先のレコードで日の目を見るかもしれない、そういう未収録曲もいくつかあるんだよ。

どこかの誰かがラップトップとにらめっこしながらひとりで作ってる、そういう響きの作品にしたくなかったっていう。

ではアルバムについて訊かせてください。これまでも多彩な音楽を吸収しているのがあなたの楽曲の特徴でしたが、今回はさらに広がっていて驚きました。まず、音色が非常に多様ですが、機材の環境というのもかなり変わったのでしょうか?

HM:うん、ちがうね。思うに、とにかく僕は……今回のレコードの多くに関して言えるのは、僕としてはこう、エレクトロニック・ミュージックによくある手法というよりも、むしろトラディショナルな音楽の作り方を用いたかったんだと思う。だから、どこかの誰かがラップトップとにらめっこしながらひとりで作ってる、そういう響きの作品にしたくなかったっていう。

(笑)なるほど。

HM:というのも、もちろん以前の僕はそういうやり方で多くの音楽を作ってきたわけだけど、今回のレコードではもっともっと……生楽器をたくさん使っているし、そうだね、間違いなく(ソフトウェア・シンセではなく)ハードウェアもいろいろと使って、いくつもの機材を用いて作業を進めた。だから、とにかく僕としては、ただラップトップを使って作るのではなく、より幅広く、バラエティに富んだ機材やサウンドなどを一体化させた、そういうプロジェクトをやってみたかったんだ。そういうわけで、今回はちゃんとしたスタジオ環境で作りたかったんだよ。

はじめにできた曲は?

HM:そうだなあ、んー(軽く息をついて考える)……このアルバムの曲で最初に出来上がったのは、“スカッド・ブックス”だったんじゃないかと思う。というのも、じつはあの曲は2、3年前から存在していた曲で、ただ、いままで正規な形で発表したことがなかったっていう。いやまあ、過去にあの曲をラジオ・ミックスか何かの場でプレイしたことは何度かあったんだけど、曲の正体は誰にも明かさなかったから。

長いこと「謎の曲」のままだった、と。

HM:(苦笑)そう。だから、聴いた人たちは「これはなんて曲だ?」と探ろうとしたし、「この曲はいつリリースされるのか?」なんて、いろいろと訊かれることになったよ。で……うん、そうだな、あの曲がいわば、僕にとっての「このレコードをどういうサウンドにすべきか」という基盤、あるいはスタート地点になったってことなんだろうね。

僕たちはさんざん長いこと“何かやろう、やろう”と話を続けてきたわけだけど、ただ話してるだけじゃなく実践に移そうぜ!」と(笑)。

今回のアルバムでは、コラボレーションしたヴォーカリストたちの人選はどのようにしたのですか?

HM:まあ、基本的には……ここでのアーティストたちはみんな、僕が長いこといろんな形で連絡をとりつづけてきた、いっしょに何か音楽をやろうよって話し合ってきた、そういうひとたちなんだよね。ところがお互いのスケジュールの調整がつかなかったり、あるいは他の仕事との兼ね合いがあったり、いままでどうにも共演が実現しなかった、と。僕みたいにロンドンにいるアーティストだとなおさらそうで、今回のように全員がアメリカ在住のゲスト勢とコラボレーションをするのは楽じゃないってこともあるわけで──とくに、同じスタジオ空間で顔を突き合わせていっしょに作業をしたいと思ったら、双方のスケジュールを合わせるのが難しかったりするよね。だけどまあ、彼らは全員、しばらくの間「ぜひいっしょに何かやろう」と話し合ってきた間柄な人たちだし、だからとにかく今回というのは……「オーケイ、最初のポイントに戻ろうじゃないか。僕たちはさんざん長いこと“何かやろう、やろう”と話を続けてきたわけだけど、ただ話してるだけじゃなく実践に移そうぜ!」と(笑)。

(笑)

HM:ラッカゾイドにアーフェインとはそうやってずっと話してきたし……アントニーにミゲル、ジェネイ・アイコもそんな感じで……そうだね、ゲストと僕のお互いが「これはぜひ実現させたい」と本腰を入れないかぎり、まず実現しっこないだろう、そういう共演だったというか。だからこっちとしても「もうじゅうぶん長いことコラボレーションを話し合ってきたんだし、口先だけじゃなくて今回こそ実際にやることにしよう」みたいな調子にならざるを得なかったんだよ。っていうのも、今回フィーチャーしたゲストの多くとはかれこれ2年くらい前から「いっしょに音楽をやろう」と会話をつづけてきたわけだけど、(レコードを作りはじめた)去年の半ばくらいまで、実際は何も手をつけてこなかったから。

だからまあ……要は「ソウル」のある音楽ってことじゃない?

なかでもアントニー・へガティの名前ははじめ意外でした。彼女の新作でもあなたはトラックに参加しているそうですが、もともと彼女の音楽はお好きだったのでしょうか?

HM:うんうん、ずっと大好きだったよ。アントニーは……それこそ初めてあの声を耳にしたときから、僕はなんというか、声に驚嘆させられたっていう。で、おもしろいことに……僕は自分自身の音楽のなかにおいて、あのヴォーカル・サウンドをどうやったら活かせるだろう? ってふうに試したり実験してみたかったんだよね。そうしたらこれまたおもしろいことに、それと同じ頃にアントニーもまた、「もっとエレクトロニック寄りのプロダクションや、あるいはハウス・ミュージックで実験してみたい」という旨の話をしていて。うん、それってふたつにひとつというか、まったく悲惨な結果に、ぜんぜんうまくいかないことになる可能性もあっただろうけども、アントニーとのコラボレーションはいいものになってくれたと思ってる。アントニーのヴォイスのトーンやサウンドを自分の音楽的なスコープの範疇で使ってみるっていう、それは僕にとってはとにかく実験してみたい事柄だったし、かつ、それと同時にアントニーの側でもまた、僕がやっているようなタイプのサウンドにトライしてみたいという思いがあったっていう。だから、僕たちはじつは何曲もいっしょにやってみたし、アントニーの次のアルバムには僕の書いた曲もいくつか含まれることになっているんだよ。

アントニーもソウル・ミュージックをやってきたと言えますが、先行して公開された“ライダーズ”ではウォームなソウルのサンプリングが聴けますね。あなたにとってよいソウル・ミュージックというのはどういったものですか?

HM:うーん……それって言葉で説明するのはかなり難しいものだなあ……。だからまあ……要は「ソウル」のある音楽ってことじゃない? うん、ソウルだよね。ソウルがある音楽ってことだし、だからこそ、それを聴いた人間も聴いてすぐに内側で感じることができるものであるべきだし、たとえばあの曲――“ライダーズ”のサンプル箇所を僕が耳にした時だって、あのパートを5秒ほど聴いただけでもう、僕には「これだ! 100%間違いない、絶対にこのサンプルは使おう!」ってわかったっていう。っていうのも、聴いてたちどころにざわっと鳥肌が立ちはじめるとか、そういうリアクションを生むのがソウル・ミュージックなんじゃないかな。要するに、聴く人間の内面に、魂に反応を引き起こす音楽、というか(笑)。うん、僕なりに説明すればそういうことになるよ。

DJ mew - ele-king

ここ最近のbass music10選

bass musicのミックスCDリリースしましたので「ここ最近のbass music10選」です。
この10選に入っている曲もいくつか収録されているミックス"BANGER"発売中です。
気になった方はお近くのレコード屋さんなどで聴いてみて下さい!!!
取り扱い店舗などはこちらのブログからどうぞ。(随時更新中)
https://djmew.exblog.jp/21301999/

Yasuyuki Suda (inception records) - ele-king

Satomimagae - ele-king

 うっとおしい梅雨ですが、曇った空や雨降りを味方につけてしまいそうな音楽もあります。しかも、日本のお寺でそれを聴くことは、
まるでトラベルマシンです。いつも利用している電車から降りて歩くいつもの風景だというのに、そこは異次元の入口です。
 昨年、USのグルーパーに匹敵する作品をリリースしたサトミマガエが、その作品『koko』のリリース・ライヴをやる。場所は、東京は大田区大森の成田山圓能寺。
 共演者は、ele-kingではお馴染みですよ。Family Basikの加藤りま、34423=ミヨシ・フミ、そして畠山地平伊達先生オピトープです。
 そう、これ、かなかり良いメンツなんですよ。しかも、何度も書いているように、お寺でのライヴは、本当に気持ちいいです。


■開催日時場所■
2015年7月4(土曜日)
open 15:30 / Start 16:00
入場料:AD:2,500 Door 3,000
会場:大森 成田山圓能寺 Ennouji (Omori St JR)
住所:東京都大田区山王1丁目6-30
1-6-30 Sannou Ota-Ku Tokyo
 JR京浜東北線大森駅北口(山王口)より徒歩3分
ホームページ https://ennoji.or.jp/index.html
(当イベントについて圓能寺へのお問い合わせはお控え下さい)


■前売り応募方法
下記メールアドレスまでお名前、人数を書いて、メールを送ってください。
katsunagamouri@gmail.com


■Live■
Satomimagae
加藤りま (Rima Kato)
34423
Opitope + 智聲(Chisei)


■Satomimagae
Satomimagae は1989年に生まれ、2003年から現在まで作曲を続けています。東京を中心に活動中です。2012年3月に初のアルバム「awa」をリリース、11月に映画「耳をかく女」の音楽担当。2014年12月にセカンド・アルバム『koko』をWhite Paddy Mountainよりリリース。現在精力的にライヴ活動を展開中。

■加藤りま Rima Kato
2009年よりライヴ活動を始める。ローファイ・ポップを通過しフリー・フォークを経たような哀愁を帯びながらも透明感のある歌声は、ぽつぽつと進むシンプルなアレンジの楽曲によって際立って響く。2010年ASUNA 主宰のカセット・テープ・レーベル WFTTapes から2本の作品をリリース。2012年同氏による3インチCDレーベル aotoao からミニ・アルバム 『Harmless』をリリース。2015年1月、フル・アルバム『faintly lit』をflauよりリリース。2月から5月にかけて日本各地、韓国と断続的に続いたツアーを無事終える。2014年11月に実兄とのユニット Family Basikのファースト・アルバム『A False Dawn And Posthumous Notoriety』をWhite Paddy Mountainよりリリースしている。

■34423
愛媛県出身、東京都在住のサウンドアーティスト。幼少より録音機器や楽器にふれ、音創りと空想が生活の一部となる。 切り取られた日常はサウンドコラージュによって独自のリズムを構築し、電子音に混ざり合い、より空間の広がりを感じさせる。 過去7枚の作品発表し、容姿と相対する硬派なサウンドと鮮烈なヴィジュアルイメージで注目を集め、2013年7月17日に待望の世界デビュー盤"Tough and Tender"(邂逅)をリリースし話題をさらった。その後も都内の大型フェスなどの参加や、ビジュアル面を一任するアートディレクターYU­KA TANAKAとのコラボ作を発表するなど勢力的に活動を重ね、2015年2月に最新作”Masquerade”(邂逅)をリリースした。
また、今夏上映、鈴木光司原作のホラー映画「アイズ」などをはじめ様々な映画の劇伴をつとめている。

■Opitope
Opitope は2002年の秋に伊達伯欣と畠山地平により結成。伊達伯欣はソロやILLUHA、Melodiaとして活動するほか、中村としまる、KenIkeda、坂本龍一、TaylorDeupreeとも共作を重ね、世界各国のレーベルから14枚のフルアルバムをリリース。 西洋医学・東洋医学を併用する医師でもある。漢方と食事と精神の指南書『からだとこころと環境』をele-king booksより発売。畠山地平はKranky、Room40, Home Normal, Own Records, Under The Spire, hibernate, Students Of Decayなど世界中のレーベルから現在にいたるまで多数の作品を発表。デジタルとアナログの機材を駆使したサウンドが構築する美しいアンビエント・ドローン作品が特徴。ヨーロッパ、オーストラリア、アメリカ、韓国など世界中でツアーを敢行し、2013年にはレーベルWhite Paddy Mountainを設立。

Celer & Hakobune - ele-king


 音を流しはじめた瞬間に時間の流れが変わる。そんなアンビエント/ドローンがごく稀にある。まるで空気を変えてしまうような音響。そのような音を聴くと、体調も変わってくる気がする。体に効くアンビエント・ミュージック。

 この『ヴェイン・シェイプス・アンド・イントリケイト・パラペッツ (Vain Shapes and Intricate Parapets)』は、まさにそんなアンビエント/ドローンである。アルバムには長尺のトラックが2曲収録されており、ふと耳をかたむけるだけで、わずらわしい世界のあれこれを忘れさせくれるほど。聴き込むほどに耳と体に効く。そんな印象だ。
 このアルバムは、いうまでもなくセラーとハコブネという世界的なアンビエント・アーティストによる共作である。ふたりともカセットからレコード、CDまで、いくつものメディアを横断・駆使し、膨大な数のアルバムや音源を世に送り出している。どの作品も高品質で、世界のアンビエント・マニアの耳を捉えてはなさない。まさにアンビエントの「匠」ともいえるアーティストだ。
 セラーは日本在住のアメリカ人、ウィル・ロングのユニットである。2000年代中盤より活動を初めており、現在はソロ・ユニットとして活動している。ソロ作品のみならず、コラボレーション作品も多数をリリースしており、小野寺唯との『ジェネリック・シティ』がよく知られている。また、ソロの近作では2014年に〈スペック〉からリリースされた『ジグザグ(Zigzag)』を強くおすすめしたい(バンドキャンプで氏のさまざまなアルバムの試聴・購入が可能となっている。https://celer.bandcamp.com/music)。
 ハコブネこと依藤貴大も数多くのリリースを行っているが、そのどれもが大変に質が高く、アンビエント・マニアから絶大な信頼を得ており、そのリリース作品がリリースされるとマニアの争奪戦(?)が起きるほどだ(氏のバンドキャンプでも作品を試聴・購入ができる。https://hakobune.bandcamp.com/)。2014年に〈ホワイト・パディ・マウンテン〉(〈White Paddy Mountain〉)からリリースされた畠山地平とのコラボレーション・アルバム『イット・イズ、イット・イズント』も名盤であった。また6月末に、福岡のカセットレーベル〈ダエン〉よりダエンとのスプリット作品『スプリット』がリリースされるという。こちらも要注目だ。

 さて、本アルバムは、もともとは英国の〈ケミカル・テープス〉(〈Chemical Tapes〉)から2013年に限定リリースされたカセット作品である。アンビエント界の「匠」ハコブネとセラーのコラボレーション作という「音の旨み」に満ちた作品をマニアたちが見逃すはずがなく、あっという間に完売になったという。
 そして今回、その「幻」の名作を復活させたのが日本の〈ピュール・グーン〉(〈PURRE GOOHN〉)だ。〈ピュール・グーン〉はAORやハチスノイトなど、傑作のリリースを立て続けに行っているレーベルである。現在リリース数は本作をいれて4作品ほどで、そのどれもが圧倒的にすばらしい。まさに現在注目のレーベルなのだ。本作は、その〈ピュール・グーン〉が世に送り出す初のアンビエント/ドローン作品である。当然、悪いはずがない。今回のリリースにあたってリマスタリングがなされている。

 じっさい、この作品を聴きはじめたリスナーは、1曲め“マージズ・オブ・ヒステリカル・エクスヒラレーション(Merges of Hysterical Exhilaration)”の冒頭から静かに音響世界に引き込まれていくはずだ。どこか芯のある持続音。それが凍結された記憶の中に眠るイメージを刺激し、そして解凍するように静かに鳴る。かすかに揺れ動く音響が、耳に触れるように震える。ときに静寂になり、いくつもの音響が、ひとつの波のように生成と変化を繰り返す。19分28秒に及ぶ音響の持続は、ノスタルジックな記憶を再生し、同時に、世界を反転させて、時の流れを変えてしまうアンビエンスを形成している。それはどこか日本の雅楽を思わせる響きだ。
 続く2曲め“コンプリート・ポゼッション・オブ・フル・タメリティ(Complete Possession of Full Temerity)”は、“マージズ・オブ・ヒステリカル~”よりもやわらかな持続音で幕を開ける。前曲の芯のある音にくらべ、まるでサウンドのカーテンに触れているような感触。そのシルキーな持続音に、高音域の持続がレイヤーされていくさまは、まるでロマン派のアダージョのような美しさ! 1曲め“マージズ・オブ・ヒステリカル~”が時間の凍結ならば、この曲は時間が溶け出すような感覚か。
 2曲とも「硬質」と「柔らかさ」という正反対の質感でありながら、時間の流れを変えてしまうという点においては共通している。ふたりの個性はときに拮抗し、ときに溶け合う。まどろみのように。時間の融解のように。さすがとしか言いようがない。

 セラーもハコブネはすでに膨大なリリースをおこなっており、これからも多くのアンビエント/ドローンの傑作を生み出していくだろう。だが、この「時間の結晶」のような全2曲39分のアルバムは、彼らのディスコグラフィのなかでも、美しい記憶のように、大切な記憶のように、やさしく、やわらかく、そして強く輝きつづけるはずだ。その幽玄で繊細な音のつらなりは、まさに環境音楽の結晶である。未聴のアンビエント・マニアならば絶対必聴、もちろん、アンビエント・マニアならずともぜひとも聴いていただきたい作品。豊穣な音響的時間がここにある。

OUTLOOK FESTIVAL 2015 JAPAN LAUNCH PARTY - ele-king

 夏に入る直前のなんとも言えないこの時期に、恐ろしいまでに最高な低音を浴びせてくれるOutlook Festival。あのサウンド・システムは健在のまま、今年は会場を新木場から渋谷の〈VISION〉に移しての今週末開催されます。過去に開催された日本独自のラインナップやサウンドクラッシュの組み合わせを見ていると、このOutlookが数少ない「日本でベースを鳴らす意味」を教えてくれるパーティだと実感します。そして何よりもベース・ミュージックの面白さに触れることができるまたとないチャンス。デイ・イベントなので普段はクラブへ行けない10代の君もこの機会を見逃さないでほしい。
 本場クロアチアでのOutlookにも出演しているPart2Style SOUNDやGoth-Trad。UKベースの生き字引Zed Bias、香港のDJ Saiyan、若手グライム・ユニットのDouble Clapperzなど、本文には書ききれないほどの重要プレイヤーが6月14日に渋谷を低音で揺らします。それでは当日、巨大なサブ・ウーファーの前でお会いしましょう!

OUTLOOK FESTIVAL 2015 JAPAN LAUNCH PARTY

開催日時:2015.6.14 (SUN)
開催時間 : 14:00 - 22:00
料金 : ADV 4,000 / DOOR 4,800
会場:SOUND MUSEUM VISION , Tokyo
www.vision-tokyo.com
03-5728-2824(SOUND MUSEUM VISION)
OUTLOOK FESTIVAL 2015 JAPAN LAUNCH PARTY WEB
https://outlookfestival.jp

出演:
ZED BIAS (from UK)
MC FOX (from UK)
IRATION STEPPAS (from UK)
Hi5ghost (from UK)
JONNY DUB (from UK)
CHAZBO (from UK)
PART2STYLE SOUND
KURANAKA a.k.a 1945 (Zettai-Mu)
GOTH-TRAD (Deep Medi Music/Back To Chill)
LEF!!! CREW!!! & BINGO (HABANERO POSSE)
$OYCEE(CE$+tofubeats)
BROKEN HAZE
BLOOD DUNZA (from HK)
CHANGSIE
CLOCK HAZARD
Cocktail Boyz (INSIDEMAN&KENKEN)
CRZKNY
DJ Doppelgenger
DJ DON
DJ Saiyan (from HK)
DJ Shimamura + MC STONE
DJ YAS
Double Clapperz
G.RINA
hyper juice
JA-GE
Jinmenusagi
KAN TAKAHIKO
KILLA
MAXTONE Hi-Fi
MIDNIGHT ROCK
MISOИКОВ QUITAВИЧ
NUMB'N'DUB
PARKGOLF
QUARTA330
RUMI
SHORT-ARROW & Ninety-U
SKY FISH + CHUCK MORIS
TAKASHI-MEN
環ROY
TREKKIE TRAX
Tribal Connection
VAR$VS
YOCO ORGAN
ZEN-LA-ROCK

:: SOUND CLASH ::
XXX$$$(XLII&DJ SARASA) vs
DJ BAKU vs
GRIME.JP

:: SOUND SYSTEM ::
eastaudio SOUNDSYSTEM
MAXTONE Hi-Fi

:: VJ ::
MYCOPLASMA ( TREKKIE TRAX )

:: 主催 ::
PART2STYLE with ZETTAI-MU

WHAT IS OUTLOOK???

OUTLOOK FESTIVALとは? 毎年9月にクロアチアで開催される世界最大の“ベース・ミュージックとサウンドシステム・カルチャー”のフェスティバルである。UKではフェスティバル・アワードなどを受賞する人気フェスで、オーディエンスが世界各地から集まり、400組以上のアクトが登場。このフェスのローンチ・パーティは、世界各国100都市近くのクラブ/パーティと連携して開催され、その中でも本場UKまで噂が轟いているのが、日本でのOUTLOOK FESTIVAL JAPAN LAUNCH PARTYである。 

OUTLOOK FESTIVAL JAPAN LAUNCH PARTYは 日本を代表するベース・ミュージックのプレイヤーが集結し、アジア最高峰のサウンドシステムでプレイする、いわばアジア最強のベース・ミュージックの祭典である。さらに世界中で話題沸騰中の「Red Bull Culture Clash」の日本版ともいえる「OUTLOOK.JP SOUNDCLASH」も見どころのひとつであり、他のクラブ・イベントでは見れない企画が満載。日曜の昼間から開催することで幅広い年齢層が集い、今回の開催地「SOUND MUSEUM VISION」はアクセスの良い渋谷にあり気軽に遊べる“アジア最強の都市型ベース・ミュージック・フェス”だ。

PART2STYLE SOUND

世界を暴れ回るベース・ミュージック・クルー = PART2STYLE SOUND。ダンスホール・レゲエのサウンドシステム・スタイルを軸に、ジャングル、グライム、ダブステップ、トラップ等ベース・ミュージック全般を幅広くプレイ。独自のセンスでチョイスし録られたスペシャル・ダブプレートや、エクスクルーシブな楽曲によるプレイも特徴のひとつである。2011年よりは、活動の拠点を海外にひろげ、ヨーロッパにおける数々の最重要ダンスはもちろん、ビッグ・フェスティバルでの活躍がきっかけとなり、ヨーロッパ・シーンで最も注目をあびる存在となっている。海外のレーベル(JAHTARI、MAFFI、DREADSQUAD等)からのリリースやセルフ・レーベ ル〈FUTURE RAGGA〉の楽曲は、ヨーロッパ各地で話題沸騰、数々のビッグ・サウンドやラジオでヘビープレイされ、世界中のダンスホール・セールス・チャートにてトップを飾った。2013年には、日本初のGRIMEプロデューサー・オンライン・サウンドクラッシュ<War Dub Japan Cup 2013>で見事優勝を勝ち取り、国内においてもその存在感を示した。

Goth-Trad

ミキシングを自在に操り、様々なアプローチでダンス・ミュージックを生み出すサウンド・オリジネイター。2001 年、秋本"Heavy"武士とともに REBEL FAMILIA を結成。ソロとしては、2003 年に 1st ア ルバム『GOTH-TRAD I』を発表。国内でソロ活動を本格的にスタートし積極的に海外ツアーを始め る。2005 年には 2nd アルバム『The Inverted Perspective』をリリース。同年 11 月には Mad Rave と 称した新たなダンス・ミュージックへのアプローチを打ち出し、3rd アルバム『Mad Raver's Dance Floor』を発表。ヨーロッパそして国内 8 都市でリリース・ツアーを行なう。このアルバムに収録され た「Back To Chill」が、ロンドンの DUBSTEP シーンで話題となり、2007 年に UK の SKUD BEAT か ら『Back To Chill EP』を、DEEP MEDi MUSIK から、12”『Cut End / Flags』をリリース。8 カ国に及ぶ ヨーロッパツアーの中では UK 最高峰のパーティーDMZ にライブセットで出演し、地元オーディエン スを沸かした。以降、国内外からリリースを続け、ヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニア等、世界中 でコンスタントにツアーを重ねる中、2012 年にはアルバム『New Epoch』をリリースし Fuji Rock Fes 2012 に出演。2011 年~2014 年にかけては、欧米のビッグ・ フェスにも出演してきた。2006 年より開始した自身のパーティーBack To Chill は今年で 8 年を迎え、ついにレーベルを始動する!

Zed Bias

数知れずの謎めいた変名を駆使する90年代後半を引率した、 Zed Bias aka DAVE JONESの活動履歴はそのままUKのダンスカルチャーそのものといえる。 2000年にUKチャートに送り込んだ2STEPの金字塔を打ち立てた彼の作品が 世代をこえてその重要性を再定義したROSKAにリミックスで去年再リリースまでされた。そんなアンダーグラウンドダンスミュージックの先駆者は常に動きを止めない、自宅スタジオで作られたあらゆる名義のサウンドは常にBBC1のスターDJによりプレイリストに加えられ、KODE9、ONEMAN、BENGA、Plastician、そしてSkreamによって瞬く間に広がっていった。 2002年に、より実験性をもったサウンドを目指すMaddslinky名義アルバムではWill White(Propellerheads)Kaidi Tathem,Luca Roccatagliati等をフューチャーしたDUBSTEPの礎を築くサウンドを展開、また2010年にはMr Scruff、Skream、Genna G、Omar等をゲストに”Make a Change”を発表。ジャイルスピーターソンが選ぶワールドワイド・アワードで”Further Away”が3位に入るなど、常に実験性を保ちながらも、UKチャートに食い込むようなビッグチューンを送り込むバランス感覚の優れたプロデューサーである。


Hop Along - ele-king

 誰に見せるわけでもない日記帳に書かれた日々の些細な出来事や考えや気持ち。ホップ・アロングの紅一点ヴォーカルのフランシス・クインランが書く詞にはそんな印象を受ける。他人から見ればたいしたことじゃないかもしれないけれど、一日一日を過ごしていくなかで身の回りで起きたことや考えたことや小さな幸せや小さな怒り、悲しみ。本人にとってはとても刺激的でリアルな毎日で、それを他人に押し付けるわけでも共感を求めるわけでもなく、ただ淡々と吐き出すように語り、書きとめているかのようだ。

フィラデルフィアを拠点とする4人組、ホップ・アロング。USインディ、それも最新型というよりはアメリカーナのエッセンスを感じさせ、90年代のなつかしさすら漂わせる、エモやメロディック・パンクを引き継ぐバンドだ。けれど彼らを「新しくない」という一言で切り捨てることはできない。そこにある美しさや生々しさは、歴史が磨いてきたフォームによって生かされているとも言えるからだ。

彼らの曲作りは、まずはフランシスが一人で歌詞を完成させ、それから彼女の実の兄であるドラマーのマーク・クインラン、ベースのタイラー・ロング、ギターのジョー・ラインハルトが加わり楽曲を完成させていくという、はじめに歌詞ありきのスタイルだそうだ。それを裏付けるように、今作『ペインテッド・シャット』のレコードのインサートにはフランシスの手書きの歌詞がぎっしりとプリントされている。クリアでポジティヴなメロディには、たくさんの言葉が詰め込まれている。語感のいい言葉選びで安易にポップにしようとしたりはせず、話したいことがたくさんあるんだとばかりに少し枯れた声で、喋るように歌うフランシスのスタイルは、キム・ディールやリズ・フェア、またコートニー・バーネットとも重なる。

 歌詞先行の曲作りとはいえ、楽曲も詞に合わせて気を使うばかりでもない。気持ちよい朝を描写しながら唐突として「みんな悩んでいるんだ」と悟る“ザ・ノック”や、子どもにゲンコツをくれているお父さんを見かけてそれをただ見ていた自分を描いた“パワフル・マン”など漠然とした不安感や内省的な感情をテーマにした歌詞が並ぶものの、楽曲はつねに澄みわたるようにまっすぐで疾走感があるのがおもしろい。〈ポリヴァイナル・レコーズ〉のエモの正統的アーティストたち、それにウィーザーやスーパーチャンク、ガイデッド・バイ・ヴォイシズなどを思わせる磨かれたメロディとバランス感覚を持っている。男性陣の演奏もフランシスの歌と詞に遠慮なく競い合い、女だからと優遇せず対等な関係性であることもかえってフランシスを縛らず、ホップ・アロングの魅力をひきだしていると思う。アルバム後半、“ウェル・ドレスト”のラストの自由で伸びやかなハミングにそれを強く感じた。

 音楽周辺で例を挙げるなら、たとえばバンドのお飾りや華になるとか、フェミニズムをもって男たちに立ち向かったり政治的な強い主張を行うとか、かわいいピアスやケーキをインスタグラムにアップしたりガーリーなジンを作るとか、奇抜な服を着てエレクトロニクスを操るとか、頭の中が恋愛のことばかりで彼氏と絶対に絶対によりを戻すとか戻さないとか。女性が全力で輝くことが求められる時代で女性たちはキラキラすることに忙しい。女性性を全面的に出しすぎていないホップ・アロングの音楽は、いつもキラキラしていなくても焦らなくていいのよー、と等身大の個性と感受性で日々を生きることをあらためて認めてくれるようで、とても安心させられる。

R.I.P. Ornette Coleman - ele-king

 私は朝起きるとコーヒーを淹れて、ベランダでタバコをふかしたのち、四十の声を聞き、だいぶガタがきた身体をほぐすために運動するときめているが、そのときかけるBGM選びは慎重を要するうえに困難をきわめる。なんとなれば、その日一日の気分を左右するからであるが、一日の気分なぞ起き抜けの頭にきめられてはたまったものではない。いきおいレコード棚とCD棚の前をうすのろのようにうろうろするハメになる。5分、10分はザラで半時間とはいかないまでもそれくらいかかることもあり、しぶしぶきめた音楽のせいで午前中がムダになることもしばしば、世の勤めびとにくらべるとおかなりお気楽な部類にはいるのである。

 今朝はたまたま、CD棚の南向きの面の右端上から3段目に目がいった。水谷さん、灰野さん、ボアダムス、ザッパとかクレイオラ、アイラーやベイリーやマイルスのジャズ関係にまじって、ケージやサティやフルクサス系がごっちゃになった私の音楽体験の原点にあたるひとたちのコーナーである。私はそこからなんの気なしに『ソングX』を抜いた。パット・メセニーとオーネット・コールマンとの双頭作で、リリースから20年経ったのを記念した2005年のこのデラックス・エディションには未発表曲を数曲おさめている、しかも冒頭に。これがカリプソを思わせる千鳥足の軽快なナンバーで、萎びた身体でする運動にはもってこいだったのである。オーネット、チャーリー・ヘイデンとメセニー、ディジョネットの相性もわるくない。デナードはいらない気がするが、それは本作にかぎったことではない。ところがオーネットとデナードの関係を、湯浅さんは『音楽談義』で、『The Empty Foxhole』から親子の会話として読み解かれ、目から鱗が落ちた。坂田明さんは『ジム・オルーク完全読本』で、ニューヨークでオーネットに会ったときの逸話とともに「どんなことも3年やれば世の中に認めてもらえる場合がある」下積み時代、オーネットのこのことばに賭けた、とことばあらたに語った。『ソングX』の未発表テイクはこのアルバムがメセニー主導であり、オーネットすぎたのではぶいたのだろう。そこにはフォルムはあるものの外郭は軟体化しているが、恣意性によるものではなく、内在するものが、自生するように増殖し、かたちを変える。私は運動を終えたてつづけに聴いた『Dancing In Your Head』『Body Meta』『Virgin Beauty』でもその印象は変わらなかった。おそらく『ジャズ、来るべきもの』からジャズの十月革命の季節をはさみ、ブルーノートのゴールデン・サークルのライヴ盤をいま聴き直しても変わらないだろう。フリー・ジャズといいながらデタラメでもきまりきった型でもない。おそらくオーネットしか出せない音列とニュアンスがあり、彼はそれをハーモロディックと呼び、作曲と即興の体系におとしこもうとしたが、むしろそれは両者の中間領域の階調のようなものであり、この複雑なグラデーションは理論化にそぐわない、オーネット・コールマンの身体そのものであり、彼と彼の身体の重力の圏域にとらわれた共演者たちのもたらすものであり、根源的にジャズだった。その身体は喪われた。

 ムシのしらせなどというものがあるなら、これがそうだったのだろう。深夜、仕事のためにキング・クリムゾンのライヴ音源を聴きかえしながら、即興ならオーネットのほうが、いやベイリーは――とむつむつ考えていたら、ケータイが光った。着信を告げる点滅で、開くと「24通の未読メール」とある。すわ迷惑メールか、いかがわしいサイトをみた憶えもないのに、と焦って確認したら、保坂さんと湯浅さんとのやりとりが同報されていた。そこでオーネット・コールマンが死んだのを知った。私信なので引用しないが、ひとつだけ。「死ぬことと遠すぎる」と湯浅さんは書いた。そのとおりです。

 6月11日、オーネット・コールマンはニューヨークでこの世を去った。「85歳。テキサス州出身のアルトサックス奏者。伝統的な音楽技法にとらわれず、より自由な表現形式を可能にした「フリー・ジャズ」をリードした」とAFP時事は報じている。くりかえす。その身体は喪われた。しかし自由は死せず、と私は板垣退助みたいことをいいたいのではない。というか、ほんとうに音楽の自由は死んでいないのか? 目がさめたらもう一度考えてみようか、音楽そのものとなり、ついに死ぬことと遠くなったオーネット・コールマンの音楽を聴きながら。

2015年6月12日払暁

Eccy - ele-king

The 10 Best Hudson Mohawke Productions

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