「NotNotFun」と一致するもの

ele-king presents VINYL FOREVER series vol.III - ele-king

 いつの間にか夏かよー。ラジオ体操の季節、ダンス・ミュージックの季節である。そして、夏が終わっても10月2日には恵比寿リキッドルーム10周年企画のエレナイトがあることは忘れないように。ALTZの追加出演も決まったし……
 10月2日、オウガ・ユー・アスホールと対決する森は生きているですが、エレキングの12インチ・シリーズ「VINYL FOREVER」の第三弾が、森は生きているの“ロンド”、DJ GONNOによるリミックスです。
 “ロンド”は、ライヴでもクライマックスで演奏される1曲で、森は生きているのもっとも美しい曲のひとつですが、クリックなしの演奏で録音しているそうで、つまり、リミックスの難易度としては高い曲でもあります。あの印象的な反復するアルペジオやドラミングをGONNOがどのように再構築するのか、大いに注目するところだと思います。
 ぜひ、その結果を聴いてください。ウルトラ・バレアリック・ハウスになっていると思います。また、“ロンド”のメンバー自らによるオルタネイト・ミックスも収録されています。発売日は10月8日と、だいぶ先の話ですが、覚えておいてくださいね。 

森は生きている/ロンド EP feat. Gonno

品番:EKLP-003
12インチアナログ 45rpm
¥1,500+税

Release: 10.8
初回完全限定生産

<トラック・リスト>
side A ロンド(Alternate Mix)
side B ロンド remix by Gonno

interview with Jim-E Stack - ele-king


Jim-E Stack
Tell Me I Belong

Innovative Leisure/ビート

HouseBass MusicFuture Jazz

Amazon iTunes

 ディスクロージャーのハウス・ミュージックへのアプローチは、ダブステップ以降におけるソウルの復権運動として、いま振り返っても重要なものだったのは間違いないが、いつまでもディスクロージャーを連呼するのも野暮な話で、というのも、ハウス・ミュージックはいまも若い感性によって更新され続けているからだ。サンフランシスコ出身の若者、ジムイー・スタックはまさにそんなひとり。引き出しの多さとクオリティの高さゆえに、新人ながら、すでに欧米の主要メディアからは讃辞をもって紹介されている。NguzunguzuやA$AP Rockyのリミックスによって彼の名前を憶えている人も少なくないだろう。

 デビュー・アルバム『テル・ミー・アイ・ビロング』はベース・ミュージック/グライム以降のセンスをもって、ハウス・ミュージックを刷新する。ボルチモアからジャズまでと、幅広く吸収する雑食性の強いダンス・ミュージックで、いや、ハウス・ミュージックとはいまも前進しているのだと思い知らされる。ベース系独特のリズム感が残る“ラン”や“アウト・オブ・マインド”、“リアシュアリング”のジャジーな和音とスムースなヴォーカル、“ウィズアウト”のアフロ・テイストの入ったシンセ・ポップなどなど、すべての曲がエレガントでありながら若々しい。

 以下のインタヴューでも、ダブステップ、ジャズ、ヒップホップ、アンビエント、R&Bなどさまざまなジャンル、さらには〈フェイド・トゥ・マインド〉、〈ウィディドイット〉コレクティヴ、フォー・テット、ジェイミーXX、オマー・Sなどの固有名詞が出てくる。そのいずれとも少しずつ重なりながら、少しずつズレている絶妙なはみ出し方がジムイー・スタックの面白いところなのだろう。「テル・ミー・アイ・ビロング」、俺の居場所を教えてくれ。しかしユニークな才能がそうした狭間から現れることを、わたしたちは何度も経験しているはずだ。

彼らは俺のアルバムにたくさんソウルが詰まっていることに気づいてくれていた。本心で言ったのかわからないけど、俺にとってはソウルが詰まってるっていうのは大切な意見だった。他にもスペシャルな意見はあったけど、俺にとってソウルこそ一番の意見だったんだ。

はじめてのインタヴューとなるので、基本的なことからいくつか訊かせてください。バイオを拝見しますと、なかなか複雑な経歴をお持ちですよね。いまのあなたの音楽を聴くと少し意外にも思えます。最初にやっていたというジャズ・バンドはどのようなスタイルの音楽だったんでしょうか?

ジムイー・スタック:いろんなバンドにいたから、ひとつのスタイルじゃなかったんだよね。メインだったのは学校のビッグ・バンド。だから主にやっていたのは、ビバップ。ソニー・ロリンズなんかをプレイしてたね。あとは……いまちょっと思い出せない。高校のときはスウィングっぽいのもやってたし、パット・メセニーとかもやってたな。彼は本当にクールなギタリストだと思う。あとは、ジャズ・コンボも数人でやってたよ。でもビッグなスウィングがやっぱりメイン。マイルス・デイヴィスもやってたな。

あなた自身はどのような楽器を演奏するんでしょうか?

ジムイー:ドラムとパーカッションだけ。俺がずっとプレイしてるのはそれだけ。ピアノも興味あったんだけど、すぐに諦めてしまって(笑)。

10代の頃からクラブ・ミュージックに触れてはいたんですか?

ジム:いまやっと触れ出したとこ。子どものころは、やっぱり自分の周りの人間が聴いてる音楽を聴く。だから高校の時に聴いていたクラブ・ミュージックは、アメリカで当時流行ってたものだったね。ボルチモア・クラブ( ボルチモア・ビート)もたくさんあったな。あとはグライムとかダブステップ。当時流行った基本的なアメリカのクラブ・ミュージックだね。

通訳:あまりクラブ・ミュージックには関心はなかった?

ジムイー:全然だね。前はあまりエレクトロニック・ミュージックに関心がなかったから。でも15歳くらいに初めてダフト・パンクを聴いて、それがエレクトロニック・ミュージックにハマるスターティング・ポイントだったんだ。若いときはジャスティスとかマスタークラフトとかあの辺りを聴いてたね。そこからティーンが聴くレコードよりも深いものを探して聴くようになったんだ。

ヒップホップはどうでしょう? とくに好きだったタイプのヒップホップというとどんなものだったのですか?

ジムイー:ヒップホップは……場合によるんだよね。ハマったりハマらなかったり。若いときはみんなが聴くようなヒップホップを聴いてた。ランDMCとかそういうヒップホップ。そこからギャングスタ・ラップとかDJプレミアとかを聴くようになっていったかな。Jディラとかエリカ・バドゥも聴いてたし、あとはベイエリアのラップ/ヒップホップもたくさん聴いてたね。キーク・ダ・スニークとか。でも、そういうのは楽しいパーティ・ミュージックで、自分が音楽的に直接影響を受けたわけじゃない。10代のやつらがパーティでかける音楽、ローカル・ラッパーってだけだよ。

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俺のフラストレーションは、クラブのために音楽を作ってる感があったことだった。DJがプレイしやすいようなイントロとか、ダンスフロアのための音楽。でも、俺はジャズ・バンドの経験もあるし、パンク・バンドでもプレイしてたし、アフリカン・ミュージックやエイフェックス・ツインなんかも聴いてた。

〈フェイド・トゥ・マインド〉のキングダムに強いインスピレーションを受けたそうですが、彼の音楽のどんなところが新鮮だったのでしょうか?

ジムイー:彼のDJプレイを最初に見に行ったとき、俺はまだエレクトロニック・ミュージックのリスナーとしてかなりの新人だったんだ。ディプロとかスウィッチ、シンデンとかを聴いてた。でもキングダムは……彼はそういうミュージシャンたちとは少し変わってたんだ。そこがインスピレーションだった。
 彼からめちゃくちゃインスピレーションを受けたかと聞かれると、それは正直わからない。でもとにかく、彼のDJセットを見たときにすごくびっくりしたんだ。新しい世界が開けた気がした。UKガレージ、グライム、ヤング・マニー、90年代のハウスとかのミックスだったんだけど、俺にとってはそれがクールだった。エレクトロニック・ミュージックのシーンでは、いったいいくつのジャンルが入り交じってるんだろうっていう驚きがあった。ハウスだけじゃなくて、R&Bやヒップホップ、グライムにもなりうるんだなっていうことがわかった。もちろんハウスでもあるし、とにかくすべてのミクスチャーがエレクトロニック・ミュージックなんだな、と。彼自身が俺に多大な影響を与えたかといえばそうじゃない。でも、彼のDJセットを見た経験っていうのが俺の最初のダンス・ミュージックの経験で、目を見開いたってこと。エレクトロニック・ミュージックってクールなんだ! と実感した(笑)。

ングズングズのリミックスであなたは話題になりましたが、彼らのような〈フェイド・トゥ・マインド〉周辺のアーティストやシーンにはいまもシンパシーを抱いていますか?

ジムイー:どうだろう。親密ってわけじゃないんだよね。たまに会うって感じ。ングズングズとか、トータル・フリーダムとか、キングダムとか……その3人がメインかな。でもシンパシーとかはわからない。評価しているのは、彼らの音楽の「ほかとズレてる」ところ。彼らとか〈ナイト・スラッグス〉とか。〈フェイド・トゥ・マインド〉がはじまる前からだけど、自分がはじめてハマったそういう「ズレた」音楽を演奏するアーティストたちが好きなんだ。音楽的にシンパシーを抱いてるかとか、何か共通するものがあるかとかはあまり重要じゃない。彼らはもっとクラブ寄りで、俺のはクラブから離れてるしね。でも彼らのやっていることは評価してるし、最初は本当に衝撃的だった。すごくハマったし。ングズングズはとくに。彼の最初のEPとかね。

〈ウィディドイット〉コレクティヴ(LA拠点のプロデューサー集団)とは親交があるそうですが、シュローモやライアン・ヘムズワースといったトラック・メイカーとあなた自身の共通点はあると思いますか?

ジムイー:シュローモには、自分のアルバムを書きはじめたときにすごくインスパイアされた。
 ニューヨークに引っ越してきたばかりのときは、アルバム用の音楽のプランやネタは何もなかった。すごく大変だったんだ。いろいろやってみないといけなかったから。でも、彼はすでにファースト・アルバムをリリースしていて、一歩先を行っていた。だから彼は、自分よりも経験のあるプロデューサーだった。彼は俺の哲学を変えた存在。「最初の音源を作るときはファンがいるわけでもないし、シーンにも属していないし、DJのことも気にしなくていいし、何も期待がかかっていない。だから自由なんだ。自分のしたいことをやれ」と言ってくれたのが彼。自分自身に正直な音楽を作れと言ってくれた。だから俺はそれを実行した。いまではそれは俺の哲学になってる。彼は、音楽制作に関する俺の考え方を変えてくれた人物なんだ。ライアンは特徴的なヴァイブを持ってるよね。でも音楽的に何か通じるものがあるかどうかはわからない。でも、聴く音楽は同じものが多いと思う。友だちでもあるし、彼のことは好きだよ。

拠点を西海岸からニューヨークに移した大きな理由は何だったんでしょう?

ジムイー:西海岸とニューヨークの間にニューオリンズがあるんだけど、サンフランシスコで高校を卒業してからすぐ、大学進学のためにニューオリンズに引っ越したんだ。そこで音楽プログラムを専攻してた。でも、技術とかプロダクション、エンジニアよりも演奏がしたくなって。ニューオリンズを自分のホームだと思えたことがなかったんだよね。あとは、音楽を勉強するっていうのがイヤだったんだ。自分で好きなようにいろいろやるほうがよかった。そっちのほうが自由だし。クラスを受講するのはあまり刺激的ではなくて。で、結局学校が嫌いになっちゃって(苦笑)、ニューヨークに運良く友だちや家族がいたし、そのあと何していいかもわからなかったから引っ越したんだ。

通訳:学校を退学したんですか?

ジムイー:退学っていうか転校だね。4年間のプログラムのうちの2年をニューオリンズで勉強して、ニューヨークのハンターカレッジに転校したんだ。いまは学校にパートタイムで行きながら活動してるよ。いまだにいろいろ模索中(笑)。

リリース元の〈イノヴェイティヴ・レジャー〉はライをヒットさせたりと最近話題が多いレーベルですが、あなたがサインした最大の理由は?

ジムイー:アルバムを書いたあと何人かに聴いてもらって、ひとからひとに渡って、そのなかで何人か興味を持ってくれたんだ。でも、〈イノヴェイティヴ・レジャー〉はいつも俺と組むことに興味を持ってくれていた。彼らと話したとき、彼らは俺のアルバムにたくさんソウルが詰まっていることに気づいてくれていたんだ。彼らが本心で言ったのかわからないけど、俺にとってはソウルが詰まってるっていうのは大切な意見だった。他にもたくさんスペシャルな意見はあったけど、俺にとってソウルっていう部分は個人的に一番の意見だった。だから、俺を理解してくれてるなと思ったんだよね。
 レーベルのアーティストはあまり知らなかったけど……ノサッジ・シングくらいしか。それよりも、彼らが俺の音楽を評価してくれたってことにぐっときて、そこからレーベルを知るようになったんだ。しかも彼らはアーティストを大切にするレーベル。ビジネスの仕方もうまいけど、アーティストを気にかけて、アーティストがハッピーかどうかを考えてくれるんだ。それは俺にとってすごく大切なこと。あと、彼らは結構年配なのにかなりの幅広い音楽ファンで、俺が興味を持ってるような音楽もすべて知ってるんだ。彼らはジャズも聴くし、DJプレミアやアフリカン・ミュージックも聴く。だから共通点もあるんだ。エレクトロニック・ミュージックだけを聴くとかだったら難しかったかもしれないけど。俺は、自分の音楽をエレクトロニック・ミュージックにしたいんじゃなくて音楽にしたいから。より広がりのある音楽を作ろうとしてるんだ。

では、アルバム『テル・ミー・アイ・ビロング』について訊かせてください。デビュー作離れした、じつに完成度の高いアルバムであると同時に、とてもフレッシュな作品だと感じました。非常にさまざまな要素があなたの音楽では共存しているように思います。いわゆるベース・ミュージックやテクノ、ハウス、アンビエント、ヒップホップにジャズ。はじめからこのような多くのジャンルをまたぐ作品をイメージしていたのでしょうか?

ジムイー::答えはイエスでもありノーでもある。アルバムには10曲くらいしか入ってないけど、25~30曲くらい書いた。で、そこからより良いものを選んで削ぎ取っていった。最初にシュローモに会ったときに、好きなものを作れって話をしてくれたって言ったよね? 当時、俺はレコード契約もなかったし、導いてくれるひともいなかった。それが逆によかった。自由だったから、ただ自然と頭に浮かんでくるものを曲にして、ダーっと30曲書いた。ヒップホップだったり、ボルチモア・クラブっぽいものだったり、ハウスだったり。いろいろと違うものをとにかく作ってみたんだ。自分がしっくりくるものを。
 でも、もちろんアルバムにするときはそこから意識して曲を選ぶ必要があった。そのときに意識したのは……アルバムをリリースする前の俺のフラストレーションは、クラブのために音楽を作ってる感があったことだった。個人的にはあまり自由を感じることが出来てなかったんだ。特定のものを作らないといけなかったからね。DJがプレイしやすいようなイントロとか、ダンスフロアのための音楽。でも、俺はジャズ・バンドの経験もあるし、パンク・バンドでもプレイしてたし、アフリカン・ミュージックやエイフェックス・ツインなんかも聴いてたから、ひとつの種類の音楽を作るっていうことに対してあまり良い気分がしなかった。だから、アルバムでは自分のもっと広い音楽テイストと愛を表現したくて、そういう音楽をまとめたんだ。

しかしなかでも、ハウス・ミュージックの要素が前に出ているように思います。あなたにとっての良いハウスとはどういったものでしょう? 

ジムイー:良いハウスには、すごく自由なヴァイブがある。ただただ聴いていて気持ちいいだけ。頭だけじゃなくて身体を動かしたくなるような良いヴァイブがある。脈がうずくような。だから、俺にとっての良いハウスは、ハードだけど落ち着いたヴァイブやグルーヴがあるもの。音楽のなかで迷いこんでしまうような。そういうのは大好きだね。歩いているときにステップを踏んでしまいそうな、フィーリングやヴァイブがビートの周りに漂ってる。アップリフティングなハウスか、ディープなハウスかは関係ない。その周りにどんなヴァイブが漂っているかが重要なんだ。

通訳:好きなハウス・ミュージックのアーティストはいますか?

ジムイー:誰だろうな……何聴いてるかちょっとチェックさせて……いま俺がハマってるのはヘッド・ハイ。知ってるかな? 彼の作品には昔のハウスのグルーヴがたくさん入ってる。ガレージっぽいグルーヴとか、トッド・テリーなどと似たグルーヴを持ってて、それを2014年の感覚とミックスしてるんだ。彼は最近のお気に入りだね。ヘッド・ハイの作品には本当にハードなグルーヴがある。俺、そういうのが好きなんだ。
 昔ので言えばロビンS。彼女がパーフェクトなハウス・アンセムへの愛を見せてくれたといっても過言じゃない。すごく感情的で、フィーリングが溢れてる。90年代のハウスって世界中の音楽のなかでも好きなものが多いんだよね。バウンスやヴァイブがあって、さっきも言ったみたいに迷い込めるような。あとはラズロ・ダンスホール。彼らも似たことをやってるから。

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EDMはクソだ。できるだけ簡単に曲を作っている。何にも挑戦してないティーンのなかで作り上げられている新しいロック・スターみたいな存在がEDMのアーティストなんじゃない(笑)?

あなたの音楽のなかのハウス・ミュージックの要素は、どちらかと言うとイギリスやヨーロッパのアーティストとの接点があるようにもわたしには感じられます。たとえばフォー・テットやジェイミーXXなどヨーロッパのプロデューサーがハウス回帰していますが、彼らにシンパシーは感じますか?


Jim-E Stack
Tell Me I Belong

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ジムイー:フォー・テットは不動のお気に入り。俺のサウンドに、ちょっとヨーロッパっぽさがあるのかもしれないね。クソみたいなハウスは全部アメリカで作られてるから(笑)。そういう音楽は作りたくないからね。やかましいゴミみたいな音楽。俺はそういうのが嫌いでたまらないんだ。ヨーロピアンに聴こえるっていうのはたぶんヴァイブだと思う。EDMとかはクソ。そういう意味ではフォー・テットにはシンパシーは感じるよ。
 ジェイミーXXも好きだよ。最近の作品はそこまでだけど。いくつかの作品はリスペクトしてるし、良い作品を作ってると思う。でも俺にとって大切なのは……俺はアメリカン・アーティストになりたいんだ。フォー・テットとかジェイミーみたいなヨーロピアンになろうとしてるわけじゃない。彼らがやってることは好きだけど、アメリカン・サウンドを作りたいとは思っている。アメリカの音楽を良い方向に前進させたいんだよね。クソEDMから抜け出させないと。

この作品はリスニングとしても楽しめる作品であり、同時にダンス・ミュージックとしてのパワフルです。あなたにとって、ダンス・ミュージックであることは重要ですか?

ジムイー:全然。偶然そうなったんだ。音楽を作りはじめた最初のころは、クラブ用の曲をたくさん作ってた。クラブ・ミュージックを聴いてもいたしね。だからアルバムにそういう音楽も含まれてはいるけど、そういうアルバムにしようとしたわけじゃない。今回は、ダンスフロアを意識せずに自由に音楽を作りたかった。アルバムを作ってるときは、ただ自分が作りたい音楽を作ってたんだ。何か特別なものを作りたかったわけじゃないし、ダンス・ミュージックみたいにしたいとか、したくないとかはなかった。プロセスは本当に自然だった。それがたまたまダンサブルになっただけ。ダンス・ミュージックとクラブ・ミュージックのいくつかは、自分が世界で一番好きな音楽のひとつでもある。良い作品はね。カリズマとかオマー・Sとか。だから、それが自然と反映されたんだろうね。

通訳:さっきEDMが嫌いとおっしゃってましたが、EDMに関してはどういう意見を持っていますか?

ジム:新しいサブ・ポップ・ジャンルみたいな……できるだけ簡単に曲を作ってるって感じ。リスナーのためだろうけど、何にも挑戦してないし、やりがいがない。キッズたちからデカいリアクションが来るには来るだろうけど……俺はそういうことは絶対にしないから。キッズたちも、そのうちそういう簡単な音楽以上なものを求めるようになるんじゃないかな。もっとやりがいがあったり、ソウルを感じられる音楽。ティーンのなかで作り上げられている新しいロック・スターみたいな存在がEDMのアーティストなんじゃない(笑)?

アルバムの制作にあたって、はじめからコンセプトやテーマはあったのでしょうか?

ジム:いや、なかったね。俺はただ、自然に出てくるものを作品にしただけだから。自分のために作ったし、そのときがたまたま自分のなかの変な時期だったっていうか……どこにも属してなくて、ちょっと迷ってた時期だった。だから、それが自然と表現のなかに出て来たんじゃないかな。でも意識はしていない。アルバムに収録されている曲は、すべてナチュラルなフィーリングで出来てるから。もしかしたら、それが知らないうちにテーマになったのかも。個人的に自分がいた立ち位置というか、自分自身のそのときの姿というか。

そういう意味で、『テル・ミー・アイ・ビロング』というアルバム・タイトル、オープニングの“サムホェア”という曲名が象徴的ですね。

ジム:アルバムを作っていた時期は、なんか外にいた感じがしてて。変な感じ。どこにも属していなかったんだ。周りの友だちはすでにサンフランシスコを出てたから自分もサンフランシスコを出て、で、ニューオリンズに行ってみてもあまりしっくりこなくて、ニューヨークもクレイジーな場所だから完全にホームだとは感じられない。それが曲に表れたんだと思う。俺が何を感じてたかが反映されたんだろうね。
 いま思うと、曲名にもそれが表れてる。高校のとき使ってたサンプルも使われてたりするし、それをニューオリンズでもまた違うヴァージョンに作り変えたり、ニューヨークでも作り直したりってしてたから。属していないとか、落ち着いてない感はたしかに含まれているのかも。

“イズ・イット・ミー”はミニマルで研ぎ澄まされたダンス・トラックですが、これもタイトルが印象的です。クラブ・ミュージックの曲名としては珍しい気がするというか。どうしてこのような、アイデンティティを問うような曲名にしたのでしょうか?

ジムイー:自分でもあまりわからないんだ。ときには2年間とか決まった期間の自分が表れている曲もあるし、昔の自分が表れている曲もあるし……答えはわからない。作ってるときによるんだよね。作ってるときは、自分の感じてることとか自分自身の姿がメインになって表れてくるから。

アルバムには様々なスタイルのトラックがありますが、なかでも“ウィズアウト”はちょっとアフロっぽいムードもあってとくに印象の異なる曲ですね。これはどういったインスピレーションから生まれたトラックなのでしょうか?

ジムイー:自分が作ったビートからはじまった曲。それをだんだん曲にしていった。作っていくうちにインストっぽく感じられなくなって、ヴォーカルを前面に持ってくることに決めた。アンドレア・マーティンが歌ってるんだけど、彼女は素晴らしいR&Bライターなんだ。彼女はエン・ヴォーグとかSWV、トニー・ブラクストンなんかに曲を書いてる。自分より年上で40歳くらいなんだけど、俺の作るような音楽も理解している素晴らしいライターなんだ。R&Bはつねに聴いてるし、彼女は本物の実力あるR&Bライター。だから彼女とコラボできて本当によかったよ。メロディの上から彼女が歌って自分に送ってきたものを、アレンジし直していまのヴァージョンの曲にしたんだ。

アートワークの覆面はあなた自身を表現しているのでしょうか? あるいは違う人物?

ジムイー:あれは俺(笑)。ニューヨークに引っ越してきたときに、パーティに行って気絶するくらいめちゃくちゃ酔ってたんだけど(笑)、その会場にフォトグラファーがいて、あの写真を撮ってくれた。で、アルバム用の写真をどうしようか考えていたとき、これがいいんじゃないかなと思って。わざわざ撮影したものじゃないし、素の自分の写真だったから、何かアルバムの音楽に共通するものがあるような気がして。気に入ってくれるといいけど(笑)。

いま、ミュージシャンとしてもっともトライしたいことを教えてください。

ジムイー:ミュージシャンって、ひとりで作業をする時間が必要だと思うんだ。たとえばジャズのセッションだって、みんないっしょに演奏する前にかなりの時間を個人練習に費やしてる。今回のアルバム作りを終えて、自分ひとりでかなりの時間作業するっていう経験を積めたと思うんだ。これからももちろんそうしていくし、曲も作り続けていくけど、その経験を経たことで、今後ほかのミュージシャンとコラボしていきたいなとも思ってる。俺はもともとバンドで演奏してきたから、そういう音楽もやっぱりやってみたいんだよね。それがいまトライしたいことだな。

dj sniff - ele-king

 オランダの電子音楽研究所STEIMは、ミシャ・メンゲルベルクやディック・ライマーカスら錚々たる顔ぶれによって電子楽器の開発施設として1969年に創設され、自主運営という形態をとりながらワークショップやライヴ・イベント、アーティストの住み込みでの創作活動の支援なども行う、実験的な音楽に携わる人々をつなぐ類稀な場所である。dj sniffはこの歴史ある研究所において長らくアーティスティック・ディレクターの任に就き、国際的な電子音楽祭を手がけるとともに、他方ではクリスチャン・マークレーに連なるターンテーブル奏者としても活動を続け、これまでに3枚のソロ名義のアルバムを世に送り出している。現在は香港に居を構えて活動する彼による新たなアルバムが、一部異なる楽曲が収録されたCDとレコードの両媒体で、〈ダウトミュージック〉からリリースされた。『dj sniff、ダウトミュージックを斬る。』という刺激的な題が冠された本作品は、どの音楽のどの部分を切り出そうともその作者の同一性へと回収されてしまうような強烈な個性を湛えているとも言える〈ダウトミュージック〉の過去作品に対して、dj sniffの緻密な解体/再構築の作業が冴えわたるものとなっている。

 それは素材を即物的に捉える透徹した眼差しから生まれているように思われる。たとえば“クチセサイザー”という楽曲。声に付随する多様なノイズを用いたヴォイス・パフォーマンスで知られる巻上公一の音楽がここでは素材となっている。dj sniffはまず、唇が開くときに出る音や舌を使ったクチュクチュいう音、吐息に伴う唸り声といったノイズの側面が強い素材を、非常に短い断片として取り出している。もともと物質的な音の響きを有するとはいえ、その特異なありようは巻上に固有のものである。しかしそうした素材を彼はつぎに、短いスパンで執拗に反復するような演奏で提示することによって、もはや人間が発した響きとは思えぬような音の肌理細やかさを際立たせるようにしている。そこへさらに声色にも似たシンセサイザーを被せることによって、声と声ならざるものが縺れ合うように鳴り響く。ここにはまるで巻上公一の姿は何もないかのようにみえる。だが特筆すべきは楽曲の前半にリップノイズを散りばめ、後半に声音が入った素材を持ってくることによって、聴き手がそれを人間の声ではなく、はじめから反復される音響として認識してしまうような仕掛けを施している点である。だから楽曲の終結部にあらわれる一度きりの歌声は、完全に巻上公一のものでありながら、構築された響きの終着点としても機能している。いわば素材の強度を保ちつつ、新たな音楽の創造にも成功しているのである。

 他の楽曲においても上で記したような態度を見出すことができる。それは素材とする音楽の固有性に敬意を表しながらも、同時に音具として扱うことによって創造の源泉とするような態度である。広い意味での楽器=発音体という音楽の根本とも言えるものから思考をはじめようとするSTEIMにも通じるそれから生み出された音楽によって聴き手の前に立ち現れるのは、だから強度をもった素材を自由に操るdj sniffの身振りである。その意味では〈ダウトミュージック〉を見事に切り刻み、このレーベルの前作で垣間見えた変化が決定的なかたちをもってあらわされていると言える。しかしながら全トラックに楽曲名が付され、完結した作品として提示されているCDに対して、レコードには素材となっている音のパターンも収められており、この音盤自体が斬られる対象としてレーベルのカタログに加わったことを宣言するような性格のものとなっている。音楽の生成の終わりなき連鎖は、レコードB面の最後のトラック、大友良英のギター・フィードバックが半永久的に再生可能なものとなっていることからも示唆されていよう。採算を度外視して、〈ダウトミュージック〉初の試みとなるレコード・リリースに踏み切ったことの意味を、なんとか汲み取りたいものである。

イマユラ - ele-king

ギターを持った幸田露伴、山本精一。
名著『ギンガ』『ゆん』に続く待ちに待った最新作、『イマユラ』遂に刊行! !

本作では異才を放つイラストも多く掲載。音楽や日常日々の洞察/ 観察力は、最早超人級、アルバムとの深い連動も皆無なのは山本精一ならでは?
音楽、絵画、写真、骨董、そして極めつけは文章! 特殊な才気で衝撃度もMAX!

『文學界』(文藝春秋社)に掲載されたエッセイ「兼好法師—不気味な怜悧さ」は日本文藝家協会の『ベストエッセイ2014』に選出された。

『エレキング』『DU』等での連載エッセイから芥川直木も蹴散らす摩訶不思議な小説まで、2014年レコ屋さんが選ぶイチオシ本。

ギンガ - ele-king

奇才山本精一、衝撃の初エッセイ集『ギンガ』の復刻版!
世界的な評価を得ている大阪のオルタナティヴ・ユニット、ボアダムスに中心メンバーとして1986年 - 2002年まで在籍。現在は、日本の人力トランス・バンドのパイオニアROVO、Phewとのミニマル・パンク・バンドMOST、ムーンライダースの岡田徹とのポップユニットYA-TO-Iなど、多くのユニットでおもに作曲、編曲を担当。ソロ作も高い評価と支持を受ける一方、文筆家としてもすでにゆるぎない存在感を放つ異形のアーティストによる初エッセイ集『ギンガ』が復刻。

イマユラ - ele-king

 ギターを持った幸田露伴、山本精一の名著『ギンガ』『ゆん』に続く待ちに待った最新作『イマユラ』が今週末ついにリリースとなる。紙『ele-king』の好評コラム連載でも、192ページの本誌に毎号深い切れ目のような痕を残していくあの異様の筆にふるえてしまうという方は少なくないだろう。『イマユラ』には、その連載「ナポレオン通信」からも収録されている。
 それにしても、本当に水際立った文体によってつづられた随筆で、音読すればたちまち韻文的な相貌もせりあがってくる。読みふけってふと我に返れば、自分のからだが沼とも谷ともいえる深淵のきわに立っているような錯覚にとらわれるだろう。この夏休みには、高校生の方だってこっそりと手をのばしてみてほしい。本書から音楽家・山本精一に出会うのも、音楽から文筆家・山本精一に出会うのも、どちらも素晴らしい体験だ。

 また、このタイミングで長らく品切れだった第一著書『ギンガ』の復刻版が再度蘇る。これは2009年に新たに32ページを加えて刊行された『ギンガ 増強版』と同内容だ。さらには、2011年の『ラプソディア』以来2年半ぶりとなるオリジナル・フル・アルバム『Falsetto』も完成。こちらも見逃せないリリースとなっている。

山本精一
イマユラ


発売:2014年7月23日
ISBN 978-4-907276-15-7
定価:本体2,000円+税

Tower HMV Amazon

山本精一
ギンガ 増強版


発売:2014年7月23日
ISBN 978-4-907276-16-4
定価:本体1,800円+税

Tower HMV Amazon

山本精一
ファルセット


発売:2014年7月23日
PCD-25167
定価:¥2,500+税

Tower HMV Amazon



 70年代生まれの私たちにとって、女子小学生の遊びといえば、リカちゃん人形をはじめとする着せ替え人形が定番でした。しかし現代の女児たちは、着せ替え遊びにあまり関心がなさそうです。長女が4~5歳の頃に夫からリカちゃん人形を買い与えられたとき、高いドレスをねだられないようにあわてて古着をリメイクしてリアルクローズな人形服をこしらえ、今後のリクエストに応えるべく裁縫材料を購入したものです。しかし彼女がリカちゃんで遊んだのはほんの一時期。落書きされた哀れなリカちゃんは、ビニールケースの中に無造作に突っ込まれたままです。

「もう着せ替え人形では遊ばないの?」
「友だち誰も遊んでないしー。みんな『アイカツ!』とかゲームとかのほうが好きだしー」

 たしかに娯楽が山ほどある現代において、服を着せたり脱がせたりするだけの遊びは退屈にちがいありません。というか、自分自身もなんでそんな退屈な作業をしていたのか、よくわからなくなってきました。狭い家で地味なお下がりを着るしかなかった当時の庶民女児の一人として、リカちゃんになにがしかの夢を託していたのでしょうか。一方、リカちゃんのドレスとさして変わらない値段でひらひらワンピースを買ってもらえるファストファッション時代の現代女児は、わざわざ着せ替え人形で夢を見る必要はなさそうです。事実、リカちゃん人形の売上は、ピーク時に比べて半分以下に下がっていると聞きました(ITmediaニュース)。

 そんな我が家に、なぜかやってきたのが、「起業家バービー」と「大統領バービー」。


左が「起業家バービー」、右が「大統領バービー」

私が「仕事つらい……」と愚痴っていたら、夫が「起業すれば?」と誕生日プレゼントとして注文してくれたのです。

  「起業家バービー(Entrepreneur Barbie)」は、今年6月にマテル社から発売された、バービーがいろいろな職業に挑戦する「Barbie I Can Be…」シリーズの最新作。髪色と肌の色が異なる4種類のラインナップで、アクセサリー小物はスマホにタブレット端末、ブリーフケースと、「おうちサロン」レベルではなさそうな本格的なキャリアウーマン風です。

 「Barbie I Can Be…」シリーズではこのほか、コンピュータ・エンジニア、歯科医、獣医、パイロット、ライフガード、レーサー、サッカー選手、スキー選手、女子アナ、北極レスキュー隊などに扮したバービーが発売されています。「大統領バービー」(U.S.A. President Barbie)もその一つ。ガチャピンにひけをとらないチャレンジぶりですが、同シリーズに限らずバービーの職業人としての歴史は意外にも長く、1960年代の時点で宇宙飛行士、会社役員、地理教師に、1970年代にはダウンヒル・スキーヤー、外科医にもなっています。フェミニズムがカルト思想扱いされている日本に住んでいる身からすると、うらやましいほどのポリティカルコレクトネス。

 そんなバービーですが、本国ではときに厳しいバッシングにさらされてきたのも事実。いわく、バービーで遊んでいた少女ほど、自分の身体イメージに自信が持てず、小学生の頃からダイエットに励む傾向にある。人種偏見を助長する。ジェンダーに対する固定的なイメージを植え付ける。「ご心配なくお母さんお父さん。バービーで遊んでもあなたの娘さんは拒食症になったり人種差別をしたり生涯年収が減ったりはしませんよ」──そんな保護者へのメッセージが、起業家バービーには込められていそうです。起業家バービーの発売に合わせて、公式サイトで実在の女性起業家10名をフィーチャーするBarbie Celebrates Women Entrepreneurs特設ページを設けているのも、フェミニズムを標準装備している保護者へのアピールの一つなのでしょう。またバービーオフィシャルのTumblr「THE BARBIE PROJECT」でも、少女手作りのバービーハウスやお手製メキシコ民族風衣装などのクリエイティヴな遊びの数々が紹介され、娘の知的発達を阻害したくない親心をくすぐってくれます。

 ところが、今年3月にオレゴン州立大学の研究者らが発表した調査は、こうした試みに水を差すようなものでした。バービーで遊ぶ女の子は、男の子よりも将来の職業の選択肢を少なくとらえており、それは従来のバービーで遊ぶ子もお医者さんバービーで遊ぶ子も変わらなかったそうです。職業の選択肢の数が男の子と変わらなかった女の子は、『トイ・ストーリー』のミセス・ポテトヘッドで遊んでいたグループだけ。


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ジェンダーフリーを推進する
じゃがいも「ミセス・ポテトヘッド」

 女子がセクシーであるべしという価値観を内面化してしまうと、必然的に職業の選択肢が減ってしまうということなのでしょうか。ごつくなったり忙しすぎて髭が生えそうな仕事は避けたいでしょうし……。それでも、建前ではあってもコンピュータ・エンジニアが女の子の職業として提示される環境は、率直に言ってうらやましいなと感じています。私は子どもの頃プログラミングや数学が大好きでしたが、女の自分がそれらを活かした道に進めるなんて夢にも思いませんでした。ロールモデルの代わりに与えられたのは、「女がそんなことに興味を持っても何にもならないのに」という、やはり性別ゆえに大学進学を諦めざるをえなかった母親の複雑そうな顔だけ。大人になってみて、女向けとされる仕事は若さや容姿が必須でキャリアを積みづらい職も少なくないことを実感しました。このことが男女間の格差を生んでいる一因であるようにも思われます。ロールモデル、超重要。

 ともあれ、バービーを一目見た長女は、執拗にねだりはじめました。

「リカちゃんでぜんぜん遊んでないじゃない。バービーならいいの?」
「バービーは背が高くてかっこいいからいいの。化粧が濃いのはちょっとイヤだけど。リカちゃんは……かわいい系かな」
「ピンクはもう嫌いになったって言ってなかったっけ。この人たち、どピンクですけど」
「(パステル)ピンクは子どもっぽいもん。でもこのピンクはかっこいいと思う」

 そういえばバービーたちのチェリーピンク×黒の取り合わせ、長女の最近のファッションに似ています。黒ジャージ下にチェリーピンクのトップスという、私からすると不思議なコーディネートは、「強そう」という理由でお気に入りらしい。

 彼女は2体のバービーを両手に持ち、着せ替えはせず(そもそも着替えは付いていないのですが)それぞれの声をアテレコしてごっこ遊びをはじめました。完全に起業家と大統領になりきっています。すごい、ロールモデルになっている。私は子どもの頃、リカちゃんをロールモデルとしてとらえたことはありませんでした。正直、どんな人なのかすらよくわかっていなかったのです。しかしリカちゃんだって時代に合わせた展開をしているはず。調べてみると……


リカちゃん
おしゃべりスマートハウス
ゆったりさん

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 リカちゃんハウスがスマートハウスになっていました。そっち方面に進化していたのか。小物類も、洗濯乾燥機、ルンバ風のロボット掃除機、電動自動車と、最新家電事情を反映しています。しかしこれ、女児は喜ぶのでしょうか。電動自転車で双子の送り迎えもラクラク! 太陽光発電なら電気代もオトクだし、洗濯乾燥機とルンバがあれば夫が非協力的でもどうにかなるワ~って、それ家事育児と仕事を一人で担うお母さんの願望なのでは? よくよくスマートハウスの商品写真を見てみると、台所でお菓子作りをしているお母さん&リカちゃんに、ダイニング・テーブルで新聞を読んでいるお父さんと、家は最新型でもジェンダー観は昭和のままです。写真まんがでは、リカちゃんのドジっ子ぶりも昭和風。あらたにおともだちに加わったキャラの将来の夢は、「ヘアスタイリスト」「トップモデル」「アイドル」「トリマー」「へアメイクアップアーティスト」と、ファッション系で占められています。夢に何を選ぼうが自由とはいえ、偏りすぎというか、リアル女児の夢ももう少しばらけているように思います。これでは起業家リカちゃんや大統領リカちゃんはもちろん、SEリカちゃんも地方議員リカちゃんも生まれそうにありません。家電をきわめてカツマーリカちゃんになれば、意識高いバービー勢に対抗できるかもしれませんが……。

 とはいえ、かの小保方さんがなぜあの論文とあのノートであの地位まで上り詰めたのか、と考えたときに、6歳児ですら嫌がるパステルピンクを積極的に取り入れ、昭和のドジっ子のような実験ノートの取り方をし、理詰めではなくうるうるの瞳で訴えるといった「リカちゃん好きの女児のまま大人になった感」が、大きく介在しているであろうことを思わずにはいられないのです。エライおじさんたちの判断力を奪うほどのピュアな女児力(プリンセス細胞!)。科学の世界だから問題になっただけで、文化系業界や実業界ならあのまま成功し続けただろう、とも感じます。日本の女の子が好きな道で成功するには、リカちゃんをロールモデルにするのが結果正解なのかも。そんなことをぐるぐる考えていたら、ごっこ遊び継続中の娘からこんな声が。

「私ね、29歳で大統領って言ったけど……あれはウソなの」
「実は私も、社長じゃないの」

 虚言癖バービーになっていました。まあそうですよね。身の回りに女性社長も、女性大統領もいないもの。『OECDジェンダー白書――今こそ男女格差解消に向けた取り組みを!』によれば、日本は子育てをしながら働く女性の、男性との給与格差が先進国で最大(男性の39%)なのだそうです。残業ができないために出産前までの職種に戻ることが難しく、パートタイム派遣に就いている私も、格差を構成する母たちの一人。そんな日本の母たちの姿を見ている女児が、人形だけでアメリカンドリームを抱けるはずもなく。やっぱり自分が起業するしかない……のかも。

Arne Deforce & Mika Vainio - ele-king

 現在活動休止中というフィンランドのテクノイズ・ユニット、パン・ソニック。彼らはテクノというコンテクストに、ノイズ/ミュージックを導入した偉大な先駆者である。

 そのパン・ソニックの(元?)メンバー、ミカ・ヴァイニオとイルポ・ヴァイネサンが、ほぼ同時期にノイズ/ドローン・アルバムをリリースした。ミカ・ヴァイニオはチェロ奏者アルネ・デフォルスとのコラボレーション・アルバム『ヘーパイストス』、イルポ・ヴァイネサンはディルク・ドレッセルハウス(シュナイダーTM)とのユニット、エンジェルの新作『テラ・ヌル.』を発表したのだ(両者ともレーベルは〈エディションズ・メゴ〉)。
 もっともふたりがソロ・ワークでドローン/ノイズ的なサウンドを聴かせるのは以前からのこと。特にミカはパン・ソニック的なビートとは違う非反復的なリズムをソロ作品で展開してきたのだからとくに目新しいことではない。だが、この2作品を聴き比べていくことで、ふたりのアーティストの個性があらためて浮き彫りにもなる。
 それほどまでにこの2作品は対照的だ。まず、『ヘーパイストス』において、ミカ・ヴァイニオはアルネ・デフォルスとのふたりだけで音を生成している。対してイルポ・ヴァイネサンのエンジェルは、ディルク・ドレッセルハウスとのユニットであるが、複数の音楽家がゲスト参加をしており、彼らとの共闘によって録音されたものである。
 さらには、ミカはソロ・別名義・コラボレーションと旺盛なソロ活動を展開しているが、イルポは寡作だ。エンジェルとしても2011年『26000』以来、約3年ぶりの新作リリースというのも対照的ともいえよう。
 
 それぞれの作品を検討してみよう。まず、ミカ・ヴァイニオとアルネ・デフォルスのアルバムは、チェロと電子音の極めて物質的な交錯による音響作品だ。チェロ奏者アルネ・デフォルスはヤニス・クセナキスやモートン・フェルドマンの難曲も弾きこなし、フランスの現代音楽・古楽レーベル〈イーオン〉からアルバムもリリースしている名演奏家だ。もはや「出せない音はない」とまでいわれている人である。
 『ヘーパイストス』においても、アルネはミカの繰り出す強烈な電気ノイズに真っ向から対峙し、弦が芯から震えるような強烈な音響=ノイズを鳴らしている。それはチェロという楽器の極限への挑戦のようである。さらにその轟音の狭間に不意にチェロ特有の繊細な美音をたおやかに奏でもするのだ。
そしてミカの発する電気ノイズも、アルネが鳴らす弦のハードコア・サウンドに呼応するように、マテリアルな電気雑音を放出していく。まさに電気と弦の物質的恍惚。ちなみに「ヘーパイストス」とは炎と鍛冶の神ということだが、炎をアルネ、鍛冶をミカと置き換えることも可能かも知れない。
 また、本作に通低するリズムは、ミカのほかのソロと同じく非反復的な感覚が濃厚だ。二人の音はぶつかりあい、衝突し、そこから新たな音が生まれていく。その意味で、本作は、ここ数年のミカ・ヴァイニオ作品の中でも、もっともハードコアな音響作品といえよう。ミカは現代音楽と電子音響以降のノイズ・ミュージックの融合/交錯に成功している。

 では、イルポ・ヴァイネサンとディルク・ドレッセルハウスによるエンジェルはどうか。このユニットも基本的にはノイズ/ドローンな音響を聴かせてくれる。とはいえ、2002年のファースト・アルバム『エンジェル』(〈ビップーホップ〉)にもディルクのギターはフィーチャーされており、2006年の『イン・トランスメディアーレ』(2005年にクラブ・トランスメディアーレでの録音)でも、チェロ奏者・作曲家ヒルドゥル・グズナドッティルをコラボレーターに迎えていることからもわかるように、そもそもこのユニットは活動当初から電子・電気ノイズと生楽器の融合を目的として活動していたといえる。〈エディションズ・メゴ〉より2008年にリリースされた『カルムイク』でも、ヒルドゥル・グズナドッティルはアルバム全編を通して演奏し圧倒的な存在感を示している。前作『26000』(2011)にもヒルドゥルは参加しており、もはや準メンバーといっていいほどだ(ちなみにこの『26000』には、BJ・ニルセンがエレクトロニクス、オーレン・アンバーチがギターで参加!)。
 そして最新作『テラ・ヌル.』においては、ヒルドゥル・グズナドッティルに加え、ミカとの競演経験もあるアルゼンチン出身のベテラン・インプロヴァイザー、ルチオ・カペーチェがソプラノ・サックスやクラリネットなどで参加しているのだ。なんという豪華さ。

 そんな『テラ・ヌル.』は、ディルク・ドレッセルハウスのどこか寂しげなギターからはじまる。やがて電子ノイズが絡まり、4者は音楽/音響を行き来しながら、ノイズ/ドローンの洪水を生み出していく。彼らは本作を「ダーウィン的な進化のドローン」と語っているようだが、ある種の生命の進化のように、互いに呼応しながら生成と淘汰を繰り返し、ある必然性を持って音響が生まれているように思える。とても演奏的なドローンだと思った。

 端的にいって、同じように楽器を導入したドローン/ノイズ作品でも、ミカ(たち)の作品は、マテリアル/マシニックな音響であり、対してイルポ(たち)のサウンドは、より音楽的な反復を聴きとることができるのだ。いわば「演奏」を感じるのである。そう、ふたつに分裂したパン・ソニックは、ドローン/ノイズという共通項を持ちつつも、非反復と反復、音響と音楽、放出と演奏、テクスチャアルとコンセプチュアルという両極でサウンドを発生しているといえる。

 まるでプラスとマイナスのように対極/対照的な音を生み出すミカとイルポの現在。その音は、90年代から現在の音響シーンを貫く貴重な存在である。ゆえにわれわれパン・ソニック・マニアは、いまも彼らの動向から目が離せないのだ。

あいつ呼ぼうぜ! - ele-king

 Aliveというサービスをご存じだろうか?

 立ち上がってまだ1年にも満たないというが、テレビや経済系のメディアなどでも紹介されているので、ご存知のかたもいらっしゃるかもしれない。
 Aliveとはいわば新しいスタイルの“呼び屋”システムだ。一般のユーザーから呼びたいアーティストのリクエストを受け、その実現が可能なレベルまで“支援”が集まれば、ライヴが開催される。“支援”とはチケット予約のこと。もちろん企画が実現されない場合は決済は行われない。イメージとしては、ライヴ・イヴェント限定のクラウドファンディング・プラットフォームといったところだろうか。

 しかし、ユーザーがリクエストと“支援”を行うだけ、という最小限の手間によって、効率的にニーズを集約できるのはすごい。まだサービス開始から数か月という短い期間でありながら、モントリオールのドリーム・ポップ・デュオ、ブルー・ハワイをはじめとして、シューゲイジンな人気ガレージ・バンド、クロコダイルズやUKのサマー・キャンプ、クラムス・カジノらと比較される年若きプロデューサーXXYYXXなど、さまざまなアーティストの招聘が現実化している。「自分は大好きなんだけど、こんなマイナーな人たちの来日なんて無理だよなあ……」というようなアーティストの顔をだれでもひとりやふたり思い当たるだろうが、Aliveにリクエストしてみれば、この広い世の中、同じように酔狂な人間が意外な数存在しているという幸福な事実にぶつかるかもしれない。

 ともあれ、公式サイトに飛べば詳しい説明や絶賛支援募集中のアーティストを見ることができる。もちろん諸事情あるだろうから、リクエストがただちに支援募集企画として立ち上がるわけではないが、投稿欄にはインディ・アーティストを中心にジャスティン・ティンバーレイクなどまでが上がっていておもしろい。ついつい発想がインディにかたよってしまったが、超ビッグネームが意外な抜け穴を通って来日することだってあり得るよね。

詳しくはこちら!
Aliveサイト:https://www.alive.mu/


Meridian Brothers - ele-king

 先日、コロンビアの女性と音楽の話になったときに、「コロンビアには豊かな音楽があるけれど、クンビアはダサいから聞かない」とバッサリ斬られた。クンビアとはコロンビア発祥の4分の2拍子のリズムを持つラテン音楽である。彼女にとったら、デジタル・クンビアの流行後にイナたい昔ながらのクンビアまでもが、世界各地で聞かれたり、踊られたりしている光景に違和感を感じるらしい。「ボンバ・エステレーオやシステマ・ソラールみたいなコロンビアの伝統音楽をイマっぽく演奏する国際的なグループはいるけれど、現地の若者は誰もクンビアを聞かない」と。しかし、コロンビアの首都ボゴタ出身の6人組、メリディアン・ブラザーズの4枚目のアルバム『サルバドーラ・ロボット』を聞くと、こんな新しい見せ方のクンビアもあるんだから、と彼女に言いたくなる。
 メリディアン・ブラザーズの公式ホームページのプロフィールによれば、彼らは1998年に結成し、ラテン・ロック(とくにアルゼンチンのロック)に多大な影響を受けているそうだ。
 ジャイルス・ピーターソンに評価されて注目を集めた前作『Desesperanza(日本語に訳すと「絶望」)』(2012)では、ラテンと電子音のポップな混合という印象が強いが、今作では、クンビアを前衛ロックやジャズに昇華している。単純にデジタル化させることなく、きちんと演奏しているのがいい。
 ピロポロと呑気なアナログ・シンセの音色が派手に構えているけれど、肝は鋭いドラムだ。奇妙に変調するシンコペーションが気持ちいいが、その音の渦の合間に訪れるタメに、はっとさせられる。クンビアのあいだとジャズのあいだが重なる瞬間は恍惚であり、このグループはすき間の使い方がとても巧い。クンビアだけでなく、コロンビア発祥のバジェナート、ウルグアイのパーカッション音楽のカンドンベ、ペルーのクリオージャ音楽のような南米のアフリカ文化の色彩が豊かに散りばめられている。歌っているのは労働者の悲哀や、男と女のエゴとかで、酒場できかれるような愚痴に近い。つまりは、大衆歌謡の流れを継承しているのだが、音には一筋縄ではいかない姿勢が滲み出ている。ジミ・ヘンドリックスの『パープル・ヘイズ』の陽気に壊れたカヴァーで、アルバムの幕を閉じるあたりにも、その気概を感じるのだ。ちなみに、この音楽は「ごった煮」ではない。トロピカルと反骨の共生への果敢なる挑戦なのである。

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